JP6468103B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、積層体に関する。さらに詳しくは、漆黒性が高い積層体に関する。
一般に、樹脂成形体に対して、製品デザイナーや消費者から高い意匠性を付与することが求められている。特に成形体に高級感や高い質感を付与するため青味があって、かつ黒度が高い色調、いわゆる漆黒の成形体が求められている。同様に、一般に自動車等の塗装は、車体を保護し、耐久性を向上させるためのことを目的としているが、近年は感性に訴える外観品質(塗装質感)の向上に対する要求が強くなってきている。塗装質感を向上させるには、深み感、透明感、奥行き感を強くすることが必要であり、高級感を与える塗装として漆黒感、深み感のある黒塗装に対する要求が強い。
一般に、上記のような、漆黒性の樹脂塗工物、フィルム、成形物を得るためにはカーボンブラックを樹脂溶液や固形樹脂に均一に分散させたものを使用してきた。(特許文献1,2参照)しかし、当該手段においては、明度(L*)が高い(灰色・白)方向にあり、色度(a*、b*)がプラス方向(+a*:赤、+b*:黄)となり、いわゆる「ピアノブラック」や「カラスの濡れ羽色」といった漆黒性を表現することが困難であった。
カーボンブラックを使用した成形体の色調は配合したカーボンブラックの一次粒子径により異なる傾向にある。具体的には、一次粒子径が小さなカーボンブラックを使用すると、黒度はあるが赤味の強い色調が得られる。逆に、一次粒子径の大きなカーボンブラックを使用すると、青味はあるが黒度が低下する。このように、カーボンブラックを使用した黒色の着色は黒度と青味はトレードオフの関係にあるため、青味があって、かつ黒度が高い漆黒の色調を再現することは困難であった。
また、塗装質感を向上させるために、第一層の上に、明度が0.2未満である黒色ベースカラー層と、カーボンブラックを0.1重量%を超えて10重量%以下含有する黒色カラークリア層とを形成して成る塗膜構造が提案されている(特許文献3)。
しかしながら、上記従来の塗膜構造においては、十分な漆黒感を出すことが困難で、低い明度を得ることができないという問題があった。
特開2001−179176号公報 特開2004−098033号公報 特開平6−15223号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、漆黒性が高く、さらに深み感のある積層体を提供することを目的とする。
本発明の積層体は、膜厚30μm以上150μm以下、かつLが10以下の第一層[A層]と、カーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物をウエットコート法で層形成してなる第二層[B層]とが積層された積層体により、低い明度を得ることができ、漆黒感、深み感のある黒塗装を得ることができる。
すなわち、本発明は、膜厚30μm以上150μm以下、かつLが10以下の第一層[A層]、およびカーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物をウエットコート法で層形成してなる第二層[B層]とが積層された積層体(ただし、少なくとも第一層と第二層の二層を有する積層体であって、第一層のL*が10以下であり、第一層の上に第二層を積層させた面方向から測定した積層体のL*が2.5以下、a*が−2.0以上2.0以下、かつb*が−2.0以上0.5以下であり、第二層がウエットコートによって形成されてなり、第二層を構成する材料中、カーボンナノチューブを0.1質量%〜1質量%含有する積層体を除く。)に関する。
また本発明は、第二層[B層]側から測定した積層体のLが2.5以下、aが−2.0以上2.0以下、かつbが−2.0以上0.5以下であることを特徴とする前記積層体に関する。
また本発明は、第二層[B層]の波長380〜780nmにおける平均透過率が、5%以上80%以下であることを特徴とする前記積層体に関する。
また本発明は、第二層[B層]の膜厚が、0.5μm以上50μm以下であることを特徴とする前記積層体に関する。
また本発明は、第二層[B層]中のカーボンナノチューブ含有量が、1〜20質量%であることを特徴とする前記積層体に関する。
また本発明は、少なくとも第一層[A層]と第二層[B層]の二層を有する積層体の製造方法であって、
第一層[A層]が、膜厚30μm以上150μm以下、かつLが10以下であり、
第二層[B層]が、カーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物をウエットコート法で層形成することを特徴とする積層体の製造方法(ただし、少なくとも第一層と第二層の二層を有する積層体の製造方法であって、第一層のL*が10以下であり、第一層の上に第二層を積層させた面方向から測定した積層体のL*が2.5以下、a*が−2.0以上2.0以下、かつb*が−2.0以上0.5以下であり、第二層がウエットコートによって形成され、第二層を構成する材料中、カーボンナノチューブを0.1質量%〜1質量%含有する積層体の製造方法を除く。)に関する。
本発明によれば、漆黒性の高い積層体を得ることができる。よって、高い漆黒性が必要とされる様々な用途分野において、本発明で得られる積層体を使用することが可能である。特に本発明の積層体は、外観にも優れるため、高い意匠性を要求される用途においても、好適に用いることができるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
《積層体》
本発明の積層体は、膜厚30μm以上150μm以下、かつLが10以下の第一層[A層]、およびカーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物をウェットコート法で層形成してなる第二層[B層]とが積層された積層体である。このような積層体により、漆黒性に優れ、かつ外観にも優れる積層体とすることができる。
また、第一層[A層]と第二層[B層]の間に他の層が設けられていても良く、基材、または剥離フィルム上に、第一層[A層]、または第二層[B層]を層形成してもよい。
また、第一層[A層]、および第二層[B層]の少なくともいずれか一方に、第三層[C層]を有していても良く、第三層[C層]が、接着層であることが好ましい。接着層[C層]を有することで、本発明の積層体を種々の被着体に貼り付け、容易に漆黒性を付与することが可能となる。第三層[C層]が接着層である場合、積層体を被着体に貼り付けた際に、カーボンナノチューブを含有する第二層[B層]が最表面に露出することでより優れた漆黒性外観が得られるため、第三層[C層]は第一層[A層]側に有することが好ましい。
ただし、本発明の積層体は、少なくとも第一層と第二層の二層を有する積層体であって、第一層のL*が10以下であり、第一層の上に第二層を積層させた面方向から測定した積層体のL*が2.5以下、a*が−2.0以上2.0以下、かつb*が−2.0以上0.5以下であり、第二層がウェットコートによって形成されてなり、第二層を構成する材料中、カーボンナノチューブを0.1質量%〜1質量%含有する積層体である場合を除く。
このような第一層[A層]、および第二層[B層]を有することにより、第二層[B層]側から測定した、JIS Z8729で規定されるL*a*b*表色系における積層体のLが2.5以下、aが−2.0以上2.0以下、かつbが−2.0以上0.5以下である積層体とすることが可能となる。
すなわち、積層体のJIS Z8729に基づいたL、a、b表色系におけるLは2.5以下であることが好ましく、2.0以下であることがさらに好ましい。また、aは−2.0以上2.0以下であることが好ましく、bは−2.0以上0.5以下であることが好ましく、−2.0以上0以下であることがより好ましく、−2.0以上−1.0以下であることがさらに好ましい。特に斯かる範囲であれば、漆黒性に優れた積層体が得られる。Lが小さい程、黒度が高い(明度が低い)ことを示す。aとbはゼロ(0)に近い値である程、黒い色相であるといえる。また、bがマイナスである程、青味(青色)が強い色相であるといえる。したがって、漆黒性という観点では、若干青味(青色)を有する黒色である場合が、漆黒性が高いと考えられるため、上記の数値範囲が好ましいと考えられる。
