JP4002290B2 - 飲料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は苦味、渋味等の呈味を改善し、オリ、クリームダウンの発生を抑制した飲料の製造方法に関する。
茶に含まれるカテキン類は抗酸化作用、血中コレステロール抑制作用、血圧低下作用、血糖値上昇抑制作用など多くの保健効果を有することが報告されている。カテキン類には、エステル型である(−)-エピガロカテキンガレート;EGCg、(−)-ガロカテキンガレート;GCg、(−)-エピカテキンガレート;ECg、(−)-カテキンガレート;Cg、及び遊離型である(−)-エピガロカテキン;EGC、(−)-ガロカテキン;GC、(−)-エピカテキン;EC、(−)-カテキン;C、(+)-カテキン;(+)Cが該当する。
他方、茶系飲料(本発明では、茶葉抽出成分を含有する飲料の総称として茶系飲料という)の呈味に関与する成分としてはメチルキサンチン類、特にカフェインが挙げられる。カフェインは苦味・エグ味に関与すると考えられており、高用量のカフェインは刺激の強いものとなってしまう。カテキン類の保健機能を目的に高用量摂取する場合、この茶由来のカフェインが同時に高濃度含まれることになる。高濃度含有するカフェインは、副作用、嗜好における苦味・エグ味の観点から好感を得られない。
近年では、カテキン類の機能性を期待して、より積極的にカテキン類を摂取することに注目が集まっており、カテキン類とカフェインの組み合わせを検討することにより、カフェインを低減した茶系飲料が開示されている。
特許文献1には、カテキン類1質量部に対して、カフェインを0.1質量部以下の量で含有し、サイクロデキストリン、好ましくはβ-サイクロデキストリンを0.1〜20.0質量部、好ましくは0.1〜10.0質量部の量で含有している飲食物が開示されている。
特許文献2には、(a)水少なくとも80質量%、(b)カテキン、カテキン誘導体、エピカテキン、エピカテキン誘導体及びそれらの混合物からなる群より選択されるフラバノール類少なくとも0.05質量%、(c)フルーツフレーバー、植物フレーバー及びそれらの混合物からなる群より選択されるフレーバー物質少なくとも0.2質量%、及び(d)カフェイン0.002〜1.0質量%(但し、カフェイン対フラバノール類の比率は1:1〜1:30である)を含むことを特徴とする飲料が開示されている。
特許文献3には、緑茶抽出物であって、1%可溶性固形物をベースとして、a.700ないし5000ダルトンのカットオフ公称分子量を有するポリマーから作られる微小濾過膜に対応する分子量範囲を有するカテキンの混合物であって、(1)少なくとも130ppmのエピカテキン、(2)少なくとも300ppmのエピガロカテキン、(3)少なくとも350ppmのエピガロカテキンガレート、および(4)少なくとも60ppmのエピカテキンガレートを含有する該カテキン混合物と、b.少なくとも50ppmのテアニンと、c.各々が10ppm以下のカルシウム、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、亜鉛、および鉄イオンと、d.600nmで測定したときに0.06以下の吸光度と、を有し、少なくとも450ppmのカフェインをさらに含むことを特徴とする緑茶抽出物、が開示されている。
特許文献4には、(A)非重合体カテキン類320mg/500mL〜1300mg/500mL、(B)カフェインを含有し、(C)非重合体カテキン類中の非エピ体カテキン類含有率が40〜80質量%であり、(D)非重合体カテキン類とカフェインの質量比が5〜8であり、(E)非重合体カテキン類と総ポリフェノールの質量比が0.88〜1.0であり、かつ(F)濁度が0.7以下である、非重合体カテキン類類を高濃度に含有し、かつ苦味やエグ味等が低下し、風味の改善された容器詰茶系飲料が開示されている。
