JP6768338B2 - 香味が改善された緑茶系飲料 - Google Patents

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本発明は香味が改善された緑茶系飲料およびその製造方法に関する。
茶は一般的に、紅茶に代表される発酵茶、烏龍茶に代表される半発酵茶、緑茶に代表される不発酵茶、プーアル茶として知られている後発酵茶などに分類される。このうち、香味が付与された茶飲料として、レモンティー、ベルガモットティー等のフレーバーティーが知られており、果汁やハーブ、またはそれらからの抽出物による茶葉や茶葉抽出物への香味の付加・調整により、香味の多様化が行われている。
香味が付与された茶飲料のうちジャスミン茶は、茶葉にモクセイ科ソケイ属のマツリカ(茉莉花)の花の香りを吸着させたもので、茶葉として緑茶を用いるものが一般的である。これまでに、冷温時に飲用しても満足な香味が感じられるように香気成分が強化されたジャスミン茶(特許文献1)や、香味が改善されたジャスミン茶(特許文献2)などの、ジャスミン茶の香味を改善する技術が知られている。
特開2010−000049号公報 特許第5682985号公報
手淹れした緑茶のように濃い味覚を実現させた緑茶は飲み応えを感じさせるが、その一方で、緑茶独特の飲み口の引っ掛かり(飲みこんだ際に感じる塩味などに起因する違和感)が感じられ、止渇目的の飲料には適していない。緑茶に花の香りを吸着させたジャスミン茶について濃い味覚を実現させた場合も緑茶由来の成分により飲み口の引っ掛かりが感じられる点は同様である。
本発明は、緑茶飲料および/または緑茶をベースにしたジャスミン茶飲料(以下、これらを「緑茶系飲料」ということがある)において、飲み応えを確保しつつ、緑茶系飲料独特の飲み口の引っ掛かりが解消された茶飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、緑茶抽出液や緑茶をベースにしたジャスミン茶抽出液に紅茶抽出液を配合することで、濃い緑茶系抽出液に起因する飲み口の引っ掛かりを生じさせず、かつ、香り立ちが良く、飲み応えがある良好な香味が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]ジャスミン茶抽出物および/または緑茶抽出物(抽出物(a))と、紅茶抽出物(抽出物(b))とを含有してなる容器詰め茶飲料であって、茶飲料の総ポリフェノール含量が酒石酸鉄吸光光度法による測定で25〜70mg/100mLであり、茶飲料のカテキン含量が40mg/100mL以下であり、かつ、茶飲料のテアフラビン含量が20〜1500μg/100mLである、茶飲料。
[2]抽出物(a)が、ジャスミン茶抽出物からなる、上記[1]に記載の茶飲料。
[3]ジャスミン茶が、原料茶葉が緑茶であるものである、上記[1]または[2]に記載の茶飲料。
[4]配合成分として甘味成分および/または乳成分を含有しない、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の茶飲料。
[5]ベンジルアルコール濃度が120ppb以上および/またはメチルアンスラニレイト濃度が15ppb以上である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の茶飲料。
[6]容器詰め茶飲料の製造方法であって、ジャスミン茶抽出物および/または緑茶抽出物(抽出物(a))と、紅茶抽出物(抽出物(b))とを混合する工程を含んでなり、製造された茶飲料の総ポリフェノール含量が酒石酸鉄吸光光度法による測定で25〜70mg/100mLであり、製造された茶飲料のカテキン含量が40mg/100mL以下であり、かつ、製造された茶飲料のテアフラビン含量が20〜1500μg/100mLである、製造方法。
[7]加熱殺菌工程を含んでなる、上記[6]に記載の製造方法。
本発明によれば、飲み応えを確保しつつ、緑茶系飲料独特の飲み口の引っ掛かりが解消された緑茶系飲料を提供することができる。
発明の具体的説明
本発明の茶飲料は、緑茶抽出物および/または緑茶をベースにしたジャスミン茶抽出物(以下、これらをまとめて「抽出物(a)」または「緑茶系抽出物」ということがある)と紅茶抽出物とを含有する飲料である。
本発明において「緑茶抽出物」とは、緑茶葉を抽出処理に付することにより得られる、抽出物を意味する。本発明に用いられる緑茶抽出物は、緑茶葉からの抽出液それ自体や、その加工品類(例えば、濃縮液体エキス、粉末エキスなど)などが挙げられ、従来、緑茶飲料の製造に用いられている緑茶抽出原料であれば、特に限定されない。緑茶抽出物は、本発明の茶飲料全体の香味設計に合せて適宜選択することができる。
