JP2008001771A - カチオン重合による重合体の製造方法 - Google Patents

カチオン重合による重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カチオン重合によっても分子量分布の狭い重合体を効率良く製造できる重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】カチオン重合開始剤と第一のカチオン重合性単量体とを、それぞれ流通形式で第一の合流部に導入し、この合流部にてカチオン重合開始剤と第一のカチオン重合性単量体とを混合し、第一のカチオン重合性単量体を、第一の合流部に接続した第一の反応管内にて重合させる重合体の製造方法において、第一の合流部の内径X(mm)を0.01mm〜10mmの範囲とし、第一の反応管における液の流速Y(mL/分)を、下記式(1)の関係を満たす範囲にすることを特徴とする重合体の製造方法。
(20×X)≦Y (1)
【選択図】図1

Description

本発明は、カチオン重合による重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、カチオン重合開始剤とカチオン重合性単量体を流通形式の重合方法を採用することによって均一系で重合させ、狭い分子量分布を有する重合体を効率的に製造する方法に関する。
近年、マイクロ化学プロセス技術が化学合成に革新的な変化をもたらすものとして注目を集めている。マイクロ化学プロセス技術において、化学反応を行うマイクロデバイスはマイクロリアクターと呼ばれ、混合を目的としたものはマイクロミキサーと呼ばれている。
前記マイクロミキサーは、小さなチャンネル径である等、ほとんどの場合は層流型であり、混合は最終的には分子拡散に依存する。そして、この拡散による混合では、混合による時間は、拡散距離の二乗に比例する。マイクロミキサーの種類としては、例えば、T字型流路系を用いて2液を混合する場合、(1)高速エネルギーをかけることによる2液流の衝突、(2)1成分を多数の流れにして、もう一方の成分の流れに吹き付けることによる混合、(3)二方向から導入される2液を、多層に分割することによる2成分の混合、(4)層流になっている2成分からなる流れを、複数回分割・再配列を行うことによる混合、(5)攪拌・超音波・電気・熱エネルギー等の外部エネルギーを利用する混合、(6)小さな液体区分を断続的に吹き込むことで実施される混合、等がある。
使用目的や反応の種類等に応じて、前記各種のマイクロミキサーの中から適宣選択される。
一方、マイクロリアクターは、一般に内部構造が1μm〜1mm程度の微細なマイクロチャンネルの中で反応を行う装置を指す。このようなマイクロリアクターは、有機合成面から、例えば、(1)微小量での合成が可能である、(2)単位体積(流速)当たりの表面積が大きい、(3)温度制御が極めて容易である、(4)界面での反応が効率よく起る、(5)時間、コスト、環境負荷の低減が図れる、(6)密封系での反応が可能であるので、毒性、危険性のある化合物が安全に合成できる、(7)小スケール、閉鎖系によるコンタミネーションの防御が可能である、(8)マイクロチャンネルに特有の層流の活用により、効率的な混合、生成物の分離、精製に適用可能である、等の特徴を有している。
また、工業的応用面においては、マイクロチャンネルの大きさを変えずに数を増やすことにより(ナンバーリングアップ)、生産量を増大させることが可能である。即ち、従来、実験室で得られた結果を工場に移管する場合に必要であった中間試製のためのステップが省略できる。このため、低コストで生産を早期に開始することが可能となる。また、実験結果を、そのまま素早く生産に移すことが可能となる。さらに、工業生産のためのプラントが小さくてすむという利点も有している。
例えば、特許文献1によれば、カチオン前駆体を電解酸化してカチオンを発生させるカチオンプール法により製造したカチオン種と、交互層状に形成された微細流路をもつ複雑なマイクロミキサーを用い、−78℃という極低温にてカチオン重合することにより分子量分布の狭い重合体を得ている。
しかしながら、カチオンプール法によっては、カチオン種の大量合成が不可能である。また、本文献で使用しているような複雑な構造のマイクロミキサーは高価であり、かつ閉塞の懸念が大きかった。これらの理由から特許文献1に記載の技術による重合体の安定的な製造は極めて難しいという問題があった。
ところで、イオン重合の生長末端であるカルボニウムイオン又はカルボアニオンは、非常に活性の高い活性種であり、既存のバッチ式の重合方法では、ポリマー生長末端に対する単量体の濃度むらや、発生する重合熱の除去がネックとなり、分子量の制御された重合体を得ることが容易ではない。そこで、分子量の制御された重合体を得るため、設計された対イオンを使用するリビング重合用触媒が精力的に開発されてきた。しかし、このような重合系では、ポリマー生長末端を触媒により安定化することによりリビング重合を実現しており、一般に反応速度が遅いことが欠点であった。また、一つの活性種から1本のポリマーを生産する形のリビング重合では特殊な触媒を用いることが大きなコストアップ要因となると同時に、金属触媒を用いる場合には、合成したポリマー中に多くの金属残渣が残留するという欠点が存在した。
例えば、特許文献2には、25℃でのバッチ重合で、分散度が1.08〜1.39程度のポリビニルエーテルを製造する方法が開示されている。しかし、特許文献2は、特定のホウ素化合物を用いることより、均一なポリマーを製造したものであり、触媒の汎用性に欠けるという問題があった。
特開2005−272804号公報 特開平6−234814号公報
本発明の目的は、カチオン重合によっても分子量分布の狭い重合体を効率良く製造できる重合体の製造方法を提供することである。
また、リビング重合用の特別な触媒を用いない新規なリビング重合を実現できる重合体の製造方法を提供することである。
また、ブロック共重合体を容易に重合できる重合体の製造方法を提供することである。
