JP6471481B2 - 光学活性β−アミノカルボニル化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カラムリアクタを用いた不斉マンニッヒ型反応による光学活性β−アミノカルボニル化合物の製造方法に関する。
プロリン(proline)とその誘導体は、有機合成における有機分子触媒としての作用が見出されている。特に、光学活性なプロリン骨格が容易に入手可能であること、金属を使用しないこと、使用環境が限定されないこと等のメリットを有する。そのようなプロリンの触媒活性としては、医薬品原料等の合成に有用な均一液相系マンニッヒ型反応において、シン型の光学活性β−アミノカルボニル化合物を高収率・高エナンチオ選択的に与えることが知られている(特許文献1)。ところが、均一液相系マンニッヒ型反応では、反応混合物からの触媒であるプロリン誘導体の低コストでの除去が難しく、このため、プロリン誘導体を固相触媒化することが提案されている。例えば、プロリン(proline)構造を分子中に有するアクリレート誘導体モノマーと、スチレンやジビニルベンゼン等の不飽和化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有するモノマー組成物を懸濁重合させて得た樹脂粒子を不斉固相触媒粒子として利用し、それを、α水素を有するカルボニル化合物を溶解した溶液がチャージされた反応容器中に投入し、反応混合液を均一に混合しながら加熱することでバッチ式でアルドール反応生成物を得ることが提案されており(非特許文献1)、この技術を不斉マンニッヒ型反応に適用することが考えられる。
特許第4741199号明細書
ORGANIC LETTERS, 2009, vol.11, No.14, pp.2968-2971
しかしながら、非特許文献1の不斉触媒粒子を用いるバッチ式の不斉マンニッヒ型反応等では、バッチ容積(スケール)やバッチ形状によって、撹拌速度、反応時間、反応温度等を個別に制御する必要があり、また、反応生成物を触媒から分離する際にも煩雑な分離操作が必要となるという問題があった。
本発明の目的は、以上の従来の技術の問題点を解決することであり、スケールにとらわれずに、不斉マンニッヒ型反応による有機合成に容易に対応でき、しかも、反応生成物を触媒から煩雑な分離操作を要さずに分離できるように、固相触媒である不斉触媒粒子を用いて光学活性β−アミノカルボニル化合物を製造することである。
本発明者らは、不斉触媒粒子をカラムリアクタ用のカラムに充填することによりカラムリアクタを作成し、そのカラムリアクタにマンニッヒ型反応用化合物を導入して不斉触媒粒子に接触させ、それによりマンニッヒ型反応用化合物を光学活性β−アミノカルボニル化合物に変換することにより本発明の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
(第1の態様)
即ち、本発明は、カラムリアクタ用のカラムに不斉触媒粒子が充填されてなるカラムリアクタを用いた不斉マンニッヒ型反応により光学活性β−アミノカルボニル化合物を製造する方法であって、
該不斉触媒粒子が、不斉源を有するモノマーを含むモノマー組成物から調製された樹脂粒子であり、
該カラムリアクタ中にマンニッヒ型反応用化合物を導入して該不斉触媒粒子に接触させ、それによりマンニッヒ型反応用化合物を光学活性β−アミノカルボニル化合物に変換することを特徴とする製造方法を提供する。
(第2の態様)
また、本発明は、カラムリアクタ用カラムに、不斉触媒粒子が充填されたカラムリアクタであって、不斉触媒粒子が、不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーと、ラジカル重合開始剤とを含有するモノマー組成物から調製された、不斉マンニッヒ型反応の触媒となることができる樹脂粒子であるカラムリアクタを提供する。
(第3の態様)
更に、本発明は、カラムリアクタ用カラムに、不斉触媒粒子を充填することを特徴とするカラムリアクタの製造方法であって、不斉触媒粒子として、不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーと、ラジカル重合開始剤とを含有するモノマー組成物から調製された、不斉マンニッヒ型反応の触媒となることができる樹脂粒子を使用する製造方法を提供する。
以下に、上述の第1〜第3の態様の代表的な変形例を示す。
(第1の態様の変形例1)
カラムリアクタ用のカラムに不斉触媒粒子が充填されてなるカラムリアクタを用いた不斉マンニッヒ型反応により光学活性β−アミノカルボニル化合物を製造する方法であって、
該不斉触媒粒子が、不斉源を有するモノマーとしてN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン、N−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−cis−4−ヒドロキシ−D−プロリン、又はN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(4−ビニルベンジル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリンと、更にラジカル重合開始剤とを含有するモノマー組成物から調製された、不斉マンニッヒ型反応の触媒となることができる樹脂粒子であり、
該カラムリアクタ中にマンニッヒ型反応用化合物を導入して該不斉触媒粒子に接触させ、それによりマンニッヒ型反応用化合物を光学活性β−アミノカルボニル化合物に変換することを特徴とする製造方法。
(第1の態様の変形性2)
カラムリアクタ用のカラムに不斉触媒粒子が充填されてなるカラムリアクタを用いた不斉マンニッヒ型反応により光学活性β−アミノカルボニル化合物を製造する方法であって、
該不斉触媒粒子が、不斉源を有するモノマーとしてN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン、N−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−cis−4−ヒドロキシ−D−プロリン、又はN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(4−ビニルベンジル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリンと、更にラジカル重合開始剤とを含有するモノマー組成物から調製された、不斉マンニッヒ型反応の触媒となることができる樹脂粒子であり、
該カラムリアクタ中に、p−アニシジンと、ジメトキシアセトアルデドと、シクロヘキサノンとを導入して該不斉触媒粒子に接触させ、それにより光学活性β−アミノカルボニル化合物として(1′S,2S),2−(2′,2′−ジメトキシ−1′−(4″−メトキシフェニルアミノ)エチル)シクロヘキサノンを得ることを特徴とする製造方法。
(第1の態様の変形例3)
カラムリアクタ用のカラムに不斉触媒粒子が充填されてなるカラムリアクタを用いた不斉マンニッヒ型反応により光学活性β−アミノカルボニル化合物を製造する方法であって、
該不斉触媒粒子が、不斉源を有するモノマーとしてN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン、N−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−cis−4−ヒドロキシ−D−プロリン、又はN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(4−ビニルベンジル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリンと、更にラジカル重合開始剤とを含有するモノマー組成物から調製された、不斉マンニッヒ型反応の触媒となることができる樹脂粒子であり、
