JP2014091092A - マイクロリアクター及びその製造方法、並びに、合成システム及び合成分離分析システム - Google Patents

マイクロリアクター及びその製造方法、並びに、合成システム及び合成分離分析システム Download PDF

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Abstract

【課題】従来のマイクロリアクターよりも短時間で反応を行うことができるマイクロリアクターを提供すること。
【解決手段】有機ポリマー系モノリスに金属触媒が担持された金属触媒固定化有機ポリマー系モノリス2を反応場として有する、マイクロリアクター1。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロリアクター及びその製造方法、並びに、合成システム及び合成分離分析システムに関する。
近年の有機合成化学において、金属触媒を不均一系触媒として用いる反応が知られている。例えば非特許文献1では、パラジウム炭素触媒を不均一系触媒として用いたバッチ式での鈴木−宮浦カップリング反応が報告されている。非特許文献1では、反応には3時間以上の時間がかかっている。
一方、より短時間で反応を行う方法として、マイクロリアクターの利用が検討されている。例えば非特許文献2では、陰イオン交換樹脂を充填したカラム中でパラジウムを担持させたマイクロリアクターを用いた反応が報告されている。また、特許文献1に示されているように、パラジウムを浸漬等により担持させた炭素を充填した(Pd/C触媒を充填した)マイクロリアクターを用いた反応も知られている。
特開2006−193483号公報
佐治木弘尚、"不均一系白金族触媒を利用した効率的有機合成反応の開発"、平成20年度後期(秋季)有機合成化学講習会資料、2008年11月19日発行 W.Solodenko et al., Eur.J.Org.Chem.2004, 3601-3610
しかしながら、上記非特許文献2に示された反応では、数時間の反応時間がかかっている。また、特許文献1に示された反応では、87%の収率を得るのに40分の反応時間がかかっている。
そこで本発明は、従来のマイクロリアクターよりも短時間で反応を行うことができるマイクロリアクター及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、当該マイクロリアクターを利用する合成システム及び合成分離分析システムを提供することを目的とする。
本発明は、有機ポリマー系モノリスに金属触媒が担持された金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスを反応場として有するマイクロリアクターを提供する。このマイクロリアクターによれば、従来のマイクロリアクターよりも短時間で反応を行うことができる。
ここで、金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスは、流路内に形成されていることが好ましい。これによれば、反応原料を含む溶液が金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスを通過する際に、効率よく金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスに接することができる。
また、金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスは、チューブ内に形成されていることが好ましい。これによれば、より高速での送液が可能になるため適用できる流速域が広くなる。また、流速を制御することで、実験者が反応時間を正確にコントロールできる。
金属触媒は、パラジウム、ニッケル、銅及び鉄からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでいてもよい。マイクロリアクターで行う反応に応じて、金属触媒を選択することができる。
金属触媒は、配位子由来の化学構造を介して有機ポリマー系モノリスに担持されていてもよい。金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスを形成するうえで、配位子を利用すると、金属触媒を有機ポリマー系モノリスに担持させることが容易となる。
上記配位子は、フェナントロリン、イミノジ酢酸、イミノジメチルリン酸及びトリフェニルホスフィン、並びにこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよい。マイクロリアクターで行う反応に応じて、配位子を選択することができる。
本発明はまた、細孔調節剤の存在下でモノマーを重合させて有機ポリマー系モノリスを形成する工程と、有機ポリマー系モノリスに金属触媒を担持させて金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスを得る工程と、を有する、上記マイクロリアクターを製造する製造方法を提供する。この製造方法によれば、従来のマイクロリアクターよりも短時間で反応を行うことができるマイクロリアクターを得ることができる。
本発明はまた、細孔調節剤の存在下でモノマーを重合させて有機ポリマー系モノリスを形成する工程と、有機ポリマー系モノリスに配位子を導入する工程と、有機ポリマー系モノリスに導入された配位子に金属触媒を配位させて金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスを得る工程と、を有する、上記マイクロリアクターを製造する製造方法を提供する。この製造方法によれば、従来のマイクロリアクターよりも短時間で反応を行うことができるマイクロリアクターを得ることができる。
本発明はまた、反応原料を含む溶液を上記マイクロリアクターに導入する導入手段と、上記マイクロリアクターと、を備える合成システムを提供する。
