JP5698332B1 - 飲料製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】沈殿物の発生が抑制された茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法の提供。【解決手段】(i)茶抽出液またはコーヒー抽出液を冷却する工程、(ii)冷却した茶抽出液またはコーヒー抽出液に吸着剤を加える工程、(iii)吸着剤を加えた茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理する工程、(iv) (iii)工程で固液分離処理した茶抽出液またはコーヒー抽出液を20分以上貯液する工程、および(v)貯液した茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理する工程を含む、製造方法を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法に関し、より詳細には茶抽出液またはコーヒー抽出液を一定時間以上貯液する工程を含む茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法に関する。
緑茶などの茶飲料やコーヒー飲料の製造では、沈殿や濁りが生じる現象をできるかぎり起こさないようにすることが必要となる場合が多い。その解決方法として、抽出液を冷却後、遠心分離によって沈殿物や濁り成分を除去する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、遠心分離のみでは除去しきれない微粒子が問題となる場合においては、その後のフィルターろ過工程を追加することにより、清澄な抽出液を得ることも試みられている。
また、茶飲料に混濁や沈殿を生じることなく長期間に亘って清澄に維持保存できる茶飲料を得るために、冷却した茶の抽出液にタンニン酸を添加して静置し、遠心分離してケイソウ土濾過する方法(例えば、特許文献2参照)や、長期保存してもオリを発生しない容器詰緑茶飲料を得るために、茶抽出液に添加したシリカにオリ成分を吸着させる工程および該シリカのシリカ除去工程を含む容器詰緑茶飲料の製造方法(例えば、特許文献3参照)も開示されている。
特開平1−171435号公報 特開平6−269246号公報 特開2005−229918号公報
発明者らは、より消費者の嗜好性を満足させるため、茶飲料やコーヒー飲料中に含まれるカフェイン量が低減された飲料や、ミネラルが強化された茶飲料やコーヒー飲料において、製造された茶飲料やコーヒー飲料を清澄に保つ方法について鋭意検討した。
茶飲料やコーヒー飲料中の沈殿や濁りの発生の原因物質および機構は複雑であり、いまだ明らかになっていない点も多い。茶飲料やコーヒー飲料中のカフェイン量を低減させるために、茶抽出液やコーヒー抽出液を白土などの吸着剤で処理した場合には、吸着剤からのミネラル溶出による香味や液色の悪化などの観点から、固液分離処理によって速やかに吸着剤を取り除くことが望ましいが、今回吸着剤除去後も吸着剤から溶出した微量のミネラルと、該抽出液中のシュウ酸等の有機酸やカテキン類等のポリフェノールが結合し、難溶性の析出物が徐々に生成することにより、容器詰め後の濁りや沈殿など、茶飲料またはコーヒー飲料における外観品質上問題となる場合があることを見出した。また、飲料中のミネラルを強化するために茶抽出液やコーヒー抽出液にミネラルを添加した場合にも、該ミネラルおよび該抽出液に由来する成分によって難溶性の析出物が徐々に生成し、濁りや沈殿を引き起こす問題があることも見出した。
これらの問題に対し、遠心分離の際の遠心強度を上げることや、フィルターの目をより微細にすることでは、上記の固液分離処理工程後に徐々に生成する難溶性の析出物による沈殿を抑制することはできないばかりか、茶飲料やコーヒー飲料に必要とされる香味成分も分離および除去されてしまうことや、工場での実製造において短時間でフィルターの目詰まりを引き起こすという別の問題を生じる場合があった。
本発明者らは、茶抽出液またはコーヒー抽出液を冷却し、吸着剤を加え、固液分離処理を行った後、さらに固液分離処理を行う前に、茶抽出液またはコーヒー抽出液を一定時間以上貯液する工程を設けることにより、製造された茶飲料やコーヒー飲料中に含まれるカフェイン量を低減しつつ、かつ該飲料を清澄に保つことができることを見出した。
また、本発明者らは、茶抽出液またはコーヒー抽出液の冷却およびミネラルの加えた後、固液分離処理を行う前に、茶抽出液またはコーヒー抽出液を一定時間以上貯液する工程を設けることにより、製造された茶飲料やコーヒー飲料中のミネラルを強化しつつ、かつ該飲料を清澄に保つことができることを見出した。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法であって、
(i)茶抽出液またはコーヒー抽出液を冷却する工程、
(ii)冷却した茶抽出液またはコーヒー抽出液に吸着剤を加える工程、
(iii)吸着剤を加えた茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理する工程、
(iv) (iii)工程で固液分離処理した茶抽出液またはコーヒー抽出液を20分以上貯液する工程、および
(v)貯液した茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理する工程