本発明によれば、以下の重合体の製造方法が提供される。
1.カチオン重合開始剤と第一のカチオン重合性単量体とを、それぞれ流通形式で第一の合流部に導入し、この合流部にてカチオン重合開始剤と第一のカチオン重合性単量体とを混合し、前記第一のカチオン重合性単量体を、前記第一の合流部に接続した第一の反応管内にて重合させる重合体の製造方法において、前記第一の合流部の内径X(mm)を0.01mm〜10mmの範囲とし、前記第一の反応管における液の流速Y(mL/分)を、下記式(1)の関係を満たす範囲にすることを特徴とする重合体の製造方法。
(20×X)≦Y (1)
2.前記重合体の分子量分布(Mw/Mn)が3.5以下である1に記載の重合体の製造方法。
3.前記第一の反応管を通過した反応液と、第二のカチオン重合性単量体とを、それぞれ流通形式で第二の合流部に導入して混合し、前記第二のカチオン重合性単量体を、前記第二の合流部に接続した第二の反応管内にて重合させてブロック共重合体を得る1又は2に記載の重合体の製造方法。
4.前記カチオン重合開始剤がプロトン酸である1〜3のいずれかに記載の重合体の製造方法。
本発明によれば、狭い分子量分布を有する重合体を効率的に製造することができる。
また、リビング重合用の触媒を使用しないため反応速度が低下しない。そのため、経済性のよいリビング重合を実施できる。
さらに、重合性単量体を順次反応させることにより、ブロック共重合体等の合成も簡便に行うことができる。
本発明の重合体の製造方法では、カチオン重合開始剤とカチオン重合性単量体とを、それぞれ流通形式で合流部(ミキサー)に導入して混合し、カチオン重合性単量体を、合流部に接続した反応管(流通形式のリアクター)内にて重合させる。
尚、流通形式とは、流路が主に管状であって攪拌手段が存在しない形式を意味する。
本発明における反応装置は、重合開始剤と単量体との合流部に用いるミキサーとそれに接続する流通形式のリアクターを有する装置である。
図1は、本発明で使用する反応装置の一例の概略構成図である。
反応装置10は、カチオン重合開始剤を導入する流路11と、カチオン重合性単量体を導入する流路12と、これら2つの流路を結合し、重合開始剤とカチオン重合性単量体を混合する合流部13と、合流部13に接続したカチオン重合性単量体を流通形式で重合させる反応管14を有する。
カチオン重合開始剤とカチオン重合性単量体を、それぞれ別々の流路11,12により合流部13に供給する。流路11,12には、それぞれシリンジポンプ等の送液ポンプが接続されており、これにより送液量を制御できる。
流路11,12は、特に制限はないものの、一般的に内径が
0.1mm〜1cm程度、長さが10cm〜10m程度のチューブや管が好適に使用できる。
合流部に供給するカチオン重合性単量体濃度とカチオン重合開始剤濃度の比(単量体/開始剤)は、製造する重合体の分子量に合わせて決定すればよい。下限値は2であるが、3〜10000程度が好ましく、特に5〜1000が好ましい。尚、濃度はモル濃度である。
カチオン重合開始剤とカチオン重合性単量体は合流部13で混合される。合流部13はミキサーの役割を有するものであり、2本、乃至2本以上の流路が1本の流路に合流する形式であれば特に限定されない。例えば、単純なT字型(図1)やY字型の構造体等を用いることができる。
合流部13で両者を混合し、その下流側の反応管14(リアクター)において単量体を重合させたのち、リアクター出口側から反応液を抜き出す。
流通形式のリアクターとは、管状のリアクターであって、重合反応が進行する部分において、別個の攪拌手段が存在しないリアクターを意味する。尚、管状のリアクターを用いる連続重合装置であっても、重合反応が進行する部分に攪拌翼等の別個の攪拌手段が存在するリアクターを使用する形式は、本発明で規定する流通形式の範囲外である。
反応管14は、特に制限はないものの、一般的に内径が0.1mm〜1cm程度、長さが5cm〜50m程度のチューブや管が好適に使用できる。
本発明の製造方法では、合流部13の内径X(mm)を0.01mm〜10mmの範囲とし、反応管における液の流速Y(mL/分)を、下記式(1)の関係を満たす範囲とすることを特徴とする。
(20×X)≦Y (1)
式(1)は、重合反応の制御性の観点から、合流部の内径に対して、2液の合計流速を規定したものである。
流体は、流れ方向が変化するときにエネルギーを発生する。このことは流体の流れる管に屈曲等の変形を加えると圧力損失が増大するという現象に現れている。この発生したエネルギーの一部が流体の流れを乱すことにつながると考えられる。即ち、流速が早いほど発生エネルギーが増大し、流れの乱れ、即ち混合の効率を向上させているものと推定している。この推定をもとに実験を行い、2液の合計流速Y(mL/分)が合流部の内径X(mm)の20倍以上である範囲で分子量分布が3.5以下となることを見出したものである。
本発明においては、2液の合計流速Y(mL/分)が合流部の内径X(mm)の20倍以上であれば、分子量分布の狭い重合体が得られる。ここで、流速が大きいほど混合の点で好ましいため、上限値を設ける必要はない。しかし、送液ポンプの能力により、流速は制限される。例えば、一般に市販されているプランジャーポンプの場合、上限値は10000倍程度となる。
本発明において、合流部の内径X(mm)は0.01mm〜10mmの範囲であり、好ましくは0.1〜1mmの範囲である。Xが0.01mm未満の合流部は作製が困難であり、また、10mmを越えると重合を均一に制御することが困難になる。
尚、合流部の内径Xとは、2液が最初に接触する部分の内径をいう。従って、2液が最初に接触する部分より、下流側の内径をXに限定する必要はない。
本発明においては、反応管の内径と長さによって、重合反応の滞留時間を調整することができる。滞留時間は、実施する重合反応に合わせて適宜調整すればよい。一般に滞留時間が長いほど、単量体の転化率は高くなる。