積層体のJIS Z8729で規定されるL表色系における明度(L)および色度(a、b)は、第二層[B層]側から、色差計(NIPPONDENSHOKU社製、SpectroColorMeterSE2000)を用いて測定することによって得られる。
グロスメーターGM−26D(村上色彩研究所製)の60°グロスにおいて、グロス値は80以上であることが好ましく、85以上であることがさらに好ましい。特に斯かる範囲であれば、光沢によりL*を小さくできるため、漆黒性に優れた積層体が得られる。
本発明の積層体の形成方法は、積層体の用途等により最適な方法を選択すれば良い。また、第一層[A層]の形成方法、および形状により、必要に応じた方法を選択できる。
積層体の形成方法としては特に制限されないが、例えば、(i)第一層[A層]上に、第二層[B層]を、ウェットコート法により層形成する方法、(ii)基材上に第一層[A層]を形成した後、当該第一層[A層]上に第二層[B層]をウェットコート法により層形成する方法、(iii)剥離フィルム上に第一層[A層]を形成した後、当該第一層[A層]上に第二層[B層]をウェットコート法により層形成し、その後剥離フィルムを剥離除去する方法、(iv)剥離フィルム上に第二層[B層]をウェットコート法により層形成した後、当該第二層[B層]上に第一層[A層]を層形成し、その後剥離フィルムを剥離除去する方法、などにより形成することができる。
接着層[C層]を有する場合も、形成方法は特に制限されないが、例えば(I)上記いずれかの方法で得られた第一層[A層]と第二層[B層]が積層された積層体のどちらか一方の面に粘着剤又は接着剤を塗布した後に加熱乾燥、硬化し接着層[C層]を層形成する方法、(II)剥離フィルム上に、粘着剤又は接着剤を塗布した後に加熱乾燥、硬化させ接着層[C層]を層形成した後、上記いずれか記載の方法で得られた第一層[A層]と第二層[B層]が積層された積層体のどちらか一方の面と接着層[C層]とを貼り合わせる方法、(III)剥離フィルム上に第一層[A層]を形成し、別の剥離フィルム上に形成した接着層[C層]と第一層[A層]とを貼り合わせたのちに、第一層[A層]上の剥離フィルムを剥離除去した後、当該第一層[A層]上に第二層[B層]をウェットコート法により形成する方法、などにより形成することができる。
これらの積層体の形成方法を用いることにより、第二層[B層]側から測定した積層体のLが2.5以下、aが−2.0以上2.0以下、かつbが−2.0以上0.5以下である、漆黒性に優れた積層体とすることができる。
基材としては、特に限定されるものではなく、鉄、アルミニウム、銅またはこれらの合金などの金属類、ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン―酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネード樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂エポキシ樹脂等の樹脂類や各種フィルム、FRP等のプラスチック材料、木材、繊維材料(紙、布等)等の天然または合成材料等が挙げられる。
また、剥離フィルムを基材として用いることもできる。剥離フィルムとしては例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース、合成ゴム、ポリアミド樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂、フッ素系樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、ABS樹脂、シリコーン系樹、天然ゴム、等の樹脂を用いて形成された樹脂フィルムのどちらか一方の面、又は両面に剥離処理が施されたものを用いることができる。
グロスメーターGM−26D(村上色彩研究所製)の60°グロスにおいて、グロス値は80以上であることが好ましく、85以上であることがさらに好ましい。特に斯かる範囲であれば、光沢によりL*を小さくできるため、漆黒性に優れた積層体(c)が得られる。
<第一層[A層]>
第一層[A層]は、後述する樹脂組成物(a)を使用して得た層であり、少なくとも黒色顔料と樹脂を含み、膜厚30μm以上150μm以下、かつLが10以下の層である。
基材の上に第一層[A層]が形成されていてもよい。
なお、黒色顔料がカーボンナノチューブを有する場合には、第一層[A層]には該当せず、第二層[B層]に該当する。
第一層[A層]を層形成する方法としては、形成する物質により最適な方法を選択すれば良く、加熱硬化、真空蒸着、EB蒸着、スパッタ蒸着などのドライ法、キャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷、鋳型塗布、印刷転写、インクジェットなどのウェットコート法、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法等、一般的な方法を挙げることができる。
中でも、得られる第一層[A層]の平滑性、膜厚均一性、形成可能な膜厚範囲の広さから、ウェットコート法が好ましい。
第一層[A層]の膜厚は30μm以上150μm以下であり、50μm以上100μm以下であることがより好ましい。膜厚が30μm以上あることで優れた漆黒性と深み感が得られる。一方、150μmを超えても漆黒性、深み感は向上せず、生産コストが増加するだけなので好ましくない。
第一層[A層]のLは、JIS Z8729で規定されるL表色系における値であり、10以下である。第一層(a)のLは、基材上に積層された第一層の面方向から色差計を用いて測定できる。特に斯かる範囲であれば、漆黒性に優れた積層体(c)が得られる。L*が小さい程、黒度が高い(明度が低い)ことを示す。
(樹脂組成物(a))
第一層[A層]を形成するための樹脂組成物(a)は、カーボンナノチューブ以外の黒色顔料と樹脂を含み、必要に応じてワックス、溶媒等を含んでいても良い。
樹脂組成物(a)の製造方法としては特に限定されるものではないが、黒色顔料を、樹脂と、必要に応じて溶媒、ワックス等と一緒に、例えば、
ペイントシェーカー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノーミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル、バスケットミル、ホモミキサー、ホモナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」等)、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、フーバーマーラー、3本ロールミル、エクストルーダー(二軸押出し機)、ヘンシェルミキサー等を使用して分散処理を行うことが好ましい。必要に応じて、分散剤や添加剤を加えても良い。
また、樹脂組成物(a)を得るために高速攪拌機を使用することもできる。例えば、ホモディスパー(PRIMIX社製)、フィルミックス(PRIMIX社製)、ディゾルバー(井上製作所社製)、ハイパーHS(アシザワ・ファインテック社製)等が挙げられる。
「黒色顔料」
樹脂組成物(a)に用いる黒色顔料としては、カーボンブラック等が挙げられる。カーボンブラックの具体例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック並びにナフサなどの炭化水素を水素及び酸素の存在下で部分酸化して、水素及び一酸化炭素を含む合成ガスを製造する際に副生するカーボンブラック、あるいはこれを酸化または還元処理したカーボンブラックなどが挙げられる。
「分散剤」
分散剤としては、界面活性剤または樹脂型分散剤を使用することができる。界面活性剤は主にアニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性に分類され、要求特性に応じて適宜好適な種類、配合量を選択して使用することができる。好ましくは、樹脂型分散剤である。
アニオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、具体的には脂肪酸塩、ポリスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸スルホン酸塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステルなどが挙げられ、具体的にはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩などが挙げられる。
カチオン性活性剤としては、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類があり、具体的にはステアリルアミンアセテート、トリメチルヤシアンモニウムクロリド、トリメチル牛脂アンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、メチルオレイルジエタノールクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、ラウリルピリジニウムクロリド、ラウリルピリジニウムブロマイド、ラウリルピリジニウムジサルフェート、セチルピリジニウムブロマイド、4−アルキルメルカプトピリジン、ポリ(ビニルピリジン)−ドデシルブロマイド、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩などが挙げられる。
ノニオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン誘導体、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルアリルエーテルなどが挙げられ、具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等などが挙げられる。
界面活性剤の選択に際しては1種類に限定されるものではなく、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤など、2種以上の界面活性剤を併用して使用することも可能である。その際の配合量は、それぞれの活性剤成分に対して前述した配合量とすることが好ましい。好ましくは、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤の併用が良く、アニオン性界面活性剤としては、ポリカルボン酸塩、ノニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンフェニルエーテルが好ましい。
樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン;ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル;不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物;ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤;(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物;ポリエステル系樹脂、変性ポリアクリレート系樹脂、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系樹脂等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
上記分散剤のうち少量の添加量で分散組成物の粘度が低くなり、高い分光透過率を示すという理由から、ポリカルボン酸のような酸性官能基を有する樹脂型分散剤が好ましい。樹脂型分散剤の配合量は、黒色顔料100質量部に対し、3〜300質量部使用することが好ましく、成膜性の観点から5〜100質量部使用することがより好ましい。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等;日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等;BASFジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等;味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
「樹脂」
樹脂組成物(a)に用いる樹脂は、天然樹脂、合成樹脂から選ばれる1種ないし2種以上を組み合わせて使用することができる。
天然樹脂としては、天然ゴム、ゼラチン、ロジン、セラック、多糖類、ギルソナイト等が挙げられる。また、合成樹脂としては、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン樹脂、合成ゴム、ポリエステル、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、フッ素系樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、シリコーン系樹、ニトロセルロース、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂のうち、耐候性、耐光性の観点から樹脂組成物(a)にはアクリル樹脂、ポリエステル、塩化ビニル樹脂、またはウレタン樹脂が好ましい。特に、例えば、主剤として水酸基を含有するポリオール樹脂を使用し、硬化剤がイソシアネートである2液クリア塗料(例えば、2液硬化型ウレタン塗料)が好ましい。得られる塗膜が耐候性に優れたものとなるからである。上記主剤として使用されるポリオール樹脂は、特に限定されないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が挙げられる。
硬化剤として用いるイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビスフェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、エチルエチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
樹脂組成物(a)としてエマルジョン塗料が用いられる場合の樹脂は水溶性樹脂が用いられる。水溶性樹脂としては、酸価が20〜70mgKOH/gで、水酸基価が20〜160mgKOH/gの水溶性樹脂が好ましく、具体的には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂が特に好ましい。水溶性樹脂として好適に用いられるポリエステル樹脂は、多価アルコール及び多塩基酸を樹脂原料として用いて得られる、酸価が20〜70mgKOH/g、好ましくは25〜60mgKOH/g、特に好ましくは30〜55mgKOH/gで、水酸基価が20〜160mgKOH/g、好ましくは80〜130mgKOH/gの水溶性樹脂である。
水溶性ポリエステル樹脂は、その樹脂原料として、通常のポリエステル樹脂を構成する多価アルコール、多塩基酸及び必要に応じ油脂類を用い、公知のエステル化反応によって容易に得ることができる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、ジペンタエリトリット等が挙げられる。これらの多価アルコールは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。該多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水トリメリット酸等を挙げることができる。これらの多塩基酸は1種用いてもよいし、2 種以上を組み合わせて用いてもよい。油脂類としては、例えば、大豆油、椰子油、サフラワー油、ぬか油、ひまし油、きり油、あまに油、トール油、及びこれから得られる脂肪酸を挙げることができる。