を含む、製造方法。
(2)固液分離処理する工程(iii)が茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法での最先の固液分離処理工程であり、かつ固液分離処理する工程(v)が茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法での2度目の固液分離処理工程である、(1)に記載の製造方法。
(3)吸着剤が白土である、(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法であって、
(vi)茶抽出液またはコーヒー抽出液を冷却する工程および茶抽出液またはコーヒー抽出液にミネラルを加える工程、
(vii) 冷却し、かつミネラルを加えた茶抽出液またはコーヒー抽出液を20分以上貯液する工程、および
(viii)貯液した茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理する工程
を含む、製造方法。
(5)固液分離処理する工程(viii)が、茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法での最先の固液分離処理工程である、(4)に記載の製造方法。
(6)ミネラルが、塩化カルシウムである、(4)または(5)に記載の製造方法。
(7)(1)〜(6)の製造方法により製造された、茶飲料またはコーヒー飲料。
(8)茶抽出液またはコーヒー抽出液を冷却し、冷却した茶抽出液またはコーヒー抽出液に吸着剤を加え、吸着剤を加えた茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理し、該固液分離処理した茶抽出液またはコーヒー抽出液を20分以上貯液し、および貯液した茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理することを特徴とする、茶飲料またはコーヒー飲料の沈殿抑制方法。
(9)茶抽出液またはコーヒー抽出液を冷却しおよび茶抽出液またはコーヒー抽出液にミネラルを加え、冷却しかつミネラルを加えた茶抽出液またはコーヒー抽出液を20分以上貯液し、および貯液した茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理することを特徴とする、茶飲料またはコーヒー飲料の沈殿抑制方法。
本発明の製造方法を用いることにより、白土、ゼオライト、および合成吸着剤などの吸着剤で処理した場合や、ミネラルを茶抽出液またはコーヒー抽出液に加えた場合であっても、一定時間以上貯液するとの簡便な工程を設けることにより、飲料中のカフェインが低減されつつ、または飲料中の栄養を強化するためにミネラル量を増加させつつ、清澄な茶飲料およびコーヒー飲料を提供することができる。
図1中、縦軸が濁度(OD660)を表し、横軸が貯液時間(分)を表す。図1中、1、2、および3%は、緑茶抽出液への酸性白土の添加濃度(質量%)を表す。 図2中、縦軸が濁度上昇度(ΔOD660)を表し、横軸が貯液時間(分)を表す。図2中、1、2、および3%は、緑茶抽出液への酸性白土の添加濃度(質量%)を表す。 図3中、縦軸がカフェイン除去率(%)を表し、横軸が緑茶抽出液への酸性白土の添加濃度(質量%)を表す。 図4中、縦軸が濁度(OD660)を表し、横軸が貯液時間(分)を表す。図4中、0.5mM、1.0mM、1.5mM、および2.0mMは、緑茶抽出液への塩化カルシウム添加濃度を表す。 図5中、縦軸が濁度上昇度(ΔOD660)を表し、横軸が貯液時間(分)を表す。図5中、0.5mM、1.0mM、1.5mM、および2.0mMは、緑茶抽出液への塩化カルシウム添加濃度を表す。
発明の具体的説明
本発明の製造方法の第1の態様によれば、茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法であって、(i)茶抽出液またはコーヒー抽出液を冷却する工程、(ii)冷却した茶抽出液またはコーヒー抽出液に吸着剤を加える工程、(iii)吸着剤を加えた茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理する工程、(iv) (iii)工程で固液分離処理した茶抽出液またはコーヒー抽出液を20分以上貯液する工程、および(v)貯液した茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理する工程を含む製造方法が提供される。
本発明の製造方法の第2の態様によれば、茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法であって、(vi)茶抽出液またはコーヒー抽出液を冷却する工程および茶抽出液またはコーヒー抽出液にミネラルを加える工程、(vii) 冷却し、かつミネラルを加えた茶抽出液またはコーヒー抽出液を20分以上貯液する工程、および(viii)貯液した茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理する工程を含む製造方法が提供される。
本発明の製造方法の第1および2の態様を用いることにより、茶飲料やコーヒー飲料中に含まれるカフェイン量が低減されつつ、またはミネラルが強化されつつ、かつ清澄を保った茶飲料やコーヒー飲料を提供することができる。