本発明が適用できるカチオン重合性単量体としては、特に制限はなく、カチオン重合が可能な単量体であればよい。例えば、電子供与性の置換基を有するビニル誘導体が高いカチオン重合性を有するので好ましい。このような電子供与性の置換基を有するビニル誘導体の代表的なものを以下に示す。
(1)エチレン骨格がアルキル基やアリール基により置換された単量体。例えば、イソブチレン、スチレン、α−メチルスチレン等
(2)イソブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類
(3)ヘテロ原子を介して置換されたビニルエーテル類、メチルビニルスルフィド等のビニルスルフィド類、N−ビニルカルバゾール等の誘導体
これらの中で、特にカチオン重合性の高い単量体として、イソブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、α−メチルスチレン、メチルビニルスルフィド、N−ビニルカルバゾール等が好適なカチオン重合性単量体として挙げられる。
また、開環重合することが知られているカチオン重合性環状単量体として、環状エーテル類、環状アセタール類、環状アミン類、環状イミノエーテル類、ラクトン、環状シロキサン類等を挙げることができる。
開環重合することが知られているカチオン重合性環状単量体としては、具体的には、テトラヒドロフラン、1,3−オキソラン、1,3−ジオキセパン、アジリジン(エチレンイミン)、N―(t−ブチル)アジリジン、N―(2−テトラヒドロピラニル)アジリジン、アゼチジン(トリメチレンイミン)、2−オキサゾリン、ε−カプロラクトン、1,3−ジオキサンー2−オン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等を挙げることができる。
本発明において、カチオン重合開始剤は一般的に用いられるものを使用することができ、特に制限はない。カチオン重合開始剤としては、プロトン酸、又はルイス酸とカチオンを生成する化合物との組み合わせが一般的である。
プロトン酸としては、塩酸、硫酸、メチル硫酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロスルホン酸、クロロスルホン酸、過塩素酸等が挙げられる。
ルイス酸としては、トリフルオロホウ素、塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズ、塩化鉄、アルキルアルミニウムジクロライド等が挙げられる。
ルイス酸と組み合わされるカチオン生成化合物として、水、アルコール、酸、エーテル、ハロゲン化アルキル等を挙げることができる。
カチオン重合開始剤としては、プロトン酸が好ましい。それは、ルイス酸は自然発火性をもつ等、取り扱いが困難な化合物が多く、また、一般的なルイス酸は、BF,AlCl,TiCl,SnCl,FeCl,アルキルアルミニウムハライド等の金属化合物であり、重合体の中に金属残渣が残留したり、それを取り除くための脱灰操作を行う必要が生じるためである。取扱い易さの点より、特に好ましいカチオン重合開始剤は、トリフルオロメタンスルホン酸である。
本発明では、重合の制御性をまったく有さない重合開始剤を使用しても、反応手段によって極めて高い重合反応の制御を可能としている。
また、本発明の製造方法は、リビング重合用の触媒を用いなくとも(ポリマー生長末端の安定化によらない方法)、反応速度が低下しない。そのため、経済性のよいリビング重合の方法である。
本発明において、重合溶媒は特に制限はなく、例えば、炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、ニトロ化炭化水素化合物、エーテル類等から適宜選択して用いることができる。
重合開始剤、単量体、生成重合体の溶解性(これらが液体の場合は相溶性)が高いことが好ましい。
尚、重合開始剤、単量体の一方、又は両方を無溶媒で導入することも可能である。
重合溶媒としては、具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、エチルエーテル、ブチルエーテル等を挙げることができる。
重合条件については、使用する単量体や開始剤に合わせて適宜調整する。例えば、重合温度について、カチオン重合は極低温でも反応が進行するので、好適な重合温度は−100℃以上である。ただし、低温での反応は工業的にはコスト高につながるため、好ましくは−50℃以上、さらに好ましくは−25℃以上である。上限については、工業的には反応温度が高いほど除熱が有利になるので設定が難しい。尚、本発明では−25℃以上の重合温度でも反応の精密制御が可能である。
炭酸カリウム入りのメタノール中に反応溶液を導入する等、重合停止剤への反応溶液の導入で反応を停止させることができる。
重合停止後の処理が必要な場合、例えば、後述する実施例1に記載の方法等一般的な手法を採用できる。
本発明の製造方法により、Mw/Mnが3.5以下の均一性に優れるポリマーが製造できる。さらに、Mw/Mnが2.5以下のポリマーも製造できる。さらには、Mw/Mnが1.5以下の極めて均一性の高いポリマーも製造できる。
重合体の分子量については、2量体以上であればよく、用途により適宜調整すればよい。製造容易性の観点から、数平均分子量が500〜1000000程度が好ましく、特に500〜100000が好ましい。
本発明の製造方法では、単量体を2段階で導入して重合することにより、ブロック共重合体が製造できる。
図2は、ブロック共重合体用反応装置の一例の概略構成図である。
反応装置20は、上述した反応装置10の反応管14の反応液取り出し口に第二の合流部21を接続した構成を有する。第二の合流部21には、第二のカチオン重合性単量体を導入する流路22が接続されている。反応液と第二のカチオン重合性単量体は、第二の合流部21にて混合され、流通形式で重合させる第二の反応管23にて反応する。
ブロック共重合体の製造条件については、上記した重合条件と同様であるが、第二の合流部21においても、上記式(1)の要件を満たすように製造することが好ましい。