本発明はまた、上記合成システムと、上記マイクロリアクターから排出された反応混合物が導入され、反応混合物に含まれる化合物を分離する分離手段と、分離された化合物を分析する分析手段と、を備える合成分離分析システムを提供する。
本発明によれば、従来のマイクロリアクターよりも短時間で反応を行うことができるマイクロリアクター及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、当該マイクロリアクターを利用する合成システム及び合成分離分析システムを提供することができる。
マイクロリアクターの一実施形態を示す断面図である。 有機ポリマー系モノリスのマイクロフォーカスX線CT画像である。 有機ポリマー系モノリスの細孔径の分布を示すグラフである。 合成システムの一実施形態を示す図である。 分離分析システムの一実施形態を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、メタクリル又はアクリルのことを意味する。
〔マイクロリアクター〕
本実施形態に係るマイクロリアクターは、有機ポリマー系モノリスに金属触媒が担持された金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスを反応場として有する。金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスは、流路(反応原料を含む溶液が通過する部分)内に形成されていることが好ましく、チューブ内に形成されていることがより好ましい。図1は、金属触媒固定化有機ポリマー系モノリス2がチューブ3内に形成されたマイクロリアクター1の断面図である。図1に示されるように、金属触媒固定化有機ポリマー系モノリス2は、その骨格をなす有機ポリマー系モノリスにより3次元網目状構造となっている。
ここで「モノリス」とは、3次元網目状構造を有し、網目の空洞部分である気孔同士が3次元的に繋がった連通多孔体をいう。気孔同士が連通しているため、液体又は気体がモノリスの一方側から他方側へと通過することができる。
本実施形態に係るマイクロリアクターは、従来フラスコ中で行っていた触媒を用いる種々の反応に適用することができる。例えば、Mizoroki−Heck反応、Sonogashira反応、Suzuki−Miyaura反応、Stille反応のようなカップリング反応に適用することができる。
<金属触媒固定化有機ポリマー系モノリス>
金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスは、有機ポリマー系モノリスを基本骨格とし、これに金属触媒が担持されたものである。
[有機ポリマー系モノリス]
有機ポリマー系モノリスとしては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂モノリス、スチレン系樹脂モノリス、及びアリル系樹脂モノリスを挙げることができる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂モノリスは、重合の容易さ、官能基の修飾のしやすさの点から好ましく用いられる。本実施形態に係る有機ポリマー系モノリスは、例えば、後述する分子内に重合性の炭素−炭素間二重結合(重合性基)を有する重合性単量体(モノマー)の重合反応によって形成することができる。単量体及び重合方法の詳細については、後述する。
本実施形態に係る有機ポリマー系モノリスは、架橋により3次元網目状構造を有する。また、本実施形態に係る有機ポリマー系モノリスは、アルキル基、水酸基、エポキシ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、及びアラルキルオキシ基等から選ばれる少なくとも1個の官能基を有していることがより好ましい。例えば、アルキル基を有する場合、アルキル鎖が疎水性であるため、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)用カラムとして好適に用いることができる。また、水酸基又はグリシジル基を有する場合、これらの官能基を介してアミノ基、及びスルホン酸基等を導入することができるため、それぞれ、後述する配位子を導入することが容易となる。3次元網目状構造を有する有機ポリマー系モノリスのマイクロフォーカスX線CT画像を図2に示す。図2に示される流路孔は、貫通孔である。
本実施形態に係るマイクロリアクターは、比表面積が通常0.5〜1000m/gであり、好ましくは10〜500m/gである。また、平均細孔容積が通常0.01〜2cm/gであり、好ましくは0.05〜1.5cm/gである。さらに、平均細孔径が通常5〜500Åであり、好ましくは10〜250Åである。細孔径の分布を図3に示す。なお、ここで「細孔」とは、例えばマイクロゲルの集合による凹凸であり、非貫通孔である。
本明細書において、比表面積、平均細孔容積及び平均細孔径とは、BJH法により求めた値である(装置:BELSORP−mini(日本ベル)、参考文献:近藤精一ら(H13)「吸着の科学」丸善株式会社 64pp)。
[金属触媒]
有機ポリマー系モノリスに担持させる金属触媒としては、例えばロジウム、ルテニウム、金、白金、パラジウム、ニッケル、銅又は鉄を含むものが挙げられる。また、スカンジウム、イットリウム、セリウム等の希土類元素を使用することもできる。この中でも、パラジウム、ニッケル、銅及び鉄からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。マイクロリアクターで行う反応に応じて、金属触媒を選択すればよい。
[配位子]
