JP6547438B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

本発明は積層体に関する。更に詳しくは、カーボンナノチューブと樹脂とを含んでなるカーボンナノチューブ含有層を有する積層体に関する。
直径が数ナノメートルから数十ナノメートルの筒状炭素材料であるカーボンナノチューブは、高い導電性、機械的強度を有することから、燃料電池、電極、電磁波シールド材、導電性樹脂、電界放出ディスプレー(FED)用部材、水素を始めとする各種ガスの吸蔵材料などの機能性材料として、エレクトロニクス、エネルギー分野等の幅広い分野への利用が期待されている。
その中でも、カーボンナノチューブを用いた導電性透明フィルムの検討が多く行われている。例えば、透明基材の片面上にカーボンナノチューブ導電膜と透明保護膜を積層させたものが提案されている。(例えば、特許文献1参照)
また、カーボンナノチューブ分散体を基材表面に塗工し、乾燥させた後、樹脂溶液を塗工する導電性透明フィルムの製造方法も提案されている。(特許文献2参照)
一方、カーボンナノチューブを色材として使用した例は少なく、漆黒性の樹脂塗工物、フィルム、成形物を得るためにはカーボンブラックを樹脂溶液や固形樹脂に均一に分散させたものを使用してきた。(特許文献3、4参照)しかし、当該手段においては、明度(L*)が高い(灰色・白)方向にあり、色度(a*、b*)がプラス方向(+a*:赤、+b*:黄)となり、いわゆる「ピアノブラック」や「カラスの濡れ羽色」といった漆黒性を表現することが困難であった。
また、カーボンブラックを使用した成形物の色調はカーボンブラックの一次粒子径により異なる傾向にある。具体的には、一次粒子径が小さなカーボンブラックを使用すると、青味はあるが黒度が低下する。このように、黒色の着色は黒度と青味はトレードオフの関係にあるため、青味があって、かつ黒度が高い漆黒の色調を再現することは困難であった。
そこで、カーボンブラックの粒径や凝集粒サイズなどのコロイダル特性を変えたり、オゾン酸化、硝酸酸化といった表面処理をカーボンブラックに施し、分散体中での分散状態を変えるなどして、黒度の調製を行ってきた。(特許文献5、6、7参照)また、黒色に加えて青味をだすために、さらにフタロシアニンブルーなどの有機顔料を添加する方法もある。しかし、有機顔料の添加に伴い黒度が低下し、成形体を直射日光下で観察すると赤味が浮いて観察される、いわゆるブロンズ現象が発生する問題があった。
また、塗装質感を向上するために、下地層に重ねて顔料を用いたカラーベース層を形成した後、カラークリヤー層を重ねることにより、最外表面での散乱を抑制する方法がとられている。(特許文献8、9、10参照)しかし、カラーベースに染料が使用されており、耐光性や耐候性に優れた塗膜構造を形成することができなかった。
特開2010−192186号公報 特表2004−526838号公報 特開2001−179176号公報 特開2004−098033号公報 特開平6−122834号公報 特開平6−136287号公報 特開2008−285632号公報 特開平6−15223号公報 特開平8−71501号公報 特開2010−279899号公報
本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、青味があり、かつ黒度の高い漆黒性に優れ、さらに深み感のある外観に優れた積層体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、カーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物をウエットコート法で層形成してなるカーボンナノチューブ含有層[A層]と、透明樹脂層[B層]とが積層された積層体により、漆黒性、および深みのある外観に優れた積層体を得ることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、カーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物をウエットコート法で層形成してなるカーボンナノチューブ含有層[A層]と、透明樹脂層[B層]とが積層された積層体(ただし、基材上に、少なくともカーボンナノチューブと樹脂とを含んでなるカーボンナノチューブ含有層が積層された積層体であって、カーボンナノチューブ含有層の積層面に、さらにクリア層が積層された積層体であって、積層された面方向から測定した積層体のL*が2.5以下、a*が−2以上2以下かつb*が−2以上0.3以下であり、基材上のカーボンナノチューブ含有層が塗布して形成されてなり、クリア層が透明樹脂またはガラスである積層体である場合を除く。)に関する。
また、本発明は、透明樹脂層[B層]側から測定した積層体のLが2.5以下、aが−2以上2以下かつbが−2以上0.3以下であることを特徴とする前記積層体に関する。
また、本発明は、カーボンナノチューブ含有層[A層]中のカーボンナノチューブの含有量が、3〜30質量%であることを特徴とする前記積層体に関する。
また、本発明は、カーボンナノチューブ含有層[A層]の膜厚が、10〜50μmであることを特徴とする前記積層体に関する。
また、本発明は、透明樹脂層[B層]の膜厚が、5〜150μmであることを特徴とする前記積層体に関する。
また、本発明は、透明樹脂層側[B層]から測定した積層体の波長380〜780nmにおける平均反射率が、5%以下であることを特徴とする前記積層体に関する。
また、本発明は、さらに接着層[C層]を有することを特徴とする前記積層体に関する。
また、本発明は、カーボンナノチューブ含有層[A層]と、透明樹脂層[B層]とが積層された積層体の製造方法であって、カーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物を塗布してカーボンナノチューブ含有層[A層]を形成することを特徴とする積層体の製造方法(ただし基材上に、少なくともカーボンナノチューブと樹脂とを含んでなるカーボンナノチューブ含有層が積層され、カーボンナノチューブ含有層の積層面に、さらにクリア層が積層された積層体の製造方法であって、積層された面方向から測定した積層体のL*が2.5以下、a*が−2以上2以下かつb*が−2以上0.3以下であり、基材上のカーボンナノチューブ含有層が塗布して形成され、クリア層が透明樹脂またはガラスであることを特徴とする積層体の製造方法を除く。)に関する。
また、本発明は、剥離フィルム上に、カーボンナノチューブ含有層[A層]、および透明樹脂層[B層]を層形成した後、剥離フィルムを剥離して形成することを特徴とする前記積層体の製造方法に関する。
本発明の積層体により、漆黒性に優れた樹脂組成物が得られる。よって、高い漆黒性が必要とされる様々な用途分野において、本発明で得られる積層体を使用することが可能である。特に本発明の積層体は、外観にも優れるため、高い意匠性を要求される用途においても、好適に用いることができるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
《積層体》
本発明の積層体は、カーボンナノチューブ含有層[A層]と、透明樹脂層[B層]とが積層された積層体であって、該カーボンナノチューブ含有層[A層]が、カーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物をウエットコート法で層形成してなることを特徴とする。このような積層体により、漆黒性に優れ、かつ外観にも優れる積層体とすることができる。
また、カーボンナノチューブ含有層[A層]、および透明樹脂層[B層]の少なくともいずれか一方に、接着層[C層]を有することがさらに好ましい。接着層[C層]を有することで、本発明の積層体を種々の被着体に貼り付け、容易に漆黒性を付与することが可能となる。
また、カーボンナノチューブ含有層[A層]と透明樹脂層[B層]の間に他の層が設けられていても良い。または透明樹脂層[B層]の両方に他の層が設けられていても良い。
