JP6468699B2 - 2剤式染毛剤 - Google Patents
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上記課題を解決するための本願第1発明は、
下記(A)成分〜(C)成分を含有する第1剤と、下記(D)成分を含有しpH6以下である第2剤と、からなる2剤式染毛剤である。
(A)アルカリ剤。
(B)多価フェノール及びその塩から選ばれる1種以上。
(C)L−システイン、D−システイン、DL−システイン、チオグリコール酸、N−アセチル−L−システイン及びそれらの塩から選ばれる1種以上。
(D)多価金属塩。
上記課題を解決するための本願第2発明は、
前記第1剤が更に亜硫酸塩を含む第1発明に記載の2剤式染毛剤である。
上記課題を解決するための本願第3発明は、
前記第1剤において、亜硫酸塩の含有量が0.5質量%以上であり、(C)成分の含有量が0.9質量%以下である第2発明に記載の2剤式染毛剤である。
上記課題を解決するための本願第4発明は、
前記第1剤及び前記第2剤の剤型が、共に乳化物であるクリーム状である、第1発明〜第3発明のいずれかに記載の2剤式染毛剤である。
上記課題を解決するための本願第5発明は、
前記第1剤が更に高級アルコール及びノニオン性界面活性剤を含有し、前記第2剤が更に高級アルコール及びノニオン性界面活性剤を含有する、第1発明〜第4発明のいずれかに記載の2剤式染毛剤である。
上記課題を解決するための本願第6発明は、
前記第1剤が少なくとも炭素数16の高級アルコールを含有し、
前記第1剤が少なくともHLB値が4〜9のノニオン性界面活性剤を含有し、かつ、
前記第1剤が炭化水素を含有する、第1発明〜第5発明のいずれかに記載の2剤式染毛剤である。
(A)アルカリ剤。
(B)多価フェノール及びその塩から選ばれる1種以上。
(C)L−システイン、D−システイン、DL−システイン、チオグリコール酸、N−アセチル−L−システイン及びそれらの塩から選ばれる1種以上。
(D)多価金属塩。
((A)成分)
上記(A)成分はアルカリ剤である。当該アルカリ剤の具体例として、例えば、アンモニア、アルカノールアミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等)、有機アミン類(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等)及び形成できる場合は永久染毛剤の製剤上許容されるこれらの塩が挙げられる。(A)成分は、これらから選ばれる1種以上としてよい。
上記(B)成分は多価フェノール及びその塩から選ばれる1種以上である。
上記(C)成分はL−システイン、D−システイン、DL−システイン、チオグリコール酸、N−アセチル−L−システイン及びそれらの塩から選ばれる1種以上である。当該塩は、永久染毛剤の製剤上許容される塩であれば良い。当該塩として、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、アンモニウム塩等が例示される。染毛力及び染毛後の堅牢性向上の観点から、(C)成分は、L−システイン、チオグリコール酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上が好ましい。また、(C)成分は、L−システイン及びその塩から選ばれる1種以上とすることも好ましい。
第1剤は、上記(A)成分〜(C)成分に加えて、亜硫酸塩を含有することが好ましい。当該亜硫酸塩の具体例として、例えば、亜硫酸ナトリウムがある。第1剤における亜硫酸塩の含有量は、0.1質量%以上としてよく、0.3質量%以上としてもよい。一方、第1剤が乳化物であるクリーム状の場合、第1剤の保存安定性を良好に維持する観点から、第1剤における亜硫酸塩の含有量は3質量%以下が好ましい。
本願が開示する発明の優れた効果を得る観点から、更に、第1剤において、亜硫酸塩の含有量を0.5質量%以上とし、かつ、(C)成分の含有量を0.9質量%以下とすることが好ましい。
第1剤は、上記(A)成分〜(C)成分に加えて、高級アルコールを含有することが好ましい。本願において、高級アルコールは、炭素数12〜24の1価アルコールである。当該炭素数は、好ましくは、16〜22である。また、好ましくは、第1剤は少なくとも炭素数16の高級アルコールを含有する。
