JP3377766B2 - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの製造方法

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JP3377766B2
JP3377766B2 JP27256799A JP27256799A JP3377766B2 JP 3377766 B2 JP3377766 B2 JP 3377766B2 JP 27256799 A JP27256799 A JP 27256799A JP 27256799 A JP27256799 A JP 27256799A JP 3377766 B2 JP3377766 B2 JP 3377766B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プリンタ、ワープロ、ファク
シミリ等として、圧電体の圧電効果を利用して記録を行
うインクジェット式の記録装置が用いられている。一般
に、この種の記録装置に用いられるインクジェットヘッ
ドは、インクを収容する複数の圧力室と、各圧力室にそ
れぞれ連通する複数のノズルと、圧力室内のインクに圧
力を付与することによってノズルからインクを吐出させ
るアクチュエータとを備えている。このようなアクチュ
エータには、例えば図21に示すように、多数の薄膜が
積層されて構成されたものがある。
【0003】上記インクジェットヘッドにおいて、ヘッ
ドの本体部101 には、図示のX1方向に沿って配列され
た複数の圧力室用凹部102 が設けられている。ヘッド本
体部101 の上には、複数の圧力室用凹部102 を覆うよう
に振動板104 が設けられ、この振動板104 とヘッド本体
部101 の圧力室用凹部102 とにより圧力室103 が区画形
成されている。振動板104 の上には、各圧力室103 に対
応するようにPZTからなる圧電体105 が設けられ、こ
の圧電体105 の上にはPt(白金)からなる個別電極10
6 が設けられている。なお、振動板104 はCr(クロ
ム)により形成され、圧電体105 の共通電極としても機
能する。これら振動板104 、圧電体105 及び個別電極10
6 により、アクチュエータが構成されている。インクの
吐出時には、個別電極106 と共通電極たる振動板104 と
の間に電圧が印加され、圧電体105は伸縮動作を行う。
これにより、圧電体105 に固着された振動板104 がたわ
み変形を行い、圧力室103 内のインクが加圧され、図示
しないノズルからインクが吐出される。
【0004】ところで、近年、インクジェットヘッドの
小型化に伴い、圧電体105 の薄膜化が進められている。
しかし、圧電体105 は薄くなると耐電圧性が低下するた
め、薄膜化に伴い電圧印加時に絶縁破壊が生じるおそれ
が大きくなる。圧電体105 に絶縁破壊が生じると、イン
クの吐出性能が低下するばかりでなく、絶縁破壊の程度
が大きい場合には、圧力室103 内のインクが外部に漏れ
出すおそれもある。そのため、インクジェットヘッドの
信頼性向上のため、圧電体105 の絶縁破壊を予防する技
術が切望されている。
【0005】そのような技術の一つとして、特開平10
−217458号公報に開示されているように、圧電体
材料の結晶構造に改良を加え、圧電体自体の耐電圧性を
向上させる技術がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、インクジェッ
トヘッドの製造過程における圧電体の形成に際しては、
製造装置内の不純物が圧電体中に混入したり、圧電体の
熱応力の影響等により、図22に示すように、圧電体10
5 中に欠陥部107 が生じることがある。そのため、たと
え圧電体105 の材料自体の耐電圧性が高くても、このよ
うな欠陥部107 が存在することにより、圧電体105 は構
造的に絶縁破壊を生じやすくなる。具体的には、欠陥部
107 が導電性を有している場合(導電性の不純物が混入
した場合等)には、圧電体105 の欠陥部107 に対応する
部分は局所的に膜厚の薄い部分となり、耐電圧性が著し
く低下してしまう。また、欠陥部107 が絶縁性を有して
いる場合であっても、圧電体105 は欠陥部107 において
膜厚が不均一となるため、電圧印加時に電界集中が生じ
やすい。そのため、当該部分において絶縁破壊が生じや
すくなる。特に、圧電体の薄膜化が進むほど圧電体中に
占める欠陥部の割合が大きくなるので、薄膜化に伴って
圧電体の絶縁破壊のおそれは益々大きくなる。
【0007】そこで、圧電体の形成に際して生じる欠陥
を考慮したうえで、圧電体の絶縁破壊を防止する新たな
技術が待ち望まれている。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、たとえ圧電体に欠陥
が含まれている場合であっても圧電体の耐電圧性が低下
しないインクジェットヘッドの製造方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、上部電極または下部電極における圧電体
の欠陥部に対応する部分を絶縁破壊によって除去し、圧
電体の欠陥部には局所的に電圧が印加されないようにし
た。
【0010】具体的には、本発明に係るインクジェット
ヘッドの製造方法は、インクを収容する複数の圧力室
と、該各圧力室にそれぞれ連通する複数のノズルとが形
成されたヘッド本体と、圧電体と振動板とを有し、該圧
電体の圧電効果により上記各圧力室内のインクに圧力を
付与するように該振動板を変形させて該インクを上記各
ノズルから吐出させるアクチュエータとを備えるインク
