JP2017079674A - 容器詰茶飲料 - Google Patents

容器詰茶飲料 Download PDF

Info

Publication number
JP2017079674A
JP2017079674A JP2015214056A JP2015214056A JP2017079674A JP 2017079674 A JP2017079674 A JP 2017079674A JP 2015214056 A JP2015214056 A JP 2015214056A JP 2015214056 A JP2015214056 A JP 2015214056A JP 2017079674 A JP2017079674 A JP 2017079674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tea
beverage
extract
present
proanthocyanidins
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015214056A
Other languages
English (en)
Inventor
喬 不破
Takashi Fuwa
喬 不破
優希 中尾
Yuki Nakao
優希 中尾
秀貴 松林
Hideki Matsubayashi
秀貴 松林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Beverage and Food Ltd
Original Assignee
Suntory Beverage and Food Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Beverage and Food Ltd filed Critical Suntory Beverage and Food Ltd
Priority to JP2015214056A priority Critical patent/JP2017079674A/ja
Publication of JP2017079674A publication Critical patent/JP2017079674A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tea And Coffee (AREA)

Abstract

【課題】本発明の課題は、プロアントシアニジンを1〜250mg/L(プロアントシアニジンB1換算)含有しつつも苦渋味が抑制され飲みやすい容器詰飲料を提供することである。【解決手段】プロアントシアニジンB1(PB1)換算で1〜250mg/Lのプロアントシアニジンを茶抽出液に配合することによって、癖がなく飲み易い、持続的に摂取可能な容器詰飲料が得られる。【選択図】なし

Description

本発明は、プロアントシアニジンを含有する容器詰飲料に関する。特に本発明は、プロアントシアニジンに起因する苦渋味が抑制され、効率的かつ持続的に摂取可能な容器詰飲料に関する。
近年、食生活やライフスタイルの変化に伴って生活習慣病が増加している。生活習慣病とは、高血圧症、高脂血症、糖尿病などの疾患に加え、狭心症、心筋梗塞、脳循環障害、悪性腫瘍など生活習慣を改善することによって発病を予防することができると考えられる疾患の総称である。高血圧症、高脂血症、糖尿病などは重複して発症することが多く、合併した場合は互いにその病態を増悪させ、動脈硬化などの続発症を高率に引き起こして予後を悪化させることになる。
最近、こういった悪循環の要因の一つに血管の内皮機能の低下が関与していることがわかってきた(非特許文献1参照)。血管内皮機能低下のリスクファクターとして、高血圧、耐糖能異常、高脂血症、閉経後女性、喫煙などが挙げられるが、血管病変の終末的な状態である動脈硬化をきたす前に、その端緒である血管内皮機能低下を発見し、予防することが、生活習慣病を予防する上で非常に重要であると考えられる。特に、慢性的な無症候な病態である血管病変に対しては、長く安全に摂取できる食品による予防がより重要であると考えられ、そのような効果を奏する食品の開発が期待されている。
一方、ポリフェノールの摂取量が多いほど、循環器疾患の発症が少ないことが明らかにされており、最近の研究では、ココア、チョコレート、ブドウ、ワインなどの主要なポリフェノールとしてプロシアニジンを豊富に含む食品やその素材には、ヒトにおいて血管内皮機能の改善効果が報告されている(非特許文献2〜4参照)。また、このプロシアニジンを含む松樹皮抽出物を含有するカプセル剤の経口投与による血管内皮機能の改善効果も確認されている(非特許文献5,6参照)。さらに、プロアントシアニジンを含有する松樹皮抽出物を茶飲料に配合し、その茶飲料を摂取した効果についても報告されている。
Verma S, Anderson TJ, Circulation 2002;105:546-549 Stein JH, Circulation 1999;100:1050-5 Chou EJ, Am J Cardiol 2001;88:553-5 Agewall S, Eur Heart J 2000;21:74-8 Shand B, Phytother Res 2003;17:490-4 Young JM, Free Radic Res 2006;40:85-94 森口他、「薬理と治療」、2006、vol. 34、no. 5
上記非特許文献5(Shand B, Phytother Res 2003;17:490-4)には、松樹皮抽出物としてエンゾジノールを使用し、これを12週間継続摂取させることにより最大前腕血流が増加する、すなわち血管内皮機能改善作用があることが記載されている。また、上記非特許文献6(Young JM, Free Radic Res 2006;40:85-94)には、松樹皮抽出物としてエンゾジノールを使用し、これを12週間継続摂取させることにより血管径が増大することが記載されている。上記文献のいずれも固形の経口摂取用組成物(カプセル剤)が用いられ、しかも480mg/dayという比較的大量の松樹皮抽出物を摂取しなければならず、毎日の摂取には不都合を生じることもあった。一般に、固形の経口摂取用組成物では摂取する際に手間がかかり、摂取するという義務化した感覚になってしまうこと、錠剤、カプセル剤、顆粒剤等、固形の経口摂取用組成物の形態が医薬品の形態に近いことから、医薬品を摂取しているような感覚になってしまうこと等の理由から、持続的に摂取可能な形態としては、食事中や休憩中に気軽に摂取できる飲料の形態が適しているとの指摘がある。このことからも、上記した固形状の松樹皮抽出物の大量摂取が持続的な摂取に適当でないといえる。
また、上記文献に示される効果は血液生化学検査に反映されるほどのものではなく、明確な有効性が認められるまでには至っていなかった。
本発明の課題は、プロアントシアニジンを含有しながらも飲みやすく、持続的に摂取可能な容器詰飲料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、1〜250mg/Lのプロアントシアニジンを茶飲料に配合することによって、飲みやすく、持続的な摂取に好適な容器詰飲料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
また、好ましい態様において、上記茶飲料にさらに茶葉粉末を含有させることによって特に飲みやすい飲料が得られることも見出された。
すなわち、本発明は、これに限定されるものではないが、下記の発明を包含する。
(1) プロアントシアニジン1〜250mg/L(プロアントシアニジンB1換算)と茶抽出液を含有する容器詰飲料。
(2) 茶葉粉末をさらに含有する、(1)に記載の飲料。
(3) 茶葉粉末の平均粒子径が1〜20μmである、(2)に記載の飲料。
(4) 飲料に対して0.02〜0.5重量%の茶葉粉末を含有する、(2)または(3)に記載の飲料。
(5) 粒子径2μm以下の茶葉粉末の数が、飲料1Lあたり、1400000個以上である、(2)〜(4)のいずれかに記載の飲料。
(6) (イ) 茶葉粉末の全粒子数に対する、粒子径7μm以上20μm以下の粒子(a)の数の割合が60%〜90%であり、(ロ) 粒子径7μm以上20μm以下の粒子(a)の数に対する、粒子径2μm以下の粒子(b)の数の割合(b/a)が0.03〜0.3である、(2)〜(5)のいずれかに記載の飲料。
(7) モノガラクトシルジグリセリドおよび/またはジガラクトシルジグリセリドを含有する、(1)〜(6)のいずれかに記載の飲料。
(8) (D)ガレート型カテキンおよび(E)遊離型カテキンをさらに含有し、(D)と(E)の合計量が、飲料1Lあたり、100〜1500mg/Lであり、(D)よりも(E)の含有量の方が大きい、(7)に記載の飲料。
(9) モノガラクトシルジグリセリドとジガラクトシルジグリセリドの合計量が、飲料1Lあたり、1.3〜12.0mg/Lである、(7)または(8)に記載の飲料。
(10) モノガラクトシルジグリセリドの量とジガラクトシルジグリセリドの量の比率(A/B)が0.90〜4.0である、(7)〜(9)のいずれかに記載の飲料。
(11) カフェイン含有量が、飲料1Lあたり20〜200mg/Lである、(7)〜(10)のいずれかに記載の飲料。
(12) テアニン含有量が、飲料1Lあたり20〜80mg/Lである、(7)〜(11)のいずれかに記載の飲料。
(13) Haze値が50〜100%である、(7)〜(12)のいずれかに記載の飲料。
(14) 前記茶抽出液が、緑茶抽出液および/または焙じ茶抽出液を含む、(1)に記載の飲料。
(15) 飲料1Lあたり23〜100mg/Lの2−メチルブタナール及び/又は3−メチルブタナールと、5〜50mg/Lの2,5−ジメチルピラジンと、を含有する、(14)に記載の飲料。
4. 茶の抽出液にプロアントシアニジンを配合して調合液を調製する調合工程、前記調合液を殺菌処理する殺菌工程、殺菌された調合液を容器に充填する充填工程を経て得られる、容器詰めされた上記1〜3のいずれかに記載の茶飲料。
本発明に基づいて、1〜250mg/Lのプロアントシアニジンを茶飲料に配合することによって、飲みやすく、持続的な摂取に好適な容器詰飲料が得られる。
本発明に係る容器詰飲料は、プロアントシアニジンB1換算で1〜250mg/Lのプロアントシアニジン類と茶抽出液を含んでなる。
プロアントシアニジン
本発明に係る容器詰飲料は、プロアントシアニジンB1換算で1〜250mg/Lのプロアントシアニジン類を茶飲料に配合することによって得られる。本発明においてプロアントシアニジン含量という場合、フラバン−3−オールのn重合体(n≧2、オリゴメリックプロアントシアニジン:OPC)を含む総量を下式(I)のプロアントシアニジンB1(procyanidin B1;PB1)に換算した量を意味する。
本発明の容器詰飲料は、特定量のプロアントシアニジンを含有するが、特に好ましい態様において松樹皮由来のプロアントシアニジンを有効成分として含有する。松樹皮由来のプロアントシアニジンは、好ましい態様において、松樹皮を50〜120℃、好ましくは70〜100℃の熱水又は食品の製造に許容される溶媒(エタノール等)あるいはその水溶液で抽出して得ることができる(以下、前者を「水抽出物」、後者のエタノール又はエタノール水溶液による抽出物を「エタノール抽出物」と表記することもある)。原料となる松樹皮としては、松樹皮抽出物の原料となる松樹皮としては、フランス海岸松(Pinus Martima)、カラマツ、クロマツ、アカマツ、ヒメコマツ、ゴヨウマツ、チョウセンマツ、ハイマツ、リュウキュウマツ、ウツクシマツ、ダイオウマツ、シロマツ、カナダのケベック地方のアネダ等の樹皮等が好ましく用いられるが、中でも、フランス海岸松の樹皮が好ましい。ここで、フランス海岸松は、南仏の大西洋沿岸の一部に生育している海洋性松をいう。
このフランス海岸松の樹皮は、カテキン、プロアントシアニジン及び有機酸等の成分を含有する。抽出溶媒により得られる抽出物の組成は異なり、例えば、松樹皮中に含まれるフェルラ酸等のフェニルプロパノイド(PP)は、水抽出物ではほとんど含有されないが、エタノール抽出物には約10%程度含有される。また、ジヒドロケルセチン等のジヒドロフラバノール(DHF)も、水抽出物にはほとんど含有されないが、エタノール抽出物には、数%程度含有される。フェルラ酸やジヒドロケルセチンは優れた抗酸化剤として知られ、フェルラ酸については脳血管保護作用(第14回日本循環薬理学会要旨集プログラムA5,2004)や、血管内皮機能改善作用(特開2003−261444号参照)が報告されている。したがって、エタノール抽出物を用いれば、プロアントシアニジンとフェルラ酸及び/又はジヒドロケルセチンとの相加的又は相乗的な血管内皮機能の改善効果が期待されるが、上記PPやDHFは香味面に影響を及ぼすことがあり、特に本発明のような飲料では、香味が持続的摂取のための重要な因子であることから、その影響は無視できない。官能検査において、エタノール抽出物と比較して水抽出物を添加した茶飲料が、良好な風味であると判断されたことから、本発明の茶飲料においては、水抽出物を用いることが好ましい。具体的には、フェルラ酸とジヒドロケルセチンを指標として、その含量の合計が、10μg/mg以下、好ましくは5μg/mg以下となるような抽出物を用いることが好ましい。