第1剤は、上記(A)成分〜(C)成分に加えて、ノニオン性界面活性剤を含有することが好ましい。なお、好ましくは、第1剤は少なくともHLB値が4〜9のノニオン性界面活性剤を含有する。「HLB」とは、親水親油バランス:Hydrophile-Lipophile Balanceの略称であって、一般的に、界面活性剤の分子が持つ親水性と親油性の相対的な強さを表すパラメーターであり、HLBの値が大きいほど親水性が強く、HLBの値が小さいほど親油性が強い。HLBの値は公知のグリフィン(Griffin)の式から算出される。
第1剤は、上記(A)成分〜(C)成分に加えて、炭化水素を含有することが好ましい。
第1剤は、上記した成分の他、その他の任意成分を含有して良い。当該任意成分として、例えば、精製水、イオン交換水、水道水等の水、上記した成分に該当しない還元剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン等の溶剤、油脂、ロウ類、高級脂肪酸、高級脂肪酸とアルコールとからなるエステル類、水溶性ポリマー、上記した成分以外のアミノ酸、水溶性ポリマー、L−アスコルビン酸及びその塩等の酸化防止剤、糖類、防腐成分、ヒドロキシエタンジホスホン酸、キレート成分、pH調整成分、香料等がある。
第1剤の剤型は特に限定されない。例えば、液状、ゲル状、乳化物であるクリーム状、乳液状としてよい。2剤式染毛剤の操作性の観点から、好ましくは乳化物であるクリーム状である。
((D)成分)
上記(D)成分は多価金属塩である。多価金属塩とは、2価以上の金属の塩である。具体的には特に鉄塩、より好ましくは第1鉄塩である。当該第1鉄塩として、例えば硫酸第一鉄、塩化第一鉄、酢酸第一鉄、リン酸第一鉄、シュウ酸第一鉄等を挙げることができる。また、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、酢酸第二鉄等の第2鉄塩を用いてもよい。(D)成分として、これらの1種以上を含有して良い。
第2剤は、上記(D)成分に加えて、高級アルコールを含有することが好ましい。好ましい高級アルコール及びその含有量については、上記「第1剤の説明」における「高級アルコール」の説明を参照できる。
第2剤は、上記(D)成分に加えて、ノニオン性界面活性剤を含有することが好ましい。好ましいノニオン性界面活性剤及びその含有量については、上記「第1剤の説明」における「ノニオン性界面活性剤」の説明を参照できる。
第2剤は、上記した成分の他、その他の任意成分を含有して良い。当該任意成分については、上記「第1剤の説明」における「その他の任意成分」及び「炭化水素」の説明を参照できる。但し、第2剤は還元剤は含まない。
第2剤の剤型は特に限定されない。例えば、液状、ゲル状、乳化物であるクリーム状、乳液状としてよい。2剤式染毛剤の操作性の観点から、好ましくは乳化物であるクリーム状である。
本願が開示する2剤式染毛剤では、毛髪に対して、まず第1剤を塗布後、しばらく放置して毛髪を膨潤させてから第2剤を第1剤と良く混合するように塗布する形態が好ましい。あえて好ましい例を挙げると、第1剤の塗布後に5〜30分放置することが好ましい。また、第2剤の塗布後に5〜30分放置することが好ましい。
非イオン性界面活性剤において、POEに続く括弧書にはPOEの重合数を記載した。例えば「POE(30)」であれば、POEの重合数は30である。
非イオン性界面活性剤のHLB値については、
POE(30)セチルエーテルはHLB値=16.9、
POE(2)ステアリルエーテルはHLB値=4.9、
POE(2)セチルエーテルはHLB値=5.3、
POE(10)硬化ヒマシ油はHLB値=6.5、
POE(50)オレイルエーテルはHLB値=17.8、である。
システアミン、チオグリセリン、及びサルファイトは(C)成分に対する比較成分である。塩化カリウム及び塩化リチウムは上記(D)成分に対する比較成分である。
下記表1〜表3に記載の、実施例1〜21及び比較例1〜8に係る2剤式染毛剤を常法により調製した。各例に係る第1剤及び第2剤は乳化物であるクリーム状として調製した。なお、各例に係る第1剤のpHは8〜10であり、各例に係る第2剤のpHは4〜6であった。
長さ10cmの評価用の白毛混じりの毛束サンプル(以下、単に毛束サンプルと称する。)に対し、実施例1〜21及び比較例1〜8に係る各2剤式染毛剤を用いて染毛処理した。具体的には、各例に係る第1剤を2g均一に塗布し、15分放置後、各例に係る第2剤を2g均一に塗布し、15分放置した。その後、毛束サンプルをシャンプーにて洗浄し、乾燥を行った後、2剤式染毛剤の染毛力を評価した。
以下の基準で染毛力を評価し、評価結果は表中に記載した。