特許文献5には、カフェイン含有カテキン類組成物を、有機溶媒と水の質量比が9/1〜1/9の混合溶液に溶解させ、活性炭と接触させることを特徴とする、カフェイン含有カテキン類組成物から選択的にカフェインを除去する方法が開示されている。
特許文献6には、非重合体カテキン類(A)とカフェイン(B)の含有質量比[(A)/(B)]が0.3以上である非重合体カテキン類(A)及びカフェイン(B)を含有する血中総ケトン体濃度上昇剤が開示されている。
特許文献7には、0.2質量%以下のカフェインを含有するカメリアシネンシス(茶)のポリフェノール画分を抽出する方法で得られる、エピガロカテキン−3−O−ガレート50〜65%、エピカテキン−3−O−ガレート13〜20%、エピカテキン2〜4%、及びエピガロカテキン1.5〜3%、並びに0.2%以下のカフェインを含有する、カメリアシネンシスのポリフェノール画分が開示されている。
特許第3259758号公報(特開平10−004919号公報) 特許第3162359号公報(特開平3−164136号公報) 特許第3507433号公報(特開2001−197863号公報) 特開2004−129669号公報 特開2004−180535号公報 特開2004−35417号公報 特開2002−187848号公報
本発明の目的は、生体機能性の高いカテキンを高濃度に維持しつつ、風味や品質上の改善した飲料を提供することにある。
本発明は、不発酵茶、半発酵茶又は発酵茶の茶葉を40〜100℃の水乃至熱湯で抽出し、得られた抽出液からエステル型カテキン及び遊離型カテキンを50乃至100質量%除去し、茶抽出物を添加することにより、エステル型カテキン量と遊離型カテキン量の比率を調整することを特徴とする飲料の製造方法を提供する。
かかる製造方法によれば、例えば次の飲料を製造することができる。
すなわち、(A)エステル型カテキン、(B)遊離型カテキン及び(C)カフェインを含有する飲料であり、それらの含有量が
(イ) (A)+(B)= 500〜6000 mg/L
(ロ) (A)/[(A)+(B)]= 0.7〜1.0
(ハ) (A)/(C)= 6〜27
である飲料。
カテキン類は茶系飲料の呈味を構成する主要な成分であり、中でも遊離型カテキンが茶系飲料の渋味へ寄与していると考えられる。
また、エステル型カテキン(EGCg、GCg、ECg、Cg)は、遊離型カテキン(EGC、GC、EC、C、(+)C)と比較して他の成分との反応性が強く、このことが保健機能に有意性が認められる。
一般に、茶抽出物中に含まれるエステル型カテキン量は、エステル型カテキン及び遊離型カテキンの合計量に対して50%程度である。
本発明は、カテキン含量を多くする一方、(A)エステル型カテキンの比率を所定の範囲で高め、かつ、(C)カフェインと(A)エステル型カテキンとの比率を調整することで、茶本来の風味を有し、渋味・苦味・エグ味を低減し、かつエステル型カテキンを選択的・効率的に摂取することができる飲料を提供できる。また、いわゆるオリ・クリームダウンが抑えられ、茶系飲料として好適な飲料を提供することができる。
以下に本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(飲料)
本実施形態に係る飲料(「本飲料」という)は、(A)エステル型カテキン、(B)遊離型カテキン及び(C)カフェインを含有する飲料であり、それらの含有量が、
(イ) (A)+(B)= 500〜6000 mg/L
(ロ) (A)/[(A)+(B)]= 0.7〜1.0
(ハ) (A)/(C)= 6〜27
であることを特徴とする。