本発明の製造方法に用いられる茶抽出液は、特に限定されないが、通常の茶抽出液の調製に用いられている方法を用いて製造される茶抽出液やその濃縮物を用いることができる。例えば、茶葉と水(0〜100℃)を混合接触させるか、あるいは、茶エキスや茶パウダーなどの茶抽出物の濃縮物や精製物を水(0〜100℃)に混合または溶解させることにより、本発明の製造方法に用いられる茶抽出液を得ることができる。また、上記の茶葉と水を混合接触させて得られる茶抽出液と、上記の茶エキスや茶パウダーを混合したものとを茶抽出液として本発明の製造方法に用いてもよい。茶葉と水(0〜100℃)を混合接触させた場合には、メッシュやストレーナーなどを用いて茶葉と茶抽出液を分離することができる。
茶葉と水(0〜100℃)を混合接触させる条件は、特に限定されないが、茶葉に対し10〜50倍の水(0〜100℃)を混合接触させることが好ましく、より好ましくは30〜40倍の水(0〜100℃)を混合接触させて抽出したものである。上記範囲よりも高い倍率の水で混合接触して抽出した、固形分濃度が低い抽出物においては、難溶性の析出物は生成しづらい。
茶抽出液のpHは、茶抽出液が未調整の場合には、通常5.5〜6.0であり、この範囲において難溶性の析出物が生成することがある。
茶抽出液の調製に用いられる茶葉は、特に限定されないが、Camellia sinensisに属する茶葉を用いることができ、煎茶、玉露、抹茶、釜炒り茶、番茶、ほうじ茶等の緑茶葉のような不発酵茶に限らず、烏龍茶のような半発酵茶や、紅茶のような発酵茶、プーアル茶のような後発酵茶等も用いることができる。また、抽出物の調製に際し、茶葉以外の任意の原料を配合してよい。本発明の製造方法に用いられる茶抽出液に用いられる茶葉は、上記のような茶葉であれば特に限定されるものではないが、好ましくは緑茶、烏龍茶、または紅茶であり、より好ましくは緑茶である。
茶エキスや茶パウダーなどの茶抽出液の濃縮物や精製物としては、ポリフェノン(三井農林社製)やサンフェノン(太陽化学社製)、テアフラン(伊藤園社製)などの市販品を用いることができる。また、これらの茶濃縮物や茶精製物は、そのまま又は水で溶解もしくは希釈したものを単独で使用しても、複数の種類を混合して用いても、茶葉と水を混合接触させて得られる茶抽出液と混合して用いてもよい。
本発明の製造方法に用いられるコーヒー抽出液は、特に限定されないが、一般的な方法(例えば、「最新・ソフトドリンクス」(光琳)を参照)により抽出することができる。コーヒー、例えば焙煎したコーヒー豆から各種方法により得られる抽出液(いわゆるレギュラーコーヒー)のほか、コーヒーから抽出した成分を含有する液体がすべて包含され、例えば、コーヒー焙煎豆の冷水、温水、熱水、加圧熱水による抽出液や、プロピレングリコール水溶液、ショ糖脂肪酸エステル等の食品添加物として許容されている界面活性剤の水溶液による抽出液、炭酸ガス等の臨界抽出により得られた抽出液、インスタントコーヒーの溶解液等も包含される。コーヒー抽出液は上述したいずれであってもよいが、コーヒー抽出液は、好ましい態様によれば、焙煎したコーヒー豆を熱水(例えば、コーヒー豆の10倍量)で抽出した後、冷却してコーヒー抽出液とすることが好ましい。また、コーヒー豆からの抽出方法については、特に限定されず、例えば、ボイリング式、エスプレッソ式、サイフォン式、ドリップ式(例えば、ペーパー、ネル)が挙げられる。
本発明の製造方法に用いられるコーヒー抽出液を得るのに用いられるコーヒー豆の種類は特に限定されないが、例えば、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテンが挙げられ、これらの1種または2種以上をブレンドして用いても良い。コーヒー豆種としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種があり、好ましくは、香味の観点から、アラビカ種である。コーヒー豆は1種でもよいし、複数種をブレンドして用いても良い。コーヒー豆を焙煎により焙煎コーヒーとする方法については、特に限定されるものではなく、焙煎温度、焙煎環境についても限定されない。焙煎方法としては直火式、熱風式、半熱風式などが挙げられる。焙煎コーヒーの焙煎度としては特に限定されるものではなく、例えばライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンのいずれを用いても良い。焙煎コーヒーの焙煎度は、L値を用いて表現してもよく、当業者は適宜、豆のL値を選択することができる。L値は、例えば日本電色工業社製の色差計により測定することができる。なお、焙煎度の異なるコーヒー豆を複数種混合しても良い。
本発明の製造方法の第1および2の態様において、茶抽出液またはコーヒー抽出液を冷却する工程とは、茶抽出液またはコーヒー抽出液を急速に冷却できればどのような態様の冷却方法でもよく、例えば、プレート式熱交換機などの冷却機により連続的に冷却することができる。
本発明の製造方法の第1の態様で用いられる吸着剤は、どのような態様の吸着剤であってもよいが、好ましくは白土、ゼオライト、および合成吸着剤からなる群から選択される1種または2種以上であり、より好ましくは白土、ゼオライト、および合成吸着剤からなる群から選択されるイオン交換能を有する吸着剤の1種または2種以上であり、さらに好ましくはイオン交換能を有する白土である。このようなイオン吸着能を有する吸着剤を用いることにより、より高いカフェイン量の低減効果を奏する。
