JP2001270812A - 染毛剤 - Google Patents

染毛剤

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JP2001270812A
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hair dye
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Nobuo Yagi
伸夫 八木
Hiroyuki Iwasaki
弘之 岩崎
Yasuhiro Yanagida
恭宏 柳田
Kouta Uchida
航太 内田
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Picaso Cosmetic Laboratory Ltd
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Picaso Cosmetic Laboratory Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物および植物由来成分を用い、操作が非常
に簡単で、しかも染色性が良好であるとともに、安全性
が高い染毛剤を提供する。 【解決手段】 染毛剤は、鉄塩と反応して発色する有機
化合物、鉄塩と反応して発色する植物抽出物1種以上、
亜硫酸塩1種以上、2価アルコール類1種以上を含有す
る第1剤と、鉄塩、アスコルビン酸、およびその塩1種
以上を含有する第2剤とよりなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物および植物由
来成分を主体とした染色性、安全性が高い染毛剤に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】染毛剤は現在、パラフェニレンジアミン
等の酸化染料と過酸化水素を主成分としたものと、酸性
染料を主成分としたものとが主流である。ここで、前者
は、色調が豊富で、染色性が高い反面、毛髪を損傷さ
せ、一部特異体質の人々は、アレルギーやかぶれを起こ
す欠点があるという問題がある。これに対し、後者は、
染毛施術の際、頭皮などの皮膚も染着され、染毛後、シ
ャンプーや汗などで色落ちする。さらに、前者ほどでは
ないが、皮膚障害を起こす危険性があるという問題があ
った。
【0003】これらの問題を解消すべく、従来、タンニ
ン酸を初めとするポリフェノール類と鉄塩を利用した染
毛剤が提案されている(例えば特開平4−164017
号公報、特開平3−193722号公報、特開昭62−
33113号公報参照)。なお、タンニン等を含有する
植物と鉄塩による媒染を利用した染色は、草木染め等で
古くから行なわれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
タンニン酸を初めとするポリフェノール類と鉄塩を利用
した染毛剤では、染色性が不充分であるとともに、操作
が複雑であり、一般消費者を満足させることができない
という問題があった。
【0005】一方、古くからの草木染めの場合は、絹等
の布を高温の染色液に浸漬したり、あるいは長時間浸漬
させたりして、染色性を高めているが、人の頭髪を染色
する場合は、温和な条件でかつ短時間の施術が要求され
るものであり、古くからの草木染めを、人の頭髪の染色
に利用することは、困難であるという問題があった。
【0006】本発明の目的は、上記の従来技術の問題を
解決し、植物および植物由来成分を用い、操作が非常に
簡単で、しかも染色性が良好であるとともに、安全性が
高い染毛剤を提供しようとするにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明による染毛剤は、鉄塩と反応して発色する
有機化合物、鉄塩と反応して発色する植物抽出物1種以
上、亜硫酸塩1種以上、2価アルコール類1種以上を含
有する第1剤と、鉄塩、アスコルビン酸、およびその塩
1種以上を含有する第2剤とよりなることを特徴として
いる。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を説
明する。
【0009】上記染毛剤の第1剤において、鉄塩と反応
して発色する有機化合物は、アリザリン、イソクエルセ
チン、柿タンニン、カテコール、ガロタンニン、クエル
セチン、クルクミン、ゲチジン、タンニン酸、テトラヒ
ドロパルマチン、ナフトキノン、パルマチン、2−ヒド
ロキシ−1,4ナフトキノン、5−ヒドロキシ−1,4
ナフトキノン、ピロカロール、フェナントラキノン、ブ
