JP2004269466A - 酸化型染毛剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルキルポリグルコシドを1種以上と脂肪族アルコールを1種以上とポリオキシエチレンアルキルエーテルを1種以上とを、第1剤または第2剤のいずれか一方または両方に含有させて酸化型染毛剤を構成する。アルキルポリグリコシドはグルコースに炭素数12〜22のアルキル基がエーテル結合したもの、脂肪族アルコールは炭素数12〜22のもの、ポリオキシエチレンアルキルエーテルはエチレンオキサイドの付加モル数が2〜100でかつ炭素数12〜22のアルキル基のものが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用時に混合して使用する2剤式の酸化型染毛剤に関し、さらに詳しくは、安定性が良好で、2剤の混合が容易で均一に混合でき、毛髪への塗布が滑らかでかつ液垂れを起こさず、従って染毛効果がより良く発揮される酸化型染毛剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
染毛剤には、一時染毛剤、半永久染毛剤、永久染毛剤などがあり、いずれも美容の目的で広く使用されている。このうち永久染毛剤では、酸化染料(染料中間体)を含む第1剤と過酸化水素などの酸化剤を含む第2剤とからなる酸化型染毛剤が、種々の色調が得られる上に染毛力が優れていることから、広く利用されている。
【0003】
酸化型染毛剤では、酸化染料を含む第1剤と酸化剤を含む第2剤を使用前に混合し、酸化染料を毛髪中に浸透させ、毛髪内で酸化重合させて色素を発色させて毛髪を染着させるために、第1剤と第2剤とを素早く均一に混合できる操作性のよいものが求められる。そのため、酸化型染毛剤に非イオン界面活性剤を乳化剤として配合させたり、高級アルコール類やワックス類を賦形剤として配合したり、天然多糖類、タンパク質誘導体、合成高分子などを配合して乳化物の粘度を調節したりして、第1剤と第2剤の混合時の操作性を上げる工夫がなされてきた(例えば、特公平4−32046号公報、特開平7−17836号公報、特開2001−328927号公報、特開2002−97121号公報など)。
【0004】
しかしながら、酸化型染毛剤第1剤は、一般にpHが9〜11と強い塩基性であり、また、第2剤は一般にpHが3〜5と酸性であるので、使用できる界面活性剤の種類が制限されたり、高分子物質は保存中に徐々に変化して粘度が変わり保存安定性の面で問題があったり、さらに、合成高分子は、その種類によっては毛髪への塗布時に滑らかさに欠けるという問題があったりと、充分に満足できるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、上記のような従来の酸化型染毛剤の問題点を解決し、経時的な粘度の変化が少なく、第1剤と第2剤の混合がしやすいという操作性に優れ、かつ毛髪への塗布が滑らかで染毛剤が液垂れを起こさないなど染毛時の操作性にも優れ、しかも酸化染料が酸化剤と均一に混合されかつ毛髪への塗布が滑らかなため酸化染料を毛髪中に浸透させやすく、染毛効果がより良く発揮される酸化型染毛剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、酸化染料を含有する第1剤と酸化剤を含有する第2剤とからなる酸化型染毛剤において、アルキルポリグルコシドを1種以上と脂肪族アルコールを1種以上とポリオキシエチレンアルキルエーテルを1種以上とを第1剤または第2剤のいずれか一方または両方に含有させるときには、第1剤と第2剤の混合が容易に均一化でき、毛髪への塗布時に液垂れを起こさず素早く酸化型染毛剤を均一に塗布することができ、従って染毛効果がより良く発揮されることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0007】
すなわち、本発明は、酸化型染毛剤の第1剤または第2剤のいずれか一方または両方にアルキルポリグルコシドを1種以上と脂肪族アルコールを1種以上とポリオキシエチレンアルキルエーテルを1種以上とを含有させた酸化型染毛剤に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において用いるアルキルポリグルコシドは、例えば、下記一般式(I)
【化2】
〔式中、Rは炭素数10〜22の飽和または不飽和のアルキル基で、nは0〜4の整数を表す〕
で示されるアルキルポリグルコシドが挙げられ、(ポリ)グルコースに飽和または不飽和のアルキル基がエーテル結合したものである。酸化型染毛剤第1剤は一般にpHが9〜11の塩基性側にあるが、アルキルポリグルコシドは、このエーテル結合ゆえに塩基性側で切断を受けにくく、乳化剤として非常に安定である。
【0009】
