JP6184693B2 - 茶飲料およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は茶飲料とその製造方法に関し、さらに詳細には、カフェイン含有量が低減されつつ、茶飲料本来の香味が損なわれていない茶飲料とその製造方法に関する。
茶飲料やコーヒー飲料に含まれるカフェインは、その薬理作用により積極的に摂取して眠気を抑えたい等のニーズがある一方で、カフェイン摂取により睡眠や入眠を妨げられる可能性を懸念し、消費者の中にはカフェイン入り飲料、特に、茶飲料やコーヒー飲料を敬遠する者もいる。
このため、茶抽出物からのカフェインの低減を目的とした様々な方法が検討されてきている。例えば、茶葉処理によりカフェインを低減する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、この方法で得られた茶飲料はカフェイン含有量とともに、カテキンや香味物質の含有量も低減し、茶飲料の香味上必須の、苦味、渋味、旨味など全ての香味が失われたような味わいとなり、茶飲料本来の香味は得られなかった。このように、カフェインととともに茶抽出物に含まれる香味物質等も低減してしまい、茶飲料本来の香味が損なわれるという課題を有していた。
これらの課題に対し、茶抽出液を各種処理に付すことによりカフェインを低減する方法やカフェイン低減方法を使用しながらも香味保持を図った茶飲料も提案されている(特許文献2および3)。すなわち、特許文献2では、カフェインに対するテアニンの比率を調整することで、甘香による濃度感があり、甘味と旨味の濃度感のある飲料が提供されることが開示されている。特許文献3では、タンニン含有量/カフェイン含有量の比を30以上とすることで香味を確保した緑茶飲料が提供できることが開示されている。
特開平7−135902号公報 特開2011−155877号公報 特開2008−113569号公報
しかしながら、茶飲料あるいは茶抽出物にカフェイン除去処理を施すと、茶本来の香味として重要な後渋味が失われてしまい、カフェイン除去処理を十分実施できないという問題があった(参考例参照)。この場合、茶飲料に渋味を与えることが知られているカテキン類を添加することも考えられるが、精製カテキン類は安価ではなく、工業的生産を考慮した場合に、カテキン類の添加は製造コストの面から自ずと限界があった。また、カテキン類がカフェイン除去処理後の茶飲料中に一定量存在しても、茶飲料から後渋味が失われてしまうことがあり(参考例参照)、カテキン類添加以外の手段で茶飲料の後渋味を増強する技術を開発する必要があった。
本発明は、カフェイン含有量が低減されつつ、茶飲料本来の香味、特に、後渋味が損なわれていない茶飲料とそれを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、カフェイン含有量を低減させた茶飲料において、カフェイン含有量とカルシウム含有量を所定範囲内に調整することにより、後渋味が増強され、茶飲料本来の香味が奏されることを見出した。本発明者らはまた、上記効果が緑茶飲料のみならず、紅茶や烏龍茶でも奏されることを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
すなわち、本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)以下の成分:
(A)カルシウム20mg/100mL以下および
(B)カフェイン10mg/100mL以下
を含んでなり、カルシウムとカフェインの含有量比(A)/(B)が0.1〜6である茶飲料。
(2)カフェイン含有量が0.2〜10mg/100mLである、上記(1)に記載の茶飲料。
(3)カルシウム含有量が0.1〜20mg/100mLである、上記(1)または(2)に記載の茶飲料。
(4)カルシウムとカフェインの含有量比(A)/(B)が0.1〜2.5である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の茶飲料。
(5)茶飲料中のポリフェノール含有量が10〜150mg/100mLである、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の茶飲料。
(6)pHが5.5〜8.5である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の茶飲料。