ジェットヘッドの製造方法であって、第1の基材上に下
部電極を積層する工程と、上記下部電極上に圧電体を積
層する工程と、上記圧電体上に上部電極を積層する上部
電極積層工程と、上記上部電極における上記圧電体の欠
陥部に対応する部分を絶縁破壊によって除去するよう
に、該上部電極と上記下部電極との間に所定電圧を印加
する絶縁破壊工程とを含んでいることとしたものであ
る。
【0011】このことにより、圧電体を形成した際に欠
陥部が生じている場合には、上部電極と下部電極との間
に印加された所定電圧によって、当該欠陥部または上部
電極の当該欠陥部に対応する部分は、圧電体や上部電極
の他の部分を破壊しない程度の微小な絶縁破壊を起こし
て発熱し、この熱によって上部電極の一部が溶けて気化
する。従って、上部電極における圧電体の欠陥部に対応
する部分は、簡易かつ円滑に除去される。
【0012】上記絶縁破壊工程における所定電圧の印加
は、上部電極をパターニングした後に行うことが好まし
い。
【0013】このことにより、電極をパターニング(個
別化)する前に所定電圧を印加する場合に比べて、電圧
印加時の電極の面積が小さくなるので、両電極間にたま
る電荷の量は少なくなる。従って、圧電体の欠陥部に流
れる電流が小さくなり、絶縁破壊を微小な程度に抑える
ことが容易になる。そのため、欠陥部の検出のための微
小絶縁破壊を、容易に制御することができる。
【0014】上記絶縁破壊工程の後に、上部電極の除去
部分に絶縁体を埋める工程を含んでいることが好まし
い。
【0015】このことにより、絶縁破壊を起こした部分
は絶縁体が充填されるので、圧電体の欠陥部への通常電
圧の印加は、確実に防止されることになる。また、圧力
室からのインクの侵入が防止される。
【0016】上記絶縁破壊工程の後に、上部電極の除去
部分を絶縁体で覆う工程を含んでいてもよい。
【0017】このことにより、絶縁破壊を起こした部分
は絶縁体に覆われるので、圧電体の欠陥部への通常電圧
の印加は、確実に防止されることになる。また、圧力室
からのインクの侵入が防止される。
【0018】また、絶縁破壊工程の後に、上部電極上に
絶縁層を積層する絶縁層形成工程と、上記絶縁層上に振
動板を積層する振動板積層工程と、複数の圧力室用凹部
及びノズルが形成された第2の基材を、該圧力室用凹部
が上記振動板に覆われて該圧力室用凹部と該振動板とに
より複数の圧力室が区画形成されるように該振動板に接
合する工程と、第1の基材を除去する工程と、下部電極
及び圧電体を上記各圧力室に対応するようにパターニン
グする工程とを含んでいてもよい。
【0019】このことにより、上記と同様に、絶縁破壊
を起こした部分は絶縁体に充填され、または絶縁層に覆
われるので、当該部分は通常電圧が局所的に印加されな
い非電圧印加部となる。従って、欠陥部には電圧が印加
されないので、圧電体の耐電圧性は維持される。また、
圧力室からのインクの侵入が防止される。
【0020】また、絶縁破壊工程の後に、上部電極上に
絶縁層を積層する絶縁層形成工程と、上記絶縁層上に振
動板を積層する振動板積層工程と、第1の基材に複数の
圧力室及びノズルを設ける工程と、上記各圧力室に対応
するように上記振動板をパターニングする工程とを含ん
でいてもよい。
【0021】このことにより、上記と同様に、絶縁破壊
を起こした部分は絶縁体に充填され、または絶縁層に覆
われるので、当該部分は通常電圧が局所的に印加されな
い非電圧印加部となる。従って、欠陥部には電圧が印加
されないので、圧電体の耐電圧性は向上する。また、圧
力室からのインクの侵入が防止される。
【0022】上記絶縁層形成工程及び振動板積層工程の
代わりに、上部電極上に絶縁性の振動板を積層する工程
を含んでいてもよい。
【0023】このことにより、振動板が絶縁層を兼ねる
インクジェットヘッドが得られる。
【0024】本発明に係る他のインクジェットヘッドの
製造方法は、インクを収容する複数の圧力室と、該各圧
力室にそれぞれ連通する複数のノズルとが形成されたヘ
ッド本体と、圧電体と振動板とを有し、該圧電体の圧電
効果により上記各圧力室内のインクに圧力を付与するよ
うに該振動板を変形させて該インクを上記各ノズルから
吐出させるアクチュエータとを備えるインクジェットヘ
ッドの製造方法であって、第1の基材上に下部電極を積
層する工程と、上記下部電極上に圧電体を積層する工程
と、上記圧電体上に導電性の振動板を積層する工程と、
上記導電性振動板における上記圧電体の欠陥部に対応す
る部分を絶縁破壊によって除去するように、該導電性振
動板と上記下部電極との間に所定電圧を印加する絶縁破
壊工程と、上記導電性振動板上に絶縁層を積層する工程
と、複数の圧力室用凹部及びノズルが形成された第2の
基材を、該圧力室用凹部が上記絶縁層に覆われて該圧力
室用凹部と該絶縁層とにより複数の圧力室が区画形成さ
れるように該絶縁層に接合する工程と、上記第1の基材
を除去する工程と、上記下部電極及び上記圧電体を上記
各圧力室に対応するようにパターニングする工程とを含
んでいることとしたものである。
【0025】このことにより、振動板は導電性を有して
いるので、振動板は上部電極としても機能する。そのた
め、振動板と上部電極とを別個に設ける必要がなくな
る。また、上記と同様に、絶縁破壊を起こした部分は絶
縁体に充填され、または絶縁層に覆われるので、当該部
分は通常電圧が局所的に印加されない非電圧印加部とな
り、圧電体の耐電圧性は向上する。
【0026】本発明に係る他のインクジェットヘッドの
製造方法は、インクを収容する複数の圧力室と、該各圧
力室にそれぞれ連通する複数のノズルとが形成されたヘ