該カラムリアクタ中に、p−アニシジンと、ジメトキシアセトアルデドと、シクロヘキサノンとを導入して該不斉触媒粒子に接触させ、それにより光学活性β−アミノカルボニル化合物として(1′S,2S),2−(2′,2′−ジメトキシ−1′−(4″−メトキシフェニルアミノ)エチル)シクロヘキサノンを得、該カラムリアクタ中で更に光学分割をする製造方法。
(第1の態様の変形例4)
カラムリアクタ用のカラムに不斉触媒粒子が充填されてなるカラムリアクタを用いた不斉マンニッヒ型反応により光学活性β−アミノカルボニル化合物を製造する方法であって、
該不斉触媒粒子が、不斉源を有するモノマーとしてN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン、N−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−cis−4−ヒドロキシ−D−プロリン、又はN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(4−ビニルベンジル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリンと、更にラジカル重合開始剤とを含有するモノマー組成物を連続相に吐出し、それにより連続相中にモノマー組成物の液滴を形成させ、その後、その液滴を加熱して不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーをラジカル重合させるというマイクロチャネル法で調製された、不斉マンニッヒ型反応の触媒となることができる樹脂粒子であり、
該カラムリアクタ中に、p−アニシジンと、ジメトキシアセトアルデドと、シクロヘキサノンとを導入して該不斉触媒粒子に接触させ、それにより光学活性β−アミノカルボニル化合物として(1′S,2S),2−(2′,2′−ジメトキシ−1′−(4″−メトキシフェニルアミノ)エチル)シクロヘキサノンを得、該カラムリアクタ中で更に光学分割をする製造方法。
(第2の態様の変形例1)
カラムリアクタ用カラムに、不斉触媒粒子が充填されたカラムリアクタであって、不斉触媒粒子が、不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーとしてN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン、N−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−cis−4−ヒドロキシ−D−プロリン、又はN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(4−ビニルベンジル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリンと、ラジカル重合開始剤とを含有するモノマー組成物を連続相に吐出し、それにより連続相中にモノマー組成物の液滴を形成させ、その後、その液滴を加熱して不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーをラジカル重合させることにより調製された、不斉マンニッヒ型反応の触媒となることができる樹脂粒子であるカラムリアクタ。
(第3の態様の変形例1)
カラムリアクタ用カラムに、不斉触媒粒子を充填することを特徴とするカラムリアクタの製造方法であって、不斉触媒粒子として、不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーとしてN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン、N−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−cis−4−ヒドロキシ−D−プロリン、又はN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(4−ビニルベンジル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリンと、ラジカル重合開始剤とを含有するモノマー組成物を連続相に吐出し、それにより連続相中にモノマー組成物の液滴を形成させ、その後、その液滴を加熱して不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーをラジカル重合させることにより調製された、不斉マンニッヒ型反応の触媒となることができる樹脂粒子を使用する製造方法。
本発明の光学活性β−アミノカルボニル化合物の製造方法によれば、固相触媒である不斉触媒粒子が充填されたカラムリアクタに反応用化合物を導入して不斉触媒粒子に接触させ、それによりマンニッヒ型反応用化合物を光学活性β−アミノカルボニル化合物に変換するので、スケールにとらわれずに、不斉マンニッヒ型反応により有機合成に容易に対応することができ、しかも、生成した光学活性β−アミノカルボニル化合物を不斉触媒粒子から煩雑な分離操作を要さずに分離できる。
カラムリアクタを用いた不斉マンニッヒ型反応による本発明の光学活性β−アミノカルボニル化合物の製造方法は、以下の工程(a)及び(b)を有する。以下、工程毎に説明する。
<工程(a)>
まず、カラムリアクタ用のカラムに、後述する不斉触媒粒子を充填してカラムリアクタを作成する。カラムリアクタ用のカラムとしては、ガラスカラム、アルミナ等のセラミックカラム、ステンレス等の金属カラム等が挙げられる。HPLC用のカラムを転用することもできる。通常、これらのカラムの一端には反応液を導入するための導入口が、他端には反応液を排出するための排出口が設けられている。
このようなカラムのサイズは、取扱性と発明の効果という観点から、通常、内径4.6〜200mm、長さ10〜10000mmである。
不斉触媒粒子をカラムに充填する場合、公知の充填手法を採用することができる。例えば、発明の効果を得るという観点から、不斉触媒粒子をエタノール等の溶媒に分散させ、得られた分散液をカラムに0.1〜500ml/分の流速で、圧力が最大10〜200MPaとなるように充填することが挙げられる。
不斉触媒粒子の粒径としては、粒径が小さくなると不斉触媒粒子の単位質量当たりの表面積が増大し、反応場が増大するので、反応用化合物と不斉触媒粒子との接触頻度を増大させることができる。粒径が大きくなると、カラムリアクタへの液体の圧入が容易になる。従って、好ましくはフロー式粒子像撮像分析法で測定した場合に0.5〜50μm、より好ましくは1〜10μmである。
<工程(b)>
次に、カラムリアクタ中にマンニッヒ型反応用化合物を導入して不斉触媒粒子に接触させ、不斉マンニッヒ型反応によりマンニッヒ型反応用化合物を光学活性β−アミノカルボニル化合物に変換する。この場合、マンニッヒ型反応用化合物を溶媒(例えばヘキサン等)に溶解した反応溶液をカラムリアクタに、常法に従って、例えば、HPLCのシステムを利用して圧入すればよい。圧入の際の溶媒としては、反応用化合物の種類などに応じて適宜選択することができる。例えば、発明の効果を得るという観点から、ヘキサン等を挙げることができる。圧力としては、好ましくは10〜200MPa、流速としては好ましくは0.1〜500ml/分、圧入時間としては好ましくは0.5〜250時間を挙げることができる。