本発明の酸化型染毛剤に用いるアルキルポリグルコシドとしては、染料の乳化力の面から、グルコースの重合度が1〜5で、アルキル基の炭素数が16〜22のものが好ましい。アルキルポリグルコシドは、単独で用いてもよいし、また混合して用いてもよい。
【0010】
本発明の酸化型染毛剤に用いる第二の成分である脂肪族アルコールとしては、炭素数12〜22の飽和または不飽和のアルコールが好ましく、例えば、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ヤシ油脂肪アルコール、炭素数14〜22の脂肪族アルコール混合物などが挙げられるが、これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、また混合して用いてもよい。
【0011】
本発明の酸化型染毛剤に用いる第三の成分であるポリオキシエチレンアルキルエーテルは、エチレンオキサイドの付加モル数が2〜100で、かつアルキル基の炭素数が12〜22のものが好ましく、例えば、ポリオキシエチレン(40)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(25)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)イソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ベヘニルエーテルなどが挙げられるが、これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、また混合して用いてもよい。
【0012】
本発明の酸化型染毛剤に用いられるアルキルポリグルコシドおよび脂肪族アルコールは、組成物として市販されているものも用いることができ、例えば、セピック社よりモンタノブ68、モンタノブ202、モンタノブ82、モンタノブ14、モンタノブL、モンタノブSなどの商品名で販売されている。
【0013】
本発明の酸化型染毛剤は、アルキルポリグルコシド、脂肪族アルコールおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルの三成分を含有させることにより、酸化型染毛剤の第1剤と第2剤の混合がしやすくなり、毛髪への塗布が滑らかで染毛剤が液垂れを起こしにくくするなど操作性を良好にし、従って染毛効果がより良く発揮される効果を奏する。酸化型染毛剤では、第1剤と第2剤を使用前に混合するため、これらの三成分を第1剤に含有させてもよく、第2剤に含有させてもよく、両方に含有させてもよい。また、これらの三成分は、第1剤と第2剤の混合時に混合されればよく、従って、これらの三成分が同時に一つの剤に含有されている必要はない。すなわち、これらの三成分のうちの二成分が第1剤に、残りの一成分が第2剤に含有されていてもよく、また、一成分が第1剤に、二成分が第2剤に含有されていてもよい。
【0014】
そのため、これら三成分の含有量は、第1剤と第2剤を混合した状態での含有量として記すが、酸化型染毛剤中、アルキルポリグルコシドの含有量(酸化型染毛剤への配合量)としては、0.1〜5質量%(混合して配合する場合はその合計量)が好ましく、特に0.2〜2質量%が好ましい。また、脂肪族アルコールの含有量としては、0.1〜10質量%(混合して配合する場合はその合計量)が好ましく、特に、1〜8質量%が好ましい。さらに、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量としては、0.1〜10質量%が好ましく、特に0.5〜3質量%が好ましい。
【0015】
すなわち、アルキルポリグルコシド、脂肪族アルコールおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルの酸化型染毛剤中の含有量が上記範囲より少ない場合は、酸化型染毛剤の粘度が不足して毛髪への塗布時に液垂れを起こして塗布しにくくなり、また染毛後の毛髪の感触のよさを損なう恐れがある。また、アルキルポリグルコシド、脂肪族アルコールおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルの酸化型染毛剤中の含有量が上記範囲より多い場合は、第1剤および第2剤の混合時の粘度が高くなりすぎて混合が困難になり、毛髪への塗布もしにくく、酸化染料を毛髪中へ浸透させにくくなり、従って良好な染毛ができない恐れがある。
【0016】
本発明の酸化型染毛剤は、アルキルポリグルコシド、脂肪族アルコールおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルを第1剤または第2剤、あるいはその両方に含有させて構成されるが、第1剤には酸化染料(染料中間体)やアルカリ剤、また必要に応じてニトロ染料が含有される。
【0017】