尚、反応装置20では合流部を2つ有する構成としたが、これに限定されず、必要に応じて、さらに合流部や単量体流路等を接続してもよい。
また、ブロック共重合体の組成は、第一及び第二のカチオン重合性単量体の供給比を調整したり、各反応管での反応液の滞留時間を調整すること等により制御できる。
実施例1
図1に示す構成を有する反応装置にてカチオン重合を実施した。具体的に、内径0.25mmのT字管を合流部とし、その向かい合う接続口と直交する接続口に反応管である内径0.5mm、長さ50cmのSUS316製チューブ(内容積0.098mL)を連結した。また、向かい合う接続口に、重合開始剤、及び単量体導入用の流路である内径1.0mm、長さ2mのチューブを接続した。
これら一式を−25℃温度に設定した恒温槽に浸した。0.2mol/Lのイソブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液と0.02mol/Lのトリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液をそれぞれ3.0mL/minで導入した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=10)。充分に系内が置き換わった後、出口から排出されるポリマー溶液を、炭酸カリウム飽和メタノール入りの容器で採取した。
反応溶液の一部をTHFで希釈し、ガスクロマトグラフィー(島津GC−17A)を測定した。その結果、イソブチルビニルエーテルのピークは消失しており、単量体の転化率は100%であった。
また、分子量と分子量分布をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定した。具体的には、分液ロートを用いて、反応溶液を水で3回洗浄し、炭酸ナトリウムを加えて乾燥し、ろ過後、エバポレーターで溶媒を留去した。得られた試料の一部をTHFに溶解し、GPCにて測定した。GPC(Shodex GPC−101)は、Shodex LF−804カラムを2本直列に配置し、40℃、展開溶媒にTHFを用いて、RI検出器にて市販のポリスチレンを標準サンプルとしてキャリブレーションを行って試料を分析した。その結果、数平均分子量(Mn)は2350、分子量分布(Mw/Mn)は2.34であった。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、イソブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液とトリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液をそれぞれ4.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=10)。
その結果、単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1630、分子量分布(Mw/Mn)は1.61であった。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、イソブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液とトリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液をそれぞれ5.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=10)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1490、分子量分布(Mw/Mn)は1.22であった。結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、イソブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液とトリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液をそれぞれ7.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=10)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1450、分子量分布(Mw/Mn)は1.19であった。結果を表1に示す。
実施例5
実施例1において、イソブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液とトリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液をそれぞれ8.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=10)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1530、分子量分布(Mw/Mn)は1.22であった。結果を表1に示す。
実施例6
実施例1において、内径0.5mmのT字管を用い、イソブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液とトリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液をそれぞれ5.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=10)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は3830、分子量分布(Mw/Mn)は3.44であった。結果を表1に示す。
実施例7