生成した光学活性β−アミノカルボニル化合物は、カラムリアクタの排出口から溶媒と共に押し出されてくるので、容量や時間を決めて分取することが好ましい。必要に応じて濃縮し、濃縮物を、例えば、発明の効果を得るという観点から、ヘキサン:イソプロピルアルコール(99.9:0.1〜70:30(容量%))等の混合溶媒を用いて、流速0.1〜5ml/分という条件でHPLCを使用して光活性β−アミノカルボニル化合物の反応率を分析することができる。このような分析の結果、本発明の光学活性β−アミノカルボニル化合物の製造方法によれば、エナンチオ過剰率を、好ましくは50〜100%e.e.以上とすることができる。
マンニッヒ型反応用化合物としては、基本的に、第1級又は第2級アミン化合物と、α水素を有さないカルボニル化合物もしくはそれとマンニッヒ型反応に関して等価なカルボニル化合物と、活性なα水素を有する化合物との三成分を選択する。このα水素を有さないカルボニル化合物(もしくはそれとマンニッヒ型反応に関して等価なカルボニル化合物)とは、第1級又は第2級アミン化合物と反応してイミノ化合物もしくはイミノニウムカチオン化合物を与え得るアルデヒド化合物であり、一方、活性なα水素を有する化合物とは、イミノ化合物もしくはイミノニウムカチオン化合物と反応するエノール化合物を与え得るカルボニル化合物である。
このようなマンニッヒ型反応用化合物を化学式構造式で表すと、式(1)のアミン化合物と、該アミン化合物と反応してイミノ化合物もしくはイミノニウムカチオン化合物を与え得る式(2)のアルデヒド化合物と、該イミノ化合物もしくはイミノニウムカチオン化合物と反応するエノール化合物を与え得る式(3)のα水素を有するカルボニル化合物となる。
カラムリアクタ中において、式(1)のアミン化合物と式(2)のアルデヒド化合物とからイミノ化合物もしくはイミノニウムカチオン化合物が形成され、そのイミノ化合物もしくはイミノニウムカチオン化合物に、不斉触媒粒子の存在下でエノール化した式(3)のカルボニル化合物が反応することにより光学活性β−アミノカルボニル化合物を得ることができる。この場合、式(3)のα水素を有するカルボニル化合物を、必要によりマンニッヒ型反応の助触媒となるトリエチルアミン等のような有機塩基と共にヘキサン等の溶媒に溶解させた溶液(移動相)をカラムリアクタ中に導入することにより、カラムリアクタ中に不斉触媒を充填する際に使用した溶媒を予め置換しておくことが好ましい。その置換の後、式(1)のアミン化合物と式(2)のアルデヒド化合物とを含有する混合液を、カラムリアクタ中に導入することが好ましい。
Figure 0006471481
式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立的に水素原子、アリール基、アロイル基、ヘテロ環基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基である。但し、R1とR2とは同時に水素原子ではない。R4及びR5は、それぞれ独立的に水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基である。R4とR5とは、互いに結合して環を形成してもよい。
R1、R2及びR3におけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、フルオレン基等が挙げられる。アロイル基としては、ベンゾイル基、トルオイル基、シンナモイル基、ナフトイル基、ピリジルカルボニル基等が挙げられる。ヘテロ環基としては、ピペリジニル基、フラニル基、チオフェニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ジオキソラニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ジオキサニル基、ジチアニル基、モルホリニル基、アゼピニル基、オキセピニル基、チエピニル基等が挙げられる。これらのアリール基、アロイル基及びヘテロ環基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基、ニトロ基、ハロゲン原子(たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルコキシル基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。
R1、R2、R3、R4及びR5におけるアルキル基としては、炭素数が1〜20、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec-ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、t−オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、炭素数が2〜20、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基が挙げられる。例えば、ビニル基、アリル基等のプロペニル基、ブチリル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。これらは、末端オレフィンであってもよく、内部オレフィンであってもよい。また、アルキニル基としては、炭素数2〜20、好ましくは2〜6のアルキニル基が挙げられる。例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基、ドデシニル基、トリデシニル基、テトラデシニル基、ペンタデシニル基、ヘキサデシニル基、ヘプタデシニル基、オクタデシニル基、ノナデシニル基、イコシニル基等が挙げられる。これらは、末端アルキンであってもよく、内部アルキンであってもよい。これらのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、先に説明したようなアリール基、アロイル基、ヘテロ環基等が挙げられ、これらは更にアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基、ニトロ基、ハロゲン原子(たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数が1〜6のアルコキシ基)、アルケニルオキシ基(例えば、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、ブテニルオキシ基、ペンテニルオキシ基、ヘキセニルオキシ基等の炭素数が2〜6のアルケニルオキシ基)等で置換されていてもよい。
R4とR5とが互いに結合して環を形成する例としては、シクロアルカノン(例えば、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロへプタノン等)、シクロアルケノン(例えば、ブテノン、シクロペンテノン、シクロへキセノン、シクロヘプテノン等)、シクロアルキノン(例えば、シクロヘキシノン、シクロへプチノン等)が挙げられる。中でもシクロヘキサノンが好ましい例として挙げられる。
なお、式(2)のアルデヒド化合物と式(3)のα水素を有するカルボニル化合物とが、同じである場合も有り得るが、相違することが目的物の収率向上の点からより好ましい。
式(1)のアミン化合物の例としては、ヘキシルアミン等のモノアルキルアミン、ジヘキシルアミン等のジアルキルアミン、フェニルアミン等のモノアリールアミン、ジフェニルアミン等のジアリールアミン等が挙げられる、これらの中でも目的物の収率向上の点からモノアリールアミンが好ましい。このようなモノアリールアミンの中でも、モノフェニルアミン誘導体(アニリン誘導体)が好ましい。アニリン誘導体の具体例としては、アニシジン、クロロアニリン、ブロモアニリン、ヨードアニリン、アニリン、ジメトキシアニリン、トリメトキシアニリン等が挙げられる。中でも、反応性や目的物の収率向上の点からp−アニシジンを好ましく挙げることができる。