白土は、特に限定されるものではなく、例えば、酸性白土、活性白土、ベントナイト、活性ベントナイトおよびこれらの一部または全部の組合せが挙げられる。好ましくは、酸性白土および活性白土並びにこれらの組合せを用いることができ、より好ましくは酸性白土を用いることができる。
本発明の製造方法の好ましい態様において用いられる酸性白土および活性白土は、共に一般的な化学成分として、SiO2 、Al23 、Fe23 、CaO、MgOなどを有するが、本発明の製造方法に使用する場合、SiO2 /Al23 比は、3〜12、好ましくは3〜8が好ましい。また、酸性白土および活性白土中に、Fe23 2〜5質量%、CaO 0〜1.5質量%、MgO 1〜7質量%などを含有する組成のものが好ましい。
本発明の製造方法に使用する酸性白土および活性白土の比表面積(m/g)は、酸性白土の場合には50m/g以上150m/g未満、活性白土の場合には70m/g以上300m/g未満であるものが好ましい。
本発明の製造方法に使用する白土のうち好ましいものとしては、比表面積(m/g)が50以上150未満で、かつSiO/Al比が3以上8未満である酸性白土や、比表面積(m/g)が200以上300未満で、かつ、SiO/Al比が3以上11未満である活性白土が挙げられる。
上記のような好ましい酸性白土としては、例えば、ミズカエース#20やミズカエース#200、ミズカエース#400、ミズカエース#600、ミズライト(水澤化学社製)などの市販品を用いることができる。また、上記のような好ましい活性白土としては、例えば、ガレオンアースNVZやガレオンアースV2、ガレオンアースNF2(水澤化学社製)などの市販品を用いることができる。また、Clarit100GやClarit125G、Tonsil531N(ズードケミー触媒社製)などの市販ベントナイトも白土として用いることができる。
ゼオライトは、特に限定されるものではなく、天然であればいずれの産地のものを用いてもよく、合成であればいずれの方法で作製されたものを用いてもよい。例えば、東ソー社製のゼオラムやハイシリカゼオライト等、シナネンゼオミック社製のゼオミック等を用いることができる。
合成吸着剤は、多孔質構造を持たせた合成高分子であれば特に限定されるものではなく、合成に用いる原料(芳香族系化合物、メタクリル酸系化合物など)や形状(粒状、粉末状など)はいずれのものを用いてもよい。例えば、三菱化学社製のダイヤイオンHP20や、セパビーズSP700等、東新化成社製のニッカゲルM等を用いることができる。
茶抽出液またはコーヒー抽出液に加えられる吸着剤の濃度は、特に限定されるものではないが、例えば、0.1質量%以上であり、好ましくは0.2〜5質量%であり、より好ましくは0.5〜4質量%であり、さらに好ましくは1〜3質量%である。
本発明の製造方法の第1の態様において、吸着剤を加えた茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理する工程(iii)に用いられる固液分離機は、茶抽出液またはコーヒー抽出液の高度な清澄液を得ることができればどのような態様であってもよく、遠心分離機やろ過機が挙げられる。吸着剤を除去するための、工程(iii)の固液分離処理する工程における固液分離回数に制限はなく、2回以上固液分離を行った場合であっても、一連の固液分離工程として、最先の固液分離処理する工程(iii)に包含される。
本発明の製造方法の固液分離処理する工程(iii)に用いられる遠心分離機は、電動機により回転容器を駆動することで得られる遠心力を利用するもので、特に限定されるものではないが、バッチ式(スイングローターを用いたスイング式、アングルローターを用いたアングル式)や、連続式などが挙げられ、バッチ式の場合は遠心分離の都度、上清液と沈殿物を分離するため、連続式と比較して歩留まりがよいなどのメリットがあり、連続式の場合は、工業的な大量生産において、単位時間当たりの処理量を多くできるなどのメリットがある。
連続式の遠心分離機を用いる場合は、遠心強度は抽出液の種類や、吸着剤の種類により適宜決定することができるが、例えば、終末沈降速度Vg値が10.0×10−8m/s以上の粒子を除去する強度であり、好ましくは1.0〜10.0×10−8m/s、より好ましくは1.0〜8.0×10−8m/sの粒子を除去できる強度である。
バッチ式の遠心分離機を用いる場合は、遠心分離の回転数および回転時間は、抽出液の種類や、吸着剤の種類に基づき適宜決めることができるが、好ましくは、1000〜5000rpmで1〜30分であり、より好ましくは、1000〜3000rpmで1〜10分である。
また、固液分離処理する工程(iii)に用いられるろ過機は、特に限定されるものではないが、珪藻土、パーライトなどを用いた助剤ろ過方式やフィルター、膜を用いた清澄ろ過方式が挙げられるが、フィルターを用いたろ過機が好ましい。フィルターろ過処理のためのフィルターは、抽出液の種類、吸着剤の種類で適宜決めることができ、捕捉型、吸着型のいずれを用いてもよいが、吸着型がより好ましい。特に、抽出液が茶抽出液であり、吸着剤が酸性白土および/または活性白土の場合、吸着型のフィルターが好ましい。吸着剤が酸性白土および/または活性白土の場合に、吸着型のフィルターを用いて抽出液を処理することにより、効率的に吸着剤を除去することができる。捕捉型フィルターとは、ポリプロピレンなどの不織布等を素材として用いて作成し、固形分を物理的な捕捉のみで取り除くことができるフィルターであり、例えば住友スリーエム社製のPPK−010や、PPK−005などが挙げられる。吸着型のフィルターとは、フィルターの素材として不織布以外に、珪藻土や活性炭、ゼータ電位が付与されたレジンなどが用いられ、固形分を機械的な捕捉のみではなく、素材の吸着作用によって取り除くことができるフィルターであり、例えば住友スリーエム社製のゼータプラス30Cや、ゼータプラス50Cなどが挙げられる。