実施例6において、イソブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液とトリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液をそれぞれ6.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=10)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は2930、分子量分布(Mw/Mn)は2.55であった。結果を表1に示す。
実施例8
実施例6において、イソブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液とトリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液をそれぞれ7.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=10)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は2150、分子量分布(Mw/Mn)は2.36であった。結果を表1に示す。
実施例9
実施例6において、イソブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液とトリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液をそれぞれ8.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=10)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1600、分子量分布(Mw/Mn)は1.68であった。結果を表1に示す。
比較例1
実施例6において、イソブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液とトリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液をそれぞれ3.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=10)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は4630、分子量分布(Mw/Mn)は3.88であった。結果を表1に示す。
Figure 2008001771
表1に示したように、流通形式の重合では流速を大きくするほど、得られる重合体の分子量分布は狭くなる。合流部の内径X(mm)と合流部での反応液の流速Y(mL/分)が20X以上の領域で、分子量分布を3.5以下にできることが確認できた。
以下に示す実施例10〜13では、単量体にイソブチルビニルエーテルを使用し、流速比率の変更による分子量の調整の結果を示した。いずれも合流部内径(X)は0.25mm、合計流速(Y)は12mL/分とした。
実施例10
実施例1において、イソブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液を3.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液を9.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=3.3)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は480、分子量分布(Mw/Mn)は1.20であった。
実施例11
実施例1において、イソブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液を4.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液を8.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=5)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は670、分子量分布(Mw/Mn)は1.10であった。
実施例12
実施例1において、イソブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液を6.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液を6.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=5)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1010、分子量分布(Mw/Mn)は1.27であった。
実施例13
実施例1において、イソブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液を8.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液を4.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=20)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1570、分子量分布(Mw/Mn)は1.49であった。
以下に示す実施例14〜17では、単量体にn−ブチルビニルエーテルを使用し、流速比率の変更による分子量の調整の結果を示した。いずれも合流部内径(X)は0.25mm、合計流速(Y)は12mL/分とした。
実施例14
実施例1において、イソブチルビニルエーテルの代わりにn−ブチルビニルエーテルを用い、n−ブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液を3.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液を9.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=3.3)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は620、分子量分布(Mw/Mn)は1.06であった。