ただし、本発明の積層体は、基材上に、少なくともカーボンナノチューブと樹脂とを含んでなるカーボンナノチューブ含有層が積層された積層体であって、カーボンナノチューブ含有層の積層面に、さらにクリア層が積層された積層体であって、積層された面方向から測定した積層体のL*が2.5以下、a*が−2以上2以下かつb*が−2以上0.3以下であり、基材上のカーボンナノチューブ含有層が塗布して形成されてなり、クリア層が透明樹脂またはガラスである積層体である場合を除く。
このようなカーボンナノチューブ含有層[A層]と透明樹脂層[B層]とを有することにより、透明樹脂層[B層]側から測定した、JIS Z8729で規定されるL*a*b*表色系におけるL*、a*およびb*の値が、L*が2.5以下、a*が−2以上2以下かつb*が−2以上0.3以下である積層体とすることが可能となる。
すなわち、積層体のJIS Z8729に基づいたL、a、b表色系におけるLは2.5以下であることが好ましく、2.0以下であることがさらに好ましい。また、aは−2.0以上、2.0以下であることが好ましく、bは−2.0以上0.3以下であることが好ましい。特に斯かる範囲であれば、漆黒性に優れた積層体が得られる。L*が小さい程、黒度が高い(明度が低い)ことを示す。aとbはゼロ(0)に近い値である程、黒い色相であるといえる。また、bがマイナスである程、青味(青色)が強い色相であるといえる。したがって、漆黒性という観点では、若干青味(青色)を有する黒色である場合が、漆黒性が高いと考えられるため、上記の数値範囲が好ましいと考えられる
積層体のJIS Z8729で規定されるL表色系における明度(L)および色度(a、b)は、透明樹脂層側から、色差計(NIPPONDENSHOKU社製、SpectroColorMeterSE2000)を用いて測定することによって得られる。
透明樹脂層[B層]側から測定した積層体の波長380〜780nmにおける平均反射率は10%以下であることが好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。特に斯かる範囲であれば、漆黒性に優れた積層体が得られる。
平均反射率は、紫外可視近赤外分光光度計(日立製作所社製、UV−3500、積分球使用)を用い、透明樹脂層側から波長300〜1500nmにおける絶対反射スペクトルを5nmの範囲で測定し、波長380nm〜780nmの各反射率の加重平均値を求めることで算出できる。
本発明の積層体の形成方法は、積層体の用途等により最適な方法を選択すれば良い。また、透明樹脂層[B層]の形成方法、および形状により、必要に応じた方法を選択できる。
例えば、(i)透明樹脂層[B層]上にカーボンナノチューブ含有樹脂組成物を層形成し、その後加熱硬化させカーボンナノチューブ含有層[A層]を形成する方法、(ii)基材上に、カーボンナノチューブ含有樹脂組成物を層形成し、その後加熱硬化させカーボンナノチューブ含有層[A層]を形成した後、透明樹脂層[B層]を積層する方法、(iii)剥離フィルム上に、カーボンナノチューブ含有樹脂組成物を層形成し、その後加熱硬化させカーボンナノチューブ含有層[A層]を形成する方法、(iv)剥離フィルム上に、カーボンナノチューブ含有樹脂組成物を層形成し、その後加熱硬化させカーボンナノチューブ含有層[A層]を形成した後、透明樹脂層[B層]を積層し、剥離フィルムを剥離除去する方法、(v)剥離フィルム上に、透明樹脂組成物を塗布しその後塗膜を加熱硬化させ透明樹脂層[B層]を形成した後、透明樹脂層[B層]上にカーボンナノチューブ含有樹脂組成物を層形成し、その後加熱硬化させカーボンナノチューブ含有層[A層]を形成し、剥離フィルムを剥離除去する方法、などにより形成することができる。
これらの積層体の形成方法を用いることにより、透明樹脂層[B層]側から測定した積層体のL*が2.5以下、a*が−2以上2以下かつb*が−2以上0.3以下である、漆黒性に優れた積層体とすることができる。
なかでも、剥離フィルムを使用することで、剥離フィルム上に形成するカーボンナノチューブ含有層[A層]や透明樹脂層[B層]の表面形状を容易に調整することが可能となり、優れた外観を得ることが可能であるため、剥離フィルム上に、カーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物をウエットコート法で層形成してなるカーボンナノチューブ含有層[A層]、および透明樹脂層[B層]を形成した後、剥離フィルムを剥離して形成する方法が好ましく、すなわち、上記(iv)、または(v)による積層体の製造方法が好ましい。
この時、カーボンナノチューブ含有層[A層]、および透明樹脂層[B層]を形成する順番に制限はなく、[A層]および[B層]のいずれが、剥離フィルム面側であってもよい。
また、接着層[C層]を有する場合は、例えば(I)上記いずれかの方法で得られたカーボンナノチューブ含有層[A層]と透明樹脂層[B層]が積層された積層体のどちらか一方の面に粘着剤又は接着剤を塗布した後に加熱乾燥、硬化する方法、(II)剥離フィルム上に、粘着剤又は接着剤を塗布した後に加熱乾燥、硬化させ接着層[C層]を形成した後、上記いずれか記載の方法で得られたカーボンナノチューブ含有層[A層]と透明樹脂層[B層]が積層された積層体のどちらか一方の面と接着層[C層]とを貼り合わせる方法、(III)剥離フィルム上に、カーボンナノチューブ含有樹脂組成物を層形成し、その後加熱硬化させカーボンナノチューブ含有層[A層]を形成し、別の剥離フィルム上に形成した接着層[C層]とカーボンナノチューブ層[A層]とを貼り合わせたのちにカーボンナノチューブ含有層[A層]上の剥離フィルムを剥離除去し、さらにカーボンナノチューブ含有層上に透明樹脂層[B層]を積層する方法、などにより形成することができる。
<カーボンナノチューブ含有層[A層]>
本発明のカーボンナノチューブ含有層[A層]は、カーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物をウエットコート法で層形成することを特徴とする。樹脂を含有することにより、カーボンナノチューブを用いても、安定性、塗布性に優れた樹脂組成物とすることができる。また、このようなカーボンナノチューブ含有樹脂組成物を塗布することにより、漆黒性、平坦性、耐性に優れたカーボンナノチューブ含有層[A層]とすることが可能となる。
カーボンナノチューブ含有層[A層]の膜厚は5〜50μmであることが好ましく、10〜50μmであることがさらに好ましい。
カーボンナノチューブ含有層[A層]の膜厚この範囲にあることで、漆黒性に優れた積層体とすることができる。
カーボンナノチューブ含有層[A層]の波長380〜780nmにおける平均反射率は、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。特に斯かる範囲であれば、漆黒性に優れた積層体が得られる。
カーボンナノチューブ含有層[A層]を層形成するウエットコート法として具体的には、キャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷、鋳型塗布、印刷転写、インクジェットなどの方法等を挙げることができ、一般的な方法でカーボンナノチューブ含有樹脂組成物をコーティングすることにより得ることができる。
カーボンナノチューブ含有層[A層]中のカーボンナノチューブの含有量は、用途に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは1〜30質量%、特に好ましくは、3〜30質量%、更に好ましくは2〜15質量%の範囲である。特に斯かる範囲であれば、漆黒性、および外観の深み感も優れた積層体が得られる。
カーボンナノチューブ含有層[A層]中のカーボンナノチューブの量が少ない場合は、樹脂中に十分なネットワーク構造を形成できず、光閉じ込め効果が減少して黒度の低下に繋がる恐れがある。カーボンナノチューブ含有層[A層]中のカーボンナノチューブの量が多い場合は、カーボンナノチューブ含有層[A層]の光沢が低下し、漆黒性に優れた積層体が得られにくい可能性がある。
