JP2013009670A - 緑茶飲料 - Google Patents

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泰治 松川
Akinobu Kuzumi
明宣 來住
Yasuhiro Shinke
康弘 新家
Takeki Matsui
雄毅 松居
Yasumasa Yamada
泰正 山田
Ichiro Yamada
一郎 山田
Tatsuya Sawamura
達也 沢村
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Abstract

【課題】ECgおよびCgを高含有しながら渋味や苦味を極力抑えた緑茶飲料およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】(A)エピカテキンガレート、(B)エピガロカテキンガレート、(C)カテキンガレートおよび(D)ガロカテキンガレートを含有し、前記4成分の含有量について、(A)/(B)(重量比)が0.7以上、且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.6以上であり、非重合型カテキン類の総量が300〜1100mg/500mLであることを特徴とする緑茶飲料。
【選択図】なし

Description

本発明は、カメリア属である茶由来のLOX−1(レクチン様酸化低密度リポ蛋白質受容体)アンタゴニストであるエピカテキンガレート(ECg)およびカテキンガレート(Cg)の含有率を高めた、風味の良好な緑茶飲料に関するものである。
緑茶は、日本では抹茶、煎茶などの飲料として、また、中国などでもジャスミン茶などの飲料としてよく飲まれてきたが、近年では、健康志向の高まりから、日本や中国だけでなく、欧米や他のアジア諸国でも緑茶ブームが起きている。
前記緑茶が人の健康に好適な影響を与える点については、例えば、心血管病リスクを低減させる可能性があることが従来から広く言われている。これは欧米諸国と比較して、日本人は喫煙率が高いにも関わらず、冠動脈疾患が少ないといった疫学データや、緑茶の抗動脈硬化を検証するヒト試験(例えば、非特許文献1)、あるいは多岐に渡る生体外(in vitro)の試験などから示唆されている。
緑茶飲料中には様々な成分が含まれるが、緑茶に特有の有効成分としてはカテキン類が知られている。これは、緑茶の原料であるカメリア属(Camellia属)の葉には、他の植物に比べカテキン類が比較的大量に含有されることによる。前記カメリア属の茶葉由来のカテキン類として、エピカテキン(EC)、エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキン(EGC)、エピガロカテキンガレート(EGCg)、カテキン(C)などのフラバン−3−オール類を始め、実に70種類程度のカテキン類が単離され、構造が明らかにされている。
また、これらのカテキン類については、コレステロール上昇抑制作用(特許文献1)やアミラーゼ活性阻害作用(特許文献2)などを始め多くの薬理活性が知られている。カテキン類の血管系機能改善についても多く報告されており、CやECによる血管系機能改善効果(特許文献3)、血清コレステロール値を低下させる効果(特許文献4〜7)が例示される。
しかしながら、上記の多く作用についてはその作用機序が明らかでないことから、多くのカテキン類の中で有用性を比較することは困難であり、所望の作用を発現するのに必要なカテキン類の最適な配合比を設計できないという根本的な課題が潜在している。
例えば、上記のように緑茶に抗動脈硬化作用があることは知られているが、その機序は、今なお十分には解明されてはいない。カテキンを用いた多くの試験から、その効能は緑茶中に多く含有されるカテキン類の効果であることが明らかにされており、EGCgなどの一部のカテキン類については若干検討されている例があるものの、その他多くの個々のカテキン成分の効果の差異については、詳細に検討されていないのが現状である。
また、ガレート型カテキン類が特に腸管でのコレステロール吸収阻害活性が高いという報告があり、この理論からの商品設計がなされている例があるが、そもそも、人を含む動物は自身にコレステロール合成経路を持ち合わせる中、腸管でのコレステロールの吸収を阻害することでの動脈硬化抑制効果は非常に限定的であると推測される。加えて、近年、血中コレステロール値と動脈硬化の因果関係について、日本脂質栄養学会が従来の見解と異なった新たなガイドラインを発表するなど(非特許文献2)、必ずしも血中コレステロール値の抑制だけで動脈硬化や心血管病を根源的に予防できるとは言えないのが現状である。
緑茶に含まれるカテキン類については、その含有量が報告されている。具体的には、緑茶としての玉露、煎茶、釜炒り茶、番茶、ほうじ茶についての分析値の報告があり、報告によっては多少のバラつきがあるが、主要なカテキン類は、EGCg、EGC、ECgおよびECの4種である。中でも最も含有されるのはEGCgでありカテキン類全体の50〜60%を占める。一方、その他のカテキン類の含有量は微量である。例えば、ECgは主要カテキン成分の一つとされているものの、EGCgの含量には及ばず、EGCg含量に対して、茶の種類の間で差はあるものの約1/4〜1/5前後である。ましてや、Cgに至っては、前述したように微量成分でありEGCg含量にははるかに及ばない(例えば、非特許文献3を参照)。
飲用に用いる緑茶飲料は、茶葉を湯や水で抽出したものであるから、緑茶飲料中のカテキン類の構成も茶葉と類似した比率になる。
ところで、前記カテキン類はポリフェノールに属し、苦味や渋味が強いことが知られている。このカテキン類の苦味や渋味の呈味性や、苦味や渋味の閾値についての研究もされており、個々のカテキン類によって、それぞれ苦味や渋味の強度が異なることが知られている。一般にガレート基が結合したガレート型カテキン類は、非ガレート型カテキン類に比べると、苦味や渋味が強い。例えば、ガレート型カテキン類であるEGCg、ECg、CgおよびGCgは、これらの間での苦味や渋味に大差はないものの、EGCやECなどの非ガレート型カテキン類よりも苦味や渋味が強いことが示されており、中でもEGCg、ECgの苦味・渋味閾値濃度は3倍程度低いとされている(非特許文献4)。
したがって、緑茶飲料やカテキン含有食品を調整するに際し、苦味や渋味の制御は、当業者において大きな課題となっており、目的に応じた呈味性や風味制御についての先行技術をあげると枚挙に暇がない。
また、苦味や渋味以外にも、カテキン類の含有比や含有量を様々な目的から制御あるいは調整する試行はすでに多くなされ、開示されている。例えば、沈殿防止に関するもの(特許文献8、9)、変色防止に関するもの(特許文献10、11)、機能性に関するもの(特許文献12、13)、苦味や渋味の調整や茶本来の風味付与に関するもの(特許文献14〜16)など用途や目的は多岐に渡っている。
しかし、風味に配慮しつつECgおよびCg含量を高めるという本願の目的と一致した先行技術は開示されていない。そればかりか、そもそもECg、Cg、EGCg、GCgのようなガレート型カテキンは苦味や渋味が強い成分であることから、これらの含量が高い緑茶飲料は必然的に、苦味や渋味が一般の緑茶よりも高まることになる。ガレート型カテキンの含有量を従来品より高めた緑茶も市販され、市場に受け入れられているからある程度の苦味や渋味は許容されると思われるものの、やはりガレート型カテキンの含有量を高めすぎると苦味や渋味が強くなりすぎて摂取しづらい緑茶飲料となってしまう傾向にある。
したがって、上記のような4種類のガレート型カテキンの総含有量については苦味、渋味の程度を決める指標として着目されていたものの、4種類の含有量比をコントロールするアプローチは従来ではなされていない。
例えば、特許文献17〜20などは、非エピ体カテキン類とエピ体カテキン類の含有比率を特定した飲料に関するものであるが、これらは飲料の長期保存時の沈殿発生防止や色調の安定性や風味改善に関する技術であり、また非エピ体カテキン類とエピ体カテキン類の含有比率について特徴があるものの、ともにエピ体であるECgとEGCgとの間の比率については言及しておらず、示唆すらもない。より詳細に述べると、例えば、特許文献18においては、(A)非エピ体カテキン類、(B)エピ体カテキン類として、(A)/(B)=0.54〜9.0になるように調整する容器詰飲料が示されているが、ECgとEGCgは共に(B)エピ体カテキン類に属する成分であり、双方の比率について何ら規定されるべき数式になっていない。
同様に、特許文献21では、エステル型カテキンと遊離型カテキンの比率を特定した飲料に関するもので、機能性が優れたエステル型カテキン量を高めながら苦味や渋味を抑えるための技術である。しかしながら、ともにエステル型であるECg、Cg、EGCg、GCg間の比率については言及しておらず、示唆すらもない。