実施例15
実施例14において、n−ブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液を4.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液を8.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=5)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は710、分子量分布(Mw/Mn)は1.10であった。
実施例16
実施例14において、n−ブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液を6.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液を6.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=10)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1010、分子量分布(Mw/Mn)は1.24であった。
実施例17
実施例14において、n−ブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液を8.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液を4.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=20)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1690、分子量分布(Mw/Mn)は1.37であった。
以下に示す実施例18〜21では、単量体にエチルビニルエーテルを使用し、流速比率の変更による分子量の調整の結果を示した。いずれも合流部内径(X)は0.25mm、合計流速(Y)は12mL/分とした。
実施例18
実施例1において、イソブチルビニルエーテルの代わりにエチルビニルエーテルを用い、エチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液を3.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液を9.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=3.3)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は580、分子量分布(Mw/Mn)は1.05であった。
実施例19
実施例18において、エチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液を4.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液を8.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=5)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は630、分子量分布(Mw/Mn)は1.08であった。
実施例20
実施例18において、エチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液を6.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液を6.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=10)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は860、分子量分布(Mw/Mn)は1.16であった。
実施例21
実施例18において、エチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液を8.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液を4.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=20)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1320、分子量分布(Mw/Mn)は1.32であった。
以下の実施例22〜25では、単量体にイソブチルビニルエーテル、溶媒にトルエンを使用し、単量体と重合開始剤の濃度を増加させた結果を示した。いずれも合流部内径(X)は0.25mm、合計流速(Y)は12mL/分とした。
実施例22
内径0.25mmのT字管の向かい合う接続口と直交する接続口に反応用の内径0.25mm、長さ50cmのSUS316製チューブ(内容積0.025mL)を連結し、向かい合う接続口に、重合開始剤、及び単量体導入用の内径1.0mm、長さ2mのチューブを接続した。
これら一式を−25℃温度に設定した恒温槽に浸した。2.5mol/Lのイソブチルビニルエーテルのトルエン溶液(和光純薬製脱水グレードにモレキュラーシーブ4Aを加えて保管したもの)を3.0mL/minで、0.25mol/Lのトリフルオロメタンスルホン酸のトルエン溶液を9.0mL/minで導入し、充分に系内が置き換わった後、出口から排出されるポリマー溶液を、炭酸カリウム飽和メタノール入りの容器で採取した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=3.3)。