式(2)のアルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ジメトキシアセトアルデヒド、プロパナール、ブチラール、ペンタナール(バレルアルデヒド)、ヘキサナール等の非環式アルデヒド類、シクロヘキシルカルボアルデヒドなどの脂環式アルデヒド類、ベンズアルデヒド、4−ニトロベンズアルデヒド、3−ニトロベンズアルデヒド、4−トリフルオロメチルベンズアルデヒドなどの芳香族アルデヒド類等が挙げられる。中でも、汎用性、目的物の収率向上の点からジメトキシアセトアルデヒドを好ましく挙げることができる。
式(3)のα水素を有するカルボニル化合物としては、アセトアルデヒド、ジメトキシアセトアルデヒド、プロパナール、ブチラール、ペンタナール(バレルアルデヒド)、ヘキサナール等の非環式アルデヒド類、シクロヘキシルカルボアルデヒドなどの脂環式アルデヒド類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等の非環式ケトン類、シクロブタノン、シクロブテノン、シクロペンタン、シクロペンテノン、シクロヘキサノン、シクロヘキセノン等の環式ケトンを挙げることができる。中でも、目的物の収率向上の点からシクロヘキサノンを好ましく挙げることができる。
従って、特に好ましいマンニッヒ型反応用化合物の組み合わせは、式(1)のアミン化合物がp−アニシジンであり、式(2)のアルデヒド化合物がジメトキシアセトアルデドであり、式(3)のα水素を有するカルボニル化合物がシクロヘキサノンである組み合わせである。これらの化合物からは、マンニッヒ型反応により2−(2′,2′−ジメトキシ−1′−(4″−メトキシフェニルアミノ)エチル)シクロヘキサノンが得られ、以下の四種の光学異性体(Anti−1,Anti−2,Syn(2種))が存在する。これら光学異性体の生成比のコントロールは、不斉触媒粒子の種類の選択により行うことができる。
Figure 0006471481
これらの光学異性体の中で、産業的には、(1′S,2S),2−(2′,2′−ジメトキシ−1′−(4″−メトキシフェニルアミノ)エチル)シクロヘキサノンの価値が高い。
なお、本発明の製造方法において、カラム長、カラム径または双方を伸張させたり、展開溶媒の種類を変更させたりすることにより、生成した光学活性β−アミノカルボニル化合物をカラムリアクタ中で更に光学分割することが可能となる。具体的には、カラム長もしくはカラム径または双方を伸張させることにより、光学分割に利用される触媒量が増加することで、生成物と触媒間での相互作用の発生回数が増加するので反応生成物の光学分割が可能となり、また、反応率も向上させることができる。また、反応用化合物を溶解した溶媒に代えて他の展開溶媒に変更することにより、展開溶媒、生成物、触媒間での相互作用が変化し、光学異性体間での保持時間に差が生じるので、反応生成物の光学分割が可能となる。
(不斉触媒粒子)
不斉触媒粒子としては、不斉源を有するモノマー(例えば、BINAP(2,2′-bis(diphenylphosphino)-1,1′-binaphthyl))を含むモノマー組成物を公知の手法で懸濁重合させて得たものや、多孔質ポリマーや多孔質セラミックスの孔部分に不斉源となる有機化合物(例えば、BINAP(2,2′-bis(diphenylphosphino)-1,1′-binaphthyl))を保持させたもの等が挙げられる。中でも好ましい不斉触媒粒子としては、不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーとラジカル重合開始剤とを含有するモノマー組成物から通常の懸濁重合により調製された、アルドール反応やマンニッヒ反応の触媒となる樹脂粒子を挙げることができる。特に好ましい不斉触媒粒子としては、前述のモノマー組成物を連続相に吐出し、それにより連続相中にモノマー組成物の液滴を形成させ、その後、その液滴を加熱して不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーをラジカル重合させるというマイクロチャネル法で調製されたものが挙げられる。マイクロチャネル法については後述する。
なお、このモノマー組成物には、必要に応じ、単価又は多価不飽和化合物モノマーを含有させることができる。単価不飽和化合物モノマーを含有させた場合には、モノマー組成物の低粘度化という効果が得られ、また多価不飽和化合物モノマーを含有させた場合には、粒子の高硬度化という効果が得られる。
モノマー組成物を構成する不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーは、ラジカル重合後にも不斉源となるプロリン構造(以下の構造式(A)〜(D))を有するものであり、ラジカル重合して触媒粒子の樹脂マトリックスの一部を構成するものである。このような不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーとしては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 0006471481
O-acryloyl-trans-4-hydroxy-L-proline
O-acryloyl-cis-4-hydroxy-L-proline
O-methacryloyl-trans-4-hydroxy-L-proline
O-methacryloyl-cis-4-hydroxy-L-proline
O-(2-methacryloyloxyethylsuccinoyl)-trans-4-hydroxy-L-proline
O-(2-methacryloyloxyethylsuccinoyl)-cis-4-hydroxy-L-proline
N-tert-butyloxycarbonyl-O-acryloyl-trans-4-hydroxy-L-proline
N-tert-butyloxycarbonyl-O-acryloyl-cis-4-hydroxy-L-proline
N-tert-butyloxycarbonyl-O-methacryloyl-trans-4-hydroxy-L-proline
N-tert-butyloxycarbonyl-O-methacryloyl-cis-4-hydroxy-L-proline
N-tert-butyloxycarbonyl-O-(2-methacryloyloxyethylsuccinoyl)-trans-4-hydroxy-L-proline
N-tert-butyloxycarbonyl-O-(2-methacryloyloxyethylsuccinoyl)-cis-4-hydroxy-L-proline
O-acryloyl-trans-4-hydroxy-D-proline
O-acryloyl-cis-4-hydroxy-D-proline
O-methacryloyl-trans-4-hydroxy-D-proline
O-methacryloyl-cis-4-hydroxy-D-proline
O-(2-methacryloyloxyethylsuccinoyl)-trans-4-hydroxy-D-proline
O-(2-methacryloyloxyethylsuccinoyl)-cis-4-hydroxy-D-proline
N-tert-butyloxycarbonyl-O-acryloyl-trans-4-hydroxy-D-proline
N-tert-butyloxycarbonyl-O-acryloyl-cis-4-hydroxy-D-proline
N-tert-butyloxycarbonyl-O-methacryloyl-trans-4-hydroxy-D-proline