ラジリン、フロログルシン、ヘマテイン、ベリン、ベル
ベリン、没食子酸、没食子酸オクチル、没食子酸プロピ
ル、およびルチンよりなる群の中から選ばれた少なくと
も1種の化合物である。
【0010】また、鉄塩と反応して発色する植物抽出物
は、アカブドウ、アカメガシワ、アカネ、アセンヤク、
ウーロン茶、ウコン、ウツボグサ、ウワウルシ、オウゴ
ン、オウバク、オウレン、オオイタドリ、オトギリソ
ウ、キハダ、クルミ、ケイヒ、ゲンチアナ、ゲンノショ
ウコ、紅茶、コウホネ、コガネバナ、コノテガシワ、五
倍子、ザクロ、サンザシ、シオン、シャクヤク、ジユ、
スイカズラ、スオウ、セイヨウノコギリソウ、センナ、
チョウジ、ドクダミ、ニワトコ、ネジキ、ハマビシ、ビ
ンロウ、フキタンポポ、ブラジルウッド、ヘンナ、ボタ
ン、マグワ、ミノバラニノキ、メハジキ、メリッサ、ヤ
マモモ、ユキノシタ、緑茶、レンゲソウ、ローズマリ
ー、およびログウッドよりなる群の中から選ばれた少な
くとも1種の植物抽出物である。
【0011】上記鉄塩と反応して発色する有機化合物お
よび鉄塩と反応して発色する植物抽出物は、1種以上、
任意の組合わせで、0.01〜20.0重量%、好まし
くは0.5〜10.0重量%添加する。
【0012】上記発色成分は、任意に選択し添加するこ
とができる。
【0013】浸透促進剤は、上記亜硫酸塩は、亜硫酸ナ
トリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸アンモニウ
ム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸
水素カリウム、亜硫酸カルシウム、および亜硫酸水素カ
ルシウムよりなる群の中から選ばれた少なくとも1種の
亜硫酸塩と、1,2−ペンタジオール、2−メチル−
2,4−ペンタジオール、3−メチル−1,3−ブタン
ジオール、および2−エチル−1,3−ヘキサンジオー
ルよりなる群の中から選ばれた少なくとも1種の2価ア
ルコール類を、0.1〜30.0重量%、好ましくは
1.0〜20.0重量%を組み合わせて用いる。
【0014】さらに安定剤として、アスコルビン酸およ
びその塩、システィンおよびその塩を添加することが好
ましい。pHは2.0〜11.0、好ましくは5.0〜
9.0に調整する。
【0015】溶媒は、精製水(水)、エタノール、イソ
プロピルアルコール、1,3ブチレングリコール、グリ
セリン、ジプロピレングリコールなどが使用可能である
が、浸透促進剤の1,2−ペンタジオール、2−メチル
−2,4−ペンタジオール等も溶媒として利用される。
【0016】一方、第2剤の鉄塩は、硫酸第一鉄、硫酸
第二鉄、塩酸第一鉄、塩酸第二鉄、酢酸第一鉄、および
酢酸第二鉄よりなる群の中から選ばれた少なくとも1種
の鉄塩を、0.01〜20.0重量%、好ましくは硫酸
第一鉄を0.1〜10.0重量%添加する。
【0017】鉄塩の酸化を防止する目的で、アスコルビ
ン酸およびその塩1種以上を、0.01〜10.0重量
%、好ましくはアスコルビン酸を0.1〜5.0重量
%、アスコルビン酸ナトリウムを0.1〜5.0重量%
添加する。アスコルビン酸とその塩の添加の比率は、
5:1〜1:5が好ましく、pHは2.0〜9.0、好
ましくは2.5〜6.5に調整する。
【0018】さらに、鉄塩特有の金属臭をマスキングす
るため、茶乾留液を0.01〜10.0重量%、好まし
くは0.1〜5.0重量%添加する。
【0019】本発明による染毛剤においては、上記必須
成分の他に、化粧品等に常用される成分や添加剤を添加
することができる。すなわち、界面活性剤、油脂類、水
性ポリマー、溶剤、防腐剤、pH調整剤、酸化防止剤、
保湿剤、香料、色素など、本発明の効果を損なわない範
囲で自由に組み合わせて適宜配合することができる。
【0020】本発明の染毛剤は、上記成分を混合し、ク
リーム状、液状、ゲル状、エアゾール等の剤型にするこ
とができるが、これらの剤型に限定されるものではな
い。
【0021】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を比較例と共に説明
するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものでは
ない。
【0022】実施例1〜実施例10 本発明の染毛剤の第1剤として、タンニン酸、浸透促進
剤として亜硫酸ナトリウムと2−メチル−2,4−ペン
タンジオール、キサンタンガムおよび精製水を各種の割
合で組み合わせて、表1に示す10種類のゲル状の第1
剤を調製した。一方、第2剤としては、すべての例にお
いて同じ次のゲル状の第2剤を使用した。すなわち、第
2剤は、硫酸第1鉄2.0重量%、キサンタンガム1.