金属触媒は、配位子由来の化学構造を介して有機ポリマー系モノリスに担持されていてもよい。金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスを形成するうえで、配位子を利用すると、金属触媒を有機ポリマー系モノリスに容易に担持させることができる。配位子としては、例えば、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(EDTA−OH)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、フェナントロリン、イミノジ酢酸、イミノジメチルリン酸及びトリフェニルホスフィン、並びにこれらの誘導体が挙げられる。この中でも、フェナントロリン、イミノジ酢酸、イミノジメチルリン酸及びトリフェニルホスフィン、並びにこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。特にこれらの配位子が有機ポリマー系モノリスの側鎖に対して反応する部位(置換基又は非共有電子対)を有していると、配位子由来の化学構造を有機ポリマー系モノリスに導入することが容易となるため好ましい。
上記配位子が置換基を有する場合、金属触媒の配位能を低下させず、且つマイクロリアクターで行う反応の障害とならない置換基であることが好ましい。このような置換基としては、例えば、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン基(ハロゲン原子)、スルホン酸基が挙げられる。
配位子は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を混合して用いてもよい。なお、配位子は、上述した具体例に限定されるものではない。
パラジウム触媒がフェナントロリン由来の化学構造を介して有機ポリマー系モノリスに担持された例、パラジウム触媒がイミノジ酢酸由来の化学構造を介して有機ポリマー系モノリスに担持された例、パラジウム触媒がイミノジメチルリン酸由来の化学構造を介して有機ポリマー系モノリスに担持された例、及び、パラジウム触媒がトリフェニルホスフィン由来の化学構造を介して有機ポリマー系モノリスに担持された例を、それぞれ式(1)〜(4)に示す。なお、ここでは、有機ポリマー系モノリスが(メタ)アクリル酸グリシジルの重合体である場合を示している。
<マイクロリアクターの形状>
本実施形態に係るマイクロリアクターの形状は特に限定されず、反応原料を含む溶液を導入する入口と、反応混合物を排出する出口とを有し、これらが流路で結ばれている形状であればよい。反応原料を含む溶液がマイクロリアクター内で滞留する領域が生じにくいようにする観点から、チューブ形状が好ましい。チューブとしては、例えば、シリコスチールチューブ、スチールチューブ、テフロン(登録商標)チューブ、ポリプロピレンチューブ及びポリエチレンチューブが挙げられる。中でも、チューブとしては、シリコスチールチューブが好ましい。シリコスチールチューブとしては市販品を用いることができ、例えば、シグマアルドリッチジャパン製又はジーエルサイエンス製のシリコスチールチューブを用いることができる。
チューブの直径(内径)は特に限定されるものではないが、チューブの直径(内径)が大きすぎると、熱収縮によりチューブと有機ポリマー系モノリスとの間に隙間ができやすくなり、チューブと有機ポリマー系モノリスとが剥離しやすい傾向にある。また、チューブの直径(内径)が小さすぎると、チューブの強度が不足し、チューブの折れ又は曲がりなどを生じやすい傾向にあるほか、チューブ内部に金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスを形成してもマイクロリアクター用としては金属触媒が少なすぎ、反応効率が低下しやすいという傾向がある。チューブの直径(内径)は、例えば、0.1φmm〜5φmmとすることができる。
また、チューブの長さは、特に制限されるものではないが、例えば1cm〜500cmとすることができる。チューブの長さは、10cm(0.1m)以上であることが好ましい。チューブの長さの上限に特に制限はないが、反応時間が適切になるとの観点から、例えば、10m以下とすることができる。
〔液体クロマトグラフィー用カラム〕
なお、本実施形態における有機ポリマー系モノリスが形成されたチューブは、液体クロマトグラフィー用カラムとして使用することができる。この場合、液体クロマトグラフィー用カラムは、長さが0.1m以上であって、湾曲部を有することもでき、0.3mm以下の理論段相当高さ(HETP:height equivalent of one theoretical plate)を呈する。なお、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)用カラムとして用いることが好ましい。
本明細書において、「理論段相当高さ」とは、溶離液として50%(v/v)アセトニトリル水溶液を用い、流速を0.05mL/分とし、10mMペンチルベンゼンを1.0μL注入したときのペンチルベンゼンのピークから求めた理論段相当高さをいう。理論段相当高さは、理論段数をカラムの長さで除した値である。液体クロマトグラフィー用カラムは、理論段相当高さが0.05mm以下であることがより好ましい。
この液体クロマトグラフィー用カラムは、湾曲部を有していてもよい。湾曲部の曲率半径(R)は0.5cm以上であることが好ましく、6cm以上であることがより好ましく、12cm以上であることが更に好ましい。本実施形態に係る液体クロマトグラフィー用カラムは、更に湾曲させてコンパクトにした状態でも理論段数の低下が抑制される(理論段相当高さの上昇が抑制される)ため、湾曲部の曲率半径(R)は最初から小さくなくてもよい。一方、この液体クロマトグラフィー用カラムは、例えば、湾曲部において、1旋回以上の巻回構造を形成していてもよい。「巻回構造」とは、1旋回以上渦巻き状に巻回してなる構造であってもよく、1旋回の円又は楕円構造であってもよい。
〔マイクロリアクターの製造方法〕