本飲料で設定するエステル型カテキン量(A)は、EGCg、GCg、ECg、Cgの合計量を意味し、遊離型カテキン量(B)はEGC、GC、EC、C、(+)Cの合計量を意味する。これらエステル型カテキン量及び遊離型カテキン量は、それぞれ紫外部波長で検出する高速液体クロマトグラフィーを用いた方法によって測定・定量される。また、カフェイン量(C)もエステル型カテキンと遊離型カテキンと同じ測定法で同時定量が可能である。
(要件(イ))
本飲料中において、(A)エステル型カテキン量は、350mg/L以上であれば好ましく、500mg/L以上であれば特に好ましい。また、6000mg/L以下であれば好ましく、3000mg/L以下であればより好ましく、2000mg/L以下であれば特に好ましく、中でも1500mg/L以下であれば殊更好ましい。
また、本飲料中において、(A)エステル型カテキン及び(B)遊離型カテキンの合計量は、500mg/L以上であればよく、700mg/L以上含有するとより好ましい。また、6000mg/L以下であればよく、3000mg/L以下であれば好ましく、2800mg/L以下であればより好ましい。
(要件(ロ))
また、(A)エステル型カテキン及び(B)遊離型カテキンの合計量に対する(A)エステル型カテキン量の比率、すなわち(A)/[(A)+(B)]は、0.7以上であればよく、好ましくは0.75以上、さらに好ましくは0.8以上であればよい。また、1.0以下であればよい。
以上のように、(A)+(B)が500〜6000mg/L、かつ(A)/[(A)+(B)]が0.7〜1.0であれば、生体機能性が強いカテキンを容易に摂取することができ、過度な渋味を抑える飲料を得ることが可能である。
(要件(ハ))
また、(C)カフェイン量に対する(A)エステル型カテキン量の比率、すなわち(A)/(C)は、6以上であればよく、7以上であれば好ましい。また、27以下であればよく、26.6以下であれば好ましく、20以下であればさらに好ましく、中でも15以下であれば特に好ましい。(A)/(C)が6〜27であれば、カフェインに由来する苦味・エグ味の低減が図られ、さらにはオリ、クリームダウンの発生を抑制し、外見上の品質も好感を得ることができる。
(飲料の製造)
本発明の飲料の製造に関しては、エステル型カテキン及び遊離型カテキンの合計量(イ)及び質量比(ロ)、さらにはエステル型カテキンとカフェインとの質量比(ハ)は、水に、(A)エステル型カテキン、(B)遊離型カテキン、(C)カフェインそれぞれ所定濃度になるように溶解させ調整してもよく、特に茶系飲料の場合、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶あるいはそれらをブレンドしたものを水乃至熱湯で抽出し、その後、茶抽出物を混合してエステル型カテキン及び遊離型カテキンの量を調整すると、自然な茶の香りを引き出せることからより好ましい。
また、不発酵茶、半発酵茶又は発酵茶の茶葉を40〜100℃の水乃至熱湯で抽出し、得られた抽出液からエステル型カテキン及び遊離型カテキンを50乃至100質量%を除去した後、茶抽出物を添加することにより、エステル型カテキン量と遊離型カテキン量の比率を調整して本発明の飲料を製造するようにしても好ましい。
以下に該飲料の製造について詳しく説明する。
原料として用いる茶葉としては、不発酵茶として煎茶、番茶、玉露、釜煎り茶、てん茶などの緑茶類、半発酵茶として鉄観音、黄金桂、水仙などのウーロン茶類、発酵茶としてダージリン、ウバなどの紅茶類、或いはこれらの2種類以上をブレンドしたものが挙げられる。不発酵茶、半発酵茶、発酵茶あるいはそれらをブレンドした茶の抽出は、水、温水又は熱水、中でも40〜100℃の温熱水が好ましく、特に60〜100℃の熱水がより好ましい。
(飲料製造におけるエステル型カテキン及び遊離型カテキンの除去)