本発明の製造方法の第1の態様における工程(v)および第2の態様における工程(viii)の固液分離処理工程は、上記の第1の態様の工程(iii)の固液分離処理工程と同様に行ってもよい。
本発明の製造方法の第1および2の態様において、貯液する工程は、製造される茶飲料またはコーヒー飲料の沈殿の発生を抑制、または該飲料の濁度の上昇を抑制できればどのような温度で貯液されてもよいが、例えば0〜30℃、好ましくは0〜15℃である。
本発明の製造方法の第1の態様において、貯液する工程(iv)は、吸着剤を加える工程(ii)および固液分離処理工程(iii)の後、固液分離処理工程(v)の前に行われる。
本発明の製造方法の第1の態様の好ましい態様によれば、本発明の製造方法の第1の態様において、固液分離処理する工程(iii)が茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法での最先の固液分離処理工程であり、かつ固液分離処理する工程(v)が茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法での2度目の固液分離処理工程である茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法が提供される。
本発明の製造方法の第1の態様において、貯液工程における貯液時間は、固液分離処理(iii)された最初の抽出液が固液分離機を出てから、さらに下流の固液分離処理工程(v)での固液分離機の入り口へ到達するまでにかかる時間をいう。また、この貯液時間は、タンク内での保持だけでなく、茶抽出液またはコーヒー抽出液が配管内を移送される時間も含む。また、この貯液工程における貯液時間は、タンク内で保持されずに配管内の移送のみが行われる場合であっても、その移送された時間が貯液時間とされる。この貯液時間は20分以上であれば特に限定されないが、好ましくは40分以上であり、より好ましくは60分以上であり、さらに好ましくは90分以上である。本発明の製造方法において、貯液時間の上限は特に限定されるものではないが、製造される茶飲料およびコーヒー飲料の品質上の観点からは、360分以内であることが好ましい。また、貯液工程においてタンクを用いて行う場合は、タンク内では抽出液を撹拌していてもしていなくてもよいが、製造される茶飲料およびコーヒー飲料の品質上の観点からは撹拌しない方がより好ましい。
本発明の製造方法の第2の態様において、貯液する工程は、茶抽出液またはコーヒー抽出液を冷却する工程およびミネラルを加える工程(vi)後、固液分離処理工程(viii)の前に行われる。
本発明の製造方法の第2の態様の好ましい態様によれば、本発明の製造方法の第2の態様において、固液分離処理する工程(viii)が、茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法での最先の固液分離処理工程である茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法が提供される。
本発明の製造方法の第2の態様において、茶抽出液またはコーヒー抽出液にミネラルを加える工程は、冷却工程の前でも後でもよい。また、本発明の製造方法の第2の態様において、貯液工程における貯液時間は、抽出機の下流に設置された冷却機により連続的に冷却される冷却工程またはミネラルを加える工程のうち、より下流にある工程を出た抽出液が、さらに下流の固液分離処理工程(viii)での固液分離機の入り口へ到達するまでにかかる時間をいう。また、この貯液時間は、タンク内での保持だけでなく、茶抽出液またはコーヒー抽出液が配管内を移送される時間も含む。また、この貯液工程における貯液時間は、タンク内で保持されずに配管内の移送のみが行われる場合であっても、その移送された時間が貯液時間とされる。この貯液時間は20分以上であれば特に限定されないが、好ましくは40分以上であり、より好ましくは60分以上であり、さらに好ましくは90分以上である。本発明の製造方法において、貯液時間の上限は特に限定されるものではないが、製造される茶飲料およびコーヒー飲料の品質上の観点からは、360分以内であることが好ましい。また、貯液工程においてタンクを用いて行う場合は、タンク内では抽出液を撹拌していてもしていなくてもよいが、製造される茶飲料およびコーヒー飲料の品質上の観点からは、撹拌しないほうがより好ましい。
すなわち、本発明の製造方法の第2の態様において、固液分離処理する工程(viii)が、茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法での最先の固液分離処理工程であることが好ましい。
