JP2015193759A - 重合体の製造方法、及びこれに用いるフロー式反応システム - Google Patents

重合体の製造方法、及びこれに用いるフロー式反応システム Download PDF

Info

Publication number
JP2015193759A
JP2015193759A JP2014073127A JP2014073127A JP2015193759A JP 2015193759 A JP2015193759 A JP 2015193759A JP 2014073127 A JP2014073127 A JP 2014073127A JP 2014073127 A JP2014073127 A JP 2014073127A JP 2015193759 A JP2015193759 A JP 2015193759A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
flow path
reaction
solution
channel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014073127A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6096703B2 (ja
Inventor
和田 健二
Kenji Wada
健二 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2014073127A priority Critical patent/JP6096703B2/ja
Publication of JP2015193759A publication Critical patent/JP2015193759A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6096703B2 publication Critical patent/JP6096703B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

【課題】ブレンステッド酸を重合開始剤とするカチオン重合反応による重合体の製造方法であって、ハンドリングの安全性が高く、且つ、分子量分布が高度に単分散化された重合体を得る製造方法、及びこの製造方法に用いる反応システムを提供する。【解決手段】第1流路にブレンステッド酸前駆体溶液を、第2流路にカチオン重合性モノマー溶液を、第3流路に重合停止剤を導入して各流路内に各液を流通させながら、ブレンステッド酸前駆体を第1流路内流通時に光照射してブレンステッド酸を生じ、ブレンステッド酸を生じた溶液と第2流路内を流通するモノマー溶液とを合流して反応流路内を流通させながらモノマーをカチオン重合し、反応流路内を流通する重合反応液と第3流路内を流通する重合停止剤とを合流して重合反応を停止し、重合体溶液を得ることを含む重合体の製造方法、並びに、この製造方法に用いるフロー式反応システム。【選択図】図1