ッド本体と、圧電体と振動板とを有し、該圧電体の圧電
効果により上記各圧力室内のインクに圧力を付与するよ
うに該振動板を変形させて該インクを上記各ノズルから
吐出させるアクチュエータとを備えるインクジェットヘ
ッドの製造方法であって、第1の基材上に下部電極を積
層する工程と、上記下部電極上に圧電体を積層する工程
と、上記圧電体上に導電性の振動板を積層する工程と、
上記導電性振動板における上記圧電体の欠陥部に対応す
る部分を絶縁破壊によって除去するように、該導電性振
動板と上記下部電極との間に所定電圧を印加する絶縁破
壊工程と、上記導電性振動板上に絶縁層を積層する工程
と、上記第1の基材に複数の圧力室及びノズルを設ける
工程と、上記各圧力室に対応するように上記導電性振動
板及び上記絶縁層をパターニングする工程とを含んでい
ることとしたものである。
【0027】このことにより、上記と同様に、振動板は
導電性を有しているので、振動板は上部電極としても機
能する。そのため、振動板と上部電極とを別個に設ける
必要がなくなる。また、上記と同様に、絶縁破壊を起こ
した部分は絶縁体に充填され、または絶縁層に覆われる
ので、当該部分は通常電圧が局所的に印加されない非電
圧印加部となり、圧電体の耐電圧性は向上する。
【0028】上記絶縁破壊工程における所定電圧の印加
は、導電性振動板をパターニングした後に行うことが好
ましい。
【0029】このことにより、電極をパターニング(個
別化)する前に所定電圧を印加する場合に比べて、電圧
印加時の電極の面積が小さくなるので、両電極間にたま
る電荷の量は少なくなる。従って、圧電体の欠陥部に流
れる電流が小さくなり、絶縁破壊を微小な程度に抑える
ことが容易になる。そのため、欠陥部の検出のための微
小絶縁破壊を、容易に制御することができる。
【0030】ところで、絶縁破壊工程における印加電圧
の電圧値を通常電圧よりも大きくすると、通常電圧の印
加時に発生するような絶縁破壊は、絶縁破壊工程におい
ても必ず発生することになる。逆に言うと、通常電圧よ
りも大きな電圧を印加しても絶縁破壊が生じないようで
あれば、通常電圧の印加時にも絶縁破壊は生じないこと
になる。そこで、印加電圧の電圧値は大きい方が好まし
い。しかし、印加電圧の印加時間が長すぎると絶縁破壊
が広がるため、必要な箇所だけに絶縁破壊を起こさせる
ためには、所定電圧の印加時間は短い方が好ましい。
【0031】そこで、上記絶縁破壊工程における所定電
圧は、インク吐出時に振動板を変形させるために印加さ
れる通常電圧よりも電圧値が大きくかつ印加時間の短い
電圧パルスであることが好ましい。このことにより、圧
電体の耐電圧性が高度に保証される。また、電極層にお
ける圧電体層の欠陥部に対応する部分のみが、円滑に除
去されることになる。
【0032】上部電極の厚みは下部電極の厚み以下であ
ってもよい。このことにより、圧電体の欠陥部に対応す
る部分に関し、下部電極を除去することなく上部電極の
みを除去することが容易になり、その後の除去部分の修
復が容易になる。
【0033】上記圧電体の厚みは、0.5μm〜5μm
であってもよい。このことにより、圧電体が薄膜である
にも拘わらず耐電圧性は低下しないことになり、耐電圧
性向上の効果が特に顕著に発揮される。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0035】<実施形態1> −インクジェットヘッドの構成− 図1に示すように、本実施形態に係るインクジェットヘ
ッド1 は、インクジェット式記録装置としてのインクジ
ェットプリンタ6 に組み込まれ、吐出したインク滴を紙
等の記録媒体4 に着弾させて記録を行うものである。イ
ンクジェットヘッド1 は、キャリッジ軸3 に沿って往復
移動するキャリッジ2 に搭載され、キャリッジ2 ととも
に主走査方向Xに往復移動を行う。ローラ5 は、キャリ
ッジ2 が主走査方向Xに一走査分移動するごとに、記録
媒体4 を副走査方向Yに搬送するように構成されてい
る。
【0036】図2に示すように、インクジェットヘッド
1 は、共通インク室10と複数の圧力室用凹部14と複数の
ノズル12とが形成されたヘッド本体部15と、圧力室11内
のインクに圧力を付与するアクチュエータ部16とを備え
ている。
【0037】ヘッド本体部15の圧力室用凹部14は、副走
査方向Yに沿って所定間隔毎に配設されている。各圧力
室用凹部14は、開口断面(XY断面)が主走査方向Xに
細長い略矩形状に形成され、その底部の長手方向の一端
(図2の右側端)には、共通インク室10と圧力室11とを
つなぐインク供給口21が形成され、その他端(図2の左
側端)には、圧力室11とノズル12とをつなぐインク流路
13が形成されている。
【0038】アクチュエータ部16は、ヘッド本体部15の
圧力室用凹部14を覆う厚さ4μmのクロム(Cr)から
なる振動板23と、振動板23上に形成された厚さ0.5μ
mの絶縁層22と、絶縁層22上に形成された厚さ0.1μ
m〜0.2μmの白金(Pt)からなる共通電極17と、
共通電極17上に形成された厚さ3μmのPZT薄膜から
なる圧電体18と、圧電体18上に形成された厚さ0.1μ
mの白金からなる個別電極19と、隣接する圧電体18及び
個別電極19同士の側方の隙間を埋めるポリイミドからな
る絶縁層20とを備えている。なお、圧電体18及び個別電
極19は、ヘッド本体部15の各圧力室用凹部14に対応した
位置にそれぞれ設けられている。
【0039】図3に示すように、共通電極17には、圧電
体18の欠陥部24の下方に位置する部分に欠損部25が形成
されている。欠損部25には、絶縁層22の一部が埋め込ま
