JP6469756B2 - 茶飲料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、茶飲料の製造方法に関し、さらに詳細には茶葉粉砕物を加える工程を含む茶飲料の製造方法に関する。
近年の健康志向の高まりから、カフェインを低減した茶飲料の開発が求められている。これまでに、茶抽出物からのカフェインの低減を目的としたさまざまな方法が検討されてきている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、活性炭などを用いるカフェイン低減方法では、カフェインとともに茶抽出物に含まれるカテキン類なども低減してしまい、茶本来の香味を損ねてしまうとの課題を有していた。
この課題を解決するために、活性白土や酸性白土を用いたカフェイン低減方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、従来の活性白土や酸性白土を用いたカフェイン低減方法では、活性白土や酸性白土由来のミネラル成分の茶抽出物への溶出が見られた。また、ミネラル成分の茶抽出物への溶出に伴い、茶抽出物に金属味が生じるなど味質が変化する場合があった。
これに対して、茶抽出物に、酸性白土および/または活性白土を接触させる工程と、アルカリ性物質を添加する工程とを含む精製茶抽出物の製造方法が提案されているが(例えば、特許文献3参照)、茶飲料中のカフェイン量を低減しつつ、茶抽出物の味質変化が抑制された茶飲料の更なる改良は今なお希求されている。
特開平8−70772号公報 特開平6−142405号公報 特開2012−231719号公報
本発明は、茶飲料中のカフェイン量を低減しつつ、茶飲料の味質変化が抑制された、特に茶飲料の金属味が低減された茶飲料、該茶飲料の製造方法、および茶飲料の金属味低減方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、白土処理などによりミネラル成分が溶出された茶抽出物に茶葉粉砕物を加えることにより、カフェイン量を低減しつつ、白土処理による味質変化が抑制された茶飲料、特に金属味が低減された茶飲料が提供できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(11)に関する。
(1)珪素イオンを1mg/L以上含有する茶抽出物に、茶葉粉砕物を加える工程を含む、茶飲料の製造方法。
(2)白土処理された茶抽出物に、茶葉粉砕物を加える工程を含む、茶飲料の製造方法。
(3)茶葉粉砕物を除去する工程をさらに含む、(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)茶飲料が緑茶飲料である、(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)茶飲料中の非重合カテキンと、カフェインとの比(非重合カテキン/カフェイン)が15〜150である、(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)茶葉粉砕物が抹茶である、(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)茶葉粉砕物が、茶飲料に対して、0.0005質量%以上となるように加えられる、(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(8)茶葉粉砕物を含む茶飲料であって、茶飲料中のカフェイン含有量が2mg/100ml以下であり、非重合カテキン含有量が15〜60mg/100mlであり、かつ珪素イオン含有量が1mg/L以上である、茶飲料。
(9)白土処理された茶抽出物と、茶葉粉砕物とを含む、茶飲料。
(10)珪素イオンを1mg/L以上含有する茶抽出物に、茶葉粉砕物を加えることを特徴とする、茶飲料の金属味低減方法。
(11)白土処理された茶抽出物に、茶葉粉砕物を加えることを特徴とする、茶飲料の金属味低減方法。