同様に、特許文献22、23では、機能性が優れたエステル型カテキン含有比率を高めた飲食物に関するものであるが、ECgは血清コレステロール低下効果がエステル型カテキンの中で最も小さいとされており、ECg含量を低めている点で、本願とは方針が異なっている。
特許文献24、25については、非重合型カテキン類中の非重合体カテキンガレート体類の割合を特定しているが、歯への色素沈着防止や色相変化抑制に関する技術であり、また、ともにガレート体であるECgとEGCgとの間の割合については言及しておらず、示唆すらもない。
また、仮に何らかの理由で、ECgとEGCgとの間の比率を調整しようにも、現在の技術ではECg/EGCg比(重量比)を0.5以上にすることは容易ではない。なぜならば、各種のカメリア属の茶抽出エキスは、おのずとその構成カテキン成分も茶葉と類似した比率になるため、カテキン類のなかで最も主成分であるEGCgがECgよりもはるかに高い比率になる。精製されたカテキン成分が業務用に販売されてはいるが、このカテキン成分はもっぱらEGCgである(例えば、太陽化学社製「EGCg」、DSM Nutritional Products社「Teavigo」)。これは、従来からEGCgが、一定の健康機能効果を有する成分として知られていること、およびカメリア属の茶葉中の主要カテキン成分であることから産業上の利用価値が高いことが主な理由である。よって、他の個々のカテキン成分や、より具体的にはECgを産業用に精製した工業製品は知られていない。
したがって、現在の産業界の状況下においては、ECg/EGCg比(重量比)を小さくすることは容易であるが、0.5以上にまで高めることは困難であり、またそのための目的も存在していないのが現状である。
特許第1620943号公報 特許第3018013号公報 特表2009−501161号公報 特開昭60−156614号公報 特開昭62−30711号公報 特許第2812682号公報 特開2004−262927号公報 特許第3597836号公報 特許第3597859号公報 特許第3795506号公報 特許第4383332号公報 特開平6−56686号公報 特許第3756438号公報 特許第3590027号公報 特許第3597856号公報 特許第3597857号公報 特許第3329799号公報 特許第3338705号公報 特許第3342698号公報 特許第3360073号公報 特許第3981108号公報 特許第4494373号公報 特許第4317781号公報 特許第3597854号公報 特許第3597855号公報
J Am Coll Nutr.2005 Oct;24(5):342−346) 長寿のためのコレステロールガイドライン2010年度版 中日出版社 「茶の科学」p88−89(朝倉書店) 「食品の変色の化学」、p124−p125(光琳)
本発明者らは、より根本的に心血管病予防効果の期待できる化合物を同定すべく、酸化LDLによる血管内皮細胞への作用を媒介する受容体であるレクチン様酸化低密度リポ蛋白質受容体(LOX−1)に着目し、強力なLOX−1アンタゴニストを同定するに至り、その作用・効果について詳細に報告している(特願2011‐236448号)。同時に、これらの化合物のうち、実用性の高い化合物が茶に存在することも明らかにしており、これらがECgとCgの2種のカテキンであることを初めて明らかにした。ただし、緑茶カテキン類の主要成分であるEGCgは、アンタゴニスト活性を有するものの、ECgと比較して1/5、Cgと比較しても1/2程度の低い活性であった。
そこで、本発明者らは、より健康機能性が期待される緑茶飲料の開発を目的として、すでに本発明者らが発見した強力なLOX−1アントゴニスト剤であるECgおよびCgに着目し、新規な観点から緑茶を設計した結果、従来の緑茶製品においてカテキン類として微量成分であったECgおよびCgの含有量を選択的に高めて、カテキン類の主成分であるEGCgに対するECgの含有量の比率を顕著に高めることで、従来の緑茶飲料に比べて、ECgおよびCgに由来する生理活性を付与しながら、苦味や渋味を極力抑えた緑茶飲料を完成するに至った。また、同時に、鋭意検討した結果、カメリア属の茶葉から得た茶葉抽出物を緑茶に配合すること、或いは、カメリア属の茶葉由来の抽出物を合成吸着剤により精製した茶葉由来精製物を緑茶に配合することで前記緑茶飲料を効率よく得る製造方法を確立するに至った。
したがって、本発明は、ECg、Cgなどの非重合型カテキン類を高含有しながら渋味や苦味を極力抑えた緑茶飲料およびその製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕(A)エピカテキンガレート、(B)エピガロカテキンガレート、(C)カテキンガレートおよび(D)ガロカテキンガレートを含有し、
前記(A)成分〜(D)成分の含有量について、(A)/(B)(重量比)が0.7以上、且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.6以上であり、
前記(A)成分〜(D)成分を含む非重合型カテキン類の総量が300〜1100mg/500mLであることを特徴とする緑茶飲料、
〔2〕非重合型カテキン類総量中の(A)成分および(C)成分の合計の含有比率が20重量%以上である前記〔1〕記載の緑茶飲料、
〔3〕(A)成分、(B)成分および(C)成分の含有量が、以下の式:
(A)+(B)×2/3+(C)≧135(mg/500mL)
を満たす前記〔1〕または〔2〕記載の緑茶飲料、
〔4〕カメリア属の茶葉由来の抽出物および/または精製物と緑茶抽出液とを混合してなり、
前記カメリア属の茶葉由来の抽出物および/または精製物中の(A)/(B)(重量比)が0.75以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.65以上である前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の緑茶飲料、
〔5〕カメリア属の茶葉から、(A)/(B)(重量比)が0.75以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.65以上である茶葉由来抽出物を得る工程と、
前記茶葉由来抽出物を緑茶抽出液に配合して、(A)/(B)(重量比)が0.7以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))が0.6以上となるように調整された緑茶飲料を得る工程と
を含むことを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕いずれか記載の緑茶飲料の製造方法、
〔6〕カメリア属の茶葉由来抽出物を得る工程と、
合成吸着剤を用いて前記茶葉由来抽出物を精製し、(A)/(B)(重量比)が0.75以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.65以上である茶葉由来精製物を得る工程と、
前記茶葉由来精製物を緑茶抽出液に配合して、(A)/(B)(重量比)が0.7以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))が0.6以上となるように調整された緑茶飲料を得る工程と
を含むことを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕いずれか記載の緑茶飲料の製造方法、並びに
〔7〕カメリア属の茶葉から、(A)/(B)(重量比)が0.75以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.65以上である茶葉由来抽出物を得る工程と、
合成吸着剤を用いて前記茶葉由来抽出物を精製し、(A)/(B)(重量比)が0.75以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.65以上である茶葉由来精製物を得る工程と、
前記カメリア属の茶葉由来抽出物と、前記カメリア属の茶葉由来精製物を緑茶抽出液に配合して、(A)/(B)(重量比)が0.7以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))が0.6以上となるように調整された緑茶飲料を得る工程
を含むことを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕いずれか記載の緑茶飲料の製造方法
に関する。
本発明により、優れた健康機能性が期待されるエピカテキンガレート(ECg)、カテキンガレート(Cg)などの非重合型カテキン類を高含有しながら渋味や苦味を極力抑えるというように、従来の緑茶飲料に比べてより健康を維持しやすく、しかも飲み易い緑茶飲料およびその製造方法を提供することができる。