松樹皮抽出物中のフェルラ酸及びジヒドロケルセチン含量は、例えば次のようにHPLC等を用いて分析することができる。松樹皮抽出物をpH4から5の緩衝液に1mg/mLの濃度で溶解し、β―グルコシダーゼ(セルラーゼRS,エムルシンなど)を加え40℃で1〜6時間インキュベートしアグリコンを作る。このアグリコンを含む反応溶液に同量のアセトニトリル(0.1から1%のTFAを含む)を加え酵素反応を止めると同時に、アグリコンを溶解させる。この溶液を逆相のHPLCで分析することにより定量が可能である。例えば、下記の条件で分析することができるが、逆相系であればODS、C30などの担体も使用可能である。
(HPLC条件)
・カラム:Shim-pack FC-ODS, 4.6mm x 150mm
・移動相:A:0.1%TFA/H2O、B:0.1%TFA/90%CH3CN、0.6ml/min
・グラジエント:B20%→B70%(10min)、B70%iso(5min)
・検出:Photodiodearrey検出器(島津製作所 SPD-M10A)、A330nm
・インジェクション:10μL
松樹皮からの抽出方法に特に制限はなく、例えば、加温抽出法、超臨界流体抽出法、液体二酸化炭素回分法、液体二酸化炭素還流法、超臨界二酸化炭素還流法などの公知の方法を単独で又は複数の抽出方法を組み合わせて用いることができる。
本発明では、松樹皮に抽出溶媒(熱水、エタノール、含水エタノール等)を加えた抽出後、濾過して得られる濾液、又はその精製品を抽出液として用いることもできるし、この抽出液を凍結乾燥等により粉末化したものを用いることもできる。また、松樹皮抽出物として市販されているフラバンジェノール(株式会社東洋新薬)、ピクノジェノール(シーベルヘグナー株式会社)等を用いてもよく、中でも、上記理由から水抽出タイプのフラバンジェノールを好適に用いることができる。
本発明におけるプロアントシアニジンとは、フラバン−3−オール及び/又はフラバン−3,4−ジオールを構成単位とする重合度が2以上の縮重合体からなる化合物群をいう。松樹皮中のプロアントシアニジンとしては、PB1、PB3、PB6などの2量体及びプロシアニジンC2(C−C−C)の3量体などが知られている。上述したように、本発明においてプロアントシアニジン含量という場合、オリゴメリックプロアントシアニジン(OPC)も含めたプロアントシアニジン類の総量をプロアントシアニジンB1(PB1)に換算した量で表現する。ブドウ種子より抽出されたプロアントシアニジンが熱に対して安定であることが知られている(特許第2694748号)が、本発明の茶飲料、特に加熱殺菌され容器に収容して販売される茶飲料では、120℃を超える温度で殺菌処理されることから、有効成分であるプロアントシアニジンの一部が、分解されたり異性化されたりするために、加熱(殺菌処理)前の松樹皮抽出物中のプロアントシアニジンと加熱(殺菌処理後)の松樹皮中のプロアントシアニジンとでは、その含量及び組成が異なることがある。
本発明の茶飲料では、特定量のプロアントシアニジンを含有することを特徴とする。プロアントシアニジンは、上記のとおり、飲料製造工程における殺菌処理等により分解されることがある。
本発明の茶飲料は、1mg/L以上のプロアントシアニジンを含有するが、望ましい態様において、成人(体重60kg)1日あたり、2.2mg以上、好ましくは2.8mg以上を含有する茶飲料を提供する。例えば、350mLの容器にPB1及びPB3の合計含有量が2.2mg(好ましくは2.8mg)となるように製造された松樹皮抽出物配合茶飲料では、1日1本(350mL)という少量でありながら、血管内皮機能の改善作用を得ることができる。
このように、本発明は、プロアントシアニジンを茶飲料として摂取することで、少量でありながら明確な効果を奏するものである。本発明の茶飲料に配合されるプロアントシアニジンの上限は250mg/Lであるが、これは、プロアントシアニジンをあまり多量に配合すると香味的に渋みや癖を感じて飲みにくさを改善しにくくなるためである。本発明に係る飲料の好ましい態様において、プロアントシアニジン含量は、5〜200mg/Lであり、より好ましくは10〜150mg/Lであり、さらに好ましくは15〜100mg/Lである。
本発明においてプロアントシアニジン含量は、特開2006−38763号公報に記載の方法に基づいて測定することができる。具体的には、オリゴメリックプロアントシアニジン(OPC)を加水分解してから分析し、PB1を標準物質として使用し、特定の係数を掛け合わせて計算することによって、PB1換算でのプロアントシアニジン類の量を測定すればよい。
本発明の茶飲料中のPB1及びPB3含量は、例えば次のようにして測定することができる。まず茶飲料について、カラム等による前処理を行う。カラムとしては、ShephadexLH−20等を例示できる。ShephadexLH−20を充填し、水で膨潤したカラム茶飲料を負荷して水で洗浄した後、35%エタノール及び70%エタノールで溶出する。70%エタノール溶出画分を減圧濃縮下で濃縮後、メスフラスコでフィルアップし、各溶出画分をHPLCに供す。
(HPLC条件)
・カラム:Cosmosil 5C18-MS-II、5μm、4.6mmφx150mm
・移動相:A-0.05%TFA/H2O、B-90%CH3CN/0.05%TFA/H2O、1ml/min
・グラジエントプログラム:9%Bアイソクラティク(15min)9%B→100% B(1min)100%Bアイソクラティク(10min)100%B→9%B(1min)で10min平衡化後、次の分析を開始
・検出:A225nm
・インジェクション:10μL
茶抽出液
本発明の容器詰料は、茶抽出液に特定量のプロアントシアニジンを配合して調製する。茶の抽出液は、原料茶葉を加温水にて抽出し、その茶抽出液から抽出残渣を取り除くことにより得られる。本発明でも用いる原料茶葉としては、煎茶、玉露、てん茶などの緑茶類、総称してウーロン茶と呼ばれる鉄管音、色種、黄金桂等の半発酵茶、紅茶と呼ばれるダージリン、アッサム、スリランカなどの発酵茶の他、包種茶、松葉茶、麦茶、その他ブレンド茶など特に限定されないが、中でも、緑茶類や包種茶が風味的な好ましさから好適に用いられ、特には、ツバキ属植物であるチャ(学名:Camellia sinensis)に属する樹木の葉もしくはその加工物から得られる茶抽出液を用いることが好ましい。また、茶葉の品種、産地、摘採時期、摘採方法、栽培方法などは何ら限定されず、どのような茶葉も対象とすることができ、例えば生茶葉等(葉や茎を含む)を原料茶葉とすることも可能である。
抽出は、ニーダー等の抽出装置を用いた公知の方法で行うことができ、具体的には、原料茶葉に対して20〜100倍量、60〜100℃(好ましくは、70〜90℃)の抽出水で約1分〜20分間、必要に応じて1回〜数回攪拌して、常圧又は加圧下で抽出を行えばよい。ここで、抽出に用いる抽出水は、純水(硬水、軟水、イオン交換水を含む)のほか、アスコルビン酸含有水溶液及びpH調製水等を例示することができる。また、茶抽出液には、抽出時又は抽出後に、L−アスコルビン酸等の酸化防止剤や炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤を添加してもよい。
原料茶葉の抽出によって得られた茶抽出液は、次に、その茶抽出液から濾過等により抽出残渣を取り除いてもよく、必要に応じ遠心分離等を行って微粉を除去する。遠心分離の条件(流速、回転数等)は、最終的に得られる茶飲料の清澄度等を考慮して、適宜選択すればよい。なお、遠心分離を行うには、抽出液を5〜40℃程度に冷却するとよい。冷却して遠心分離することにより、最終的に得られる茶飲料の清澄度が高くなる。
本発明の茶飲料は、上記抽出残渣を除去した茶抽出液に、プロアントシアニジン又はそれを含有する植物抽出物を添加して混合溶解して製造する(調合工程)。本発明の茶飲料では、臨床上有効量のプロアントシアニジンを含有することを特徴とする。殺菌処理によりプロアントシアニジンが分解あるいはエピ化(異性化)されることを考慮して調合工程では目標の含有量より多量のプロアントシアニジンを添加する。
また、本発明の茶飲料では、例えば、pH4〜7(好ましくはpH6.0前後)に調整、濃度調整、味の調整等を目的に、必要に応じて、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等を加えてもよい。アスコルビン酸の添加は、茶飲料中の茶抽出成分の酸化を防ぐことができるだけでなく、アスコルビン酸が有する抗酸化作用が本発明のプロアントシアニジンと相加的又は相乗的に血管内皮機能改善作用を高めることが期待できる。
本発明の茶飲料では後述する茶葉粉末を添加することにより、プロアントシアニジンを含有することによるエグ味をさらに改善することができる。また、茶葉として焙じ茶葉を用いることによってもその香気成分によるエグ味改善効果を得ることができる。
茶葉粉末
本発明の容器詰飲料は、好ましい態様において、茶葉粉末を含有する。原料となる茶葉の種類、茶葉の粉砕処理方法、粉砕サイズ等、何ら限定されるものではないが、粉砕サイズは、例えば、平均粒子径(メジアン径)が、1〜100μmであり、好ましくは1〜50μmであり、より好ましくは1〜20μmである。このような茶葉粉末を飲料に配合すると、プロアントシアニジンに起因する苦渋味を効果的に抑制することができる。
本発明の飲料に配合する粉末茶葉の割合は、通常、0.02〜0.5重量%、好ましくは0.03〜0.4重量%程度である。なお、この粉末茶含有飲料は、680nmにおける吸光度が例えば0.02〜0.25、好ましくは0.02〜0.20、より好ましくは0.02〜0.15となるように調整する。このような特定範囲の吸光度に調整された粉末茶含有飲料は、コク味が増すという粉末茶葉を多く含む飲料の利点を有しつつ、粉砕茶葉固有の収斂味や不溶性成分由来のざらつきのない後味のすっきりとした茶飲料で、上述の沈殿抑制作用が顕著に発揮される茶飲料である。具体的には、不溶性成分に対するグリセロ糖脂質の割合〔(グリセロ糖脂質量(μg/ml))/(OD680nmにおける吸光度)〕が7以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上となる茶飲料が粉砕茶葉固有の収斂味や不溶性成分由来のざらつきのない茶飲料である。
本発明において茶葉粉末の原料となる茶葉は特に制限されないが、抹茶を使用することが特に好ましい。抹茶とは、遮光処理を施した茶葉の覆下茶を蒸したのち、冷却し、その茶葉を揉捻せずに乾燥用の碾茶機内でそのまま乾燥して製造した乾燥葉を、小片にし、茎を除いて、更に乾燥して製造した碾茶を、臼で挽いて粉にしたものである。この石臼挽きのような、茶葉の細胞壁を破壊しうる粉砕工程を経ることで、細胞膜成分である、グリセロ糖脂質を含む可溶性高分子画分が溶出される。したがって、一つの態様において、茶葉に細胞壁を破壊できる程度の粉砕処理を施して粉砕茶葉を得て、これを溶媒抽出して細胞膜成分(グリセロ糖脂質を含む可溶性高分子画分)を溶出させた上で茶飲料に用いると特に好ましい。
本発明において茶葉粉末を得る手法は特に制限されない。具体的な粉砕方法としては、例えば、石臼挽きが好ましい。
(茶葉粉末の粒度分布)
特に好ましい態様において本発明は、粉末抹茶を配合した抹茶入り茶飲料であって、飲料中の全粒子数に対する粒子径が7μm以上20μm以下の粒子(A)の割合が60%〜90%であり、この粒子(A)の数に対する粒子径が2μm以下の粒子(B)の数の割合[(B)/(A)]が0.03〜0.3である。
7μm以上20μm以下の粒子(A)は、乾式粉砕により得られる。より詳細には、遮光処理を施した茶葉の覆下茶を蒸したのち、冷却し、その茶葉を揉捻せずに乾燥用の碾茶機内でそのまま乾燥して得られる乾燥葉を、小片にし、茎を除いて、更に乾燥して製造した碾茶を、粉砕機により所定の大きさになるよう粉砕して得られる。本発明における抹茶の粒子径7μm以上20μm以下の粒子(A)(以下、単に「抹茶(A)」という。)は、乾式粉砕として石臼挽きを採用することが好ましい。石臼を採用することにより、後述するグリセロ糖脂質を茶飲料中に溶出させやすくすることができる。