N-tert-butyloxycarbonyl-O-methacryloyl-cis-4-hydroxy-D-proline
N-tert-butyloxycarbonyl-O-(2-methacryloyloxyethylsuccinoyl)-trans-4-hydroxy-D-proline
N-tert-butyloxycarbonyl-O-(2-methacryloyloxyethylsuccinoyl)-cis-4-hydroxy-D-proline
N-tert-butyloxycarbonyl-O-(4-vinylbenzyl)-trans-4-hydroxy-L-proline
N-tert-butyloxycarbonyl-O-(4-vinylbenzyl)-cis-4-hydroxy-L-proline
N-tert-butyloxycarbonyl-O-(4-vinylbenzyl)-trans-4-hydroxy-D-proline
N-tert-butyloxycarbonyl-O-(4-vinylbenzyl)-cis-4-hydroxy-D-proline
中でも、原料入手や合成の容易性等の観点から
N-tert-butyloxycarbonyl-O-(2-methacryloyloxyethylsuccinoyl)-trans-4-hydroxy-L-proline、
N-tert-butyloxycarbonyl-O-(2-methacryloyloxyethylsuccinoyl)-cis-4-hydroxy-D-proline、
N-tert-butyloxycarbonyl-O-(4-vinylbenzyl)-trans-4-hydroxy-L-proline、
O-(2-methacryloyloxyethylsuccinoyl)-trans-4-hydroxy-L-proline等を好ましく使用することができる。これらの化合物は、前述の非特許文献1やJ.Org. Chem., 2010, 75(5), pp.1620-1629、Eur. J.Org. Chem., 2007, pp.4688-4698等を参照して調製することができる。
モノマー組成物は、不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーに加えて、必要に応じ、単価不飽和化合物モノマー又は多価不飽和化合物モノマーを含有することができる。不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマー100質量部に対し、単価不飽和化合物モノマー又は多価不飽和化合物モノマーの配合量は、好ましくは100〜10000質量部、より好ましくは300〜1900質量部である。
単価不飽和化合物モノマーとしては、オレフィン、モノビニル芳香族、単官能(メタ)アクリレート(ここで、(メタ)アクリレートにはアクリレートとメタクリレートとが包含される)等を挙げることができる。
オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、長鎖のα−オレフィン等を挙げることができる。モノビニル芳香族としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン等の核アルキル置換モノビニル芳香族化合物、α−メチルスチレン等のα−アルキル置換モノビニル芳香族化合物、β−アルキル置換スチレン、アルコキシ置換スチレン、インデン誘導体及びアセナフチレン誘導体等を挙げることができる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、2−メチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ブチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
多価不飽和化合物モノマーとしては、多価オレフィン、多価ビニル芳香族、多官能(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
多価オレフィンとしては、イソプレン、1,5−ヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエンなどを挙げることができる。
多価ビニル芳香族としては、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン、1,2−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−ジビニルナフタレン、1,8−ジビニルナフタレン、1,4−ジビニルナフタレン、1,5−ジビニルナフタレン、2,3−ジビニルナフタレン、2,7−ジビニルナフタレン、2,6−ジビニルナフタレン、4,4′−ジビニルビフェニル、4,3′−ジビニルビフェニル、4,2′−ジビニルビフェニル、3,2′−ジビニルビフェニル、3,3′−ジビニルビフェニル、2,2′−ジビニルビフェニル、2,4−ジビニルビフェニル、1,2−ジビニル−3,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジビニル−4,5,8−トリブチルナフタレン、2,2′−ジビニル−4−エチル−4′−プロピルビフェニルなどのジビニル芳香族、1,2,4−トリビニルベンゼン、1,3,5−トリビニルベンゼン、1,2,4−トリイソプロペニルベンゼン、1,3,5−トリイソプロペニルベンゼン、1,3,5−トリビニルナフタレン、3,5,4′−トリビニルビフェニルなどのトリビニル芳香族等を挙げることができる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールF―EO変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA―EO変性ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレートなどの二官能(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレートなどの三官能(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどの四官能以上の(メタ)アクリレート等を挙げることができる。その他に、多官能ウレタン(メタ)アクリレートも使用することができる。具体的には、M1100、M1200、M1210、M1600(以上、東亞合成(株))、AH−600、AT−600(以上、共栄社化学(株))等が挙げられる。
以上説明した単価不飽和化合物モノマー又は多価不飽和化合物モノマーの中でも、酸塩基耐性、溶媒耐性、粒子硬度と粘度の点から好ましくはジビニルベンゼンを好ましく使用することができる。
モノマー組成物を構成するラジカル重合開始剤は、加熱によりラジカルを発生する化合物であり、アゾ系化合物や有機過酸化物が挙げられる。アゾ系化合物としてはアゾビスアルカノニトリル等を挙げることができる。また、有機過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらの中からラジカル重合開始剤を選び出す際の重要な指標として「分解温度」が挙げられる。この温度が低いほど、モノマー組成物の低温速硬化性が向上する傾向がある。なお、本明細書においてラジカル重合開始剤の分解温度とは、具体的には10時間半減期温度を意味する。