水溶性樹脂として好適に用いられるアクリル樹脂は、ビニル系モノマーを樹脂原料として用いて得られる、酸価が20〜70mgKOH/g、好ましくは22〜50mgKOH/g、特に好ましくは23〜40mgKOH/gで、水酸基価が20〜160mgKOH/g、好ましくは80〜150mgKOH/gの水溶性樹脂である。
水溶性アクリル樹脂は、その樹脂原料として、通常のアクリル樹脂を構成するビニル系モノマーを用いて、有機過酸化物を開始剤とする公知の溶液重合法等によって、容易に得ることができる。
ビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸類、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、シクロヘキシル、ステアリル等のアルキルエステル類、アクリル酸またはメタクリル酸の2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、分子量1000以下のポリエチレングリコール等のヒドロキシアルキルエステル類、アクリル酸またはメタクリル酸のアミド類またはそれらのアルキルエーテル類、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等が挙げられる。
更に、エポキシ基を持つグリシジル(メタ)アクリレートや第3級アミノ基を含むモノマー類、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。この他、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルピリジン等の芳香族モノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、マレイン酸、またはフマル酸のモノまたはジアルキルエステル類等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、アシルパーオキシド類(例えば、過酸化ベンゾイル)、アルキルヒドロパーオキシド類(例えば、t−ブチルヒドロパーオキシド、p−メタンヒドロパーオキシド)、ジアルキルパーオキシド類(例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド)等が挙げられる。
水溶性樹脂として好適に用いられるポリウレタン樹脂は、ポリオールとポリイソシアネートを原料として用いて得られる、酸価が20〜70mgKOH/g、好ましくは22〜50mgKOH/g、特に好ましくは23〜35mgKOH/gで、水酸基価が20〜160mgKOH/g、好ましくは25〜50mgKOH/gの水溶性樹脂である。
水溶性ポリウレタン樹脂は、その樹脂原料として、通常のポリウレタン樹脂を構成するポリオールとポリイソシアネートを用いて、付加重合することによって、容易に得ることができる。
ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。また、ポリイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビスフェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、エチルエチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
水溶性のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等は、通常、塩基性物質で中和することにより水溶性が付与される。この際、塩基性物質は、水溶性樹脂に含まれている酸性基の40モル%以上を中和するのに必要な量を用いることが好ましい。上記の塩基性物質としては、例えば、アンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モルホリン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。
水溶性樹脂の数平均分子量は特に制限ないが、通常500〜50000が好ましく、800〜25000がより好ましく、1000〜12000が特に好ましい。
また、樹脂組成物(a)を紫外線硬化性樹脂組成物として用いる場合等に、紫外線硬化性樹脂を使用できる。代表的なものとしては、不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類あるいはアジド化樹脂等が使用できる。不飽和アクリル系化合物としては、アクリル系またはメタクリル系不飽和基を1ないし数個有するモノマー、オリゴマー或いはそれ等の混合物であって、プロピレン(またはブチレン、エチレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の単量体または分子量10,000以下のオリゴエステルが例示される。具体的には、例えば特殊アクリレート(2官能)のアロニックスM−210,アロニックスM−215,アロニックスM−220,アロニックスM−233,アロニックスM−240,アロニックスM−245;(3官能)のアロニックスM−305,アロニックスM−309,アロニックスM−310,アロニックスM−315,アロニックスM−320,アロニックスM−325,および(多官能)のアロニックスM−400(東亜合成株式会社製)などが例示できる。
また、紫外線硬化性樹脂には必要に応じて光重合開始剤を配合してもよい。光重合開始剤として具体的には、アセトフェノン系、ケトン系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ケタール系、アントラキノン系、ジスルフィド系、チオキサントン系、チウラム系、フルオロアミン系などが挙げられる。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で使用することができ、また複数を組み合わせて使用することもできる。
樹脂組成物(a)に用いるワックスとしては、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックス、サゾールワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、シュラックワックス等から選ばれる1種類または2種類以上であることが好ましい。これらの中でもポリエチレン系ワックスまたはポリプロピレン系ワックスがより好ましい。
「溶媒」
樹脂組成物(a)に必要に応じて用いる溶媒は特に限定されるものではなく、水、有機溶媒のいずれも用いることができる。
有機溶媒としては、沸点が50〜250℃の有機溶媒が、塗工時の作業性や硬化前後の乾燥性の点から用いやすい。具体的な溶媒の例としては、メタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトン、ブチルジグリコールアセテート、MEKなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、3-エトキシプロピオン酸エチル(EEP)等のエステル系溶媒、ジブチルエーテル、エチレングリコール、モノブチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、ソルベッソ150(東燃ゼネラル石油社製)などの芳香族系溶媒、N−メチル−2−ピロリドンなどの非プロトン性極性溶媒などを用いることができる。これらの溶媒は、単独あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
また、前記溶媒のほかにも、必要に応じて、例えば顔料、濡れ浸透剤、皮張り防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、架橋剤、防腐剤、防カビ剤、粘度調整剤、pH調整剤、レベリング剤、消泡剤などの添加剤を本発明の目的を阻害しない範囲で適宜配合することができる。
<第二層[B層]>
第二層[B層]は、カーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物(b)をウエットコート法で層形成してなる層である。