本実施形態に係るマイクロリアクターは、細孔調節剤の存在下でモノマーを重合させて有機ポリマー系モノリスを形成する工程と、有機ポリマー系モノリスに金属触媒を担持させて金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスを得る工程と、を有する製造方法により製造することができる。金属触媒を配位子由来の化学構造を介して有機ポリマー系モノリスに担持されたものとする場合は、この製造方法は、細孔調節剤の存在下でモノマーを重合させて有機ポリマー系モノリスを形成する工程と、有機ポリマー系モノリスに配位子を導入する工程と、有機ポリマー系モノリスに導入された配位子に金属触媒を配位させて金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスを得る工程と、を有することが好ましい。
以下、上記の実施形態に係る製造方法について詳細に説明するが、本発明のマイクロリアクターの製造方法はこの製造方法に限定されるものではない。
本実施形態において、有機ポリマー系モノリスは、分子内に少なくとも1つの重合性の炭素−炭素間二重結合(重合性基)を有する重合性単量体(モノマー)を重合反応させることによって形成することができる。このような重合反応の例として、例えば、上記重合性基を有する非架橋性モノマー同士の上記重合性基間の重合反応、上記重合性基を有する非架橋性モノマーと、上記重合性基を有する架橋性モノマーとの上記重合性基間の共重合反応、及び上記重合性基を有する架橋性モノマー同士の上記重合性基間の重合反応が挙げられる。
本実施形態において、非架橋性モノマーは、1分子中に1個の重合性の炭素−炭素間二重結合(重合性基)を有するモノマーである。非架橋性モノマーとして、具体的には、例えば、アクリル系、メタクリル系、スチレン系、及びアリル系の非架橋性モノマーが挙げられる。得られる有機ポリマー系モノリスの柔軟性を上げるには、アクリル系及びメタクリル系の非架橋性モノマーが好ましい。
非架橋性モノマーとして、アルキル基、水酸基、エポキシ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、及びアラルキルオキシ基等から選ばれる少なくとも1個の官能基を有する非架橋性モノマーを挙げることもできる。
アルキル基を有する非架橋性モノマーとしては、例えば、アルキル基を有するアクリル酸、及びメタクリル酸の誘導体が挙げられる。これらの具体例としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、及びメタクリル酸ラウリルが挙げられる。
水酸基を有する非架橋性モノマーとしては、例えば、水酸基を有するアクリル酸、及びメタクリル酸の誘導体が挙げられる。これらの具体例としては、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フエニルオキシプロピル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ネオペンチルグリコールモノアクリレート等や、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−フエニルオキシプロピル、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタアクリレート、及びネオペンチルグリコールモノメタアクリレートが挙げられる。
エポキシ基を有する非架橋性モノマーとしては、例えば、エポキシ基を有するアクリル酸、メタクリル酸の誘導体、及びエポキシ基を有するスチレンの誘導体が挙げられる。これらの具体例としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、グリシジルクロネート、グリシジルイタコネート、グリシジルフマレート、グリシジルマレート、及びビニルベンジルグリシジルエステルが挙げられる。
アルキルオキシ基を有する非架橋性モノマーとしては、例えば、アルキルオキシ基を有するアクリル酸、及びメタクリル酸の誘導体が挙げられる。これらの具体例としては、例えば、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸プロポキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸エトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシエチレングリコール、アクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール等や、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸プロポキシエチル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸エトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシエチレングリコール、メタクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、及びメタクリル酸メトキシジプロピレングリコールが挙げられる。
アリールオキシ基又はアラルキルオキシ基を有する非架橋性モノマーとしては、例えば、アリールオキシ基又はアラルキルオキシ基を有するアクリル酸、及びメタクリル酸の誘導体が挙げられる。これらの具体例としては、例えば、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェノキシジエチレングリコール、アクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール等や、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェノキシジエチレングリコール、及びメタクリル酸フェノキシテトラエチレングリコールが挙げられる。