(7)緑茶飲料、烏龍茶飲料または紅茶飲料である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の茶飲料。
(8)茶飲料中の(A)カルシウム含有量および(B)カフェイン含有量を、それぞれ、20mg/100mL以下および10mg/100mL以下に調整し、かつ、カルシウムとカフェインの含有量比(A)/(B)を0.1〜6に調整することを特徴とする、茶飲料の製造方法。
(9)カルシウム含有量の調整と、カルシウムとカフェインの含有量比の調整を、カルシウム塩の添加によって行う、上記(8)に記載の製造方法。
(10)カフェイン含有量が10mg/100mL以下の茶飲料において、茶飲料中のカルシウム含有量を20mg/100mL以下に調整し、かつ、(A)カルシウムと(B)カフェインの含有量比(A)/(B)を0.1〜6に調整することを特徴とする、茶飲料における後渋味の改善方法。
本発明の茶飲料は、カフェイン含有量が低減されつつ、茶飲料本来の香味である後渋味が損なわれていないため、カフェインの摂取を控えつつ、茶飲料本来の香味を味わえる点で有利である。また、本発明の茶飲料はカフェイン含有量とカルシウム含有量を所定値の範囲内に調整することで製造できる。従って、本発明は、カフェイン含有量が低減されつつ、茶飲料本来の香味が損なわれていない茶飲料を、特殊な設備を必要とせずに簡便かつ安価に提供できる点でも有利である。
発明の具体的説明
本発明の茶飲料はカフェイン含有量とカルシウム含有量が所定値の範囲内にあることを特徴とする茶飲料である。茶飲料の種類は特に限定されるものではなく、煎茶、番茶、ほうじ茶、緑茶葉等の不発酵茶、烏龍茶等の半発酵茶、紅茶等の発酵茶、プーアル茶等の後発酵茶が挙げられる。
本発明の茶飲料中の(A)カルシウム含有量は20mg/100mL以下であり、好ましくは0.1〜20mg/100mL、より好ましくは0.2〜10mg/100mL、特に好ましくは0.2〜3mg/100mLである。茶飲料中のカルシウム含有量はイオンクロマトグラフィー法により測定することができる。なお、茶飲料中のカルシウム含有量は遊離カルシウムの量に相当する。
本発明の茶飲料中の(B)カフェイン含有量は10mg/100mL以下であり、好ましくは0.2〜10mg/100mL、より好ましくは0.2〜7mg/100mL、特に好ましくは0.3〜5.9mg/100mLである。茶飲料中のカフェイン含有量は高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)により測定することができる。
本発明の茶飲料中の(A)カルシウム含有量と(B)カフェイン含有量の比率、すなわち、(A)/(B)比(以下、「Ca/Caf比」と表示することがある)は、0.1〜6の範囲であり、好ましくは0.1〜2.5、より好ましくは0.2〜2.0の範囲、特に好ましくは0.3〜1.8の範囲である。
本発明の茶飲料中のpHは、5.5〜8.5の範囲とすることができ、好ましくは6.0〜7.0の範囲である。茶飲料や茶抽出液またはその調合液のpHは、市販のpHメーターにより測定することができる。
本発明の茶飲料中の総ポリフェノール含有量は特に限定されないが、10〜150mg/100mL、好ましくは10〜80mg/100mL、より好ましくは20〜70mg/100mL、最も好ましくは25〜65mg/100mLの範囲に調整することが茶の風味の観点から望ましい。具体的には、緑茶の場合には、20〜150mg/100mL、好ましくは20〜80mg/100mL、より好ましくは45〜65mg/100mLの範囲に調整することが緑茶の風味の観点から望ましい。また、烏龍茶の場合には、10〜140mg/100mL、好ましくは10〜60mg/100mL、より好ましくは25〜45mg/100mLの範囲に調整することが烏龍茶の風味の観点から望ましい。また、紅茶の場合には、15〜145mg/100mL、好ましくは15〜75mg/100mL、より好ましくは35〜55mg/100mLの範囲に調整することが紅茶の風味の観点から望ましい。総ポリフェノール含有量は、日本食品分析センター編、「五訂 日本食品標準成分分析マニュアルの解説」、中央法規、2001年7月、252頁に記載の公定法(酒石酸鉄試薬法)に従って測定することができる。
本発明の茶飲料は、茶飲料の製造に用いられる通常の方法にしたがって製造できるが、茶飲料中のカフェイン含有量やカルシウム含有量の調整は公知の方法に従って行うことができる。