第二層[B層]を形成するウェットコート法として具体的には、キャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷、鋳型塗布、印刷転写、インクジェットなどの等を挙げることができる。
第二層[B層]の波長380〜780nmにおける平均透過率は5%以上80%以下であることが好ましく、10%以上30%以下であることがさらに好ましい。特に斯かる範囲であれば、漆黒性に優れた積層体が得られる。
平均透過率は、基材として用いたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東レ株式会社製、ルミラー100、T60)上にカーボンナノチューブ含有樹脂組成物(b)から得られる第二層[B層]のみがバーコーターで形成された積層体について、紫外可視近赤外分光光度計(日立製作所社製、UV−3500)を用い、基材に第二層[B層]を積層した面から波長300〜1500nmにおける透過スペクトルを5nmの範囲で測定し、波長380nm〜780nmの各透過率の加重平均値を求めることで算出できる。
第二層[B層]に含有するカーボンナノチューブの含有量は、1〜20質量%であることが好ましく、1質量%以上3.5質量%未満であることがより好ましい。この範囲内であれば、優れた漆黒性と高い光沢が得られる。
第二層[B層]の膜厚は、0.5μm以上50μm以下であることが好ましく、1μm以上30μm以下であることがより好ましい。斯かる範囲であれば、漆黒性に優れた積層体が得られる。
(樹脂組成物(b))
第二層[B層]を形成するための樹脂組成物(b)は、カーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物であり、必要に応じて溶媒を含有しても良い。
樹脂組成物(b)の製造方法としては、特に限定されるものではないが、カーボンナノチューブを、樹脂と、必要に応じて溶媒と一緒に、例えば、ペイントシェーカー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノーミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル、バスケットミル、ホモミキサー、ホモナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」等)、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、フーバーマーラー、3本ロールミル、エクストルーダー等を使用して分散処理を行うことが好ましい。必要に応じて、分散剤や添加剤を加えても良い。
樹脂組成物(b)は、さらに必要に応じて紫外線吸収剤、光安定剤、表面調整剤などを適宜添加でき、また着色顔料、メタリック顔料および雲母などの干渉模様顔料などを該塗膜の透明性が阻害されない程度に配合できる。
「カーボンナノチューブ」
樹脂組成物(b)に用いるカーボンナノチューブは、グラファイトの1枚面を巻いて円筒状にした形状を有しており、そのグラファイト層が1層で巻いた構造を持つ単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、2層またはそれ以上で巻いた多層カーボンナノチューブ(MWCNT)でも、これらが混在するものであっても良いが、コスト面や着色効果の面から多層カーボンナノチューブ(MWCNT)であることが好ましい。また、カーボンナノチューブの側壁がグラファイト構造ではなく、アモルファス構造をもったカーボンナノチューブを用いることもできる。
カーボンナノチューブの形状は、針状、円筒チューブ状、魚骨状(フィッシュボーン、カップ積層型)、トランプ状(プレートレット)、コイル状の形態などいずれの形態を有するものであってもよい。具体的には、例えばグラファイトウィスカー、フィラメンタスカーボン、グラファイトファイバー、極細炭素チューブ、カーボンチューブ、カーボンフィブリル、カーボンマイクロチューブ、カーボンナノファイバーなどを挙げることができる。これらの形態として1種または2種以上を組み合わせた形態において使用することができる。本発明は魚骨状(フィッシュボーン、カップ積層型)、トランプ状(プレートレット)、コイル状以外の形態であることが好ましい。魚骨状、トランプ状の場合は、樹脂組成物・成形体の製造時に発生するせん断応力によりカップ・トランプ状グラファイトシートの積層面(x−y面)よりカーボンナノチューブの切断が起こり、樹脂中に十分なネットワーク構造を形成できず、光閉じ込め効果が減少して黒度の低下に繋がる恐れがある。コイル状の場合も同様に、製造時にその3次元構造が破壊されやすく、着色効果が低下する可能性がある。
カーボンナノチューブの繊維径は、分散の容易さや色相の観点から、1〜500nmが好ましく、5〜50nmがより好ましい。
カーボンナノチューブの繊維長は、分散の容易さや色相の観点から、0.1〜150μmが好ましく、1〜50μmがより好ましい。
カーボンナノチューブの炭素純度は、カーボンナノチューブ100質量%中、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
カーボンナノチューブは、一般的に二次粒子として存在している。この二次粒子形状は、例えば一般的な一次粒子であるカーボンナノチューブが複雑に絡み合っている状態でもよく、ほぐれ易くカーボンナノチューブを直線状にしたものの集合体であっても良い。直線状のカーボンナノチューブの集合体である二次粒子は絡み合っているものと比べると分散性が良いので好ましい。
カーボンナノチューブは、表面処理を行ったものや、カルボキシル基などの官能基を付与させたカーボンナノチューブ誘導体であってもよい。また、有機化合物や金属原子、フラーレン等を内包させたカーボンナノナノチューブ等も用いることができる。
「分散剤」
樹脂組成物(b)に用いる分散剤としては、樹脂組成物(a)にて説明した分散剤と同様のものが用いられる。
「樹脂」
樹脂組成物(b)に用いる樹脂としては、樹脂組成物(a)にて説明した樹脂と同様のものが用いられる。樹脂組成物(b)についても、紫外線硬化性樹脂組成物として用いる場合等に、紫外線硬化性樹脂を使用できる。また、必要に応じて光重合開始剤を含んでいても良い。
特に、例えば、主剤として水酸基を含有するポリオール樹脂を使用し、硬化剤がイソシアネートである2液クリア塗料(例えば、2液硬化型ウレタン塗料)が好ましい。得られるクリア塗膜の外観が良好で、耐酸性に優れたものとなるからである。上記主剤として使用されるポリオール樹脂は、特に限定されないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が挙げられる。
硬化剤として用いるイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビスフェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、エチルエチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
「溶媒」
樹脂組成物(b)に用いる溶媒は、特に限定されるものではなく、水、有機溶媒のいずれも用いることができる。有機溶媒としては樹脂組成物(a)にて説明した溶媒と同様のものが用いられる。
樹脂組成物(b)として、特に、ケトン系溶媒、エステル系溶媒は、カーボンナノチューブ含有樹脂組成物の安定性、塗布時の塗工性に優れ、また芳香族系溶媒は、乾燥性に優れ、漆黒性に優れた塗膜を得やすいため、これらの溶媒を用いることが好ましい。
<第三層[C層]>
本発明の積層体は、積層体の使用方法、用途に応じ、第一層[A層]、および第二層[B層]の少なくともいずれか一方に、第三層[C層]を有していても良く、第三層[C層]が、接着層であることが好ましい。
接着層[C層]を有することで、本発明の積層体を種々の被着体に貼り付け、容易に漆黒性を付与することが可能となる。
本発明における接着層[C層]とは、圧力や熱等の作用によって接着性が発現し、本発明の積層体と被着体とを接合する役割を果たすものである。