抹茶の良好な香り立ちを愉しむために、抹茶(A)の粒子数は、飲料10mL当たり150000個以上、好ましくは200000個以上、さらに好ましくは250000個以上となるように配合する。
本発明の抹茶入り緑茶飲料は、この抹茶(A)に、粒子径2μm以下に微細化された粉末抹茶(B)(以下、単に「抹茶B」という。)を0.03〜0.3の割合で添加することを特徴とする。この割合で微細化粉末抹茶を添加することにより、抹茶(A)を配合した茶飲料の香り立ちの良さを保持したまま、口当たりの刺激(過剰な苦渋味)を抑制することができる。また、抹茶(A)の濃緑色を保存中も維持しやすいという効果を奏する。抹茶(B)の数の抹茶(A)の数に対する割合[(A)/(B)]は、0.04〜0.25であることが好ましく、0.05〜0.2であることがより好ましく、0.06〜0.15であることがさらに好ましい。
粒子径が2μm以下である抹茶(B)は、抹茶の湿式粉砕により調製することができる。風味の観点から、碾茶を石臼挽きで予備粉砕した抹茶を湿式粉砕したものを用いることが好ましい。湿式粉砕の方法は特に限定されないが、高圧ホモジナイザーによる粉砕が好ましい。高圧ホモジナイザーの条件としては、例えば圧力5〜100MPa程度、温度10〜60℃程度を例示することができる。
本発明の抹茶入り緑茶飲料は、煎茶等の茶葉抽出液に、乾式粉砕して得られる抹茶(A)と、湿式粉砕して得られる抹茶(B)とを所定量・所定割合となるように配合して製造することができる。具体的には、茶抽出液に抹茶(A)を配合した後、所定量の抹茶(B)を配合して製造してもよいし、抹茶(A)と抹茶(B)を所定割合で混合して混合物を得、これを茶抽出液に添加して製造してもよい。理由は不明であるが、前者の製造方法によると、製造時のダマが形成されにくく、分散性が向上するという利点がある。
このようにして製造される本発明の茶飲料は、その粒度分布を測定すると、2つのピーク;7μm以上20μm以下の粒度帯と2μm以下の粒度帯にそれぞれピークを有する。従来、粒度分布のピークが2以上に分かれると、飲料中で粒度帯ごとに粒子が分離しやすくなり、沈殿を生じやすくなることが指摘され敬遠されてきた。本発明は、粒子数を特定割合に制御することで、敢えて2つのピークに分かれた粒度分布を有する抹茶飲料を調製することに最大の特徴がある。
粒子分布は、レーザー回折散乱法により、粒度分布測定装置(島津製作所製、SALD2000J)を用いて測定した。本明細書でいう粒子径とは、この粒度分布測定より得られた各々の粒度分布に基づく粒子径を指す。また、本明細書でいう粒子の個数とは、レーザー微粒子測定法による容積測定により、パーティクルカウンター(Particle Measuring Systems社製、LiQuilaz液中パーティクルカウンター)を用いて測定される値をいう。
茶飲料の成分
1つの態様において、本発明の茶飲料は、前述のグリセロ糖脂質濃度を調整してもよい。本発明におけるグリセロ糖脂質とは、1〜3個の単糖類で構成される糖鎖がジアシルグリセロールにエステル結合した糖脂質をいう。グリセロ糖脂質に含まれる糖鎖を構成する単糖類としては、ガラクトース、グルコース、マンノース、フラクトース、キシロース、アラビノース、フコース、キノボース、ラムノース、スルフォキノボース(Sulfoquinovose)等が挙げられ、アシル基は、飽和又は不飽和の炭素数6〜24個の直鎖、又は分岐鎖状の脂肪酸残基が挙げられ、具体的にはリノレン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸などが挙げられる。
本発明のグリセロ糖脂質には、少なくともモノガラクトシルジアシルグリセロール(MGDG)、及びジガラクトシルジアシルグリセロール(DGDG)が含まれる。飲料中において、グリセロ糖脂質は、コロイド分散系として存在していると考えられる。なお、MGDG量DGDG量およびSQDG量は、当業者に周知の方法で測定することができる。例えば、サンプルよりグリセロ糖脂質を分離する処置を行い、逆相カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーに分離液を供することにより測定・定量することができる。
本発明におけるMGDGは、食品で使用できるものであればどのようなものでも使用できる。MGDGは市販品の他、合成品を用いてもよい。また葉緑体チラコイド膜を有する植物体など天然物からの抽出物を用いてもよく、香味の観点から茶葉の抽出物として添加するのが好ましい。MGDGを高濃度に含有する茶抽出物の製造方法は、例えばWO2009/055188に記載されている。ここで、茶抽出物とは、茶抽出液、その濃縮物又はそれらの精製物を包含する概念である。
本発明の飲料に茶葉粉末を含有させると、粉砕茶葉固有の収斂味が顕著になることも考えられるため、茶飲料が上述の吸光度、すなわち680nmにおける吸光度が0.02〜0.25、好ましくは0.02〜0.20、より好ましくは0.02〜0.15となるように調整する。
グリセロ糖脂質を1.0μg/ml以上、好ましくは1.5μg/ml以上含有させることにより、プロアントシアニジンに由来するエグ味だけでなくカテキン類に固有の苦味、渋味をマスクできる。したがって、カテキン類を高濃度に含有するカテキン高含有茶飲料は、本発明の茶飲料の好ましい態様の一つである。ここで、カテキン類高含有茶飲料とは、カテキン類を0.10〜5.0mg/ml、好ましくは0.20〜4mg/ml、より好ましくは0.25〜3mg/ml、さらに好ましくは0.30〜2mg/ml、特に好ましくは0.35〜1mg/ml含有する茶飲料をいう。カテキン類は、コレステロール上昇抑制作用、α−アミラーゼ阻害作用などの生理効果を有するものであるが、このような生理効果を発現させるためには、成人一日あたり4〜5杯のお茶を飲むことが必要であり、より簡便に大量のカテキン類を摂取するため、飲料にカテキン類を高濃度配合する技術、すなわち茶本来の味を損なわずにカテキン類に固有の苦味、渋味をマスクする技術が望まれていた。両親媒性であるグリセロ糖脂質がカテキン類を包摂するように作用してコロイド分散系を形成するので、本発明の特定量以上のグリセロ糖脂質を含有する茶飲料は、カテキン類の苦味、渋味をマスクでき、カテキン類を高濃度に配合できる。苦味、渋味のマスキングという観点からは、本発明の茶飲料は、カテキン類1重量部に対しグリセロ糖脂質を0.002〜0.025重量部、好ましくは0.002〜0.020重量部、より好ましくは0.003〜0.015重量部含む。この範囲内の濃度のグリセロ糖脂質及びカテキン類を含有する茶飲料は、室温以下の温度で飲用しても、茶が持つコク味、旨味とカテキン類の苦味、渋味との調和がとれた、適度な渋味を有しながらも、旨味やコク味をより一層強く感じる茶飲料(緑茶飲料)となる。
茶飲料中のグリセロ糖脂質は、その含量が高いほど、茶飲料のコク味を増強し、プロアントシアニジンに由来するエグ味とカテキン類の苦味や渋味をマスキングし、沈殿を抑制する効果を発揮する。グリセロ糖脂質の含量は所望する効果の大きさによって選択すればよいが、茶飲料としての香味の観点から、1000μg/ml以下、好ましくは、500μg/ml以下、より好ましくは400μg/ml以下、特に好ましくは350μg/ml以下程度が至適である。
本発明においては、カテキン類は、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートをいい、カテキン類の含量をいうときは、これらの総量を指す。本発明の茶飲料においては、カテキン類は、0.20〜5.0mg/ml含まれる。
好ましい態様において本発明は、(A)ガレート型カテキン、(B)遊離型カテキン及び(C)モノガラクトシルジグリセリドを含有する茶飲料であって、それらの含有量が飲料1L当たり下記である。
(イ) (A)+(B)=100〜1500mg
(ロ) (B)>(A)
(ハ) (C)/(B)=0.0030〜0.2000
本明細書において「非重合カテキン類」とは、重合していない単量体のカテキン類((+)−カテキン(以下、「C」)、(−)−エピカテキン(以下、「EC」)、(+)−ガロカテキン(以下、「GC」)、(−)−エピガロカテキン(以下、「EGC」)、(−)−カテキンガレート(以下、「Cg」)、(−)−エピカテキンガレート(以下、「ECg」)、(−)−ガロカテキンガレート(以下、「GCg」)、(−)−エピガロカテキンガレート(以下、「EGCg」))の総称をいう。また、本発明の「ガレート型カテキン」とは、非重合カテキン類のうちガレート基を有するもの(Cg,ECg,GCg,EGCg)をいい、ガレート型カテキンの含有量をいうときは、これらガレート型カテキンの合計量を表す。本発明の「遊離型カテキン」とは、非重合カテキン類のうち、ガレート基を有しないもの(C、EC、GC、EGC)をいい、遊離型カテキンの含有量をいうときは、これら遊離型カテキンの合計量を表す。ガレート型カテキン量及び遊離型カテキン量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法によって、測定・定量される。
本発明の容器詰飲料は、好ましい態様において、非重合カテキン類の総量、すなわち(A)ガレート型カテキン及び(B)遊離型カテキンの合計量[(A)+(B)]が、容器詰めされた緑茶飲料1L当たり100〜1500mg含有するが、100〜950mg、さらに120〜900mg、特に150〜800mg含有することが好ましい。この範囲の非重合カテキン類を茶飲料に含有させることにより、良好な味のベースが形成される。
一般に、茶葉抽出液に含まれるガレート型カテキンの含量は、非重合カテキン類全量に対して50%程度であり、遊離型カテキンの含量も50%程度である。本発明は、遊離型カテキンの比率をガレート型カテキンよりも高くする、すなわち(B)>(A)となるように調整する。具体的には、非重合カテキン類全量に対する遊離型カテキン類の割合[(B)/((A)+(B))]が0.55〜0.80、好ましくは0.56〜0.70の比率となるように調整する。ガレート型カテキン及び遊離型カテキンは、それぞれ質の異なる苦味や渋味を有するが、上記範囲となるように調整することで、後述するモノガラクトシルジグリセリドの効果を発揮させることができる。
本発明の容器詰め緑茶飲料は、容器詰めされた飲料中に、(C)モノガラクトシルジグリセリドと(B)遊離型カテキンとを重量比[(C)/(B)]で0.0030〜0.2000含有するが、0.0040〜0.1500、さらに0.0050〜0.1000、特に0.0050〜0.050含有することが好ましい。MGDGを遊離型カテキンに所定の比率で配合することによって、遊離型カテキンの後味の甘味を増強し、かつガレート型カテキンの瞬間的で刺激的な渋味や強い苦味を不快でない味わいにする。その結果、容器詰め緑茶飲料において、旨味や甘味の成分と苦味や渋味の成分とが互いの良さを引き出すことが可能となり、容器詰め茶飲料でありながら急須で淹れたお茶のような良好な風味バランスとなる。
容器詰飲料中、MGDGの含量が、飲料1L当たり0.800〜8.0mgとなるように配合すると、優れた香り立ちや風味立ちも良くなり、さらに茶飲料本来の外観を保持することもできる。MGDGの含量が、飲料1L当たり0.9〜7.0mgであると好ましく、1.0〜6.0mgであるとより好ましく、1.5〜6.5mgであるとさらに好ましく、2.0〜5.0mgであると特に好ましい。
本発明の容器詰飲料は、MGDG、好ましくはMGDGを高濃度に含有する茶抽出物を配合し、ガレート型カテキン量、遊離型カテキン量及びMGDG量を上記範囲に調整して得ることができる。具体的には、原料茶葉、抽出温度等の異なる複数の茶抽出物と、MGDGを含有する茶抽出物とを所定の量、割合となるように混合して製造することができる。または、複数の原料茶葉を混合し、これにMGDGを含有する茶抽出物を所定の量、割合となるように添加して製造することができる。
ここで、茶抽出液の原料として用いる茶葉としては、煎茶、番茶、玉露、釜煎り茶、碾茶などを挙げることができる。茶の抽出は、水、温水又は熱水、中でも40〜100℃の温水が好ましく、特に60〜100℃の熱水がより好ましい。
さらに、市販されている茶抽出物の濃縮物を利用してガレート型カテキン及び遊離型カテキンの量比を調整することも可能である。市販の茶抽出物としては例えば、三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」などを用いることができる。
