JP6468854B2 - 液体吐出ヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、吐出口から液体を吐出する液体吐出ヘッドに関する。
現在、記録媒体などに記録を行う記録装置としては、液体吐出ヘッドからインクなどの液体を液滴化して吐出し、記録媒体に着弾させることで画像などを形成するインクジェット記録装置が広く用いられている。このインクジェット記録装置では、画像を形成するために記録媒体上に着弾させるための液滴(主滴)の他に、インクミストと呼ばれる微小な粒子状の液滴が液体吐出ヘッドに形成された複数の吐出口のそれぞれから吐出される。このインクミストは、各液体吐出ヘッドから吐出された後、記録媒体に着弾することなくインクジェット記録用装置内部を浮遊し、液体吐出ヘッドに付着し、液体吐出ヘッドの機能や寿命を低下させることがある。特に、インクミストが液体吐出ヘッドの表面に大量に付着し、インクミスト同士が合体して大きなインク滴となると、合体したインク滴がノズルを塞ぐことにより吐出不良が生じ、画像の品位が劣化するという問題が生じる。
そこで、特許文献1には、液体吐出ヘッドの外部に配置した吸引口で空気を吸引することにより、空気と共にインクミストを吸引・回収する構成が開示されている。
また、特許文献2には、液体吐出ヘッドの表面に導電性薄膜を配して接地し、ノズルプレート表面に生じた静電気を、導電性薄膜を介して放出することによって、吐出口形成面にインク滴が吸引・付着するのを回避することが開示されている。すなわち、引用文献2には、液体吐出ヘッドの表面とワイパー部材との摺動摩擦によって発生する静電気によってインクミストが吸着されるという認識の下に、摺動摩擦される表面に導電性薄膜を形成し、かつアースする技術が開示されている。
特開2011−88103号公報 特開平06−155755号公報
しかしながら、上記特許文献1および2に開示の技術にあっては、液体吐出ヘッドの表面にインクミストや塵埃が付着するのを十分に抑制するには至っていないのが現状である。すなわち、特許文献1に開示の技術によれば、液体吐出ヘッドの周囲より外方に流出したインクミストや塵埃を回収することは可能である。しかし、液体吐出ヘッドと記録媒体との間に発生したインクミストや塵埃は、記録ヘッドの周囲より外方へと流出する前に液体吐出ヘッドの吐出口形成面などに付着し、吐出口形成面などの汚損、吐出性能の低下を招いている。
また、特許文献2に開示の技術では、液体吐出ヘッドのノズルプレート表面へのインクミストや塵埃の付着は抑制できるものの、液体吐出ヘッドのノズルプレート表面以外の部分にインクミストや塵埃が付着するのを抑制することはできない。このため、ノズルプレート表面以外の部分に付着したインクミストや塵埃などが液体吐出ヘッドの汚損や寿命低下などを招く要因となっている。
本発明は、液体吐出ヘッドへの粒子の付着を軽減可能な液体吐出ヘッドの提供を目的とする。
本発明は、吐出口から液体を吐出する液体吐出ヘッドであって、前記吐出口から液体を吐出させるための吐出エネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子に電力を供給するための電力供給配線と、前記電力供給配線の少なくとも一部を、絶縁部を介して被覆する導電性部材と、を備え、前記吐出エネルギー発生素子に接続されるグランド配線と前記電力供給配線とが、絶縁性を有する基材の中に形成されており前記グランド配線は、前記電力供給配線よりも前記吐出口に近い位置で、前記電力供給配線を被覆することにより、前記導電性部材として機能し、前記導電性部材は、前記吐出口と記録媒体との相対移動速度、前記吐出口が形成された吐出口形成面と前記記録媒体との間に浮遊する粒子の径、前記粒子の電荷量、および前記電力供給配線に印加されている電圧、に基づいて定められた被覆率で前記電力供給配線を被覆することを特徴とする。
また、本発明は、記録媒体と相対移動をしつつ前記記録媒体に液体を吐出する吐出口を備える液体吐出ヘッドであって、前記吐出口から液体を吐出させるための吐出エネルギーを発生する吐出エネルギー発生手段に電力を供給するための電力供給配線と、前記電力供給配線の少なくとも一部を、絶縁部を介して被覆する導電性部材と、を備えており、前記導電性部材が前記電力供給配線を覆う被覆率は、前記吐出口と前記記録媒体との相対移動速度をU(inch/秒)、前記電力供給配線に印加されている電圧をV(V)、前記吐出口が形成された吐出口形成面と前記記録媒体との間に浮遊する、前記吐出口から吐出される主滴に付随する粒子の径をD(μm)、前記粒子が有する電荷量をQ(C)とするとき、以下の式で規定されることを特徴とする液体吐出ヘッド。
本発明においては、電力供給配線から生じる電界が導電性部材によって遮断されるため、微小な液滴や塵埃などの粒子が液体吐出ヘッドに付着するのを軽減することができる。このため、液滴や塵埃などによって吐出口が塞がれることにより生じる吐出性能の低下、延いては画像品位の劣化を軽減するとともに、液体吐出ヘッドの汚損や寿命低下を抑制することができる。