接着層[C層]に用いられる材料としては、特に限定されるものではなく、一般的な粘着剤、接着剤を用いることができる。具体的には、例えば、一般的な天然ゴム、合成イソプレンゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンゴム等を主成分とするゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤およびシリコン系粘着剤、ホットメルト接着剤、エチレンビニルアルコール系接着剤、塩素化ポリオレフィン系接着剤等を用いることができる。また、粘着剤、接着剤中には必要に応じて、例えば架橋剤、触媒、顔料、分散剤、粘着付与剤、溶剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、レベリング剤、消泡剤などの添加剤を本発明の目的を阻害しない範囲で適宜配合することができる。
接着層[C層]を形成する方法としては、接着層を形成する材料の種類や積層体の用途に応じて最適な方法を選択すれば良く、積層体のどちらか一方の面に粘着剤又は接着剤を塗布した後に加熱乾燥、硬化する方法、剥離フィルム上に粘着剤又は接着剤を塗布した後に加熱乾燥、硬化させ接着層を形成し、積層体のどちらか一方の面と接着層面とを貼り合わせる方法等により形成することができる。接着層を層形成するための方法としては、キャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷などのウェットコート法等一般的な方法を挙げることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。例中、特に断わりのない限り、「部」とは「質量部」、「%」とは「質量%」をそれぞれ意味する。また、「カーボンナノチューブ」を「CNT」、「カーボンブラック」を「CB」と略記することがある。
後述の各実施例及び比較例において使用された積層体の物性は、以下の方法により測定した。
<膜厚>
積層体中のそれぞれの層の膜厚は、膜厚計(NIKON社製、DIGIMICRO MH−15M)を用いて層中の3点を測定し、その平均値を膜厚とした。
<第一層[A層]のL
第一層[A層]が積層された面方向から、色差計(NIPONDENSHOKU社製、SpectroColorMeterSE2000)を用いてJIS Z8729で規定される明度(L*)を測定した。
<第二層[B層]の平均透過率(%)>
PETフィルム(東レ社製、ルミラー100、T60)を基材として、片面に樹脂組成物を乾燥後の膜厚が狙いの膜厚となるようにバーコーターを用いて塗工後、電気オーブン中で150℃±5℃にて60分乾燥させた層について紫外可視近赤外分光光度計(日立製作所社製、UV−3500)を用い、基材に樹脂組成物を積層した面から波長300〜1500nmにおける透過スペクトルを5nmの範囲で測定し、波長380nm〜780nmの各透過率の加重平均値を求めることで平均透過率を算出した。
<L、a、b
第二層[B層]側から、色差計(NIPPONDENSHOKU社製、SpectroColorMeterSE2000)を用いてJIS Z8729で規定されるL、a、b表色系における明度(L)および色度(a、b)を測定した。
<樹脂組成物(a)>
(樹脂組成物(а−1))
黒色顔料としてカーボンブラック(デグサ社製、COLOR Black FW−200)3g、樹脂としてアクリル系樹脂(DIC社製、アクリディック47−712)83g、メラミン樹脂(DIC社製、スーパーベッカミンL−117−60)17.1g、溶媒としてソルベッソ150(東燃ゼネラル石油社製)8.1g、トルエン12.2g、キシレン12.2g、酢酸ブチル8.1gを225cm3のガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーを用いて1時間分散を行い、第一層形成用樹脂組成物(а−1)を得た。
(樹脂組成物(а−2))
黒色顔料としてカーボンブラック(三菱カーボン社製、MA−100)3g、樹脂としてアクリル系樹脂(DIC社製、アクリディック47−712)83g、メラミン樹脂(DIC社製、スーパーベッカミンL−117−60)17.1g、溶媒としてソルベッソ150(東燃ゼネラル石油社製)8.1g、トルエン12.2g、キシレン12.2g、酢酸ブチル8.1gを225cm3のガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーを用いて1時間分散を行い、第一層形成用樹脂組成物(а−2)を得た。
(樹脂組成物(а−3))
黒色顔料としてカーボンブラック(デグサ社製、COLOR Black FW−200)3g、樹脂として水性2液ウレタン塗料用樹脂アクリルポリオール(DIC社製、バーノックWE−300)74.5g、イソシアネート(DIC社製、バーノックDNW−5500)33g、溶媒として精製水150gを445cm3のガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーを用いて1時間分散を行い、第一層形成用樹脂組成物(а−3)を得た。
(樹脂組成物(а−4))
黒色顔料としてカーボンブラック(デグサ社製、COLOR Black FW−200)1.05g、樹脂としてエポキシ樹脂(三菱化学社製、JER4250)をブチルカルビトールアセテートに溶解し不揮発分40%に調整したエポキシ樹脂溶液50gをフーバーマーラーで荷重150lb(=667N)、回転速度100rpmの条件で3回練り、第一層形成用樹脂組成物(а−4)を得た。
(樹脂組成物(а−5))
黒色顔料としてカーボンブラック(デグサ社製、COLOR Black FW−200)3.0g、樹脂としてアクリルポリオール樹脂(DIC社製アクリディックA−801−P)24.0g、溶媒としてトルエン:酢酸ブチルの質量比7:3の混合溶媒88.4g、分散剤として樹脂型分散剤(ビックケミー社製、BYK111)1gを225cm3ガラス瓶に計量し、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーを用いて1時間分散を行って分散体を得、塗装直前に、この分散体100質量部、アクリルポリオール樹脂(DIC社製アクリディックA−801−P)78.1質量部、イソシアネート樹脂(DIC社製バーノックDN−950)29.6質量部を高速攪拌機にて撹拌して、第一層形成用樹脂組成物(а−5)を得た。
(樹脂組成物(а−6))
樹脂としてポリエステル樹脂(バイロンGK−130、東洋紡(株)製)をメチルエチルケトン/トルエン=50/50(質量比)の混合溶液で溶解し、不揮発分40%のポリエステル樹脂溶液を得た。次に、黒色顔料としてカーボンブラック(デグサ社製、COLOR Black FW−200)3g、樹脂として上記のポリエステル樹脂溶液142g、溶媒としてメチルエチルケトン/トルエン=50/50(質量比)の混合溶液50gをフーバーマーラーで荷重150lb(=667N)、回転速度100rpmの条件で3回練り、第一層形成用樹脂組成物(а−6)を得た。
(樹脂組成物(а−7))
黒色顔料としてカーボンブラック(デグサ社製、COLOR Black FW−200)3.0g、トリプロピレングリコールジアクリレート(東亜合成社製、アロニックスM−220)61.5g、ポリエステルアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、Ebecryl812)28.5g、シクロヘキサンノン12.5g、光重合開始剤(BASFジャパン社製、イルガキュア907)をフーバーマーラーで荷重150lb(=667N)、回転速度100rpmの条件で3回練り、第一層形成用樹脂組成物(а−7)を得た。
(樹脂組成物(а−8))
樹脂としてブロックポリプロピレン共重合体(プライムポリマー社製、プライムポリプロ966HP)1000gと、黒色顔料としてカーボンブラック(三菱カーボン社製、MA−100)20gと、ポリエチレンワックス(三洋化成工業、サンワックス151P、溶融粘度=130mPa・s)1gをヘンシェルミキサーに投入し、撹拌羽回転速度300rpmで4分間撹拌、・混合した。これを、設定温度220℃の二軸押出機(日本製鋼社製、TEX30α)に投入して溶融混練・造粒することにより第一層形成用樹脂組成物(а−8)を得た。