茶飲料中のカフェイン含有量は、例えば、製茶時に湯または水を散水することや、湯または水に浸漬すること、超臨界炭酸ガス抽出した茶葉を使用することにより低減させることができる。また、茶飲料中のカフェイン含有量は、茶葉から茶飲料を抽出する際に低温で抽出することや、二煎目以降の抽出液を使用することにより低減させることもできる。さらに、茶飲料中のカフェイン含有量は、茶抽出液を活性炭や樹脂等の吸着剤や鉱物で処理することにより低減させることもできる。これらの低減法は単独で使用してもよいし、組み合わせて使用してもよい。一方で、茶飲料中のカフェイン含有量を増加させる場合には食品上許容されるカフェイン製剤を添加することができる。カフェイン製剤は、例えば、抽出液の最終的な調合段階で添加することができる。
茶抽出液中のカルシウム含有量を増加させる場合には、食品上許容されるカルシウム源を添加してカルシウム含有量を調整することができる。例えば、カルシウムの有機酸塩、カルシウムの無機酸塩、カルシウムの有機物塩を添加することにより、カルシウム含有量を増加させることができる。また、溶液を接触させるとカルシウムイオンを放出するような鉱物やその加工品を、茶抽出液と接触させて、カルシウム含有量を増加させることもできる。一方で、茶飲料中のカルシウム含有量を低減させる場合には、例えば、カルシウム塩が不溶性となる陰イオンを添加し塩として析出させ除去する方法がある。また、茶抽出液をイオン交換樹脂、キレート樹脂等の吸着剤で処理することにより低減させることもできる。但し、茶抽出液を吸着剤で処理するとカルシウムのみならず、カフェイン等も除去されてしまうことがあるため、茶抽出液を吸着剤で処理した場合には必要に応じていずれかの成分または両方の成分を添加し、カフェイン含有量とカルシウム含有量が所定値の範囲内となるようにすることが望ましい。
添加可能な有機酸カルシウムとしては、例えば、アスコルビン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム等が挙げられる。
また、添加可能な無機酸カルシウムとしては、例えば、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
さらに、添加可能な有機物カルシウムとしては、例えば、L−グルタミン酸カルシウム等が挙げられる。
本発明の茶飲料のpHは、例えば、茶抽出液や他の成分を配合したその調合液に、食品上許容されるpH調整剤を添加することにより調整することができる。添加可能なpH調整剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが挙げられ、香味とコストの観点から炭酸水素ナトリウムを添加することが好ましい。
本発明の茶飲料の製造に用いられる茶抽出液は、特に限定されないが、通常の茶抽出液の調製に用いられている方法を用いることができる。茶抽出液の調製に用いられる茶葉は、特に限定されないが、Camellia sinensisに属する茶葉を用いることができ、煎茶、玉露、抹茶、釜炒り茶、番茶、ほうじ茶等の緑茶葉のような不発酵茶に限らず、烏龍茶のような半発酵茶や、紅茶のような発酵茶、プーアル茶のような後発酵茶等も用いることができる。
本発明において用いられる茶抽出液とは、前述の茶葉から抽出した茶抽出液のみならず、ポリフェノン(三井農林社製)やサンフェノン(太陽化学社製)、テアフラン(伊藤園社製)などの市販品の茶エキスやパウダーを用いることができ、これらのエキスやパウダーを水や湯で溶解したものを使用してもよく、さらに、これらの濃縮茶抽出物や精製茶抽出物は、単独で使用しても、複数の種類を混合して用いても、茶抽出液と混合して用いてもよい。
本発明の茶飲料は、カフェイン含有量とカルシウム含有量が所定値の範囲内にあることを条件に、茶飲料に配合されうる各種任意成分(例えば、酸化防止剤、保存料、香料)を含んでいてもよい。
本発明の茶飲料は、容器詰め飲料の形態で提供することができる。容器詰め飲料の容器とは、内容物と外気との接触を断つことができる密閉容器を意味し、例えば、PETボトルや瓶等の透明容器や、缶や製紙容器等の不透明容器が挙げられる。本発明の茶飲料は、茶飲料の色合いを容器を通して需要者に演出するため、透明あるいは半透明のPETボトル容器詰め飲料とすることが好ましい。
本発明の茶飲料の好ましい態様によれば、
以下の成分:
(A)カルシウム0.2〜3mg/100mL以下および
(B)カフェイン0.3〜5.9mg/100mL以下
を含んでなり、カルシウムとカフェインの含有量比(A)/(B)が0.3〜1.8である茶飲料が提供される。この場合、茶飲料中のポリフェノール含有量は25〜65mg/100mLの範囲内とすることができる。後記参考例や実施例に示されるように、ポリフェノール含有量が25〜65mg/100mL程度であっても、カフェイン含有量がおおよそ7mg/100mL以下に低減された場合には後渋味が悪化するが、カルシウム含有量やカフェイン含有量を上記(A)および(B)の範囲内に調整することにより、茶飲料の後渋味が増強され、茶飲料本来の香味が付与される。
本発明によれば、茶飲料中の(A)カルシウム含有量および(B)カフェイン含有量を、それぞれ、20mg/100mL以下および10mg/100mL以下に調整し、かつ、カルシウムとカフェインの含有量比(A)/(B)を0.1〜6に調整することを特徴とする、茶飲料の製造方法が提供される。本発明の製造方法により製造された茶飲料は、通常通り製造された場合よりもカフェイン含有量が低減されているにも関わらず、後渋味が増強され、茶飲料本来の香味を有している点で有利である。すなわち、本発明の製造方法によれば、通常の茶飲料と比較して遜色ない後渋味を備えたカフェイン低減茶飲料を製造することができる。本発明の製造方法は、本発明の茶飲料に関する記載に従って実施することができる。
本発明によれば、また、カフェイン含有量が10mg/100mL以下の茶飲料において、茶飲料中のカルシウム含有量を20mg/100mL以下に調整し、かつ、(A)カルシウムと(B)カフェインの含有量比(A)/(B)を0.1〜6に調整することを特徴とする、茶飲料における後渋味の改善方法が提供される。本発明の後渋味の改善方法によれば、カフェイン含有量が10mg/100mL以下まで低減された飲料において、後渋味を増強することができ、それによりカフェイン除去により失った茶飲料本来の香味を付与できる点で有利である。本発明の後渋味の改善方法は、本発明の茶飲料に関する記載に従って実施することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
カフェインの測定方法
試料溶液をメンブレンフィルター(アドバンテック(株)製DISMIC 親水性PTFE、0.45μm)でろ過して、下記表1に示す高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法にて、カフェイン量を定量した。HPLC分析条件を下記表1に示す。
Figure 0006184693
カルシウムの測定方法
試料溶液をメンブレンフィルター(アドバンテック(株)製DISMIC 親水性PTFE、0.45μm)でろ過して、イオンクロマトグラフィー法にて、カルシウム量を定量した。イオンクロマトグラフィー分析条件を下記表2に示す。
Figure 0006184693
参考例:茶飲料中のカフェイン濃度と香味との関係
(1)緑茶抽出液の調製
蒸し製緑茶葉100gに対して70℃の熱水4000gを添加し、6分間抽出した。抽出後、固液分離し、得られた濾液を20℃まで冷却した後にイオン交換水で4000gとし、遠心分離処理を行い、緑茶抽出液を得た。
(2)活性炭処理液の調製
得られた緑茶抽出液400gに対し、活性炭(GC100W50、日本エンバイロ社製)を4g添加後、室温にて30分間接触させた。接触後に遠心分離処理を行い、0.2μmメンブランフィルター濾過を行い、活性炭処理液を得た。
(3)緑茶飲料の調製
得られた活性炭処理液に対し、カフェイン(白鳥製薬社製)を30〜120mg、L−アスコルビン酸を400mg添加し、イオン交換水で1000gとした調合液を容器詰め後殺菌し緑茶飲料を得た。緑茶飲料は、調合の際にpHが約6.5となるように炭酸水素ナトリウムで適宜調整した。それぞれのサンプルで総ポリフェノール量55mg/100mLとなるように濾液量を適宜調整して調合した。なお、総ポリフェノール量は、日本食品分析センター編、「五訂 日本食品標準成分分析マニュアルの解説」、中央法規、2001年7月、252頁に記載の公定法(酒石酸鉄試薬法)に従って求めた。
(4)評価
得られた緑茶飲料について、高速液体クロマトグラフ(HPLC:日本分光社製)を用いてカフェイン濃度を測定した。また、訓練されたパネリスト6名によって官能評価を行った。