れている。つまり、共通電極17における欠陥部24に対応
する部分は、局所的に電極の存在しない部分になってい
る。これにより、圧電体18の欠陥部24は、個別電極19と
共通電極17との間に電圧が印加されても局所的に電圧が
印加されない非電圧印加部となっている。なお、通常、
欠陥部24が圧電体18に占める体積割合は0.4%程度で
あり、非常に小さい。そのため、共通電極17の欠損部25
の面積も非常に小さいので、欠損部25の存在によってイ
ンクの吐出性能が低下することはない。
【0040】−インクジェットヘッドの製造方法− 次に、図4〜図6を参照しながら、インクジェットヘッ
ド1 の製造方法について説明する。
【0041】まず、図4(a)に示すように、酸化マグ
ネシウム(MgO)からなる第1基板(第1基材)30の
表面に、スパッタリングや蒸着等により、白金からなる
厚さ0.1μm〜0.2μmの下部電極31を形成する。
次に、図4(b)に示すように、下部電極31の表面に、
スパッタリングや蒸着等により、PZT(チタン酸ジル
コン酸鉛)からなる厚さ3μmの圧電体32を形成する。
なお、この際、圧電体32に欠陥部24が生じることがあ
る。その後、図4(c)に示すように、圧電体32の表面
に、スパッタリングや蒸着等により、白金からなる厚さ
0.1μmの上部電極33を形成する(上部電極積層工
程)。なお、この上部電極33は、そのまま共通電極17に
なるものである(図6(c)参照)。
【0042】次に、図4(d)に示すように、上部電極
33と下部電極31との間に、インクを吐出させるために印
加する通常電圧パルスよりも電圧値が大きくかつ印加時
間の短い所定の微小電圧パルスを印加し、微小絶縁破壊
を起こさせる(微小絶縁破壊工程)。具体的には、本実
施形態では、図7(a)に示すように、圧力室11のイン
クに圧力を付与するように振動板23を変形させるために
印加する通常電圧パルスは、最大電圧値が20Vであ
り、印加時間は28μsである。これに対し、図7
(b)に示すように、微小絶縁破壊工程において印加す
る微小電圧パルスは、電圧値が100Vかつ印加時間が
0.5μsの矩形状の電圧パルスである。これにより、
圧電体32の欠陥部24には局所的に急激に大きな電流が流
れ、微小な絶縁破壊が起こる。そして、これに伴う発熱
により、上部電極33における欠陥部24の上方の部分が溶
けて気化し、当該部分に対応する上部電極33の一部が除
去される。その結果、上部電極33に欠損部25が形成され
る。
【0043】次に、図5(a)に示すように、スピンコ
ート法等により、少なくとも欠損部25を覆うように、上
部電極33の表面に厚さ0.5μmの絶縁層22を形成する
(絶縁層形成工程)。なお、本実施形態では、絶縁層22
の一部によって欠損部25を塞ぐこととした。つまり、欠
損部25に絶縁体を埋め込むこととした。
【0044】次に、図5(b)に示すように、スパッタ
リングや蒸着等により、絶縁層22の表面にクロムからな
る厚さ4μmの振動板23を形成する(振動板積層工
程)。その後、図5(c)に示すように、予め圧力室用
凹部14やノズル12等が形成されたヘッド本体部15(第2
基材)を、振動板23に対し接着等によって接合する。
【0045】次に、図6(a)に示すように、第1基板
30を除去する。そして、図6(b)に示すように、下部
電極31における圧力室11に対応する部分を含む所定部分
のみが残るように、下部電極31の一部をエッチングによ
り除去する。このようなパターニングにより、下部電極
31から各圧力室11に対応した複数の個別電極19が形成さ
れる。次に、図6(c)に示すように、個別電極19と同
様、圧電体32における圧力室11に対応する部分を含む所
定部分のみが残るように、圧電体32の一部をエッチング
により除去し、各圧力室11に対応した複数の圧電体18を
形成する。
【0046】−本実施形態の効果− 以上のように、本実施形態によれば、圧電体18に欠陥部
24が含まれている場合であっても、上部電極33(共通電
極17)における当該欠陥部24に対応する部分は微小絶縁
破壊によって除去された欠損部25になっているので、個
別電極19と共通電極17との間に通常電圧を印加しても、
局所的に欠陥部24には電圧が印加されない。そのため、
たとえ圧電体18に欠陥部24が含まれていたとしても、欠
陥部24において絶縁破壊は生じず、インクジェットヘッ
ド1 の性能及び品質が低下することはない。従って、耐
電圧性に優れた薄膜の圧電体18を有するインクジェット
ヘッド1 を得ることができる。
【0047】特に、本実施形態では、共通電極17の欠損
部25に絶縁体を埋め込むこととしたので、この絶縁体に
よって、欠陥部24への通常電圧の印加が確実に防止され
る。従って、圧電体18の耐電圧性が更に向上する。
【0048】ところで、上部電極33に欠損部25があった
場合、上部電極33の表面に振動板23を直接形成すると、
欠損部25に対応する部分に段差が生じるおそれがある。
しかし、本実施形態では、上部電極33の表面に絶縁層22
を設け、絶縁層22を介して上部電極33の上方に振動板23
を設けることとしたので、上部電極33に欠損部25がある
場合であっても、振動板23を形成すべき面(つまり、絶
縁層22の上面)は圧電体32と平行な面になる。従って、
振動板23を圧電体18と平行に形成することができるの
で、たとえ欠損部25の面積が大きい場合であっても、振
動板23の動作を安定させることができ、インクの吐出性
能を損なうことはない。
【0049】また、上部電極33を下部電極31よりも薄く
したので、微小絶縁破壊工程において、下部電極31を損
