JP4741199B2 - シン−α−アルキル−β−アミノカルボニル化合物の製造方法 - Google Patents

シン−α−アルキル−β−アミノカルボニル化合物の製造方法 Download PDF

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医薬、農薬等に有用なシン-α-アルキル-β-アミノカルボニル化合物が高い収率、高いシン選択性、高いエナンチオ選択性で得られる製造方法に関する。
β-アミノ-カルボニル化合物は従来、イミンに対するカルボニル化合物のエノラートを作用させるマンニッヒ(Mannich)反応により製造され、得られるβ-アミノ-カルボニル化合物やその誘導体は医、農薬をはじめ多くの分野で役立っている。
光学活性なマンニッヒ化合物の製造方法として不斉触媒マンニッヒ反応があるが、これまではマンニッヒ供与体であるケトン、エステルをいったん対応するシリルエノラート、ケテンシリルアセタート等に変換後、金属塩を触媒とする必要があり、大量供給に問題があった。また、これらの製造法ではα-アルキル-β-アミノカルボニル化合物が得られる場合、アンチ体が選択的に得られ、シン体の選択的な製造方法はほとんど報告例がない。(非特許文献1〜11参照)。
最近、このようなマンニッヒ供与体をシリルエノラート等に変換することなく、直接的に不斉触媒マンニッヒ反応を実現した例が報告された。すなわち、アセトンとアルデヒド化合物とアニシジン化合物を光学活性なプロリンの存在下で反応させると室温で不斉マンニッヒ反応が進行し、光学活性β-アミノケトンが得られるという反応である(非特許文献12、13参照)。
また、エチルグリオキシル酸とアニシジンから調製されるイミンとアルデヒド化合物を光学活性プロリンの存在下で反応させると室温で不斉マンニッヒ反応が進行し、光学活性β-アミノアルデヒドが得られるという反応もある(非特許文献14から19参照)。
しかし、前者は用いる事のできるマンニッヒ供与体がケトンに限られ、また、後者の反応では用いることのできるイミンがグリオキシル酸由来のものに限られるといった制約があり、得られる化合物が限られる問題がある。実際に前者らの反応条件でケトンに変え、アルデヒドを作用させてもマンニッヒ付加体は得られない。また、後者のグリオキシル酸由来のイミンは反応性が非常に高く、ケトンのみならずアルデヒドともマンニッヒ反応が進行する。しかし、グリオキシル酸以外のイミンとアルデヒドの不斉触媒マンニッヒ反応が進行する例は知られておらず、困難な反応とされてきた。
β-アミノアルデヒドを製造する手法の一つは異なるアルデヒド同士のクロスーマンニッヒ反応である。しかし、アルデヒド同士のクロス−アルドール反応および自分自身の自己アルドール反応が進行しやすいために、これまで、その優れた製造法はなかった。また、実用にたえる高い収率、不斉収率で進行する製造法もなかった。さらに、シン-α-アルキル-β-アミノアルデヒド化合物の立体選択的な製造法もなかった。
フジエダら(H. Fujieda, M. Kanai, T. Kambara, A. Iida, K. Tomioka, J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 2060) イシタニら(H. Ishitani, M. Ueno, S. Kobayashi, J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 7153) コバヤシら(S. Kobayashi, H. Ishitani, M. Ueno, J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 431) イシタニら(H. Ishitani, M. Ueno, S. Kobayashi, J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 8180) コバヤシら(S. Kobayashi, J. Kobayashi, H. Ishitani, M. Ueno, Chem. Eur. J. 2002, 8, 4185) ハギワラら(E. Hagiwara, A. Fujii, M. Sodeoka, J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 2474) フジイら(A. Fujii, E. Hagiwara, M. Sodeoka, J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 5450) フェラリスら(D. Ferraris, B. Young, T. Dudding, T. Lectka, J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 4548) フェラリスら(D. Ferraris, B. Young, C. Cox, W. J. Drury III, T. Dudding, T. Lectka, J. Org. Chem. 1998, 63, 6090) フェラリスら(D. Ferraris, T. Dudding, B. Young, W. J. Drury III, T. Lectka, J. Org. Chem. 1999, 64, 2168) フェラリスら(D. Ferraris, B. Young, C. Cox, T. Dudding, W. J. Drury III, L. Ryzhkov, A. E. Taggi, T. Lectka, J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 67.) リストら(B. List J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 9336) リストら B. List, P. Pojarliev, W. T. Biller, H. J. Martin J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 827.) コルドバら(A. Cordova, W. Notz, G. Zhong, J. M. Betancort, C. F. Barbas III, J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 1842) コルドバら(A. Cordova, S. Watanabe, F. Tanaka, W. Notz, C. F. Barbas III, J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 1866) コルドバら(A. Cordova, C. F. Barbas III, Tetrahedron Lett. 2003, 44, 1923) コルドバら(A. Cordova, C. F. Barbas III, Tetrahedron Lett. 2002, 43, 7749) ワタナベら(S. Watanabe, A. Cordova, F. Tanaka, C. F. Barbas III, Org. Lett. 2002, 4, 4519) ノッツら(W. Notz, K. Sakthivel, T. Bui, G. Zhong, C. F. Barbas III, Tetrahedron Lett. 2001, 42, 199.)