液体吐出ヘッドから吐出されたインクミストの挙動を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置を模式的に示す平面図である。 本発明の実施形態における液体吐出ヘッドの構成を示す図である。 第1実施例における電力供給配線に印加された電圧と導電性層による被覆率との関係を示す図である。 第2実施例における電力供給配線に印加された電圧と導電性層による被覆率との関係を示す図である。 第3実施例における電力供給配線に印加された電圧と導電性層による被覆率との関係を示す図である。 第4実施例における液体吐出ヘッドの第1例の構成を示す平面図である。 第4実施例における液体吐出ヘッドの第2例の構成を示す平面図である。 第4実施例における液体吐出ヘッドの第3例の構成を示す平面図である。 第5実施例における液体吐出ヘッドの構成を示す断面図である。 第6実施例における液体吐出ヘッドの構成を示す平面図である。
インク等の液体を吐出する液体吐出ヘッドにおいて、吐出口からインクを吐出する際に、主滴とそれに付随する微小のサテライト(滴)、このサテライトよりさらに微小の噴霧状のインクミストが吐出される。本発明者は、インクジェット記録装置において、インクミストや塵埃等の粒子が液体吐出ヘッドに付着する主なメカニズムは、気流によるインクミストの運搬と、電力供給配線を起因として発生する電界の引力との相互作用によるという知見を実験により得た。そこで、まず、このインクミストや塵埃が液体吐出ヘッドの表面に付着するメカニズムについて説明する。
図1は、記録動作時における液体吐出ヘッドから吐出された液滴(インク滴)の挙動を示す側面図である。液体吐出ヘッド110の吐出口からインク滴が吐出されると、記録媒体Pに着弾するインク滴(主滴)Dmの他に、液体吐出ヘッド110の表面(図1中、下面)110aと記録媒体Pとの間で浮遊する微小な液滴(インクミスト)が発生する。このインクミストは、上昇気流AF1により、図1に示すように液体吐出ヘッド110の表面(吐出口形成面)110aに向かって流される。さらに、このインクミストのうち一部は、記録媒体Pの搬送方向(Y方向)に流れる気流AF2によって液体吐出ヘッド110より搬送方向下流側に運搬される。この時、一般的な記録条件においてインクミストは、液体吐出ヘッド110の吐出口形成面110aから、約250μm付近まで近づいていることを、ナビエ・ストークス方程式を有限体積法により解析する気流シミュレーションによって見出した。
このように気流によって液体吐出ヘッド110の吐出口形成面110aの近傍まで運搬されたインクミストや塵埃(例えば、紙粉)などの帯電した粒子は、電力供給配線に起因する電界による引力で吐出口形成面110aに付着する。この電力供給配線は、インクを吐出口から吐出させるため吐出口近傍に設けられた吐出エネルギー発生手段に電力供給するものであるため、吐出口の近傍に配される。そのため上記のような電界の引力によって液体吐出ヘッド表面に付着したインクミストは、吐出口からのインク滴の吐出不良の主な要因となり得る。従って、少なくとも電界の発生源である電力供給配線の配された領域を、絶縁部を介して導電性部材で被覆する構成をとることにより、液体吐出ヘッド110の吐出口形成面110aへのインクミストの付着を効果的に抑制することができる。
以下、本発明に係る液体吐出ヘッドのより具体的な構成を以下の実施例に基づき説明する。なお、以下の説明では、インク滴を記録媒体へ向けて吐出することにより画像を形成するインクジット記録装置に用いられるインクジェット記録ヘッドを例にとり説明する。
[実施例1]
図2は、本発明に係る液体吐出ヘッドを用いるインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)を模式的に示す図である。図2に示すように、記録装置100は、その骨格をなすフレーム上に液体吐出ヘッド110〜104を設けた構成を有する。液体吐出ヘッド110〜104は、それぞれブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Ye)のインク(液体)を吐出する吐出口を有する。各液体吐出ヘッドは、記録媒体Pの搬送方向(Y方向)と直交する方向(X方向)に沿って記録媒体Pの幅W以上の範囲に亘って複数の吐出口を所定の密度で列状に配置した長尺な構成を有している。このような、長尺な液体吐出ヘッドを用いて記録を行う記録装置は、一般に、フルラインタイプの記録装置と呼ばれる。なお、以下の説明において、各液体吐出ヘッドを特に区別する必要がない場合には、各液体吐出ヘッドを液体吐出ヘッド110と記す。