Description

本発明は、重合体の製造方法、及びこれに用いるフロー式反応システムに関する。
カチオン重合は、ポリマーの生長末端の活性種をカチオンとする重合反応である。カチオン重合反応では、重合開始剤としてブレンステッド酸やルイス酸等のカチオンを用いて、ビニル化合物等のモノマーを重合させる。
カチオン重合は、副反応である連鎖移動反応や停止反応を抑制するために極低温下で行なわれ、例えばイソブテンのカチオン重合では、高分子量の重合体を得るために−100℃付近の温度下で重合反応が行われる(特許文献1)。
また、ポリマーの生長末端の活性種を安定化して上記の副反応を抑制し、分子量分布の狭い重合体を得るリビングカチオン重合も提案されている(例えば、特許文献2、3)。特許文献2及び3に記載のリビングカチオン重合はバッチ式で行われる。しかし、バッチ式は機械的撹拌下での重合反応であるため、反応系にモノマーや重合開始剤の局部的なムラが生じやすく、得られる重合体の分散度の向上には制約がある。
一方、重合開始剤とモノマーをマイクロミキサーに連続的に供給するフロー式反応装置を用いたリビングカチオン重合も知られている。特許文献4には、フロー式反応装置を用いてカチオン重合を行うことで、分子量分布の狭い重合体を得たことが記載されている。
特許第2775056号公報 特開平7−292038号公報 特開平8−53514号公報 特開2008−1771号公報
従来からカチオン重合開始剤として、硫酸、メチル硫酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、リン酸、過塩素酸などのブレンステッド酸や、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズなどのルイス酸が用いられてきた。しかし、ブレンステッド酸は反応性や腐食性が高いものが多く、安全性に十分な配慮を要する。また、金属ルイス酸を用いる場合には、得られる重合体中に多くの金属が残留し、材料中の金属含量が厳しく制限される電子材料や医療材料等への重合体の使用には適さない。
本発明は、ブレンステッド酸を重合開始剤とするカチオン重合反応により、重合体を連続的に製造する方法であって、ハンドリングの安全性に優れ、且つ、分子量分布が高度に単分散化された重合体が得られる製造方法、並びに、この製造方法に用いるフロー式反応システムを提供することを課題とする。
本発明者は上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた。そして、光酸発生剤であるブレンステッド酸前駆体溶液をフロー式反応システムの流路内に導入し、流路内流通時に光照射することで、流路内で効率的にブレンステッド酸が生じることに着目するに至った。さらに、ブレンステッド酸が生じた溶液をそのまま、フロー式反応システムの別の流路に導入したカチオン重合性モノマー溶液と合流してモノマーをカチオン重合し、この反応液を、フロー式反応システムのさらに別の流路内に導入した反応停止剤と合流してブレンステッド酸を中和することで、ブレンステッド酸の発生及び中和をフロー式反応システムの流路内で完結することができ、ハンドリングの安全性に優れた連続的なカチオン重合反応システムを構築できることを見い出した。さらに、上記反応システムを用いて得られる重合体の分子量分布は狭く、分子量分布が高度に単分散化された重合体が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明の上記課題は以下の手段により達成された。
〔1〕
フロー式反応によりカチオン重合反応を行う重合体の製造方法であって、
第1流路にブレンステッド酸前駆体溶液を、第2流路にカチオン重合性モノマー溶液を、第3流路に重合停止剤をそれぞれ導入して各流路内に各液を流通させながら、
上記ブレンステッド酸前駆体を第1流路内流通時に光照射してブレンステッド酸を生じ、ブレンステッド酸を生じた溶液と第2流路内を流通する上記モノマー溶液とを合流して反応流路内を流通させながらモノマーをカチオン重合し、反応流路内を流通する重合反応液と第3流路内を流通する重合停止剤とを合流して重合反応を停止し、重合体溶液を得ることを含む、製造方法。
〔2〕
上記ブレンステッド酸のpKaが−1.0以下である、〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕
上記ブレンステッド酸のpKaが−4.0以下である、〔1〕に記載の製造方法。
〔4〕
カチオン重合の反応温度が−40℃〜−10℃である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造方法。
〔5〕
第1流路と第2流路との合流部の流路の等価直径、及び、反応流路と第3流路との合流部の流路の等価直径が0.2mm〜10mmである、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の製造方法。
〔6〕
上記反応流路の等価直径が0.1〜50mmである、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の製造方法。
〔7〕
上記ブレンステッド酸前駆体が、スルホニウム化合物である、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の製造方法。
〔8〕
上記スルホニウム化合物が下記一般式(ZI)で表される、〔7〕に記載の製造方法。
Figure 2015193759
上記一般式(ZI)中、R201、R202及びR203は有機基を示す。Zは非求核性アニオンを示す。
〔9〕
フロー式反応によりカチオン重合反応を行うブロック共重合体の製造方法であって、
第1流路にブレンステッド酸前駆体溶液を、第2流路に第1のカチオン重合性モノマー溶液を、第3流路に第2のカチオン重合性モノマー溶液を、第4流路に重合停止剤をそれぞれ導入して各流路内に各液を流通させながら、
上記ブレンステッド酸前駆体を第1流路内流通時に光照射してブレンステッド酸を生じ、ブレンステッド酸を生じた溶液と第2流路内を流通する第1のカチオン重合性モノマー溶液とを合流して第1反応流路内を流通させながら第1のカチオン重合性モノマーをカチオン重合し、第1反応流路内を流通する重合反応液と第3流路内を流通する第2のカチオン重合性モノマー溶液とを合流して第2反応流路内を流通させながら第2のカチオン重合性モノマーをカチオン重合し、第2反応流路内を流通する重合反応液と第4流路内を流通する重合停止剤とを合流して重合反応を停止し、ブロック共重合体溶液を得ることを含む、製造方法。
〔10〕
カチオン重合反応により重合体を製造するフロー式反応システムであって、
上記フロー式反応システムは、第1流路と、第2流路と、第3流路と、第1〜第3流路のそれぞれに溶液を送り込む送液ポンプと、第1流路と第2流路とが合流する第1合流部と、第1合流部の下流に接続された反応管と、上記反応管と第3流路とが合流する第2合流部と、第2合流部の下流に接続された配管とを有し、
第1流路にはブレンステッド酸前駆体溶液、第2流路にはカチオン重合性モノマー溶液、第3流路には重合停止剤が、それぞれ上記送液ポンプにより導入され、
上記ブレンステッド酸前駆体は第1流路内流通時に光照射されてブレンステッド酸を生じ、このブレンステッド酸が生じた溶液と第2流路内を流通する上記モノマー溶液が第1合流部で合流して反応管内流通時に上記モノマーがカチオン重合し、この重合反応液と第3流路内を流通する重合停止剤が第2合流部で合流して重合反応が停止し、上記配管出口から重合体溶液を得る、システム。
〔11〕
カチオン重合反応によりブロック共重合体を製造するフロー式反応システムであって、
上記フロー式反応システムは、第1流路と、第2流路と、第3流路と、第4流路と、第1〜第4流路のそれぞれに溶液を送り込む送液ポンプと、第1流路と第2流路とが合流する第1合流部と、第1合流部の下流に接続された第1反応管と、第1反応管と第3流路とが合流する第2合流部と、第2合流部の下流に接続された第2反応管と、第2反応管と第4流路とが合流する第3合流部と、第3合流部の下流に接続された配管とを有し、
第1流路にはブレンステッド酸前駆体溶液、第2流路には第1のカチオン重合性モノマー溶液、第3流路には第2のカチオン重合性モノマー溶液、第4流路には重合停止剤が、それぞれ上記送液ポンプにより導入され、
上記ブレンステッド酸前駆体は第1流路内流通時に光照射されてブレンステッド酸を生じ、このブレンステッド酸を生じた溶液と第2流路内を流通する第1のカチオン重合性モノマーが第1合流部で合流して第1反応管内流通時に第1のカチオン重合性モノマーがカチオン重合し、この重合反応液と第3流路内を流通する第2のカチオン重合性モノマーが第2合流部で合流して第2反応管内流通時に第2のカチオン重合性モノマーがカチオン重合し、この重合反応液と第4流路内を流通する重合停止剤が第3合流部で合流して重合反応が停止し、上記配管出口からブロック共重合体溶液を得る、システム。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基や連結基等(以下、置換基等という)が複数あるとき、あるいは複数の置換基等を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよいことを意味する。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、式中に同一の表示で表された複数の部分構造の繰り返しがある場合は、各部分構造ないし繰り返し単位は同一でも異なっていてもよい。また、特に断らない限り、複数の置換基等が近接(特に隣接)するときにはそれらが互いに連結したり縮環したりして環を形成していてもよい意味である。
本明細書において化合物(ポリマーを含む)の表示については、化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、目的の効果を奏する範囲で、構造の一部を変化させたものを含む意味である。
本明細書において置換・無置換を明記していない置換基(連結基についても同様)については、目的の効果を損なわない範囲で、その基にさらに置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の製造方法は、フロー方式で重合体を連続的に製造する方法であり、ハンドリングの安全性に優れ、且つ、得られる重合体の分子量分布は高度に単分散化される。また、本発明のフロー式反応システムは、本発明の製造方法に好適な反応システムである。
本発明のフロー式反応システムの一実施形態の概略を示す図である。 本発明のフロー式反応システムが備えるフロー式光照射装置の概略を示す図である。 本発明のフロー式反応システムにおいて、第1流路の受光部を構成するマイクロリアクターの一例を示す図である。 本発明のフロー式反応システムの別の一実施形態の概略を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[フロー式反応システム]
本発明の重合体の製造方法(以下、「本発明の製造方法」という)に用いるフロー式反応システムの一実施形態を、図1を用いて説明する。図1は本発明に用いるフロー式反応システムの一例を示す概略図である。なお、本発明は、本発明で規定する事項以外は、図面に示された形態に何ら限定されるものではない。例えば、合流部を構成する流路の等価直径は、その上流側又は下流側に位置する流路、反応管、配管の等価直径より大きくてもよいし、小さくてもよいし、同じであってもよい。また、各流路、反応管、及び配管の等価直径は互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図1に示すフロー式反応システム(100)は、ブレンステッド酸前駆体溶液を導入する導入口(A)を備えた第1流路(1)、カチオン重合性モノマー溶液を導入する導入口(B)を備えた第2流路(2)、重合停止剤を導入する導入口(C)を備えた第3流路(3)、第1流路(1)と第2流路(2)が合流する第1合流部(4)、第1合流部(4)の下流に接続された反応管(5)、反応管(5)と第3流路が合流する第2合流部(6)、第2合流部(6)の下流に接続された配管(7)を備える。導入口(A)、導入口(B)及び導入口(C)にはそれぞれ、シリンジポンプ等の送液ポンプが接続され、このポンプによりブレンステッド酸前駆体溶液、カチオン重合性モノマー溶液及び重合停止剤が送液される。
本明細書において「上流」及び「下流」とは、液体が流れる方向に対して用いられ、液体が導入される側(図1及び4の導入口(A)(B)(C)(D)側)が上流であり、その逆側が下流である。
<第1流路>
第1流路(1)にはブレンステッド酸前駆体溶液が導入され、ブレンステッド酸前駆体溶液は第1流路流通時に光照射されてブレンステッド酸を生じる。
第1流路(1)の一部又は全部を、ブレンステッド酸前駆体を光照射してブレンステッド酸を生じるための受光部(E)とする。ブレンステッド酸前駆体については後述する。
第1流路(1)の受光部(E)の形態に特に制限はなく、第1流路内を流通するブレンステッド酸前駆体に光エネルギーが吸収され、ブレンステッド酸が生じれば特に制限されない。また、第1流路(1)の受光部(E)は、照射される光に対して透過性である。照射される光は活性光線又は放射線である。本明細書における「活性光線」又は「放射線」には、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外(EUV)線、X線又は電子線(EB)が含まれる。また、本明細書において第1流路に照射する「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。
本明細書において「光透過性」とは、照射された光量の50%以上を透過することをいい。80%以上を透過することが好ましい。
第1流路(1)の受光部(E)は、フロー式光照射装置に組み込まれた形態とすることが好ましい。フロー式光照射装置の一例を図2に示す。
図2のフロー式光照射装置(101)は内部に光源を備えた筐体であり、受光部(E)を含む第1流路(1)の一部がフロー式光照射装置内部に組み込まれている。
フロー式光照射装置(101)は、少なくとも1つの光源を備える。光源の構成は、使用するブレンステッド酸前駆体の種類に応じて適宜に選択されるものであるが、通常は紫外線光源である。光源として例えば、高圧水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯、クセノン、LED(Light-Emitting Diode)や冷陰極蛍光管を用いることができる。エネルギー効率の観点から、低圧水銀灯、クセノン、LEDや冷陰極蛍光管が好ましい。
フロー式光照射装置(101)の内部に組み込まれた第1流路の受光部は、マイクロ流路を有するマイクロリアクターで構成されることが好ましい。例えば、基板上に流路を形成するための溝を形成した第1基板を用意し、この第1基板に形成した溝を覆うように第2基板を接着することで、内部に流路が形成されたマイクロリアクターを作製することができる。マイクロリアクターには溝(流路)に連通する溶液の導入部と、リアクター内を流通した溶液が出ていく排出部が設けられ、この導入部及び排出部には、第1流路を構成するチューブ等の流路が連結される。導入部及び排出部は、例えば、第1基板又は第2基板を貫通し、流路に連通するホールを設けることで形成することができる。
上記受光部を構成するマイクロリアクターの一例を図3に示す。図3(a)は、溝(1c)を形成した第1基板(9)を示し、図3(b)は、第1基板(9)の溝(1c)上に光透過性の第2基板(10)を張り合わせ、溝(1c)を流路として形成したマイクロリアクターである。また、流路の形状は図3に示す形状に限られず、目的にあわせて任意の形状とすることができる。図3に示すマイクロリアクターを用いた場合、第1流路(1)の導入口(A)から導入されたブレンステッド酸前駆体溶液は、マイクロリアクターの導入部(1a)からマイクロリアクター内の流路(1c)に導入される。そして、マイクロリアクターの流路(1c)内流通時に、光透過性の第2基板(10)側に光が照射され、ブレンステッド酸前駆体が光エネルギーを吸収してブレンステッド酸を生じ、このブレンステッド酸を含む溶液が排出部(1b)から排出され、第1流路(1)を通じて第1合流部(4)へと流れていく。
フロー式光照射装置はマイクロリアクターを脱着可能に受け入れるマイクロリアクター収容部を備えていてもよい。第1基板(9)と第2基板(10)は少なくとも一方が光透過性であり、光透過性基板側を光源側に向けて配設される。第1基板と第2基板が共に光透過性であれば、どちらの基板を光源側に向けてもよい。
上記構成のマイクロリアクターを備えるフロー式光照射装置は、光源からの光をマイクロリアクターの流路全体にわたってより均一に照射することができ、且つ、光源とマイクロリアクターを近接した状態に配置することができるので、マイクロリアクター内を流通するブレンステッド酸前駆体に対して効率的に光エネルギーを到達させることができる。すなわち、ブレンステッド酸前駆体の酸発生効率に優れる。
上記マイクロリアクターの作製において、溝が形成される第1基板(9)としては、例えば、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、テフロン(登録商標)等のフッ素樹脂からなる樹脂基板、ステンレスやハステロイ(登録商標)等の金属基板、石英ガラスやライムソーダガラスからなるガラス基板などを用いることができる。可撓性、耐薬品性、コストの観点からPFA、テフロン(登録商標)、ステンレスやハステロイが好ましい。第1基板(9)の厚さは1000〜20000μmが好ましい。
また、第2基板(10)としては、例えば、石英ガラスやライムソーダガラスなどからなるガラス基板が好ましい。第2基板(10)の厚さは500〜10000μmが好ましい。
上記マイクロリアクター内の流路の形状は特に制限されない。また、マイクロリアクター内の流路の等価直径は100〜5000μmが好ましく、150〜2000μmがより好ましい。等価直径(equivalent diameter)は、相当(直)径とも呼ばれ、機械工学の分野で用いられる用語である。任意の管内断面形状の配管ないし流路に対し等価な円管を想定するとき、その等価円管の管内断面の直径を等価直径という。等価直径(deq)は、A:配管の管内断面積、p:配管のぬれぶち長さ(内周長)を用いて、deq=4A/pと定義される。円管に適用した場合、この等価直径は円管の管内断面の直径に一致する。等価直径は等価円管のデータを基に、その配管の流動あるいは熱伝達特性を推定するのに用いられ、現象の空間的スケール(代表的長さ)を表す。等価直径は、管内断面が一辺aの正四角形管ではdeq=4a/4a=a、一辺aの正三角形管ではdeq=a/31/2、流路高さhの平行平板間の流れではdeq=2hとなる(例えば、(社)日本機械学会編「機械工学事典」1997年、丸善(株)参照)。
また、マイクロリアクター内の流路の長さは10mm〜1000cmとすることが好ましい。マイクロリアクターは平板状であることが好ましい。平板状のマイクロリアクターのサイズは、表面(裏面)の面積を1〜10000cm、厚みを1〜10mmとすることが好ましい。
フロー式光照射装置において、光源部は温度調節機構を備えていてもよい。これにより、第1流路(1)の加熱を抑えることができ、また、光源の表面温度を適正な範囲に保つことができるので光出力の安定化を図ることができる。受光部がマイクロリアクターで構成されたフロー式光照射装置は商業的に入手することもできる。例えば、株式会社ワイエムシィよりKeyChem−Luminoが市販されている。
フロー式光照射装置(101)は、上述したマイクロリアクターを備える形態の他、以下の形態とすることも好ましい。すなわち、内部に光源を備えた光透過性の筒状体と、筒状体の外周面に巻き回された第1流路を形成する光透過性のチューブとを含む形態とすることも好ましい。この形態では、光透過性の筒状体の外周面に巻き回される光透過性のチューブを、筒状体の内部に配設された光源部によって照射するので、チューブ内のブレンステッド酸前駆体に極めて効率良く光を照射することができ、反応効率とエネルギー効率の面からみて非常に好ましいフロー式光照射装置を提供できる。
光透過性チューブとしては、例えばパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、テフロン(登録商標)チューブや、石英ガラスやライムソーダガラスからなるガラスチューブなどを用いることができる。可撓性、耐薬品性の観点からPFA、テフロン(登録商標)が好ましい。筒状体としては、例えば、透明なアクリル樹脂やフッ素樹脂からなる筒状体や、或いは、石英ガラスやライムソーダガラスからなる筒状体などを用いることができる。チューブの透過直径は、0.1〜10mmが好ましく、光透過性の観点からは0.1〜5mmが好ましく、0.5〜2mmがより好ましい。さらに、チューブの長さは、目的とする反応が終了する時間や液体の流速等を考慮して設定されるが、圧損の観点から0.1〜25mが好ましい。
第1流路(1)の受光部(E)以外の構成は特に制限はない。通常は透過直径が0.1mm〜1cm程度、長さが、受光部(E)の上流側及び下流側をあわせて10cm〜10m程度のチューブが使用される。このチューブの材質も特に制限はなく、例えば、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、テフロン(登録商標)、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、ステンレス、銅(又はその合金)、ニッケル(又はその合金)、チタン(又はその合金)、石英ガラス、ライムソーダガラスなどが挙げられる。可撓性、耐薬品性の観点からチューブの材質はPFA、テフロン(登録商標)、ステンレス、ニッケル合金(ハステロイ)又はチタンが好ましい。