本発明において緑茶とは、原料の茶葉又は茶芽製造の最初の工程で、茶葉又は茶芽を蒸気で蒸すか、釜で煎ることにより、茶葉又は茶芽中の酵素活性を停止させて、発酵させずに作った不発酵茶をいい、発酵茶である紅茶や半発酵茶であるウーロン茶は含まれない。また、本発明における緑茶の種類としては、煎茶、玉露、抹茶、番茶、ほうじ茶、蒸製玉緑茶、釜煎製玉緑茶等を具体的に例示することができる。なお、本発明において緑茶のことを緑茶葉ということもある。
本発明において使用する緑茶の温水抽出液は、上記緑茶葉を適宜の温度の水性媒体(通常温水)にて常法により抽出し(例えば実施例1参照)、遠心分離等の適宜の手段で茶殼等を分離したものでよい。このとき茶葉の種類、抽出液の濃度等は問わず使用することができるが、濃度に関しては濃縮抽出液を得ることが通常である。
本明細書において「ジャスミン茶抽出物」とは、ジャスミン茶葉を抽出処理に付することにより得られる、抽出物を意味する。本発明に用いられるジャスミン茶抽出物は、ジャスミン茶葉からの抽出液それ自体や、その加工品類(例えば、濃縮液体エキス、粉末エキスなど)などが挙げられ、従来、ジャスミン茶飲料の製造に用いられているジャスミン茶抽出原料であれば、特に限定されない。ジャスミン茶抽出物は、本発明の茶飲料全体の香味設計に合せて適宜選択することができる。
ここで、「ジャスミン茶葉」とは、マツリカ(茉莉花)の花の香りを着香させてなるものである。原料茶葉としては、緑茶、ウーロン茶等を選択することができるが、好ましくは、緑茶を原料茶葉とすることができる。
本明細書において「紅茶抽出物」とは、紅茶葉を抽出処理に付することにより得られる、抽出物を意味する。本発明に用いられる紅茶抽出物は、紅茶葉からの抽出液それ自体や、その加工品類(例えば、濃縮液体エキス、粉末エキスなど)などが挙げられ、従来、紅茶飲料の製造に用いられている紅茶抽出原料であれば、特に限定されない。紅茶抽出物は、本発明の茶飲料全体の香味設計に合せて適宜選択することができる。
ここで、「紅茶葉」とは、ツバキ科の常緑樹である茶樹(Camellia sinensis var.)の芽、葉または茎を萎凋させ、揉捻を行い、発酵させた後に乾燥させたものを意味する。
本発明で用いられる紅茶葉は、茶期や、茶葉の形状、産地、品種や種類および等級などは特に限定されず、一般に飲用で市販されている乾燥茶葉を使用することができる。茶葉の種類は、好ましくは、緑茶抽出物との相性が良い点から、スリランカ産茶葉(例えば、ウバ、ディンブラ、キャンディ、ラトナプラ、ギャル、ルフナ)、インド産茶葉(例えば、アッサム、ダージリン、ニルギリ)、ケニア、キーマン、ジャワであり、より好ましくは、ダージリン、ディンブラである。これらは1種類を使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
紅茶葉の抽出処理は、特に限定されず、食品加工分野で一般的に用いられている種々の抽出方法を用いることができ、例えば、溶媒抽出、気流抽出、圧搾抽出などが包含され、必要に応じて、沈殿もしくは濾過などの固液分離、濃縮、遠心分離、乾燥(例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥)または粉末化などの処理をさらに施してもよい。
ここで、溶媒抽出で用いられる抽出溶媒としては、水(例えば、硬水、軟水、イオン交換水、および天然水)が望ましい。抽出溶媒の量は、当業者が適宜選択することができ、特に限定されない。例えば、抽出溶媒が水の場合は、その量は、茶葉の1〜100倍量(質量)である。
抽出温度および時間は、当業者が適宜選択することができ、特に限定されない。例えば、抽出溶媒が水の場合は、その温度および時間は、10〜120℃にて1分〜12時間である。
抽出処理の一例としては、紅茶葉を、水中に、0〜90℃で、1分〜24時間浸漬および撹拌し、その後、茶葉を濾過または遠心分離する方法が挙げられる。ここで、抽出時の温度や時間などの条件は、特に限定されず、茶葉の種類や量によって当業者が任意に選択し、かつ設定することができる。
本発明の茶飲料は、茶飲料の総ポリフェノール含量を25〜70mg/100mLの範囲内とすることができ、好ましくは30〜70mg/100mL、より好ましくは30〜60mg/100mLの範囲内である。
本発明の茶飲料や製造時の茶抽出物中のポリフェノールの含有量は酒石酸鉄吸光光度法に従って測定することができる。酒石酸鉄吸光光度法の測定条件としては、例えば本明細書の実施例に示される測定条件を用いることができる。茶飲料や抽出物中のポリフェノールとしては、例えば、カテキン類、ケルセチン類などを挙げることができ、好ましくはカテキン類である。