本発明において使用できるラジカル重合開始剤の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリル(分解温度 65℃)、ジイソブチリル(分解温度 32.7℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(分解温度 65.3℃)、ジラウロイルパーオキサイド(分解温度 61.6℃)、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサイノイル)パーオキサイド(分解温度 59.4℃)、t−ブチルパーオキシピバレート(分解温度 54.6℃)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(分解温度53.2℃)、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート(分解温度 50.6℃)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(分解温度 40.7℃)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(分解温度 44.5℃)、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(分解温度 43.6℃)、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(分解温度 40.8℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート(分解温度 40.7℃)、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート(分解温度 40.5℃)、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(分解温度 40.3℃)、クミルパーオキシネオデカノエート(分解温度 36.5℃)、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド(分解温度 70.6℃)、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド(分解温度 73.1℃)、ジベンゾイルパーオキサイド(分解温度 73.6℃)、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン(分解温度 83.2℃)、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(分解温度 87.1℃)、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(分解温度 90.7℃)、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート(分解温度 99.4℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(分解温度 104.7℃)、メチルエチルケトンパーオキサイド(分解温度 15〜35℃)、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、t−アミルヒドロパーオキサイド(分解温度 258℃)、t−ヘキシルヒドロパーオキサイド(分解温度 116.4℃)、t−オクチルヒドロパーオキサイド(分解温度 150℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジヒドロパーオキシヘキサン(分解温度 118℃)、クメンヒドロパーオキサイド(分解温度 157.9℃)、ジイソプロピルベンゼンモノヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンジヒドロパーオキサイド(分解温度 不明)、パラメンタンヒドロパーオキサイド(分解温度 128.0℃)等を挙げることができる。これらは、2種以上を併用することができる。また、分解温度の高い、フェニル環を有する過酸化物を使用することにより、生成ポリマーの凝集力を向上させることができる。
モノマー組成物中のラジカル重合開始剤の配合量は、十分な硬化を実現し、且つ重合度の低減を避けて機械的強度の低下を防止するために、不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーと必要に応じ配合される単価不飽和化合物モノマーと多価不飽和化合物モノマーとの合計100質量部に対し、好ましくは1〜40質量部、より好ましくは1〜20質量部である。
なお、モノマー組成物には、必要に応じて、非重合性ポリマー、有機フィラー、無機フィラー、顔料などを配合してもよい。
(マイクロチャネル法)
前述したように、特に好ましい不斉触媒粒子としては、前述のモノマー組成物を連続相に吐出し、それにより連続相中にモノマー組成物の液滴を形成させ、その後、その液滴を加熱して不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーをラジカル重合させるというマイクロチャネル法で調製されたものが挙げられる。このマイクロチャネル法は、以下の工程(イ)及び(ロ)を有する。以下、工程毎に説明する。
<工程(イ)>
まず、不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーとラジカル重合開始剤とを含有するモノマー組成物を、マイクロチャネルから連続相に吐出し、それにより連続相中にモノマー組成物の液滴を形成する。この状態は通常、液/液エマルジョンである。ここで、マイクロチャネルからモノマー組成物を連続相に吐出するために、マイクロチャネルを備えた公知のマイクロリアクタ(特許第2975943号、同2981547号、同3616909号等参照)を使用することができる。また、市販のマイクロリアクタ装置も使用することができる。これらのマイクロリアクタ装置に適用可能なマイクロチャネルとしては、特に制限はなく、例えば、マイクロシリンジや、ガラス基板にエッチングにより溝を形成したマイクロチャネルチップ等を使用することができる。
また、マイクロチャネルの溝巾、溝深さ、溝長、溝内壁材料、吐出圧力、連続相を構成する分散媒種類、分散剤等を適宜選択することにより、モノマー組成物の液滴の大きさを調整することができる。通常、液滴の大きさは1〜100μmである。この大きさが最終的な不斉触媒粒子の大きさとなる。
連続相は、モノマー組成物の液滴の分散媒として機能するものであり、通常、イオン交換水等の水に分散剤を溶解させたものである。分散剤としては、公知のカチオン性、アニオン性、ノニオン性、両性界面活性剤の中から、モノマー組成物の構成成分の種類や液滴の径などに応じて適宜選択することができる。
アニオン性界面活性剤の例としては、石鹸(脂肪酸ナトリウム)、モノアルキル硫酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸塩等が挙げられる。カチオン性界面活性剤の例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤の例としては、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテル等が挙げられる。
このような界面活性剤の連続相中の含有量は、一般的に0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。
連続相には、必要に応じて、モノマー組成物の液滴並びにその重合物である不斉触媒粒子の分散状態の安定化のために、安定化剤を添加することもできる。例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、でんぷん、ゼラチン等の水溶性高分子、リン酸三カルシウム等の難水溶性無機塩等を含有させることができる。