図1は、実施例1における、各化合物のhLOX−1タンパク質(ヒト由来組換え型LOX−1タンパク質)に対する酸化LDL結合阻害能の結果を示すグラフである。縦軸は、化合物未添加の場合の酸化LDL結合阻害能を100とした場合の、各化合物が有する酸化LDL結合阻害能の相対値を示す。相対値が低いほど、酸化LDL結合阻害能が高いことを示す。 図2は、実施例5の実験の、ECg含有食、EGCg含有食またはコントロール食を摂取したラットの血中総コレステロール濃度を、1群n=8で試験し測定した結果の平均値をグラフ化したものである。 図3は、実施例5の実験の、ECg含有食、EGCg含有食またはコントロール食を摂取したラットの血中HDLコレステロール濃度を、1群n=8で試験し測定した結果の平均値をグラフ化したものである。 図4は、実施例5の実験の、ECg含有食、EGCg含有食またはコントロール食を摂取したラットの血中トリグリセライド濃度を、1群n=8で試験し測定した結果の平均値をグラフ化したものである。 図5は、実施例5の実験の、ECg含有食、EGCg含有食またはコントロール食を摂取したラットの血中リン脂質濃度を、1群n=8で試験し測定した結果の平均値をグラフ化したものである。 図6は、実施例5の実験の、ECg含有食、EGCg含有食またはコントロール食を摂取したラットの各腸間膜動脈における脂質沈着をOil Red Oにより染色し、腸間膜動脈総面積に占める脂質沈着部位の面積の割合を、1群をn=8で試験し測定した平均値の結果をグラフ化したものである。この場合、5%未満の危険率で有意差のあることを示している。 図7は、実施例5の実験の、精製物含有食またはコントロール食を摂取したラットの各腸間膜動脈における脂質沈着をOil Red Oにより染色した全体図を示すものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本発明で使用するカテキン類は全て「非重合型カテキン類」のことを指し、さらに「非重合型カテキン類」とは、エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキンガレート(EGCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)のエピ体カテキン類、および、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)の非エピ体カテキン類をあわせての総称である。
本発明でいう緑茶飲料とは、茶葉から製茶された「緑茶茶葉」から水や熱水、抽出助剤を添加した水溶液で抽出して得られた緑茶抽出液(「緑茶飲料ベース」という)と、カメリア属の茶葉由来抽出物やその精製物とからなる、緑茶風味が保持された飲料のことを指す。
ここでいう「緑茶茶葉」は、製茶製造過程の第一段階で加熱によって茶葉の酵素活性を失わせ、成分の酸化を防ぎ、緑色を保たせた不発酵茶のことであり、加熱に蒸気を使う煎茶、玉露、天茶、番茶、茎茶、玉緑茶などを指す。ただし、更に焙煎処理が施される茶、例えば、ほうじ茶は成分や風味が大きく「緑茶茶葉」と異なるために、本発明でいうところの「緑茶茶葉」には含まれない。また、半発酵茶である烏龍茶、強発酵茶である紅茶、後発酵茶である黒茶などは、不発酵茶と分類上分けられるため、ここでいう「緑茶茶葉」に含有されない。当該製茶された「緑茶茶葉」としては、日本で最も一般的な「煎茶」、「玉露」が特に好ましい。「緑茶茶葉」は、カメリア属の茶葉であるが、カメリア属のなかで、例えばC.sinensis、C.assamica、やぶきた種、べにふうき種、またはそれらの雑種があげられる。
本発明の緑茶飲料において、ベースとなる緑茶抽出液は、前記緑茶茶葉から、一般的な、あるいは従来法で得られる。抽出に用いる水の量は、緑茶茶葉に対して5〜100重量倍量、特に5〜80倍量が好ましい。抽出温度は、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜95℃、さらに好ましくは40〜90℃である。温度によって得られる緑茶抽出液の風味や成分が異なるため、目的に応じて温度を選択すればよい。抽出時間は、抽出方法、装置の種類、装置の大きさ、処理量といったスケールの大きさによって様々であり、目的の風味や成分組成になるように、状況に適した抽出時間を設定すればよい。ただし、製造時の時間的なコストを考えると1〜100分、好ましくは1〜80分がよい。抽出時の溶媒は水であり、工業用水、上水、蒸留水、脱イオン水など制限はないが、雑味が少ないこと、沈殿が発生しにくいこと、変色が抑えられることおよびコストから考えると脱イオン水が好適である。
前記緑茶抽出液の抽出方法は、緑茶茶葉を水に浸漬し抽出する方法(浸漬法)、緑茶茶葉を水と混合攪拌し抽出する方法(攪拌法)、緑茶茶葉をカラムに充填し水を通水させ抽出する方法(カラム法)があり、それらのいずれでもよい。繰り返しの抽出を行う場合は、カラム法が効率的である。また、抽出時やその後の酸化による劣化を防ぐ目的で、アスコルビン酸やアスコルビン酸ナトリウムなどの抗酸化剤を水に添加してもよい。あるいは窒素ガスなどを使用して脱酸素条件下で抽出しても良い。pHを調整や抽出効率から炭酸水素ナトリウムなどの助剤をあらかじめ水に添加してもよい。
緑茶抽出液は、沈殿の存在や、その後の沈殿発生のリスクを考え、状況に応じて濾過処理する。例えば、濾紙、ナイロンメッシュ、珪藻土などで適宜ろ過すればよい。緑茶抽出液は、そのままベースにしてもよいし、風味や成分量を考えて、水を添加し希釈してベースにしてもよい。ただし、希釈は緑茶の風味が十分に保たれる程度にする。ベースにする緑茶抽出液中のカテキン成分については、その含量やガレート型カテキン類の種類の構成は特に制限はない。ただし、本発明の緑茶飲料のガレート型カテキン類の含量や構成は、緑茶飲料ベースと添加する茶葉由来抽出物・精製物の2要素に依存する。したがって、後述のカメリア属の茶葉由来の抽出物やその精製物中のカテキン成分含量や構成次第では、目的とする緑茶飲料の条件を満たすために、所望のガレート型カテキン類の含量や構成を有する緑茶飲料ベースを適宜に選択する場合も生じることがある。
一方、本発明でいうカメリア属の茶葉由来の抽出物とは、カメリア属に分類される植物の茶葉由来の抽出物であれば制限はない。原料としては、例えば、チャ(カメリア シネンシス)があげられる。なかでも、日常的に飲用されている、不発酵茶である各種緑茶、半発酵茶である烏龍茶、強発酵茶である紅茶、後発酵茶である黒茶、プーアル茶などが、安全性が高く、安心感もあり、また原材料が入手しやすい観点から好ましい。また、一般に、ECg含有率が比較的高いほうじ茶や紅茶は、更に好ましい。また、不発酵茶である緑茶においては、ECg含量が比較的高い「釜炒り茶」や紅ふうき種が、緑茶風味を有することからもさらに好ましい。
カメリア属の茶葉由来の抽出物の抽出方法について述べる。原料茶葉を水や有機溶媒、あるいはこれらを組み合わせ、公知の方法により実施できる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルムなどが挙げられる。好ましくは、親水性のメタノール、エタノール、アセトンが挙げられ、より好ましくはエタノールが食品用途としては適している。抽出方法としては、浸漬し静置抽出、浸漬し攪拌抽出、加温抽出、加温加圧抽出、還流抽出、あるいはカラムに原料を充填し、繰り返し抽出してもよい。超臨界抽出方法などを適用することもできる。短時間で効率的に抽出する観点からは、加温抽出や加温加圧抽出が望ましい。抽出温度や抽出時間は、茶葉や溶媒の量、茶葉や溶媒の種類、抽出装置や抽出スケールにより適宜選択すればよい。抽出された溶液は、そのまま用いてもよく、濃縮してもよく、溶媒を除去し固形状にしてもよい。すなわち該茶葉由来抽出物は、固体でも液体でもスラリー状でも構わなく、用途やコストに応じて調製すればよい。
カメリア属の茶葉由来の抽出物は、最終的に前記の緑茶飲料ベースに添加されるものであるから、原料として使用する茶葉が緑茶と異なる場合には、緑茶風味を害さないように留意する必要がある。この観点では、複数回の前段階抽出を実施し、使用する茶葉固有の好ましくない風味を除去して得られた茶殻から再度抽出し、目的に応じたガレート型カテキン類を多く含有する抽出物を得ることが望ましい。例えば、前段階の抽出時に得られる抽出液は用いず、ここで回収した茶殻に対し更に抽出を実施して得られた抽出液を回収すれば、好ましくない茶葉固有の風味は低減しつつ、ある程度の目的の成分は回収できる。一般に雑味成分は水で抽出されやすく、目的成分であるガレート型カテキン類は雑味成分に比べると水で抽出されにくい傾向があるために、この手法が有効である。前段階の抽出は水やエタノールなどの有機溶媒や、これらを組み合わせた抽出が有効である。抽出回数については、回収率やコストなどを総合的に考えると2〜3段階の抽出が望ましい。茶飲料製造などで廃棄物として問題になっている大量の茶殻を有効活用できることも本法の利点である。