本発明の茶飲料はまた、茶飲料のカテキン含量を40mg/100mL以下とすることができ、好ましくは30mg/100mL以下である。飲みやすさの観点から茶飲料のカテキン含量の下限は20mg/100mLとすることができる。ここで、カテキン含量は、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキンガレート(EGCg)、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)の8種類のカテキン類の濃度の合計値とすることができる。
本発明の茶飲料中のカテキン含有量は高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)により測定することができる。高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)の測定条件としては、例えば本明細書の実施例に示される測定条件を用いることができる。
本発明の茶飲料はまた、茶飲料のテアフラビン含量を20〜1500μg/100mLの範囲内とすることができ、好ましくは30〜1000μg/100mLの範囲内であり、より好ましくは30〜500μg/100mLの範囲内である。本発明のテアフラビンは、遊離型のテアフラビン(CAS番号4670-05-7)を示す。
本発明の茶飲料中のテアフラビン含有量は高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)により測定することができる。高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)の測定条件としては、例えば本明細書の実施例に示される測定条件を用いることができる。
本発明の茶飲料は、配合成分として甘味成分および/または乳成分を含有しない場合に特にその効果を発揮する。すなわち、甘味成分や乳成分が配合されていないと飲みごたえや緑茶系飲料独特の飲み口の引っ掛かりの課題が顕著となるが、このような茶飲料では、飲み応えを確保しつつ、緑茶系飲料独特の飲み口の引っ掛かりを解消するという本発明の効果が有効に発揮される。ここで、「甘味成分」とは、甘味を呈する成分であり、糖類(単糖、二糖、三糖等)、糖アルコール(キシリトール、エリスリトール等)、高甘味度甘味料(アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ステビア抽出物、ネオテーム、ソーマチン等)が挙げられる。また、「乳成分」とは、牛乳、脱脂乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリーム等が挙げられる。
本発明の茶飲料は抽出物(a)としてジャスミン茶抽出物および緑茶抽出物の両方あるいはいずれかを含有するものである。本発明の茶飲料の好ましい態様としては、抽出物(a)がジャスミン茶抽出物からなるものが挙げられる。本発明の茶飲料はまた、香立ちや成分調整の観点から、茶抽出液としてジャスミン茶抽出物および/または緑茶抽出物と、紅茶抽出物のみを含有するものが好ましい。本発明の茶飲料の好ましい態様においてはまた、ジャスミン茶が緑茶に着香させてなるもの、すなわち、原料茶葉が緑茶であるものが挙げられる。
本発明の茶飲料はジャスミン茶特有の香りを有する。ジャスミン茶特有の香り成分としてはベンジルアルコールとメチルアンスラニレイトが代表成分である。本発明の茶飲料は、飲料中のベンジルアルコール濃度を120ppb以上にすることができ、好ましくは120〜1000ppbの範囲であり、より好ましくは150〜600ppbの範囲である。また、本発明の茶飲料は、飲料中のメチルアンスラニレイト濃度を15ppb以上にすることができ、好ましくは15〜7000ppbの範囲であり、より好ましくは100〜3000ppbの範囲である。本発明の茶飲料中のこれら香り成分の含有量はガスクロマトグラフィー法により測定することができる。なお、ジャスミン茶特有の香りは香料により付与することができる。
本発明の茶飲料では、香料以外に、通常の飲料の処方設計に用いられている飲料用添加剤、例えば、着色料、増粘剤、安定剤、酸化防止剤、苦味料、酸味料、乳化剤、強化剤、食物繊維、製造用剤、香料などを添加してもよい。
本発明の茶飲料は、容器詰め飲料の形態で提供することができる。容器詰め飲料の容器とは、内容物と外気との接触を断つことができる密閉容器を意味し、例えば、PETボトルや瓶等の透明容器や、缶や製紙容器等の不透明容器が挙げられる。
本発明の茶飲料は、加熱殺菌処理後の飲料を容器に充填することで容器詰め飲料の形態で提供することができる。このようにして提供される本発明の飲料は、意外にも、ジャスミンの香り立ちに浮いた感覚がなく、茶の渋味などの味わいとジャスミン茶の香りが一体となって感じられる点で有利である。