また、非架橋性モノマーとしては、カルボキシル基、アミノ基、ホスホン酸基及びチオール等から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する非架橋性モノマーを挙げることもできる。カルボキシル基を有する非架橋性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、アミノスチレン、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミンが挙げられる。ホスホン酸基を有するモノマーとしては、例えば、スチレンホスホン酸、メタクリル酸2−(ホスホノオキシ)エチルが挙げられる。チオールを有するモノマーとしては、例えば、チオメタクリル酸が挙げられる。
さらに、その他の官能基を有する非架橋性モノマーとして、例えば、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸ジシクロペンテニル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、アクリル酸−N−ビニル−2−ピロリドン、及びメタクリル酸−N−ビニル−2−ピロリドンが挙げられる。
非架橋性モノマーは、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を混合して用いてもよい。なお、非架橋性モノマーは、上述した具体例に限定されるものではない。
本実施形態における架橋性モノマーは、1分子中に2個以上の重合性の炭素−炭素間二重結合(重合性基)を有するモノマーである。1分子中に2個の重合性基を有するモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、及び、グリコールとメタクリル酸又はアクリル酸とのジエステルが挙げられる。グリコールとメタクリル酸又はアクリル酸とのジエステルとしては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレ−ト、1,3−ブチレングリコールジアクリレ−ト、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、テトラメチロールメタンジメタクリレート、テトラメチロールメタンジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、及びポリプロピレングリコールジアクリレートが挙げられる。
1分子中に3個以上の重合性基を有するモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、及びペンタエリスリトールテトラアクリレートが挙げられる。
架橋性モノマーは、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を混合して用いてもよい。なお、架橋性モノマーは、上述した具体例に限定されるものではない。
本実施形態に係る有機ポリマー系モノリスは、上記架橋性モノマー及び上記非架橋性モノマーの少なくとも一方を含有する組成物(モノマーの溶液)を例えばチューブに充填し、モノマーを重合させることにより得ることができる。組成物(モノマーの溶液)は、上記架橋性モノマー及び非架橋性モノマーの両方を含有していてもよく、又は上記架橋性モノマーのみを含有していてもよく、若しくは上記非架橋性モノマーのみを含有していてもよい。
すなわち、本実施形態に係る有機ポリマー系モノリスは、上記非架橋性モノマーを、上記架橋性モノマーと共重合させることにより得ることができる。また、本実施形態に係る有機ポリマー系モノリスは、上記架橋性モノマー同士を重合させること、又は上記非架橋性モノマー同士を重合させることにより得ることもできる。中でも、有機溶剤に対する耐性に優れるため、非架橋性モノマーと架橋性モノマーとを併用して共重合により有機ポリマー系モノリスを得ることが好ましい。
組成物(モノマーの溶液)における、非架橋性モノマーと架橋性モノマーとの配合割合は、モノマー総量に対し、非架橋性モノマーが65〜95体積%、かつ架橋性モノマーが5〜35体積%であることが好ましい(体積比65:35〜95:5)。さらに、柔軟性と機械的強度を両立するには、非架橋性モノマーが85〜95体積%、かつ架橋性モノマーが5〜15体積%であることが好ましい(体積比85:15〜95:5)。架橋性モノマーの割合が5体積%以上であると、得られる有機ポリマー系モノリスの機械的強度がより優れたものとなるため、繰り返し使用した場合における耐久性に優れ、安定性がより一層優れたものとなる。また、架橋性モノマーの割合が35体積%以下であると、より柔軟性のある有機ポリマー系モノリスが得られやすくなる。
有機ポリマー系モノリスを形成する際の重合反応には、重合開始剤を用いてもよく、組成物(モノマーの溶液)には、重合開始剤が更に含まれていてもよい。重合開始剤としては、過酸化物系ラジカル重合開始剤、及びアゾ系ラジカル重合開始剤が好ましく、具体的には、例えば、過酸化ベンゾイル、過安息香酸2−エチルヘキシル、過酸化アセチル、過酸化イソブチリル、過酸化オクタノイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジtert−ブチル、クメンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、4,4,6−トリメチルシクロヘキサノンジtert−ブチルペルオキシケタール、シクロヘキサノンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、シクロヘキサノンジ−tert−ブチルペルオキシケタール、アセトンジ−tert−ブチルペルオキシケタール、及びジイソプロピルヒドロペルオキシド等の過酸化物系ラジカル重合開始剤、並びに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、2,2’−アゾビス(4−メトキシー2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカーボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾー2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)等のアゾ系ラジカル重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を混合して用いてもよい。なお、重合開始剤は、上述した具体例に限定されるものではない。