こうして得られたカメリア属の茶葉由来の抽出物は、その固形分中に非重合型カテキン類を2〜90重量%含有するのが好ましく、より好ましくは3〜100重量%、特に好ましくは3.5〜90重量%がよい。
また、(A)エピカテキンガレート(ECg)、(B)エピガロカテキンガレート(EGCg)、(C)カテキンガレート(Cg)、(D)ガロカテキンガレート(GCg)とした時に、緑茶ベースに添加するカメリア属の茶葉由来の抽出物の量を少なくできる観点から、カメリア属の茶葉由来の抽出物としては、(A)/(B)(重量比)が0.75以上且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.65以上であることが好ましく、(A)/(B)(重量比)が0.80以上且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.70以上であることがより好ましい。
また、本発明でいうカメリア属の茶葉由来の精製物とは、カメリア属に分類される植物の茶葉由来のECgとCg含量を高めた精製物のことを指す。前述のように1回あるいは複数回の抽出で得られたカメリア属の茶葉由来の抽出物の濃縮物や、市販のカテキン高含有原料から公知の精製方法に準じてECgとCg含量を高めた精製物を得ることができる。市販のカテキン高含有原料としては、例えば三井農林(株)製「ポリフェノン」、太陽化学(株)製「サンフェノン」などがあり、これらを使用することもできる。公知の精製方法としては、合成吸着剤を使用した方法がある。合成吸着剤をカラムに充填し、カメリア属の茶葉由来の抽出物の濃縮物や、市販のカテキン高含有原料をカラムに負荷し、水や有機溶媒を通液し、目的成分が溶出する画分を回収する精製方法である。カラムを使用しないバッチ法も適用はできるが、効率面からはカラム法が望ましい。本発明に用いる合成吸着剤としては、その母体がスチレン系、例えばダイヤイオンHP20 、セパビーズSP70、SP850 、SP825、SP700(三菱化学(株)製)、アンバーライトXAD4、XAD16HP、XAD2000、(オルガノ社)、修飾スチレン系、例えばセパビーズSP205(三菱化学(株)製)、メタクリル系、例えばダイヤイオンHP1 MG(三菱化学(株)製)、アクリル系、例えばアンバーライトXAD7HP(オルガノ社)、フェノール系、例えばアンバーライトXAD761(オルガノ社)などが挙げられる。なかでも、スチレン系の合成吸着剤が非重合型カテキン類の分離に実績が多く、コストの点や製造スケールアップしやすい点から好ましい。特に汎用されているダイヤイオンHP20が望ましい。
前記合成吸着剤を用いてカメリア属の茶葉由来の抽出物をカラム法により分離する手法は、一般的な手法に準じればよい。非重合型カテキン類の分離・溶出に用いる溶離液としては、水や有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルムなどが挙げられる。好ましくは、親水性のメタノール、エタノール、アセトンが挙げられ、より好ましくはエタノールが食品用途として好適である。溶離液のpH調整や温度調整は特に必要ないが、目的成分の回収効率が高まるようなら適宜調整可能である。分画手法の一例を以下に示す。はじめに合成吸着剤が充填されたカラムを、例えば99%エタノール水溶液(v/v)によりSV(空間速度)=1〜10で、合成吸着剤の2〜5倍量(v/v)通液し、洗浄を行う。次に分画スタート時の溶媒によりSV=1〜10で、合成吸着剤の2〜5倍量(v/v)通液し、平衡化を行う。その後、カメリア属の各種茶葉抽出物をスタート時の溶媒で溶解させカラムに負荷する。目的のカテキン類が合成吸着剤にできる限り吸着するように、SVは10以下が望ましい。以降は、溶離液をSV=1〜10、好ましくは1〜5で通液し、フラクションを得ればよい。溶離液は、アイソクラティックでも、ステップワイズに極性を変化させても、リニアグラジエントに極性を変化させてもよく、適した条件で実施すればよい。一般的には、スチレン系の合成吸着剤では溶離液の極性を低下させることにより、カテキン類の合成吸着剤への吸着能の差異により、順次溶出される。食用目的であるから水−エタノールの溶離液が好適であり、この場合、エタノール濃度を徐々に上げることが好適である。目的成分の溶出の確認は、各種分析機器、例えばHPLCなどで検出することで判別可能であり、また分画の条件が一定であれば本法の再現性の高さから、回収する画分は毎回一致する。
前記溶出工程において、目的成分が含有される画分を回収・合一することで、目的成分の精製度は顕著に上昇する。精製度を上げるためには、溶媒の極性を厳密にコントロールすることや、分画を細かくすること、回収画分の選定基準を引き上げることで調整可能である。求める精製度に応じて、カラム分画条件や回収条件を適用すればよい。合成吸着剤は、エタノールのような有機溶媒を通液し残存成分を脱離させることにより、再生できる。さらに水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液を通液し洗浄してもよい。
目的成分、具体的にはECg、Cgが溶出された画分を合一した後、濃縮してエタノールなどの溶媒を除去する。緑茶飲料ベースに添加されるものであるため、エタノールなどの溶媒は除去されることが望ましい。濃縮方法は公知の方法に準じて行えばよい。例えば、常圧加熱乾燥法、減圧加熱乾燥法、凍結乾燥法、スプレードライ法などが挙げられる。加熱による成分変化を最小限に抑えるためとコスト面を考え、産業的には凍結乾燥法、スプレードライ法が好ましい。
本法によってカメリア属の茶葉由来の精製物が得られ、この固形分中には、非重合型カテキン類が50〜100質量%含有される。さらには、70〜100質量%含有されるのが好ましい。
また、緑茶ベースに添加するカメリア属の茶葉由来の精製物の量を少なくできる観点から、カメリア属の茶葉由来の精製物としては、(A)ECg、(B)EGCg、(C)Cg、(D)GCgとした時に、(A)/(B)(重量比)が0.75以上且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.65以上であることが好ましく、(A)/(B)(重量比)が2.0以上且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)は1.6以上であることがより好ましく、(A)/(B)(重量比)が5.0以上且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が4.0以上であることがさらに好ましく、(A)/(B)(重量比)が10.0以上且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が8.0以上であることが最も好ましい。
また、本発明により得られる精製物中のECgおよびCgの総量は、LOX−1アンタゴニスト活性を期待する上から、全非重合型カテキン類中で、50〜100質量%であるのが好ましい。
なお、本発明により得られる精製物中の没食子酸濃度は、苦味、酸味などの呈味の点から低い方がよく、非重合型カテキン類に対して、没食子酸/非重合型カテキン類(質量比)=0〜0.1が好ましいが、没食子酸は、ECgやCgと合成吸着剤に対する吸着能が全く異なるために、回収画分に含有されることはないといえる。
本発明の緑茶飲料は、これまでに述べた「緑茶飲料ベース」に、カメリア属の茶葉由来の抽出物および/または精製物を添加し、緑茶風味を有しながら一般的な緑茶飲料とはカテキン組成が大きく異なる緑茶飲料を製造する。
緑茶飲料ベースとカメリア属の茶葉由来の抽出物および/または精製物との組み合わせとしては、(1)緑茶飲料ベースおよびカメリア属の茶葉由来抽出物、
(2)緑茶飲料ベースおよびカメリア属の茶葉由来精製物、
(3)緑茶飲料ベースおよびカメリア属の茶葉由来抽出物およびカメリア属の茶葉由来精製物
の3通りがある。
これらの3通りの組み合わせのうち、どの組み合わせを選択するかには制限はないが、風味上の観点、求める機能性のグレードからのカテキン類組成設計、製造コスト、原料とするカメリア属植物の市場でのイメージを考えたマーケティング上の観点など様々あり、目的に最もあう組み合わせを選択することができる。
緑茶飲料の製造方法としては、具体的には、以下の3つの態様が挙げられる。
(1)カメリア属の茶葉から、(A)/(B)(重量比)が0.75以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.65以上である茶葉由来抽出物を得る工程と、