白土処理などによりミネラル成分が茶抽出物へ溶出し、それに伴い茶抽出物に金属味が生じるなどの味質が変化する場合があるが、本発明によれば、茶抽出物を白土処理などした場合であっても、茶飲料中に含まれるカフェイン量を低減しつつ、茶飲料の味質変化が抑制された茶飲料、特に茶飲料の金属味が低減された茶飲料を提供することができる。
発明の具体的説明
茶飲料の製造方法
本発明の茶飲料の製造方法は、珪素イオンを1mg/L以上含有する茶抽出物に、茶葉粉砕物を加える工程を含む茶飲料の製造方法(態様1)であり、または白土処理された茶抽出物に、茶葉粉砕物を加える工程を含む茶飲料の製造方法(態様2)である。このように製造された茶飲料は、該茶飲料中のカフェイン含有量を低減させた場合であっても、茶飲料の金属味を低減し、茶飲料本来のボディ感を維持することができる。本発明の製造方法により製造される茶飲料は、好ましくは、カフェイン低減茶飲料である。本発明の茶飲料の製造方法においては、茶抽出物を白土で処理した後に、茶葉粉砕物を加えることが好ましい。ここで、珪素イオンを1mg/L以上含有する茶抽出物は、白土処理された茶抽出物であってもよい。
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、珪素イオンを1mg/L以上含有する茶抽出物に茶葉粉砕物を加える工程、または白土処理された茶抽出物に茶葉粉砕物を加える工程に、茶葉粉砕物を除去する工程をさらに含む茶飲料の製造方法が提供される。茶葉粉砕物の除去は、加えた茶葉粉砕物が完全に除去される場合および茶葉粉砕物の一部を除去される場合のいずれの場合も含まれ、好ましくは、製造された茶飲料において、加えられた量の1〜100%が除去される。茶葉粉砕物の除去方法は、茶葉粉砕物を除去できればどのような方法であってもよいが、例えば遠心分離や、濾過などの方法が挙げられる。
態様1において、本発明の製造方法に用いられる茶抽出物に含有する珪素イオンは、茶飲料に対して、1mg/L以上であり、好ましくは1.5〜20mg/Lであり、より好ましくは2〜10mg/Lである。本発明の製造方法に用いられる茶抽出物には、珪素イオンとともに鉄イオンを含んでいてもよい。本発明の製造方法に用いられる茶抽出物に含まれる鉄イオンの含有量は例えば0.01〜1.0mg/Lである。本発明の茶飲料に含まれる珪素イオンおよび鉄イオンは、ともに白土由来のものであってよい。
態様1において、本発明の製造方法により製造された茶飲料中にも、珪素イオンとともに鉄イオンを含んでいてもよいが、本発明の製造方法に茶葉粉砕物を除去する工程が含まれている場合には、製造された茶飲料中の珪素イオン、鉄イオンなどの金属イオンが低減もしくは除去されていてもよい。
本発明の製造方法に用いられる茶抽出物や、本発明の製造方法により製造される茶飲料中の珪素イオン、鉄イオンなどの金属イオンの含有量は、発光分光装置により測定することができる。発光分光装置としては、例えば、下記の実施例に記載のICP発光分光装置(Thermo Fisher Scientific社製iCAP 6500)を用いることができ、分析条件としては、下記実施例に記載の通りであってもよい。
本発明の茶飲料の製造方法に用いられる茶抽出物の調製は、特に限定されないが、通常の茶抽出物の製造に用いられている方法を用いることができ、好ましくはカフェインが僅かでも抽出される方法を用いることが好ましい。本発明の好ましい態様によれば、本発明の茶飲料に含まれる茶抽出物は、液状のものに限定されるものではないが、好ましくは茶抽出液である。
本発明の製造方法において、茶抽出物に用いられる茶葉は、特に限定されないが、Camellia sinensisに属する茶葉を用いることができ、煎茶、番茶、ほうじ茶など緑茶のような不発酵茶に限らず、烏龍茶のような半発酵茶や、紅茶のような発酵茶、プーアル茶のような後発酵茶なども用いることができるが、緑茶であることが好ましい。
本発明の製造方法に用いられる茶抽出物は、前述の茶葉から抽出した茶抽出物のみならず、市販の茶エキスやパウダーを水や湯で溶解したもの、茶抽出物とエキスやパウダーを混合して用いてもよい。また、茶以外にも配合される原料は特に限定されない。