記録媒体Pは、搬送ローラ105(および他の不図示のローラ)がモータ(不図示)の駆動力によって回転することにより、搬送方向(Y方向)に沿って搬送される。そして、記録媒体Pが搬送されている間に、液体吐出ヘッド110〜104それぞれの複数のノズルから記録データに応じてインク滴が吐出される。これにより、それぞれの液体吐出ヘッドのノズル列に対応した1ラスタ分の画像が順次記録される。このように、連続的に搬送される記録媒体Pに対し、各液体吐出ヘッドからインク滴を吐出することにより、例えば、一頁分のカラー画像が記録される。なお、本発明を適用可能な液体吐出ヘッド110は、以上説明したフルラインタイプの液体吐出ヘッドに限定されない。例えば、記録媒体Pの搬送方向と交差する方向に液体吐出ヘッドを移動させて記録を行う、いわゆるシリアルタイプの記録装置に用いる液体吐出ヘッドにも本発明の構成を適用することができる。
図3(a),(b)は、本実施形態における液体吐出ヘッドの内部構成を示す図であり、図3(a)は断面図、図3(b)は図3(a)に示した液体吐出ヘッドの基板を示す平面図である。図3(a)、(b)において、本実施形態における液体吐出ヘッド110には、基板200と、この基板200の表面を覆うように接着された吐出口形成部材300が設けられている。
吐出口形成部材300には、液体を吐出するための吐出口207が形成されており、この吐出口形成部材300と基板200との間には吐出口207に連通する液室209が形成されている。液室209には、外部の液体貯留タンクなどの液体供給源の液体が、基板200に形成された液体供給口208を経て供給される。
一方、基板200は、基材201と、この基材201の表面(図3(a)において上面)に埋設された状態で形成された、吐出エネルギー発生手段202、電力供給配線203、およびグランド配線204とを備える。本実施形態において、基材201はシリコンによって形成されている。また、本実施形態における吐出エネルギー発生手段202は、電気熱変換素子であるヒータによって形成され、その形成位置は吐出口207との対向位置に設定されている。
本実施形態における基板200には、ヒータ202、電力供給配線203、およびグランド配線204の表面全体と、基材201の表面の一部と、を覆う電気的な絶縁層205が積層されている。絶縁層205の表面(図3(a)中、上面)のうち、電力供給配線203が形成されている領域と対向する領域は、所定の被覆率で導電性層(導電性部材)206により被覆されている。この導電性層206による被覆率は、後述の式によって設定される。なお、電力供給配線203が複数本隣接して形成されている場合には、その複数本の電力供給配線203を包含する最小かつ単一の領域を電力供給配線が形成されている領域とする。そしてこの領域に対向する絶縁層205の領域に対し、所定の被覆率で導電性層206が形成されている。また、図3(b)では、電力供給配線203、グランド配線204、およびヒータ202等の位置を明らかにするため、これらを覆う絶縁部としての絶縁層205および吐出口形成部材300を取り除いた状態を示している。
上記のように構成された液体吐出ヘッドにおいて、本実施形態では吐出口形成部材300を樹脂により形成した。また、電力供給配線203と導電性層206との間を電気的に絶縁する絶縁層205は窒化シリコンの膜により形成した。但し、絶縁層205を他の絶縁性材料、例えば二酸化シリコン、炭化シリコン等により形成してもよい。
また、本実施形態における導電性層206は、絶縁層205のうち、電力供給配線203との対向領域だけでなく、ヒータ202との対向領域をも覆い、後述の電界遮断機能だけでなく、ヒータ202を保護する保護膜層としての機能をも併せ持つものとなっている。そのため、導電性層206の素材にはインクによる腐食からヒータ202を保護し得る耐腐食性に優れた金属を用いている。本実施形態ではタンタルを用いている。なお、導電性層はヒータ202を保護する保護膜層とは別に形成してもよい。
ここで、電力供給配線203を導電性層206で被覆すべき最低被覆率の決定方法について説明する。この最低被覆率は、液体吐出ヘッド110と記録媒体Pとの間の気流と、電力供給配線203に起因する電界とをナビエ・ストークス方程式及びマクスウェル・ガウス方程式を有限体積法で解析するシミュレーションを行うことにより見出した。シミュレーションのパラメータとしては、電力供給配線203の形成領域に対する導電性層206の被覆率、電力供給配線203への印加電圧、インクミストの電荷量、インクミストの粒径、および液体吐出ヘッド110と記録媒体Pとの相対移動速度を設定した。設定したパラメータに基づいて記録実験を行い、電力供給配線を起因とする電界によるインクミスト等の付着抑制効果について解析した。
その結果、インクミストの液体吐出ヘッド110の吐出口形成面110aへの付着を抑制するには、被覆率を以下の式1で規定される関係を満たす必要があることを見出した。