上述のとおり、(A)ガレート型カテキンと(B)遊離型カテキンを特定比率で含有させ、かつ(C)モノガラクトシルジグリセリドを遊離型カテキン対して一定の割合になるように配合することにより、本発明のバランスに優れる容器詰め緑茶飲料が得られる。従来、粉末抹茶を配合した粉末茶飲料において、OD680nmにおける吸光度が0.25を超える茶飲料は、一定量のグリセロ糖脂質を配合しても粉末抹茶固有の収斂味が残り好ましくない風味であることが指摘されている(WO2009/055188)が、本発明の構成を満たすことにより、OD680nmにおける吸光度が高い(例えば、0.25以上、好ましくは0.30以上、より好ましくは0.40以上、さらに好ましくは0.5以上、特に好ましくは0.6以上)茶飲料であっても、バランスに優れた茶飲料で、抹茶本来のコクと深みがありながら、まろやかで飲みやすい味わいの茶飲料となる。
本発明の容器詰め緑茶飲料は、上記成分(A)〜(C)に加えて、その他の甘味・旨味成分や、苦味・渋味成分の量を調整することにより、より一層バランスに優れ、外観の安定性に優れた容器詰め緑茶飲料とすることができる。具体的には、渋味成分である(E)カフェイン含量が、飲料1L当たり100〜300mg、好ましくは120〜280mg、より好ましくは140〜260mgとなるように調整する。カフェイン量も非重合カテキン類と同じ測定法で同時定量が可能である。
カフェイン含量を上記範囲に調整するとき、容器詰飲料中の(C)モノガラクトシルジグリセリド(MGDG)及び(D)ジガラクトシルジグリセリド(DGDG)が、
(ニ) 飲料1L当たり(C)+(D)=1.3〜12.0mg(好ましくは1.5〜10.0mg、より好ましくは2.0〜8.0mg、さらに好ましくは2.5〜7.0mg、特に好ましくは2.8〜6.0mg)
(ホ) (C)/(D)=0.80〜4.0(好ましくは0.85〜3.5、より好ましくは0.9〜3.0、さらに好ましくは1.0〜2.8、特に好ましくは1.3〜2.5)
を満たすように調整するとよい。カフェインとグリセロ糖脂質であるMGDG、DGDGの比率を所定の範囲に調整することにより、カフェインの渋味やエグ味を適度な渋味に変えるとともに、オリ・クリームダウンの発生を抑制する。
また、甘味成分であるテアニン含量を調整するとよい。(F)テアニン含量は、飲料1L当たり20〜80mg、好ましくは25〜70mg、より好ましくは30〜65mg、特に好ましくは40〜60mgとなるように調整する。このとき、容器詰め緑茶飲料中の(C)MGDG及び(D)DGDGを、上記の要件(ニ)及び(ホ)を満たすように調整すると、テアニンの自然な甘味を増強して容器詰め緑茶飲料に深いコクを付与することができるとともに、アミノ酸含量が高い容器詰め茶飲料で発生しがちな不快臭(例えば、レトルト臭)を抑制することができ、爽やかな香りを保持することができる。
また別の態様において本発明は、プロアントシアニジンとカフェインを含有する飲料に、(A)特定量のモノガラクトシルジグリセリド(MGDG)及び(B)ジガラクトシルジグリセリド(DGDG)を配合することにより、プロアントシアニジンに由来するエグ味とカフェインの過度な苦味を抑制することができる。
飲料中のカフェイン含量は、例えば、20〜400ppmであり、120〜300ppmであることが好ましく、130〜280ppmであることがより好ましく、140〜260ppmであることがさらに好ましい。カフェイン含量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法によって、測定・定量される。
過度なカフェインの苦味抑制に有効な(A)MGDGと(B)DGDGは、
(イ) (A)+(B)=1.3〜12.0μg/ml(好ましくは1.5〜10.0μg/ml、より好ましくは2.0〜8.0μg/ml、さらに好ましくは2.5〜7.0μg/ml、特に好ましくは2.8〜6.0mg)
(ロ) (A)/(B)=0.90〜4.0(好ましくは1.0〜2.8、特に好ましくは1.3〜2.5)
となるように、調整する。MGDG及びDGDGを上記範囲に調整することにより、プロアントシアニジンのエグ味は抑制され、カフェインの過剰な苦味やエグ味は適度な渋味となる。
本発明のカフェイン含有飲料の好適な態様の一つとして、容器詰め茶飲料が例示できる。茶飲料は、味のベースになっているのが苦味や渋味であり、旨味や甘味もあってバランスがとれることで、苦味や渋味が不快なものでなく、お茶特有の爽やかさ、豊かな味わいを生むものであるが、容器詰め茶飲料は、保存性を高める目的で行う加熱殺菌処理や不溶性物質の分離処理等により、旨味・甘味と渋味・苦味のバランスが崩れ、特に過剰な苦味が知覚されやすい。冷蔵状態で飲用に供される容器詰め茶飲料では、特にカフェインの苦味が過剰の苦味として問題になることがある。
このような容器詰め茶飲料において、カフェイン及びグリセロ糖脂質を本発明の範囲に調整すると、旨味・甘味・渋味・苦味の調和のとれたバランスの良い容器詰め茶飲料で、かつオリ・クリームダウンが抑制された容器詰め茶飲料が得られる。
本発明のカフェイン含有飲料は、カフェインを含有する飲料に、MGDG及びDGDG、好ましくはMGDG及びDGDGを高濃度に含有する茶抽出物を添加してMGDG及びDGDG濃度を上記範囲に調整することにより得ることができる。
さらに別の態様において、本発明に係る飲料は、飲料中のカフェイン含量が飲料1L当たり200mg以下、好ましくは20〜200mg、より好ましくは30〜180mg、さらに好ましくは40〜160mg、特に好ましくは60〜140mgの飲料としてもよい。カフェイン含量は、速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法によって、測定・定量される。
このような低カフェイン茶飲料は、(A)モノガラクトシルジグリセリド(MGDG)及び(B)ジガラクトシルジグリセリド(GDGD)を含有し、それらの含有量[(A)+(B)]が、飲料1L当たり2.0〜12.0mg、好ましくは2.5〜10.0mg、より好ましくは3.0〜8.0mgである。メカニズムは不明であるが、MGDG及びGDGDを特定量、特定割合で配合することにより、異味を付加することなく、低濃度のカフェインの呈味を増強する。その結果、茶飲料の苦味・渋味・甘味・旨味が調和されたバランスのとれた味わいとなり、コク、飲み応え感が付与された風味となる。
このような低カフェイン茶飲料中、MGDGの含量が、飲料1L当たり0.5〜8.0mgとなるように配合すると、優れた香り立ちや風味立ちも良くなり、さらに茶飲料本来の外観を保持することもできる。MGDGの含量が、飲料1L当たり0.8〜8.0mgであると好ましく、0.9〜7.0mgであるとより好ましく、1.0〜6.0mgであるとさらに好ましく、1.5〜6.5mgであると特に好ましい。
また、飲料中のMDGDとDGDGの含量比[(A)/(B)]が、0.90〜3.0、好ましくは1.0〜2.8、特に好ましくは1.3〜2.5となるように調整するとよい。この割合で配合すると、カフェインの呈味のエンハンス作用が顕著になる。
さらに、本発明の低カフェイン茶飲料において、非重合カテキン類を特定の量、特定の割合となるように調整すると、急須で淹れたお茶のような良好な風味バランスとなり、嗜好飲料、止渇飲料としての価値が向上する。
具体的には、(C)ガレート型カテキン、(D)遊離型カテキン及び(A)モノガラクトシルジグリセリドを含有する茶飲料であって、それらの含有量が飲料1L当たり、
(イ) (C)+(D)=100〜1500mg(好ましくは100〜950mg、より好ましくは120〜900mg、さらに好ましくは150〜800mg)
(ロ) (D)>(C)
(ハ) (A)/(C)=0.003〜1.0(好ましくは0.004〜0.9、さらに好ましくは0.005〜0.8)
とするとよい。
また別の態様において本発明は、テアニンと、(A)モノガラクトシルジグリセリド(MGDG)及び(B)ジガラクトシルジグリセリド(DGDG)を含有する飲料であって、それらの含有量が飲料1L当たり以下である飲料であってよい。
(イ) テアニン 20〜80mg
(ロ) (A)+(B)=1.3〜12.0mg
(ハ) (A)/(B)=0.90〜3.0
本発明のテアニンは、食品で使用できるものであればどのようなものでも使用できる。市販品の他、合成品を用いてもよい。本発明の容器詰め飲料は、容器詰めされた飲料中に、テアニンを飲料1L当たり20〜80mg含む。25〜70mgであるとより好ましく、 30〜65mgであるとさらに好ましい。本発明は、特に茶飲料中のテアニンの甘味・旨味を増強し、甘香も顕著に付与することができる。本発明の容器詰め飲料が茶飲料の場合、テアニンは茶抽出物として添加することが、風味の観点から好ましい。テアニンを高濃度に含有する茶抽出物の製造方法としては、茶葉の低温抽出物や、茶葉のカテキン類を除去する除カテキン処理を行った茶葉に、プロテアーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼなどの酵素を添加して抽出処理を行って得られる酵素抽出液や、それら混合物等が好適に用いられる。テアニン含量は、速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法によって、測定・定量することができる。
また、本発明の飲料において、茶葉由来固形分に対し、アミノ酸の総量の割合が2.5重量%以上であり、カテキン類の総量の割合が15.0重量%以下であり、前記アミノ酸の総量に対してテアニンを0.1重量%以上含有する茶抽出物は、テアニンを高濃度に含有する茶抽出物として好適な態様の一つである。なお、本明細書でいう茶抽出物とは、茶抽出液、その濃縮物又はそれらの精製物を包含する概念を示す。
本発明の容器詰め飲料は、容器詰めされた飲料中に、(A)モノガラクトシルジグリセリド(MGDG)及び(B)ジガラクトシルジグリセリド(DGDG)を含み、その含量[(A)+(B)]が、飲料1L当たり1.3〜12.0mgである。1.5〜10.0mgであるとより好ましく、2.0〜8.0mgであるとさらに好ましく、2.5〜7.0mgであると特に好ましい。MGDGはDGDGよりもテアニンの甘味を増強する作用が強いことから、上記範囲の中でも、特にMGDGの含量が、飲料1L当たり0.5〜8.0mgとなるように配合すると効果的に本発明の効果を発揮することができる。MGDGの含量が、飲料1L当たり0.8〜8.0mgであると好ましく、0.9〜7.0mgであるとより好ましく、1.0〜6.0mgであるとさらに好ましく、1.5〜6.5mgであると特に好ましい。
また、飲料中のMDGDとDGDGの含量比[(A)/(B)]が、0.90〜3.0となるように調整すると、より一層テアニンの有する上品な旨味や甘味のエンハンス作用を効率的に発揮することができる。(A)/(B)が、1.0〜2.8であると好ましく、1.3〜2.5であるとより好ましい。
本発明の容器詰め飲料は、テアニンを配合した飲料に、MGDG及びDGDGを上記範囲に調整して配合することで得る。本発明の容器詰め飲料が茶飲料の場合、茶抽出液に、テアニンを高濃度で含有する茶抽出物と、MGDG及びDGDGを高濃度で含有する茶抽出物を添加して製造することができる。ここで、茶抽出液の原料として用いる茶葉としては、煎茶、番茶、玉露、釜煎り茶、碾茶などを挙げることができる。茶の抽出液は、原料茶葉を水、温水又は熱水(40〜100℃の温水が好ましく、特に60〜100℃の熱水がより好ましい)で抽出して得られる。
さらに、容器詰めされた飲料中に、飲料1L当たり5mg以上のグルタミン酸を含有させることが好ましい。特定量のグルタミン酸は、MGDG及びDGDGのテアニンの呈味エンハンス作用を相加的又は相乗的に増強するとともに、容器詰め飲料の製造時に発生する加熱劣化臭を低減することができる。グルタミン酸含量は、飲料1L当たり8mg以上、好ましくは10mg以上に調整するとよい。
ここで、グルタミン酸は、食品で使用できるものであればどのようなものでも使用できる。市販品の他、合成品を用いてもよいし、グルタミン酸を多く含有する植物抽出物(例えば茶抽出物)を用いてもよい。グルタミン酸含量は、速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法によって、測定・定量することができる。
また別の態様において本発明は、粉末抹茶を配合した抹茶入り緑茶飲料であって、飲料中の全粒子数に対する粒子径が7μm以上20μm以下の粒子(A)の割合が60%〜90%であり、この粒子(A)の数に対する粒子径が2μm以下の粒子(B)の数の割合[(B)/(A)]が0.03〜0.3である飲料を提供する。