従って、本発明は、このような従来の欠点を克服した、シン-α-アルキル-β-アミノカルボニル化合物の立体選択的な方法を提供することを目的とする。
斯かる実状に鑑み、本発明者は鋭意研究を行った結果、マンニッヒ供与体として後に種々の変換反応が可能となりうるカルボニル化合物を用い、マンニッヒ受容体のアルデヒドとアニシジンからイミンを調製し、同一容器内でマンニッヒ供与体のカルボニル化合物を加え、特定のプロリン誘導体の存在下で反応させることにより、高収率でまた、高エナンチオ選択的にシン-α-アルキル-β-アミノカルボニル化合物が得られることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の方法を提供するものである。
<1> 下記一般式(2)で表されるアルデヒドに、一般式(3)で表されるアニリン誘導体を反応せしめ、一般式(4)で表されるイミンとし、該イミンに一般式(6)で表されるプロリン誘導体の存在下一般式(5)で表されるカルボニル化合物を反応させることを特徴とする一般式(1)で表されるシン-α-アルキル-β-アミノカルボニル化合物の製造方法。
[式中、R1はアリール基、アロイル基、ヘテロ環基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示し、R2、R3及びR4は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を示し、R5は水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示し、R6は水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示し、Aは置換基を有していてもよいシリルオキシ基を示す。
<2> 一般式(2)で表されるアルデヒドと一般式(5)で表されるカルボニル化合物が同じものであることを特徴とする<1>記載の製造方法。
<3> 一般式(4)で表されるイミンに一般式(6)で表されるプロリン誘導体の存在下一般式(5)で表されるカルボニル化合物を反応させるときの反応温度が、−50℃〜+30℃である<1>又は<2>記載の製造方法。
本発明の方法によれば、触媒量のプロリン誘導体を用い、アルデヒドとアニシジンとカルボニル化合物から、高い収率で、高いシン選択性で、また、高いエナンチオ選択性で対応するシン-α-アルキル-β-アミノカルボニル化合物を製造することができる。また、用いる触媒がプロリンである場合、プロリンが安価であるという点、2種類のアルデヒド同士のクロスのマンニッヒ体が得られる点、一つの反応容器でイミンの生成反応、マンニッヒ反応の2つの反応が行えるという反応操作が簡便な点、また初めての実用的な光学純度を持ったシン-α-アルキル-β-アミノアルデヒド化合物の製造法であるという特長も有する。また、用いる触媒がプロリン誘導体、特に後述するスーパープロリンである場合、プロリンに比べ、一挙に高い収率で、高いシン選択性で、また、高いエナンチオ選択性で対応するシン-α-アルキル-β-アミノカルボニル化合物を製造することができる。
本発明のシン-α-アルキル-β-アミノカルボニル化合物の光学活性体の製造方法は、下記一般式(2)で表されるアルデヒドに、一般式(3)で表されるアニリン誘導体を反応せしめ、一般式(4)で表されるイミンとし、該イミンに一般式(6)で表されるプロリン誘導体の存在下一般式(5)で表されるカルボニル化合物を反応させることを特徴とする。
まず、原料化合物について説明する。
<一般式(2)で表されるアルデヒド(マンニッヒ受容体)>
一般式(2)中、R1で示されるアリール基としては、置換基を有していてもよいフェニル、ナフチル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R1で示されるアロイル基としては、ベンゾイル基、トルオイル基、シンナモイル基、ナフトイル基、ピリジルカルボニル基等が挙げられる。
一般式(2)中、R1で示されるヘテロ環基のヘテロ環としては、ピペリジン、フラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ジオキソラン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、ジオキサン、ジチアン、モルホリン、アゼピン、オキセピン、チエピン等が挙げられる。
アリール基、アロイル基及びヘテロ環基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、アルキル基、アルケニル基、ニトロ基、ハロゲン原子(たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)等が挙げられる。
一般式(2)中、R1で示されるアルキル基は、炭素数が1〜20のものが好ましく、特に炭素数1〜5程度のものが好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec-ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、t−オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。アルキル基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、上記のアリール基、ヘテロ環基等が挙げられる。
一般式(2)中、R1で示されるアルケニル基は、炭素数が2〜20のものが好ましく、特に炭素数2〜5程度のものが好ましい。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基等のプロペニル基、ブチリル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。アルケニル基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、上記のアリール基、ヘテロ環基等が挙げられる。
また、アルキニル基としては炭素数2〜20のものが好ましく、特に2〜5のものが好ましい。
一般式(2)で表されるアルデヒドの具体例としは、ベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、p−ブロモベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、2−ナフチルアルデヒド、p−トリルカルボアルデヒド、フルフラール、3−フルアルデヒド、p−ピリジンカルボアルデヒド、アニスアルデヒド、N−Boc−インドール−2−カルバルデヒド、N−Boc−インドール−3−カルバルデヒド 等が挙げられる。
<一般式(3)で表されるアニリン誘導体>
一般式(3)中、R2、R3及びR4は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を示し、ここでハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられる。アルキル基は、炭素数が1〜20のものが好ましく、特に炭素数1〜5程度のものが好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec-ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、t−オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。アルキル基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、上記のアリール基、ヘテロ環基等が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜5のもの、例えば、 メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。
一般式(3)で表されるアニリン誘導体としては、アニシジン、クロロアニリン、ブロモアニリン、ヨードアニリン、アニリン、ジメトキシアニリン、トリメトキシアニリン等が挙げられるが、アニシジンが好ましい。
<一般式(5)で表されるカルボニル化合物>
一般式(5)中、R5は水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示す。
一般式(5)中、R5で示されるアルキル基は、炭素数が1〜20のものが好ましく、特に炭素数1〜5程度のものが好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec-ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、t−オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。アルキル基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、上記のアリール基、ヘテロ環基等が挙げられる。
一般式(5)中、R5で示されるアルケニル基は、炭素数が2〜20のものが好ましく、特に炭素数2〜5程度のものが好ましい。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基等のプロペニル基、ブチリル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。アルケニル基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、上記のアリール基、ヘテロ環基等が挙げられる。
また、アルキニル基としては炭素数2〜20のものが好ましく、特に2〜5のものがこのましい。
一般式(5)中、R6は水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示す。
一般式(5)中、R6で示されるアルキル基は、炭素数が1〜20のものが好ましく、特に炭素数1〜5程度のものが好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec-ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、t−オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。アルキル基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、上記のアリール基、ヘテロ環基等が挙げられる。