式1において、Uは液体吐出ヘッドと記録媒体との相対移動速度(inch/秒)、Vは電力供給配線に印加されている電圧(V)、Dはインクミストの粒径 (μm)、Q(C)はインクミストが有する電荷量を示している。
本実施形態では、式1に示す関係を満たすように、電力供給配線203が形成されている領域に対向する絶縁層205の領域を、導電性層206で被覆している。
このように構成された本実施例の液体吐出ヘッド110におけるインクミスト等の付着抑制効果を確認するための記録実験を行った。この記録実験では、電力供給配線203を被覆する導電性層206の被覆率を0.64とした液体吐出ヘッド(ヘッドA)と、導電性層206による被覆率を0.95とした液体吐出ヘッド(ヘッドB)を用いた。実験の条件として、ヘッドAとヘッドBそれぞれの電力供給配線203には24(V)を印加し、ヘッドAとヘッドBそれぞれと記録媒体Pとの相対移動速度は33(inch/秒)とした。
上記の実験により次のような結果が得られた。
電力供給配線203に対する導電性層206の被覆率を0.64としたヘッドAを用いた場合、電力供給配線203の形成領域に対向するヘッドAの吐出口形成面110aの領域にはインクミストが選択的に付着していることが確認された。そして、記録動作を継続したところ、電力供給配線203の形成領域に対向する吐出口形成面110aには、選択的に付着したインクミスト同士が合体して大きなインク滴となり、これが吐出口207を塞いで吐出不良を発生させた。
一方、電力供給配線203を被覆する導電性層206の被覆率を0.95としたヘッドBを用いた場合、電力供給配線203が形成されている領域へのインクミストの付着が抑制された。そして、前述のヘッドAを用いた場合と同様に記録動作を継続しても、インクミストによって吐出口207が塞がれることはなく、吐出不良は発生しなかった。
次に、この実験結果を考察する。
一般に液体吐出ヘッドに付着するインクミストは、粒径が2(μm)前後であり、−5×10-15 (C)程度の電荷をもつ。そこで粒径2(μm)、−5×10-15(C)の電荷をもつインクミストを想定し、「電力供給配線に印加する電圧」と「導電性層による最小被覆率」との関係を、式1によって求めた例を図4の曲線L1に示す。図示の例では、液体吐出ヘッド110と記録媒体Pとの相対移動速度は33(inch/秒)とした。なお、曲線L1によって示される「導電性層による最小被覆率」は次のように定義する。すなわち「導電性層による最小被覆率」とは、電力供給配線203が形成された領域を、絶縁層205を介して導電性層206により被覆する割合(被覆率)であって、液体吐出ヘッド110に対するインクミスト等の付着抑制効果が得られる被覆率の最小値を指す。
図4において網掛け表示された範囲は、電力供給配線203に印加される電圧に対応する最小被覆率以上の被覆率を示す範囲であり、吐出口形成面110aにインクミストが付着するのを抑制し得る範囲(有効範囲)である。従って、導電性層206による電力供給配線203の被覆率が網掛け表示された領域内に設定されている液体吐出ヘッド110では、継続的に記録動作を実行しても、インクミストの付着に起因する吐出不良の発生を抑制することができる。
また、図4において、(A)は前述の実験に用いたヘッドAにおける被覆率を、(B)はヘッドBの被覆率をそれぞれ示している。図4に示すように、前述の実験においてインクミストの付着抑制効果が得られなかったヘッドAの被覆率は曲線L1より小さいのに対し、十分なインクミストの付着抑制効果が得られたヘッドBの被覆率は曲線L1より大きいことが分かる。従って、液体吐出ヘッド110において、インクミスト等が付着するのを抑制することができるか否かは、導電性層206の被覆率が、式1によって求めた曲線L1以上であるか否かによって判断することができる。つまり、液体吐出ヘッド110においてインクミストなどの付着抑制効果が得られるか否かは、実験を行わなくとも、導電性層による電力供給配線203の被覆率と、曲線L1とを比較することで判断することができる。
また、導電性層206による最低被覆率を上記の式1によって求め、その最小被覆率または、それより若干大きい程度の被覆率で電力供給配線を導電性層によって覆うようにすれば、基板200と吐出口形成部材300との接着性を確保し易くなる。すなわち、金属である導電性層は、一般に、樹脂で形成された吐出口形成部材300との接着性が低いが、絶縁層205や基材201などの多くは、吐出口形成部材300に対して高い接着性を有する。このため、導電性層による被覆面積が増大すれば、その分、絶縁層205および基材201の表面と、吐出口形成部材300の裏面(図3(a)中、下面)との接触面積は減少し、吐出口形成部材300が基板200から剥離して不良品となる確率が高くなる。加えて、導電性層206を過剰に拡大させた場合には、電力供給配線203や他の導体部分が導電性層によって短絡されるという不都合が発生し易くなる。