(カーボンナノチューブ含有樹脂組成物)
カーボンナノチューブ含有樹脂組成物は、カーボンナノチューブと樹脂とを含む。
カーボンナノチューブ含有樹脂組成物の製造方法としては、カーボンナノチューブと樹脂と、必要に応じて溶媒を、例えば、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノーミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル、バスケットミル、ホモミキサー、ホモナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」等)、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、フーバーマーラー、3本ロールミル、エクストルーダー等を使用して分散処理を行うことが好ましいが、特に限定されるものではない。さらに必要に応じて、分散剤や添加剤を加えても良い。
また、樹脂組成物を得るために高速攪拌機を使用することもできる。例えば、ホモディスパー(PRIMIX社製)、フィルミックス(PRIMIX社製)、ディゾルバー(井上製作所社製)、ハイパーHS(アシザワ・ファインテック社製)等が挙げられる。
溶媒のほかにも、必要に応じて、例えば顔料、濡れ浸透剤、皮張り防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、架橋剤、防腐剤、防カビ剤、粘度調整剤、pH調整剤、レベリング剤、消泡剤などの添加剤を本発明の目的を阻害しない範囲で適宜配合することができる。
「カーボンナノチューブ」
カーボンナノチューブは、グラファイトの1枚面を巻いて円筒状にした形状を有しており、そのグラファイト層が1層で巻いた構造を持つ単層カーボンナノチューブ、2層またはそれ以上で巻いた多層カーボンナノチューブでも、これらが混在するものであっても良いが、コスト面や着色効果の面から多層カーボンナノチューブであることが好ましい。また、カーボンナノチューブの側壁がグラファイト構造ではなく、アモルファス構造をもったカーボンナノチューブを用いることもできる。
カーボンナノチューブの形状は、針状、円筒チューブ状、魚骨状(フィッシュボーン、カップ積層型)、トランプ状(プレートレット)、コイル状の形態などいずれの形態を有するものであってもよい。具体的には、例えばグラファイトウィスカー、フィラメンタスカーボン、グラファイトファイバー、極細炭素チューブ、カーボンチューブ、カーボンフィブリル、カーボンマイクロチューブ、カーボンナノファイバーなどを挙げることができる。これらの形態として1種または2種以上を組み合わせた形態において使用することができる。本発明は魚骨状(フィッシュボーン、カップ積層型)、トランプ状(プレートレット)、コイル状以外の形態であることが好ましい。魚骨状、トランプ状の場合は、樹脂組成物・成形体の製造時に発生するせん断応力によりカップ・トランプ状グラファイトシートの積層面(x−y面)よりカーボンナノチューブの切断が起こり、樹脂中に十分なネットワーク構造を形成できず、光閉じ込め効果が減少して黒度の低下に繋がる恐れがある。コイル状の場合も同様に、製造時にその3次元構造が破壊されやすく、着色効果が低下する可能性がある。
本発明のカーボンナノチューブは、一般にレーザーアブレーション法、アーク放電法、熱CVD法、プラズマCVD法、燃焼法などで製造できるが、どのような方法で製造したカーボンナノチューブでも構わない。例えば、触媒を用いて、酸素濃度が1体積%以下の雰囲気中、500〜1000℃にて、炭素源として炭化水素および/またはアルコールとを接触反応させてカーボンナノチューブを製造することができる。
カーボンナノチューブの炭素源としての原料ガスは、従来公知の任意のものを使用でき、例えば、炭素を含むガスとしてメタン、エチレン、プロパン、ブタンやアセチレン等の炭化水素や一酸化炭素、アルコールなどを用いることができるが、特に使いやすさの理由により、炭化水素やアルコールを用いることが望ましい。
触媒は、必要に応じて、還元性ガス雰囲気下で活性化した後、又は還元性ガスと共に、酸素濃度1体積%以下の雰囲気中、炭素源としての原料ガスと接触反応させて製造することが好ましい。酸素濃度1体積%以下の雰囲気は特に制限はないが、アルゴンガスのような希ガスや窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気が好ましい。活性化に使用する還元性ガスとしては、水素、アンモニア等を用いることができるが、特に水素が好ましい。
触媒としては、従来公知の様々な金属酸化物を使用することができる。例えば、コバルト、ニッケルや鉄等の活性成分を含む金属とマグネシウム、アルミニウム等の担持成分を含む金属を組み合わせた触媒が挙げられる。
カーボンナノチューブの繊維径は、分散の容易さや色相の観点から、1〜500nmが好ましく、8〜25nmがより好ましい。
カーボンナノチューブの繊維径は、走査透過電子顕微鏡によって、カーボンナノチューブを観測し、観測写真において、任意の100個のカーボンナノチューブを選び、それぞれの外径を計測し、その数平均値を求めることにより、カーボンナノチューブの平均粒径(nm)を算出することにより測定できる。
カーボンナノチューブの繊維長は、分散の容易さや色相の観点から、0.1〜150μmが好ましく、さらに1〜23μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
カーボンナノチューブの炭素純度は、カーボンナノチューブ100質量%中、85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
本発明でカーボンナノチューブは、一般的に二次粒子として存在している。この二次粒子形状は、例えば一般的な一次粒子であるカーボンナノチューブが複雑に絡み合っている状態でもよく、ほぐれ易くカーボンナノチューブを直線状にしたものの集合体であっても良い。直線状のカーボンナノチューブの集合体である二次粒子は絡み合っているものと比べると分散性が良いので好ましい。
カーボンナノチューブは、表面処理を行ったものや、カルボキシル基などの官能基を付与させたカーボンナノチューブ誘導体であってもよい。また、有機化合物や金属原子、フラーレン等を内包させたカーボンナノナノチューブ等も用いることができる。
「カーボンブラック」
カーボンナノチューブ含有樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、さらにカーボンブラックを併用することができる。カーボンブラックの具体例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック並びにナフサなどの炭化水素を水素及び酸素の存在下で部分酸化して、水素及び一酸化炭素を含む合成ガスを製造する際に副生するカーボンブラック、あるいはこれを酸化または還元処理したカーボンブラックなどが挙げられる。これらのカーボンブラックは、単独でも2種類以上併用しても良い。また、黒度を向上する視点から、カーボンブラックは平均粒径が20nm以下で、かつ、DBP吸油量が80ml/100g以下のものが好ましく使用される。また、本発明においてDBP吸油量とは、カーボンブラック粒子間の化学的ないし物理的結合による複雑な凝集形態(ストラクチャー)の尺度で、カーボンブラック100g当りに包含することのできるジブチルフタレート(DBP)の量(ml)を表す。
カーボンブラックの平均粒径は、カーボンナノチューブの繊維径と同様の方法で求められる。具体的には、走査透過電子顕微鏡によって、カーボンブラックを観測し、観測写真において、任意の100個のカーボンブラックを選び、それぞれの外径を計測し、その数平均値を求めることにより、カーボンブラックの平均粒径を算出することができる。