5重量%、アスコルビン酸0.5重量%、アスコルビン
酸ナトリウム0.5重量%および精製水95.5重量%
よりなるものである。
【0023】評価方法1:JIS L0803の染色堅
ろう度試験用白布(5cm×5cm)に、ゲル状第1剤
3gを均一に塗布し、30℃で20分間放置後、ゲル状
第2剤3gを均一に塗布し、30℃で10分間放置し、
水洗後、30%ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液
で洗浄し、風乾する。
【0024】そして、染色性を、色差計(日本電色工業
株式会社製、ND−503AA型)を用い、L、a、b
値から、下記の(1)式によって算出されるΔE値によ
り判断した。ここで、ΔE値は、染色前の白布の色調と
染色後の白布の色調の色差を示している。
【式1】
【0025】なお、ΔL、Δa、Δbは、染色前の白布
と、染色後の白布の測定差を示す。本発明者等の経験で
は、ΔE値が48以上の場合、濃く染まったと評価でき
る。また、各実施例の染毛剤の使用により発色した色を
表1に記載した。
【0026】評価方法2:ごま塩毛(長さ10cm、黒
毛1g、白毛1g)に、ゲル状第1剤5gを均一に塗布
し、30℃で20分間放置後、評価方法1記載のゲル状
第2剤5gを均一に塗布し、30℃で10分間放置し、
水洗後、30%ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液
で洗浄し、風乾する。
【0027】そして、ごま塩毛の染色性を、目視により
評価した。評価結果を次の4つの段階に分類して示し
た。
【0028】 ◎:白毛が全く目立たない ○:白毛がほとんど目立たない △:白毛がやや目立つ ×:白毛がほとんど染まっていない 得られた結果を下記の表1にまとめて示した。
【0029】比較例1〜6 比較のために、上記実施例の場合と同種の原料を使用す
るが、その配合量を本発明のものとは異なるようにして
6種類の比較用の第1剤を調製し、その他は、上記実施
例の場合と同様にして、染色性のΔE値と、ごま塩毛の
染色性をそれぞれ測定した。得られた結果を下記の表2
にまとめて示した。
【0030】
【表1】
【表2】
【0031】表1および表2の結果から明らかなよう
に、鉄塩と反応して発色する成分の添加量としては、
0.5重量%以上が好ましい。また、浸透促進剤として
は、亜硫酸ナトリウム1.0〜4.0重量%と2−メチ
ル−2,4−ペンタンジオール10.0〜20.0重量
%を組み合わせて用いると効果的であることが判る。
【0032】実施例11〜実施例19 本発明の染毛剤の第1剤として、表3に示す10種類の
ゲル状の第1剤を調製した。また第2剤としては、すべ
ての例において同じ次のゲル状の第2剤を使用した。す
なわち、第2剤は、硫酸第1鉄2.0重量%、キサンタ
ンガム1.5重量%、アスコルビン酸0.5重量%、ア
スコルビン酸ナトリウム0.5重量%、茶乾留液0.5
重量%、エタノール10.0重量%、フェノキシエタノ
ール0.8重量%、精製水84.2重量%よりなるもの
である。
【0033】そして、実施例11〜実施例19の本発明
の染毛剤の染色性のΔE値と、ごま塩毛の染色性を、上
記実施例1〜10の場合と同様にして、それぞれ測定し
た。得られた結果を下記の表3にまとめて示した。
【0034】さらに、染毛剤の安全性を下記の方法によ
り評価した。
【0035】安全性評価方法:20〜50歳の健常人5
0人に、ゲル状第1剤、およびゲル状第1剤とゲル状第
2剤の1:1混合物を、前腕部内側に塗布し、72時間
後に、それぞれカユミ、痛み、発赤、浮腫が生じている
か、どうかを、目視により観察した。評価結果を次の5
つの段階に分類して示した。
【0036】− :異常なし ± :わずかにカユミを感じた + :カユミ、痛み等の異常を感じた ++ :発赤 +++:浮腫 なお、参考例1として生理食塩水、参考例2として酸化
型染毛剤:パラフェニレンジアミン2.0重量%、オル
トアミノフェノール0.3重量%、レゾルシン0.3重
量%、トリエタノールアミン2.0重量%、亜硫酸ナト
リウム0.5重量%、および精製水94.9重量%と、
3%過酸化水素水との1:1混合物を塗布し、同じ時間
測定を行なった。得られた結果を下記の表3にまとめて
示した。
【0037】
【表3】
【0038】表3の結果から明らかなように、実施例1
1〜19の染毛剤は、白毛を目立たなくするのに充分な