一般式(5)中、R6で示されるアルケニル基は、炭素数が2〜20のものが好ましく、特に炭素数2〜5程度のものが好ましい。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基等のプロペニル基、ブチリル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。アルケニル基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、上記のアリール基、ヘテロ環基等が挙げられる。
また、アルキニル基としては炭素数2〜20のものが好ましく、特に2〜5のものが好ましい。
一般式(5)で表されるカルボニル化合物の具体例としは、プロパナ−ル、ブタナ−ル、ペンタナール、3−メチルブタナ−ル、ヘキサナールなどのアルデヒド、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノンなどの鎖状のケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンなどの環状のケトン及び2−メチルシクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノンなどの置換体等が挙げられる。
<一般式(6)で表されるプロリン誘導体>
本発明では、不斉触媒として、一般式(6)で表されるプロリン誘導体を用いる。
一般式(6)中、Aは置換基を有していてもよいシリルオキシ基を示す。
Aとしては、tert-ブチルジメチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基が好ましく、特にtert-ブチルジメチルシリルオキシ基(この基を有するプロリンを「スーパープロリン」ということがある)が好ましい。これは、Aが水素原子のもの(プロリン)に比べ、遥かに短時間で反応が完結し、かつ不斉収率も非常に高い。なお、スーパープロリンは公知(H. Ohtake, Y. Imada, S-I. Murahashi, Bull. Chem. Soc. Jpn. 1999, 72, 2737.)である。
<反応条件>
マンニッヒ受容体のアルデヒドとしては、一般式(2)で表されるアルデヒドを用いる。このアルデヒドにアニリン誘導体(3)を作用させることにより、イミンを調製する。このようにマンニッヒ受容体のアルデヒドをイミンに変換することにより、マンニッヒ受容体のアルデヒドと供与体との副反応であるクロス−アルドール反応を抑制することができる。アニリン誘導体(3)はアルデヒド(2)に対して、1.1〜1.3モル当量用いることが好ましい。次に調製したイミンにマンニッヒ供与体のカルボニル化合物(5)を低温で作用させる。室温ではマンニッヒ供与体自身のセルフ−アルドール反応が進行するために目的のマンニッヒ体は僅かしか得られない。しかし反応温度を低温にすることにより、この副反応を抑制することができ、収率よくマンニッヒ付加体を得ることができる。具体的には、-50℃から+30℃の温度を用いる事ができ、好ましくは-30℃から0℃である。カルボニル化合物(5)は、アルデヒド(2)に対して、1.0〜3.0モル当量用いることが好ましい。
反応溶媒としては、DMF, DMSO, NMP (N-メチル-2-ピロリジノン), THF, DME, アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム等を用いることができるが、好ましくは極性溶媒であるDMF, DMSO, NMP等である。
すなわち、まず、マンニッヒ受容体(2)のアルデヒドとアニリン誘導体(3)をDMFなどの溶媒中室温で撹拌し、対応するイミンを調製する。このイミンに光学活性なプロリン誘導体(6)を触媒量(イミンに対し10〜30モル%が好ましい)加え、マンニッヒ供与体のカルボニル化合物(5)を上記温度で加え、0.5〜72時間撹拌することにより、光学活性なシン-α-アルキル-β-アミノカルボニル化合物(1)を収率よく得ることができる。
なお、得られる化合物はシン体が選択的(>95:5)に得られ、その絶対立体配置は(2S,3S)-3-アミノ-2-アルキルケトン等である。
また、過剰量のアルデヒド(すなわち、アルデヒド(2)と(5)が同じ)とアニリン誘導体(3)の混合溶液にプロリンを作用させると、アルデヒドのセルフマンニッヒ体が収率よく得られる。このとき、アルデヒドのセルフ−アルドール体はあまり生成しない。得られるマンニッヒ体はこの場合にもシン体が選択的に得られ、また、高い光学純度を有している。
得られたシン-α-アルキル-β-アミノカルボニル化合物はシリカゲルによる精製の際に分解を起こすので、単離・精製はシン-α-アルキル-β-アミノカルボニル化合物を還元し対応するアルコールに導くことが好ましい。この反応の1例を次に示す。
以下に実施例に基づき本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
参考例1(表1、エントリー1)
ベンズアルデヒド(1.0 mmol)、アニシジン(1.1 mmol)、L-プロリン(0.1 mmol)を1.0 mLのDMF溶液に溶かし、室温で2時間撹拌する。反応溶液を-20℃にした後、プロパナール(3.0 mmol)を加え、-20℃で20時間撹拌する。反応溶液にリン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、飽和食塩水で3回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗β-アミノ-α-置換アルデヒドは不安定であり、シリカゲルを用いた精製中に分解反応をおこす。精製・単離はアルデヒドを以下に示すように還元して行った。粗アルデヒドをメタノール(3.0 mL)に溶かし、NaBH4(3.0 mmol) を0℃で加える。30分間0℃で撹拌後、リン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗アミノアルコールを薄層クロマトグラフにより精製を行い、β-アミノアルコールを244mg (90%, 98% ee)で得た。なお、光学純度は光学活性カラムを用いたHPLC分析(キラル AD-H カラム, i-PrOH:ヘキサン = 1:30, 0.5 mL/min, 74.6 min (minor) and 80.4 min (major).)により行った。
(2S,3S)-3-(p-アニシジノ)-2-メチル-3-フェニルプロパン-1-オール
1H NMR(400 MHz, CDCl3); δ 0.72 (3H, d, J = 7.1Hz), 1.92-1.99 (1H, m), 3.43 (2H, d, J = 5.6Hz ),3.47 (3H, s), 4.29 (1H, d, J = 4.3Hz), 6.30 (2H, d, J = 8.9Hz), 6.46 (2H, d, J = 8.9Hz), 6.99-7.03 (1H, m), 7.06-7.12 (4H, m):
13C NMR(100 MHz, CDCl3); δ12.0, 41.5, 55.7, 61.1, 66.0, 114.7, 115.0, 126.8, 127.0, 128.3, 141.4, 141.8, 152.0:
IR(neat); 3319, 3309, 2349, 1510, 1491, 1246, 1030, 1022, 823, 702 cm-1:
HRMS(FAB); 計算値 C17H21NO2 271.1572, 実測値 271.1558:
[α]D 26 -33(c = 1.73, CHCl3): 98%ee
AD-H, ヘキサン : i-PrOH = 30 : 1, 254 nm, 0.5 ml / min, メジャー 80.43 min, マイナー 74.56 min:
参考例2 (表2、エントリー2)
ベンズアルデヒド(1.0 mmol)、アニシジン(1.1 mmol)、L-プロリン(0.1 mmol)を1.0 mLのNMP溶液に溶かし、室温で2時間撹拌する。反応溶液を-20℃にした後、ブタナール(3.0 mmol)を加え、-20℃で20時間撹拌する。反応溶液にリン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、飽和食塩水で3回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗β-アミノ-α-置換アルデヒドは不安定であり、シリカゲルを用いた精製中に分解反応をおこす。精製・単離はアルデヒドを以下に示すように還元して行った。粗アルデヒドをメタノール(3.0 mL)に溶かし、NaBH4(3.0 mmol) を0℃で加える。30分間0℃で撹拌後、リン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗アミノアルコールを薄層クロマトグラフにより精製を行い、β-アミノアルコールを243mg (85%, 97% ee)で得た。なお、光学純度は光学活性カラムを用いたHPLC分析(キラル AD-H カラム, i-PrOH:ヘキサン = 1:30, 1.0 mL/min, 31.1 min (minor) and 34.4 min (major).)により行った。
(2S,3S)-3-(p-アニシジノ)-2-エチル-3-フェニルプロパン-1-オール
1H NMR(400 MHz, CDCl3); δ0.92 (3H, t, J = 7.4Hz ), 1.28-1.44 (2H, m), 1.87-1.92 (1H, m), 3.66 (3H, s), 3.67-3.70 (2H, m), 4.55 (1H, d, J = 4.2Hz), 6.49 (2H, d, J = 8.9Hz), 6.66 (2H, d, J = 8.9Hz), 7.18-7.23 (1H, m), 7.26-7.30 (4H, m):
13C NMR(100 MHz, CDCl3); δ12.3, 19.1, 48.3, 55.7, 61.2, 63.6, 114.8, 115.2, 126.9, 127.2, 128.4, 141.4, 141.6, 152.3:
IR(neat); 3313, 2968, 2837, 1512, 1483, 1442, 1363, 1244, 1180, 1031 cm-1:
HRMS(FAB); 計算値 C18H23NO2 285.1729, 実測値 285.1742:
[α]D 26 -33(c = 0.70, CHCl3): 97%ee
AS-H, ヘキサン : i-PrOH = 30 : 1, 254 nm, 1.0 ml / min, メジャー 34.43 min, マイナー 31.13 min.