第1剤に含有する酸化染料としては、公知のものを使用することができ、例えば、p−フェニレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、o−フェニレンジアミンなどのフェニレンジアミン類、トルエン−2,5−ジアミン、トルエン−3,4−ジアミンなどのトルエンアミン類、p−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール、o−アミノフェノールなどのアミノフェノール類、2,6−ジアミノピリジンなどのジアミノピリジンなどが使用でき、カップラーとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、m−アミノフェノール、α−ナフトール、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノンなどが用いられる。
【0018】
アルカリ剤としては、特に限定されることはなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、モノエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが用いられ、ニトロ染料としては、例えば、2−アミノ−4−ニトロフェノール、ニトロ−p−フェニレンジアミン、p−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−アミノ−5−ニトロフェノールなどが使用できる。
【0019】
酸化型染毛剤の第2剤は酸化剤を必須成分とするが、酸化剤としては、特に制限はなく、例えば、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過ホウ素酸ナトリウム、過酸化ナトリウムなどを使用することができる。
【0020】
本発明の酸化型染毛剤には、上記成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、通常染毛剤に使用可能な成分を含有させることができる。そのような成分としては、例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などの界面活性剤類、グリセリン、プロピレングリコールなどの溶解剤、保湿剤、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸アンモニウム、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー、(アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン)コポリマー、(アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン)コポリマー、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの共重合体、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体などのポリマー類、pH調整剤、香料、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤などの物質を挙げることができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明の酸化型染毛剤は、経時的な粘度の変化が少なく、第1剤と第2剤の混合がしやすいという操作性に優れ、かつ毛髪への塗布が滑らかで酸化型染毛剤が液垂れを起こさないなど染毛時の操作性にも優れ、しかも酸化染料が酸化剤と均一に混合されかつ毛髪への塗布が滑らかなため酸化染料を毛髪中に浸透させやすく、染毛効果がより良く発揮される。
【0022】
【実施例】
つぎに実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例や比較例中における各成分の配合量はいずれも質量部によるものであり、配合量が固形分量でないものについては、成分名のあとに括弧書きで固形分濃度を示す。また、これらの実施例や比較例においては、酸化型染毛剤の調製を行う関係もあって、各成分に関して「含有」という表現をせず、「配合」という表現で説明する。実施例に先立って、実施例中で染毛処理に用いた脱色毛髪の調製法を記す。
【0023】
〔脱色毛髪の調製法〕
長さ18cmで重さが1gの毛束を作製し、2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水道水流水中でゆすぎ、室温で風乾した。この毛束を、40℃に保った5%過酸化水素水と2%アンモニア水の1:1(質量比)混合液のブリーチ剤中に1時間浸漬し、水道水流水中でゆすいだ後、室温で風乾して毛髪を脱色処理した。この脱色処理工程を2度繰り返した毛束を、以下の実施例や比較例で染毛用毛髪として使用した。