7μm以上20μm以下の粒子(A)は、乾式粉砕により得られる。より詳細には、遮光処理を施した茶葉の覆下茶を蒸したのち、冷却し、その茶葉を揉捻せずに乾燥用の碾茶機内でそのまま乾燥して得られる乾燥葉を、小片にし、茎を除いて、更に乾燥して製造した碾茶を、粉砕機により所定の大きさになるよう粉砕して得られる。本発明における抹茶の粒子径7μm以上20μm以下の粒子(A)(以下、単に「抹茶(A)」という。)は、乾式粉砕として石臼挽きを採用することが好ましい。石臼を採用することにより、後述するグリセロ糖脂質を茶飲料中に溶出させやすくすることができる。
抹茶の良好な香り立ちを愉しむために、抹茶(A)の粒子数は、飲料10mL当たり150000個以上、好ましくは200000個以上、さらに好ましくは250000個以上となるように配合する。
本発明の抹茶入り緑茶飲料は、この抹茶(A)に、粒子径2μm以下に微細化された粉末抹茶(B)(以下、単に「抹茶B」という。)を0.03〜0.3の割合で添加することを特徴とする。この割合で微細化粉末抹茶を添加することにより、抹茶(A)を配合した茶飲料の香り立ちの良さを保持したまま、口当たりの刺激(過剰な苦渋味)を抑制することができる。また、抹茶(A)の濃緑色を保存中も維持しやすいという効果を奏する。抹茶(B)の数の抹茶(A)の数に対する割合[(A)/(B)]は、0.04〜0.25であることが好ましく、0.05〜0.2であることがより好ましく、0.06〜0.15であることがさらに好ましい。
粒子径が2μm以下である抹茶(B)は、抹茶の湿式粉砕により調製することができる。風味の観点から、碾茶を石臼挽きで予備粉砕した抹茶を湿式粉砕したものを用いることが好ましい。湿式粉砕の方法は特に限定されないが、高圧ホモジナイザーによる粉砕が好ましい。高圧ホモジナイザーの条件としては、例えば圧力5〜100MPa程度、温度10〜60℃程度を例示することができる。
本発明の抹茶入り緑茶飲料は、煎茶等の茶葉抽出液に、乾式粉砕して得られる抹茶(A)と、湿式粉砕して得られる抹茶(B)とを所定量・所定割合となるように配合して製造することができる。具体的には、茶抽出液に抹茶(A)を配合した後、所定量の抹茶(B)を配合して製造してもよいし、抹茶(A)と抹茶(B)を所定割合で混合して混合物を得、これを茶抽出液に添加して製造してもよい。理由は不明であるが、前者の製造方法によると、製造時のダマが形成されにくく、分散性が向上するという利点がある。
このようにして製造される本発明の茶飲料は、その粒度分布を測定すると、2つのピーク;7μm以上20μm以下の粒度帯と2μm以下の粒度帯にそれぞれピークを有する。従来、粒度分布のピークが2以上に分かれると、飲料中で粒度帯ごとに粒子が分離しやすくなり、沈殿を生じやすくなることが指摘され敬遠されてきた。本発明は、粒子数を特定割合に制御することで、敢えて2つのピークに分かれた粒度分布を有する抹茶飲料を調製することに最大の特徴がある。
本発明の抹茶入り緑茶飲料中の(i)モノガラクトシルジグリセリド(MGDG)及び(ii)ジガラクトシルジグリセリド(DGDG)含量[(i)+(ii)]が、飲料1L当たり1.3〜12.0mgとなるように調整すると、抹茶の深みのコクを相加的又は相乗的に増強することができる。(i)+(ii)は、1.5〜10.0mgであるとより好ましく、2.0〜8.0mgであるとさらに好ましく、2.5〜7.0mgであると特に好ましい。
MGDGはDGDGよりも抹茶の苦渋味を抑え、コクを増強する作用が強いことから、上記範囲の中でも、特にMGDGの含量が、飲料1L当たり0.5〜8.0mgとなるように調整すると効果的に本発明の効果を発揮することができる。MGDGの含量が、飲料1L当たり0.8〜8.0mgであると好ましく、0.9〜7.0mgであるとより好ましく、1.0〜6.0mgであるとさらに好ましく、1.5〜6.5mgであると特に好ましく、2.0〜5.0mgであるとなお更好ましい。
また、飲料中のMDGDとDGDGの含量比[(i)/(ii)]が、0.90〜3.0、好ましくは1.0〜2.8、より好ましくは1.3〜2.5となるように調整するとよい。
抹茶(A)及び(B)を配合する茶抽出液は、特に制限されないが、非重合カテキン類やカフェインの含量が多すぎると、茶飲料の苦味・渋味成分が強くなり、抹茶の深いコクを知覚しにくくなる。したがって、本発明の抹茶入り緑茶飲料における非重合カテキン量は、飲料1L当たり100〜1000mg(好ましくは100〜800mg、より好ましくは120〜700mg、さらに好ましくは150〜600mg)とするのがよく、非重合カテキン類のうち、(iii)ガレート型カテキン、(iv)遊離型カテキンの割合が(iv)>(iii)となるように調整するのが、なおよい。具体的には、非重合カテキン類全量に対する遊離型カテキン類の割合[(iv)/((iii)+(iv))]が0.55〜0.85、好ましくは0.60〜0.80の比率となるように調整する。ガレート型カテキン及び遊離型カテキンは、それぞれ質の異なる苦味や渋味を有するが、上記範囲となるように調整することで、抹茶の香り立ちやコクがより一層知覚できる飲料となる。
さらに、本発明の抹茶入り緑茶飲料におけるカフェイン量は、飲料1L当たり100〜300mg(好ましくは110〜280mg、より好ましくは130〜250mg、さらに好ましくは140〜200mg)とするのがよい。カフェイン量も非重合カテキンと同時にHPLCを用いた方法によって、測定・定量される。
また別の態様において本発明は、(A)粒子径2μm以下の粉末抹茶と、(B1)モノガラクトシルジグリセリド及び(B2)ジガラクトシルジグリセリドとを含有する粉末茶飲料であって、下記の条件を満たす飲料である。
(イ) 飲料500mL当たりの粒子径2μm以下の粉末抹茶(A)の粒子数が700000個以上であり、
(ロ) (B1)及び(B2)の総量[(B1)+(B2)]=1.3〜12.0μg/ml
2μm以下の微細化された粉末抹茶は、飲料への配合量を増量しても香り立ちが増強されにくいものであるが、本発明の茶飲料では、微細化された粉末抹茶を増量するとともに、(B1)モノガラクトシルジグリセリド(MGDG)及び(B2)ジガラクトシルジグリセリド(DGDG)の量や割合を調整することにより、抹茶本来のコクとともに香り立ちを増強し、粉末茶由来のざらつきを低減している点に特徴がある。
粒子径が2μm以下である抹茶粉末は、抹茶の湿式粉砕により調製することができる。風味の観点から、碾茶を石臼挽きで予備粉砕した抹茶を湿式粉砕したものを用いることが好ましい。湿式粉砕の方法は特に限定されないが、高圧ホモジナイザーによる粉砕が好ましい。高圧ホモジナイザーの条件としては、例えば圧力5〜100MPa程度、温度10〜60℃程度を例示することができる。
本発明の茶飲料中の粒子径2μm以下の粉末抹茶(A)の粒子数は、容器詰めされた飲料500mL当たり700000個以上が好ましく、750000個以上であることがより好ましい。この比較的粒子数の多い粉末茶飲料において、(B1)MGDGと(B2)DGDGとを、(B1)+(B2)=1.3〜12.0μg/ml、好ましくは1.5〜10.0μg/ml、より好ましくは2.0〜8.0μg/ml、さらに好ましくは2.5〜7.0μg/ml、特に好ましくは2.8〜6.0μg/mlとなるように調整する。メカニズムは不明であるが、MGDG及びDGDGを上記範囲に調整するとき、微細化された粒子数の多い粉末茶飲料が豊かな香り立ちを有するものになる。
また、(B1)MGDG及び(B2)DGDGの割合[(B1)/(B2)]を0.90〜3.0、好ましくは1.0〜2.8、特に好ましくは1.3〜2.5となるように調整すると、粒子数が多い粉末茶に起因するざらつきが知覚されにくくなる。
また別の態様において本発明は、多量の粉末抹茶を配合した粉末茶飲料である。本発明では、飲料の濁りを粉末抹茶含量の指標として使用し、その濁りの指標としてHaze値を用いる。
茶飲料には、添加する粉末抹茶のほか、製造プロセス上、粉末抹茶を添加しなくても、茶葉から抽出して茶抽出液を調製する時の濾過の条件が緩いと、飲料中に茶葉微粉末が混入してくるため、結果として濁る場合がある。本発明の粉末茶飲料は、便宜上、このような茶抽出液中に混入する茶葉微粉末も粉末抹茶の一部として、Haze値で規定するものとする。
通常、茶飲料のHaze値は、濁りやオリなど飲料の見栄えを良好にするために、0〜10%(好ましくは5%未満)に調整されることが多いが、本発明の茶飲料のHaze値は、50〜100%と高い値であることが最大の特徴である。この高いHaze値を有する本発明の粉末茶飲料は、粉末抹茶の濃緑色、覆い香、渋味が薄く旨味が強いといった抹茶の特徴を十分に味わうことができる容器詰め粉末茶飲料となる。
一般に、Haze値とは、曇りの度合を表す値(曇価)で、数値が小さいほど透明性が高い事を示す。本発明では、Haze値を粉末茶飲料の濁りの程度を示す指標として用いる。Haze値の測定は、「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方(JIS K 7136)」に順じて行うことができ、「Haze=散乱光/全光線透過光×100(%)」により求められる。具体的には、後述する実施例に示すようにヘーズメーターを用いて測定される。
本発明の粉末茶飲料では、粉末茶固有の苦渋味を低減し、容器詰め茶飲料としての見栄えを良好にするために、本発明の茶飲料では、飲料中の(A)モノガラクトシルジグリセリド(MGDG)及び(B)ジガラクトシルジグリセリド(DGDG)含量[(A)+(B)]が、飲料1L当たり1.3〜12.0mg、好ましくは1.5〜10.0mg、より好ましくは2.0〜8.0mg、さらに好ましくは2.5〜7.0mg、特に好ましくは2.8〜6.0mgとなるように調整することが重要である。MGDGはDGDGよりも抹茶の苦渋味を抑え、コクを増強する作用が強いことから、上記範囲の中でも、特にMGDGの含量が、飲料1L当たり0.5〜8.0mgとなるように調整すると効果的に本発明の効果を発揮することができる。MGDGの含量が、飲料1L当たり0.800〜8.0mgであると好ましく、0.9〜7.0mgであるとより好ましく、1.0〜6.0mgであるとさらに好ましく、1.5〜6.5mgであると特に好ましく、2.0〜5.0mgであるとなお更好ましい。
また、飲料中のMDGDとDGDGの含量比[(A)/(B)]が、0.90〜3.0、好ましくは1.0〜2.8、より好ましくは1.3〜2.5となるように調整するとよい。
(A)及び(B)を配合する茶抽出液は、特に制限されないが、非重合カテキン類やカフェインの含量が多すぎると、茶飲料の苦味・渋味成分が強くなり、抹茶の深いコクを知覚しにくくなる。したがって、本発明の抹茶入り緑茶飲料における非重合カテキン量は、飲料1L当たり100〜1000mg(好ましくは100〜800mg、より好ましくは120〜700mg、さらに好ましくは150〜600mg)とするのがよく、非重合カテキン類のうち、(i)ガレート型カテキン、(ii)遊離型カテキンの割合が(ii)>(i)となるように調整するのが、なおよい。具体的には、非重合カテキン類全量に対する遊離型カテキン類の割合[(ii)/((i)+(ii))]が0.55〜0.85、好ましくは0.60〜0.80の比率となるように調整する。ガレート型カテキン及び遊離型カテキンは、それぞれ質の異なる苦味や渋味を有するが、上記範囲となるように調整することで、抹茶の香り立ちやコクがより一層知覚できる飲料となる。
さらに、本発明の抹茶入り緑茶飲料におけるカフェイン量は、飲料1L当たり100〜300mg(好ましくは110〜280mg、より好ましくは130〜250mg、さらに好ましくは140〜200mg)とするのがよい。カフェイン量も非重合カテキンと同時にHPLCを用いた方法によって、測定・定量される。
ある態様において本発明の茶飲料は、2−メチルブタナール(2-Methylbutanal)及び/又は3−メチルブタナール(3-Methylbutanal)と、2,5−ジメチルピラジン(2,5-dimethylpyrazine)を含有させてもよい。2,5−ジメチルピラジンを含有する茶飲料に、2−メチルブタナール及び/又は3−メチルブタナールを有効成分として含有させることにより、2,5−ジメチルピラジンのコク味増強効果を相乗的かつ効率的に向上させるものである。すなわち、本発明の茶飲料においては、2−メチルブタナール及び/又は3−メチルブタナール(成分A)と2,5−ジメチルピラジン(成分B)が協同的に作用することによって、両者がコク味増強剤の有効成分として機能している。
前記成分(A)は、分岐鎖アルデヒド類であり、清酒や味噌・醤油などの醸造食品のフレーバー成分として知られている(Advances in Food Research, 1960. Vol.10, 75-125参照)。また、コーヒーの香気成分としても知られ、これらを多く含むコーヒー飲料は呈味や香味が良好であることが報告されている(特許第4011097号公報参照)。