参考例3
プロパナール(2.0 mmol)、アニシジン(0.4 mmol)、L-プロリン(0.08 mmol)を1.7 mLのDMF溶液に溶かし、-20℃で18時間撹拌する。反応溶液にリン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、飽和食塩水で3回洗浄する。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗β-アミノ-α-置換アルデヒドは不安定であり、シリカゲルを用いた精製中に分解反応をおこす。精製・単離はアルデヒドを以下に示すように還元して行った。粗アルデヒドをメタノール(3.0 mL)に溶かし、NaBH4(3.2 mmol) を0℃で加える。30分間0℃で撹拌後、リン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗アミノアルコールを薄層クロマトグラフにより精製を行い、β-アミノアルコールを59.8mg (67%, 98% ee)で得た。なお、光学純度は光学活性カラムを用いたHPLC分析(キラル AS-H カラム, i-PrOH:ヘキサン = 1:100, 1.0 mL/min, 23.1 min (minor) and 26.7 min (major).)により行った。
(2S,3R)-3-(p-アニシジノ)-2-メチルペンタン-1-オール
1H NMR(400 MHz, CDCl3); δ 0.80-0.95 (6H, m), 1.36-1.59 (2H, m), 1.87-2.00 (1H, m), 2.94 (2H, bs), 3.33 (1H, dt, Jd = 3.1 Hz, Jt = 6.8 Hz), 3.66 (2H, d, J = 9.3 Hz), 3.72 (3H, s), 6.63 (2H, d, J = 8.8 Hz), 6.74 (2H d, J = 8.8 Hz):
13C NMR(100 MHz, CDCl3); δ 11.0, 11.3, 25.3, 36.9, 55.7, 59.3, 66.8, 114.9, 115.7, 142.2, 152.4:
IR(neat); 3375, 2960, 2933, 2875, 2832, 1514, 1242, 1232, 1038, 820 cm-1:
HRMS(FAB); 計算値 C13H21NO2 223.1572, 実測値 223.1548:
[α]D 17 −24 (c 0.44, CHCl3): 98%ee
AS-H, ヘキサン : i-PrOH = 100 : 1, 254 nm, 1.0 ml / min, メジャー 26.66 min, マイナー 23.07 min.
参考例4(表1、エントリー2)
p-ニトロベンズアルデヒド(1.0 mmol)、アニシジン(1.1 mmol)、L-プロリン(0.1 mmol)を1.0 mLのDMF溶液に溶かし、室温で2時間撹拌する。反応溶液を-10℃にした後、プロパナール(3.0 mmol)を加え、-10℃で20時間撹拌する。反応溶液にリン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、飽和食塩水で3回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗β-アミノ-α-置換アルデヒドは不安定であり、シリカゲルを用いた精製中に分解反応をおこす。精製・単離はアルデヒドを以下に示すように還元して行った。粗アルデヒドをメタノール(3.0 mL)に溶かし、NaBH4(3.0 mmol) を0℃で加える。30分間0℃で撹拌後、リン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗アミノアルコールを薄層クロマトグラフにより精製を行い、β-アミノアルコールを297mg (93%, 99% ee)で得た。
(2S,3S)-3-(p-アニシジノ)-2-メチル-3-(4-ニトロフェニル)-プロパン-1-オール
1H NMR(400 MHz, CDCl3); δ 0.86 (3H, d, J = 7.1Hz ), 2.10-2.20 (1H, m), 3.57 (2H, d, J = 5.9Hz ), 3.62 (3H, s), 4.61 (1H, d, J = 3.9Hz), 6.41 (2H, d, J = 8.9Hz), 6.63 (2H, d, J = 8.9Hz), 7.47 (2H, d, J = 8.5Hz), 8.09 (2H, d, J = 8.5Hz):
13C NMR(100 MHz, CDCl3); δ12.1, 41.9, 56.1, 60.9, 65.7, 115.2, 115.3, 124.0, 128.5, 141.4, 147.3, 151.1, 152.6:
IR (neat); 3398, 2960, 1512, 1346, 1234, 1180, 1109, 1036, 820, 704 cm-1:
HRMS(FAB); 計算値 C17H20N2O4 316.1423, 実測値 316.1418:
[α]D 26 -57 (c = 0.59, CHCl3): 98%ee
AS-H, ヘキサン : i-PrOH = 30 : 1, 254 nm, 1.0 ml / min, メジャー 55.63 min, マイナー 70.88 min.