そこで本実施形態では、導電性層206による被覆率を、上記の式1によって得られた最小被覆率に基づき、必要最小限にとどめた構成となっている。このため、本実施例によれば、良好な耐久性および絶縁性を確保しつつ、電力供給配線から生じる電界によってインクミスト等が液体吐出ヘッドに付着するのを抑制することができ、液体吐出ヘッドの吐出性能を長期に亘って維持することが可能になる。
なお、グランド配線を形成する材料は、アルミニウム及び金及び銀及び銅のいずれか1種類の金属、またはこれらの金属を成分に含む合金とすることが可能である。また、導電性層を形成する材料は、バナジウム族金属及び白金族金属(タンタル、バナジウム、ニオブ、イリジウム、白金、パラジウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム)のうちいずれか1種類の金属、またはこれらの金属を成分に含む合金とすることができる。
[実施例2]
次に、本発明の実施例2を説明する。この実施例2では、図3に示す層構造を有すると共に、導電性層206による被覆率を0.85とした液体吐出ヘッド110を用い、以下に示す各記録条件で記録動作を行った。記録条件として、液体吐出ヘッド110と記録媒体Pとの相対移動速度を33(inch/秒)とした。また、電力供給配線203に印加する電圧は、記録条件(イ)として33(V)を、記録条件(ロ)として24(V)を、記録条件(ハ)として20(V)を、記録条件(ニ)として5(V)を、それぞれ設定した。
記録条件(イ)〜(ハ)で記録動作を行なった結果、液体吐出ヘッド110の吐出口形成面110aのうち、電力供給配線203の形成領域に対向する領域には選択的にインクミストの付着が確認され、記録動作を継続することにより吐出不良が生じた。これに対し、条件(ニ)の場合には、吐出口形成面110aのうち、電力供給配線203が形成されている領域と対向する領域へのインクミストの付着は抑制され、インクミストの付着に起因する吐出不良は発生しなかった。
次に、上記実験結果を考察する。
図5は、この実施例2の各記録条件における電力供給配線203に印加する電圧と、導電性層による被覆率と、の関係を示す図であり、図中、各記録条件は条件(イ)〜(ニ)として示した。また、図中の曲線L2は、粒径2(μm)、−5×10-15(C)の電荷をもつインクミストを想定し、「電力供給配線に印加する電圧」と「導電性層による最小被覆率」との関係を、式1によって求めた例を示す曲線である。図5に示すように、条件(ニ)は、記録動作を行った場合に液体吐出ヘッド110に対するインク付着抑制効果が有効となる範囲(図中、網掛け表示した範囲)に含まれるのに対し、条件(イ)〜(ハ)は有効範囲外となる。これは上記の実験結果と一致する。従って、液体吐出ヘッド110においてインクミストなどの付着抑制効果が得られるか否かは、電力供給配線203の形成領域に対する導電性層による被覆率と、曲線L1とを比較することで判断することができる。
[実施例3]
次に、本発明の実施例3を説明する。この実施例3においては、実施例1と同様に、電力供給配線の形成領域を、絶縁層205を介して導電性層により被覆する割合(被覆率)を0.85とした液体吐出ヘッド110を用い、以下の記録条件に基づいて記録実験を行った。
この実施例2における記録条件は、[実験条件I]として、電力供給配線203に印加する電圧を10(V)、液体吐出ヘッド110と記録媒体Pとの相対移動速度を25(inch/秒)に設定した。また、[実験条件II]として、電力供給配線203に印加する電圧を10(V)、液体吐出ヘッド110と記録媒体Pとの相対移動速度を40(inch/秒)とした。
この記録実験の結果、[実験条件I]の場合は、液体吐出ヘッド110の吐出口形成面110aのうち、電力供給配線203が形成されている領域に対向する領域には選択的にインクミストの付着が確認され、記録動作を継続することにより吐出不良が生じた。これに対し、[実験条件II]の場合には、吐出口形成面110aのうち、電力供給配線203が形成されている領域と対向する領域に対するインクミストの付着は抑制され、インクミストの付着に起因する吐出不良は発生しなかった。
次にこの実施例2の結果を考察する。
図6は、この実施例3の各記録条件における「電力供給配線に印加する電圧」と「導電性層による被覆率」との関係を示す図である。図中の曲線L11は、粒径2(μm)、−5×10-15(C)の電荷をもつインクミストを想定し、[実験条件I]に基づいて記録動作を行う場合の、「電力供給配線に印加する電圧」と「導電性層による最小被覆率」との関係を示す曲線である。また、図中の曲線L12は、同様のインクミストを想定し、[実験条件II]に基づいて記録動作を行う場合の、「電力供給配線に印加する電圧」と「導電性層による最小被覆率」との関係を示す曲線である。なお、図中、「C」は、本実施例において印加電圧(10(V))と被覆率(0.85)を示す。