カーボンブラックを使用する場合の配合量は、カーボンナノチューブ100重量部に対して、1〜100重量部が好ましく、1〜50重量部がより好ましく、1〜25重量部がさらに好ましい。一方、100重量部を超えると、成形体の黒度と青味が低下する可能性がある。青味が低下し、赤味が増すと、漆黒性に優れた積層体が得られにくい。
「樹脂」
樹脂は、天然樹脂、合成樹脂から選ばれる1種ないし2種以上を組み合わせて使用することができる。
天然樹脂としては、天然ゴム、ゼラチン、ロジン、セラック、多糖類、ギルソナイト等が挙げられる。また、合成樹脂としては、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン樹脂、合成ゴム、ポリエステル、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、フッ素系樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、シリコーン系樹、ニトロセルロース、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂のうち、耐候性、耐光性の観点からアクリル樹脂、ポリエステル、塩化ビニル樹脂、またはウレタン樹脂が好ましい。
エマルジョン塗料に用いられる水溶性樹脂としては、酸価が20〜70mgKOH/gで、水酸基価が20〜160mgKOH/gの水溶性樹脂が好ましく、具体的には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂が特に好ましい。水溶性樹脂として好適に用いられるポリエステル樹脂は、多価アルコール及び多塩基酸を樹脂原料として用いて得られる、酸価が20〜70mgKOH/g、好ましくは25〜60mgKOH/g、特に好ましくは30〜55mgKOH/gで、水酸基価が20〜160mgKOH/g、好ましくは80〜130mgKOH/gの水溶性樹脂である。
本発明において、酸価は樹脂1gを中和するために必要な水酸化カリウムのmg数をいい、また水酸基価は樹脂の水酸基と無水フタル酸とを反応させ、その反応に要した酸を、該樹脂1g当り中和するために必要な水酸化カリウムのmg数をいう。
なお、本発明において、樹脂の水酸基価、酸価の測定はJIS K−0070の方法に準じて行うことができる。
水溶性ポリエステル樹脂は、その樹脂原料として、通常のポリエステル樹脂を構成する多価アルコール、多塩基酸及び必要に応じ油脂類を用い、公知のエステル化反応によって容易に得ることができる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、ジペンタエリトリット等が挙げられる。これらの多価アルコールは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。該多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水トリメリット酸等を挙げることができる。これらの多塩基酸は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。油脂類としては、例えば、大豆油、椰子油、サフラワー油、ぬか油、ひまし油、きり油、あまに油、トール油、及びこれから得られる脂肪酸を挙げることができる。
水溶性樹脂として好適に用いられるアクリル樹脂は、ビニル系モノマーを樹脂原料として用いて得られる、酸価が20〜70mgKOH/g、好ましくは22〜50mgKOH/g、特に好ましくは23〜40mgKOH/gで、水酸基価が20〜160mgKOH/g、好ましくは80〜150mgKOH/gの水溶性樹脂である。
水溶性アクリル樹脂は、その樹脂原料として、通常のアクリル樹脂を構成するビニル系モノマーを用いて、有機過酸化物を開始剤とする公知の溶液重合法等によって、容易に得ることができる。ビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸類、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、シクロヘキシル、ステアリル等のアルキルエステル類、アクリル酸またはメタクリル酸の2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、分子量1000以下のポリエチレングリコール等のヒドロキシアルキルエステル類、アクリル酸またはメタクリル酸のアミド類またはそれらのアルキルエーテル類、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等が挙げられる。
更に、エポキシ基を持つグリシジル(メタ)アクリレートや第3級アミノ基を含むモノマー類、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。この他、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルピリジン等の芳香族モノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、マレイン酸、またはフマル酸のモノまたはジアルキルエステル類等が挙げられる。有機過酸化物としては、例えば、アシルパーオキシド類(例えば、過酸化ベンゾイル)、アルキルヒドロパーオキシド類(例えば、t−ブチルヒドロパーオキシド、p−メタンヒドロパーオキシド)、ジアルキルパーオキシド類(例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド)等が挙げられる。
水溶性樹脂として好適に用いられるポリウレタン樹脂は、ポリオールとポリイソシアネートを原料として用いて得られる、酸価が20〜70mgKOH/g、好ましくは22〜50mgKOH/g、特に好ましくは23〜35mgKOH/gで、水酸基価が20〜160mgKOH/g、好ましくは25〜50mgKOH/gの水溶性樹脂である。
水溶性ポリウレタン樹脂は、その樹脂原料として、通常のポリウレタン樹脂を構成するポリオールとポリイソシアネートを用いて、付加重合することによって、容易に得ることができる。
ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。また、ポリイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビスフェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、エチルエチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
水溶性のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等は、通常塩基性物質で中和することにより水溶性が付与される。この際、塩基性物質は、水溶性樹脂に含まれている酸性基の40モル%以上を中和するのに必要な量を用いることが好ましい。上記の塩基性物質としては、例えば、アンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モルホリン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。
水溶性樹脂の数平均分子量は特に制限ないが、通常500〜50000が好ましく、800〜25000がより好ましく、1000〜12000が特に好ましい。
また、樹脂(c)には硬化性を有するタイプとラッカータイプとがあるが、通常は硬化性を有するタイプのものが使用される。硬化性を有するタイプの場合には、メラミン樹脂等のアミノ樹脂や(ブロック)ポリイソシアネート化合物、アミン系、ポリアミド系、多価カルボン酸等の架橋剤と混合して使用され、加熱または常温で硬化反応を進行させることができる。また、硬化性を有しないタイプの塗膜形成用樹脂と硬化性を有するタイプと併用することもできる。
「分散剤」