染毛処理を施した毛束サンプルについて、パネラー22名が標準光源下で目視にて発色度合いを評価することにより、染毛力が良いか否かについて判断した。パネラー22人中「良い」と答えた人が19人以上を評価「6」、パネラー22人中「良い」と答えた人が15〜18人を評価「5」、パネラー22人中「良い」と答えた人が11〜14人を評価「4」、パネラー22人中「良い」と答えた人が7〜10人を評価「3」、パネラー22人中「良い」と答えた人が3〜6人を評価「2」、パネラー22人中「良い」と答えた人が2人以下を評価「1」とした。
上記染毛力試験における染毛処理後の毛束サンプルを用いて、感触を評価した。「感触」とは、「指通り」及び「滑らかさ」を総合した評価である。
20名のパネラーに上記感触について「良い」、「良いとは言えない」の二者択一で評価させ、20名中、「良い」と回答したパネラーが20〜17名である場合が評価点「5」、16〜13名である場合が評価点「4」、12〜9名である場合が評価点「3」、8〜5名である場合が評価点「2」、4名以下である場合が評価点「1」とした。その評価結果を各表の「感触」欄に示す。
上記染毛力試験における染毛処理後の毛束サンプルを用いた。染毛処理が完了してから1日後に50℃の1%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液(500ml)に15分間毛束サンプルを浸漬し、毛束サンプルはその後十分に水洗し、乾燥させた。
22名のパネラーに、上記処理前後の毛束サンプルの対比により、「退色がほとんどない(良い)」、「退色がほとんどないとは言えない」の二者択一で評価させ、22名中、「良い」と回答したパネラーが19人以上である場合が評価点「6」、パネラー22人中「良い」と答えた人が15〜18人を評価「5」、パネラー22人中「良い」と答えた人が11〜14人を評価「4」、パネラー22人中「良い」と答えた人が7〜10人を評価「3」、パネラー22人中「良い」と答えた人が3〜6人を評価「2」、パネラー22人中「良い」と答えた人が2人以下を評価「1」とした。その評価結果を各表の「堅牢性」欄に示す。
実施例1〜21及び比較例1〜8に係る各2剤式染毛剤の第1剤を、ガラス瓶に入れ、60℃の恒温漕中で5日間保存し、分離状態を目視にて評価することにより安定性が良いか否かを判断した。
以下の基準で第1剤の安定性を評価し、評価結果は表中に記載した。保存5日間で分離がない場合を「5」と評価し、分離するまでの日数が、3日以上5日未満であった場合には「4」、1日以上3日未満であった場合には「3」、12時間以上1日未満であった場合には「2」、12時間未満であった場合には「1」と評価した。その評価結果を各表の「安定性」欄に示す。
Claims (6)
- 下記(A)成分〜(C)成分及び0.5〜3質量%の亜硫酸塩を含有するpH7以上のクリーム状第1剤〔(B)成分が、鉄塩と反応して発色する植物抽出物中に含有された形態で配合された第1剤を除く〕と、下記(D)成分を含有しpH6以下である第2剤と、からなる2剤式染毛剤。
(A)アルカリ剤。
(B)多価フェノール及びその塩から選ばれる1種以上。
(C)L−システイン、D−システイン、DL−システイン、チオグリコール酸、N−アセチル−L−システイン及びそれらの塩から選ばれる1種以上。
(D)多価金属塩。 - 前記第1剤がpH8以上である請求項1に記載の2剤式染毛剤。
- 前記第1剤において、(C)成分の含有量が0.9質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の2剤式染毛剤。
- 前記第1剤及び前記第2剤の剤型が、共に乳化物であるクリーム状である、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の2剤式染毛剤。
- 前記第1剤が更に高級アルコール及びノニオン性界面活性剤を含有し、前記第2剤が更に高級アルコール及びノニオン性界面活性剤を含有する、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の2剤式染毛剤。
- 前記第1剤が少なくとも炭素数16の高級アルコールを含有し、
前記第1剤が少なくともHLB値が4〜9のノニオン性界面活性剤を含有し、かつ、
前記第1剤が炭化水素を含有する、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の2剤式染毛剤。
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