参考例5(表1、エントリー7)
2−フルアルデヒド(1.0 mmol)、アニシジン(1.1 mmol)、L-プロリン(0.1 mmol)を1.0 mLのNMP溶液に溶かし、室温で2時間撹拌する。反応溶液を-20℃にした後、プロパナール(3.0 mmol)を加え、-20℃で20時間撹拌する。反応溶液にリン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、飽和食塩水で3回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗β-アミノ-α-置換アルデヒドは不安定であり、シリカゲルを用いた精製中に分解反応をおこす。精製・単離はアルデヒドを以下に示すように還元して行った。粗アルデヒドをメタノール(3.0 mL)に溶かし、NaBH4(3.0 mmol) を0℃で加える。30分間0℃で撹拌後、リン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗アミノアルコールを薄層クロマトグラフにより精製を行い、β-アミノアルコールを228mg (87%, 84% ee)で得た。
(2S,3S)-3-(p-アニシジノ)-3-フリル-2-メチルプロパン-1-オール
1H NMR(400 MHz, CDCl3); δ0.98 (3H, d, J = 7.1 Hz), 2.20-2.30 (1H, m), 3.60-3.64 (2H, m), 3.70 (3H, s), 4.56 (1H, d, J = 4.4 Hz), 6.11 (1H, d, J = 3.2 Hz), 6.26 (1H, dd, J = 3.2, 3.0 Hz), 6.59 (2H, d, J = 8.9 Hz), 6.71 (2H, d, J = 8.9 Hz )7.32 (1H, bs):
13C NMR(100 MHz, CDCl3); δ12.4, 39.4, 55.3, 55.4, 65.2, 106.6, 109.8, 114.5, 115.2, 141.1, 141.3, 152.2, 155.0:
IR(neat); 3369, 2960, 2933, 2832, 1514, 1463, 1236, 1180, 1036, 1011 cm-1:
HRMS(FAB); 計算値 C15H19NO3 261.1365, 実測値 261.1360:
[α]D 26-100 (c 0.81, CHCl3): 84%ee
AS-H, ヘキサン : i-PrOH = 100 : 1, 254 nm, 1.0 ml / min, メジャー 36.21 min, マイナー 40.66 min:
参考例6(表1、エントリー5)
2-ナフチルカルバルデヒド(1.0 mmol)、アニシジン(1.1 mmol)、L-プロリン(0.1 mmol)を1.0 mLのNMP溶液に溶かし、室温で2時間撹拌する。反応溶液を-20℃にした後、プロパナール(3.0 mmol)を加え、-20℃で20時間撹拌する。反応溶液にリン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、飽和食塩水で3回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗β-アミノ-α-置換アルデヒドは不安定であり、シリカゲルを用いた精製中に分解反応をおこす。精製・単離はアルデヒドを以下に示すように還元して行った。粗アルデヒドをメタノール(3.0 mL)に溶かし、NaBH4(3.0 mmol) を0℃で加える。30分間0℃で撹拌後、リン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗アミノアルコールを薄層クロマトグラフにより精製を行い、β-アミノアルコールを188mg (59%, 96% ee)で得た。
(2S,3S)-3-(p-アニシジノ)-2-メチル-3-(ナフト-2-イル)-プロパン-1-オール
1H NMR(400 MHz, CDCl3); δ0.96 (3H, d J = 7.1 Hz), 2.20-2.27 (1H, m), 3.64 (3H, s), 3.65-3.67 (2H, m), 4.65 (1H, d, J = 4.3 Hz), 6.52 (2H, d, J = 8.9 Hz), 6.64 (2H, d, J = 8.9 Hz), 7.37-7.50 (3H, m), 7.70-7.90 (4H, m):
13C NMR(100 MHz, CDCl3): δ12.0, 41.5, 55.6, 61.3, 66.0, 114.8, 115.1, 125.3, 125.5, 125.8, 125.9, 127.6, 127.8, 128.0, 132.7, 133.3, 139.5, 141.4, 152.1:
IR(neat); 3300, 1510, 1458, 1294, 1275, 1234, 1038, 1025, 825, 817 cm-1:
HRMS(FAB); 計算値 C21H23NO2 321.1729, 実測値 321.1722:
[α]D 26-65 (c 0.35, CHCl3): 97%ee
AS-H, ヘキサン : i-PrOH = 30 : 1, 254 nm, 0.5 ml / min, メジャー 43.08 min, マイナー 51.78 min.
参考例7(表1、エントリー4)
p-クロロベンズアルデヒド(1.0 mmol)、アニシジン(1.1 mmol)、L-プロリン(0.1 mmol)を1.0 mLのNMP溶液に溶かし、室温で2時間撹拌する。反応溶液を-20℃にした後、プロパナール(3.0 mmol)を加え、-20℃で20時間撹拌する。反応溶液にリン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、飽和食塩水で3回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗β-アミノ-α-置換アルデヒドは不安定であり、シリカゲルを用いた精製中に分解反応をおこす。精製・単離はアルデヒドを以下に示すように還元して行った。粗アルデヒドをメタノール(3.0 mL)に溶かし、NaBH4(3.0 mmol) を0℃で加える。30分間0℃で撹拌後、リン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗アミノアルコールを薄層クロマトグラフにより精製を行い、β-アミノアルコールを280mg (91%, 95% ee)で得た。
(2S,3S)-3-(p-アニシジノ)-3-(p-クロロフェニル)-2-メチルプロパン-1-オール
1H NMR(400 MHz, CDCl3); δ0.89 (3H, d, J = 7.1 Hz), 2.05-2.20 (1H, m), 3.59-3.62 (2H, m), 3.67 (3H, s), 4.47 (1H, d, 3.9 Hz), 6.44 (2H, d, J = 8.8 Hz), 6.65 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.17-7.34 (4H, m):
13C NMR(100 MHz, CDCl3); δ12.4, 41.9, 56.2, 60.9, 66.2, 115.3, 115.4, 128.9, 129.0, 132.9, 141.0, 141.7, 152.6:
IR(neat); 3321, 3178, 2954, 2871, 2832, 1514, 1491, 1250, 1030, 829 cm-1:
HRMS(FAB); 計算値 C17H20ClNO2 305.1183, 実測値 305.1192:
[α]D 27-47 (c 0.75, CHCl3): 98%ee
AD-H, ヘキサン : i-PrOH = 30 : 1, 254 nm, 1.0 ml / min, メジャー 45.22 min, マイナー 34.68 min:
Mp 59.8-61.1℃
参考例8(表1、エントリー8)