次に、上記の如く得た茶抽出液から、エステル型カテキン及び遊離型カテキンの一部乃至すべてを、好ましくは50%〜100%、さらに好ましくは70%〜100%を一旦除去し、エステル型カテキン及び遊離型カテキンの一部乃至すべてを除去した中間体を得るとよい。
エステル型カテキン及び遊離型カテキンの除去方法としては、茶抽出液を、合成吸着樹脂等による樹脂吸着や限外ろ過膜や逆浸透膜による膜分離、ゲルろ過クロマトグラフィー法、溶媒抽出法といった処理工程を用いることができる。
中でも、合成吸着樹脂であるPVPPを用いた樹脂吸着は、選択的にエステル型カテキン及び遊離型カテキンを吸着することができるため、エステル型カテキン及び遊離型カテキンの除去方法として好適である。さらに、本出願人による発明(特許3315304号公報)である、不発酵茶、半発酵茶又は発酵茶の茶葉を水乃至熱湯で抽出する途中でPVPPを添加するエステル型カテキン及び遊離型カテキンの除去方法は特に好適である。この際に、合成吸着樹脂であるPVPP量は、処理工程に供する茶抽出物の量や濃度によって適宜選択することができる。
(飲料製造におけるカテキン量の調整)
次に、上記の如く、エステル型カテキン及び遊離型カテキンの一部乃至すべてを除去した中間体に茶抽出物を添加することにより、エステル型カテキン量と遊離型カテキン量の比率を調整する。
ここでいう茶抽出物としては、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶の茶葉を水乃至熱湯あるいは水溶性有機溶媒で抽出し、さらに所定の精製を行って濃縮したものであり、エステル型カテキン及び遊離型カテキンの合計量に対するエステル型カテキン量の比率が0.7以上であるのが好ましく、0.8以上であればより好ましく、エステル型カテキン及び遊離型カテキンの合計量に対するエステル型カテキン量が0.7〜1.0である飲料を製造することができる。
さらに、市販されている茶抽出物の濃縮物も利用が可能であり、例えば、テアフラン30E、テアフラン30A、テアフランW、テアフラン90S(いずれも(株)伊藤園製)、サンフラボンHG(太陽化学(株))ポリフェノン70A、ポリフェノンE(三井農林(株))、テアカロン90S((株)常盤植物化学研究所)、CTP−95(シティメックス社)、グリーンセレクト(インディナ社)、ティーフレッシュ80S(日本葉緑素(株))、TEAVIGO(DMS社)等を用いることができる。
特に、テアフラン90Sであれば、(エステル型カテキン及び遊離型カテキンの合計量に対するエステル型カテキン量が0.99であるから、本発明の飲料含まれるエステル型カテキン及び遊離型カテキンの合計量に対するエステル型カテキン量を高めるためには好適である。
尚、茶抽出物を添加する際に、又は、茶抽出物を添加する替わりに、精製した各カテキン類、特にエステル型カテキンEGCg、GCg、ECg、Cgの一種類以上を添加して、エステル型カテキン量及び遊離型カテキン量の比率を調整することもできる。また、水乃至熱湯を加え希釈することもできる。
以上のように、不発酵茶、半発酵茶又は発酵茶の茶葉を水乃至熱湯で抽出し、得られた抽出液からエステル型カテキン及び遊離型カテキンを50乃至100%を除去した後得られる中間体に、所定組成の茶抽出物を添加することによって、エステル型カテキンと遊離型カテキンとの合計量(イ)及び質量比(ロ)、さらにはエステル型カテキンとカフェインとの質量比(ハ)といったカテキン量やカフェイン量、特にエステル型カテキン量を調節しやすくなる。
さらに、このように調整された飲料は、自然な茶の香りを有しつつ、生体機能性が強いカテキン、特にエステル型カテキンを選択的・効率的に摂取でき、過度な渋味を抑えた飲料である。
(他の配合物)