実施例1と同様の処理と分析を実施したところ、単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は910、分子量分布(Mw/Mn)は1.23であった。
実施例23
実施例22において、イソブチルビニルエーテルのトルエン溶液を4.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸のトルエン溶液を8.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=5)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は960、分子量分布(Mw/Mn)は1.26であった。
実施例24
実施例22において、イソブチルビニルエーテルのトルエン溶液を6.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸のトルエン溶液を6.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=10)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1180、分子量分布(Mw/Mn)は1.30であった。
実施例25
実施例22において、イソブチルビニルエーテルのトルエン溶液を8.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸のトルエン溶液を4.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=20)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1510、分子量分布(Mw/Mn)は1.47であった。
以下の実施例26〜29では、実施例21〜25の条件で重合温度を−10℃に上げた結果を示した。いずれも合流部内径(X)は0.25mm、合計流速(Y)は12mL/分とした。
実施例26
実施例22において、恒温槽の設定温度を−10℃とした以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=3.3)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1040、分子量分布(Mw/Mn)は1.31であった。
実施例27
実施例26において、イソブチルビニルエーテルのトルエン溶液を4.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸のトルエン溶液を8.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=5)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1090、分子量分布(Mw/Mn)は1.34であった。
実施例28
実施例26において、イソブチルビニルエーテルのトルエン溶液を6.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸のトルエン溶液を6.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=10)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1200、分子量分布(Mw/Mn)は1.38であった。
実施例29
実施例26において、イソブチルビニルエーテルのトルエン溶液を8.0mL/min、トリフルオロメタンスルホン酸のトルエン溶液を4.0mL/minで導入した以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=20)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1390、分子量分布(Mw/Mn)は1.41であった。
実施例30
[リビング重合の確認]
図2に示す構成を有する反応装置を使用した。具体的には、内径0.25mmのT字管(合流部)を2個使用し、最初のT字管の出口と2つめのT字管の入口を内径0.5mm、長さ20cmのSUS316製チューブ(内容積0.039mL)を連結した。このチューブは第一の反応管である。2つめのT字管の出口には内径0.5mm、長さ50cmのSUS316製チューブ(内容積0.098mL)を連結した。このチューブは第二の反応管である。
残り3箇所のT字管の接続口には、単量体や開始剤を合流部に導入する流路である内径1.0mm、長さ2mのチューブを接続した。T字管の入口、出口の位置については実施例1と同様である。
これら一式を−25℃温度に設定した恒温槽に浸した。
0.2mol/Lのイソブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液と0.02mol/Lのトリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液をそれぞれ6.0mL/minで最初のT字管に導入した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=10)。2つめのT字管の流路には、4.0mol/Lのアリルトリメチルシランの1,2−ジクロロエタン溶液を3.0mL/minで導入した。
充分に系内が置き換わった後、第二の反応管の出口から排出されるポリマー溶液を、炭酸カリウム飽和メタノール入りの容器で採取した。
実施例1と同様の処理を行い、得られた試料のH−NMR測定を実施した。アリルトリメチルシランで停止した重合体の末端は、下記式に示される構造となり、すべての末端にアリルトリメチルシランに由来する二重結合が導入されれば、単量体と開始剤のモル比が10であることから、図中a、b、cのプロトン比は1:2:30と推算される。