なうことなく上部電極33の一部のみを容易に除去するこ
とができる。従って、欠損部25は上部電極33の側にのみ
形成されるので、欠損部25への絶縁体の埋設を容易に行
うことができる。
【0050】なお、微小絶縁破壊工程において印加する
微小電圧パルスは、電圧値が高くかつ印加時間が短いも
のであればよく、矩形状のパルス電圧に限定されるもの
ではない。また、1つの電圧パルスに限定されず、複数
個の小パルスによって構成されていてもよい。
【0051】また、本実施形態では、下部電極31のパタ
ーニングを製造工程の最終段階(図6(b))で行うこ
ととしたが、第1基板30の上に下部電極31を設けた後、
この下部電極31をパターニングし、その上に圧電体32を
成膜していくことも可能である。
【0052】<実施形態2> 図8に示すように、実施形態2に係るインクジェットヘ
ッド1aは、振動板23が各圧力室11に対応して個別に形成
されているものである。ヘッド本体部15には、各圧力室
用凹部14を覆うように厚さ0.1μm〜0.2μmの白
金からなる共通電極17が設けられている。共通電極17の
表面には、厚さ3μmのPZT薄膜からなる圧電体18が
設けられ、この圧電体18の表面には、各圧力室11に対応
するように厚さ0.1μmの白金からなる個別電極19が
設けられている。個別電極19の側方及び上方には、個別
電極19同士の短絡を防止するため、隣り合う個別電極19
の間を埋めるように絶縁層20が形成されている。絶縁層
20の表面には、各圧力室11に対応するように厚さ4μm
のクロムからなる振動板23が形成されている。
【0053】個別電極19には、圧電体18の欠陥部24の上
方に位置する部分に欠損部25が形成されている。実施形
態1と同様、欠陥部24には絶縁層20の一部が埋め込まれ
ており、欠陥部24は局所的に電圧が印加されない非電圧
印加部となっている。
【0054】次に、図9〜図11を参照しながら、本イ
ンクジェットヘッド1aの製造方法について説明する。
【0055】まず、図9(a)に示すように、酸化マグ
ネシウムからなる第1基板30の表面に、スパッタリング
や蒸着等により、白金からなる厚さ0.1μm〜0.2
μmの下部電極31を形成する。なお、この下部電極31
は、そのまま共通電極17となるものである(図11
(c)参照)。次に、図9(b)に示すように、下部電
極31の表面に、スパッタリングや蒸着等により、PZT
からなる厚さ3μmの圧電体32を形成する。なお、この
際、圧電体32に欠陥が生じることがある。次に、図9
(c)に示すように、圧電体32の表面に、スパッタリン
グや蒸着等により、白金からなる厚さ0.1μmの上部
電極33を形成する(上部電極積層工程)。
【0056】次に、実施形態1と同様、上部電極33と下
部電極31との間に微小電圧パルスを印加する。これによ
り、図10(a)に示すように、圧電体32の欠陥部24に
は局所的に急激に大きな電流が流れ、微小な絶縁破壊が
起こる。これに伴い、上部電極33における欠陥部24の上
方の部分が気化し、当該部分に対応する上部電極33の一
部が除去される。その結果、上部電極33に欠損部25が形
成される(微小絶縁破壊工程)。
【0057】次に、図10(b)に示すように、上部電
極33の所定部分のみが残るように、上部電極33の一部を
エッチング等により除去する。このようなパターニング
により、上部電極33から複数の個別電極19が形成され
る。その後、図10(c)に示すように、スピンコート
法等により、隣合う個別電極19の間の隙間と欠損部25と
を埋める絶縁層20を形成する。つまり、個別電極19同士
の隙間と欠損部25とに絶縁体を埋め込む。なお、絶縁層
20の厚みは個別電極19の厚み以上であればよく、本実施
形態では、絶縁層20の厚みが個別電極19の厚みよりも大
きくなるようにした。
【0058】次に、図11(a)に示すように、スパッ
タリングや蒸着等により、絶縁層20の表面にクロムから
なる厚さ4μmの振動板36を形成する。その後、図11
(b)に示すように、各個別電極19に対応する位置に圧
力室11がそれぞれ形成されるように、第1基板30を加工
する。そして、図11(c)に示すように、振動板36に
おける各個別電極19に対応する部分を含む所定部分のみ
が残るように、振動板36をエッチングしてパターニング
を行う。これにより、振動板36から、各圧力室11に対応
する複数の振動板23が形成される。
【0059】以上のように、実施形態2においても、個
別電極19における欠陥部24に対応する部分は欠損部25と
なっているので、個別電極19と共通電極17との間に通常
電圧を印加しても、欠陥部24において絶縁破壊を生じる
ことはない。また、欠損部25には絶縁体が埋め込まれて
いるので、欠陥部24への通常電圧の印加は確実に防止さ
れる等、実施形態1と同様の効果が得られる。
【0060】<実施形態3> 図12に示すように、絶縁層22と振動板23とを別々に設
けるのではなく、絶縁層22を兼ねる絶縁性の振動板23a
を設けるようにしてもよい。
【0061】このようなインクジェットヘッドは、実施
形態1において、上部電極33に絶縁層22を形成し(絶縁
層形成工程)且つ絶縁層22上に振動板23を形成する(振
動板積層工程)代わりに、上部電極33上に絶縁性振動板
23a を形成することによって得られる。
【0062】また、図13に示すように、実施形態2に
おいて、個別電極19上に絶縁層20及び振動板36を順に形
成する代わりに、個別電極19上に絶縁性の振動板23a を
形成するようにしてもよい。
【0063】<実施形態4> 振動板と共通電極17とを別個に設けるのではなく、導電