<第2流路>
第2流路(2)には、導入口(B)から導入されたカチオン重合性モノマー溶液が流通する流路である。カチオン重合性モノマーについては後述する。
第2流路(2)もまた、通常は透過直径が0.1mm〜1cm程度、長さが10cm〜10m程度のチューブが使用される。このチューブの材質も特に制限はなく、例えば、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、テフロン(登録商標)、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、ステンレス、銅(又はその合金)、ニッケル(又はその合金)、チタン(又はその合金)、石英ガラス、ライムソーダガラスなどが挙げられる。可撓性、耐薬品性の観点からチューブの材質はPFA、テフロン(登録商標)、ステンレス、ニッケル合金(ハステロイ)又はチタンが好ましい。
<第1合流部>
第1流路(1)を流通するブレンステッド酸前駆体溶液、第2流路(2)を流通するカチオン性重合性モノマー溶液とは、第1合流部(4)で合流する。第1合流部(4)はミキサーの役割を有するものであり、第1流路(1)と第2流路(2)とを1本の流路に合流し、下流の反応流路(反応管(5))へと合流した溶液を送り出すことができれば特に限定されない。例えば、T字型やY字型の構造体等を用いることができる。
第1合流部(4)を構成する流路の等価直径(ここで、第1合流部(4)を構成する流路の等価直径は、本発明の製造方法で規定する第1流路と第2流路との合流部の流路の等価直径である)は混合性能の観点から0.1mm〜10mmが好ましく、圧損の観点から0.2mm〜10mmの範囲がより好ましい。第1合流部(4)を構成する流路の等価直径はより好ましくは0.15mm〜5.0mmである。
第1合流部(4)の材質に特に制限はなく、例えば、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、テフロン(登録商標)、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、ステンレス、銅(又はその合金)、ニッケル(又はその合金)、チタン(又はその合金)、石英ガラス、ライムソーダガラスなどの材質からなるものを用いることができる。
第1合流部(4)(ミキサー)には、市販されているマイクロミキサーを用いることができる。例えばインターディジタルチャンネル構造体を備えるマイクロリアクター;インスティチュート・フュール・マイクロテクニック・マインツ(IMM)社製シングルミキサーおよびキャタピラーミキサー;ミクログラス社製ミクログラスリアクター;CPCシステムス社製サイトス;山武社製YM−1、YM−2型ミキサー;島津GLC社製ミキシングティーおよびティー(T字コネクタ);GLサイエンス社製ミキシングティーおよびティー(T字コネクタ);Upchurch社製ミキシングティーおよびティー(T字コネクタ);;Upchurch社製ミキシングティーおよびティー(T字コネクタ);Valco社製ミキシングティーおよびティー(T字コネクタ);swagelok社製T字コネクタ;マイクロ化学技研社製IMTチップリアクター;東レエンジニアリング開発品マイクロ・ハイ・ミキサー等が挙げられ、いずれも本発明で使用することができる。
<反応管(反応流路)>
第1合流部(4)でブレンステッド酸とカチオン重合性モノマー(以下、単に「モノマー」という)が混合され、重合反応が開始する。すなわち、第1合流部(4)で混合された溶液中のモノマーが、反応管(5)内を流通しながら重合する。
反応管(5)の形態に特に制限はないが、チューブであることが好ましい。反応管(5)の好ましい材質は第2流路と同じである。また、反応管の等価直径と長さ、送液ポンプの流速設定によって、重合反応の滞留時間を調整することができる。滞留時間は、所望する重合体の分子量に合わせて適宜調整すればよい。一般に滞留時間が長いほど、モノマーの重合率は高くなる。通常は、反応管の等価直径は0.1〜50mm、より好ましくは0.1〜20mmである。また、反応管の長さは5cm〜50mとするのが好ましい。
<第3流路>
第3流路(3)は、導入口(C)から導入された重合停止剤が流通する流路である。重合停止剤については後述する。第3流路もまたチューブ状が好ましく、チューブの好ましい形態は第2流路と同じである。
<第2合流部>
反応管(5)を流通しながら重合反応が進行している溶液と、第3流路(3)を流通する重合停止剤とは、第2合流部(6)で合流する。第2合流部(6)はミキサーの役割を有するものであり、反応管(5)と第3流路(3)とを1本の流路に合流し、下流の配管(7)へと合流した溶液を送り出すことができれば特に限定されない。第2合流部の好ましい形態は第1合流部と同じである。
<配管>
第2合流部(6)において、重合反応が進行している溶液(生長末端に活性種を有する重合体を含む溶液)と重合停止剤を混合することで、ブレンステッド酸が中和され、配管(7)内では重合反応が停止する。配管の好ましい形態は、反応管(5)と同じである。
配管(7)内においてブレンステッド酸は中和されるため、配管から排出される重合体溶液はブレンステッド酸が有する反応性や腐食性が抑えられ、安全性が高い。すなわち、本発明の製造方法は、ブレンステッド酸の生成から中和までをフロー式反応システムの流路内部で行うことができるので、ハンドリングの安全性が高い方法である。
反応管(5)及び配管(7)にはスタティックミキサーが設置されていても良い。スタティックミキサーとは、多数のミキシングエレメントからなる静止型混合器を1個以上組み込んだ管型反応器のことであり、例えば、公知のスルザー式、ケニックス式、東レ式、ノリタケカンパニー式などのものを挙げることができる。ミキシングエレメントは4個以上有するものが好ましく、6個から30個を有するものがより好ましい。
続いて、本発明の製造方法の別の実施形態について以下に説明する。本発明の製造方法の別の実施形態を図4に示す。図4は、カチオン重合反応によるブロック共重合体の製造方法に用いるフロー式反応システムの一例を示す概略図である。
図4に示す実施形態において、第1流路(11)、第1流路の受光部(E)、第2流路(12)、第1合流部(15)及び第1反応流路(第1反応管(16))は、それぞれ上記で説明した図1の実施形態における第1流路(1)、第1流路の受光部(E)、第2流路(2)、第1合流部(4)及び反応管(5)と同義であり、好ましい形態も同じであるため説明を省略する。
図4の実施形態において、第3流路(13)の導入口(C)には、第2流路(12)に導入するカチオン重合性モノマー(第1のカチオン重合性モノマー)とは異なるカチオン重合性モノマー(第2のカチオン重合性モノマー)が導入され、第3流路(13)内を流通する。第3流路(13)の好ましい形態は第2流路(12)と同じである。
第1反応管(16)内を流通する重合体溶液は、その生長末端にカチオン活性種を有する状態で第2合流部(17)に送液され、第2合流部(17)内において、第3流路(13)を流通する第2のカチオン重合性モノマー溶液と合流する。第2合流部(17)はミキサーの役割を有し、第1反応管(16)と第3流路(13)とを1本の流路に合流し、下流の第2反応流路(第2反応管(18))へと合流した溶液を送り出すことができれば特に制限されない。第2合流部の好ましい形態は第1合流部(15)と同じである。
第2反応管内(18)においてブロック共重合体が合成される。すなわち、第1反応管内を流通してきた重合体の生長末端に、第2のカチオン重合性モノマーが付加重合される。第2反応管(18)の好ましい形態は第1反応管(16)と同じである。
第4流路(14)は、導入口(D)から導入された重合停止剤が流通する流路である。第4流路(14)の好ましい形態は、第2流路(12)と同じである。
第2反応管(18)を流通しながら重合反応が進行している溶液と、第4流路(14)を流通する重合停止剤とは、第3合流部(19)で合流する。第2合流部(19)はミキサーの役割を有するものであり、反応管(18)と第4流路(14)とを1本の流路に合流し、下流の配管(20)へと合流した溶液を送り出すことができれば特に限定されない。第3合流部の好ましい形態は第1合流部と同じである。
第3合流部(19)において、重合反応が進行している溶液(生長末端に活性種を有する重合体を含む溶液)と重合停止剤を混合することで、ブレンステッド酸が中和され、配管(20)内では重合反応が停止する。配管の好ましい形態は、反応管(16)と同じである。
配管(20)内においてブレンステッド酸は中和されているため、配管(20)から排出されるブロック共重合体溶液はブレンステッド酸が有する反応性や腐食性が抑えられ、安全性が高い。すなわち、図4の実施形態の製造方法もまた、ブレンステッド酸の生成から中和までをフロー式反応システムの流路内部で行うことができるので、ハンドリングの安全性が高い方法である。
上記図1及び4に示される反応システムにおいて、第1流路、第2流路、第3流路及び第4流路に流通する液の流速に特に制限はなく、流路の等価直径、長さ等により適宜に調節される。例えば、上記各流路に流通する液の流速を0.05mL/min〜1000L/minとすることができ、0.1mL/min〜100L/minとすることが好ましい。また、上記各流路に流通する液の流速を0.1mL/min〜10L/minとしてもよく、0.1mL/min〜1L/minとしてもよく、0.1mL〜100mL/minとしてもよく、0.1mL〜50mL/minとしてもよい。また、各流路に流通する液の流速は、各流路の間で同じであってもよいし、流路毎に異なる流速としてもよい。
ブロック共重合体の組成は、第1のカチオン重合性モノマー及び第2のカチオン重合性モノマーの供給比を調整したり、各反応管での反応液の滞留時間を調整したりすることで制御できる。
本発明の製造方法において、重合反応は、連鎖移動反応や停止反応を抑制するために低温で行われる。したがって、例えば図1及び4に示すシステムにおいては、通常は、第1流路の受光部の下流から配管の一部までの間を低温恒温槽(8、21)内に配設し、上記低温に維持する。
本発明における重合反応時の反応温度としては、従来のバッチ方式で適用される−78℃以下としてもよいが、本発明では、重合時の副反応の抑制と工業的に実施可能な温度条件として−40℃〜−10℃の温度範囲としても、分散度の低い重合体を得ることができる。この温度範囲であると、重合時の副反応の抑制しつつ簡易な構成の冷却装置を用いて重合体を製造することができ、製造コストを低減できる点でも好ましい。
続いて、本発明の製造方法において、第1流路に導入されるブレンステッド酸前駆体、図1の態様において第2流路(図4の態様では第2流路及び第3流路)に導入されるモノマー、図1の態様において第3流路(図4の態様では第4流路)に導入される重合停止剤について以下に詳細に説明する。
[ブレンステッド酸前駆体]
ブレンステッド酸前駆体は、活性光線又は放射線の光エネルギーを吸収してブレンステッド酸を生じる化合物である。ブレンステッド酸前駆体は活性光線又は放射線の光エネルギーを吸収してブレンステッド酸を生じれば特に制限はなく、例えば、ジアゾニウム化合物(塩)、ホスホニウム化合物(塩)、スルホニウム化合物(塩)、ヨードニウム化合物(塩)、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン及びo−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。また、光照射により酸を発生する基又は化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
本発明に用いるブレンステッド酸前駆体は、得られる重合体の分子量分布をより高度に単分散化するために、光照射により生じるブレンステッド酸のpKaが−1.0以下であることが好ましく、−4.0以下であることがより好ましく、−9.0以下であることがさらに好ましい。また、上記ブレンステッド酸のpKaは通常は−18.0以上である。
また、ブレンステッド酸前駆体の好ましい例として、下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)又は(ZIV)で表される化合物、及び、オキシムスルホネート化合物を挙げることができる。
Figure 2015193759
<一般式(ZI)の化合物>
上記一般式(ZI)において、R201〜R203は有機基を表す。
201〜R203としての有機基の炭素数は1〜30が好ましく、1〜20がより好ましい。また、R201〜R203のうち2つの基が結合してSとともに環構造を形成してもよい。また、この環構造は酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203のうち2つの基が結合して形成される2価の基はアルキレン基(好ましくはブチレン基又はペンチレン基)が好ましい。
また、一般式(ZI)で表される化合物は、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくともひとつが、一般式(ZI)で表される別の化合物のR201〜R203の少なくともひとつと結合した構造を有する化合物であってもよい。
は非求核性アニオンを示す。この非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、(アリールスルホニル)(アルキルスルホニル)イミドアニオン、ビス(アリールスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、及び(アリールスルホニル)−ビス(アルキルスルホニル)メチドアニオンを挙げることができる。なお、本明細書において、「スルホニルイミドアニオン」をスルホニミデート、「メチドアニオン」をメチデートともいう。
が非求核性アニオンであることで、分子内求核反応による化合物の経時分解を抑制することができる。
がスルホン酸アニオンの場合、例えば、脂肪族スルホン酸アニオン(R−SO 、Rは脂肪族基)、芳香族スルホン酸アニオン(R−SO 、Rは芳香族基)が挙げられる。
上記脂肪族基Rは、アルキル基又はシクロアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基から選ばれる基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基及びボロニル基から選ばれる基)である。このアルキル基及びシクロアルキル基は置換基を有することも好ましく、この置換基の好ましい例としては後述の置換基群Wから選ばれる基が挙げられる。
上記芳香族基Rは、好ましくは炭素数6〜14のアリール基(例えば、フェニル基、トリル基及びナフチル基から選ばれる基)である。このアリール基は置換基を有してもよく、この置換基の好ましい例としては後述の置換基群Wから選ばれる基が挙げられる。
(置換基群W)
ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数2〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、及びシクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)。
置換基群Wから選ばれる基がアリール基等の環構造を有する場合、この環構造はさらに置換基を有することも好ましく、この置換基としてはアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)が好ましい。
として例示したビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、(アリールスルホニル)(アルキルスルホニル)イミドアニオン、ビス(アリールスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、及び(アリールスルホニル)−ビス(アルキルスルホニル)メチドアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、及びネオペンチル基から選ばれる基)が好ましく、アリール基は、炭素数6〜14のアリール基(例えば、フェニル基、トリル基及びナフチル基から選ばれる基)が好ましい。この炭素数1〜5のアルキル基及び炭素数6〜14のアリール基は置換基を有することも好ましく、この置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子を置換基として有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜12)、ハロゲン原子を置換基として有するアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12)、ハロゲン原子を置換基として有するアルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜12)、ハロゲン原子を置換基として有するアルキルオキシスルホニル基(好ましくは炭素数1〜12)、ハロゲン原子を置換基として有するアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数1〜12)、ハロゲン原子を置換基として有するシクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)等を挙げることができ、フッ素原子を置換基として有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜12)がより好ましい。
の非求核性アニオンは、一般式(ZI)の化合物が光エネルギーを吸収して解離し、ブレンステッド酸(ZH)を生じる。このブレンステッド酸のpKaは−1.0以下が好ましい。この場合、Zはスルホン酸のα位の炭素原子が置換基としてフッ素原子を有する脂肪族スルホン酸アニオン;塩素原子、フッ素原子又はフッ素原子を有する基を置換基として有する芳香族スルホン酸アニオン;アリール基およびアルキル基が置換基としてフッ素原子を有する(アリールスルホニル)(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基が置換基としてフッ素原子を有するビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基が置換基としてフッ素原子を有するトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、又は、アリール基およびアルキル基が置換基としてフッ素原子を有する(アリールスルホニル)−ビス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。
また、一般式(ZI)の化合物が光エネルギーを吸収して生じるブレンステッド酸のpKaはより好ましくは−4.0以下である。この場合、アリール基およびアルキル基が置換基としてフッ素原子を有する(アリールスルホニル)(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基が置換基としてフッ素原子を有するビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基が置換基としてフッ素原子を有するトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、アリール基およびアルキル基が置換基としてフッ素原子を有する(アリールスルホニル)−ビス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、又は、アリール基が置換基としてフッ素原子を有するビス(アリールスルホニル)イミドアニオンが好ましい。
一般式(ZI)の化合物が光エネルギーを吸収して生じるブレンステッド酸のpKaはさらに好ましくは−9.0以下である。この場合、アルキル基が置換基としてフッ素原子を有するビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基が置換基としてフッ素原子を有するトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンであることが好ましい。
また、一般式(ZI)の化合物が光エネルギーを吸収して生じるブレンステッド酸のpKaは通常は−18.0以上である。
が解離して得られるブレンステッド酸(ZH)は、本発明の製造方法において重合開始剤として機能する。ZHのpKaを低くすることで(強酸とすることで)、モノマーへの付加反応速度、すなわち開始反応速度が大きく向上し、更にカチオン重合末端のカルボカチオンが非求核性のアニオン(Z)で安定化される。これにより、停止反応や転移反応などの副反応が抑制され、分子量分布の狭い重合体が合成できる。
酸のpKaはAdvanced Chemistry Development(ACD/Labs)Software V11.02(1994−2014 ACD/Labs)による計算値、あるいは文献値(例えばJ.Phys.Chem.A 2011,115,6641−6645等)に記載の値を用いることができる。