p-ピリジンカルバルデヒド(1.0 mmol)、アニシジン(1.1 mmol)、L-プロリン(0.1 mmol)を1.0 mLのNMP溶液に溶かし、室温で2時間撹拌する。反応溶液を-20℃にした後、プロパナール(3.0 mmol)を加え、-20℃で20時間撹拌する。反応溶液にリン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、飽和食塩水で3回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗β-アミノ-α-置換アルデヒドは不安定であり、シリカゲルを用いた精製中に分解反応をおこす。精製・単離はアルデヒドを以下に示すように還元して行った。粗アルデヒドをメタノール(3.0 mL)に溶かし、NaBH4(3.0 mmol) を0℃で加える。30分間0℃で撹拌後、リン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗アミノアルコールを塩化メチレン(4 mL)に溶かし、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(1.7 mmol)、2,6-ルチジン(3.6 mmol) を0℃で加え、1時間撹拌する。リン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。薄層クロマトグラフにより精製を行い、β-アミノシリルエーテルを309mg (84%, >99% ee)で得た。
(2S,3S)-[3-(t-ブチルジメチルシリロキシ)-2-メチル-1-(ピリジン-4-イル)-プロピル]-(4-メトキシフェニル)アミン
1H NMR(400 MHz, CDCl3); δ0.03 (3H, s), 0.04 (3H, s), 0.84 (3H, d, J = 7.1 Hz), 0.93 (9H, s), 2.10-2.20 (1H, m), 3.40-3.60 (2H, m), 3.66 (3H, s), 4.44 (1H, d, J = 3.6 Hz), 6.35 (2H, d, J = 8.6 Hz), 6.64 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.24 (2H, d, J = 5.3 Hz), 8.50 (2H, d, J = 5.3 Hz):
13C NMR(100 MHz, CDCl3); δ-5.6, -5.5, 12.0, 18.2, 25.9, 41.1, 55.7, 60.7, 66.0, 114.2, 114.8, 122.7, 141.3, 149.7, 151.8, 151.9:
IR(neat); 3375, 2954, 2856, 2929, 1597, 1514, 1252, 1115, 1084, 1041 cm-1:
HRMS(FAB); 計算値 C22H34N2O2Si 386.2390, 実測値 386.2360:
[α]D 18 −17 (c 0.79, MeOH): >99%Eee
AD-H, ヘキサン : i-PrOH = 100 : 1, 254 nm, 1.0 ml / min, メジャー 13.66 min, マイナー 17.55 min.
参考例9(表1、エントリー6)
p-トルエンカルバルデヒド(1.0 mmol)、アニシジン(1.1 mmol)、L-プロリン(0.1 mmol)を1.0 mLのDMF溶液に溶かし、室温で2時間撹拌する。反応溶液を-20℃にした後、プロパナール(3.0 mmol)を加え、-20℃で20時間撹拌する。反応溶液にリン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、飽和食塩水で3回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗β-アミノ-α-置換アルデヒドは不安定であり、シリカゲルを用いた精製中に分解反応をおこす。精製・単離はアルデヒドを以下に示すように還元して行った。粗アルデヒドをメタノール(3.0 mL)に溶かし、NaBH(3.0 mmol) を0℃で加える。30分間0℃で撹拌後、リン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗アミノアルコールを薄層クロマトグラフにより精製を行い、β-アミノアルコールを271mg (95%, 86% ee)で得た。
(2S,3S)-3-(p-アニシジノ)-2-メチル-3-(p-トリル)プロパン-1-オール
1H NMR(400 MHz, CDCl3); δ0.91 (3H, d, J = 7.0 Hz), 2.10-2.18 (1H, m), 2.30 (3H, s), 3.56-3.64 (2H, m), 3.66 (3H, s), 4.44 (1H, d, J = 4,3 Hz), 4.63 (1H, s), 6.49 (2H, d, J = 8.8 Hz), 6.66 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.09 (2H, d, J = 5.4 Hz), 7.16 (3H, t, J = 5.4 Hz):
13C NMR(100 MHz, CDCl3); δ12.1, 20.9, 41.4, 55.5, 60.8, 65.8, 114.6, 114.8, 115.0, 126.9, 126.9, 128.9, 129.0, 136.1, 138.6, 141.5, 151.9:
IR(neat); 3380, 2958, 1618, 1514, 1464, 1234, 1178, 1111, 1038, 820 cm-1:
HRMS(FAB); 計算値 C18H23NO2 285.1729, 実測値 285.1750:
[α]D 18 −42 (c 0.52, CHCl3): 86%ee
AD-H, ヘキサン : i-PrOH = 30 : 1, 254 nm, 1.0 ml / min, メジャー 30.89 min, マイナー 26.59 min.
参考例10(表1、エントリー3)
p-ブロモベンズアルデヒド(1.0 mmol)、アニシジン(1.1 mmol)、L-プロリン(0.1 mmol)を1.0 mLのNMP溶液に溶かし、室温で2時間撹拌する。反応溶液を-10℃にした後、プロパナール(3.0 mmol)を加え、-10℃で20時間撹拌する。反応溶液にリン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、飽和食塩水で3回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗β-アミノ-α-置換アルデヒドは不安定であり、シリカゲルを用いた精製中に分解反応をおこす。精製・単離はアルデヒドを以下に示すように還元して行った。粗アルデヒドをメタノール(3.0 mL)に溶かし、NaBH4(3.0 mmol) を0℃で加える。30分間0℃で撹拌後、リン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗アミノアルコールを薄層クロマトグラフにより精製を行い、β-アミノアルコールを295mg (85%, 95% ee)で得た。
(2S,3R)-3-(p-アニシジノ)-3-(p-ブロモフェニル)-2-メチルプロパン-1-オール
1H NMR(400 MHz, CDCl3); δ0.89 (3H, d, J = 7.1 Hz), 2.10-2.20 (1H,m) 3.60 (2H, d, J = 5.7 Hz), 3.67 (3H, s), 4.46 (1H, d, J = 4.1 Hz), 6.44 (2H, d, J = 8.8 Hz), 6.65 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.17 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.41 (2H, d, J = 8.3 Hz):
13C NMR(100 MHz, CDCl3); δ11.8, 41.2, 55.5, 60.2, 65.3, 114.6, 114.7, 114.8, 115.6, 120.3, 128.8, 131.1, 140.9, 141.0, 151.8:
IR(neat); 3388, 2960, 2931, 2879, 2833, 1618, 1508, 1406, 1038, 820 cm-1:
HRMS(FAB); 計算値 C17H20NO2Br 349.0677, 実測値 349.0699:
[α]D 19 −44 (c 1.23, CHCl3): 95%ee
AD-H, ヘキサン : i-PrOH = 30 : 1, 254 nm, 1.0 ml / min, メジャー 43.00 min, マイナー 33.83 min.