性の振動板を用いて、振動板が共通電極17を兼ねるよう
にしてもよい。つまり、振動板自体を電極として利用す
るようにしてもよい。
【0064】このようなインクジェットヘッドは、例え
ば以下のようにして製造することができる。すなわち、
まず、第1基板30上に下部電極31を形成し、下部電極31
上に圧電体32を形成し、圧電体32上に導電性の振動板を
形成する。その後、この導電性振動板と下部電極31との
間に微小電圧パルスを印加して微小絶縁破壊を起こさ
せ、上記導電性振動板に欠損部25を形成する。そして、
欠損部25を埋めるように導電性振動板上に絶縁層22を形
成し、当該絶縁層22にヘッド本体部15を接合する。その
後、第1基板30を除去し、下部電極31及び圧電体32のパ
ターニングを行う。なお、導電性振動板は厚みが比較的
厚いので、欠損部を簡易に設けるために、図6(c)の
状態まで作り上げた状態にて、絶縁破壊により個別電極
19に欠損部を設けるようにしてもよい。
【0065】このように、振動板が共通電極を兼ねるこ
とにより、振動板と共通電極とを別個に形成する必要が
なくなり、ヘッドの小型化や製造コストの低減を図るこ
とができる。
【0066】また、実施形態2において個別電極19を省
略し、振動板が個別電極を兼ねるように構成してもよ
い。
【0067】具体的には、まず、第1基板30上に下部電
極31を形成し、下部電極31上に圧電体32を形成し、圧電
体32上に導電性の振動板を形成する。その後、この導電
性振動板と下部電極31との間に微小電圧パルスを印加し
て微小絶縁破壊を起こさせ、導電性振動板に欠損部25を
形成する。そして、欠損部25を埋めるように導電性振動
板上に絶縁層22を形成する。その後、第1基板30を加工
して圧力室11等を形成する。そして、導電性振動板及び
絶縁層22のパターニングを行い、各圧力室11に対応した
複数の導電性振動板を形成する。
【0068】このように、振動板が個別電極を兼ねるこ
とにより、振動板と個別電極とを別個に形成する必要が
なくなり、ヘッドの小型化や製造コストの低減を図るこ
とができる。
【0069】<実施形態5> 図14〜図16に示すように、実施形態5は実施形態1
において、微小絶縁破壊工程における微小電圧の印加
を、上部電極をパターニングしてから行うこととしたも
のである。
【0070】まず、図14(a)〜(c)に示すよう
に、酸化マグネシウムからなる第1基板30上に下部電極
31、圧電体32、上部電極33を順に積層する。その後、図
14(d)に示すように、上部電極33をパターニング
(個別化)する。そして、図15(a)に示すように、
上部電極33と下部電極31との間に所定の電圧を印加し、
微小絶縁破壊を起こさせる。その結果、上部電極33の一
部に欠損部25が形成される。その後は、図15(b)〜
(d)及び図16(a)〜(c)に順に示すように、実
施形態1と同様にして、インクジェットヘッドを製造す
る。
【0071】本実施形態によれば、微小絶縁破壊工程に
おいて、上部電極33をパターニングしてから所定電圧を
印加することとしたので、パターニングする前に電圧を
印加する場合に比べて、電極33,31の間にたまる電荷量
を小さくすることができる。従って、絶縁破壊が大きく
なりすぎることがなく、微小絶縁破壊を容易に制御する
ことができる。
【0072】なお、実施形態2において、微小絶縁破壊
工程における微小電圧の印加を、上部電極をパターニン
グしてから行うようにしてもよい。具体的には、図14
(a)〜(d)及び図15(a)〜(c)の工程の後
に、図17(a)に示すように第1基板30を加工して圧
力室等を形成し、その後、図17(b)に示すように振
動板23のパターニングを行うようにしてもよい。
【0073】<実施形態6> 図18〜図20に示すように、実施形態6は、製造工程
の最終段階で微小絶縁破壊工程を行うものである。
【0074】具体的には、まず、図18(a)〜(d)
及び図19(a)に順に示すように、第1基板30の上に
下部電極31、圧電体32、上部電極33、絶縁層20、振動板
23を順に積層する。その後、図19(b)及び(c)に
示すように、振動板23の上にヘッド本体部15を接合した
後、第1基板30を除去する。次に、図20(a)及び
(b)に示すように、下部電極31をパターニングして個
別電極19とした後、圧電体32をパターニングする。そし
て、図20(c)に示すように、上部電極33と個別電極
19との間に所定電圧を印加して微小絶縁破壊を起こさ
せ、個別電極19に欠損部25を生成する。
【0075】なお、本実施形態において絶縁層20は必ず
しも必要ではなく、振動板23が上部電極を兼ねていても
よい。
【0076】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ヘッド
の製造過程において、圧電体の欠陥部に微小な絶縁破壊
を起こさせ、圧電体の上部電極または下部電極における
当該欠陥部に対応する部分を予め除去することとしたの
で、圧電体の欠陥部を局所的に電圧が印加されない非電
圧印加部とすることができる。そのため、圧電体に欠陥
部が含まれている場合であっても、通常電圧印加時に当
該欠陥部には電圧が印加されないので、絶縁破壊を未然
に防止することができる。従って、圧電体が薄膜化して
も、その耐電圧性を良好に維持することができる。
【0077】上部電極または下部電極の欠損部に絶縁体
を埋めることにより、あるいは、当該欠損部を絶縁体で
覆うことにより、圧電体の耐電圧性を更に向上させるこ