後述の例示化合物を構成するアニオン(X1)〜(X11)から生じるブレンステッド酸のpKaを以下に示す。
Figure 2015193759
一般式(ZI)で表される化合物の好ましい形態として、以下に説明する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、及び(ZI−3)を挙げることができる。
−化合物(ZI−1)−
化合物(ZI−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つが芳香族基である芳香族スルホニウム化合物、即ち、芳香族スルホニウムをカチオンとする化合物である。
芳香族スルホニウム化合物は、R201〜R203の全てが芳香族基でもよいし、R201〜R203のうち1つ又は2つが芳香族基で、残りがアルキル基(好ましくは炭素数1〜12)又はシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜8)であることも好ましい。
芳香族スルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。芳香族スルホニウム化合物の芳香族基がアリール基である場合、フェニル基又はナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
芳香族スルホニウム化合物の芳香族基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する芳香族複素環構造を有してもよい。芳香族複素環基は、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。芳香族スルホニウム化合物が2つ以上の芳香族基を有する場合に、2つ以上ある芳香族基は同一であっても異なっていてもよい。
201〜R203が芳香族基の場合、この芳香族基は置換基を有する形態であることも好ましい。この置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基が挙げられ、さらに好ましくは炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基及びハロゲン原子から選ばれる基であり、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子である。この置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、いずれか2つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はパラ位に置換していることが好ましい。
化合物(ZI−1)のZは上述したZと同義であり、好ましい形態も同じである。
−化合物(ZI−2)−
化合物(ZI−2)は、一般式(ZI)におけるR201〜R203が芳香環を有さない有機基である化合物である。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基の炭素数は1〜30が好ましく、より好ましくは1〜20である。
201〜R203は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖又は分岐構造の2−オキソアルキル基である。
201〜R203がアルキル基の場合、好ましくは炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基)であり、より好ましくは炭素数1〜10の2−オキソアルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシカルボニルメチル基である。この2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよい。2−オキソアルキル基はアルキル基の2位の炭素原子が>C=Oの形態の基である。
また、R201〜R203がシクロアルキル基の場合、好ましくは炭素数3〜10のシクロアルキル基(好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、又はノルボニル基)であり、より好ましくは炭素数3〜10の2−オキソシクロアルキル基である。
2−オキソシクロアルキル基は、シクロアルキル基の2位の炭素原子が>C=Oの形態の基である。
201〜R203がアルコキシカルボニルメチル基の場合、このアルコキシ基は好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、又はペントキシ基)である。
化合物(ZI−2)のZは上述したZと同義であり、好ましい形態も同じである。
201〜R203がアルキル基又はシクロアルキル基の場合、このアルキル基及びシクロアルキル基は置換基を有する形態であることも好ましい。この置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基、シアノ基及びニトロ基が挙げられ、さらに好ましくはハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基及びニトロ基から選ばれる基である。この置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、いずれか2つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。
−化合物(ZI−3)−
化合物(ZI−3)は、下記一般式(ZI−3)で表される化合物(フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物)である。
Figure 2015193759
一般式(ZI−3)において、R1c〜R5cは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
及びRはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
c−は上述のZと同義であり、好ましい形態も同じである。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRとRは、それぞれ結合して環構造を形成しても良い。この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。また、この環構造は5員環又は6員環が好ましい。
1c〜R7cがアルキル基の場合、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個のアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、直鎖もしくは分岐プロピル基、直鎖もしくは分岐ブチル基、又は直鎖もしくは分岐ペンチル基)である。
また、R1c〜R7cがシクロアルキル基の場合、好ましくは炭素数3〜8のシクロアルキル基(好ましくはシクロペンチル基又はシクロヘキシル基)である。
1c〜R5cがアルコキシ基の場合、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基、より好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(好ましくはメトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、又は炭素数3〜8のシクロアルコキシ基(好ましくはシクロペンチルオキシ基又はシクロヘキシルオキシ基)である。
好ましくは、R1c〜R5cの内のいずれかがアルキル基、シクロアルキル基、又はアルコキシ基であり、更に好ましくは、R1c〜R5cの炭素数の和が1〜15である。これにより、溶剤溶解性がより向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
及びRがアルキル基の場合、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは炭素数1〜20個のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜12個のアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、直鎖もしくは分岐プロピル基、直鎖もしくは分岐ブチル基、又は直鎖もしくは分岐ペンチル基)であり、これらのアルキル基の2位の炭素原子が>C=Oである2−オキソアルキル基も好ましい。また、上記アルキル基はアルコキシカルボニルメチル基であることも好ましく、このアルコキシ基は炭素数1〜10、より好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(好ましくはメトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、又は炭素数3〜8のシクロアルコキシ基(好ましくはシクロペンチルオキシ基又はシクロヘキシルオキシ基)が好ましい。
及びRがシクロアルキル基の場合、好ましくは炭素数3〜8のシクロアルキル基(好ましくはシクロペンチル基又はシクロヘキシル基)であり、これらのシクロアルキル基の2位の炭素原子が>C=Oである2−オキソシクロアルキル基であることも好ましい。
及びRは、好ましくは炭素数4以上のアルキル基又はシクロアルキル基であり、より好ましくは炭素数6以上、更に好ましくは炭素数8以上のアルキル基か、又はシクロアルキル基である。
<一般式(ZII)の化合物、一般式(ZIII)の化合物>
一般式(ZII)、(ZIII)中、R204〜R207は芳香族基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
また、一般式(ZII)中のZは一般式(ZI)におけるZと同義であり、好ましい形態も同じである。
204〜R207が芳香族基の場合、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。また、R204〜R207の芳香族基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する芳香族複素環基であってもよい。この芳香族複素環は、好ましくはピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、又はベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)である。
204〜R207がアルキル基の場合、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基)である。
204〜R207がシクロアルキル基の場合、好ましくは炭素数3〜10のシクロアルキル基(好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基又はノルボニル基)である。
204〜R207であるアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜15のアルキル基)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15のシクロアルキル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜15のアリール基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15のアルコキシ基)、ハロゲン原子、水酸基、及びフェニルチオ基を挙げることができる。
一般式(ZII)で表される化合物はジアリールヨードニウム塩であることがより好ましい。このジアリールヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、フェニル,4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート、フェニル,4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナートを挙げることができる。
一般式(ZIII)で表される化合物はジアゾメタン化合物であることがより好ましい。このジアゾメタン化合物としては、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、及びビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタンを挙げることができる。
<一般式(ZIV)の化合物>
一般式(ZIV)中、R208は、炭素数1〜6のアルキル基であり、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基又はネオペンチル基である。R208がアルキル基の場合、このアルキル基は置換基を有してもよい。この置換基としては、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜12)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜12)、アルキルオキシスルホニル基(好ましくは炭素数1〜12)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数1〜12)及びシクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)から選ばれる基が好ましく、フッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜12)がより好ましい。
一般式(ZIV)中、Aは2価の連結基である。Aはエチレン基が好ましい。エチレン基は置換基を有することも好ましい。より好ましくはエチレン基の2つ炭素原子が有する置換基が互いに連結して環を形成した形態である。Aは下記式(ZIV−1)で表されることがより好ましい。
Figure 2015193759
上記一般式(ZIV−1)中、LはO、S、又は(CHであり、nは1又は2である。*は一般式(ZIV)中のカルボニル基との連結部位を示す。
一般式(ZIV)で表される化合物の具体例として、例えば、トリフルオロメチルスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エンジカルボキシイミド、スクシンイミドトリフルオロメチルスルホネート、フタルイミドトリフルオロメチルスルホネート、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホネート、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドプロパンスルホネートが挙げられる。
一般式(ZI)で表される化合物及び一般式(ZII)で表される化合物の具体例(化合物A)を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、下記表2中のカチオン構造及びアニオン構造を表2の下に示す。
Figure 2015193759
Figure 2015193759
Figure 2015193759
また、一般式(ZIII)で表される化合物及び一般式(ZIV)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2015193759
本発明に用いるブレンステッド酸前駆体として好ましいオキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート残基を有する化合物としては、下記一般式(b1)で表されるオキシムスルホネート残基を含有する化合物が好ましく例示できる。
Figure 2015193759
一般式(b1)中、Rはアルキル基又は芳香族基を示す。
がアルキル基の場合、炭素数1〜10の、直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。Rがアルキル基の場合、このアルキル基は置換基として炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または、シクロアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基)を有することも好ましい。
が芳香族基の場合、炭素数6〜11のアリール基が好ましく、フェニル基またはナフチル基がより好ましい。Rが芳香族基の場合、この芳香族基は置換基として低級アルキル基(好ましくは炭素数1〜3)、低級アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜3)又はハロゲン原子を有することも好ましい。
上記式(b1)で表されるオキシムスルホネート残基を含有する化合物としては、下記一般式(OS−3)、(OS−4)または(OS−5)で表される化合物であることが特に好ましい。
Figure 2015193759
一般式(OS−3)〜式(OS−5)中、Rはアルキル基又は芳香族基を表す。Rは水素原子、アルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表し、Rはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、スルホ基、アミノスルホニル基またはアルコキシスルホニル基を表す。XはOまたはSを表す。nは1または2を表し、mは0〜6の整数を表す。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、Rがアルキル基の場合、総炭素数1〜30(アルキル基が有する置換基の炭素を含む)のアルキル基が好ましい。
がアルキル基の場合、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロヘキシル基、及びベンジル基から選ばれる基が好ましい。Rが置換アルキル基の場合、上記のRとして好ましいアルキル基が置換基として、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びアミノカルボニル基から選ばれる基を有する形態が好ましい。
また、上記式(OS−3)〜(OS−5)中、Rが芳香族基の場合、アリール基であっても芳香族複素環であってもよい。
がアリール基の場合、総炭素数6〜30(このアリール基が有する置換基の炭素を含む)のアリール基が好ましい。
がアリール基の場合、フェニル基、p−メチルフェニル基、p−クロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、o−メトキシフェニル基、及びp−フェノキシフェニル基から選ばれる基が好ましい。Rが置換アリール基の場合、上記のRとして好ましいアリール基が置換基として、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、及びアルコキシスルホニル基から選ばれる基を有する形態が好ましい。
また、一般式(OS−3)〜(OS−5)中のRが芳香族複素環基の場合、その総炭素数(芳香族複素環が有する置換基の炭素を含む)は4〜30が好ましい。
が縮合芳香族複素環の場合、少なくとも1つの環が芳香族複素環であればよく、例えば、芳香族複素環とベンゼン環とが縮環していてもよい。
が芳香族複素環の場合、チオフェン環、ピロール環、チアゾール環、イミダゾール環、フラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾチアゾール環、及びベンゾイミダゾール環よりなる群から選ばれる環から水素原子を1つ除いた基が好ましい。Rが置換基を有する芳香族複素環の場合、上記のRとして好ましい芳香族複素環が置換基として、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、及びアルコキシスルホニル基から選ばれる基を有する形態が好ましい。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、Rは、水素原子、アルキル基またはアリール基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましい。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、化合物中に2以上存在するRのうち、1つまたは2つがアルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることが好ましく、1つがアルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることがより好ましく、1つがアルキル基であり、かつ残りが水素原子であることが特に好ましい。
がアルキル基の場合、総炭素数1〜12(アルキル基が有する置換の炭素を含む)のアルキル基であることが好ましく、総炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。
がアルキル基の場合、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−ヘキシル基、アリル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、及びn−ヘキシル基から選ばれる基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、及びn−ヘキシル基から選ばれる基が更に好ましく、メチルがさらに好ましい。Rが置換アルキル基の場合、上記のRとして好ましいアルキル基が置換基として、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びアミノカルボニル基から選ばれる基を有する形態が好ましい。