本発明の製造方法の第2の態様は、茶抽出液またはコーヒー抽出液にミネラルを加える工程を含む、茶飲料およびコーヒー飲料の製造方法である。
茶抽出液またはコーヒー抽出液に栄養の強化目的などで加えられるミネラルは、製造される茶飲料およびコーヒー飲料において、特に限定されるものではないが、例えば、カルシウム塩、およびマグネシウム塩が挙げられ、好ましくは炭酸カルシウム、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、L-グルタミン酸カルシウム、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、L−グルタミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、およびリン酸三マグネシウムからなる群の1種または2種以上であり、より好ましくは塩化カルシウムである。
冷却した茶抽出液またはコーヒー抽出液中に含まれるミネラルの含有量は、特に限定されるものではないが、抽出液に対し、例えば0.25〜5.0mMであり、好ましくは0.5〜2.0mMであり、より好ましくは1.0〜2.0mMである。
本発明の製造方法の第1および2の態様において、固液分離処理する工程(v) および(viii)後は、いずれの本発明の製造方法の態様においても同様の操作を行い、茶飲料およびコーヒー飲料を製造してもよい。例えば、該固液分離処理する工程後に、ストレージタンクにて1〜6時間保存し、適宜固液分離処理や、ろ過などを行って調合タンクに運ばれ、該タンクにて最終調製を行って茶飲料およびコーヒー飲料としてもよい。
また最終調製において、茶飲料およびコーヒー飲料に配合されうる各種任意成分(例えば、酸化防止剤、pH調整剤、保存料、香料)を添加してもよい。また、得られた茶飲料およびコーヒー飲料を常法に従って殺菌し、容器に充填することができる。殺菌は容器への充填前であっても充填後であってもよい。
充填される容器は内容物と外気との接触を断つことができる密閉容器を意味し、例えば、PETボトルや瓶等の透明容器や、缶や製紙容器等の不透明容器が挙げられる。
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、(a)茶抽出液を冷却する工程、(b)冷却した茶抽出液に酸性白土を加える工程、(c) 酸性白土を加えた茶抽出液を固液分離処理し、酸性白土を除去する工程、(d) (c)工程で固液分離処理した茶抽出液を20〜360分(好ましくは60〜360分、より好ましくは90〜360分)貯液する工程、および(e)貯液した茶抽出液を固液分離処理する工程を含む茶飲料の製造方法であって、固液分離処理する工程(c)が茶飲料の製造方法での最先の固液分離処理工程であり、かつ固液分離処理する工程(e)が茶飲料の製造方法での2度目の固液分離処理工程である、製造方法が提供される。
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、 (f)茶抽出液を冷却する工程および茶抽出液に塩化カルシウムを0.5〜2.0mMとなるように加える工程、(g)冷却し、かつ塩化カルシウムを加えた茶抽出液を20〜360分(好ましくは、60〜360分、より好ましくは90〜360分)貯液する工程、および(h)貯液した茶抽出液を固液分離処理する工程を含む茶飲料の製造方法であって、固液分離処理する工程(h)が、茶飲料の製造方法での最先の固液分離処理工程である製造方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、本発明の製造方法により製造された茶飲料またはコーヒー飲料が提供される。本発明の製造方法とは、上記本発明の製造方法の第1および2の態様のいずれであってもよい。
本発明の別の態様によれば、茶抽出液またはコーヒー抽出液を冷却し、冷却した茶抽出液またはコーヒー抽出液に吸着剤を加え、吸着剤を加えた茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理し、該固液分離処理した茶抽出液またはコーヒー抽出液を20分以上貯液し、および貯液した茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理することを特徴とする茶飲料またはコーヒー飲料の沈殿抑制方法が提供される。好ましくは、該沈殿抑制方法において、吸着剤を加えた茶抽出液またはコーヒー抽出液の固液分離処理が、茶飲料またはコーヒー飲料の沈殿抑制方法での最先の固液分離処理であり、かつ貯液した茶抽出液またはコーヒー抽出液の固液分離処理が茶飲料またはコーヒー飲料の沈殿抑制方法での2度目の固液分離処理である。
本発明の別の好ましい態様によれば、茶抽出液を冷却し、冷却した茶抽出液に酸性白土を加え、酸性白土を加えた茶抽出液を固液分離処理して酸性白土を除去し、該固液分離処理した茶抽出液を20〜360分(好ましくは60〜360分、より好ましくは90〜360分)貯液し、および貯液した茶抽出液を固液分離処理することを特徴とする茶飲料の沈殿抑制方法であり、酸性白土を加えた茶抽出液の固液分離処理が、茶飲料の沈殿抑制方法での最先の固液分離処理であり、かつ貯液した茶抽出液の固液分離処理が茶飲料の沈殿抑制方法での2度目の固液分離処理である沈殿抑制方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、茶抽出液またはコーヒー抽出液を冷却しおよび茶抽出液またはコーヒー抽出液にミネラルを加え、冷却しかつミネラルを加えた茶抽出液またはコーヒー抽出液を20分以上貯液し、および貯液した茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理することを特徴とする、茶飲料またはコーヒー飲料の沈殿抑制方法が提供される。好ましくは、該沈殿抑制方法において、固液分離処理が、茶飲料またはコーヒー飲料の沈殿抑制方法での最先の固液分離処理である。