前記茶葉由来抽出物を緑茶抽出液に配合して、(A)/(B)(重量比)が0.7以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))が0.6以上となるように調整された緑茶飲料を得る工程と
を含む緑茶飲料の製造方法。
(2)カメリア属の茶葉由来抽出物を得る工程と、
合成吸着剤を用いて前記茶葉由来抽出物を精製し、(A)/(B)(重量比)が0.75以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.65以上である茶葉由来精製物を得る工程と、
前記茶葉由来精製物を緑茶抽出液に配合して、(A)/(B)(重量比)が0.7以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))が0.6以上となるように調整された緑茶飲料を得る工程と
を含む緑茶飲料の製造方法。
(3)前記(1)に記載のカメリア属の茶葉由来抽出物と、前記(2)に記載のカメリア属の茶葉由来精製物を緑茶抽出液に配合して、(A)/(B)(重量比)が0.7以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))が0.6以上となるように調整された緑茶飲料を得る工程
を含む緑茶飲料の製造方法。
前記のように組み合わせる場合の各成分の配合量については、緑茶風味が保持されるように配合すべきであり、さらに最終的な緑茶飲料中のカテキン類の含有量が以下の関係が満たされるように配合する必要がある。
即ち、本発明の緑茶飲料では、(A)ECg、(B)EGCg、(C)Cg、(D)GCgとした時に、前記4成分の含有量について、(A)/(B)(重量比)が0.7以上、且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.6以上であり、非重合型カテキン類の総量が300〜1100mg/500mLであるように調整されている点に大きな特徴がある。
動脈硬化などの心血管病予防や治療を目的とした場合には、一般的な茶葉抽出液や、一般的な抽出方法により得た茶葉抽出液といった緑茶飲料では、十分量のECgやCgが含有されておらず、すなわち従来技術により得られる緑茶飲料では満足いく効果が得られない。例えば、特許文献6には、ECgを有効成分とするコレステロール排泄促進剤、排泄促進飲食品が示されているが、Cgの有用性についての示唆はなく、また摂取しやすい緑茶飲料を提供するために、渋味・苦味を考慮したカテキン成分の構成に関する示唆もない。
そこで、心血管病リスクを低下させることを期待した緑茶飲料を設計するに当たり、本発明では、カメリア属の茶に含有されるカテキン類の中で極めてLOX−1アンタゴニスト活性の高いカテキン成分であるECgおよびCgを従来の緑茶飲料に添加することで、合理的に機能性を向上させた緑茶飲料となると予想した。このような根拠に基づきECgおよびCgの含量を共に高めた緑茶飲料は、これまでに報告された例がない。
しかしながら、ECgおよびCgや、緑茶にもともと含まれるカテキンの主成分であるEGCgはいずれも苦味・渋味のつよいガレート型カテキン類であり、単にECgやCgの含量を高めるだけでは、EGCgなどの含量も高まるため緑茶飲料自体が極めて飲み難いものとなってしまうという問題がある。
そこで、本発明者らは、さらに創意工夫を加え、いずれも苦味・渋味のつよいガレート型カテキン、すなわち4種のECgとCgとEGCgとGCg間の含有量比をコントロールすることで、従来の緑茶飲料に比べてLOX−1アンタゴニスト活性が有意に強く、かつ遜色ない程度に苦なく飲用できる緑茶飲料となることを見出した。
具体的には、本発明の緑茶飲料では、緑茶に含まれるカテキン類で最も含量の高いEGCgに対し、続いて含量の高いカテキン類の一つであるECgをECg/EGCg(重量比)が0.7以上になるように調整し、且ついずれも苦味・渋味の強いガレート型カテキン全体間で、具体的には(ECg+Cg)/(EGCg+GCg)の重量比が0.6以上になるように調整する。
このような関係を満たすことで、一般の緑茶飲料に比べてECgとCgの含有比率が有意に高くなるから、LOX−1アンタゴニスト活性に優れ、しかもEGCgの含有比率が抑えられることから苦味・渋味を抑えた緑茶飲料とすることができる。
さらに、本発明の緑茶飲料では、非重合型カテキン類の総量を300〜1100mg/500mLに調整することで、LOX−1アンタゴニスト活性を向上させながら、苦味や渋味の発現を極力に抑制するという、従来の緑茶飲料にはない好ましい効果を奏する緑茶飲料としている。
以上のように、本発明は、緑茶飲料のLOX−1アンタゴニスト活性を高めるという動機のもとで、苦味や渋味を抑えて飲用の許容性を風味面からも担保するといった新しい手法を打ち立てることに初めて成功したものである。
本発明の緑茶飲料では、前記(A)/(B)(重量比)が0.7以上、且つ((A)+(C))/((B)+(D))が0.6以上であり、非重合型カテキン類の総量が300〜1100(mg/500mL)を満たすように配合量を考慮しながら組み合わせることが好ましく、(A)/(B)(重量比)が0.7以上、且つ((A)+(C))/((B)+(D))が0.6以上であり、非重合型カテキン類の総量が300〜800(mg/500mL)を満たすように配合量を考慮しながら組み合わせることがより好ましく、(A)/(B)(重量比)が0.7以上、且つ((A)+(C))/((B)+(D))が0.6以上であり、非重合型カテキン類の総量が300〜700(mg/500mL)を満たすように配合量を考慮しながら組み合わせることがさらに好ましい。
本発明の緑茶飲料では、一般的な緑茶飲料に比べて前記のように(A)および(C)成分の含有量が強化されているが、これらの成分が有するLOX−1アンタゴニスト活性を発現させ易くする観点から、緑茶飲料に含有される非重合型カテキン類総量中の(A)成分および(C)成分の合計の含有比率は20重量%以上に調整されていることが好ましく、25重量%以上がより好ましい。また、含有比率の上限値については、特に限定はない。
また、本発明の設計思想であるLOX−1アンタゴニスト活性を高める観点から(A)+(B)×2/3+(C)≧135(mg/500mL)以上となるように、緑茶飲料ベースにカメリア属の茶葉由来の抽出物や精製物を添加することが好ましい。より生理効果を期待するために(A)+(B)×2/3+(C)が200(mg/500mL)以上であることが好ましく、(A)+(B)×2/3+(C)が240(mg/500mL)以上であることが更に好ましい。
前記(A)+(B)×2/3+(C)という式は、後述の実施例に記載のように緑茶飲料開発のための一つの指標として本発明者らが初めて見出したものであり、緑茶飲料500mL中のECg量+Cg量+(EGCgの2/3量)の総量のことであり、緑茶飲料のLOX−1アンタゴニスト活性を相対的に評価できる指標である。
これは、LOX−1アンタゴニスト活性の強さを、後述実施例に記載のように、モデルラットを用いた動物試験にて比較した結果、in vitroの試験系ではECgのアンタゴニスト活性がEGCgに対し5倍強かった(特願2011‐236448号)のに対し、より生体内での有効性を反映すると考えられるin vivoの試験系ではECgがEGCgと比較して約1.5倍強い効果を示したことから導き出された指標である。すなわち、強いECg量と、Cg量と、ECgなどよりもLOX−1アンタゴニスト活性が2/3程度のEGCg量との総量が、緑茶飲料そのもののLOX−1アンタゴニスト活性の強さに比例することから導き出された指標である。そして、前記総量の数値が高いほどLOX−1アンタゴニスト活性は高くなり、特に総量が135(mg/500mL)以上である緑茶飲料のLOX−1アンタゴニスト活性は顕著に高いものとなる。
なお、一般の緑茶飲料では、EGCgの量が最も多く、ECgやCgは微量成分であるため、一概に限定できないが、(A)+(B)2/3+(C)は、130(mg/500mL)未満となる傾向にある。
前記緑茶飲料ベースに、カメリア属の茶葉由来の抽出物や精製物を添加する際は、緑茶飲料ベースに直接添加しその後十分に混合し溶解させても良いし、カメリア属の茶葉由来の抽出物や精製物を溶媒に十分に溶解させた後に緑茶飲料ベースに添加しても良い。この場合の溶媒は、飲用に適するものなら何でも良いが、一般的に水が好ましい。
また、pH調整剤、安定剤、加工助剤、分散剤、シクロデキストリンなど物性改良、品質安定のために食品に一般に使用される添加物は、前記緑茶飲料の製造工程において必要に応じて使用可能である。
なお、長期保存が必要な商品、例えば容器詰め緑茶飲料にする場合には、殺菌工程時の熱によりカテキン類が変化する(例えばEGCg→GCg、ECg→Cgなど)ことが知られているから、殺菌後に前記のようなカテキン類の含量の条件が満たされるように、配合量と組み合わせを考慮する必要がある。また、長期保存でもカテキン類が変化する場合があるから、この点にも注意が必要である。