本発明の製造方法において加えられる茶葉粉砕物は、茶葉を粉砕したものであれば特に限定されるものではないが、緑茶、烏龍茶、紅茶等の茶葉の粉砕物を用いることができ、好ましくは、抹茶を用いることができる。抹茶とは、茶の新芽を採り、蒸した後、そのまま乾燥してできた葉茶(碾茶)を臼で碾いて、粉末としたものである。抹茶を、茶飲料に加えることにより、製造された茶飲料中のカフェイン含有量が低減した場合であっても、製造される茶飲料の味質の変化、特に金属味をより低減することができ、茶飲料本来のボディ感をより維持することができる。
本発明の製造方法において加えられる茶葉粉砕物の平均粒子径は、製造される茶飲料の味質変化が抑制されるもの、特に製造される茶飲料の金属味が低減できるものであれば特に限定されるものではないが、5〜30μmが好ましい。本発明の製造方法において加えられる茶葉粉砕物の平均粒子径は、例えば、レーザ回折式粒子径分布測定装置SALD-2200(島津製作所製)等の粒子径分布測定装置を用いて求めることができる。
本発明の製造方法において加えられる茶葉粉砕物は、茶飲料の味質変化を抑制でき、特に茶飲料の金属味が低減できるのであれば、茶葉粉砕物を加える量は限定されるものではないが、製造される茶飲料に対して、0.0001質量%以上加えることが好ましく、より好ましくは0.005質量%以上となるように加えられ、さらに好ましくは0.05質量%以上となるように加えられる。茶抽出物に茶葉粉砕物を加える量に特に上限はないが、製造適性や沈殿防止の観点から0.01質量%以下であることが好ましい。茶葉粉砕物が製造された茶飲料中に含まれている場合、茶葉粉砕物は茶飲料中に含有させたまま飲用してもよいが、濾過および/または遠心分離等により茶葉粉砕物を除去した後に飲用してもよい。
本発明の製造方法により製造される茶飲料中のカフェイン含有量は、非重合カテキンとカフェインとの比を用いて表すことができる。本発明の茶飲料中の非重合カテキンとカフェインとの比(非重合カテキン/カフェイン)は、特に限定されないが、15〜150であることが好ましく、20〜120であることがより好ましい。本発明の茶飲料中の非重合カテキンおよびカフェインの量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定することができる。高速液体クロマトグラフィーの分析条件は実施例に記載のとおりであってもよい。
また、本発明の製造方法により製造される茶飲料中のカフェイン含有量は、特に限定されるものではないが、製造される茶飲料に対して、2mg/100ml以下であることが好ましく、より好ましくは1mg/100ml以下である。
さらに、本発明の製造方法により製造される茶飲料中の非重合カテキン含有量は、特に限定されるものではないが、製造される茶飲料に対して、15〜60mg/100mlであることが好ましく、より好ましくは20〜50mg/100mlである。
本発明の製造方法において、茶抽出物を処理するために用いられる白土とは、酸性白土および活性白土のいずれであってもよく、共に一般的な化学成分として、SiO、Al、Fe、CaO、MgOなどを有するが、本発明の製造方法に用いる場合、SiO/Al比は、3〜12、好ましくは5〜9が好ましい。本発明の製造方法に用いられる茶抽出物を処理するために用いられる活性白土は、天然に産出する酸性白土(モンモリロナイト系粘土)を硫酸などの鉱酸で処理したものであり、大きい比表面積と吸着能を有する多孔質構造を有する化合物である。また、活性白土は、酸性白土をさらに、酸処理することにより得られ、その比表面積が変化し、脱色能の改良および物性が変化することが知られている。
酸性白土または活性白土の比表面積は、酸処理の程度等により異なるが、50〜350m/gであるのが好ましい。例えば、酸性白土としては、ミズカエース#20、ミズカエース#200、やミズカエース#600、ミズライト(水澤化学社製)などの市販品を用いることができる。また、例えば、活性白土としては、ガレオンアースNVZやガレオンアースV2、ガレオンアースNF2(水澤化学社製)などの市販品を用いことができる。