評価は活性炭未処理の茶飲料を対照(4点満点中の4点)として、緑茶飲料の香味を構成する苦味、先渋味および後渋味の強度並びに総合的な香味を評価した。すなわち、評価素点は、4点;対照と同等である、3点;対照より若干弱いまたは劣っている、2点;対照より明らかに弱いまたは劣っている、1点;対照より著しく弱いまたは劣っている、である。
評価素点はさらに、下記の評価基準でレベル分けした。◎が最も無添加区の香味に近く、○、△、×の順に従って、無添加区からの香味の変化が大きくなるものである。
なお、先渋味とは飲料を口腔内に入れてすぐに感じる渋味を、後渋味とは飲料を飲用後5秒後に感じる渋味を意味する(以下、同様)。また、活性炭無添加の緑茶のカフェイン濃度は11.01mg/100mLであった。
評価基準
◎:(4段階評価で3.5点以上)
○:(4段階評価で3点以上3.5点未満)
△:(4段階評価で2.5点以上3点未満)
×:(4段階評価で2.5点未満)
(5)結果および考察
各カフェイン含有量および香味評価の結果を下記表3に示した。
Figure 0006184693
活性炭処理によって苦味を呈するカフェインが除去されることで、茶飲料から苦味のみならず、渋味も低減し、総合的な香味評価(総合評価)が悪化した。カフェイン含有量を低減することによる渋味の低減や総合的な官能評価の悪化は、一定量のカテキン類(総ポリフェノール量で55mg/100mL)が茶飲料中に存在していても生じた(表3のカフェイン含有量が1.31mg/mLの場合)。一方で、脱カフェイン処理した緑茶飲料に対して、カフェインを添加していくと、苦味と共に渋味の強度も増し、総合的な香味評価が改善した。
渋味の中でも、飲用後数秒間口腔内に残る渋味(後渋味)の強度が特にカフェインの濃度と連動して変化することがわかり、後渋味を増強することで脱カフェイン処理した茶飲料でも総合的な香味評価が改善されると考えられた。
実施例1:ポリフェノン溶液におけるカルシウム添加の後渋味増強効果
(1)緑茶飲料の調製
ポリフェノン70A(三井農林社製)1gを、40℃のぬるま湯に溶解し、900gとした。得られたポリフェノン溶液150gに対し、カルシウム含有量として0.028〜8.74mg/100mLとなるようアスコルビン酸カルシウム(以下、「AsCa」ということがある)を3.3〜800mg添加した。さらにL−アスコルビン酸を400mg添加した後、イオン交換水で1000gとし、緑茶飲料を得た。緑茶飲料は、調合の際にpHが約6.5となるように炭酸水素ナトリウムで適宜調整した。なお、本緑茶飲料も酒石酸鉄試薬を利用した比色定量法で総ポリフェノール量を測定し、参考例と同じ総ポリフェノール濃度である55mg/100mLとなるように調製した。
(2)評価
得られた緑茶飲料について、高速液体クロマトグラフ(HPLC:日本分光社製)を用いてカフェイン含有量を測定した。また、緑茶飲料中のカルシウム含有量はイオンクロマトグラフ (島津製作所社製)を用いて測定した。また、訓練されたパネリスト6名によって官能評価を行った。
評価はAsCa無添加の茶飲料を対照(5点満点中の3点)として、緑茶飲料として先渋味、後渋味の強度を評価した。すなわち、5点;対照より著しく強い、4点;対照より明らかに強い、3点;対照と同等である、2点;対照より明らかに弱い、1点;対照より著しく弱い、として評価素点を得た。
さらに、その点数が、AsCa無添加の茶飲料(対照)との比較においてスチューデントt検定により、統計的に変化したかどうかを調べた。評価基準は以下に示したとおりである。
評価基準
A:さらに顕著に味が強くなった(p < 0.01)
B:明らかに味が強くなった(0.01 < p < 0.05)
C:味が強くなった傾向にある(0.05 < p < 0.1)
D:味の強さに変化なし、または弱くなった
(3)結果および考察
評価結果を下記表4に示した。
Figure 0006184693
カフェインが除去された緑茶飲料に対し、カルシウム含有量をカフェイン含有量に対して、0.26≦Ca/Caf≦5.0で添加したとき、後渋味が増強されることが明らかとなり、また、0.26≦Ca/Caf≦2.0のとき、さらに顕著に後渋味が増強されることが明らかとなった。
実施例2:活性炭処理緑茶におけるカルシウム添加の後渋味増強効果
(1)緑茶抽出液の調製、活性炭処理液の調製
参考例に記載した方法で緑茶抽出液と、活性炭処理液を得た。
(2)緑茶飲料の調製