本発明の茶飲料の製造は、抽出物(a)と抽出物(b)を混合する点を除いては、茶飲料の製造に用いられる通常の方法に従って実施することができる。例えば、ジャスミン茶抽出液および/または緑茶抽出液と、紅茶抽出物とをそれぞれ準備し、所定のポリフェノール含量、カテキン含量およびテアフラビン含量となるようにこれらを調合し、茶飲料の混合液を得ることができる。本発明の茶飲料の製造においては、通常の飲料の処方設計に用いられている飲料用添加剤を添加してもよく、これら添加剤の添加時期は特に制限されない。
本発明により提供される飲料は、上記調合工程に加え、充填工程、殺菌工程などの工程を経て容器詰め飲料として提供することができる。例えば、上記調合工程で得られた飲料を常法に従って殺菌し、容器に充填することができる。殺菌は容器への充填前であっても充填後であってもよい。
本発明の茶飲料の製造において殺菌処理を行う場合、食品分野で一般的に用いられている種々の殺菌方法を用いることができ、典型的には加熱殺菌法を用いることができる。使用できる殺菌方法としては、例えば、レトルト殺菌、UHT殺菌、低温殺菌、HTST殺菌などが挙げられる。これらの加熱殺菌方法は茶飲料の製造に通常用いられている条件で実施することができる。
以下の例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1:ジャスミン茶および/または緑茶と紅茶とを配合した飲料の調製とその官能評価
(1)分析方法
本実施例において、総ポリフェノール量、茶カテキン濃度およびテアフラビン濃度を以下の方法に従って測定した。
(i)総ポリフェノール量の測定
総ポリフェノール量は、酒石酸鉄吸光光度法に準じ測定を行った。具体的には、総ポリフェノール量は、日本食品分析センター編、「五訂 日本食品標準成分分析マニュアルの解説」、中央法規、2001年7月、p.252に記載の公定法(酒石酸鉄法)に従って測定を行った。
(ii)茶カテキン濃度の測定
茶カテキン濃度は、試料溶液(サンプル飲料)をメンブレンフィルター(Millex−LG、0.2μm、日本ミリポア社製)で濾過した後、表1に示す条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に供して測定した。
なお、ここでいう茶カテキン濃度とは、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキンガレート(EGCg)、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)の8種類のカテキン類の濃度の合計値とした。
Figure 0006768338
(iii)テアフラビン濃度の測定
テアフラビン濃度は、試料溶液(サンプル飲料)をメンブレンフィルター(Millex−LG、0.2μm、日本ミリポア社製)で濾過した後、表2に示す条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に供して測定した。標準品(テアフラビン、長良サイエンス社製)で検量線を作成し、テアフラビン濃度を算出した。
Figure 0006768338
各サンプル飲料の総ポリフェノール量、茶カテキン濃度およびテアフラビン濃度はそれぞれ表3に示す。
(2)サンプル飲料の調製
(i)茶葉抽出液の調製
[ジャスミン茶抽出液]
ジャスミン茶葉100gに70℃に加熱したお湯3000gを加えて、10分間抽出した。その後、抽出した抽出液から茶葉を取り除き、20℃以下に冷却し、ジャスミン茶抽出液を得た。得られたジャスミン茶抽出液の総ポリフェノール量は、66mg/100mLであった。
[緑茶抽出液]
緑茶葉100gに70℃に加熱したお湯3000gを加えて、10分間抽出した。その後、抽出した抽出液から茶葉を取り除き、20℃以下に冷却し、緑茶抽出液を得た。得られた緑茶抽出液の総ポリフェノール量は、61mg/100mLであった。
[紅茶抽出液]
紅茶葉(ダージリン茶葉またはディンブラ茶葉)100gに80℃に加熱したお湯3000gを加えて、10分間抽出した。その後、抽出した抽出液から茶葉を取り除き、20℃以下に冷却し、ダージリン抽出液、ディンブラ抽出液をそれぞれ得た。得られた紅茶抽出液の総ポリフェノール量は、ダージリン抽出液が72mg/100mL、ディンブラ抽出液が61mg/100mLであった。
[ウーロン茶抽出液]
ウーロン茶葉100gに90℃に加熱したお湯3000gを加えて、10分間抽出した。その後、抽出した抽出液から茶葉を取り除き、20℃以下に冷却し、ウーロン茶抽出液を得た。得られたウーロン茶抽出液の総ポリフェノール量は、37mg/100mLであった。
(ii)容器詰め茶飲料の作製