【0024】
実施例1および比較例1〜2
表1に示す組成の3種類の酸化型染毛剤第1剤を調製し、粘度の経時安定性を評価し、さらに、第2剤と混合するときの操作性、毛髪への染毛剤の塗布時の操作性、および染毛性について評価した。
【0025】
実施例1では、アルキルポリグルコシドとしてセトステアリルグルコシド、脂肪族アルコールとしてセトステアリルアルコールとベヘニルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてポリオキシエチレン(40)セチルエーテルを用いている。比較例1はアルキルポリグルコシドを用いず、実施例1とは異なる2種のポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いて実施例1と同じ粘度が得られるように調製した。また、比較例2は染毛力評価のための対照品で、アルキルポリグルコシド、脂肪族アルコールおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いていないため乳化状態が非常に悪かった。
【0026】
【表1】
【0027】
上記酸化型染毛剤第1剤に対し、第2剤は実施例1および比較例1〜2とも共通で、下記の配合からなるものを使用した。なお、配合量は質量部である。
【0028】
酸化型染毛剤第2剤
セタノール 1.5
ポリオキシエチレン(25)セチルエーテル 1.8
流動パラフィン#70 10.0
エデト酸二ナトリウム 0.2
無水クエン酸 0.2
過酸化水素水(35%) 17.1
精製水 計100とする
【0029】
実施例1および比較例1〜2の酸化型染毛剤について、それぞれの第1剤の粘度を測定し経時安定性について下記の評価方法で評価した。また、それぞれの第1剤と同量の第2剤と混合する際の操作性についても評価し、その後、この第2剤と混合した酸化型染毛剤を用いて前記の脱色毛髪の調製法の項で記した方法で脱色した毛束を染毛した。染毛の方法は、それぞれ第2剤と混合した酸化型染毛剤5gずつを染毛用ブラシに含ませ、それぞれの脱色毛束に均一に塗布した。その際、酸化型染毛剤の毛髪への塗布が容易かどうかを評価した。酸化型染毛剤を塗布した毛束は、ラップで覆い40℃で20分間放置し、その後ラップを外し、毛束は30℃の流水中で1分間ゆすぎ、ヘアドライヤーで乾燥した。乾燥後、毛髪の染毛性について、比較例2の酸化型染毛剤で染毛処理した毛髪を基準として評価した。
【0030】
〔経時安定性の評価〕
酸化型染毛剤第1剤を調製して、25℃で2時間保存した後、(株)東京計器製造所製B型粘度計で粘度を測定した。その後40℃で10日間保存して粘度を測定し、外観を目視により観察し、以下の評価基準で経時安定性を評価した。
【0031】
経時安定性の評価基準
粘度が外観が調製後より変化なし ;◎
粘度が若干変化したが外観が調製後より変化なし;○
粘度が変化し分離が見られた ;×
【0032】
〔第1剤と第2剤の混合操作性の評価〕
酸化型染毛剤第1剤と第2剤の混合操作性は、下記の評価基準で評価した。
混合の操作性の評価基準
素早く均一に混合できる;◎
均一に混合できる ;○
均一に混合できない ;×
【0033】
〔毛髪への塗布時の操作性の評価〕
酸化型染毛剤の毛髪への塗布時の作性は、下記の評価基準で評価した。
塗布時の操作性の評価基準
滑らかに塗布でき液垂れがない ;◎
塗布は容易であるがやや液垂れがある;○
液垂れが多く塗布がやや困難 ;×
【0034】
〔染毛性の評価〕
染毛性は、前記のように、対照品とした比較例2を基準として下記のように評価した。
染毛性の評価基準
対照品に比べて染毛性が非常によい;◎
対照品に比べて染毛性がややよい ;○
対照品と染毛性は同じあるいは悪い;×
【0035】
これらの評価の結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
アルキルポリグルコシドとしてセトステアリルグルコシドを、脂肪族アルコールとしてとセトステアリルアルコールとベヘニルアルコールを、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてポリオキシエチレン(40)セチルエーテルを含有させた実施例1の酸化型染毛剤第1剤の粘度は、調製後25℃で2時間保管後に測定したところ26000mPa・sであり、表2に示すとおり、実施例1の酸化型染毛剤第1剤は40℃で10日間保管後も粘度や外観に変化はなく、経時安定性に優れていた。また、第2剤と混合したときの操作性に関しては、比較例1の酸化型染毛剤第1剤よりも短時間で均一に混合でき、毛髪への塗布時も液垂れなどを起こさず滑らかに塗布でき、さらに、染毛性に関しては、実施例1の酸化型染毛剤は比較例1の酸化型染毛剤より鮮やかに毛髪を染毛できた。比較例1の酸化型染毛剤第1剤は、調製直後は実施例1の酸化型染毛剤第1剤とほぼ同じ粘度であったが、40℃で10日間の保管後には若干粘度の上昇が観察され、第2剤と混合したときの操作性に関しては、均一に混合することはできたが時間を要した。また、比較例2の酸化型染毛剤第1剤は、40℃で10日間保管したところ、乳化物が分離した。