得られた濾液に対し、AsCaを3.3〜2000mgを添加し、さらにもう一度遠心分離処理を行って析出物等を除去した。得られた濾液に対して、L−アスコルビン酸を400mg添加し、イオン交換水で1000gとして緑茶飲料を得た。緑茶飲料は、調合の際にpHが約6.5となるように炭酸水素ナトリウムで適宜調整した。それぞれのサンプルで総ポリフェノール量が55mg/100mLとなるように濾液量を適宜調整して調合した。尚、総ポリフェノール量は酒石酸鉄試薬を利用した比色定量法で測定した。
(3)評価
得られた緑茶飲料について、カフェイン含有量およびカルシウム含有量の測定、官能評価による評価は実施例1と同様の方法で行った。
(4)結果および考察
評価結果を下記表5に示した。
Figure 0006184693
活性炭により脱カフェイン処理を行った茶飲料に対し、カルシウム含有量をカフェイン含有量に対して、0.06≦Ca/Caf≦3.59で添加したとき、後渋味が増強される傾向が見られ、0.096≦Ca/Caf≦3.59のとき、明らかな後渋味増強効果が見られ、0.29≦Ca/Caf≦1.95のときにさらに顕著な後渋味増強効果が見られることが明らかとなった。
実施例3:通常の緑茶におけるカルシウム添加の後渋味増強効果
(1)緑茶抽出液の調製
参考例に記載の方法と同じ方法で緑茶抽出液を得た。
(2)緑茶飲料の調製
実施例2記載の方法と同じ方法で緑茶飲料を得た。ただし、AsCa添加量は3.3〜6428mgとした。得られた緑茶飲料について、カフェイン含有量およびカルシウム含有量の測定、官能評価による評価は実施例1と同様の方法で行った。
(3)結果および考察
評価結果を下記表6に示した。
Figure 0006184693
通常の緑茶においても、活性炭処理した緑茶飲料のときと同様に、カルシウム含有量とカフェイン含有量の比率によって、後渋味の増強効果が認められるが、その効果が認められるのは0.078≦Ca/Caf≦5.30であり、特に顕著に後渋味の増強効果が認められるのは0.14≦Ca/Caf≦2.02のときであった。
実施例1〜3によって、Caイオンを添加することによって、明らかな茶飲料の後渋味増強効果が認められるのは、いずれのカフェイン含有量においても、カルシウム含有量とカフェイン含有量の比率が、ほぼ0.2≦Ca/Caf≦2.0の範囲に収まっているときであることが明らかとなった。
しかしながら、実施例3で得られた結果では、後渋味が認められた試験区20〜24では後渋味に関して顕著な増強効果が認められることがなかったが、その主たる原因はカフェイン含有量が高すぎることにあると考えられたため、カフェイン含有量に最適な範囲が存在する可能性が示唆された。
実施例4:渋味増強効果がより一層認められる最適カフェイン含有量の検証
(1)緑茶抽出液の調製、活性炭処理液の調製
参考例に記載の方法と同じ方法で緑茶抽出液を得た。
(2)緑茶飲料の調製
実施例2記載の方法と同じ方法で緑茶飲料を得た。ただし、AsCa添加量は200mgとした。得られた緑茶飲料について、カフェイン含有量およびカルシウム含有量の測定、官能評価による評価は実施例1と同様の方法で行った。
(3)結果および考察
評価結果を下記表7に示した。
Figure 0006184693
いずれのカフェイン含有量においても、試験区25〜28において0.2≦Ca/Caf≦2.0の範囲内に含まれており、後渋味増強効果が明らかに見られているが、カフェイン含有量が1.8mg/100mL、3.9mg/100mL、5.9mg/100mLのときはさらに顕著に後渋味増強効果が認められた。
すなわち、0.2≦Ca/Caf≦2の範囲にある緑茶飲料は、様々なカフェイン含有量の茶飲料に対し、明らかに後渋味増強効果が得られるが、カフェイン含有量が0.3mg/100mL≦カフェイン含有量≦6.0mg/100mLの範囲にあるときに、さらに顕著に後渋味増強効果が認められることが明らかとなった。
実施例5:各種カルシウム塩添加時の後渋味増強効果
(1)緑茶抽出液の調製、活性炭処理液の調製
参考例に記載の方法と同じ方法で緑茶抽出液を得た。
(2)緑茶飲料の調製