がアリール基の場合、総炭素数6〜30(アリール基が有する置換基の炭素を含む)のアリール基が好ましい。
がアリール基の場合、フェニル基、p−メチルフェニル基、o−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−フェノキシフェニル基が好ましい。また、Rが置換アリール基の場合、上記のRとして好ましいアリール基が置換基として、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、及びアルコキシスルホニル基から選ばれる基を有する形態が好ましい。
がハロゲン原子の場合、具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。これらの中でも、塩素原子、臭素原子が好ましい。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、XはOまたはSを表し、Oであることが好ましい。一般式(OS−3)〜(OS−5)において、Xを環構成原子として含む環は、5員環または6員環である。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中、nは1または2を表し、1であることが好ましい。
上記式(OS−3)〜(OS−5)中のRがアルキル基の場合、総炭素数1〜30(アルキル基が有する置換基の炭素数を含む)のアルキル基であることが好ましい。
がアルキル基の場合、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロヘキシル基、及びベンジル基から選ばれる基が好ましい。Rが置換アルキル基の場合、上記のRとして好ましいアルキル基が置換基として、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びアミノカルボニル基から選ばれる基を有する形態が好ましい。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中のRがアルコキシ基の場合、総炭素数1〜30(アルコキシ基が有する置換基の炭素を含む)のアルコキシ基が好ましい。
がアルコキシ基の場合、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ基、フェノキシエチルオキシ基、トリクロロメチルオキシ基、またはエトキシエチルオキシ基が好ましい。Rが置換アルコキシ基の場合、上記のR6として好ましいアルコキシ基が置換基として、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びアミノカルボニル基から選ばれる基を有する形態が好ましい。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中のRがアミノスルホニル基の場合、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、メチルフェニルアミノスルホニル基、又はアミノスルホニル基が好ましい。
一般式(OS−3)〜(OS−5)中のRがアルコキシスルホニル基の場合、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロピルオキシスルホニル基、又はブチルオキシスルホニル基が好ましい。
また、一般式(OS−3)〜(OS−5)中、mは0〜2の整数が好ましく、0または1がより好ましく、0が特に好ましい。
一般式(OS−3)〜式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2015193759
式(b1)で表されるオキシムスルホネート残基を有する化合物は、下記一般式(b2)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2015193759
式(b2)中、R5aは、アルキル基またはアリール基を表す。Xは、アルキル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子を表す。m1は0〜3の整数を表す。
がアルキル基の場合、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。
がアルコキシ基の場合、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルコキシ基が好ましい。
がハロゲン原子の場合、塩素原子またはフッ素原子が好ましい。
m1は0または1が好ましい。
式(b2)中、m1が1であり、Xがメチルであり、Xの置換位置がオルト位であり、R5aが炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニルメチル基、またはp−トルイル基である化合物が特に好ましい。
式(b1)で表されるオキシムスルホネート残基を含有する化合物は、下記一般式(b3)で表されるオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
Figure 2015193759
式(b3)中、Rは一般式(b1)におけるRと同義であり、Xは、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表す。Lは0〜5の整数を表す。
式(b3)におけるRとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、p−トリル基、4−クロロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基が好ましく、n−オクチル基が特に好ましい。
としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
Lは、0〜2が好ましく、0〜1が特に好ましい。
式(b3)で表される化合物の具体例としては、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−〔(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリルを挙げることができる。
一般式(b2)又は(b3)で表されるオキシムスルホネート化合物の好ましい具体例としては、下記化合物(i)〜(ix)が挙げられる。化合物(i)〜(ix)は商業的に入手することができる。
Figure 2015193759
上述してきた本発明に用いうるブレンステッド酸前駆体の中でも、特に、一般式(ZI)で表されるスルホニウム化合物を用いるのが好ましい。化合物単体、および溶液中での安定性はスルホニウム化合物が最も高く、経時安定性に最も優れている。また、スルホニウム化合物を用いることによって、分散度のより低い(分子量分布がより狭い)重合体を合成できる。この理由は定かではないが、スルホニウム化合物の分解物であるスルフィドがドーマント種を形成し、適度な解離平衡が達成された為と推定される。
[カチオン重合性モノマー]
本発明に用いうるカチオン重合性モノマーに特に制限はなく、カチオン重合が可能なモノマーであればいずれも使用可能である。例えば、J.P.Kennedyらの著書(CarbocationicPolymerization,John Wiley&Sons,1982);K.Matyjaszewskiらの著書(Cationic Polymerizations,Marcel Dekker,1996);高分子の合成(上),講談社サイエンティフィック、2014年4月10日;大学院高分子化学,講談社サイエンティフィック、1997年5月28日;新実験化学講座19,高分子化学[I],日本化学会編、1978年5月20日等に記載されているモノマーなどが挙げられる。なかでも電子供与性の置換基を有するビニル誘導体が高いカチオン重合性を有するので好ましい。このような電子供与性の置換基を有するビニル誘導体の例を以下に示す。
(1)エチレン骨格の水素原子がアルキル基やアリール基により置換されたモノマー。例えば、イソブチレン、スチレン、α−メチルスチレン等
(2)イソブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類
(3)ヘテロ原子を介して置換されたビニルエーテル類、メチルビニルスルフィド等のビニルスルフィド類、N−ビニルカルバゾール等の誘導体
これらの中でも、特にカチオン重合性の高いモノマーとして、イソブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、α−メチルスチレン、メチルビニルスルフィド、N−ビニルカルバゾール等を好適に用いることができる。
また、開環重合することが知られているカチオン重合性環状モノマーとして、環状エーテル類、環状アセタール類、環状アミン類、環状イミノエーテル類、ラクトン、環状シロキサン類等を挙げることができる。
開環重合することが知られているカチオン重合性環状モノマーとしては、具体的には、テトラヒドロフラン、1,3−オキソラン、1,3−ジオキセパン、アジリジン(エチレンイミン)、N−(t−ブチル)アジリジン、N―(2−テトラヒドロピラニル)アジリジン、アゼチジン(トリメチレンイミン)、2−オキサゾリン、ε−カプロラクトン、1,3−ジオキサン−2−オン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等を挙げることができる。
本発明において、重合溶媒はカチオンに不活性であれば特に制限はなく、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素系溶媒;塩化メチル、塩化メチレン、塩化プロパン、塩化ブタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;メチルtert-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒;ニトロプロパン、ニトロベンゼン等のニトロ化炭化水素化合物等から適宜選択して用いることができる。これらの有機溶媒は、単独あるいは二種以上のものを併用することも可能である。
本発明における重合反応時の反応温度としては、従来のバッチ方式で適用される−78℃以下でも好適に適用できるが、重合時の副反応の抑制と工業的に実施可能な温度条件として−40℃〜−10℃の温度範囲が好ましい。この温度範囲であると、重合時の副反応の抑制しつつ簡易な構成の冷却装置を用いて重合体を製造することができ、製造コストを低減できる点で好ましい。
[重合停止剤]
重合停止剤としては、活性種であるカチオンを失活(中和)させる液であれば特に制限はなく、塩基性物質を含むアルコールや塩基性物質を含む水が用いられる。このアルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。塩基性物質としては、例えば炭酸カリウム、トリエチルアミン、アンモニア等が上げられる。重合停止剤中の塩基性物質の量は、重合体溶液と合流した混合液中において、ブレンステッド酸1モルに対して、1モル〜100モルとなるのが好ましい。
[重合体の分散度]
本発明の製造方法で得られる重合体は、その分子量分布が高度に単分散化されている。本発明の製造方法で得られる重合体の分散度(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は1.5以下であることが好ましく、1.20以下であることがより好ましく、1.18以下であることがさらに好ましく、1.16以下であることがさらに好ましく、1.15以下であることがさらに好ましい。
以下に実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
図1及び2に示す構成のフロー式反応システムによりカチオン重合反応を実施した。各部の詳細を下記に示す。
[フロー式光照射装置(101)]
株式会社ワイエムシィ製KeyChem−Lumino
[第1流路(1)の受光部(E)]
株式会社ワイエムシィ製光反応リアクター(流路幅1mm、流路深さ750μm、流路長さ91.6cmのテフロン(登録商標)平板流路に石英ガラス板を圧着させたもの)
[光源]
株式会社ワイエムシィ製低圧水銀ランプ(254nmにおける照度:3.0mW/cm
[受光部(E)の上流側の第1流路(1)]
外径1/16インチ、内径0.75mm、長さ50cmのテフロン(登録商標)チューブ
[受光部(E)の下流側の第1流路(1)]
外径1/16インチ、内径0.75mm、長さ50cmのテフロン(登録商標)チューブと、外径1/16インチ、内径1.0mm、長さ50cmのSUS316チューブとをSUS316ユニオンで連結したもの
[第2流路(2)]
外径1/16インチ、内径1.0mm、長さ100cmのSUS316チューブ
[第1合流部(4)]
三幸精機工業株式会社製SUS316製T字型マイクロミキサー(内径0.25mm)
[反応管(5)]
外径1/16インチ、内径1.0mm、長さ50cmのSUS316チューブ
[第3流路(3)]
外径1/16インチ、内径1.0mm、長さ100cmのSUS316チューブ
[第2合流部(6)]
三幸精機工業株式会社製SUS316製T字型マイクロミキサー(内径0.50mm)
[配管(7)]
外径1/16インチ、内径1.0mm、長さ50cmのSUS316チューブ
図1に示されるように、第1合流部の上流から配管の一部までの間を、−25℃に設定した低温恒温槽(8)に浸した。
[実施例1]
0.02Mのトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート(化合物A−1、ブレンステッド酸前駆体、生じるブレンステッド酸のpKa=−3.91)のジクロロメタン溶液を50mlガストシリンジにとり、ハーバード社製シリンジポンプModel11 Plusにセットし、第1流路(1)の導入口(A)から流速0.5mL/minで連続的に導入し、送液した。第1流路流通時には受光部(E)を構成する光反応リアクターに光源から紫外線が照射された。
0.2Mのイソブチルビニルエーテルのジクロロメタン溶液を50mlガストシリンジにとり、ハーバード社製シリンジポンプModel11 Plusにセットし、第2流路(2)の導入口(B)から流速2.0mL/minで連続的に導入し、送液した。
トリエチルアミン8.89g、メタノール10.0g、ジクロロメタン100gの混合溶液を100mlガストシリンジにとり、ハーバード社製シリンジポンプModel11 Plusにセットし、第3流路(3)の導入口(C)から流速0.2mL/minで連続的に導入し、送液した。
5分経過後、出口から連続的に排出される重合体を含む溶液をサンプル容器に採取した。採取した重合体溶液において、ブレンステッド酸が中和されていることをpH試験紙により確認した。
採取した溶液の一部をテトラヒドロフラン(THF)で希釈し、分子量と分子量分布をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定した。分子量はポリスチレン換算である。GPCによる測定条件を以下に示す。
装置:HLC−8220GPC(東ソー(株)製)
検出器:示差屈折計(RI検出器)
プレカラム:TSKGUARDCOLUMN HXL−L 6mm×40mm(東ソー(株)製)
サンプル側カラム:以下3本を順に直結(全て東ソー(株)製)
・TSK−GEL GMHXL 7.8mm×300mm
・TSK−GEL G4000HXL 7.8mm×300mm
・TSK−GEL G2000HXL 7.8mm×300mm
リファレンス側カラム:TSK−GEL G1000HXL 7.8mm×300mm
恒温槽温度:40℃
移動層:THF
サンプル側移動層流量:1.0mL/分
リファレンス側移動層流量:1.0mL/分
試料濃度:0.1重量%
試料注入量:100μL
データ採取時間:試料注入後5分〜45分
サンプリングピッチ:300msec
その結果、単量体ピークは観測されず、数平均分子量(Mn)は12500、分子量分布(Mw/Mn=分散度)は1.28であった。
[実施例2]
実施例1において、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートのジクロロメタン溶液をトリフェニルスルホニウム ビス(ペンタフルオロベンゼンスルホニル)イミデート(化合物A−4、生じるブレンステッド酸のpKa=−5.00)のジクロロメタン溶液に変更した以外は実施例1と同様にして重合体溶液を得た。得られた重合体溶液において、ブレンステッド酸が中和されていることをpH試験紙により確認した。
得られた重合体溶液を用いて、実施例1と同様にして重合体の分子量及び分子量分布を調べたところ、単量体ピークは観測されず、数平均分子量(Mn)は13000、分子量分布(Mw/Mn=分散度)は1.18であった。
[実施例3]
実施例1において、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートのジクロロメタン溶液をトリフェニルスルホニウム 1,1,2,2,3,3ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホニミデート(化合物A−3、生じるブレンステッド酸のpKa=−11.55)のジクロロメタン溶液に変更した以外は実施例1と同様にして重合体溶液を得た。得られた重合体溶液において、ブレンステッド酸が中和されていることをpH試験紙により確認した。
得られた重合体溶液を用いて、実施例1と同様にして重合体の分子量及び分子量分布を調べたところ、単量体ピークは観測されず、数平均分子量(Mn)は12800、分子量分布(Mw/Mn=分散度)は1.15であった。
[実施例4]
実施例1において、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートのジクロロメタン溶液をトリフェニルスルホニウム トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチデート(化合物A−5、生じるブレンステッド酸のpKa=−16.40)のジクロロメタン溶液に変更した以外は実施例1と同様にして重合体溶液を得た。得られた重合体溶液において、ブレンステッド酸が中和されていることをpH試験紙により確認した。
得られた重合体溶液を用いて、実施例1と同様にして重合体の分子量及び分子量分布を調べたところ、単量体ピークは観測されず、数平均分子量(Mn)は13100、分子量分布(Mw/Mn=分散度)は1.12であった。
[比較例]
実施例1においてトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートのジクロロメタン溶液をトリフルオロメタンスルホン酸(pKa=−3.91)のジクロロメタン溶液に変更した以外は実施例1と同様にして重合体溶液を得た。得られた重合体溶液において、トリフルオロメタンスルホン酸が中和されていることをpH試験紙により確認した。
得られた重合体溶液を用いて、実施例1と同様にして重合体の分子量及び分子量分布を調べたところ、単量体ピークは観測されず、数平均分子量(Mn)は16800、分子量分布(Mw/Mn=分散度)は1.41であった。
上記比較例では、ブレンステッド酸前駆体ではなく、ブレンステッド酸そのものであるトリフルオロメタンスルホン酸を第1流路(1)に直接導入した例である。この場合、得られる重合体の分散度は1.41となった。
これに対し、トリフルオロメタンスルホン酸の前駆体であるトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートを第1流路(1)に導入し、第1流路流通時の光照射によりトリフルオロメタンスルホン酸を生じさせた実施例1では、得られる重合体の分散度が1.28となり、重合体の分子量分布をより単分散化することができた。
また、実施例1〜4の比較から、ブレンステッド酸前駆体から生じるブレンステッド酸のpKaが小さい程(強酸である程)、得られる重合体の分子量分布が狭く、分子量が高度に均一化された重合体が得られることがわかった。実施例2〜4で生じたブレンステッド酸は反応性や腐食性が高く、商業的に入手し、カチオン重合に適用することはできない。本発明では、安全性の高いブレンステッド酸前駆体を用いて、反応システムの流路内で強酸(ブレンステッド酸)を発生させ、その中和も流路内で完結させる。これにより、分子量分布が高度に単分散化された重合体を得ることが可能になった。
また、図1に示すフロー式反応装置で得られた上記の結果に鑑みれば、図4に示すフロー式光反応装置を用いてブロック共重合体を形成した場合も同様に、得られるブロック共重合体の分散度が高度に高められることがわかる。
100 フロー式反応システム
1 第1流路
2 第2流路
3 第3流路
4 第1合流部
5 反応管(反応流路)
6 第2合流部
7 配管
8 低温恒温槽
E 第1流路受光部
9 第1基板
10 第2基板
1a 導入部
1b 排出部
1c 溝(流路)
101 フロー式光照射装置
102 フロー式反応システム(ブロック共重合体製造)
11 第1流路
12 第2流路
13 第3流路
14 第4流路
15 第1合流部
16 第1反応管(第1反応流路)
17 第2合流部
18 第2反応管(第2反応流路)
19 第3合流部
20 配管
21 低温恒温槽