本発明の緑茶飲料は、長期保存を目的としない緑茶飲料として提供してもよい。この場合、非密閉容器、密閉容器など形態は制限されない。長期保存を目的とした場合には、スチール缶やアルミ缶などの金属製容器、紙や樹脂性パック、PETなどの合成樹脂容器などの密閉容器に充填して提供することができる。この場合は、充填前の殺菌あるいは充填後の殺菌を公知の方法に準じて行えばよい。
次に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1:非重合型カテキン類のLOX−1アンタゴニスト活性比較)
緑茶中に含まれる主要なガレート型カテキンである、エピガロカテキンガレート(EGCg)、エピカテキンガレート(ECg)、および、カテキンガレート(Cg)を試料とし、「非重合型カテキン類」であるこれらのカテキン成分について、特願2011‐236448号の実施例より高濃度条件におけるLOX−1アンタゴニスト活性を検討した。
組換えhLOX−1タンパク質は、ヒト由来LOX−1の細胞外ドメインである。human LOX−1 cDNA(Genbank:NM002543)のうち、細胞外ドメイン(ex−hLOX−1)をコードする領域(61〜273番目の塩基配列)を、定法に従い発現、精製したものを使用した。組換えhLOX−1タンパク質は酸化LDLに対する結合能力を有していることを確認し、以下のELISAによる試験用LOX−1標品として用いることにした。
なお、前記酸化LDLは、Sawamura T, et al., Nature, 386:73-77,(1997)に記載の方法に準じて作製した。
ELISA(Enzyme Linked Immunosorbent Assay:酵素免疫測定法)は、マキシソープ・イムノプレート(96ウェルタイプ、NUNC製)を用いて行った。上記のように精製した組換えhLOX−1タンパク質を5μg/mLとなるようにPBS(−)バッファーで調整し、50μLずつ各ウェルにアプライした。4℃で1晩静置後、PBS(−)バッファーで各ウェルを400μL×2回で洗浄し、20%イムノブロックを含むPBS(−)バッファー300μLを各ウェルにアプライした。25℃で2時間静置した後に、PBS(−)バッファーで各ウェルを400μL×2回で洗浄し、10mM HEPES/150mM 塩化ナトリウム(NaCl)/3μM 硫酸鉄(FeSO4)バッファーで10μMとなるように調整した各精製サンプルを50μLずつ各ウェルにアプライした。4℃で1時間静置した後に、PBS(−)バッファーで各ウェルを400μL×3回で洗浄し、1μg/mLとなるように10mM HEPES/150mM NaCl/0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)バッファーで調整した酸化LDLを各ウェルにアプライした。4℃で1時間静置した後に、PBS(−)バッファーで各ウェルを400μL×3回で洗浄し、Anti−ApoB HUC20抗体(株式会社広島バイオメディカル社製)を10mM HEPES/150 mM NaCl/0.1% BSAで適当量希釈し、50μLずつ各ウェルにアプライした。室温で1時間の静置後、PBS(−)バッファーで各ウェルを400μL×3回で洗浄し、Donkey anti−chicken IgY抗体(ミリポア社製)を10mM HEPES/150 mM NaCl/0.1% BSAで適当量希釈し、50μLずつ各ウェルにアプライした。室温で1時間の静置後、PBS(−)バッファーで各ウェルを400μL×5回で洗浄し、 3,3’,5,5’−テトラメチルベンヂジン(TMB)ペルオキシダーゼ−酵素免疫測定(EIA)−基質−キット試薬(Bio−rad社製)を50μLずつ各ウェルにアプライした。適当な反応時間後に、0.5M H2SO4を50μLずつ各ウェルにアプライして反応を停止させた。最終的に450nmで検出を行い、LOX‐1アンタゴニスト活性(LOX‐1に対する酸化LDL結合阻害率)を定量した。図1に結果を示す。
図1は、実施例1で行ったhLOX−1に対する酸化LDLの結合率の結果を示している。hLOX−1への酸化LDLの結合時の吸光度を結合率100%とし、各化合物存在時の吸光度を測定し、hLOX−1への酸化LDLの結合率で示した。抗LOX−1抗体はhLOX−1への酸化LDLの結合を95%以上阻害しており、酸化LDLの結合がほぼhLOX−1を介したものであることが示唆される。
図1の結果より、in vitroの試験ではEGCgにも高濃度存在時に酸化LDL結合阻害活性が認められたことから、緑茶中に含まれる代表的な没食子酸エステルであるECgとEGCgのin vivoでの有効性の差については、後述の実施例5で動物試験を行い比較した。
(実施例2:緑茶飲料ベースの製造)
<煎茶を90℃で抽出>
煎茶茶葉(株式会社森徳)15gを、水2,000mL添加し、80℃にて3分加熱した。抽出液をナイロンメッシュおよび濾紙No.101(アドバンテック社)にて濾過し、緑茶飲料ベース1(試作品1)を得た。必要に応じてこの作業を繰り返した。
<玉露を水出し抽出>
玉露茶葉(株式会社森徳)21gを、水1,000mL添加し、4℃に一夜静置した。抽出液をナイロンメッシュにて濾過し、緑茶飲料ベース2(試作品2)を得た。必要に応じてこの作業を繰り返した。
(実施例3:カメリア属の茶葉由来抽出物の製造)
<ほうじ茶を抽出>
ほうじ茶茶葉「ほうじ茶B」(京都グレインシステム(株))15gに対し、水500mLを添加し、120℃、1分間、オートクレーブ(三洋バイオメディカル社)によりにて抽出した。これを、メッシュろ過し、回収された茶殻に水750mLを添加し、沸騰状態で20分間抽出し、抽出液をナイロンメッシュおよび濾紙No.101にて濾過し、カメリア属の茶葉由来抽出物450mLを得た。得られた茶葉由来抽出物を凍結乾燥し、ほうじ茶葉由来抽出物を379.0mg得た(試作品3)。HPLCによる定量(以降の実施例7の条件による)により、試作品3 379.0mg中にEGCg:8.4mg、ECg:17.4mg、Cg:5.7mg、GCg:1.1mgが検出され、EC、C、EGC、GCの4種の非重合型カテキンは、検出されなかった。また、(A)ECg/(B)EGCgは、2.0、((A)ECg+(C)Cg)/((B)EGCg+(D)GCg)は、2.4となった。必要に応じてこの作業を繰り返した。
また、得られた試作品3中の没食子酸濃度も前記HPLCによる定量で測定したところ、非重合型カテキンに対して、没食子酸/非重合型カテキン類(質量比)=0.1以下であった。
<紅茶1を抽出>
紅茶茶葉「セイロン オレンジペコー」(片岡物産(株))30gに対し、1000mLの水を添加し、120℃、1分間、オートクレーブにより抽出した。エタノール400mLを添加し、50℃にて1時間振とうした。これをメッシュ濾過し回収された茶殻に水を800mL添加し、4℃にて一夜静置した。これをメッシュ濾過し得られた茶殻に対し水500mLを添加し、80℃にて3時間加温抽出し、抽出液をナイロンメッシュおよび濾紙No.101にて濾過し、カメリア属の茶葉由来の抽出物460mLを得た。得られた茶葉由来の抽出物を凍結乾燥し、紅茶茶葉由来抽出物を425.0mg得た(試作品4)。HPLCによる定量(以降の実施例7の条件による)により、試作品4 425.0mg中にEGCg:1.8mg、ECg:18.1mg、Cg:3.8mgが検出され、GCg、EC、C、EGC、GCの5種の非重合型カテキンは検出されなかった。(A)/(B)は、9.8、((A)+(C))/((B)+(D))は、11.9となった。必要に応じてこの作業を繰り返した。
なお、得られた試作品4中の没食子酸濃度も前記HPLCによる定量で測定したところ、非重合型カテキンに対して、没食子酸/非重合型カテキン類(質量比)=0.1以下であった。
<紅茶2を抽出>
紅茶茶葉「紅茶#2969」(スリランカ産;ディンブラ)(京都グレインシステム(株))3gに対し、水200mLを添加し、80℃にて2時間振とうした。これをメッシュおよび濾紙No.101にて濾過し、カメリア属の茶葉由来の抽出物190mL(試作品5)を得た。必要に応じてこの作業を繰り返した。
なお、得られた試作品5中の没食子酸濃度も前記HPLCによる定量で測定したところ、非重合型カテキンに対して、没食子酸/非重合型カテキン類(質量比)=0.1以下であった。
(実施例4:カメリア属の茶葉由来の精製物の製造)
茶ポリフェノール抽出物「ポリフェノン70S」(三井農林(株))500gを1000mLの20%(v/v)エタノール水溶液に溶解させ、茶ポリフェノール溶液を調製した。