分散剤としては、界面活性剤または樹脂型分散剤を使用することができる。界面活性剤は主にアニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性に分類され、要求特性に応じて適宜好適な種類、配合量を選択して使用することができる。好ましくは、樹脂型分散剤である。
アニオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、具体的には脂肪酸塩、ポリスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸スルホン酸塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステルなどが挙げられ、具体的にはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩などが挙げられる。
カチオン性活性剤としては、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類があり、具体的にはステアリルアミンアセテート、トリメチルヤシアンモニウムクロリド、トリメチル牛脂アンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、メチルオレイルジエタノールクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、ラウリルピリジニウムクロリド、ラウリルピリジニウムブロマイド、ラウリルピリジニウムジサルフェート、セチルピリジニウムブロマイド、4−アルキルメルカプトピリジン、ポリ(ビニルピリジン)−ドデシルブロマイド、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩などが挙げられる。
ノニオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン誘導体、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルアリルエーテルなどが挙げられ、具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等などが挙げられる。
界面活性剤の選択に際しては1種類に限定されるものではなく、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤など、2種以上の界面活性剤を併用して使用することも可能である。その際の配合量は、それぞれの活性剤成分に対して前述した配合量とすることが好ましい。好ましくは、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤の併用が良く、アニオン性界面活性剤としては、ポリカルボン酸塩、ノニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンフェニルエーテルが好ましい。
樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン;ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル;不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物;ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤;(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物;ポリエステル系樹脂、変性ポリアクリレート系樹脂、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系樹脂等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
上記分散剤のうち少量の添加量で分散組成物の粘度が低くなり、高い分光透過率を示すという理由から、ポリカルボン酸のような酸性官能基を有する高分子分散剤が好ましい。樹脂型分散剤は、カーボンナノチューブ(b)に対して3〜300質量%程度使用することが好ましく、成膜性の観点から5〜100質量%程度使用することがより好ましい。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等;日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等;BASFジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等;味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
「溶媒」
カーボンナノチューブ含有樹脂組成物に用いることができる溶媒は特に限定されるものではなく、水溶液、水系溶媒および有機系溶媒のいずれも用いることができる。
有機系溶媒としては、沸点が50〜250℃の有機系溶媒が、塗工時の作業性や硬化前後の乾燥性の点から用いやすい。具体的な溶媒の例としては、メタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトン、ブチルジグリコールアセテート、MEKなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジブチルエーテル、エチレングリコール、モノブチルエーテル等のエーテル系溶媒、N−メチル−2−ピロリドンなどの双極性非プロトン溶媒などを用いることができる。これらの溶媒は、単独あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
また、トルエン、キシレン、ソルベッソ#100(エクソン社製)、ソルベッソ#150(エクソン社製)等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、セロソルブアセテート、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアミド系溶媒を用いることもできる。これらの溶媒も単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
特に、ケトン系溶媒、エステル系溶媒はカーボンナノチューブ含有樹脂組成物の安定性、塗布時の塗工性に優れ、また芳香族系溶媒は乾燥性に優れ、漆黒性に優れた塗膜を得やすいため、これらの溶媒を用いることが好ましい。
<透明樹脂層[B層]>
本発明の透明樹脂層[B層]は、下層塗膜を視認できる程度の透明性を有するものである。下層塗膜を視認できる程度とは、たとえば、透過率計(NIPPON DENSHOKU社製、TURBIDIMETER NDH5000W)を用いてJIS K7361に準拠し測定した透明樹脂層の全光線透過率が50%以上であることが好ましい。
透明樹脂層[B層]の膜厚は、5〜150μm、好ましくは25〜100μmの範囲内であることが好ましい。特に斯かる範囲であれば、漆黒性に優れた積層体が得られる。
透明樹脂層[B層]を形成する方法は、透明樹脂層を形成する物質や形状、透明樹脂層を設ける目的、積層体の用途等により最適な方法を選択すればよい。
透明樹脂層[B層]をカーボンナノチューブ含有層[A層]の保護膜として設ける場合、(1)予め製膜された透明樹脂フィルムを透明樹脂層[B層]として用い、カーボンナノチューブ含有層[A層]を積層する方法、(2)基材、または剥離フィルムなどに、透明樹脂組成物を塗布して形成した透明樹脂層[B層]上に、カーボンナノチューブ含有層[A層]を積層する方法、(3)予め形成したカーボンナノチューブ含有層[A層]上に、透明樹脂組成物を塗布して透明樹脂層[B層]を形成する方法等により形成することができる。
好ましくは、漆黒性および外観に優れた積層体とすることができるため、透明樹脂層により透明樹脂層を形成する方法が好ましい。