Claims (11)

  1. フロー式反応によりカチオン重合反応を行う重合体の製造方法であって、
    第1流路にブレンステッド酸前駆体溶液を、第2流路にカチオン重合性モノマー溶液を、第3流路に重合停止剤をそれぞれ導入して各流路内に各液を流通させながら、
    前記ブレンステッド酸前駆体を第1流路内流通時に光照射してブレンステッド酸を生じ、該ブレンステッド酸を生じた溶液と第2流路内を流通する前記モノマー溶液とを合流して反応流路内を流通させながら該モノマーをカチオン重合し、反応流路内を流通する該重合反応液と第3流路内を流通する重合停止剤とを合流して重合反応を停止し、重合体溶液を得ることを含む、製造方法。
  2. 前記ブレンステッド酸のpKaが−1.0以下である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ブレンステッド酸のpKaが−4.0以下である、請求項1に記載の製造方法。
  4. カチオン重合の反応温度が−40℃〜−10℃である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 第1流路と第2流路との合流部の流路の等価直径、及び、反応流路と第3流路との合流部の流路の等価直径が0.2mm〜10mmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記反応流路の等価直径が0.1〜50mmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記ブレンステッド酸前駆体が、スルホニウム化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記スルホニウム化合物が下記一般式(ZI)で表される、請求項7に記載の製造方法。
    Figure 2015193759