とができる。また、欠陥部へのインクの侵入を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタの概略構成図である。
【図2】実施形態1に係るインクジェットヘッドの斜視
図である。
【図3】実施形態1に係るインクジェットヘッドの部分
断面図である。
【図4】実施形態1に係るインクジェットヘッドの製造
工程図である。
【図5】実施形態1に係るインクジェットヘッドの製造
工程図である。
【図6】実施形態1に係るインクジェットヘッドの製造
工程図である。
【図7】(a)は通常電圧パルスの波形図であり、
(b)は微小電圧パルスの波形図である。
【図8】実施形態2に係るインクジェットヘッドの部分
断面図である。
【図9】実施形態2に係るインクジェットヘッドの製造
工程図である。
【図10】実施形態2に係るインクジェットヘッドの製
造工程図である。
【図11】実施形態2に係るインクジェットヘッドの製
造工程図である。
【図12】実施形態3に係るインクジェットヘッドの部
分断面図である。
【図13】実施形態3に係るインクジェットヘッドの部
分断面図である。
【図14】実施形態5に係るインクジェットヘッドの製
造工程図である。
【図15】実施形態5に係るインクジェットヘッドの製
造工程図である。
【図16】実施形態5に係るインクジェットヘッドの製
造工程図である。
【図17】実施形態5に係るインクジェットヘッドの製
造工程図である。
【図18】実施形態6に係るインクジェットヘッドの製
造工程図である。
【図19】実施形態6に係るインクジェットヘッドの製
造工程図である。
【図20】実施形態6に係るインクジェットヘッドの製
造工程図である。
【図21】従来のインクジェットヘッドの部分断面図で
ある。
【図22】従来のインクジェットヘッドの部分断面図で
ある。
【符号の説明】
11 圧力室 14 圧力室用凹部 15 ヘッド本体部 17 共通電極 18 圧電体 19 個別電極 20 絶縁層 22 絶縁層 23 振動板 24 欠陥部 25 欠損部 30 第1基板 31 下部電極 32 圧電体 33 上部電極
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/16 B41J 2/045 B41J 2/055

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを収容する複数の圧力室と、該各
    圧力室にそれぞれ連通する複数のノズルとが形成された
    ヘッド本体と、 圧電体と振動板とを有し、該圧電体の圧電効果により上
    記各圧力室内のインクに圧力を付与するように該振動板
    を変形させて該インクを上記各ノズルから吐出させるア
    クチュエータとを備えるインクジェットヘッドの製造方
    法であって、 第1の基材上に下部電極を積層する工程と、 上記下部電極上に圧電体を積層する工程と、 上記圧電体上に上部電極を積層する上部電極積層工程
    と、 上記上部電極における上記圧電体の欠陥部に対応する部
    分を絶縁破壊によって除去するように、該上部電極と上
    記下部電極との間に所定電圧を印加する絶縁破壊工程と
    を含み、 上記 絶縁破壊工程の後に、上部電極の除去部分に絶縁体
    を埋める工程を含んでいるインクジェットヘッドの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 インクを収容する複数の圧力室と、該各
    圧力室にそれぞれ連通する複数のノズルとが形成された
    ヘッド本体と、 圧電体と振動板とを有し、該圧電体の圧電効果により上
    記各圧力室内のインクに圧力を付与するように該振動板
    を変形させて該インクを上記各ノズルから吐出させるア
    クチュエータとを備えるインクジェットヘッドの製造方
    法であって、 第1の基材上に下部電極を積層する工程と、 上記下部電極上に圧電体を積層する工程と、 上記圧電体上に上部電極を積層する上部電極積層工程
    と、 上記上部電極における上記圧電体の欠陥部に対応する部
    分を絶縁破壊によって除去するように、該上部電極と上
    記下部電極との間に所定電圧を印加する絶縁破壊工程と
    を含み、 上記 絶縁破壊工程の後に、上部電極の除去部分を絶縁体
    で覆う工程を含んでいるインクジェットヘッドの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 インクを収容する複数の圧力室と、該各
    圧力室にそれぞれ連通する複数のノズルとが形成された
    ヘッド本体と、 圧電体と振動板とを有し、該圧電体の圧電効果により上
    記各圧力室内のインクに圧力を付与するように該振動板
    を変形させて該インクを上記各ノズルから吐出させるア
    クチュエータとを備えるインクジェットヘッドの製造方
    法であって、 第1の基材上に下部電極を積層する工程と、 上記下部電極上に圧電体を積層する工程と、 上記圧電体上に上部電極を積層する上部電極積層工程
    と、 上記上部電極における上記圧電体の欠陥部に対応する部
    分を絶縁破壊によって除去するように、該上部電極と上
    記下部電極との間に所定電圧を印加する絶縁破壊工程と
    を含み、 上記 絶縁破壊工程の後に、上部電極上に絶縁層を積層す
    る絶縁層形成工程と、 上記絶縁層上に振動板を積層する振動板積層工程と、 複数の圧力室用凹部及びノズルが形成された第2の基材
    を、該圧力室用凹部が上記振動板に覆われて該圧力室用
    凹部と該振動板とにより複数の圧力室が区画形成される