次に、合成吸着剤ダイヤイオンHP20(三菱化学(株))を8.0L充填したカラムを作製し、20%(v/v)エタノール水溶液にて平衡化した。このカラムに上記茶ポリフェノール溶液を通液し、各種茶ポリフェノール類を吸着させた。次いで、20%(v/v)エタノール水溶液30LをSV=2〜3で通液し、さらに25%(v/v)エタノール水溶液7.5Lを同様にSV=2〜3で通液し、これらは非回収画分とした。
その後、25%(v/v)エタノール水溶液20LをSV=2〜3で通液し、目的のECgおよびCgを高濃度に含む溶出画分として、この溶出画分を全て回収した。回収した溶出液を常法により乾固し、固形物44.7gを得た。HPLCによる定量(以降の実施例7の条件による)により、本固形物中のEGCg:1.7g、ECg:24.8g、Cg:3.1g、GC:3.0gが検出され、C、EC、EGC、GCの4種の非重合型カテキンは検出されなかった。また、(A)/(B)は、14.6、((A)+(C))/((B)+(D))は、16.4となった。
本法によりカメリア属の茶葉由来の精製物(試作品6)を得た。必要に応じてこの作業を繰り返した。
なお、得られた試作品6中の没食子酸濃度も前記HPLCによる定量で測定したところ、非重合型カテキンに対して、没食子酸/非重合型カテキン類(質量比)=0.1以下であった。
(実施例5:ECgの有効性試験)
図1の結果より、in vitroの試験ではEGCgにも高濃度存在時に酸化LDL結合阻害活性が認められたことから、緑茶中に含まれる代表的な没食子酸エステルであるECgとEGCgの有効性の差を、動物試験を行い比較した。
茶ポリフェノール抽出物「サンフェノン90S」(太陽化学(株))500gを1000mLの20%(v/v)エタノール水溶液に溶解させ、茶ポリフェノール溶液を調製した。
次に、合成吸着剤ダイヤイオンHP20(三菱化学(株))を8.0L充填したカラムを作製し、20%(v/v)エタノール水溶液にて平衡化した。このカラムに上記茶ポリフェノール溶液を通液し、各種茶ポリフェノール類を吸着させた。次いで、20%(v/v)エタノール水溶液30LをSV=2〜3で通液し、さらに25%(v/v)エタノール水溶液7.5Lを同様にSV=2〜3で通液し、これらは非回収画分とした。
その後、25%(v/v)エタノール水溶液20LをSV=2〜3で通液し、目的のECgおよびCgを高濃度に含む溶出画分として、この溶出画分を全て回収した。回収した溶出液を濃縮し、クロロホルム500mLと水500mLで液液分配を3回行い、溶出画分中のカフェインの除去を行った後乾固し、HPLCによりECg画分を分取した。得られた画分を濃縮、乾固した精製物はECgのみを乾燥重量中71.7%含有し、EGCg、カフェインなどを含まない精製物であることを確認し、以後の試験に使用した。
得られたECgの精製物を用いて、自然発症脳卒中モデルラット(SHRSP/Izm系、雄、8週齢、日本クレア社製)の腸間膜動脈における脂質沈着に対する抑制能を評価した。
上記モデルラット10匹を1群として、日本クレア社製の「High Fat Diet」(α―トコフェロール抜き、以下、コントロール食)および0.6%重量ECg含有「High Fat Diet」(以下、ECg含有食)、0.6%重量EGCg含有「High Fat Diet」(以下EGCg含有食)の3群で試験を行った。これらの固形飼料および生理食塩水(大塚製薬社製)については自由摂取の形態で行い、1週間を飼育期間とした。なお、1日おき、若しくは最終的な摂餌量および摂水量で両群に違いは見られなかった。また、自然発症脳卒中モデルラットを用いた腸間膜動脈の脂質沈着に関する実験は、既報(Japanese Circulation Journal, Vol.39, p601-609, 1975)を参考に、下記のように変法して行った。
コントロール食あるいはECg含有食、EGCg含有食による、1週間の経口投与をモデルラットに行った後に、イソフルランで吸入麻酔を行い、開腹・開胸を行った。開腹・開胸したラットから血清を採取し、さらに、腸間膜動脈を周囲脂肪組織とともに摘出し、摘出後にPBSバッファー中でピンセットを用いながら腸間膜動脈の周囲脂肪組織を除去した。得られた腸間膜動脈を60%イソプロパノールで洗浄・平衡化した後に、Oil Red O染色液(和光純薬工業(株)製)による腸間膜動脈に沈着した脂質の染色を行い、60%イソプロパノール/30%イソプロパノール/PBSバッファーへと段階的にイソプロパノール濃度を下げながら脱色操作を行った。最終的に、顕微鏡下でOil Red O染色により染色された脂質沈着部の面積を計測した。
採取した血清より、コレステロールEテストワコー、HDLコレステロールEテストワコー、トリグリセライドEテストワコー、リン脂質Cテストワコー(和光純薬工業(株)製)を用いて血中総コレステロール濃度(図2)、HDLコレステロール濃度(図3)、トリグリセライド濃度(図4)、リン脂質濃度(図5)をそれぞれ測定した。
図2〜5の結果より、コントロール食、ECg含有食、EGCg含有食を摂取したラット間で血中総コレステロール濃度、HDLコレステロール濃度、トリグリセライド濃度、リン脂質濃度に有意な差はみられなかった。
また、実施例5により得られた、腸間膜動脈における脂質沈着面積の測定結果(図6)および解析された実際の腸間膜動脈の写真(図7)を示す。この結果より、Oil Red O染色液により染色された血管での脂質沈着面積は、ECg含有食処理群、EGCg含有食群でともにコントロール食処理群に比べて有意に低下しており、特にその低下率はEGCg含有食群の1.5倍(1.6/1.1)であった。この結果から、EGCgの生理活性はECgの生理活性に対して約2/3の活性であるという詳細なデータが確認できた。
したがって、実施例1、5の結果から、ECg、Cg、EGCgを摂取することで、血中総コレステロール値などには大きな変動は及ぼさないものの、動脈硬化などの心血管病予防の予防に対しては顕著な効果を有することが明らかとなった。特に、高脂肪食により誘発される動脈硬化症などの心血管病は、ECg、Cg、EGCgを積極的に摂取することで効率よく抑制できると考えられる。
そこで、実施例1、5の結果から、緑茶飲料を評価するための一つの指標として、LOX−1アンタゴニスト活性指標なるLAVを定めた。LAV(LOX−1 Antagonist Valueを簡略化した造語)とは、緑茶飲料500mL中のECg量+Cg量+(EGCgの2/3量)の総量のことであり、緑茶飲料のLOX−1アンタゴニスト活性を相対的に評価できる指標である。なお、前記LAVにおいて緑茶500mLを基準としたのは、日本では緑茶の市販品は500mLの容量で販売されているのが一般的であり、一日の摂取量として換算されることからである。また、前記LAVが135mg/500mL以上としたのは、実施例5で食事として与えたECgやEGCgの量を1日あたりに換算したところ、約135mgになったためである。すなわち、緑茶飲料のLAVが135mg/500mL以上であることで、図6、7に示すような結果が期待できる。
なお、上記実施例5においてECg含有食やEGCg含有食を投与したラットは、投与していないラットと比べても体重増加率は変わらなかった。また、ECg含有食やEGCg含有食を投与したラットを開腹したところ、顕著な臓器異常も見られなかった。以上のことから、カメリア属の茶葉由来のECg精製物やEGCg精製物の安全性が高いことも明らかとなった。
(実施例6:緑茶飲料の製造と分析)
実施例2〜4で得た試作品を用いて、緑茶飲料を製造した。
緑茶飲料ベース1(試作品1)500mLに対し、カメリア属の茶葉由来の精製物(試作品6)300mgを添加し、緑茶飲料(試作品7)を得た。
緑茶飲料ベース1(試作品1)500mLに対し、カメリア属の茶葉由来の精製物(試作品6)600mgを添加し、緑茶飲料(試作品8)を得た。
緑茶飲料ベース1(試作品1)500mLに対し、カメリア属の茶葉由来の精製物(試作品6)900gを添加し、緑茶飲料(試作品9)を得た。
緑茶飲料ベース1(試作品1)500mLに対し、カメリア属の茶葉由来の精製物(試作品6)1.25gを添加し、緑茶飲料(試作品10)を得た。
試作品7、8、10を同様に作製し、それぞれに120℃、10分の加熱殺菌をオートクレーブにより施し、試作品11,12、13を得た。参考のために、試作品1も同様に加熱殺菌を施し、試作品14とした。
緑茶飲料ベース2(試作品2)500mLに対し、カメリア属の茶葉由来の抽出物(試作品3)を4g添加し、緑茶飲料(試作品15)を得た。
緑茶飲料ベース2(試作品2)500mLに対し、カメリア属の茶葉由来の抽出物(試作品4)を6g添加し、緑茶飲料(試作品16)を得た。
緑茶飲料ベース2(試作品2)400mLに対し、カメリア属の茶葉由来の抽出物(試作品5)を100mL、およびカメリア属の茶葉由来の精製物(試作品6)100mgを添加し、添加し、緑茶飲料(試作品17)を得た。
なお、日本のメーカーA〜Gの7社から市販されている緑茶飲料14品についても比較品1〜14として使用した。