本発明の製造方法に用いられる茶抽出物は、酸性白土および活性白土の両方を含む白土と接触させてもよく、いずれか一方と接触させてもよい。また、酸性白土および活性白土の複数の種類を混合させて用いてもよく、活性炭等他の吸着剤と併用してもよい。好ましくは、酸性白土を用いることができる。茶抽出物と、白土とを接触する時間は、カフェインをわずかでも除去できれば特に限定されないが、例えば、1時間まで、好ましくは1秒〜10分間である。
本発明の製造方法に用いられる茶抽出物に接触させる白土の濃度は、特に限定されるものではないが、例えば、0.1質量%以上であり、好ましくは0.2〜5質量%であり、より好ましくは0.5〜5質量%である。本発明の製造方法によれば、茶抽出物に0.5〜5質量%の白土を接触させた場合に、製造された茶飲料において白土による味質変化をより抑制することができる。
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、珪素イオンを1mg/L以上含有する茶抽出物に茶葉粉砕物を加える工程、および該茶葉粉砕物を除去する工程を含む、茶飲料の製造方法が提供される。
本発明の製造方法の別の好ましい態様によれば、白土処理された茶抽出物に茶葉粉砕物を加える工程、および該茶葉粉砕物を除去する工程を含む、茶飲料の製造方法が提供される。
本発明の製造方法の別の好ましい態様によれば、珪素イオンを1mg/L以上含有する緑茶抽出物に抹茶を加える工程、および該抹茶を除去する工程を含む、緑茶飲料の製造方法が提供される。
本発明の製造方法の別の好ましい態様によれば、白土処理された緑茶抽出物に抹茶を加える工程、および該抹茶を除去する工程を含む、緑茶飲料の製造方法が提供される。
本発明の製造方法の別の好ましい態様によれば、珪素イオンを1mg/L以上含有する緑茶抽出物に、抹茶を加える工程を含む、緑茶飲料の製造方法が提供される。
本発明の製造方法の別の好ましい態様によれば、白土処理された緑茶抽出物に、抹茶を加える工程を含む、緑茶飲料の製造方法が提供される。
茶飲料
本発明の茶飲料は、茶葉粉砕物を含む茶飲料であって、茶飲料中のカフェイン含有量が2mg/100ml以下であり、非重合カテキン含有量が15〜60mg/100mlであり、かつ珪素イオン含有量が1mg/L以上である茶飲料である(態様3)。また、本発明の茶飲料の別の態様によれば、白土処理された茶抽出物と、茶葉粉砕物とを含む茶飲料である(態様4)。本発明の茶飲料は、好ましくは、カフェイン低減茶飲料である。ここで、茶飲料中のカフェイン含有量が2mg/100ml以下であり、非重合カテキン含有量が15〜60mg/100mlであり、かつ珪素イオン含有量が1mg/L以上である茶飲料は、白土処理された茶抽出物を含む茶飲料であってもよい。
態様3において、本発明の茶飲料に含まれるカフェイン含有量は、2mg/100ml以下であれば特に限定されるものではないが、好ましくは1mg/100ml以下である。
態様3において、本発明の茶飲料に含まれる非重合カテキン含有量は、15〜60mg/100mlであれば特に限定されるものではないが、好ましくは20〜50mg/100mlである。
態様3において、本発明の茶飲料中の非重合カテキンとカフェインとの比(非重合カテキン/カフェイン)は、特に限定されないが、15〜150であることが好ましく、20〜120であることがより好ましい。本発明の茶飲料中の非重合カテキンおよびカフェインの量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定することができる。高速液体クロマトグラフィーの分析条件は実施例に記載のとおりであってもよい。
本発明の茶飲料に含まれる茶葉粉砕物の含有量は、茶飲料に対して、好ましくは0.0001質量%以上であり、より好ましくは0.005質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上である。茶抽出物中の茶葉粉砕物の含有量に特に上限はないが、製造適性や沈殿防止の観点からは、0.01質量%以下であることが好ましい。茶葉粉砕物は茶飲料中に含有させたまま飲用してもよいが、濾過および/または遠心分離等により茶葉粉砕物を除去した後に飲用してもよい。