本発明の飲料には、酸化防止剤、乳化剤、保存料、pH調整剤、香料、調味料、甘味料、酸味料、品質安定剤等の添加剤を単独、あるいは併用して配合しても良い。例えば、酸化防止剤としてはビタミンC、ビタミンE、システインなどを用いることができ、特にビタミンCを0.005〜0.05質量%含有するのがよい。また、例えば甘味料としてはぶどう糖、果糖、異性化液糖、フラクトオリゴ糖、乳化オリゴ糖、大豆オリゴ糖、サイクロデキストリン、アスパルテーム、ラカンカエキスなどを用いることができ、特にサイクロデキストリンを0.05〜1.5質量%含有するのがよい。これらの添加物を単独、あるいは併用して配合することにより、さらに好適な飲料を提供することができる。また、適宜水で希釈し、カテキンやカフェイン、諸配合物が飲用濃度となるように濃度調整することもできる。
(飲料製造における中間体及びその利用)
上述したように、茶抽出液から、エステル型カテキン及び遊離型カテキンの一部乃至すべてを除去した後に得られる本発明の飲料製造における中間体は、茶抽出液が本来有する呈味成分(テアニン、各種アミノ酸類、有機酸類等)、香気成分(各種エステル類、テルペン類、アルコール類、アルデヒド類等)、色素(クロロフィル、カロテノイド類)、糖類(各種単糖類、オリゴ糖、多糖類、水溶性高分子等)を十分に残している。従って、本発明の飲料製造における中間体は、茶抽出液が本来有する風味や呈味を有し、かつカテキン由来の渋味を低減した呈味付与組成物として、利用することができる。
また、該中間体は、適宜水乃至熱水を用いて希釈することができる。また、濃縮や溶媒を完全に除去して固形とすることもできる。希釈、濃縮又は固形とした該中間体は、呈味成分を始めとした各成分の濃度を調節することができるため、本発明の飲料製造における中間体として好適に利用することができ、さらには呈味付与組成物としても好適に利用することができる。
以下に本発明の実施例を示すが、特許請求の範囲が実施例に限定されるものではない。
(エステル型カテキン、遊離型カテキン及びカフェインの測定)
内径4.6mm、長さ250mmのカラム(J'sphere ODS−H80、ワイエムシー株式会社)を装着したWaters社製高速液体クロマトグラフィー装置を用い、カラム温度40℃で、移動相A液:5%アセトニトリル(0.1%リン酸を含有)と移動相B液:50%アセトニトリル(0.1%リン酸を含有)によるグラジェント溶出(流速1.0ml/min)にて分離し、予め作成した検量線を用いて定量した。加熱殺菌を行った直後の飲料からサンプリングした試料を0.45μmのフィルターに供した後、そのろ液10μLを高速液体クロマトグラフに注入した。検出波長はUV230nmに設定した。
(パネラー試験)
飲料の呈味の総合評価に関してパネラー4名を用いて行った。飲料の一部を口に含み、苦味・エグ味の程度をvisual analog scale法(数値が高いほど程度が強い。)により記載させた。また、オリ、クリームダウンの発生および呈味のバランスからみた茶系飲料としての適正度(適正度>5であれば、茶系飲料として適する)についても同様に行った。
(オリ、クリームダウン発生の評価)
オリ、クリームダウン発生を目視で評価した。
(実施例1)
湯(70℃)60mLに1.5gの日本産緑茶葉を加え、5分間攪拌抽出して緑茶抽出液を得、さらに合成吸着樹脂(PVPP)1gを投入し、10分間攪拌した後、ろ過により該茶葉、該合成吸着樹脂とともに吸着したエステル型カテキン及び遊離型カテキンを除去した。この抽出液に環状オリゴ糖(日本食品加工(株)製)0.5g、茶抽出物(テアフラン90S:(株)伊藤園製、組成は表1を参照)0.345g及びビタミンC適量を加え、炭酸水素ナトリウムでpHを調整した後、純水を加え全量250mlとした。この液を微細ろ過、さらに加熱殺菌(135℃、30秒)を行い、飲料1を調製した。また、この飲料1を紙容器250mLに充填した。該紙容器詰飲料を常温で一年間保存した。飲料を評価する直前に、容器を開封し透明瓶容器に移し替えた。