また、透明樹脂層[B層]を剥離フィルムとして用いることもできる。透明樹脂層[B層]が剥離フィルムである場合、例えば片面または両面に剥離処理が施された透明樹脂フィルムの剥離処理面に、カーボンナノチューブ含有樹脂組成物を塗布した後、加熱硬化させ、剥離フィルムとカーボンナノチューブ含有層[A層]とが積層された積層体を得ることができる。
(透明樹脂フィルム)
透明樹脂層[B層]として用いることのできる透明樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース、合成ゴム、ポリアミド樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂、フッ素系樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、ABS樹脂、シリコーン系樹、天然ゴム、等の樹脂を用いて形成された透明樹脂フィルムが挙げられる。
剥離フィルムとして用いる場合には、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース、合成ゴム、ポリアミド樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂、フッ素系樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、ABS樹脂、シリコーン系樹、天然ゴム、等の樹脂を用いて形成された透明樹脂フィルムを用いることができる。
(透明樹脂組成物)
透明樹脂層[B層]を、透明樹脂組成物により層形成する場合、なかでも透明樹脂組成物を塗布することにより透明樹脂層[B層]を形成することが、平坦性、外観に優れる積層体とすることができるために好ましい。
透明樹脂層[B層]を、透明樹脂組成物を塗布して形成する方法としては、キャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷、鋳型塗布、印刷転写、インクジェットなどのウエットコート法等、一般的な方法を挙げることができる。
「透明樹脂」
透明樹脂組成物に用いることができる透明樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン樹脂、合成ゴム、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂、フッ素系樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、シリコーン系樹、ニトロセルロース、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性ポリアミド樹脂、天然ゴム、ゼラチン、ロジン、セラック、多糖類、ギルソナイト等を挙げることができるが、主剤として水酸基を含有するポリオール樹脂を使用し、硬化剤がイソシアネートである2液クリア塗料(例えば、2液硬化型ウレタン塗料)が好ましい。得られる透明樹脂塗膜の外観が良好で、耐酸性に優れたものとなるからである。上記主剤として使用されるポリオール樹脂は、特に限定されないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が挙げられる。
「硬化剤」
透明樹脂組成物の硬化剤として用いるイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビスフェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、エチルエチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
また、透明樹脂層[B層]を、透明樹脂組成物により層形成する場合、平均反射率を下げるために、その屈折率がカーボンナノチューブ含有層[A層]の屈折率より低く、かつカーボンナノチューブ含有層[A層]の屈折率との差が0.3以上のものがより好ましい。
屈折率がカーボンナノチューブ含有層[A層]の屈折率より低く、かつカーボンナノチューブ含有層[A層]の屈折率との差が0.3以上となる材料としては、前記範囲に入る物質であれば、特に限定しないが、無機化合物、有機化合物、および無機・有機の複合物で構成されたもので内部に空洞を有する構成のあるものが好ましい。単一物質としては、珪素酸化物、フッ化マグネシウム、フッ化セリウム、フッ化ランタン、フッ化カルシウムなどの無機化合物、珪素元素、フッ素元素を含有するポリマーなどの有機化合物、複合体としては、内部に空洞を有するシリカ、アクリルなどの微粒子と単官能もしくは多官能(メタ)アクリル酸エステル、または/およびシロキサン化合物、または/およびパーフルオロアルキル基を有する有機化合物の単量体成分を重合して得られる重合体との混合物が挙げられる。
「珪素酸化物」
珪素酸化物は、具体例に例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のトリアルコキシシラン類、メチルトリアセチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシランなどのオルガノアルコシシランのアルコール、水、酸などから、加水分解・重合反応によって形成させるゾル−ゲルコーティング膜、珪素酸化物のスパッタ蒸着膜などが使用できる。
また、内部に空洞を有するシリカ微粒子を用いた複合物としては、具体的にオプスター(登録商標)TU−2180(JSR株式会社製)、ELCOM(登録商標)P−5024(日揮触媒化成製)などを使用することができる。
<接着層[C層]>
本発明の積層体は、積層体の使用方法、用途に応じて少なくともどちらか一方の面に接着層[C層]を備えても良い。
本発明における接着層[C層]とは、圧力や熱等の作用によって接着性が発現し、本発明の積層体と被着体とを接合する役割を果たすものである。
接着層[C層]に用いられる材料としては、特に限定されるものではなく、一般的な粘着剤、接着剤を用いることができる。具体的には、例えば、一般的な天然ゴム、合成イソプレンゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンゴム等を主成分とするゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤およびシリコン系粘着剤、ホットメルト接着剤、エチレンビニルアルコール系接着剤、塩素化ポリオレフィン系接着剤等を用いることができる。また、粘着剤、接着剤中には必要に応じて、例えば架橋剤、触媒、顔料、分散剤、粘着付与剤、溶剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、レベリング剤、消泡剤などの添加剤を本発明の目的を阻害しない範囲で適宜配合することができる。
接着層[C層]を形成する方法としては、接着層を形成する材料の種類や積層体の用途に応じて最適な方法を選択すれば良く、積層体のどちらか一方の面に粘着剤又は接着剤を塗布した後に加熱乾燥、硬化する方法、剥離フィルム上に粘着剤又は接着剤を塗布した後に加熱乾燥、硬化させ接着層を形成し、積層体のどちらか一方の面と接着層面とを貼り合わせる方法等により形成することができる。接着層を層形成するための方法としては、キャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷などのウェットコート法等一般的な方法を挙げることができる。
本明細書における漆黒性とは、JIS Z8729で規定されるL表色系において、透明樹脂層側から測定した積層体のLが2.5以下、かつbが−2.0以上0.3以下の値を示すものを「漆黒性」を示すものとみなし、上記の値は、色差計(NIPPONDENSHOKU社製、SpectroColorMeterSE2000)により測定された値とした。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。例中、特に断わりのない限り、「部」とは「質量部」、「%」とは「質量%」をそれぞれ意味する。また、「カーボンナノチューブ」を「CNT」、「カーボンブラック」を「CB」と略記することがある。