(i)で得られた各抽出液が表3に示す総ポリフェノール量を提供するように各抽出液を混合し、必要に応じて水で希釈した。得られた混合液に、さらにL−アスコルビン酸、炭酸水素ナトリウムおよびジャスミン香料を添加した(ジャスミン香料は、最終製品中、ベンジルアルコールが120ppb以上、メチルアンスラニレイトが15ppb以上となるように添加)。例えば、実施例1の飲料サンプル100mLを調製する場合、ジャスミン茶由来の総ポリフェノール量、緑茶由来の総ポリフェノール量、ディンブラ由来の総ポリフェノール量がそれぞれ10mg/100mL、11mg/100mL、4mg/100mLとなるようにジャスミン茶抽出液、緑茶抽出液、ディンブラ紅茶抽出液を測り取って混合し、さらにL−アスコルビン酸、炭酸水素ナトリウムおよびジャスミン香料を添加してから、液量が100mLとなるように水を添加して調製することができる。これらをUHT殺菌した後、PETボトルに充填し、容器詰め茶飲料を作製し、サンプル飲料(比較例1〜7および実施例1〜15)とした。なお、ジャスミン茶抽出液に加えて緑茶抽出液が配合されたサンプル飲料は緑茶由来の成分が多く含まれ、手淹れした濃いジャスミン茶に相当すると考えられる。
(3)サンプル飲料の官能評価
各サンプル飲料を官能評価に供した。官能評価は訓練されたパネリスト8名により実施した。
具体的には、香味評価として「飲み口の引っ掛かり」および「全体の濃さ」について、良い(5点)から悪い(1点)の5段階で評価し、パネリスト8名の平均点が0.5点未満のものを「0」、0.5〜1.5点未満を「1」、1.5〜2.5未満を「2」、2.5点以上を「3」として点数化し、以下のように判断した。
[飲み口の引っ掛かり]
0:塩味があり、飲み口に引っ掛かりがある
1:やや飲み口に引っ掛かりがある
2:飲み口に引っ掛かりがほとんどない
3:飲み口に引っ掛かりがまったくない
[全体の濃さ]
0:非常に薄くて飲みごたえが無い
1:薄くて飲みごたえが無い
2:飲みごたえがある
3:濃くて飲みごたえがある
また、総合評価として、香味評価で得られた点数に「0」または「1」があるサンプル飲料については「×」、それ以外を「○」として評価し、「○」の中でも官能評価コメントでネガティブなコメントが上がったサンプル飲料については「△」とした。
なお、飲み口の評価に冷たさが影響しないようにサンプル飲料は室温にて評価した。
官能評価の結果を表3に示す。
Figure 0006768338
Figure 0006768338
Figure 0006768338
表3の結果から、緑茶(ジャスミン茶を含む)に紅茶を配合し、総ポリフェノール濃度が25〜70mg/100mL、茶カテキン濃度が40mg/100mL以下、かつ、テアフラビン濃度が20〜1500μg/100mLとなるように調整された茶飲料は、容器詰め飲料においても、濃くて飲み応えがありながら、飲み口の引っ掛かりが解消されることが分かった。
以上の結果から、緑茶(ジャスミン茶を含む)に紅茶を一定量配合することにより、濃くて飲み応えがありながら、飲み口の引っ掛かりがない容器詰め茶飲料を製造できることが示された。

Claims (7)

  1. ジャスミン茶抽出物および/または緑茶抽出物(抽出物(a))と、紅茶抽出物(抽出物(b))とを含有してなる容器詰め茶飲料であって、茶飲料の総ポリフェノール含量が酒石酸鉄吸光光度法による測定で25〜70mg/100mLであり、茶飲料のカテキン含量が40mg/100mL以下であり、かつ、茶飲料のテアフラビン含量が20〜1500μg/100mLである、茶飲料。
  2. 抽出物(a)が、ジャスミン茶抽出物からなる、請求項1に記載の茶飲料。
  3. ジャスミン茶が、原料茶葉が緑茶であるものである、請求項1または2に記載の茶飲料。
  4. 配合成分として甘味成分および/または乳成分を含有しない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の茶飲料。
  5. ベンジルアルコール濃度が120ppb以上および/またはメチルアンスラニレイト濃度が15ppb以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の茶飲料。
  6. 容器詰め茶飲料の製造方法であって、ジャスミン茶抽出物および/または緑茶抽出物(抽出物(a))と、紅茶抽出物(抽出物(b))とを混合する工程を含んでなり、製造された茶飲料の総ポリフェノール含量が酒石酸鉄吸光光度法による測定で25〜70mg/100mLであり、製造された茶飲料のカテキン含量が40mg/100mL以下であり、かつ、製造された茶飲料のテアフラビン含量が20〜1500μg/100mLである、製造方法。
  7. 加熱殺菌工程を含んでなる、請求項6に記載の製造方法。
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