また、前記成分(B)は、コーヒーや茶をはじめとする様々な食品の加熱香気成分であり、一般的に焙煎が強くなるほど、その含有量は多くなることが知られている。
本発明の茶飲料では、成分(A)の含有重量、すなわち2−メチルブタナールと3-メチルブタナールの総量が、茶飲料に対して23〜100ppb、好ましくは25〜100ppb、より好ましくは27〜100ppbの範囲となるように配合する。100ppbを超えると、茶飲料の風味がややアーティファイシャルに感じられる場合がある。また、23ppb未満では、ジメチルピラジンのコク味の増強効果を相乗的に高める作用が十分でない場合がある。
本発明の茶飲料では、成分(B)である2,5−ジメチルピラジンを茶飲料に対して5〜50ppb、好ましくは5〜40ppb、より好ましくは5〜30ppbの範囲となるように配合する。50ppbを超えると、焦げ味が強くなり、茶飲料としての嗜好性が低下する。また、5ppb未満では、コク味の増強効果を十分に発揮しない場合がある。
本発明では、成分(A)2−メチルブタナール及び/又は3−メチルブタナールと成分(B)2,5−ジメチルピラジンの含有重量比(A/B)が0.7〜10、好ましくは1.0〜8.0となるように含有させることが好ましい。このように、成分(A)及び成分(B)を特定の割合で含有させることにより、本発明の香味改善効果がより効果的に発揮される。すなわち、ジメチルピラジンの苦味を低減したり、苦味を伴わない程度にまでジメチルピラジンの含有量を少なくしたりしても茶飲料に十分なコク味を付与することができる。
本明細書でいう「コク味」とは、フレーバー産業において、持続性、広がり(mouthfulness)、豊かさ及び厚みなどの特徴を現すために用いられる用語であるが、本発明では、持続性のある濃厚感の付与されたうま味をいい、特に飲用時後半に知覚される厚みのある味、飲み応え感を指すものとする。なお、コク味は、訓練を受けたパネリスト(以下、専門パネラーという)による官能テストによって明確に検出及び識別され得るものである。
本発明において、成分(A)2−メチルブタナール及び/又は3−メチルブタナール、並びに(B)2,5−ジメチルピラジンは、通常の方法により合成したものを用いてもよいし、市販の化合物を用いてもよい。また、上記化合物を高含有する天然もしくは合成した溶液、或いはこれを粗精製又は精製した化合物を用いてもよい。
成分(A)及び成分(B)を高含有する溶液は、例えば、茶葉にロイシン、バリン及びイソロイシンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のアミノ酸を含む水溶液を含浸させた後、100〜200℃の温度で火入れ乾燥を行って得られる茶葉に、水で抽出処理を行うことにより調製することができる。一般的な焙じ茶の製造において、焙煎が強くなるほど2,5−ジメチルピラジンの含有量が指数関数的に増加し、2−メチルブタナールが比例的に増加する(図1(1)参照)。すなわち、2,5−ジメチルピラジン量の対数と2−メチルブタナール量には、高い相関性が認められている(図1(2)参照)。しかし、上記の方法(詳細は後述する)を用いて調製した茶抽出液を用いると、本発明の好ましい態様である、成分(A)2−メチルブタナール及び/又は3−メチルブタナールと成分(B)2,5−ジメチルピラジンの含有重量比を従来の相関と異なる比率で有し、成分(A)が成分(B)に対して特異的に高い割合で含有する茶抽出液を簡便に得ることができる。また、この方法によって調製した茶抽出液を用いると、化学合成品の有効成分を添加して製造した茶飲料と比較して、茶飲料の風味がより自然で好ましいものとなる。
容器詰茶飲料の市場拡大に伴い、食事中及び/又は食間のニーズを満たす茶飲料の開発が進んでいる。その一つとして、カフェインを低減した茶飲料で、カフェインの刺激や苦味が少なく日常的に摂取しやすい茶飲料、カフェインの苦味が少なく食事に合う(食事や弁当と一緒に飲むのに適している)茶飲料等が開発されている。しかしながら、この低カフェイン茶飲料、具体的には茶飲料中のカフェイン含量(重量)が80〜200ppm、好ましくは80〜160ppm、より好ましくは80〜130ppm程度に調整された緑茶飲料は、苦味がないがコク味や飲み応え感が不足するという問題を有していた。ところが本発明の上記態様によれば、このような低カフェイン茶飲料においても有効に効果を発揮し、茶飲料の香味を向上させることができる。すなわち、カフェインが80〜200ppm、好ましくは80〜160ppm、より好ましくは80〜130ppm程度に調整された緑茶飲料において、成分(A)2−メチルブタナールと3−メチルブタナールの総量が23〜100ppb、好ましくは25〜100ppb以上、より好ましくは27〜100ppb程度、成分(B)2,5−ジメチルピラジンが、5〜50ppb、好ましくは5〜40ppb、より好ましくは5〜30ppbとなるように、成分(A)及び成分(B)を含有させることにより、コク味や飲み応えを有する緑茶飲料とすることができる
また別の態様において本発明に係る飲料は、下記の成分(a-1)、(a-2)および(a-3)の合計量が飲料1Lあたり19mg以上である。
(a-1):2−メチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,6−ジメチルピラジン、2−エチルピラジン、
(a-2):フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、2−アセチルピロール、フェノール、ピロール−2−カルボキサルデハイド
(a-3):2,3−ペンタジオン、3−ハイドロキシ−2−ペンタノン、シス−リナロールオキサイド、2−アセチルフラン、1−エチル−2−フォルミルピロール、2−アセチル−1−エチルピロール、メチルサリシレート
また、下記の(b-1)〜(b-5)に係る成分を含んでいると好ましい。
(b-1):4−ハイドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノン
(b-2):アスパラギン酸、グルタミン酸、テアニン、アラニン、セリン、グリシン、スレオニン
(b-3):フルクトース、グルコース、スクロース
(b-4):ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、カテキンガレート、没食子酸
(b-5):カフェイン
上記成分(a-1)、(a-2)および(a-3)と成分(b-1)、(b-2)、(b-3)、(b-4)および(b-5)とを全て含む茶葉を用いると、水蒸気蒸留による分画および低温加熱処理、必要に応じて水蒸気蒸留の茶葉の残渣の水抽出という簡便な製造で、特定成分を特定比率で含む、本発明の茶エキスを得ることができるので、好ましい。上記成分を全て含む茶葉としては、好ましくは緑茶を焙じ機で加熱処理した茶葉を挙げることができる。特に好ましくは、(a-1)、(a-2)および(a-3)と(b-1)、(b-2)、(b-3)、(b-4)および(b-5)の各群の全ての成分を含む秋冬番茶のほうじ茶といったいわゆる低級茶葉である。
ある態様において本発明の茶エキスの製造では、まず上記(1)原料茶葉に水蒸気蒸留をし、留出液を回収する。ここで、水蒸気蒸留は通常は常圧下で行われ、必要であれば減圧下や高圧下でも可能である。その工程は通常の手法において行われるが、特に好ましい水蒸気蒸留の条件としては空間速度(SV)が 20〜100(単位:1/h)の条件である。また、好ましくは留出量を測定し、分画できる構造であることが好ましい。
この水蒸気蒸留で分離回収する茶エキスは、(a-1)、(a-2)および(a-3)の各群に列記した特定の香気成分を含有することを指標として行われるが、その大凡の目安は水蒸気蒸留の留出量が原料茶葉の質量に対して30〜70%、より好ましくは40〜60%となるように分離すればよい。水蒸気蒸留の留出量が原料茶葉の質量に対して30%未満の場合は香ばしさが弱く、一方、70%を超える場合は苦みが強くなりすぎて香気のバランスが悪くなることがある。30〜70%に分画することで不必要な苦味のある香りの抽出を抑え、かつ香ばしい香りが最大限に生かされる。
(a-1)群に属する2−メチルピラジン(2-methylpyrazine)、2,5−ジメチルピラジン(2,5-dimethylpyrazine)、2,6−ジメチルピラジン(2,6-dimethylpyrazine)、2−エチルピラジン(2-ethylpyrazine)は、高級茶葉における「香ばしさ」に寄与する成分である。
(a-2)群に属するフルフリルアルコール(furfuryl alcohol)、ベンジルアルコール(benzyl alcohol)、2−アセチルピロール(2-acetylpyrrole)、フェノール(phenol)、ピロール−2−カルボキサルデハイド(pyrrole-2-carboxaldehyde)は、高級茶葉における「苦い香り」に寄与する成分である。
(a-3)群に属する2,3−ペンタジオン(2,3-pentanedione)、3−ハイドロキシ−2−ペンタノン(3-hydroxy-2-pentanone)、シス−リナロールオキサイド(cis-linalool oxide)、2−アセチルフラン(2-acetylfuran)、1−エチル−2−フォルミルピロール(1-ethyl-2-formylpyrrole)、2−アセチル−1−エチルピロール(2-acetyl-1-ethylpyrrole)、メチルサリシレート(methyl salicylate)は、高級茶葉における「香りの豊かさ」に寄与する成分である。
これらの成分は、全体として重要である。本発明においては(a-1)の群から選ばれる成分の少なくとも1種以上と、(a-2)の群から選ばれる成分の少なくとも1種以上と、(a-3)の群から選ばれる成分の少なくとも1種以上とを含有することが必要であるが、(a-1)、(a-2)および(a-3)の各群の成分全てを含有することが好ましい。各群の成分の合計の総計が19.0ppm以上のときに香り豊かな風味が得られ、これらの成分が19.0〜100.0ppmのときにより好ましく、38.0〜100.0ppmのときに最も豊かな風味が得られるが、特に各群のバランスが重要である。
「(a-1)香ばしさ成分」/「(a-2)苦い香り成分」の比が0.3〜0.9のときに苦味が少なく極めて優れた香ばしさを得ることができる。「(a-1)香ばしさ成分」/「(a-2)苦い香り成分」の比が0.3未満の場合は苦味が強く感じられることがあり、一方、0.9を超したときは香りのバランスが崩れる可能性がある。
なお、これらの成分の定量分析はガスクロマトグラフィーなどの方法によって測定でき、その方法は内部標準法により通常の手法で行うことができるが、例えば以下の条件で測定できる。
さらに、本発明の茶エキスは、100℃以下(好ましくは75〜100℃)で加熱処理する工程を含む方法により得られる。この加熱処理を行うことによって、茶エキスの香気の力価が向上するので、加熱殺菌で香気が低下する容器詰茶飲料の製造に有利に利用できる。加熱処理の条件(温度、時間)は、用いる茶葉の種類や茶エキスの濃度等を考慮して、(a-1)、(a-2)および(a-3)の各群に列記した特定の香気成分を含有することを指標として設定すればよい。
加熱処理の温度が100℃を超えると、香気のバランスが崩れ、本発明の茶エキスの微妙な風味が失われる可能性があり、75℃未満であれば、所望する香気の力価が得られないことがある。
本発明の好適な態様の一つは、留出液の加熱処理の前に、水蒸気蒸留後の茶葉残渣から抽出液を得、この抽出液と留出液とを混合して混合液とし、これを加熱処理して得られる茶エキスである。すなわち、一つの態様において、(1)茶葉から水蒸気蒸留により分画して留出液を得る工程、(2)水蒸気蒸留後の茶葉残渣から抽出液を得る工程、(3)分画工程の留出液と抽出工程の抽出液を混合する工程、(4)分画工程の留出液を100℃以下の温度で加熱処理する工程、を含む工程により得られる茶エキスであり、特に、低級茶葉を原料として後述する特定の成分を指標として製造して製造される茶エキスは、希釈して茶飲料とした場合に加熱殺菌後であっても、高級茶葉を急須で淹れた茶飲料のような優れた風味(豊かな香気、香ばしさとまったりとした甘みのある呈味)を有するという特徴を有する。この水蒸気蒸留の茶葉残渣の抽出液を混合して得られる本発明の茶エキスを、以下、便宜上茶エキス混合物という。
本発明の茶エキス混合物は、上記の茶エキスと同様に希釈して茶飲料の製造に用いることができる茶飲料用素材である。茶エキス混合物は、Brixが10以下、特にBrixが1〜10となるように調整することが好ましい。Brixが10を超える場合は、優れた風味を安定して保存することは難しくなる傾向にある。また、Brixが10を超えるような濃縮を行った場合には、濃縮時の加熱等によってまったりとした自然な甘さが損なわれるという香味の観点からの不具合もある。一方、Brixが1未満のものは、まったりとした自然な甘さが不足する傾向にあり、また経済的観点からも不適当である。