重合開始剤を用いる場合、重合開始剤の配合量は、モノマーの総量100質量部に対して、0.05〜10質量部であることが好ましい。配合量が0.05質量部未満の場合、重合時間が長くなり、また未反応のモノマーが有機ポリマー系モノリス中に残存する傾向がある。一方、配合量が10質量部を超える場合、重合開始剤が無駄であるばかりでなく、重合中の発熱制御が困難な傾向があり、分子鎖長が不十分等の問題が発生しやすくなる傾向がある。
組成物(モノマーの溶液)は、有機ポリマー系モノリスの多孔性を維持するための細孔調節剤として、種々の溶媒を更に含有していてもよい。この溶媒としては、モノマーは溶解するが、得られる重合体(有機ポリマー系モノリス)は溶解しないものが好ましく、具体的には、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、水、ヘプタノール、イソアミルアルコール、プロパノール(1−プロパノール、イソプロピルアルコール)、1,4−ブタンジオール、1−デカノール、シクロヘキサノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、フタル酸ジメチル、及びフタル酸ジエチル等の脂肪族又は芳香族エステル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、ヘキサン、オクタン、並びにデカン等、公知の溶媒が使用できる。これらの溶媒は得られる有機ポリマー系モノリスの原料となるモノマーの種類によって適宜使い分けられ、1種単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、例えば、1−プロパノール:1,4−ブタンジオール:水=7:4:1、又は、1−デカノール:シクロヘキサノール=7:5等の混合溶媒とすることが好ましい。
これらの溶媒の配合割合は、得られる有機ポリマー系モノリスの通液性(流体透過性)が向上するとの観点から、モノマーと溶媒との合計量に対して50〜80体積%であることが好ましい。この場合、モノマー(架橋性モノマー及び非架橋性モノマー)の配合割合は、モノマーと溶媒との合計量に対して、20〜50体積%である。溶媒の配合割合が80体積%を超えると、すなわち、モノマーの配合割合が20体積%より少ないと、モノマーの割合が少な過ぎて、有機ポリマー系モノリスが得られない場合がある。溶媒の配合割合が50体積%未満、すなわち、モノマーの配合割合が50体積%を超えると、モノマーの割合が多くなり過ぎて、得られる有機ポリマー系モノリスの背圧が高くなり流体透過性が低下する傾向がある。
本実施形態に係る有機ポリマー系モノリスは上記のモノマー(架橋性モノマー及び非架橋性モノマー)、並びに、必要に応じて重合開始剤及び細孔調節剤を含む組成物(モノマーの溶液)を、例えばチューブ(例えば、シリコスチールチューブ)内で重合することにより形成することができる。
有機ポリマー系モノリスを形成する際、重合温度は30℃〜100℃が好ましい。重合温度が30℃より低いと、モノマーが固まりにくくなる傾向があり、100℃より高いと、チューブ内の発熱が激しくなり、合成作業が困難となる場合がある。重合時間は3〜24時間が好ましい。
上記のように形成された有機ポリマー系モノリスに対して、金属触媒を担持させることにより、金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスを得ることができる。金属触媒を担持させる方法としては、例えば、モノリスにカルボキシル基、アミノ基、ホスホン酸基、チオール等を導入し、配位結合(好ましくは多座配位子によるキレート)によって金属触媒を担持させる方法が挙げられる。モノリスにカルボキシル基、アミノ基、ホスホン酸基、チオール等を導入する方法としては、モノマーに、カルボキシル基、アミノ基、ホスホン酸基、チオール等を持つ化合物(例えば、メタクリル酸、アミノスチレン、スチレンスルホン酸等)を用い、上記の方法でモノリスを作製することが挙げられる。金属触媒を担持させるためには、例えば、数mol/Lの金属触媒溶液をキレート基(カルボキシル基、アミノ基、ホスホン酸基、チオール等)の5〜50倍のモル量をモノリスに室温(20℃)〜50℃で0.1mm/sec〜3mm/secで通液することで担持させることができる。
金属触媒を有機ポリマー系モノリスに担持させるとき、配位子由来の化学構造を介して有機ポリマー系モノリスに担持させてもよい。この場合、有機ポリマー系モノリスに対して、配位子を反応させて配位子を導入する。その後、金属触媒を配位子に配位させる。配位子を有機ポリマー系モノリスに導入させる方法としては、例えば、数mmol〜数molのアミノフェナントロリン等の配位子を数mlのジメチルスルホキシド等の有機溶媒へ溶解し、有機ポリマー系モノリスを形成したカラムへ通液し、両端を密栓した後、30℃〜80℃で反応させる。
以上のようにして本実施形態に係るマイクロリアクターを製造することができる。
〔合成システム及び合成分離分析システム〕
本実施形態に係るマイクロリアクターは、反応原料を含む溶液を導入する導入手段を備えることにより、合成システムを構成することができる。図4に示されるように、合成システム10は、マイクロリアクター1と、反応原料を含む二種類の溶液S1,S2がそれぞれ流れるラインL1,L2と、ラインL1,L2にそれぞれ設けられたポンプP1,P2と、ラインL1及びラインL2の合流点の下流において溶液S1,S2の混合液をマイクロリアクター1に導入するためのラインL3と、マイクロリアクター1から排出される反応混合物が流れるラインL4とを備えている。また、必要に応じて、マイクロリアクター1を加温するためのオーブン5を備えていてもよい。また、ポンプを3つ以上備えていてもよい。