    ように該振動板に接合する工程と、 第1の基材を除去する工程と、 下部電極及び圧電体を上記各圧力室に対応するようにパ
    ターニングする工程と、 を含んでいるインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 インクを収容する複数の圧力室と、該各
    圧力室にそれぞれ連通する複数のノズルとが形成された
    ヘッド本体と、 圧電体と振動板とを有し、該圧電体の圧電効果により上
    記各圧力室内のインクに圧力を付与するように該振動板
    を変形させて該インクを上記各ノズルから吐出させるア
    クチュエータとを備えるインクジェットヘッドの製造方
    法であって、 第1の基材上に下部電極を積層する工程と、 上記下部電極上に圧電体を積層する工程と、 上記圧電体上に上部電極を積層する上部電極積層工程
    と、 上記上部電極における上記圧電体の欠陥部に対応する部
    分を絶縁破壊によって除去するように、該上部電極と上
    記下部電極との間に所定電圧を印加する絶縁破壊工程と
    を含み、 上記 絶縁破壊工程の後に、上部電極上に絶縁層を積層す
    る絶縁層形成工程と、上記絶縁層上に振動板を積層する
    振動板積層工程と、 第1の基材に複数の圧力室及びノズルを設ける工程と、 上記各圧力室に対応するように上記振動板をパターニン
    グする工程と、 を含んでいるインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 絶縁層形成工程及び振動板積層工程の代
    わりに、上部電極上に絶縁性の振動板を積層する工程を
    含んでいる請求項3または4に記載のインクジェットヘ
    ッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 インクを収容する複数の圧力室と、該各
    圧力室にそれぞれ連通する複数のノズルとが形成された
    ヘッド本体と、 圧電体と振動板とを有し、該圧電体の圧電効果により上
    記各圧力室内のインクに圧力を付与するように該振動板
    を変形させて該インクを上記各ノズルから吐出させるア
    クチュエータとを備えるインクジェットヘッドの製造方
    法であって、 第1の基材上に下部電極を積層する工程と、 上記下部電極上に圧電体を積層する工程と、 上記圧電体上に導電性の振動板を積層する工程と、 上記導電性振動板における上記圧電体の欠陥部に対応す
    る部分を絶縁破壊によって除去するように、該導電性振
    動板と上記下部電極との間に所定電圧を印加する絶縁破
    壊工程と、 上記導電性振動板上に絶縁層を積層する工程と、 複数の圧力室用凹部及びノズルが形成された第2の基材
    を、該圧力室用凹部が上記絶縁層に覆われて該圧力室用
    凹部と該絶縁層とにより複数の圧力室が区画形成される
    ように該絶縁層に接合する工程と、 上記第1の基材を除去する工程と、 上記下部電極及び上記圧電体を上記各圧力室に対応する
    ようにパターニングする工程とを含んでいるインクジェ
    ットヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 インクを収容する複数の圧力室と、該各
    圧力室にそれぞれ連通する複数のノズルとが形成された
    ヘッド本体と、 圧電体と振動板とを有し、該圧電体の圧電効果により上
    記各圧力室内のインクに圧力を付与するように該振動板
    を変形させて該インクを上記各ノズルから吐出させるア
    クチュエータとを備えるインクジェットヘッドの製造方
    法であって、 第1の基材上に下部電極を積層する工程と、 上記下部電極上に圧電体を積層する工程と、 上記圧電体上に導電性の振動板を積層する工程と、 上記導電性振動板における上記圧電体の欠陥部に対応す
    る部分を絶縁破壊によって除去するように、該導電性振
    動板と上記下部電極との間に所定電圧を印加する絶縁破
    壊工程と、 上記導電性振動板上に絶縁層を積層する工程と、 上記第1の基材に複数の圧力室及びノズルを設ける工程
    と、 上記各圧力室に対応するように上記導電性振動板及び上
    記絶縁層をパターニングする工程とを含んでいるインク
    ジェットヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 絶縁破壊工程における所定電圧の印加
    は、導電性振動板をパターニングした後に行う請求項
    または7に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 絶縁破壊工程における所定電圧は、イン
    ク吐出時に振動板を変形させるために印加される通常電
    圧よりも電圧値が大きくかつ印加時間の短い電圧パルス
    である請求項1〜8のいずれか一つに記載のインクジェ
    ットヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 上部電極の厚みは下部電極の厚み以下
    である請求項1〜5のいずれか一つに記載のインクジェ
    ットヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 圧電体の厚みは0.5μm〜5μmで
    ある請求項1〜10のいずれか一つに記載のインクジェ
    ットヘッドの製造方法。
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