図6に示すように、液体吐出ヘッド110と記録媒体Pとの相対移動速度を40(inch/秒)とする[実験条件II]では液体吐出ヘッド110へのインクミスト等の付着抑制効果が有る有効範囲は曲線L11より上の網掛けを施した範囲S1およびS2となる。一方、液体吐出ヘッド110と記録媒体Pとの相対移動速度が25(inch/秒)となる[実験条件I]では、液体吐出ヘッド110へのインクミスト等の付着抑制効果がある有効範囲は、曲線L12より上の高濃度の網掛け表示を施した範囲S2となる。このように、同一の被覆率を有する液体吐出ヘッド110であっても、液体吐出ヘッド110と記録媒体Pとの相対速度が変更されることにより、インクミスト等の付着抑制効果は変化することとなる。これは実験結果と一致する。従って、液体吐出ヘッド110においてインクミストなどの付着抑制効果が得られるか否かは、導電性層による電力供給配線203の被覆率と、曲線L1またはL2と比較することで判断することができる。
[実施例4]
次に、本発明の実施例4における液体吐出ヘッドとして、図7ないし図9に示す3つの例(第1〜第3例)を説明する。ここで、図7は第1例を、図8は第2例を、図9は第3例をそれぞれ示している。各例は、電力供給配線203が形成された領域を、絶縁層を介して被覆する導電性層が以下に説明するように異なる形状を有するものとなっているが、その他の点は同様となっている。なお、図7ないし図9では、電力供給配線203、グランド配線204、およびヒータ202等の位置を明らかにするため、これらを覆う絶縁層および吐出口形成部材を取り除いた状態を示している。
図7に示す導電性層206Aは、実施例1と同様に、電力供給配線203の形成領域に対応する絶縁層の領域を、導電性層206Aによって被覆している。但し、この導電性層206Aには、絶縁層を部分的に露出させる孔状の非被覆部206A1が形成されている。
また、図8に示す導電性層206Bには、電力供給配線203の形成領域に対向する絶縁層の領域の中で、絶縁層を被覆しない非被覆部206B1が複数箇所に形成されている。ここに示す非被覆部206B1は、吐出口の配列方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に延在する線状の領域となっている。
さらに、図9に示す導電性層206Cは、電力供給配線203の形成領域に対応する絶縁層のうち、絶縁層205を覆わない複数の非被覆部206C1、206C2が形成されている。ここで非被覆部206C1は、吐出口の配列方向(X方向)に沿って延在しており、非被覆部206C2はY方向に沿って延在している。
以上のように、実施例4では、電力供給配線203の形成領域を絶縁層を介して覆う導電性層206Aの中に、絶縁層を覆わない非被覆部が部分的に形成されており、この非被覆部を調整することによって導電性層206Cによる被覆率が調整されている。
上記のように形成された導電性層206A,206B,206Cを有する液体吐出ヘッドにおいて、各導電性層の非被覆部の面積を調整し、導電性層による電力供給配線203の被覆率を実施例1または2と同様に設定して記録動作実験を行った。その結果、この実施例4においても、前述の実施例1または2で示した結果と同様のインクミスト等の付着抑制効果が得られた。また、吐出口形成部材と導電性層との密着性が低い場合には、導電性層の非被覆部を設けて、吐出口形成部材300と基板200との接触面積を増大させることにより、両部材を強固に接着させることが可能になった。
[実施例5]
次に、本発明の実施例5を、図10の断面図を参照しつつ説明する。
この実施例5における液体吐出ヘッド510は、吐出口507が形成された樹脂製の吐出口形成部材700と、この吐出口形成部材700と共に液室509を形成する基板600とを備える。基板600は、シリコン等で形成された基材601と、この基材601の表面(図10中、上面)に形成されたヒータ602と、このヒータ602に接続された電力供給配線603およびグランド配線604を有する。また、基材601には、その表面を覆うように絶縁層605が形成され、絶縁層605の表面には導電性層606が形成されている。導電性層606は、絶縁層605のうち、電力供給配線603が形成された平面領域と対向する領域の一部を被覆するように形成されている。この導電性層606によって電力供給配線603に対向する領域を覆う被覆率は、0.05となっている。しかし、実施例5では、電力供給配線603より液体吐出ヘッド510の表面に近い位置に形成されたグランド配線604が、導電性層606と共に、電力供給配線203の形成領域R0に対向する領域R1、R2を、絶縁層としての基材601を介して覆っている。
この実施例5による液体吐出ヘッド510を用いて、実施例1で示した記録条件で同様の実験を行ったところ、実施例1における「ヘッドB」と同様に、電力供給配線の形成されている領域に対向する領域へのインクミストの選択的な付着が抑制された。その結果、液体吐出ヘッド510に付着したインクミストが吐出口507を塞ぐことに起因する吐出不良は発生しなかった。これは、電力供給配線より液体吐出ヘッド表面に近い層がグランド配線である場合には、その配線が導電性層としての効果を発揮することを意味する。