参考例11(表2、エントリー3)
ベンズアルデヒド(1.0 mmol)、アニシジン(1.1 mmol)、L-プロリン(0.1 mmol)を1.0 mLのNMP溶液に溶かし、室温で2時間撹拌する。反応溶液を-20℃にした後、プロパナール(3.0 mmol)を加え、-20℃で20時間撹拌する。反応溶液にリン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、飽和食塩水で3回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗β-アミノ-α-置換アルデヒドは不安定であり、シリカゲルを用いた精製中に分解反応をおこす。精製・単離はアルデヒドを以下に示すように還元して行った。粗アルデヒドをメタノール(3.0 mL)に溶かし、NaBH4(3.0 mmol) を0℃で加える。30分間0℃で撹拌後、リン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下低沸点物質を除去する。得られる粗アミノアルコールを薄層クロマトグラフにより精製を行い、β-アミノアルコールを187mg (55%, 71% ee)で得た。
(2S,3S)-3-(p-アニシジノ)-3-フェニル-2-プロピルプロパン-1-オール
1H NMR(400 MHz, CDCl3); δ 0.83 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.20-1.34 (4H, m), 1.36-1.48 (1H, m), 1.93-2.04 (1H, m), 3.62-3.72 (2H, m), 3.67 (3H, s), 4.55 (1H, d, J = 4.2 Hz), 6.50 (2H, d, J = 8.9 Hz), 6.66 (2H, d, J = 8.9 Hz), 7.16-7.22 (1H, m), 7.27-7.32 (4H, m):
13C NMR(100 MHz, CDCl3); δ14.6, 21.2, 28.7, 46.6, 56.1, 61.7, 64.5, 115.2, 115.6, 127.3, 127.5, 128.7, 141.7, 142.0, 152.6:
IR(neat); 3313, 2927, 2360, 2343, 1512, 1450, 1244, 1038, 1020, 820, 702 cm-1:
HRMS(FAB); 計算値 C19H25NO2 299.1885, 実測値 299.1868:
[α]D 18 −17 (c 0.25, CHCl3): 71%ee
AD-H, ヘキサン : i-PrOH = 30 : 1, 254 nm, 1.0 ml / min, メジャー 34.80 min, マイナー 29.06 min.
以上の結果等を表1及び2に示す。
実施例(表3、エントリー1)
スーパー・プロリン(0.03mmol)とp-アニシジン(0.66mmol)のDMF溶液(4.8ml)にベンズアルデヒド(0.6mmol) を加える。混合物を室温で30分撹拌後、アセトン(16.2mmol)を-20℃で加え、-20℃で20時間撹拌する。減圧下アセトンを除去後、メタノール5mlとNaBH4(3.0mmol)を加え、0℃で15分撹拌する。リン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥する。ろ過によりNa2SO4を除いた後、減圧下溶媒を留去する。カラムクロマトグラフィーにより精製し、アミノアルコールを得る。63%。
光学純度はアルコールをtert-ブチルジメチルシリルエーテルに導き、アンチ体とシン体を分離後、アンチ体のキラルカラムを用いたHPLC分析により決定した。
マンニッヒ 付加体は不安定なので還元して、アルコールに導いた。シン体とアンチ体はアルコールを対応するtert-ブチルジメチルシリルエーテルに導き、分離した。光学収率はアンチ体のHPLC 分析により行った。
(2R,4S)-4-p-アニシジノ-4-フェニル-2-ブタノール と (2S,4S)-4-p-アニシジノ-4-フェニル-2-ブタノール
99%, syn:anti = 0.2:0.8
1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ1.20 (3 x 0.2 H, d, J = 6.2Hz), 1.23 (3 x 0.8 H, d, J = 6.3Hz), 1.78 - 1.85 (2 x 0.2 H, m), 1.86 − 1.95 (2 x 0.8 H, m), 3.67 (3 x 0.8 H, s), 3.67 (3 x 0.2 H, s), 3.97-4.02 (1 x 0.8 H, m), 4.02-4.07 (1 x 0.2 H, m), 4.45 (1 x 0.2 H, dd, J = 4.9, 9.2Hz), 4.56 (1 x 0.8 H, dd, J = 4.9, 7.7Hz), 6.49 (2 x 0.8 H, d, J = 8.9Hz), 6.54 (2 x 0.2 H, d, J = 6.9Hz), 6.67 (2 x 0.8 H, d, J = 8.9Hz), 6.67 (2 x 0.2 H, d, J = 6.9Hz), 7.17-7.21 (5 x 0.8 H, m), 7.26-7.36 (5 x 0.2 H, m);
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δanti isomer (major) 23.7, 46.7, 55.7, 56.3, 65.3, 114.8, 115.0, 126.3, 126.9, 128.6, 141.4, 143.9, 152.1; syn isomer (minor) 24.3, 47.0, 55.6, 59.9, 68.0, 114.7, 116.4, 126.1, 127.0, 128.7, 141.4, 143.8, 152.1;
IR (neat): 3367, 2964, 1512, 1454, 1236, 1178, 1128, 1036, 820, 702 cm-1;
HRMS (FAB): 計算値 C17H21NO2 271.1572, 実測値 271.1568.
実施例(表3、エントリー3)
スーパー・プロリン(0.03mmol)とp-アニシジン(0.66mmol)のDMF溶液(4.8ml)にp-アニスアルデヒド(0.6mmol) を加える。混合物を室温で30分撹拌後、アセトン(16.2mmol)を-20℃で加え、-20℃で20時間撹拌する。減圧下アセトンを除去後、メタノール5mlとNaBH4(3.0mmol)を加え、0℃で15分撹拌する。リン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥する。ろ過によりNa2SO4を除いた後、減圧下溶媒を留去する。カラムクロマトグラフィーにより精製し、アミノアルコールを得る。50%。
光学純度はアルコールをtert-ブチルジメチルシリルエーテルに導き、アンチ体とシン体を分離後、アンチ体のキラルカラムを用いたHPLC分析により決定した。
マンニッヒ付加体は不安定なので還元して、アルコールに導いた。シン体とアンチ体はアルコールを対応するtert-ブチルジメチルシリルエーテルに導き、分離した。光学収率はアンチ体のHPLC 分析により行った。
(2R,4S)-4-p-アニシジノ-4-(4-メトキシフェニル)-2-ブタノール と (2S,4S)-4-p-アニシジノ-4-(4-メトキシフェニル)-2-ブタノール
99%, syn:anti = 0.47:0.63
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ1.19 (3 x 0.47 H, d, J = 6.3Hz), 1.21 (3 x 0.63 H, d, J = 6.3Hz), 1.77 1.90 (2 H, m), 3.67 (3 H, s), 3.74 (3 x 0.47 H, s), 3.75 (3 x 0.63 H, s), 3.91-4.01 (1 H, m), 4.39 (1 x 0.47 H, dd, J = 4.9, 9.0Hz), 4.48-4.52 (1 x 0.63 H, m), 6.49 (2 x 0.63 H, d, J = 8.8Hz), 6.54 (2 x 0.47 H, d, J = 8.8Hz), 6.67 (2H, d, J = 8.8Hz), 6.80-6.86 (2H, m), 7.13-7.26 (2H, m);
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ anti isomer (major) 23.7, 46.8, 55.2, 55.6, 65.