染色性を有し、かつ安全性が高いものであることが判っ
た。
【0039】
【発明の効果】本発明による染毛剤は、上述のように、
鉄塩と反応して発色する有機化合物、鉄塩と反応して発
色する植物抽出物1種以上、亜硫酸塩1種以上、2価ア
ルコール類1種以上を含有する第1剤と、鉄塩、アスコ
ルビン酸、およびその塩1種以上を含有する第2剤とよ
りなるもので、植物および植物由来成分を用い、染毛の
操作が非常に簡単で、しかも染色性が良好であるととも
に、安全性が高いものであるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 航太 兵庫県西宮市池田町9番20号 株式会社ピ カソ美化学研究所内 Fターム(参考) 4C083 AA111 AB231 AB351 AB352 AC111 AC112 AC231 AC311 AC312 AC331 AC471 AC491 AC582 AC841 AC851 AD352 AD391 AD392 AD641 CC36 EE06 EE07 EE09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄塩と反応して発色する有機化合物、鉄
    塩と反応して発色する植物抽出物1種以上、亜硫酸塩1
    種以上、2価アルコール類1種以上を含有する第1剤
    と、鉄塩、アスコルビン酸、およびその塩1種以上を含
    有する第2剤とよりなる染毛剤。
  2. 【請求項2】 第1剤の鉄塩と反応して発色する有機化
    合物が、アリザリン、イソクエルセチン、柿タンニン、
    カテコール、ガロタンニン、クエルセチン、クルクミ
    ン、ゲチジン、タンニン酸、テトラヒドロパルマチン、
    ナフトキノン、パルマチン、2−ヒドロキシ−1,4ナ
    フトキノン、5−ヒドロキシ−1,4ナフトキノン、ピ
    ロカロール、フェナントラキノン、ブラジリン、フロロ
    グルシン、ヘマテイン、ベリン、ベルベリン、没食子
    酸、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、およびルチ
    ンよりなる群の中から選ばれた少なくとも1種の化合物
    であり、鉄塩と反応して発色する植物抽出物が、アカブ
    ドウ、アカメガシワ、アカネ、アセンヤク、ウーロン
    茶、ウコン、ウツボグサ、ウワウルシ、オウゴン、オウ
    バク、オウレン、オオイタドリ、オトギリソウ、キハ
    ダ、クルミ、ケイヒ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、紅
    茶、コウホネ、コガネバナ、コノテガシワ、五倍子、ザ
    クロ、サンザシ、シオン、シャクヤク、ジユ、スイカズ
    ラ、スオウ、セイヨウノコギリソウ、センナ、チョウ
    ジ、ドクダミ、ニワトコ、ネジキ、ハマビシ、ビンロ
    ウ、フキタンポポ、ブラジルウッド、ヘンナ、ボタン、
    マグワ、ミノバラニノキ、メハジキ、メリッサ、ヤマモ
    モ、ユキノシタ、緑茶、レンゲソウ、ローズマリー、お
    よびログウッドよりなる群の中から選ばれた少なくとも
    1種の植物抽出物であり、亜硫酸塩が、亜硫酸ナトリウ
    ム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫
    酸水素アンモニウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリ
    ウム、亜硫酸カルシウム、および亜硫酸水素カルシウム
    よりなる群の中から選ばれた少なくとも1種の亜硫酸塩
    であり、2価アルコール類が、1,2−ペンタジオー
    ル、2−メチル−2,4−ペンタジオール、3−メチル
    −1,3−ブタンジオール、および2−エチル−1,3
    −ヘキサンジオールよりなる群の中から選ばれた少なく
    とも1種のアルコールであり、第2剤の鉄塩が、硫酸第
    一鉄、硫酸第二鉄、塩酸第一鉄、塩酸第二鉄、酢酸第一
    鉄、および酢酸第二鉄よりなる群の中から選ばれた少な
    くとも1種の鉄塩であり、アスコルビン酸塩が、アスコ
    ルビン酸ナトリウム、またはアスコルビン酸カリウムで
    ある、請求項1記載の染毛剤。
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