    上記一般式(ZI)中、R201、R202及びR203は有機基を示す。Zは非求核性アニオンを示す。
  9. フロー式反応によりカチオン重合反応を行うブロック共重合体の製造方法であって、
    第1流路にブレンステッド酸前駆体溶液を、第2流路に第1のカチオン重合性モノマー溶液を、第3流路に第2のカチオン重合性モノマー溶液を、第4流路に重合停止剤をそれぞれ導入して各流路内に各液を流通させながら、
    前記ブレンステッド酸前駆体を第1流路内流通時に光照射してブレンステッド酸を生じ、該ブレンステッド酸を生じた溶液と第2流路内を流通する第1のカチオン重合性モノマー溶液とを合流して第1反応流路内を流通させながら第1のカチオン重合性モノマーをカチオン重合し、第1反応流路内を流通する該重合反応液と第3流路内を流通する第2のカチオン重合性モノマー溶液とを合流して第2反応流路内を流通させながら第2のカチオン重合性モノマーをカチオン重合し、第2反応流路内を流通する該重合反応液と第4流路内を流通する重合停止剤とを合流して重合反応を停止し、ブロック共重合体溶液を得ることを含む、製造方法。
  10. カチオン重合反応により重合体を製造するフロー式反応システムであって、
    前記フロー式反応システムは、第1流路と、第2流路と、第3流路と、第1〜第3流路のそれぞれに溶液を送り込む送液ポンプと、第1流路と第2流路とが合流する第1合流部と、第1合流部の下流に接続された反応管と、前記反応管と第3流路とが合流する第2合流部と、第2合流部の下流に接続された配管とを有し、
    第1流路にはブレンステッド酸前駆体溶液、第2流路にはカチオン重合性モノマー溶液、第3流路には重合停止剤が、それぞれ前記送液ポンプにより導入され、
    前記ブレンステッド酸前駆体は第1流路内流通時に光照射されてブレンステッド酸を生じ、該ブレンステッド酸を生じた溶液と第2流路内を流通する前記モノマー溶液が第1合流部で合流して反応管内流通時に該モノマーがカチオン重合し、該重合反応液と第3流路内を流通する重合停止剤が第2合流部で合流して重合反応が停止し、前記配管出口から重合体溶液を得る、システム。
  11. カチオン重合反応によりブロック共重合体を製造するフロー式反応システムであって、
    前記フロー式反応システムは、第1流路と、第2流路と、第3流路と、第4流路と、第1〜第4流路のそれぞれに溶液を送り込む送液ポンプと、第1流路と第2流路とが合流する第1合流部と、第1合流部の下流に接続された第1反応管と、第1反応管と第3流路とが合流する第2合流部と、第2合流部の下流に接続された第2反応管と、第2反応管と第4流路とが合流する第3合流部と、第3合流部の下流に接続された配管とを有し、
    第1流路にはブレンステッド酸前駆体溶液、第2流路には第1のカチオン重合性モノマー溶液、第3流路には第2のカチオン重合性モノマー溶液、第4流路には重合停止剤が、それぞれ前記送液ポンプにより導入され、
    前記ブレンステッド酸前駆体は第1流路内流通時に光照射されてブレンステッド酸を生じ、該ブレンステッド酸を生じた溶液と第2流路内を流通する第1のカチオン重合性モノマーが第1合流部で合流して第1反応管内流通時に第1のカチオン重合性モノマーがカチオン重合し、該重合反応液と第3流路内を流通する第2のカチオン重合性モノマーが第2合流部で合流して第2反応管内流通時に第2のカチオン重合性モノマーがカチオン重合し、該重合反応液と第4流路内を流通する重合停止剤が第3合流部で合流して重合反応が停止し、前記配管出口からブロック共重合体溶液を得る、システム。
JP2014073127A 2014-03-31 2014-03-31 重合体の製造方法、及びこれに用いるフロー式反応システム Active JP6096703B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014073127A JP6096703B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 重合体の製造方法、及びこれに用いるフロー式反応システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014073127A JP6096703B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 重合体の製造方法、及びこれに用いるフロー式反応システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015193759A true JP2015193759A (ja) 2015-11-05
JP6096703B2 JP6096703B2 (ja) 2017-03-15