その他、連続相には、キレート剤(グリシン、アラニン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等)、pH緩衝剤(トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸カリウム等)、増感剤、粘度調製剤等の公知の添加剤を含有させてもよい。
<工程(ロ)>
次に、連続相中のモノマー組成物の液滴を加熱して不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーをラジカル重合させる。モノマー組成物の液滴の加熱をマイクロ波照射により行うことができる。マイクロ波照射エネルギーの出力等を変化させることにより、モノマー組成物の液滴の加熱温度をコントロールすることができ、それにより不斉触媒粒子の機械的特性レベルを調整することができる。この理由は、マイクロ波照射による加熱の場合、重合及び解重合のそれぞれが生じていることが認められるが、加熱温度の上昇に連れて重合の方が解重合よりも優勢となり、モノマー組成物の配合組成を変えることなく、重合物の機械的特性、例えば、圧縮強度(粒子の硬さ)を変化させることができる(換言すればコントロールすることができる)。なお、マイクロ波照射装置としては、市販の装置を使用することができる。
マイクロチャネル法により得られた不斉触媒粒子は、通常、連続相中に懸濁しており、濾過、遠心分離等により単離することができる。このような不斉触媒粒子の平均粒径、50%粒径、標準偏差は、市販の粒径測定装置により測定することができる。発明の効果を得るという観点から、好ましい平均粒径は0.5〜50μmであり、好ましい50%粒径は0.5〜50μmであり、好ましい標準偏差は5×10−4〜10μmであり、好ましいCV値(=標準偏差/平均粒径×100)は0.1〜20%である。
<カラムリアクタ>
前述したように、カラムリアクタは、カラムリアクタ用のカラムに不斉触媒粒子を充填したものである。本発明の「光学活性β−アミノカルボニル化合物の製造方法」に特に好ましく適用されるカラムリアクタは、不斉触媒粒子として、前述したような不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーと、ラジカル重合開始剤とを含有するモノマー組成物から調製された、アルドール反応やマンニッヒ反応等のエナミン機構で進行する反応の触媒となる樹脂粒子を使用したものであり、特に、不斉触媒粒子として、マイクロチャネル法に従って、該モノマー組成物を連続相に吐出し、それにより連続相中にモノマー組成物の液滴を形成させ、その後、その液滴を加熱して不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーをラジカル重合させることにより調製されたものを使用したものである。ここで、不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーとしては、先に説明したプロリン誘導体モノマーを使用することができ、特にN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン、N−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−cis−4−ヒドロキシ−D−プロリン、もしくはN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(4−ビニルベンジル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリンを好ましく使用できる。また、モノマー組成物に、先に説明したように、更に単価又は多価不飽和化合物モノマー、好ましくはジビニルベンゼンを含有させることが好ましい。以上説明したカラムリアクタも本発明の一態様であり、その製造方法も本発明の一態様である。
即ち、このカラムリアクタの製造方法は、既に説明したカラムリアクタ用カラムに、同じく既に説明した不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーと、ラジカル重合開始剤とを含有するモノマー組成物から調製された、エナミン機構で進行する反応の触媒となる樹脂粒子を不斉触媒粒子として充填することを特徴とするものである。特に、不斉触媒粒子として、マイクロチャネル法に従って、該モノマー組成物を連続相に吐出し、それにより連続相中にモノマー組成物の液滴を形成させ、その後、その液滴を加熱して不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーをラジカル重合させることにより調製されたものを使用することが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1
(マイクロチャネル法による不斉触媒粒子の調製)
分散相として、ジビニルベンゼン90質量部と、非特許文献1やJ.Org. Chem., 2010, 75(5), pp.1620-1629を参照して合成したN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(4−ビニルベンジル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン10質量部と、ジラウロイルパーオキサイド(パーロイルL、日油(株))1質量部と、イソオクタン30質量部からなるモノマー組成物を用意した。また、連続相として、イオン交換水に界面活性剤(SSL、花王(株))を1質量%の割合で溶解させた水溶液(連続相液)を用意した。
用意した分散相と連続相とを、マイクロチャネル(幅5μm、深さ1μm、長さ100μm)を備えたマイクロリアクタ((株)イーピーテック)に適用し、分散相を連続相中に押し出し、平均粒径3μmのモノマー組成物の液滴を形成した。得られた混合物を混合しながら、イオン交換水と界面活性剤(SSL、花王(株))とを添加し、モノマー組成物の液滴濃度が4質量%、界面活性剤濃度が1質量%となるスラリーを調製した。
得られたスラリーを90〜100℃で7時間加熱撹拌した後、フィルタ上に濾取し、真空乾燥することで、重合と脱保護が完了した不斉触媒粒子を得た。この不斉触媒粒子の粒径を粒径測定装置(SD−2000、シスメックス(株))を用いて測定したところ、平均径が2.881μm、50%径が2.883μm、標準偏差が0.316μm、CV値が10.9であった。
(カラムリアクタの作成)
得られた不斉触媒粒子を、33.3wt%濃度となるようにエタノールに投入、超音波分散処理して得た分散液を、流速1.0ml/分でステンレススチールカラム(外径1/4インチ、内径4.6mm、長さ150mm、Cat−No.6010−11053、ジーエルサイエンス(株))に充填することにより、光学活性β−アミノカルボニル化合物を製造するためのカラムリアクタを得た。このとき、最大25.7MPaの圧力が加わった。
(光学活性β−アミノカルボニル化合物の製造)
得られたカラムリアクタを移動相(ヘキサン:シクロヘキサノン:トリエチルアミン=89.85質量%:10質量%:0.15質量%)で置換し、そのカラムリアクタに、前もって撹拌しておいた混合物(60質量%に調整されたジメトキシアセトアルデヒドのエタノール溶液56質量%とp−アニシジン44質量%とからなる混合物)を注入し、流速0.1ml/分で展開した。カラムリアクタから排出された反応液を、HPLC(LC−20A、(株)島津製作所(カラム:CHIRALPAK AS−H((株)ダイセル)、移動相:ヘキサン−イソプロピルアルコール混合溶媒(90容量%:10容量%)))で分析し、得られた化合物をH−NMRとMSとで同定したところ、(1′S,2S),2−(2′,2′−ジメトキシ−1′−(4″−メトキシフェニルアミノ)エチル)シクロヘキサノンであることがわかった。そのエナンチオ過剰率は91%e.e.であった。