茶葉残渣の抽出は、水等の水性溶媒を用いて通常の手法において行われるが、好ましくは抽出量を測定し、分画できる装置であることが好ましく、ドリップ方式で行うことがより好ましい。抽出温度は特に限定されないが、30〜100℃が好ましい。
本発明における抽出は、(b-1)、(b-2)、(b-3)、(b-4)および(b-5)の各群に列記した特定の成分を指標として行われるが、その大凡の目安は水抽出の抽出量が水蒸気蒸留前の原料茶葉の質量に対して通常100〜1000%程度となるように抽出操作を行えばよく、好ましくは200〜700%、特に好ましく300〜500%抽出すればよい。抽出量がこの範囲であれば、(b-1)〜(b-5)の各群成分を一定の組成に制御することが比較的容易に行えるからである。
(b-1)群に属する4−ハイドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノン(4-hydroxy-2,5-dimethyl-3(2H)furanone)は、高級茶葉における「甘い香り」に寄与する成分である。
(b-2)群に属するアミノ酸類のアスパラギン酸(Aspartic Acid)、グルタミン酸(Glutamic Acid)、テアニン(Theanine)、アラニン(Alanine)、セリン(Serine)、グリシン(Glycine)、スレオニン(Threonine)は、高級茶葉における「旨味」に寄与する成分である。
(b-3)群に属する糖類のフルクトース(fructose)、グルコース(glucose)、スクロース(sucrose)は、高級茶葉における「甘味」に寄与する成分である。
(b-4)群に属するカテキン類のガロカテキン(gallocatechin)、エピガロカテキン(epigallocatechin)、カテキン(catechin)、エピカテキン(epicatechin)、エピガロカテキンガレート(epigallocatechin gallate)、ガロカテキンガレート(gallocatechin gallate)、エピカテキンガレート(epicatechin gallate)、カテキンガレート(catechin gallate)、および没食子酸(gallic acid)は、高級茶葉における「渋味」に寄与する成分である。
(b-5)群に属するカフェイン(caffeine)は、高級茶葉における「苦味」に寄与する成分である。
これらの成分のなかで、風味に関しては(b-1)が重要であり、この成分が3ppm以上のときに香り豊かな甘い風味が得られ、好ましくは3〜30ppmのときにより豊かな甘い風味が得られる。
また、(b-1)の香り豊かな甘い風味を最大限に引き出すためにはその他の呈味に関する成分もそのバランスが特に重要である。
(「(b-2)旨味成分」+「(b-3)甘味成分」)/(「(b-4)渋味成分」+「(b-5)苦味成分」)の比が1〜15のときにほど良い渋味と調和が取れた極めて優れたまったりとした甘さを得ることができ、(「(b-2)旨味成分」+「(b-3)甘味成分」)/(「(b-4)渋味成分」+「(b-5)苦味成分」)の比が2.0〜10のときに最も優れた風味を示すことができる。
(「(b-2)旨味成分」+「(b-3)甘味成分」)/(「(b-4)渋味成分」+「(b-5)苦味成分」)の比が1以下のときは渋味を強く感じることがあり、15を超えた場合は味のバランスが崩れる可能性がある。
なお、これらの成分の定量分析は、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定でき、その方法は内部標準法により通常の手法で行うことができるが、例えば以下の条件で測定できる。
水蒸気蒸留後の茶葉残渣から水等で抽出した抽出液は、香気成分を主体する茶エキスと混合する前に活性炭で吸着処理することが好ましい。本発明で使用する活性炭は、活性炭であれば特に限定することなく用いることができる。本発明における活性炭の効果は、通常の脱色処理などと異なり、茶抽出物中の不要な呈味成分を選択的に吸着除去し、甘さに寄与する呈味成分のみを保持するという意外で、且つ有用な効果であるため、その使用量は重要であり、通常は茶抽出液中で0.1〜1.0%(Brix比)、好ましくは0.3〜0.8%(Brix比)で用いられる。使用量が0.1%未満のときは苦味、渋味を強く感じる場合があり、1.0%を超えたときは甘さがやや薄く、また風味が薄く物足りなく感じる傾向がある。
本発明の茶エキス混合物は、100℃以下(好ましくは75〜100℃)で加熱処理を行うことを特徴とする。この加熱処理を行うことによって、茶エキスの香気の力価が向上するので、加熱殺菌で香気が低下する容器詰茶飲料の製造に有利に利用できる。加熱処理の条件(温度、時間)は、用いる茶葉の種類や茶エキスの濃度等を考慮して、(a-1)、(a-2)および(a-3)の各群に列記した特定の香気成分を含有することを指標として設定すればよい。
加熱処理の温度が100℃を超えると、香気のバランスが崩れ、本発明の茶エキスの微妙な風味が失われる可能性があり、75℃未満であれば、所望する香気の力価が得られないことがある。
本発明の茶エキス(茶エキス混合物を含む)が添加される茶飲料の例としては、緑茶、紅茶、ウーロン茶などの茶葉を常法により熱水、温水または冷水で抽出して得られる茶抽出液、茶の香味成分を適宜調合して得られる茶香味を有する調合飲料などが挙げられ、また、これら茶飲料に種々の健康素材を添加した各種混合茶飲料が挙げられる。
本発明の茶エキスは、茶飲料に対して茶エキスを固形分換算で、通常は0.0001〜5質量%添加して用いる。添加濃度が0.0001質量%未満であると、人によっては風味が甘く感じなくなる場合があり、一方、添加濃度が5質量%を超えると、甘い風味がややくどく感じられる場合がある。本発明の効果を十分に発揮するには、添加量を茶エキス固形分換算で0.0005〜1質量%にすることが最も望ましい。さらに、本発明の茶エキスを使用する場合は、茶飲料用の香味料組成物として製剤化して用いると好適である。
一般に香味料組成物は、対象となる食品に対して0.1質量%程度を添加するように調製されることが多く、そのように調製される場合は該香味料組成物に対して本発明の茶エキスは、通常は0.1〜100質量%、好ましくは1〜50質量%含有される。本発明でいう甘い風味とは、高級茶葉類が本来有している馥郁とした香ばしい香りと、まったりとした自然な甘い風味である。
茶エキス及び茶エキス混合物を添加して製造される本発明の茶飲料は、加熱殺菌後にも良質で豊かな香気を有することを特徴とする。ここで、本発明の茶飲料の製造における加熱殺菌条件は、5〜30程度のF値を満たす条件が好ましい。
なお、F値とは一定温度において一定濃度の微生物を死滅させるのに要する加熱時間(分)であって、通常121.1℃における加熱致死時間に相当する加熱時間をいう。
容器詰飲料
本発明の容器詰飲料には、茶由来の成分の他に、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤などの添加剤を単独、あるいは併用して配合してもよい。
本発明の茶飲料は、容器詰飲料として好適に提供される。ここでいう容器詰飲料とは、PET容器、缶、瓶、紙容器等の容器に収容した飲料をいい、希釈せずに飲用できるものをいう。容器詰飲料は、通常、調合工程で得られた調合液を加熱殺菌処理した後、容器に充填して製造される。加熱殺菌処理は食品衛生法に定められた処理を行えばよく、例えば、缶飲料の場合には、ホットパックした後充填してレトルト殺菌(例えば、適宜加圧下(1.2mmHgなど)、121℃で7分間加熱殺菌する。)を行い、プラスチックボトル飲料の場合には、UHT殺菌(調合液を120〜150℃で1秒〜数十秒保持する。)を行うようにすればよい。
なお、本発明の茶飲料を充填する容器としては、アルミ缶、スチール缶、PETボトル、ガラス瓶、紙容器など、通常用いられる容器のいずれも用いることができる。このように製造される本発明の容器詰茶飲料は、保存中における風味や色、沈殿等の変化も抑制することができるので、透明容器(例えばPETボトル、ガラス瓶)を充填容器として使用する場合、特に好ましい。また本発明においては、低温で無菌充填を行う態様としてもよい。
なお、本発明の茶飲料は、上記のとおり、茶葉を加温水にて抽出する抽出工程、茶抽出液から抽出残渣を取り除く工程、茶抽出液にプロアントシアニジン又はそれを含有する植物抽出物等を混合して調合液を調製する調合工程、その他適宜殺菌工程、容器充填工程を経て製造される。ただし、当該製造工程はあくまでも一例である。各工程の順序を入れ替えることも可能であるし、また各工程間に別の工程を挿入することも可能である。
本発明の容器詰飲料は容器から直接飲用するものだけではなく、たとえばバックインボックスなどのバルク容器、あるいはポーション容器などに充填したものを飲用時に別容器に注ぐことによって飲用に供することもできる。また、濃縮液を飲用に供する際に希釈することもできる。その場合、飲用に供する際の各種成分濃度が本発明の濃度範囲にあれば本発明の効果が得られることは言うまでもない。従って、これらの飲料も本発明の態様である。
容器詰飲料の製造方法
一つの態様において、本発明は容器詰飲料の製造方法と理解することもできる。したがって、一つの態様において本発明は、茶の抽出液にプロアントシアニジンを配合して調合液を調製する工程、調合液を容器に充填する工程を含むものである。当業界において公知であるように、例えば、殺菌工程などを有していてもよい。
また別の態様において本発明は、プロアントシアニジン含有飲料の苦味を抑制する方法と理解することもできる。この場合、本発明は、茶抽出液にプロアントシアニジンを配合する工程を含む。
以下、本発明を、具体的な製造例を示しつつより詳細に説明するが、本発明は下記の製造例に限定されるものではない。特に記載しない限り、本明細書において、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
製造例1.プロアントシアニジン配合茶飲料
緑茶葉8kgに約80℃の温水300Lを加えて5分間抽出した後、30℃以下になるまで冷却し、遠心分離により茶葉を除去して緑茶抽出液を得た。この緑茶抽出液に松樹皮抽出物(株式会社東洋新薬製、熱水抽出タイプ)を下表のように添加し、重曹を0.6kg、ビタミンCを0.4kg配合してpHを6.0に調整した。次いで、この調合液について脱気処理、殺菌処理(殺菌条件:135℃、30秒)を行い、350mLペットボトル容器に充填(約80℃)して冷却し、容器詰飲料を得た。
また、麦30gを1Lの水に浸漬させ、10分間沸騰させて得られた麦茶から上記と同様にして調合液を調製し、ペットボトルに充填して容器詰飲料を製造した。
その後、得られた容器詰飲料について、その香味、外観、性状を評価した。香味については、主としてえぐみを官能評価した。具体的には、えぐみを感じない場合を5点、えぐみを強く感じる場合を1点として5段階で評価した。
緑茶抽出液に松樹皮抽出物(プロアントシアニジン)を配合したものは、エグ味および後味が好ましく感じられた。なお、評価に当たっては容器からカップに注いで行う評価と、容器から直接飲用する評価を行ったが、いずれの場合でも緑茶抽出液にプロアントシアニジンを配合した飲料は好ましく感じられた。特に、飲料1Lあたりのプロアントシアニジンの量を1〜250mg/Lとすると、エグ味および後味が好ましく感じられた。プロアントシアニジンに基づく血流改善効果を得る観点からはプロアントシアニジンを2mg/L以上配合することが好ましい。また、飲みやすさや製造コストの観点から、プロアントシアニジンの配合量は200mg/L以下とすることが好ましく、40mg/L以下としてもよいことが分かった。
製造例2.プロアントシアニジン配合茶飲料(茶葉粉末入り)
製造例1と同様にして、緑茶抽出液を調製し、松樹皮抽出物及びL−アスコルビン酸を混合して溶解させた後、飲料の0.1重量%の茶葉粉末(平均粒子径:約10μm)をさらに添加し、炭酸水素ナトリウムを添加してpHを6.0に調整した。次いで、製造例1と同様にして脱気処理、殺菌処理を行った後、350mLペットボトル容器に充填し、容器詰飲料を得た。
緑茶飲料に添加した茶葉粉末の粒度分布を測定したところ、(A)7μm以上20μm以下の個数は196678個/10mLであり、(B)2.0μm以下の粒子の個数は16000個/10mLだった(B/Aの比率は0.0004)。グリセロ糖脂質を測定したところ、DGDGは0.739mg/L、MGDGは1.849mg/Lであった。また、Haze値は90%であった。カテキン類の濃度は350mg/Lであった。