後述の各実施例及び比較例において使用された積層体の物性は、以下の方法により測定した。
<膜厚>
積層体中のカーボンナノチューブ含有層[A層]、透明樹脂層[B層]の膜厚は膜厚計(NIKON社製、DIGIMICRO MH−15M)を用いて塗膜中の3点を測定し、その平均値を膜厚とした。
<L、a、b
透明樹脂層側から、色差計(NIPPONDENSHOKU社製、SpectroColorMeterSE2000)を用いてJIS Z8729で規定されるL、a、b表色系における明度(L)および色度(a、b)を測定した。
<平均反射率>
紫外可視近赤外分光光度計(日立製作所社製、UV−3500、積分球使用)を用い、積層体(d)の透明樹脂層側から、波長300〜1500nmにおける絶対反射スペクトルを5nmの範囲で測定し、波長380nm〜780nmの各反射率の加重平均値を求めることで算出した。
<カーボンナノチューブの繊維径>
走査透過電子顕微鏡(日本電子株式会社製JEM−6700M)によって、得られたカーボンナノチューブを観測した。観測写真において、任意の100個のカーボンナノチューブを選び、それぞれの外径を計測し、その数平均値を求めることによりカーボンナノチューブの繊維径(nm)を算出した。
<カーボンブラックの平均粒径>
走査透過電子顕微鏡(日本電子株式会社製JEM−6700M)によって、カーボンブラックを観測した。観測写真において、任意の100個のカーボンブラックを選び、それぞれの外径を計測し、その数平均値を求めることにより、カーボンブラックの平均粒径(nm)を算出した。
後述の各実施例及び比較例において使用されたカーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ含有樹脂組成物(CNT組成物)、カーボンブラック含有樹脂組成物(CB組成物)、および透明樹脂組成物は以下の方法により作製した。
<カーボンナノチューブ>
(カーボンナノチューブ合成用触媒1)
酢酸コバルト・四水和物200gおよび担持成分としての酢酸マグネシウム・四水和物172gをビーカーに秤取り、均一になるまで撹拌した。耐熱性容器に移し替え、電気オーブンを用いて、190±5℃の温度で30分乾燥させ水分を蒸発させた後、乳鉢で粉砕してカーボンナノチューブ合成用触媒1の前駆体を得た。得られたカーボンナノチューブ合成用触媒1の前駆体100gを耐熱容器に秤取り、マッフル炉にて、空気中500℃±5℃雰囲気下で30分焼成した後、乳鉢で粉砕して触媒1を得た。
(カーボンナノチューブ合成用触媒2)
水酸化コバルト74gおよび担持成分としての酢酸マグネシウム・四水和物172gをビーカーに秤取り、均一になるまで撹拌した。耐熱性容器に移し替え、電気オーブンを用いて、190±5℃の温度で30分乾燥させ水分を蒸発させた後、乳鉢で粉砕してカーボンナノチューブ合成用触媒2の前駆体を得た。得られたカーボンナノチューブ合成用触媒2の前駆体100gを耐熱容器に秤取り、マッフル炉にて、空気中500℃±5℃雰囲気下で30分焼成した後、乳鉢で粉砕して触媒2を得た。
(カーボンナノチューブ(a1−1))
加圧可能で、外部ヒーターで加熱可能な、内容積が10リットルの横型反応管の中央部に、カーボンナノチューブ合成用触媒1を1.0g散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。アルゴンガスを注入しながら排気を行い、反応管内の空気をアルゴンガスで置換し、横型反応管中の雰囲気を酸素濃度1体積%以下とした。次いで、外部ヒーターにて加熱し、横型反応管内の中心部温度が700℃になるまで加熱した。700℃に到達した後、毎分0.1リットルの流速で1分間、水素ガスを反応管内に導入し、触媒を活性化処理した。その後、炭素源としてエチレンガスを毎分1リットルの流速で反応管内に導入し、1時間接触反応させた。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換し、反応管内の温度を100℃以下になるまで冷却し、得られたカーボンナノチューブを採取した。得られたカーボンナノチューブ(a1−1)は、80メッシュの金網で粉砕ろ過した。
(カーボンナノチューブ(a1−2))
加圧可能で、外部ヒーターで加熱可能な、内容積が10リットルの横型反応管の中央部に、カーボンナノチューブ合成用触媒1を1.0g散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。アルゴンガスを注入しながら排気を行い、反応管内の空気をアルゴンガスで置換し、横型反応管中の雰囲気を酸素濃度1体積%以下とした。次いで、外部ヒーターにて加熱し、横型反応管内の中心部温度が700℃になるまで加熱した。700℃に到達した後、毎分0.1リットルの流速で1分間、水素ガスを反応管内に導入し、触媒を活性化処理した。その後、炭素源としてエチレンガスを毎分1リットルの流速で反応管内に導入し、2時間接触反応させた。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換し、反応管内の温度を100℃以下になるまで冷却し、得られたカーボンナノチューブ(a1−2)を採取した。得られたカーボンナノチューブは、80メッシュの金網で粉砕ろ過した。
(カーボンナノチューブ(a2−1))
加圧可能で、外部ヒーターで加熱可能な、内容積が10リットルの横型反応管の中央部に、カーボンナノチューブ合成用触媒2を1.0g散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。アルゴンガスを注入しながら排気を行い、反応管内の空気をアルゴンガスで置換し、横型反応管中の雰囲気を酸素濃度1体積%以下とした。次いで、外部ヒーターにて加熱し、横型反応管内の中心部温度が700℃になるまで加熱した。700℃に到達した後、毎分0.1リットルの流速で1分間、水素ガスを反応管内に導入し、触媒を活性化処理した。その後、炭素源としてエチレンガスを毎分1リットルの流速で反応管内に導入し、1時間接触反応させた。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換し、反応管内の温度を100℃以下になるまで冷却し、得られたカーボンナノチューブを採取した。得られたカーボンナノチューブ(a2−1)は、80メッシュの金網で粉砕ろ過した。
(カーボンナノチューブ(a2−2))
加圧可能で、外部ヒーターで加熱可能な、内容積が10リットルの横型反応管の中央部に、カーボンナノチューブ合成用触媒2を1.0g散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。アルゴンガスを注入しながら排気を行い、反応管内の空気をアルゴンガスで置換し、横型反応管中の雰囲気を酸素濃度1体積%以下とした。次いで、外部ヒーターにて加熱し、横型反応管内の中心部温度が700℃になるまで加熱した。700℃に到達した後、毎分0.1リットルの流速で1分間、水素ガスを反応管内に導入し、触媒を活性化処理した。その後、炭素源としてエチレンガスを毎分1リットルの流速で反応管内に導入し、2時間接触反応させた。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換し、反応管内の温度を100℃以下になるまで冷却し、得られたカーボンナノチューブを採取した。得られたカーボンナノチューブ(a2−2)は、80メッシュの金網で粉砕ろ過した。
本願発明のカーボンナノチューブ含有樹脂組成物の作製方法例を以下に示す。
<カーボンナノチューブ含有樹脂組成物(CNT組成物)>
(CNT組成物(а−1))