【0038】
実施例2および比較例3〜4
表3に示す組成の3種類の酸化型染毛剤第2剤を調製し、粘度の経時安定性を評価し、さらに、第1剤と混合するときの操作性、毛髪への染毛剤の塗布時の操作性、および染毛性について評価した。
【0039】
実施例2は、アルキルポリグリコシドとしてセトステアリルグルコシド、脂肪族アルコールとしてセトステアリルアルコールとセタノール、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてポリオキシエチレン(25)セチルエーテルを用いている。比較例3はアルキルポリグルコシドを配合せず、ポリオキシエチレン(25)セチルエーテルを増量し脂肪族アルコールのセタノールとの組み合わせで実施例2とほぼ同じ粘度が得られるように調製した。また、比較例4は染毛力評価のための対照品で、アルキルポリグルコシドおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いていないため乳化物を形成させることができなかった。
【0040】
【表3】
【0041】
上記酸化型染毛剤第2剤に対し、第1剤は実施例2および比較例3〜4とも共通で、下記の配合からなるものを使用した。なお、配合量は質量部である。
【0042】
酸化型染毛剤第1剤
流動パラフィン#70 10.0
セトステアリルアルコール 3.6
ベヘニルアルコール 1.0
ポリオキシエチレン(25)セチルエーテル 1.8
ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル 0.9
パラフェニレンジアミン 0.2
パラアミノフェノール 0.4
5−アミノオルトクレゾール 0.6
チオグリコール酸アンモニウム(50%) 1.0
無水亜硫酸ナトリウム 0.5
エデト酸四ナトリウム 0.5
モノエタノールアミン(80%) 5.0
精製水 計100とする
【0043】
実施例2および比較例3〜4の酸化型染毛剤第2剤について、それぞれの粘度を測定して経時安定性を調べ、第1剤と混合する際の操作性、毛髪への染毛剤の塗布時の操作性および染毛性を実施例1と同じ評価方法および評価基準で評価した。ただし、染毛性の評価の比較対照品には比較例4の染毛毛髪を用いた。それらの結果を表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
アルキルポリグルコシドとしてセトステアリルグルコシド、脂肪族アルコールとしてとセトステアリルアルコールとセタノール、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてポリオキシエチレン(25)セチルエーテルを含有させた実施例2の酸化型染毛剤第2剤の粘度は、調製後25℃で2時間保管後に測定したところ4000mPa・sであり、表4に示すとおり、実施例2の酸化型染毛剤第2剤は40℃で10日間保管後も粘度や外観に変化はなく、経時安定性に優れていた。また、第1剤と混合したときの操作性に関しては、比較例3の酸化型染毛剤第2剤よりも短時間で均一に混合でき、毛髪への塗布時も液垂れなどを起こさず滑らかに塗布できて操作性に優れ、さらに、染毛性に関しては、実施例2の酸化型染毛剤は比較例4の酸化型染毛剤より鮮やかに毛髪を染毛できた。比較例3の酸化型染毛剤第2剤は、調製直後は実施例2の酸化型染毛剤第2剤とほぼ同じ粘度であったが、40℃で10日間の保管後には乳化物の分離が観察され、第1剤と混合したときの操作性に関しては、均一に混合することはできたが時間を要した。また、比較例4の酸化型染毛剤第2剤は、調製時に乳化物を形成させることができなかった。
【0046】
実施例3および比較例5
アルキルポリグルコシドとしてセトステアリルグルコシド、脂肪族アルコールとしてセトステアリルアルコールおよびベヘニルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてポリオキシエチレン(40)セチルエーテルを含有する前記実施例1の酸化型染毛剤第1剤と、アルキルポリグリコシドとしてセトステアリルグルコシド、脂肪族アルコールとしてセトステアリルアルコールとセタノール、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてポリオキシエチレン(25)セチルエーテルを含有する前記実施例2の酸化型染毛剤第2剤との組み合わせを実施例3とし、また、上記比較例1の酸化型染毛剤第1剤と上記比較例3の酸化型染毛剤第2剤との組み合わせを比較例5とし、それぞれの第1剤と第2剤を混合するときの操作性と毛髪に塗布時の操作性および染毛性を、実施例1と同じ評価方法および評価基準で評価した。ただし、染毛性については、実施例3の酸化型染毛剤で染毛した毛髪と比較例5の酸化型染毛剤で染毛した毛髪との比較で、染毛性のよい方を○、悪い方を×で表した。それらの結果を表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】