[実施例6]
一般に、インクジェット記録装置によりフルカラー画像を形成する場合には、イエロー、シアン、マゼンタなどの3色以上のインクを用いることが必要となる。そのため液体吐出ヘッドでは、複数の吐出口を列状に配置した吐出口列が複数配置されている。
この実施例6では、図11に示すように3色のインクそれぞれに対し2本の吐出口列を割り当て、合計6本の吐出口列PA1〜PA6を配置した液体吐出ヘッド1100を作製した。また、各吐出口列の各吐出口1207に設けられたヒータ1202に電力を供給する電力供給配線1203が配されている領域を、実施例1と同様に不図示の絶縁層を介して導電性層1206により被覆した。なお、図中、1204はグランド配線を示している。
本液体吐出ヘッドを用いて実施例1と同様の実験を行った。その結果、導電性層1206による被覆率が図4に示すような有効範囲にある場合、各吐出口列の各ヒータ1202に電力を供給している電力供給配線1203の形成領域と対向する領域へのインクミストの付着は抑制された。このため、いずれの吐出口列においても液体吐出ヘッド1100に付着したインクミストが吐出口1207を塞ぐことに起因する吐出不良は発生しなかった。
なお、実施例6では、吐出口列が6本形成されている液体吐出ヘッドにも本発明は有効であることを確認した。これにより、本発明は複数本の吐出口列を有する形態の液体吐出ヘッドにも有効であることが明らかになった。
[他の実施例]
上記実施例では、フルラインタイプのインクジェット記録装置に用いられる長尺な液体吐出ヘッドを例にとり説明したが、本発明は、他の記録方式を採用したインクジェット記録装置にも適用可能である。例えば、記録媒体の搬送方向と交差する方向に液体吐出ヘッドを移動させながら記録動作を行う、いわゆるシリアルタイプのインクジェット記録装置に用いる液体吐出ヘッドにも本発明は適用可能である。
また、上記実施例では、インクを吐出するための吐出エネルギーを発生させる吐出エネルギー発生素子として電気熱変換素子であるヒータを用いた例を示したが、吐出エネルギー発生素子として、ピエゾなどの電気機械変換素子を用いることも可能である。
さらに、上記実施例では、液体吐出ヘッドの電力供給配線に対向する領域を、式1で算出した被覆率で絶縁層を介して被覆する例を示した。しかし、電力供給配線に生じる電界によってインクミスト等が付着するのを抑制することのみを目的とする場合には、電力供給配線に対向する領域全体を導電性層によって被覆するようにしてもよく、本発明は特に上記実施例に限定されない。
また、導電性層は、絶縁層を介して電力供給配線を覆うように形成することで上記のような粒子の付着抑制効果を得ることができるが、導電性層を接地すれば導電性層の電位をより安定させることが可能になり、より確実に粒子の付着を抑制することができる。
110,500,1100 液体吐出ヘッド
201,601 基材
202,602,1202 ヒータ(吐出エネルギー発生手段)
203,603,1203 電力供給配線
204,604,1204 グランド配線
205 絶縁層(絶縁部)
206,206A,206B,206C,6062,1206 導電性層(導電性部材)
206A1,206B1,206C1,206C2 非被覆部
207 吐出口
300a 吐出口形成面
Dm 粒子
P 記録媒体

Claims (14)

  1. 吐出口から液体を吐出する液体吐出ヘッドであって、
    前記吐出口から液体を吐出させるための吐出エネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子に電力を供給するための電力供給配線と、
    前記電力供給配線の少なくとも一部を、絶縁部を介して被覆する導電性部材と、
    を備え、
    前記吐出エネルギー発生素子に接続されるグランド配線と前記電力供給配線とが、絶縁性を有する基材の中に形成されており
    前記グランド配線は、前記電力供給配線よりも前記吐出口に近い位置で、前記電力供給配線を被覆することにより、前記導電性部材として機能し、