製造した容器詰飲料について、製造例1と同様にして香味を比較したところ、茶葉粉末を添加した製造例2の飲料は、製造例1の飲料と比較して格段に飲みやすいものとなっていた。
製造例3.プロアントシアニジン配合茶飲料(焙じ茶)
緑茶抽出液の代わりに焙じ茶抽出液を用いた以外は、製造例1と同様にして容器詰茶飲料を製造した。
ベースとなる茶飲料を焙じ茶抽出液とした場合にも、緑茶飲料の場合(製造例1)と同様に、飲みやすい飲料を得ることができた。
また、製造例1の緑茶飲料に製造例3の焙じ茶飲料を任意の比率(0〜50%)でブレンドしたところ、いずれも飲みやすさを感じられる飲料が得られた。香気成分を分析したところ2−メチルブタナールと3-メチルブタナールの総量が、茶飲料に対して23〜100ppb、2,5−ジメチルピラジンが茶飲料に対して5〜50ppbとなっており、(2−メチルブタナール及び/又は3−メチルブタナール)と2,5−ジメチルピラジンの含有重量比が0.7〜10となっていた。カフェインとカテキン類濃度はそれぞれ113ppm、325ppmであった。

Claims (15)

  1. プロアントシアニジン1〜250mg/L(プロアントシアニジンB1換算)と茶抽出液を含有する容器詰飲料。
  2. 茶葉粉末をさらに含有する、請求項1に記載の飲料。
  3. 茶葉粉末の平均粒子径が1〜20μmである、請求項2に記載の飲料。
  4. 飲料に対して0.02〜0.5重量%の茶葉粉末を含有する、請求項2または3に記載の飲料。
  5. 粒子径2μm以下の茶葉粉末の数が、飲料1Lあたり、1400000個以上である、請求項2〜4のいずれかに記載の飲料。
  6. (イ) 茶葉粉末の全粒子数に対する、粒子径7μm以上20μm以下の粒子(a)の数の割合が60%〜90%であり、
    (ロ) 粒子径7μm以上20μm以下の粒子(a)の数に対する、粒子径2μm以下の粒子(b)の数の割合(b/a)が0.03〜0.3である、請求項2〜5のいずれかに記載の飲料。
  7. モノガラクトシルジグリセリドおよび/またはジガラクトシルジグリセリドを含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の飲料。
  8. (D)ガレート型カテキンおよび(E)遊離型カテキンをさらに含有し、(D)と(E)の合計量が、飲料1Lあたり、100〜1500mg/Lであり、(D)よりも(E)の含有量の方が大きい、請求項7に記載の飲料。
  9. モノガラクトシルジグリセリドとジガラクトシルジグリセリドの合計量が、飲料1Lあたり、1.3〜12.0mg/Lである、請求項7または8に記載の飲料。
  10. モノガラクトシルジグリセリドの量とジガラクトシルジグリセリドの量の比率(A/B)が0.90〜4.0である、請求項7〜9のいずれかに記載の飲料。
  11. カフェイン含有量が、飲料1Lあたり20〜200mg/Lである、請求項7〜10のいずれかに記載の飲料。
  12. テアニン含有量が、飲料1Lあたり20〜80mg/Lである、請求項7〜11のいずれかに記載の飲料。
  13. Haze値が50〜100%である、請求項7〜12のいずれかに記載の飲料。
  14. 前記茶抽出液が、緑茶抽出液および/または焙じ茶抽出液を含む、請求項1に記載の飲料。
  15. 飲料1Lあたり23〜100mg/Lの2−メチルブタナール及び/又は3−メチルブタナールと、5〜50mg/Lの2,5−ジメチルピラジンと、を含有する、請求項14に記載の飲料。
JP2015214056A 2015-10-30 2015-10-30 容器詰茶飲料 Pending JP2017079674A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015214056A JP2017079674A (ja) 2015-10-30 2015-10-30 容器詰茶飲料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015214056A JP2017079674A (ja) 2015-10-30 2015-10-30 容器詰茶飲料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017079674A true JP2017079674A (ja) 2017-05-18

Family

ID=58713647

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015214056A Pending JP2017079674A (ja) 2015-10-30 2015-10-30 容器詰茶飲料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017079674A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20190117606A1 (en) * 2016-05-17 2019-04-25 Alphagen Nz Limited Compositions comprising l-theanine, proanthocyanidin/s and a catechin and uses thereof
JP2019140998A (ja) * 2018-02-22 2019-08-29 ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 焙煎穀物茶飲料、焙煎穀物茶飲料の製造方法、及び、焙煎穀物茶飲料の風香味向上方法
WO2019221045A1 (ja) * 2018-05-14 2019-11-21 九鬼産業株式会社 粉末状飲料用組成物およびその製造方法
JP2020103225A (ja) * 2018-12-28 2020-07-09 サントリーホールディングス株式会社 容器詰茶飲料
JP2020110057A (ja) * 2019-01-09 2020-07-27 サントリーホールディングス株式会社 透明容器入り2−メチルブタナール含有飲料
JP2020130118A (ja) * 2019-02-25 2020-08-31 サントリーホールディングス株式会社 フラネオール由来のオフフレーバーが軽減された飲料
JP2020130116A (ja) * 2019-02-25 2020-08-31 サントリーホールディングス株式会社 フラネオール由来のオフフレーバーが軽減された飲料
WO2021205747A1 (ja) * 2020-04-07 2021-10-14 サントリーホールディングス株式会社 焙じ茶エキスの製造方法
CN113645849A (zh) * 2019-03-29 2021-11-12 三得利控股株式会社 茶芳香组合物的制造方法

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20190117606A1 (en) * 2016-05-17 2019-04-25 Alphagen Nz Limited Compositions comprising l-theanine, proanthocyanidin/s and a catechin and uses thereof
JP2019140998A (ja) * 2018-02-22 2019-08-29 ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 焙煎穀物茶飲料、焙煎穀物茶飲料の製造方法、及び、焙煎穀物茶飲料の風香味向上方法
JP7037248B2 (ja) 2018-02-22 2022-03-16 ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 焙煎穀物茶飲料、焙煎穀物茶飲料の製造方法、及び、焙煎穀物茶飲料の風香味向上方法
JPWO2019221045A1 (ja) * 2018-05-14 2021-05-27 九鬼産業株式会社 粉末状飲料用組成物およびその製造方法
WO2019221045A1 (ja) * 2018-05-14 2019-11-21 九鬼産業株式会社 粉末状飲料用組成物およびその製造方法
JP7374495B2 (ja) 2018-05-14 2023-11-07 九鬼産業株式会社 粉末状飲料用組成物およびその製造方法
CN112055541A (zh) * 2018-05-14 2020-12-08 九鬼产业株式会社 粉末状饮料用组合物及其制造方法
JP2020103225A (ja) * 2018-12-28 2020-07-09 サントリーホールディングス株式会社 容器詰茶飲料
JP7220570B2 (ja) 2019-01-09 2023-02-10 サントリーホールディングス株式会社 透明容器入り2-メチルブタナール含有飲料
JP2020110057A (ja) * 2019-01-09 2020-07-27 サントリーホールディングス株式会社 透明容器入り2−メチルブタナール含有飲料
JP7217646B2 (ja) 2019-02-25 2023-02-03 サントリーホールディングス株式会社 フラネオール由来のオフフレーバーが軽減された飲料
JP7217645B2 (ja) 2019-02-25 2023-02-03 サントリーホールディングス株式会社 フラネオール由来のオフフレーバーが軽減された飲料
JP2020130116A (ja) * 2019-02-25 2020-08-31 サントリーホールディングス株式会社 フラネオール由来のオフフレーバーが軽減された飲料
JP2020130118A (ja) * 2019-02-25 2020-08-31 サントリーホールディングス株式会社 フラネオール由来のオフフレーバーが軽減された飲料
CN113645849A (zh) * 2019-03-29 2021-11-12 三得利控股株式会社 茶芳香组合物的制造方法
JP2021164427A (ja) * 2020-04-07 2021-10-14 サントリーホールディングス株式会社 焙じ茶エキスの製造方法
WO2021205747A1 (ja) * 2020-04-07 2021-10-14 サントリーホールディングス株式会社 焙じ茶エキスの製造方法
JP7455645B2 (ja) 2020-04-07 2024-03-26 サントリーホールディングス株式会社 焙じ茶エキスの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017079674A (ja) 容器詰茶飲料
JP5816337B2 (ja) 呈味改善剤及びこれを含む茶飲料
JP4843119B2 (ja) 容器詰緑茶飲料
TWI492715B (zh) Containing polymerized catechins
US8367127B2 (en) Tea beverages containing proanthocyanidins
JP5118164B2 (ja) 容器詰緑茶飲料
JP5931519B2 (ja) 茶葉ペクチン含有飲料
JP2015116168A (ja) ジャスミン茶飲料及びその製造方法、並びにジャスミン茶飲料の後味改善方法
AU2010344583B2 (en) Packaged green-tea beverage
JP4807563B2 (ja) 容器詰め飲料及びその製造方法
JP2014068635A (ja) 抹茶入り緑茶飲料
JP5439566B1 (ja) 容器詰緑茶飲料及びその製造方法
CA2786687A1 (en) Roasted green tea beverage packed in a container
JP6768338B2 (ja) 香味が改善された緑茶系飲料
JP5820681B2 (ja) 苦味抑制剤
JP5233567B2 (ja) 飲料
JP2011072242A (ja) 苦渋味抑制剤
JP2007159541A (ja) 高濃度カテキン類含有液及びその製造方法
JP7323278B2 (ja) 茶飲料
JP2017184719A (ja) 高濃度イヌリン含有茶飲料
WO2020203655A1 (ja) カテキン類含有飲料、その製造方法及びカテキン類含有飲料の苦味を低減する方法
JP7320992B2 (ja) 飲料組成物
Delgado et al. Infusions and wines
JP2017060506A (ja) 容器詰め緑茶飲料
JP2017099291A (ja) 容器詰飲料

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20170905