第1剤と第2剤の両方にアルキルポリグルコシド、脂肪族アルコールおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有する実施例3の酸化型染毛剤は、第1剤と第2剤の混合が素早く均一にでき、塗布時の操作性にも優れ、比較例5の酸化型染毛剤より鮮やかに染毛できた。また、表には示していないが、この実施例3では、上記の実施例1や実施例2よりも第1剤と第2剤の混合時における操作性がよく、しかも染毛性も実施例1や実施例2の酸化型染毛剤で染毛した毛髪よりも鮮やかであった。
【0049】
これらの結果から、酸化型染毛剤にアルキルポリグルコシド、脂肪族アルコールおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有させると、経時安定性に優れ、操作性がよく、しかも染毛性の高い酸化型染毛剤が得られるのが明らかであり、この効果は酸化型染毛剤の第1剤、第2剤のどちらか一方に含有させることで発揮し、さらに、第1剤および第2剤の両方に含有させた場合は、より操作性や染毛性に優れた酸化型染毛剤にすることができることが明らかである。
【0050】
実施例4
アルキルポリグルコシドとしてセトステアリルグルコシド、脂肪族アルコールとしてセトステアリルアルコールおよびベヘニルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてポリオキシエチレン(40)セチルエーテルを用いて下記の組成の酸化型染毛剤第1剤を調製し(実施例4)、毛髪を染毛した。なお、配合量は質量部である。また、配合品中、シマルゲルA(商品名)はセピック社の製品で、ポリアクリル酸アンモニウムと水添ポリイソブテンとポリエチレングリコール(40)ヒマシ油との混合物である。
【0051】
実施例4の酸化型染毛剤第1剤
セトステアリルグルコシド 1.2
セトステアリルアルコール 0.8
ベヘニルアルコール 1.2
ポリオキシエチレン(40)セチルエーテル 1.5
流動パラフィン#70 10.0
パラフェニレンジアミン 0.2
パラアミノフェノール 0.4
5−アミノオルトクレゾール 0.6
チオグリコール酸アンモニウム液(50%) 1.0
無水亜硫酸ナトリウム 0.5
エデト酸四ナトリウム 0.5
モノエタノールアミン液(80%) 5.0
シマルゲルA 0.5
精製水 計100とする
【0052】
実施例4の酸化型染毛剤第1剤は、経時的に安定で、上記実施例1の酸化型染毛剤第1剤に用いた第2剤との混合性もよく、さらに、毛髪を染毛すると、鮮やかに染毛することができた。
Claims (5)
- 酸化染料を含有する第1剤と酸化剤を含有する第2剤とからなる酸化型染毛剤において、アルキルポリグルコシドを1種以上と脂肪族アルコールを1種以上とポリオキシエチレンアルキルエーテルを1種以上とを第1剤または第2剤のいずれか一方または両方に含有することを特徴とする酸化型染毛剤。
- 脂肪族アルコールが、炭素数12〜22の飽和または不飽和の脂肪族アルコールである請求項1または2記載の酸化型染毛剤。
- ポリオキシエチレンアルキルエーテルが、エチレンオキサイドの付加モル数が2〜100で、かつアルキル基の炭素数が12〜22のポリオキシエチレンアルキルエーテルである請求項1〜3記載の酸化型染毛剤。
- 酸化型染毛剤中のアルキルポリグルコシドの含有量が0.1〜5質量%、脂肪族アルコールの含有量が0.1〜10質量%、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量が0.1〜10質量%である請求項1〜4記載の酸化型染毛剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003065905A JP2004269466A (ja) | 2003-03-12 | 2003-03-12 | 酸化型染毛剤 |
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---|---|---|---|---|
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- 2003-03-12 JP JP2003065905A patent/JP2004269466A/ja active Pending
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