得られた濾液(緑茶抽出液)に対し、AsCa、グルコン酸カルシウム(グルコン酸Ca)、塩化カルシウム(塩化Ca)、乳酸カルシウム(乳酸Ca)それぞれカルシウムの寄与分として10mgを添加し、さらにもう一度遠心分離処理を行った。得られた濾液に対して、L−アスコルビン酸を400mg添加し、イオン交換水で1000gとして緑茶飲料を得た。緑茶飲料は、調合の際にpHが約6.5となるように炭酸水素ナトリウムで適宜調整した。それぞれのサンプルで総ポリフェノール量を合わせるように濾液量を適宜調整して調合した。尚、総ポリフェノール量は酒石酸鉄試薬を利用した比色定量法で測定した。
(3)評価
得られた緑茶飲料について、カフェイン含有量およびカルシウム含有量の測定官能評価による評価は実施例1と同様の方法で行った。
(4)結果および考察
評価結果を下記表8に示した。
Figure 0006184693
試験区29〜32に示されるように、Ca/Caf比が0.2≦Ca/Caf≦2.0の範囲内に入っているとき、カルシウムイオンが含まれる水に可溶の物質であれば、AsCa由来でない、他の塩由来のカルシウムイオンでも後渋味増強効果が奏されることが示された。
実施例6:発酵茶の後渋味増強効果
(1)烏龍茶抽出液の調製
烏龍茶葉100gに対して90℃の熱水4000gを添加し、5分間抽出した。抽出後、固液分離し、得られた濾液を20℃まで冷却した後にイオン交換水で4000gとし、遠心分離処理を行い、烏龍茶抽出液を得た。
(2)紅茶抽出液の調製
紅茶葉100gに対して70℃の熱水4000gを添加し、8分間抽出した。抽出後、固液分離し、得られた濾液を10℃以下まで冷却した後にイオン交換水で4000gとし、遠心分離処理を行い、紅茶抽出液を得た。
(3)活性炭処理液の調製
得られた烏龍茶および紅茶抽出液400gに対し、活性炭(GC100W50、日本エンバイロ社製)を4g添加後、室温にて30分間接触させた。接触後に遠心分離処理を行い、0.2μmメンブランフィルター濾過を行った。
(4)発酵茶飲料の調製
実施例2に記載した方法と同じ方法で烏龍茶および紅茶飲料を調製した。AsCaの添加量は表9に示したとおりである。得られた烏龍茶および紅茶飲料について、カフェイン含有量およびカルシウム含有量の測定、官能評価による評価は実施例1と同様の方法で行った。なお、それぞれのサンプル飲料中の総ポリフェノール量は烏龍茶では35mg/100mLに、紅茶では45mg/100mLとなるように濾液量を適宜調整して調合した。
(5)結果および考察
評価結果を下記表9に示した。
Figure 0006184693
AsCa添加により飲料のCa/Caf比を0.2≦Ca/Caf≦2.0の範囲内に入るように調整すると、不発酵茶である緑茶飲料のみならず、発酵茶である烏龍茶飲料や紅茶飲料でも後渋味の増強効果が認められた(試験区33および34)。すなわち、発酵の有無にかかわらず、茶飲料のCa/Caf比を特定範囲に調整することにより、後渋味の増強効果が奏されることが明らかとなった。

Claims (7)

  1. 以下の成分:(A)カルシウム0.49〜20mg/100mLおよび(B)カフェイン0.2〜7mg/100mLを含んでなり、カルシウムとカフェインの含有量比(A)/(B)が0.2〜2.0である茶飲料であって、該茶飲料中のポリフェノール含有量が10〜150mg/100mLである、茶飲料。
  2. カルシウム含有量が0.1〜20mg/100mLである、請求項に記載の茶飲料。
  3. pHが5.5〜8.5である、請求項1または2に記載の茶飲料。
  4. 緑茶飲料、烏龍茶飲料または紅茶飲料である、請求項1〜のいずれか一項に記載の茶飲料。
  5. 茶飲料中の(A)カルシウム含有量および(B)カフェイン含有量を、それぞれ、0.49〜20mg/100mLおよび0.2〜7mg/100mLに調整し、カルシウムとカフェインの含有量比(A)/(B)を0.2〜2.0に調整し、かつ、茶飲料中のポリフェノール含有量が10〜150mg/100mLに調整することを特徴とする、茶飲料の製造方法。
  6. カルシウム含有量の調整と、カルシウムとカフェインの含有量比の調整を、カルシウム塩の添加によって行う、請求項に記載の製造方法。
  7. カフェイン含有量が0.2〜7mg/100mLの茶飲料において、茶飲料中のカルシウム含有量を0.49〜20mg/100mLに調整し、(A)カルシウムと(B)カフェインの含有量比(A)/(B)を0.2〜2.0に調整し、かつ、茶飲料中のポリフェノール含有量が10〜150mg/100mLに調整することを特徴とする、茶飲料における後渋味の改善方法。
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