H−NMR分析によるプロトン比の定量の結果、a:b:c=1:2.16:28.6となり、ほぼすべての末端がアリルトリメチルシランでトラップされたことが示された(各ピークの化学シフトは、a=5.7−5.9ppm、b=5.0−5.1ppm、c=3.3−3.7ppm)。このことは、実施した条件で、停止反応や連鎖移動反応が生じておらず、リビング重合となっていることを表している。
Figure 2008001771
以下の実施例31、32では、ブロック共重合体の重合結果を示した。いずれも最初の重合は、合流部内径(X)を0.25mm、合計流速(Y)を12mL/分で行い、2段階目の重合は、合流部内径(X)を0.25mm、合計流速(Y)を15mL/分とした。
実施例31
実施例30において、2つめのT字管にアリルトリメチルシランを導入する代わりに、0.4mol/Lのn−ブチルビニルエーテルの1,2−ジクロロエタン溶液を3.0mL/minで導入した他は同様とした。
実施例1と同様の処理と分析を実施したところ、単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1730、分子量分布(Mw/Mn)は1.31であった。
実施例32
実施例30において、n−ブチルビニルエーテルの代わりにエチルビニルエーテルを用いた以外、同様に実施した。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1610、分子量分布(Mw/Mn)は1.32であった。
実施例33
実施例30において、n−ブチルビニルエーテルの代わりにメタノールを使用して、2つめのT字管で重合を停止させる実験を実施した。
実施例1と同様の処理と分析を実施したところ、単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は990、分子量分布(Mw/Mn)は1.31であった。
実施例31、32で得られた重合体は2段階で単量体を導入しなかった実施例33に対して分子量が増大しており、実施例30の結果を合わせて考慮すると、ブロック重合体が得られていることを強く示唆している。
比較例2
3方コックを取り付けた100mLのナスフラスコを充分にアルゴンガスで置換した。3方コックにアルゴンを流通させながら1,2−ジクロロエタン(Aldrich製脱水グレードにモレキュラーシーブ4Aを加えて保管したもの)を19mL、イソブチルビニルエーテル2mmol=0.20g(0.26mL)を加えて、−25℃の恒温槽に浸して攪拌した。反応溶液の温度を充分に低下させた後、トリフルオロメタンスルホン酸の1,2−ジクロロエタン溶液(Aldrich製脱水グレードにモレキュラーシーブ4Aを加えて保管したもの)0.2mol/Lを1mL加えて重合を開始し、10秒後に炭酸カリウムを飽和させたメタノール5mLを加えて反応を終結させた(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=10)。
実施例1と同様の処理と分析を実施したところ、単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1460、分子量分布(Mw/Mn)は4.46であった。結果を表1に示す。
比較例3
比較例2において、イソブチルビニルエーテルを3mmol=0.30g(0.39mL)用いた以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=15)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は1610、分子量分布(Mw/Mn)は4.35であった。結果を表1に示す。
比較例4
比較例2において、イソブチルビニルエーテルを4mmol=0.40g(0.52mL)用いた以外は同様に実施した(単量体濃度と開始剤濃度のモル比=20)。
単量体の転化率は100%、数平均分子量(Mn)は2190、分子量分布(Mw/Mn)は4.42であった。結果を表1に示す。
以上の結果からわかるように、バッチ方式の重合方法では、非常に分子量分布の広い重合体しか得ることができなかった。
本発明の重合体の製造方法は、分子量の調節が容易であるため、オリゴマーから高重合体まで製造できる。このため、溶剤、潤滑油、樹脂等、広範な用途で使用される重合体の製造に適用できる。
本発明で使用する反応装置の一例の概略構成図である。 ブロック共重合体用反応装置の一例の概略構成図である。
符号の説明
10,20 反応装置
11,12,22 流路
13 (第一の)合流部
14 (第一の)反応管
21 第二の合流部
23 第二の反応管

Claims (4)

  1. カチオン重合開始剤と第一のカチオン重合性単量体とを、それぞれ流通形式で第一の合流部に導入し、この合流部にてカチオン重合開始剤と第一のカチオン重合性単量体とを混合し、
    前記第一のカチオン重合性単量体を、前記第一の合流部に接続した第一の反応管内にて重合させる重合体の製造方法において、
    前記第一の合流部の内径X(mm)を0.01mm〜10mmの範囲とし、
    前記第一の反応管における液の流速Y(mL/分)を、下記式(1)の関係を満たす範囲にすることを特徴とする重合体の製造方法。
    (20×X)≦Y (1)
  2. 前記重合体の分子量分布(Mw/Mn)が3.5以下である請求項1に記載の重合体の製造方法。
  3. 前記第一の反応管を通過した反応液と、第二のカチオン重合性単量体とを、それぞれ流通形式で第二の合流部に導入して混合し、
    前記第二のカチオン重合性単量体を、前記第二の合流部に接続した第二の反応管内にて重合させてブロック共重合体を得る請求項1又は2に記載の重合体の製造方法。
  4. 前記カチオン重合開始剤がプロトン酸である請求項1〜3のいずれかに記載の重合体の製造方法。
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