Family

ID=54433097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014073127A Active JP6096703B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 重合体の製造方法、及びこれに用いるフロー式反応システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6096703B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20210206886A1 (en) * 2018-09-27 2021-07-08 Fujifilm Corporation Method for manufacturing polymer and flow-type reaction system for manufacturing polymer

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003040090A1 (fr) * 2001-11-06 2003-05-15 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. Sel onium hybride
JP2005263796A (ja) * 2004-02-20 2005-09-29 Asahi Denka Kogyo Kk 新規な芳香族スルホニウム塩化合物、これからなる光酸発生剤およびこれを含む光重合性組成物、光学的立体造形用樹脂組成物ならびに光学的立体造形法
JP2008001771A (ja) * 2006-06-21 2008-01-10 Idemitsu Kosan Co Ltd カチオン重合による重合体の製造方法
WO2009054202A1 (ja) * 2007-10-22 2009-04-30 M.Technique Co., Ltd. 有機化合物の製造方法及びそれにより得られた有機化合物
JP2012088738A (ja) * 2005-04-19 2012-05-10 Nissan Chem Ind Ltd 光架橋硬化のレジスト下層膜を形成するためのレジスト下層膜形成組成物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003040090A1 (fr) * 2001-11-06 2003-05-15 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. Sel onium hybride
JP2005263796A (ja) * 2004-02-20 2005-09-29 Asahi Denka Kogyo Kk 新規な芳香族スルホニウム塩化合物、これからなる光酸発生剤およびこれを含む光重合性組成物、光学的立体造形用樹脂組成物ならびに光学的立体造形法
JP2012088738A (ja) * 2005-04-19 2012-05-10 Nissan Chem Ind Ltd 光架橋硬化のレジスト下層膜を形成するためのレジスト下層膜形成組成物
JP2008001771A (ja) * 2006-06-21 2008-01-10 Idemitsu Kosan Co Ltd カチオン重合による重合体の製造方法
WO2009054202A1 (ja) * 2007-10-22 2009-04-30 M.Technique Co., Ltd. 有機化合物の製造方法及びそれにより得られた有機化合物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20210206886A1 (en) * 2018-09-27 2021-07-08 Fujifilm Corporation Method for manufacturing polymer and flow-type reaction system for manufacturing polymer

Also Published As

Publication number Publication date
JP6096703B2 (ja) 2017-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI361950B (en) Novel sulfonate salts and derivatives, photoacid generators, resist compositions, and patterning process
JP7242216B2 (ja) ポリマーの製造方法
Cai et al. Functional isocyanide-based polymers
US20110311913A1 (en) Positive resist composition and method of forming resist pattern
JP2016183217A (ja) 重合体の製造方法
JP6096703B2 (ja) 重合体の製造方法、及びこれに用いるフロー式反応システム
Bedford et al. Tetraarylphosphonium polyelectrolyte chromophores: synthesis, stability, photophysics, film morphology and critical surface energy
TWI286555B (en) Polymers, resist compositions and patterning process
WO2005012372A1 (ja) 含フッ素化合物、含フッ素ポリマーとその製造方法およびそれを含むレジスト組成物
TW200527132A (en) Low-polydispersity photoimageable polymers and photoresists and processes for microlithography
Feiring et al. New amorphous fluoropolymers of tetrafluoroethylene with fluorinated and non-fluorinated tricyclononenes. Semiconductor photoresists for imaging at 157 and 193 nm
Gu et al. Photolysis of ((3-(Trimethylsilyl) propoxy) phenyl) phenyliodonium Salts in the Presence of 1-Naphthol and 1-Methoxynaphthalene
JP7110461B2 (ja) フォトレジスト樹脂の製造方法
JP2013040296A (ja) 重合体、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法
Zeppuhar et al. Photoacid Generators Activated through Sequential Two-Photon Excitation: 1-Sulfonatoxy-2-alkoxyanthraquinone Derivatives
JP2007269907A (ja) 重合体、重合体の製造方法、レジスト組成物、およびパターンが形成された基板の製造方法
CN110128579B (zh) 高通量聚合物库的自动合成装置与方法
TWI449714B (zh) A fluorine-containing sulfonic acid salt resin, a fluorine-containing N-sulfoxy-imide resin, a resist composition, and a pattern forming method using the same
WO2022210254A1 (ja) 脱チオカルボニルチオ基化ポリマーの製造方法
WO2022210253A1 (ja) 可逆的付加-開裂連鎖移動重合ポリマーの製造方法
CN111278889A (zh) 衍生自金刚烷环氧化物的具有高玻璃化转变温度的聚碳酸酯
JP2014028904A (ja) 共重合体の製造方法、レジスト組成物
Kawamoto et al. Estimation of the rate constants for the radical addition of a trifluoromethyl radical to aryl-substituted vinyl triflates
Li et al. Photo-induced living cationic copolymerization of isobutyl vinyl ether and vinyl ether with carbazolyl groups
Gupta et al. Novel allylic phosphonium salts in free radical accelerated cationic polymerization

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160303

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6096703

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250