Figure 0006468103
<樹脂組成物(b)、およびその他の樹脂組成物>
(樹脂組成物(b−1))
カーボンナノチューブ(ナノシル社製、NCー7000、MWCNT、繊維長1.5μm、繊維径9.5nm、炭素純度90%)1.08g、樹脂としてアクリル系樹脂(DIC社製、アクリディック44−179)120g、メラミン樹脂(DIC社製、スーパーベッカミンL−117−60)30g、溶媒としてソルベッソ150(東燃ゼネラル石油社製)10g、エクタプロEEP(イーストマンコダック社製)5g、トルエン15g、キシレン10g、酢酸エチル10gを225cm3のガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーを用いて1時間分散を行い、第二層形成用樹脂組成物(b−1)を得た。
(樹脂組成物(b−2))
カーボンナノチューブ(ナノシル社製、NCー7000)2.7g、樹脂としてアクリル系樹脂(DIC社製、アクリディック44−179)120g、メラミン樹脂(DIC社製、スーパーベッカミンL−117−60)30g、溶媒としてソルベッソ150(東燃ゼネラル石油社製)10g、エクタプロEEP(イーストマンコダック社製)5g、トルエン15g、キシレン10g、酢酸エチル10gを225cmのガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーを用いて1時間分散を行い、第二層形成用樹脂組成物(b−2)を得た。
(樹脂組成物(b−3))
カーボンナノチューブ(ナノシル社製、NC―7000)1.08g、樹脂として水性2液ウレタン塗料用樹脂アクリルポリオール(DIC社製、バーノックWE−300)74.5g、イソシアネート(DIC社製、バーノックDNW−5500)33g、溶媒として精製水150gを445cm3のガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーを用いて1時間分散を行い、第二層形成用樹脂組成物(b−3)を得た。
(樹脂組成物(b−4))
カーボンナノチューブ(ナノシル社製、NC―7000)1.08g、樹脂としてエポキシ樹脂(三菱化学社製、JER4250)をブチルカルビトールアセテートに溶解しNV40%に調整したワニス50gをフーバーマーラーで荷重150lb(=667N)、回転速度100rpmの条件で3回練り分散を行い、第二層形成用樹脂組成物(b−4)を得た。
(樹脂組成物(b−5))
カーボンナノチューブ(ナノシル社製、NC―7000)1.08g、樹脂としてアクリルポリオール樹脂(DIC社製アクリディックA−801−P)24.0g、溶媒としてトルエン:酢酸ブチルの質量比7:3の混合溶媒88.4g、分散剤として樹脂型分散剤(ビックケミー社製、BYK111)1gを225cm3ガラス瓶に計量し、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーを用いて1時間分散を行って分散体を得、塗装直前に、分散体100質量部、アクリルポリオール樹脂(DIC社製アクリディックA−801−P)78.1質量部、イソシアネート樹脂(DIC社製バーノックDN−950)29.6質量部を高速攪拌機にて撹拌して、第二層形成用樹脂組成物(b−5)を得た。
(樹脂組成物(b−6))
カーボンナノチューブ(CNano社製、Flotube9000、MWCNT、繊維長10μm、繊維径12.5nm、炭素純度96.5%)1.08g、樹脂としてアクリル系樹脂(DIC社製、アクリディック44−179)120g、メラミン樹脂(DIC社製、スーパーベッカミンL−117−60)30g、溶媒としてソルベッソ150(東燃ゼネラル石油社製)10g、エクタプロEEP(イーストマンコダック社製)5g、トルエン15g、キシレン10g、酢酸エチル10gを225cm3のガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーを用いて1時間分散を行い、第二層形成用樹脂組成物(b−6)を得た。
(樹脂組成物(b−7))
カーボンナノチューブ(SouthWest NanoTechnologies社製、SMW210、MWCNT、繊維長5μm、繊維径10nm、炭素純度75%)1.08g、樹脂としてアクリル系樹脂(DIC社製、アクリディック44−179)120g、メラミン樹脂(DIC社製、スーパーベッカミンL−117−60)30g、溶媒としてソルベッソ150(東燃ゼネラル石油社製)10g、エクタプロEEP(イーストマンコダック社製)5g、トルエン15g、キシレン10g、酢酸エチル10gを225cm3のガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーを用いて1時間分散を行い、第二層形成用樹脂組成物(b−7)を得た。
(樹脂組成物(b−8))
カーボンナノチューブ(ナノシル社製、NC−7000)4.05g、樹脂としてアクリル系樹脂(DIC社製、アクリディック44−179)120g、メラミン樹脂(DIC社製、スーパーベッカミンL−117−60)30g、溶媒としてソルベッソ150(東燃ゼネラル石油社製)10g、エクタプロEEP(イーストマンコダック社製)5g、トルエン15g、キシレン10g、酢酸エチル10gを225cm3のガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーを用いて1時間分散を行い、第二層形成用樹脂組成物(b−8)を得た。
(樹脂組成物(b−9))
カーボンナノチューブ(ナノシル社製、NC―7000)1.08g、トリプロピレングリコールジアクリレート(東亜合成社製、アロニックスM−220)61.5g、ポリエステルアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、Ebecryl812)28.5g、シクロヘキサンノン12.5g、光重合開始剤(BASFジャパン社製、イルガキュア907)をフーバーマーラーで荷重150lb(=667N)、回転速度100rpmの条件で3回練り、第二層形成用樹脂組成物(b−9)を得た。
(樹脂組成物(bc−1))
カーボンブラック(デグサ社製、COLOR Black FW−200)1.08g、樹脂としてアクリル系樹脂(DIC社製、アクリディック44−179)120g、メラミン樹脂(DIC社製、スーパーベッカミンL−117−60)30g、溶媒としてソルベッソ150(東燃ゼネラル石油社製)10g、エクタプロEEP(イーストマンコダック社製)5g、トルエン15g、キシレン10g、酢酸エチル10gを225cm3のガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーを用いて1時間分散を行い、第二層形成用樹脂組成物(bc−1)を得た。
(樹脂組成物(bc−2))
カーボンブラック(三菱カーボン社製、MA−100)1.08g、樹脂としてアクリル系樹脂(DIC社製、アクリディック44−179)120g、メラミン樹脂(DIC社製、スーパーベッカミンL−117−60)30g、溶媒としてソルベッソ150(東燃ゼネラル石油社製)10g、エクタプロEEP(イーストマンコダック社製)5g、トルエン15g、キシレン10g、酢酸エチル10gを225cm3のガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーを用いて1時間分散を行い、第二層形成用樹脂組成物(bc−2)を得た。
(樹脂組成物(bc−3))
カーボンブラック(三菱カーボン社製、MA−100)2.7g、樹脂としてアクリル系樹脂(DIC社製、アクリディック44−179)120g、メラミン樹脂(DIC社製、スーパーベッカミンL−117−60)30g、溶媒としてソルベッソ150(東燃ゼネラル石油社製)10g、エクタプロEEP(イーストマンコダック社製)5g、トルエン15g、キシレン10g、酢酸エチル10gを225cm3のガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーを用いて1時間分散を行い、第二層形成用樹脂組成物(bc−3)を得た。