この合成システムでは、ポンプP1,P2により、所定の流速で溶液S1,S2をそれぞれマイクロリアクター1に導入することができる。ここで、溶液S1には反応原料の一方(基質A)が、溶液S2には反応原料の他方(基質B)がそれぞれ溶解している。それぞれの流速は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。流速を異ならせることにより、反応における基質Aとの基質Bとの相対的な当量を異ならせることができる。
基質A及び基質Bは、マイクロリアクター1内に形成された金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスを反応場として、互いに反応し、生成物を生じる。マイクロリアクター1を通過していた時間が反応時間となる。ここで、金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスが流路を構成すると共に反応場となっているため、基質A及び基質Bを含む溶液が効率よく金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスに接しながら反応することができる。マイクロリアクター1から排出された反応混合物Mは、ラインL4を流れて回収される。
合成システム10は、反応混合物Mが導入され反応混合物Mに含まれる化合物を分離する分離手段と、分離された化合物を分析する分析手段とを有する分離分析システムを更に備えることにより、合成分離分析システムを構成することができる。図5に示されるように、分離分析システム20は、分離手段6と、溶媒S5,S6がそれぞれ流れるラインL5,L6と、ラインL5,L6にそれぞれ設けられたポンプP5,P5と、ラインL5及びラインL6の合流点の下流において溶媒S5,S6の混合液を分離手段6に導入するためのラインL7と、分離手段6により分離された化合物を分析する分析手段7と、分離手段6から排出された溶液を分析手段7に導入するラインL8とを備えている。
反応混合物Mは、ラインL7の途中にシリンジ等により注入されて、分離手段6へ導入される。分離手段としては、例えば液体クロマトグラフィー、LC−MSを用いることができ、本実施形態における有機ポリマー系モノリスが形成されたチューブを用いることもできる。分析手段としては、例えばUV検出器、質量分析器等を用いることができる。これにより、所望の反応の収率を求めることができる。
以下、式(1)に示す鈴木−宮浦クロスカップリング反応をモデル反応として取り上げ、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
[マイクロリアクターの作製]
メタクリル酸グリシジル3.0mL、エチレングリコールジメタクリレート1.0mL、1−プロパノール3.5mL、1,4−ブタンジオール2.0mL、水0.5mL、及びアゾビスイソブチロトリル0.04gをフラスコ中で混合し、フラスコを超音波洗浄器中に入れ超音波処理してアゾビスイソブチロニトリルを溶解させた。内径1mm、長さ10cmのシリコスチールチューブ(ジーエルサイエンス製)に上記の混合モノマー溶液を注射器で注入し、両末端を漏れないように栓をした。これをオーブンで90℃、24時間加温し、チューブ内に有機ポリマー系モノリスを形成させた。
次に、当該チューブ内に配位子としての5―アミノ―1,10―フェナントロリンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.1mol/L)を1mL導入し、両末端を漏れないように栓をした。これをオーブンで60℃、14時間加温した。続いて、金属触媒としての塩化パラジウムのアセトニトリル溶液(濃度0.05mol/L)2.0mLを27℃、流速0.2mm/secで通液し、金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスを得た。
[カップリング反応]
表1に示す基質A(ブロモベンゼン)及び基質B(4−メチルフェニルボロン酸)について、それぞれの溶液を以下のとおり調製した。
(1)基質Aの溶液:ブロモベンゼンの水−イソプロピルアルコール(50:50)溶液。濃度10mM。
(2)基質Bの溶液:4−メチルフェニルボロン酸の水−イソプロピルアルコール(50:50)溶液10mMに、リン酸ナトリウムを溶解した溶液。このとき、加えた(溶解した)リン酸ナトリウムの量は、溶液中のリン酸ナトリウムが10mMになるように調製した。
これらの溶液をそれぞれ別々のポンプを用いてマイクロリアクター内に導入した。このとき、導入する流速はそれぞれ1.0mL/minとした。つまり、溶液の導入から反応混合物がマイクロリアクターから排出されるまでの時間(=反応時間)を3秒とした。温度は室温(27℃)であった。
[反応混合物の分析]
未反応基質、生成物、副生成物等の分析は、UV検出器を備えたHPLC装置により行った。分離カラムは、ラウリルメタクリレート(LMA)ベースのC12逆相モノリスカラムを作製して使用した。このC12逆相モノリスカラムは、Tomonari Umemura,Journal of Chromatography A, 1218(2011)5228-5234記載の方法により作製したものである。
マイクロリアクターから排出された反応混合物を、シリンジを用いて上記C12逆相モノリスカラムに導入し、分離し、分離したそれぞれの化合物をUV検出器で検出した。これによれば、所望の生成物である4−メチルビフェニルが収率88%で得られたことが分かった。なお、残りの12%は基質Bのホモカップリング体であった。結果を表1に示した。
<実施例2>
反応時間を6秒としたこと以外は実施例1と同様にして、マイクロリアクターの作製、カップリング反応、及び反応混合物の分析を行った。結果を表1に示した。
<実施例3>