その他、本発明の茶飲料において用いられる白土、茶抽出物、および茶葉粉砕物等は、上記の本発明の茶飲料の製造方法に用いられるものと同じであってもよい。
本発明の茶飲料の好ましい態様によれば、抹茶を含む緑茶飲料であって、緑茶飲料中のカフェイン含有量が2mg/100ml以下であり、非重合カテキン含有量が15〜60mg/100mlであり、かつ珪素イオン含有量が1mg/L以上である緑茶飲料が提供される。
本発明の茶飲料の好ましい態様によれば、白土処理された緑茶抽出物と、抹茶とを含む緑茶飲料が提供される。
茶飲料の金属味低減方法
本発明の茶飲料の金属味低減方法は、珪素イオンを1mg/L以上含有する茶抽出物に、茶葉粉砕物を加えることを特徴とする、茶飲料の金属味低減方法である(態様5)。また、本発明の金属味低減方法の別の態様によれば、白土処理された茶抽出物に、茶葉粉砕物を加えることを特徴とする、茶飲料の金属味低減方法である(態様6)。本発明の金属味低減方法は、好ましくは、カフェイン低減茶飲料の金属味低減方法である。
本発明の茶飲料の金属味低減方法において用いられる白土、茶抽出物、および茶葉粉砕物等は、上記の本発明の茶飲料の製造方法に用いられるものと同じであってもよい。
本発明の茶飲料の金属味低減方法の好ましい態様によれば、珪素イオンを1mg/L以上含有する茶抽出物に、茶葉粉砕物を加え、かつ該茶葉粉砕物を除去することを特徴とする、茶飲料の金属味低減方法が提供される。
本発明の茶飲料の金属味低減方法の別の好ましい態様によれば、白土処理された茶抽出物に、茶葉粉砕物を加え、かつ該茶葉粉砕物を除去することを特徴とする、茶飲料の金属味低減方法が提供される。
本発明の茶飲料の金属味低減方法の好ましい態様によれば、珪素イオンを1mg/L以上含有する緑茶抽出物に、抹茶を加え、かつ該抹茶を除去することを特徴とする、緑茶飲料の金属味低減方法が提供される。
本発明の茶飲料の金属味低減方法の別の好ましい態様によれば、白土処理された緑茶抽出物に、抹茶を加え、かつ該抹茶を除去することを特徴とする、緑茶飲料の金属味低減方法が提供される。
本発明の茶飲料の金属味低減方法の好ましい態様によれば、珪素イオンを1mg/L以上含有する緑茶抽出物に、抹茶を加えることを特徴とする、緑茶飲料の金属味低減方法が提供される。
本発明の茶飲料の金属味低減方法の別の好ましい態様によれば、白土処理された緑茶抽出物に、抹茶を加えることを特徴とする、緑茶飲料の金属味低減方法が提供される。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
カフェインおよび非重合カテキンの測定方法
試料溶液をメンブレンフィルター(アドバンテック株式会社製)(DISMIC親水性PTFE、0.45μm)にてろ過し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法にてカフェイン量および非重合カテキン量(カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、およびエピガロカテキンガレートの総量)を定量した。HPLC分析条件を下記表1に示した。
Figure 0006469756
試料溶液(下記表2〜5に記載のサンプル溶液)を、メンブレンフィルター(アドバンテック株式会社製)(DISMIC親水性PTFE、0.45μm)で濾過した後に、5%硝酸溶液で10倍希釈してから直接、下記のICP発光分析装置にてミネラル(Siイオン(珪素イオン)およびFeイオン(鉄イオン))の含有量を定量した。
装置:ICP発光分光装置:Thermo Fisher Scientific iCAP 6500
分析条件
RFパワー :1150W
冷却ガス :12L/min
補助ガス流量 :0.5L/min
ネブライザーガス流量 :0.65L/min
測定波長 Si:250.690nm
Fe:259.940nm
試薬
SiおよびFe標準液:SPEX CertiPrep、ICP汎用混合液XSTC-22
硝酸:SCP SCIENCE、PlasmaPURE(高純度硝酸)67−70%