Figure 0004002290
(実施例2)
環状オリゴ糖(日本食品加工(株)製)2.5g加えた以外は、実施例1同様に、飲料2を調製した。この飲料2を紙容器250mlに充填した。
(実施例3)
茶抽出物(テアフラン90S:(株)伊藤園製)を1.035g加えた以外は、実施例1同様に、飲料3を調製した。この飲料3を紙容器250mlに充填した。
表2に、実施例1〜3の飲料に関する、(A)エステル型カテキン濃度(mg/L)、(B)遊離型カテキン濃度(mg/L)、(C)カフェイン濃度(mg/L)、長期保存後の各飲料のパネラー試験結果及び目視評価結果を示す。飲料1〜3は、すべて苦味・エグ味が認められず、かつ茶系飲料として好適な飲料であった。また、長期保存によるオリ、クリームダウン発生は目視によって認められなかった。
(比較例1)
60℃の温水1Lに10gの緑茶葉(深蒸し茶、中国産)を加え、10分間攪拌抽出した。抽出後茶葉を取り除き、茶抽出液を25℃以下まで冷却し、ナイロン濾布で全量濾過した。その後190gの缶容器に充填し、加熱殺菌(120℃、10分間)し、飲料(比較−1)を調製した。該缶容器詰飲料を常温で一年間保存した。飲料を評価する直前に、容器を開封し透明瓶容器に移し替えた。
(比較例2)
10gの緑茶葉(深蒸し茶、中国産)を加えた代わりに、10gの緑茶葉(かぶせ茶、中国産)を加えた以外は、比較例1と同様に飲料(比較−2)を調製した。
(比較例3)
10gの緑茶葉(深蒸し茶、中国産)を加えた代わりに、40gの緑茶葉(煎茶、日本産)を加えた以外は、比較例1と同様に飲料(比較−3)を調製した。
(比較例4)
1年間常温保存した飲料3の内容物を透明瓶容器に移し変え、さらにカフェイン濃度が2000mg/Lとなるように市販のカフェイン(和光純薬(株)製)を添加して飲料(比較−4)を調製した。冷蔵にて一晩放置し、翌日、室温に戻した後、パネラー試験結果及び目視評価を行った。
表2に、比較例1〜4の飲料に関する、(A)エステル型カテキン濃度(mg/L)、(B)遊離型カテキン濃度(mg/L)、(C)カフェイン濃度(mg/L)、各飲料のパネラー試験結果及び目視評価結果を示す。比較−1〜比較−4は、苦味・エグ味が大いに認められ、茶系飲料としては不適な飲料であった。また、長期保存や高カフェイン比率の影響により、オリ、クリームダウン発生が目視によって顕著に認められた。
なお、クリームダウンは冷却すると生成しやすいため、比較例4においては、長期保存後の飲料3にカフェインを所定量添加し飲料(比較−4)を調製した後、冷蔵にて保存し、翌日飲料(比較−4)を室温に戻したうえでパネラー試験及び目視評価を行った。
Figure 0004002290

Claims (2)

  1. 不発酵茶、半発酵茶又は発酵茶の茶葉を40〜100℃の水乃至熱湯で抽出し、抽出液からエステル型カテキン及び遊離型カテキンを50乃至100質量%除去し、茶抽出物を添加することにより、エステル型カテキン及び遊離型カテキンの合計量に対するエステル型カテキン量が0.7〜1.0である飲料を得ることを特徴とする飲料の製造方法。
  2. 不発酵茶、半発酵茶又は発酵茶の茶葉を40〜100℃の水乃至熱湯で抽出し、抽出液からエステル型カテキン及び遊離型カテキンを50乃至100質量%除去し、エステル型カテキン及び遊離型カテキンの合計量に対するエステル型カテキン量が0.7以上である茶抽出物を添加することにより、エステル型カテキン及び遊離型カテキンの合計量に対するエステル型カテキン量が0.7〜1.0である飲料を得ることを特徴とする飲料の製造方法。

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