(実施例7:緑茶飲料および各社緑茶飲料のカテキン類分析)
次に、緑茶飲料(試作品1、2、5、7〜17)および各社緑茶飲料(比較品1〜14)のカテキン類分析を行った。その結果を表1、2に示す。
なお、HPLC分析条件を下記に示す。
カラム:逆相用カラム「COSMOSIL Cholester」(ナカライテスク、4.6mmi.d.×250mm)
移動相:A;H2O(0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)), B;アセトニトリル(0.1%TFA)
流速:1mL/min
注入:10μL
検出:280nm
勾配(容量%):95%A/5%Bから70%A/30%Bまで25分間、70%A/30%Bから100%Bまで2分間、100%Bで8分間(全て直線)
検量線は、各種標準品、EC、C、GC、ECg、Cg、GCg、EGCg(全て和光純薬社製)を用いて作成した。また、各カテキン類のリテンションタイムと、没食子酸、カフェインのリテンションタイムには重なりがないことを確認した。
EGCについての定量は、LC−MS/MSにより実施した。分析条件は以下の通りである。
カラム:逆相用カラム「YMC−Pack ODS−A」(YMC社製、2.0mmi.d.×150mm)
移動相:A;H2O(0.1%ギ酸), B;アセトニトリル(0.1%ギ酸)
流速:0.2mL/min
注入:10μL
検出(質量分析):ESI、Negativeモード(3200QTRAP LC−MS/MSシステム、エービーサイエックス社製)
勾配(容量%):95%A/5%Bから50%A/50%Bまで15分間、50%A/50%Bから100%Bまで2分間、100%Bで8分間(全て直線)
Figure 2013009670
Figure 2013009670
表1、2の結果より、通常の緑茶飲料である試作品1、2、14において、ECg/EGCgは0.7、(ECg+Cg)/(EGCg+GCg)は0.6よりそれぞれ低値であった。
カメリア属の茶葉由来抽出物、カメリア属の茶葉由来精製物、あるいはカメリア属の茶葉由来抽出物と精製物を添加して得られた試作品7、8、9、10、11、12、13、15、16、17においては、いずれもECg/EGCgは0.7以上、(ECg+Cg)/(EGCg+GCg)は0.6以上を示した。
また、試作品7、8、9、10、11、12、13、15、16、17の非重合型カテキン類の総量は、いずれも300以上であった。
また、LAV(ECg+Cg+EGCg2/3(500ml中))の値も、試作品1、2、14は、135より低い値になっているが、試作品7〜13、15〜17においてはいずれも135以上の値を示していた。
試作品5については非重合型カテキン類の総量が300未満であり、LAVの値も135より低い値であった。
一方、比較品1〜14はいずれもECg/EGCgは0.7、(ECg+Cg)/(EGCg+GCg)は0.6よりそれぞれ低値となっていた。
(実施例8:緑茶飲料の官能検査)
試作品7、8、9、10、11、12、13、15、16、17、比較品3および苦渋い(苦味と渋味とを感じる)といわれる比較品12、13についてパネラー5人で試飲し、官能評価を行った。官能評価は、5人それぞれ、味良好:1、少し苦渋い:2、苦渋い:3、かなり苦渋い:4、飲み難い:5で評価し、5人の平均値を取り、
1以上1.5未満:味良好:◎、
1.5以上2.5未満:少し苦渋い:○、
2.5以上3.5未満:苦渋い:△、
3.5以上5以下:かなり苦渋い:×
とし、表3に示している。
Figure 2013009670
その結果、試作品7および11は、苦渋みが顕著に低く非常に飲み易く、試作品8、12、15、17は少し苦渋いものの市販品である比較品12、13よりは苦渋くなく飲めた。試作例9、16は、市販品である比較品12、13と同程度の苦渋さがある飲料であった。
これに対して、比較品3は官能評価が少し苦い程度であったが、ECg/EGCgや、(ECg+Cg)/(EGCg+GCg)の比がそれぞれ0.7、0.6以下であり、且つLAV値も低いことからLOX−1アンタゴニストとしての効果が期待できない。
一方、非重合型カテキン類の総量が1100mg/500mLを超える試作品10、13は、カテキンの量が多いため、苦味、渋味も強く飲料としては不向きであった。
したがって、苦味、渋味を抑えた飲料とするためには、非重合型カテキン類の総量が1100mg/500mL以下であることがわかった。
本発明の緑茶飲料を継続的に摂取することで、血管内皮細胞やマクロファージなどで発現しているLOX-1への酸化LDLの結合を、エピカテキンガレート(ECg)やカテキンガレート(Cg)が効率的に阻害して、心血管病の予防効果や治療効果が期待される。カテキン類とLOX−1との関連性について詳細な検討はこれまで実施されておらず、本発明によって、これまでにない見地に立ち心血管病予防を目的とする緑茶飲料の設計が可能となる。

Claims (7)

  1. (A)エピカテキンガレート、(B)エピガロカテキンガレート、(C)カテキンガレートおよび(D)ガロカテキンガレートを含有し、
    前記(A)成分〜(D)成分の含有量について、(A)/(B)(重量比)が0.7以上、且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.6以上であり、
    前記(A)成分〜(D)成分を含む非重合型カテキン類の総量が300〜1100mg/500mLであることを特徴とする緑茶飲料。
  2. 非重合型カテキン類総量中の(A)成分および(C)成分の合計の含有比率が20重量%以上である請求項1記載の緑茶飲料。
  3. (A)成分、(B)成分、(C)成分の含有量が、以下の式:
    (A)+(B)×2/3+(C)≧135(mg/500mL)
    を満たす請求項1または2記載の緑茶飲料。
  4. カメリア属の茶葉由来の抽出物および/または精製物と緑茶抽出液とを混合してなり、
    前記カメリア属の茶葉由来の抽出物および/または精製物中の(A)/(B)(重量比)が0.75以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.65以上である請求項1〜3いずれか記載の緑茶飲料。
  5. カメリア属の茶葉から、(A)/(B)(重量比)が0.75以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.65以上である茶葉由来抽出物を得る工程と、
    前記茶葉由来抽出物を緑茶抽出液に配合して、(A)/(B)(重量比)が0.7以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))が0.6以上となるように調整された緑茶飲料を得る工程と
    を含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の緑茶飲料の製造方法。
  6. カメリア属の茶葉由来抽出物を得る工程と、
    合成吸着剤を用いて前記茶葉由来抽出物を精製し、(A)/(B)(重量比)が0.75以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.65以上である茶葉由来精製物を得る工程と、
    前記茶葉由来精製物を緑茶抽出液に配合して、(A)/(B)(重量比)が0.7以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))が0.6以上となるように調整された緑茶飲料を得る工程と
    を含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の緑茶飲料の製造方法。
  7. カメリア属の茶葉から、(A)/(B)(重量比)が0.75以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.65以上である茶葉由来抽出物を得る工程と、
    合成吸着剤を用いて前記茶葉由来抽出物を精製し、(A)/(B)(重量比)が0.75以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))(重量比)が0.65以上である茶葉由来精製物を得る工程と、
    前記カメリア属の茶葉由来抽出物と、前記カメリア属の茶葉由来精製物を緑茶抽出液に配合して、(A)/(B)(重量比)が0.7以上であり、且つ((A)+(C))/((B)+(D))が0.6以上となるように調整された緑茶飲料を得る工程
    を含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の緑茶飲料の製造方法。
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