実施例2
実施例1のN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(4−ビニルベンジル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン10質量部に代えて、N−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロキシエチルスクシノイル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン10質量部を用いた以外は、実施例1を同様に繰り返すことにより、(1′S,2S),2−(2′,2′−ジメトキシ−1′−(4″−メトキシフェニルアミノ)エチル)シクロヘキサノンが得られたことがわかった。そのエナンチオ過剰率は74%e.e.であった。
実施例3
実施例1のN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(4−ビニルベンジル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン10質量部に代えて、N−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロキシエチルスクシノイル)−cis−4−ヒドロキシ−L−プロリン10質量部を用いた以外は、実施例1を同様に繰り返すことにより、(1′S,2S),2−(2′,2′−ジメトキシ−1′−(4″−メトキシフェニルアミノ)エチル)シクロヘキサノンが得られたことがわかった。そのエナンチオ過剰率は77%e.e.であった。
実施例4
実施例1のシクロヘキサノンの代わりにシクロヘプタノンを用いた以外は、その他は実施例1を同様に繰り返すことにより、(1′S,2S),2−(2′,2′−ジメトキシ−1′−(4″−メトキシフェニルアミノ)エチル)シクロヘプタノンが得られたことがわかった。そのエナンチオ過剰率は86%e.e.であった。
比較例1
実施例1のNN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(4−ビニルベンジル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン10質量部に代えて、スチレン10質量部を用いた以外は、実施例1を同様に繰り返したところ、(1′S,2S),2−(2′,2′−ジメトキシ−1′−(4″−メトキシフェニルアミノ)エチル)シクロヘキサノンは検出されなかった。
本発明の光学活性β−アミノカルボニル化合物の製造方法によれば、スケールにとらわれずに、不斉マンニッヒ型反応による有機合成に容易に対応でき、しかも、反応生成物を触媒から煩雑な分離操作を要さずに分離できるように、不斉触媒粒子を用いて光学活性β−アミノカルボニル化合物を製造できる。

Claims (3)

  1. カラムリアクタ用のカラムに不斉触媒粒子が充填されてなるカラムリアクタを用いた不斉マンニッヒ型反応により光学活性β−アミノカルボニル化合物を製造する方法であって、
    該不斉触媒粒子が、不斉源を有するモノマーとしてN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン、N−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−cis−4−ヒドロキシ−D−プロリン、又はN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(4−ビニルベンジル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリンと、更にラジカル重合開始剤とを含有するモノマー組成物を連続相に吐出し、それにより連続相中にモノマー組成物の液滴を形成させ、その後、その液滴を加熱して不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーをラジカル重合させるというマイクロチャネル法で調製された、不斉マンニッヒ型反応の触媒となることができる樹脂粒子であって、平均粒径が0.5〜50μm、50%粒径が0.5〜50μm、標準偏差が5×10 −4 〜10μm、CV値が0.1〜20%である樹脂粒子であり、
    該カラムリアクタ中に、p−アニシジンと、ジメトキシアセトアルデドと、シクロヘキサノンとを導入して該不斉触媒粒子に接触させ、それにより光学活性β−アミノカルボニル化合物として(1′S,2S),2−(2′,2′−ジメトキシ−1′−(4″−メトキシフェニルアミノ)エチル)シクロヘキサノンを得、該カラムリアクタ中で更に光学分割をする製造方法。
  2. カラムリアクタ用カラムに、不斉触媒粒子が充填されたカラムリアクタであって、
    不斉触媒粒子が、不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーとしてN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン、N−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−cis−4−ヒドロキシ−D−プロリン、又はN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(4−ビニルベンジル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリンと、ラジカル重合開始剤とを含有するモノマー組成物を連続相に吐出し、それにより連続相中にモノマー組成物の液滴を形成させ、その後、その液滴を加熱して不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーをラジカル重合させるというマイクロチャネル法で調製された、不斉マンニッヒ型反応の触媒となることができる樹脂粒子であって、平均粒径が0.5〜50μm、50%粒径が0.5〜50μm、標準偏差が5×10 −4 〜10μm、CV値が0.1〜20%である樹脂粒子であるカラムリアクタ。
  3. カラムリアクタ用カラムに、不斉触媒粒子を充填することを特徴とするカラムリアクタの製造方法であって、不斉触媒粒子として、不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーとしてN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン、N−tert−ブチロキシカルボニル−O−(2−メタクリロイルオキシエチルスクシノイル)−cis−4−ヒドロキシ−D−プロリン、又はN−tert−ブチロキシカルボニル−O−(4−ビニルベンジル)−trans−4−ヒドロキシ−L−プロリンと、ラジカル重合開始剤とを含有するモノマー組成物を連続相に吐出し、それにより連続相中にモノマー組成物の液滴を形成させ、その後、その液滴を加熱して不飽和結合を有するプロリン誘導体モノマーをラジカル重合させるというマイクロチャネル法で調製された、不斉マンニッヒ型反応の触媒となることができる樹脂粒子であって、平均粒径が0.5〜50μm、50%粒径が0.5〜50μm、標準偏差が5×10 −4 〜10μm、CV値が0.1〜20%である樹脂粒子を使用する製造方法。
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