本発明の別の好ましい態様によれば、茶抽出液を冷却しおよび茶抽出液に塩化カルシウムを0.5〜2.0mMとなるように加え、冷却しかつ塩化カルシウムを加えた茶抽出液を20〜360分(好ましくは60〜360分、より好ましくは90〜360分)貯液し、および貯液した茶抽出液を固液分離処理することを特徴とする、茶飲料の沈殿抑制方法であり、固液分離処理が、茶飲料の沈殿抑制方法での最先の固液分離処理である、沈殿抑制方法が提供される。
本発明の沈殿抑制方法に用いられる茶抽出液、コーヒー抽出液、貯液工程、吸着剤、ミネラル等は、上記の本発明の製造方法と同じであってよい。
本発明の沈殿抑制方法において、沈殿の発生抑制とは、貯液工程後に固液分離処理を行った場合に、貯液工程を行っていない場合と比較して、経時的な濁度上昇が僅かでも抑制されていれば、沈殿の発生抑制に効果があったと判断することができる。また、例えば、固液分離処理直後の茶抽出液またはコーヒー抽出液の濁度に対する24時間経過後の該抽出液の濁度の上昇度を指標に、沈殿の発生が抑制されたか否かを判断することができ、濁度の上昇度(濁度差)が、貯液工程を行っていない場合と比較して、僅かでも抑制されていた場合には沈殿の発生抑制に効果があったと判断することができる。
茶抽出液またはコーヒー抽出液の濁度は、市販の分光光度計(例えば、日立社製、U−3310)を用いて、660nmの吸光度を測定することにより求めることができる。
沈殿を構成する成分の一部は、茶に含まれるシュウ酸等の有機酸やカテキン類等のポリフェノールと、白土などの吸着剤より溶出した、もしくは添加したカルシウムやマグネシウム等のミネラルが結合し、徐々に不溶化したものを含有し、例えば、シュウ酸カルシウムが含まれる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。なお、下記の実施例において特に言及しない限り、「%」は質量%を意味するものとする。
試験例1:白土添加および貯液による緑茶飲料の沈殿抑制効果
(1)緑茶抽出液の調製
緑茶葉100gに対して70℃の熱水4000gを添加し、10分間抽出した。抽出後に目開き100μmのメッシュを通し、冷却機を用いて10℃まで急速冷却し、緑茶抽出液を得た。
(2)緑茶抽出液の白土処理
上記(1)で得られた緑茶抽出液400gに、酸性白土(ミズカエース#200、水澤化学社製)を1質量%、2質量%、および3質量%となるように添加し、所定温度(0〜35℃)で5分間接触させた。5分経過と同時に遠心分離処理1によって酸性白土を除去し、カフェインの除去された茶抽出液を得た。
(3)貯液および遠心分離
酸性白土を遠心分離処理1により除去した緑茶抽出液を、遠心分離処理1の終了時から0分、20分、40分、60分、および90分貯液し、それぞれの貯液時間経過後に遠心分離処理2を行った。遠心分離処理2の遠心分離直後および遠心分離してから24時間経過後にサンプリングして、分光光度計(日立社製、U−3310)を用いて濁度(OD660)を測定した。遠心分離処理2の遠心分離直後の濁度を図1に示す。また、遠心分離直後の濁度および遠心分離してから24時間経過後の濁度から濁度上昇度(ΔOD660)を算出した。算出した結果を図2に示す。
(4)カフェインの測定
上記(3)の遠心分離処理1の終了から20分貯液した後、遠心分離処理2を行った試料抽出液をメンブレンフィルター(アドバンテック(株)製DISMIC 親水性PTFE、0.45μm)でろ過して、高速液体クロマトグラフィー(HPLC:日本分光社製)にてカフェイン量を定量し、白土未処理の抽出液に対する除去率を算出した。算出した結果を図3に示す。
以上の結果から、貯液工程を設けない場合(遠心分離処理1の終了時から0分)、および貯液工程を設けた場合(遠心分離処理1の終了時から20分、40分、60分、および90分貯液)ともに、遠心分離処理2の遠心直後は同程度の濁度である清澄な抽出液が得られた(図1)。しかしながら、遠心分離処理2の遠心分離をしてから24時間後には、貯液工程を設けない場合(遠心分離処理1の終了時から0分)は遠心直後と比較して濁度が大きく上昇している一方で、貯液工程を設けた場合(遠心分離処理1の終了時から20分、40分、60分、および90分貯液)は、貯液時間に依存して濁度上昇が抑制されていることがわかった。また、白土添加濃度に応じてカフェインが除去されつつ、いずれの白土添加濃度においても、貯液によって、飲料中の24時間後の濁度の上昇が抑えられることがわかった。さらに、貯液工程を設けた場合でも、貯液工程を設けない場合と比較して、得られた茶抽出液は同等の香味を有していた。また、貯液時間に関わらず、同一の白土添加濃度において、カフェインの除去率は維持されていた。
試験例2:貯液およびミネラル添加による緑茶飲料の沈殿抑制効果
(1)緑茶抽出液の調製
試験例1と同様に緑茶抽出液を調製した。
(2)ミネラルの添加