官能評価
下記表2〜5に記載されたサンプル(緑茶飲料)について、訓練されたパネリスト6名によって以下に示す評価基準を用いて香味の官能評価を行った。評価結果は6名の平均スコアで示した。また、マスキング効果は、白土処理がなされ、茶葉粉砕物が添加されていないサンプル(緑茶飲料)(対照)の平均スコアから、各茶葉粉砕物添加サンプル(緑茶飲料)の平均スコアを引いてその差を求め、「平均スコア差≦1」の場合には「△」と評価し、「1<平均スコア差<2」の場合には「○」と評価し、「2≦平均スコア差」の場合には「◎」と評価した。
評価基準
0:金属味を全く感じない
1:金属味をわずかに感じる
2:金属味を感じる
3:金属味を強く感じる
試験例1
緑茶飲料中の茶葉粉砕物含有量と金属味低減効果との関係
緑茶葉100gに、70℃に加熱したイオン交換水4000gを加えて10分間抽出した。その後、抽出した抽出液から茶葉を取り除き、氷水にて10℃以下に冷却し、緑茶抽出液Aを得た。
緑茶抽出液Aに、L−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを加え、UHT殺菌した後、PETボトルに充填し、下記比較例1の緑茶飲料を得た。比較例1の緑茶飲料の組成および風味評価結果を下記表2に示した。
緑茶抽出液Aの400gと、酸性白土ミズカエース♯20(水澤化学社製)8gとを混合し、室温(25℃)にて、10分間接触させ、遠心分離機にて固液分離後、メンブランフィルターにてろ過を行い、緑茶抽出液Bを得た。緑茶抽出液Bの400gに、L−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを加え、イオン交換水で1000gとし、UHT殺菌した後、PETボトルに充填し、比較例2の緑茶飲料を得た。また、緑茶抽出液Bの400gに平均粒子径10μmの茶葉粉砕物(抹茶)を0.0005〜0.05質量%となるように加え、さらにL−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを加え、イオン交換水で1000gとし、UHT殺菌した後、PETボトルに充填し、実施例1〜3の緑茶飲料を得た。比較例2並びに実施例1〜3の緑茶飲料の組成および風味評価結果を下記表2に示した。官能評価において、実施例1〜3に対する対照を比較例2とした。
Figure 0006469756
上記表2に記載のとおり、緑茶飲料中の茶葉粉砕物の含有量を、0.0005〜0.05質量%まで変更した場合、いずれにおいても緑茶飲料の金属味の低減効果が確認でき、茶葉粉砕物の添加量に比例してマスキング効果を有することがわかる。
試験例2
非重合カテキン/カフェインの比およびミネラル成分含有量と、金属味低減効果との関係
緑茶抽出液Aの400gと、酸性白土ミズカエース♯20(水澤化学社製)16gとを混合し、室温(25℃)にて、10分間接触させ、遠心分離機にて固液分離後、メンブランフィルターにてろ過を行い、緑茶抽出液Cを得た。緑茶抽出液Cの400gにL−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを加え、イオン交換水で1000gとし、UHT殺菌した後、PETボトルに充填し、比較例3の緑茶飲料を得た。また、緑茶抽出液Cに粒子径10μmの茶葉粉砕物(抹茶)を添加後、L−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを加え、イオン交換水で1000gとし、UHT殺菌した後、PETボトルに充填し、実施例4の緑茶飲料を得た。
さらに、緑茶抽出液Bの200gに水200g、L−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを加え、UHT殺菌した後、PETボトルに充填し、比較例4の緑茶飲料を得た。また、緑茶抽出液Bの200gに水200gおよび粒子径10μmの茶葉粉砕物(抹茶)を添加後、L−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを加え、イオン交換水で1000gとし、UHT殺菌した後、PETボトルに充填し、実施例5の緑茶飲料を得た。