反応時間を12秒としたこと以外は実施例1と同様にして、マイクロリアクターの作製、カップリング反応、及び反応混合物の分析を行った。結果を表1に示した。
<実施例4>
反応時間を60秒としたこと以外は実施例1と同様にして、マイクロリアクターの作製、カップリング反応、及び反応混合物の分析を行った。結果を表1に示した。
<実施例5>
基質Aにおける置換基Xをヨウ素原子に変更したこと以外は実施例3と同様にして、マイクロリアクターの作製、カップリング反応、及び反応混合物の分析を行った。結果を表1に示した。
<実施例6>
基質Aにおける置換基Rをニトロ基に変更したこと以外は実施例3と同様にして、マイクロリアクターの作製、カップリング反応、及び反応混合物の分析を行った。結果を表1に示した。
<実施例7>
基質Aにおける置換基Xをメチル基に変更したこと以外は実施例3と同様にして、マイクロリアクターの作製、カップリング反応、及び反応混合物の分析を行った。結果を表1に示した。
<実施例8>
配位子をイミノジ酢酸に変更したこと以外は実施例1と同様にして、マイクロリアクターの作製、カップリング反応、及び反応混合物の分析を行った。結果を表1に示した。
<実施例9>
配位子をイミノジ酢酸に変更したこと以外は実施例4と同様にして、マイクロリアクターの作製、カップリング反応、及び反応混合物の分析を行った。結果を表1に示した。
<実施例10>
配位子をイミノジメチルリン酸に変更したこと以外は実施例8と同様にして、マイクロリアクターの作製、カップリング反応、及び反応混合物の分析を行った。結果を表1に示した。
<実施例11>
反応時間を600秒としたこと以外は実施例10と同様にして、マイクロリアクターの作製、カップリング反応、及び反応混合物の分析を行った。結果を表1に示した。
<実施例12>
金属触媒をニッケル(原料としては、塩化ニッケルのアセトニトリル溶液)としたこと、及び、反応時間を600秒としたこと以外は実施例10と同様にして、マイクロリアクターの作製、カップリング反応、及び反応混合物の分析を行った。結果を表1に示した。
<比較例1>
鈴木−宮浦クロスカップリング反応を回分式反応器(フラスコ)内で行った。すなわち4−ニトロブロモベンゼン5.1g、4−メチルフェニルボロン酸3.7g、10%Pd/C触媒266g、リン酸ナトリウム12水和物33.3g、及び、50%エタノール水溶液1000gをフラスコ内で混合し、27℃で12600秒撹拌した。反応混合物を実施例1と同様にして分析したところ、所望の生成物が収率93%で得られたことが分かった。結果を表1に示した。
表1に示された結果から分かるように、回分式反応器(フラスコ)でのバッチ式反応と比較して、マイクロ空間を利用する反応では、反応時間を短縮することができた。また、特許文献1に示されたPd/C触媒を充填したマイクロリアクターによる反応よりも、反応時間を短縮することができた。
1…マイクロリアクター、2…金属触媒固定化有機ポリマー系モノリス、3…チューブ、6…分離手段、7…分析手段、10…合成システム、M…反応混合物、P1,P2…ポンプ(導入手段)。

Claims (10)

  1. 有機ポリマー系モノリスに金属触媒が担持された金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスを反応場として有する、マイクロリアクター。
  2. 前記金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスは、流路内に形成されている、請求項1に記載のマイクロリアクター。
  3. 前記金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスは、チューブ内に形成されている、請求項1又は2に記載のマイクロリアクター。
  4. 前記金属触媒は、パラジウム、ニッケル、銅及び鉄からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロリアクター。
  5. 前記金属触媒は、配位子由来の化学構造を介して前記有機ポリマー系モノリスに担持されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のマイクロリアクター。
  6. 前記配位子は、フェナントロリン、イミノジ酢酸、イミノジメチルリン酸及びトリフェニルホスフィン、並びにこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項5に記載のマイクロリアクター。
  7. 細孔調節剤の存在下でモノマーを重合させて前記有機ポリマー系モノリスを形成する工程と、
    前記有機ポリマー系モノリスに前記金属触媒を担持させて前記金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスを得る工程と、を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のマイクロリアクターを製造する製造方法。
  8. 細孔調節剤の存在下でモノマーを重合させて前記有機ポリマー系モノリスを形成する工程と、
    前記有機ポリマー系モノリスに前記配位子を導入する工程と、
    前記有機ポリマー系モノリスに導入された前記配位子に前記金属触媒を配位させて前記金属触媒固定化有機ポリマー系モノリスを得る工程と、を有する、請求項5又は6に記載のマイクロリアクターを製造する製造方法。
  9. 反応原料を含む溶液を請求項1〜6のいずれか一項に記載のマイクロリアクターに導入する導入手段と、
    前記マイクロリアクターと、を備える合成システム。
  10. 請求項9記載の合成システムと、
    前記マイクロリアクターから排出された反応混合物が導入され、前記反応混合物に含まれる化合物を分離する分離手段と、
    分離された化合物を分析する分析手段と、を備える合成分離分析システム。
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