上記(1)で得られた緑茶抽出液を400gずつ分注し、そのそれぞれに0.5mM、1.0mM、1.5mM、および2.0mMの濃度となるよう塩化カルシウム二水和物(分子量:147.02)を添加した。
(3)貯液および遠心分離
塩化カルシウム二水和物が加えられた緑茶抽出液を、塩化カルシウム二水和物の添加後から0分、20分、40分、60分、90分、および120分貯液し、それぞれの貯液時間経過後に遠心分離処理3を行った。遠心分離処理3の遠心分離直後および遠心分離してから24時間経過後にサンプリングして、分光光度計(日立社製、U−3310)を用いて濁度(OD660)を測定し、遠心分離直後の濁度を図4に示す。また、遠心分離処理3の遠心分離直後の濁度および遠心分離してから24時間経過後の濁度から濁度上昇度(ΔOD660)を算出した。算出した結果を図5に示す。
この結果から、貯液工程を設けない場合(塩化カルシウム二水和物の添加後から0分)、および貯液工程を設けた場合(塩化カルシウム二水和物の添加後から20分、40分、60分、90分、および120分貯液)ともに、遠心分離処理3の遠心直後は同程度の濁度である清澄な抽出液が得られた(図4)。しかし、遠心分離処理3の遠心分離をしてから24時間後には、貯液工程を設けない場合(塩化カルシウム二水和物の添加後から0分)は遠心直後と比較して濁度が大きく上昇している一方で、貯液工程を設けた場合(塩化カルシウム二水和物の添加後から20分、40分、60分、90分および120分貯液)は、貯液時間に依存して濁度上昇が抑制されていることがわかった。また、いずれの塩化カルシウム添加濃度においてもミネラルを強化していない茶飲料よりも高い濃度でミネラルが残存しており、貯液によってミネラルを強化しながら飲料中の濁度の上昇が抑えられることがわかった。また、貯液工程を設けた場合でも、貯液工程を設けない場合と比較して、得られた茶抽出液は同等の香味を有していた。

Claims (8)

  1. 茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法であって、
    (i)茶抽出液またはコーヒー抽出液を冷却する工程、
    (ii)冷却した茶抽出液またはコーヒー抽出液に吸着剤を加える工程、
    (iii)吸着剤を加えた茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理する工程、
    (iv) (iii)工程で固液分離処理した茶抽出液またはコーヒー抽出液を20分以上貯液する工程、および
    (v)貯液した茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理する工程
    含み、吸着剤が酸性白土、活性白土、または酸性白土および活性白土の組合せである、製造方法。
  2. 固液分離処理する工程(iii)が茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法での最先の固液分離処理工程であり、かつ固液分離処理する工程(v)が茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法での2度目の固液分離処理工程である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法であって、
    (vi)茶抽出液またはコーヒー抽出液を冷却する工程および茶抽出液またはコーヒー抽出液にミネラルを加える工程、
    (vii)冷却し、かつミネラルを加えた茶抽出液またはコーヒー抽出液を20分以上貯液する工程、および
    (viii)貯液した茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理する工程
    を含む、製造方法。
  4. 固液分離処理する工程(viii)が、茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法での最先の固液分離処理工程である、請求項に記載の製造方法。
  5. ミネラルが、塩化カルシウムである、請求項3または4に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5の製造方法により製造された、茶飲料またはコーヒー飲料。
  7. 抽出液またはコーヒー抽出液を冷却し、冷却した茶抽出液またはコーヒー抽出液に吸着剤を加え、吸着剤を加えた茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理し、該固液分離処理した茶抽出液またはコーヒー抽出液を20分以上貯液し、および貯液した茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理することを特徴とし、吸着剤が酸性白土、活性白土、または酸性白土および活性白土の組合せである、茶飲料またはコーヒー飲料の沈殿抑制方法。
  8. 抽出液またはコーヒー抽出液を冷却しおよび茶抽出液またはコーヒー抽出液にミネラルを加え、冷却しかつミネラルを加えた茶抽出液またはコーヒー抽出液を20分以上貯液し、および貯液した茶抽出液またはコーヒー抽出液を固液分離処理することを特徴とする、茶飲料またはコーヒー飲料の沈殿抑制方法。
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