JP2010252675A - 容器詰茶飲料の褐変抑制方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の容器詰茶飲料は、1,2,4−ベンゼントリオールが10ppm未満であることを特徴とする。該容器詰茶飲料は、例えば、活性炭又はPVPPを用いて1,2,4−ベンゼントリオールを10ppm未満に調整することにより製造することができる。
【選択図】なし
Description
また、凝集や沈殿、濁りを防止し、風味を保持するため、還元処理した水で抽出処理を行う、或いは、茶抽出液を電気分解法によって還元する茶類飲料の製造方法(下記特許文献1参照)や、保存時の綿状浮遊物や沈殿物の発生を抑制するため、キナ酸ガレート類成分とアルミニウム成分との重量比率を所定の範囲にした容器詰茶飲料などが開発されている(下記特許文献2参照)。
本発明者は、茶飲料の味の変化、香りの変化、色調の変化(褐変)などには、それぞれ原因物質やメカニズムが存在するのではないかとの推測のもと鋭意研究し、本願発明を成し得たものである。
植物原料は、具体的には、茶葉、そば、麦などを用いることができ、これら二種以上をブレンドして用いてもよい。
本飲料は、上記植物原料を抽出した緑茶、そば茶、麦茶などを容器に充填してなるのが好ましく、特に、焙煎した緑茶葉を抽出したほうじ茶を容器に充填してなる容器詰ほうじ茶飲料にするのが好ましい。
1,2,4−ベンゼントリオールの濃度は、活性炭やPVPP(ポリビニルピロリドン)などの吸着剤に吸着させたり、抽出条件を調整したりすることにより、調整することができる。
ポリフェノール濃度は、抽出条件で調整するようにすればよい。ポリフェノールを添加して調整することも可能であるが、茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、抽出液を得るための条件を調整するほか、抽出液どうしの混合、或いは抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
なお、総カテキン類とは、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)の合計8種の意味である。
ここで、前記総カテキン類のうち、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキンガレート(EGCg)のガレート型カテキンの占める重量割合が、30〜100%であることが好ましく、この範囲であることにより、香味の優れた飲料になる。より好ましくは60〜95%、特に好ましくは70〜90%である。
総カテキン類濃度を調整するには、抽出条件で調整するようにすればよい。この際、カテキン類を添加して調整することも可能であるが、茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、抽出液を得るための条件を調整するほか、抽出液どうしの混合、或いは抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
カフェイン濃度は、抽出条件で調整するようにすればよい。カフェインを添加して調整することも可能であるが、茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、抽出液を得るための条件を調整するほか、抽出液どうしの混合、或いは抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
ビタミンC濃度は、抽出条件で調整するようにすればよい。ビタミンCを添加して調整することも可能であるが、抽出液を得るための条件を調整するほか、抽出液どうしの混合、或いは抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
ポリフェノールの濃度は、酒石酸鉄法等の比色法を用いてエチルガレート当量で算出することができる。
また、pHは、市販のpHメータにより測定することができる。
茶飲料中の1,2,4−ベンゼントリオール濃度を変化させて褐変を確認する試験を行った。
1,2,4−ベンゼントリオール標準品(和光純薬工業(株)製)を、ほうじ茶飲料((株)伊藤園製「おーいお茶ほうじ茶」)にそれぞれ添加量あたり0.1ppm、1ppm、10ppm、100ppm、1000ppmになるように添加して攪拌し、試験品1〜5を作製した。試験品1〜5を分析した結果を下記表1に示す。
作製した直後の試験品1〜5に対して、下記に示す、色差の測定及び色調の評価を行なった。これらの結果を下記表2に示す。
まず、L値、a値、b値を測定した。この測定は、分光色差計(日本電色工業株式会社製SE6000)を用いて測定した。
次に、これらの値から色差ΔE=(Δa2+Δb2+ΔL2)1/2を算出した。この際、1,2,4−ベンゼントリオール未添加のほうじ茶飲料((株)伊藤園製「おーいお茶ほうじ茶」)を基準に用いた。
試験品1〜5の色調を目視により評価した。「褐変してない」(ΔE<0.5に相当)を「○」、「僅かに褐変した」(0.5≦ΔE≦2.0に相当)を「△」、「明らかに褐変した」(ΔE>2.0に相当)を「×」として評価した。
これらの結果を下記表3に示す。
1,2,4−ベンゼントリオールの濃度が高くなると褐変しやすくなり、添加直後では10ppm未満では褐変しない或いは僅かな褐変であることが確認された。また経時的に発色が強くなることが確認され、濃度が10ppm未満であれば30時間後でもほぼ褐変を生じないことが確認された。
Claims (11)
- 1,2,4−ベンゼントリオールが10ppm未満であることを特徴とする容器詰茶飲料。
- ポリフェノールが10ppm〜1400ppmであることを特徴とする請求項1に記載の容器詰茶飲料。
- カフェインが210ppm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器詰茶飲料。
- ビタミンCが20ppm〜500ppmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器詰茶飲料。
- pHが4.8〜7.5であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器詰茶飲料。
- 前記飲料は、ポリフェノールを含む植物原料を用いたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の容器詰茶飲料。
- 前記植物原料は、茶葉、そば、麦のいずれか又はこれらの二種以上をブレンドしたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の容器詰茶飲料。
- 1,2,4−ベンゼントリオールが10ppm未満であることを特徴とする容器詰ほうじ茶飲料。
- 1,2,4−ベンゼントリオールを10ppm未満に調整することを特徴とする容器詰茶飲料の褐変抑制方法。
- 1,2,4−ベンゼントリオールを10ppm未満に調整することを特徴とする容器詰茶飲料の製造方法。
- 活性炭又はPVPPを用いて1,2,4−ベンゼントリオールを10ppm未満に調整することを特徴とする容器詰茶飲料の製造方法。
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JP2014128244A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Kirin Beverage Corp | 茶飲料およびその製造方法 |
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