Figure 0006468103
[実施例1]
PETフィルム(東レ社製、ルミラー100、T60)を基材として、片面に樹脂組成物(a−1)を乾燥後の膜厚が50μmになるようにバーコーターを用いて塗工後、電気オーブン中で150±5℃にて60分乾燥させ、基材上に第一層[A層]を作製した。この時、第一層[A層]が積層された面方向から、色差計(NIPONDENSHOKU社製、SpectroColorMeterSE2000)を用いてJIS Z8729で規定される明度(L)は、2.6であった。
続いて第一層[A層]上に、樹脂組成物(b−1)を乾燥後の膜厚が20μmとなるようにエアスプレーを用いて塗装し、得られた塗膜面を電気オーブン中で150±5℃にて20分乾燥させ、第一層[A層]上に第二層[B層]を形成させ、積層体1を得た。
[実施例2〜14、比較例1〜5]
表3に示すように、第一層形成用樹脂組成物と第二層形成用樹脂組成物との組み合わせ、および膜厚に変更した以外は、実施例1の積層体1と同様の方法により、それぞれ積層体2〜14、19〜23)を得た。
[実施例15]
厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの片面に剥離処理が施された剥離フィルムの剥離処理面に、樹脂組成物(a−7)を乾燥後の膜厚が50μmになるようにバーコーターを用いて塗工後、電気オーブン中で150±5℃にて60分乾燥させ、コンベア型紫外線照射器を使用して紫外線を照射し硬化させ第一層[A層]を作製した。
続いて第一層[A層]上に樹脂組成物(b−1)を乾燥後の膜厚が20μmとなるようにエアスプレーを用いて塗装し、得られた塗膜面を電気オーブン中で150±5℃にて20分乾燥させ、第一層[A層]上に第二層[B層]を形成した。その後剥離フィルムを剥離することにより、積層体15を得た。
[実施例16]
PETフィルム(東レ社製、ルミラー100、T60)を基材として、片面に樹脂組成物(a−1)を乾燥後の膜厚が50μmになるようにバーコーターを用いて塗工後、電気オーブン中で150±5℃にて60分乾燥させ、基材上に第一層[A層]を作製した。
続いて第一層[A層]上に、樹脂組成物(b−9)を乾燥後の膜厚が20μmとなるようにエアスプレーを用いて塗装し、電気オーブン中で150±5℃にて60分乾燥させ、コンベア型紫外線照射器を使用して紫外線を照射し硬化し、第一層[A層]上に第二層を形成させ、積層体16を得た。
[実施例17]
第一層形成用の樹脂組成物(a−8)を、シリンダー設定温度220℃、金型温度40℃の射出成型機(名機製作所社製、M−50A2−DM)に投入して成形し、表面が鏡面の板材(縦110mm×横90mm×厚さ80μm)の第一層[A層]を作製した。
続いて第一層[A層]上に、樹脂組成物(b−1)を乾燥後の膜厚が20μmとなるようにエアスプレーを用いて塗装し、得られた塗膜面を電気オーブン中で150±5℃にて20分乾燥させ、第一層[A層]上に第二層[B層]を形成させ、積層体17を得た。
[実施例18]
第一層[A層]の膜厚を150μmとした以外は、実施例17の積層体17と同様の方法により、積層体18を得た。
[比較例6]
第二層形成用樹脂組成物である樹脂組成物(b−1)を、樹脂組成物(bc−1)に変更した以外は、実施例17の積層体17と同様の方法により、積層体24を得た。
<積層体の評価>
得られた各積層体について、L、a*、b、グロス値(光沢)、漆黒性、および深み感を下記の方法にてそれぞれ評価した。結果を表3に示す。
[積層体のL
得られた積層体について、第二層[B層]側が積層された面方向から、色差計(NIPONDENSHOKU社製、SpectroColorMeterSE2000)を用いてJIS Z8729で規定される明度(L)および色度(a、b)を測定した。
[グロス値(光沢)]
得られた積層体について、グロスメーターGM−26D(村上色彩研究所製)で60°グロスを測定した。グロス値の大きいものほど光沢があり良好である。
[漆黒性]
積層体の漆黒性を、Lにより、評価した。評価基準は下記の通りである。

◎:L*2.0以下 かつb*−2以上0.5以下 (優)
○:L*2.0を超え2.5以下 かつb*−2以上0.5以下 (良)
×:L*2.5を超える、または、b*−2未満0.5を超える (不良)
[深み感]
積層体の外観評価として、深み感を、目視により評価した。評価基準は下記の通りである。

◎:深みの優れた外観
○:やや劣るが深みのある外観
×:深みが劣る
表3に実施例1〜18および比較例1〜6で作製した積層体の作製条件と評価結果を示す。また、前述の方法により測定した第一層のLおよび第二層の平均透過率を併せて示す。
Figure 0006468103
以上の結果から、膜厚30μm以上150μm以下、かつLが10以下の第一層[A層]、およびカーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物をウエットコート法で層形成してなる第二層[B層]とが積層された積層体は、比較例で使用した積層体よりも、漆黒性が高く、さらに深みのある外観に優れた積層体が得られることが確認できた。

Claims (6)

  1. 膜厚30μm以上150μm以下、かつL*が10以下の第一層[A層](ただし、カーボンナノチューブを含む場合を除く)、およびカーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物をウェットコート法で層形成してなる第二層[B層]が積層された積層体(ただし、少なくとも第一層と第二層の二層を有する積層体であって、第一層のL*が10以下であり、第一層の上に第二層を積層させた面方向から測定した積層体のL*が2.5以下、a*が−2.0以上2.0以下、かつb*が−2.0以上0.5以下であり、第二層がウェットコートによって形成されてなり、第二層を構成する材料中、カーボンナノチューブを0.1質量%〜1質量%含有する積層体を除く。)。
  2. 第二層[B層]側から測定した積層体のL*が2.5以下、a*が−2.0以上2.0以下、かつb*が−2.0以上0.5以下であることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 第二層[B層]の波長380〜780nmにおける平均透過率が、5%以上80%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の積層体。
  4. 第二層[B層]の膜厚が、0.5μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の積層体。
  5. 第二層[B層]中のカーボンナノチューブ含有量が、1〜20質量%であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の積層体。
  6. 少なくとも第一層[A層]と第二層[B層]の二層を有する積層体の製造方法であって、
    第一層[A層]が、膜厚30μm以上150μm以下、かつL*が10以下であり(ただし、カーボンナノチューブを含む場合を除く)
    第二層[B層]が、カーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物をウェットコート法で層形成することを特徴とする積層体の製造方法(ただし、少なくとも第一層と第二層の二層を有する積層体の製造方法であって、第一層のL*が10以下であり、第一層の上に第二層を積層させた面方向から測定した積層体のL*が2.5以下、a*が−2.0以上2.0以下、かつb*が−2.0以上0.5以下であり、第二層がウェットコートによって形成され、第二層を構成する材料中、カーボンナノチューブを0.1質量%〜1質量%含有する積層体の製造方法を除く。)。
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