2, 114.0, 114.6, 114.8, 116.5, 127.3, 135.8, 141.4,152.0, 158.4; syn isomer (minor) 24.2, 46.9, 55.7, 59.2, 67.8, 114.7, 115.0, 116.5, 127.1, 135.9, 141.4,152.7, 158.4;
IR (neat): 3367, 2962, 1610, 1510, 1464, 1240, 1176, 1034, 822, 548 cm-1;
HRMS (FAB): 計算値 C18H23NO3 301.1678, 実測値 301.1660.
実施例(表3、エントリー 4)
スーパー・プロリン(0.03mmol)とp-アニシジン(0.66mmol)のDMF溶液(4.8ml)に3,4-ジメトキシベンズアルデヒド(0.6mmol) を加える。混合物を室温で30分撹拌後、アセトン(16.2mmol)を-20℃で加え、-20℃で20時間撹拌する。減圧下アセトンを除去後、メタノール5mlとNaBH(3.0mmol)を加え、0℃で15分撹拌する。リン酸緩衝液を加え、反応を停止し、有機物を酢酸エチルで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥する。ろ過によりNaSOを除いた後、減圧下溶媒を留去する。カラムクロマトグラフィーにより精製し、アミノアルコールを得る。63%。
光学純度はアルコールをtert-ブチルジメチルシリルエーテルに導き、アンチ体とシン体を分離後、アンチ体のキラルカラムを用いたHPLC分析により決定した。
マンニッヒ付加体は不安定なので還元して、アルコールに導いた。シン体とアンチ体はアルコールを対応するtert-ブチルジメチルシリルエーテルに導き、分離した。光学収率はアンチ体のHPLC 分析により行った。
(2R,4S)-4-p-アニシジノ-4-(3,4-ジメトキシフェニル)-2-ブタノール and (2S,4S)-4-p-アニシジノ-4-(3,4-ジメトキシフェニル)-2-ブタノール
65%, syn:anti =0.35:0.65
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.19 (3 x 0.35 H, d, J = 6.2Hz), 1.22 (3 x 0.65
H, d, J = 6.2Hz), 1.75 1.81 (2 x 0.35 H, m), 1.84 1.92 (2 x 0.65 H, m), 3.66 (3H, s), 3.81 (3H, s), 3.95-4.05 (1H, m), 4.36 (1 x 0.35 H, dd, J = 4.9, 9.0Hz), 4.47 (1 x 0.65 H, dd, J =5.0, 7.5Hz), 6.49 (2 x 0.65 H, d, J = 8.8Hz), 6.54 (2 x 0.35 H, d, J = 8.8Hz), 6.66 (2H, d, J = 8.8Hz), 6.72-6.94 (4H, m);
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ anti isomer (major) 23.7, 46.8, 55.7, 55.8, 56.
1, 65.3, 109.5, 114.7, 116.4, 118.1, 136.6, 141.5, 147.8, 149.1, 152.1; syn isomer (minor) 24.3, 46.9, 55.6, 55.8, 59.7, 67.8, 109.4, 111.3, 114.6, 118.2, 136.5, 141.1, 148.0, 149.1, 152.8;
IR (neat): 3381, 2962, 1616, 1514, 1464, 1259, 1180, 1028, 912 cm-1.
[b]:単離収率、 [c]:測定できず、 [d]HPLC、[e]キラルHPLC
プロリンを5mol%用いたときはベンズアルデヒド、2-ナフタルデヒド、p-アニスアルデヒド、3,4-ジメトキシベンズアルデヒドは全く反応が進行しない。これに対してスーパープロリンを用いた時はまずまずの不斉収率でまた、非常に高い不斉収率で対応するシン-α-アルキル-β-アミノカルボニル化合物が得られた。
本発明の方法によれば、触媒量のプロリン誘導体を用い、アルデヒドとアニシジンとカルボニル化合物から、高い収率で、高いシン選択性で、また、高いエナンチオ選択性で対応するシン-α-アルキル-β-アミノカルボニル化合物を製造することができる。また、用いる触媒がプロリンである場合、プロリンが安価であるという点、2種類のアルデヒド同士のクロスのマンニッヒ体が得られる点、一つの反応容器でイミンの生成反応、マンニッヒ反応の2つの反応が行えるという反応操作が簡便な点、また初めての実用的な光学純度を持ったシン-α-アルキル-β-アミノアルデヒド化合物の製造法であるという特長も有する。また、用いる触媒がスーパープロリンである場合、プロリンに比べ、一挙に高い収率で、高いシン選択性で、また、高いエナンチオ選択性で対応するシン-α-アルキル-β-アミノカルボニル化合物を製造することができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(2)で表されるアルデヒドに、一般式(3)で表されるアニリン誘導体を反応せしめ、一般式(4)で表されるイミンとし、該イミンに一般式(6)で表されるプロリン誘導体の存在下一般式(5)で表されるカルボニル化合物を反応させることを特徴とする一般式(1)で表されるシン-α-アルキル-β-アミノカルボニル化合物の製造方法。

    [式中、R1はアリール基、アロイル基、ヘテロ環基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示し、R2、R3及びR4は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を示し、R5は水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示し、R6は水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示し、Aは置換基を有していてもよいシリルオキシ基を示す。
  2. 前記一般式(2)で表されるアルデヒドと前記一般式(5)で表されるカルボニル化合物が同じものであることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 一般式(4)で表されるイミンに一般式(6)で表されるプロリン誘導体の存在下一般式(5)で表されるカルボニル化合物を反応させるときの反応温度が、−50℃〜+30℃である請求項1又は2記載の製造方法。
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