    前記導電性部材は、前記吐出口と記録媒体との相対移動速度、前記吐出口が形成された吐出口形成面と前記記録媒体との間に浮遊する粒子の径、前記粒子の電荷量、および前記電力供給配線に印加されている電圧、に基づいて定められた被覆率で前記電力供給配線を被覆することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記被覆率は、前記吐出口と前記記録媒体との相対移動速度をU(inch/秒)、前記電力供給配線に印加されている電圧をV(V)、前記粒子の径をD(μm)、前記粒子が有する電荷量をQ(C)とするとき、以下の式で規定されることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記粒子は、前記吐出口から吐出される液滴のうち、前記記録媒体に着弾せずに浮遊する液滴であることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記導電性部材は、前記吐出エネルギー発生素子を被覆することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記導電性部材は、接地されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記吐出エネルギー発生素子に接続されるグランド配線と前記電力供給配線が、絶縁性を有する基材の中に複数の層をなすよう形成され、前記グランド配線は、前記電力供給配線の層よりも前記吐出口に近い位置で、前記電力供給配線を覆うことにより、前記導電性部材として機能することを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記導電性部材は、前記導電性部材が形成される領域を被覆しない非被覆部を備えることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記グランド配線を形成する材料は、アルミニウム、金、銀、及び銅のいずれか1種類、または、これらの金属を成分に含む合金であることを特徴とする請求項6または7に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記導電性部材を形成する材料は、バナジウム族金属及び白金族金属(タンタル、バナジウム、ニオブ、イリジウム、白金、パラジウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム)のうちいずれか1種類の金属、またはこれらの金属を成分に含む合金であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 記録媒体と相対移動をしつつ前記記録媒体に液体を吐出する吐出口を備える液体吐出ヘッドであって、
    前記吐出口から液体を吐出させるための吐出エネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子に電力を供給するための電力供給配線と、
    前記電力供給配線の少なくとも一部を、絶縁部を介して被覆する導電性部材と、
    を備え、
    前記吐出エネルギー発生素子に接続されるグランド配線と前記電力供給配線とが、絶縁性を有する基材の中に形成されており、
    前記グランド配線は、前記電力供給配線よりも前記吐出口に近い位置で、前記電力供給配線を被覆することにより、前記導電性部材として機能し、
    前記導電性部材が前記電力供給配線を覆う被覆率は、前記吐出口と前記記録媒体との相対移動速度をU(inch/秒)、前記電力供給配線に印加されている電圧をV(V)、前記吐出口が形成された吐出口形成面と前記記録媒体との間に浮遊する、前記吐出口から吐出される主滴に付随する粒子の径をD(μm)、前記粒子が有する電荷量をQ(C)とするとき、以下の式で規定されることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  11. 前記粒子は、前記吐出口から吐出される液滴のうち、前記記録媒体に着弾せずに浮遊する液滴であることを特徴とする請求項10に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 前記導電性部材は、接地されていることを特徴とする請求項10または11に記載の液体吐出ヘッド。
  13. 前記吐出エネルギー発生素子に接続されるグランド配線と前記電力供給配線が、絶縁性を有する基材の中に複数の層をなすよう形成され、前記グランド配線は、前記電力供給配線の層よりも前記吐出口に近い位置で、前記電力供給配線を覆うことにより、前記導電性部材として機能することを特徴とする請求項10ないし12いずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  14. 前記導電性部材を形成する材料は、バナジウム族金属及び白金族金属(タンタル、バナジウム、ニオブ、イリジウム、白金、パラジウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム)のうちいずれか1種類の金属、またはこれらの金属を成分に含む合金であることを特徴とする請求項10ないし13のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
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