緑茶抽出液Aの600gと、酸性白土ミズカエース♯20(水澤化学社製)12gとを混合し、室温(25℃)にて、10分間接触させ、遠心分離機にて固液分離後、メンブランフィルターにてろ過を行い、緑茶抽出液Dを得た。緑茶抽出液Dの600gにL−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを加え、イオン交換水で1000gとし、UHT殺菌した後、PETボトルに充填し、比較例5の緑茶飲料を得た。また、緑茶抽出液D600gに粒子径10μmの茶葉粉砕物(抹茶)を添加後、L−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを加え、イオン交換水で1000gとし、UHT殺菌した後、PETボトルに充填し、実施例6の緑茶飲料を得た。
比較例2、3、4、および5並びに実施例2、4、5、および6の組成および風味評価結果を下記表3に示した。官能評価において、実施例2、4、5、および6に対する対照を、それぞれ比較例2、3、4、および5とした。
Figure 0006469756
上記表3の実施例2、4、および5から、緑茶飲料中の茶葉粉砕物の非重合カテキン/カフェインの比が変更された場合であっても、茶葉粉砕物を加えることにより、緑茶飲料の金属味の低減効果を有することがわかる。また、実施例2および実施例6から、緑茶飲料中のミネラル含有量が変更された場合であっても、茶葉粉砕物を加えることにより、共に緑茶飲料の金属味の低減効果を有することがわかる。
試験例3
茶葉粉砕物の平均粒子径と金属味低減効果との関係
緑茶抽出液Cに、平均粒子径30μmの茶葉粉砕物(抹茶)を添加後、L−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを加え、UHT殺菌した後、PETボトルに充填し、実施例7を得た。比較例3並びに実施例4および7の組成および風味評価結果を下記表4に示した。なお、茶葉粉砕物の平均粒子径は、レーザ回折式粒子径分布測定装置SALD-2200(島津製作所製)を用いて測定した。官能評価において、実施例4および7に対する対照を、比較例3とした。
Figure 0006469756
上記表4に記載のとおり、茶葉粉砕物の平均粒径が5〜30μmの範囲で変更された場合であっても、茶葉粉砕物を加えることにより、緑茶飲料の金属味の低減効果を有することがわかる。
試験例4
添加した茶葉粉砕物を除去した場合の金属味低減効果の確認
緑茶抽出液Bに、粒子径10μmの茶葉粉砕物(抹茶)を添加後、L−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを加え、その後、遠心分離により茶葉粉砕物を除去し、UHT殺菌・PETボトルへの充填を行い、実施例8の緑茶飲料を得た。比較例2、実施例2および8の組成および風味評価結果を下記表5に示した。官能評価において、実施例2および8に対する対照を、比較例2とした。
Figure 0006469756
上記表5に記載のとおり、緑茶飲料中に茶葉粉砕物を一旦加えた後に除去した場合であっても、緑茶飲料の金属味の低減効果を有することがわかる。

Claims (4)

  1. 茶葉粉砕物を含む茶飲料であって、茶飲料中のカフェイン含有量が2mg/100ml以下であり、非重合カテキン含有量が15〜60mg/100mlであり、珪素元素含有量が1mg/L以上であり、かつ茶飲料中の非重合カテキンと、カフェインとの比(非重合カテキン/カフェイン)が15〜150である、茶飲料。
  2. 緑茶飲料である、請求項1に記載の茶飲料。
  3. 茶葉粉砕物が抹茶である、請求項1または2に記載の茶飲料。
  4. 茶葉粉砕物が、茶飲料に対して、0.0005質量%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の茶飲料。
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