三菱化学社製エポキシ樹脂グレード1256を、ブチルカルビトールアセテートに溶解して、固形分40%のエポキシ樹脂溶液を作製し、エポキシ樹脂溶液の固形分15gに対して、カーボンナノチューブ(a1−1)0.789gを混合し、フーバーマーラーで荷重150lb(=667N)、回転速度100rpmの条件で3回練り、CNT組成物(а−1)を得た。
(CNT組成物(а−2〜9))
表1に記載したカーボンナノチューブの種類とカーボンナノチューブの添加量に変更した以外はCNT組成物(а−1)と同様の方法により、それぞれCNT組成物(а−2〜9)を得た。
(CNT組成物(а−10))
カーボンナノチューブ(a1−1)0.789g、スチレン・アクリル系ポリマー(ジョンソンポリマー社製、ジョンクリル683)15g、MEK(メチルエチルケトン)156.3gを225cmのガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントコンディショナーを用いて1時間分散を行い、CNT組成物(а−10)を得た。
(CNT組成物(а−11))
表1に記載したカーボンナノチューブの種類とカーボンナノチューブの添加量に変更した以外はCNT組成物(а−10)と同様の方法により、CNT組成物(а−11)を得た。
<カーボンブラック含有樹脂組成物(CB組成物)>
(CB組成物(аc−1))
三菱化学社製エポキシ樹脂グレード1256を、ブチルカルビトールアセテートに溶解して、固形分40%のエポキシ樹脂溶液を作製し、エポキシ樹脂溶液の固形分15gに対して、デグザ社製カーボンブラック(COLOR Black FW−200)0.789gを混合し、フーバーマーラーで荷重150lb(=667N)、回転速度100rpmの条件で3回練り、CB組成物(аc−1)を得た。
(CB組成物(аc−2))
デグザ社製カーボンブラック(COLOR Black FW−200)0.789g、スチレン・アクリル系ポリマー(ジョンソンポリマー社製、ジョンクリル683)15g、MEK(メチルエチルケトン)156.3gを225cmのガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントコンディショナーを用いて1時間分散を行い、CB組成物(аc−2)を得た。
<透明樹脂組成物>
(透明樹脂組成物(b−1))
丸底フラスコ中に、有機溶媒(トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチル=70部/15部/10部/5部からなる混合液)を入れ、メラミン焼き付け用アクリル樹脂(DIC株式会社製、ACRYDIC A405)を添加し、1時間撹拌することにより透明樹脂組成物(b−1)を調製した。
(透明樹脂組成物(b−2))
JSR(株)製、中空シリカ粒子含有アクリル系UV硬化型低屈折率材料TU−2180(固形分濃度10質量%)を固形分が1.5質量%になるようにメチルエチルケトンで希釈し、透明樹脂組成物(b−2)を得た。
(透明樹脂組成物(b−3))
日揮触媒化成(株)製中空シリカ粒子含有シリコーン系UV硬化型低屈折率材料ELCOM P−5024(固形分濃度3質量%)を固形分濃度が1.5質量%になるようにメチルエチルケトンで希釈し、透明樹脂組成物(b−3)を得た。
(透明樹脂組成物(b−4))
5L四ツ口フラスコに温度計、攪拌機、冷却管を取り付け、これにトリメチロールプロパン134gとアジピン酸1752gを入れて混合し、窒素ガス雰囲気下210℃に昇温後、7時間かけて縮合反応を行い、170℃に冷却後、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1416gを徐々に追加し均一な溶液となった時点で触媒としてトリスイソプロポキシチタネートを全固形分に対し80ppm添加し、還流しながら縮合反応を反応固形分の酸価が0.1mgKOH/g未満になるまで12時間反応を継続した。水酸基価が55mgKOH/gを超えた時点で無水マレイン酸294.18gを徐々に添加反応させ、再度トリスイソプロポキシチタネートを全固形分に対し50ppmを徐々に添加し、酸価が52mgKOH/gになった時点で反応を終了させ、減圧下で縮合水を十分除去すると、平均分子量が3160、25℃で390mPa・sのカルボキシル基含有ポリエステルが得られた。次に別途用意した1L四ツ口フラスコに温度計、攪拌機を取り付け、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート93.75gを入れて60℃に昇温後、上記カルボキシル基含有ポリエステル6.25gを徐々に添加溶解し、更に熱重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.94gを添加し、十分に溶解するまで攪拌を続けた。60℃の温度を維持しながら次にジイソプロポキシアルミニウムモノアセト酢酸エチルエステルを3.13g加えポリエステル樹脂溶液である透明樹脂組成物(b−4)を得た。
[実施例1]
(積層体1)
厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの片面に剥離処理が施された剥離フィルムの剥離処理面に、透明樹脂組成物(b−1)を乾燥後の膜厚で50μmとなるようにバーコーターを用いて塗工後、電気オーブン中で150±5℃にて20分間乾燥させて透明樹脂層(B−1)を形成した。得られた透明樹脂層(B−1)上にCNT組成物(a−1)を乾燥後の膜厚が10μmとなるようにバーコーターを用いて塗工後、電気オーブン中で150±5℃にて60分間乾燥させ、透明樹脂層上にカーボンナノチューブ含有層(A−1)を形成した。その後剥離フィルムを剥離することにより、カーボンナノチューブ含有層(A−1)と透明樹脂層(B−1)が積層された積層体1を得た。
[実施例2〜14]
(積層体2〜14)
CNT組成物(a−1)の代わりに、表3に記載したCNT組成物とカーボンナノチューブ含有層(CNT含有層)[A層]の膜厚を変更した以外は、実施例1と同様の方法により積層体2〜14を得た。
[実施例15]
(積層体15)
厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの片面に剥離処理が施された剥離フィルムの剥離処理面に、CNT組成物(a−6)を乾燥後の膜厚が10μmとなるようにバーコーターを用いて塗工後、電気オーブン中で150±5℃にて60分間乾燥させカーボンナノチューブ含有層(A−15)を形成した。得られたカーボンナノチューブ含有層(A−15)上に、透明樹脂組成物(b−1)を乾燥後の膜厚で50μmとなるようにバーコーターを用いて塗工後、電気オーブン中で150±5℃にて20分間乾燥させて透明樹脂層(B−1)を形成した。その後剥離フィルムを剥離することにより、カーボンナノチューブ含有層(A−15)と透明樹脂層(B−1)が積層された積層体15を得た。
[実施例16]
(積層体16)
厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの片面に剥離処理が施された剥離フィルムの剥離処理面に、透明樹脂組成物(b−2)を乾燥後の膜厚で30μmとなるようにエアスプレーを用いて静電塗装し、得られた塗膜面を80±5℃にて20分間乾燥後、500mJ/cmの活性エネルギー線量を加え硬化させて透明樹脂層(B−2)を形成した。得られた透明樹脂層(B−2)上にCNT組成物(a−1)を乾燥後の膜厚が10μmとなるようにバーコーターを用いて塗工後、電気オーブン中で150±5℃にて60分間乾燥させ、透明樹脂層(B−2)上にカーボンナノチューブ含有層(A−1)を形成した。その後剥離フィルムを剥離することにより、カーボンナノチューブ含有層(A−1)と透明樹脂層(B−2)が積層された積層体16を得た。
[実施例17]
(積層体17)
実施例16における透明樹脂組成物(b−2)の代わりに透明樹脂組成物(b−3)を用い、透明樹脂層(B−3)を用いた以外は実施例16と同様の方法によりカーボンナノチューブ含有層(A−1)と透明樹脂層(B−3)が積層された積層体17を得た。
[実施例18]
(積層体18)
実施例16における透明樹脂組成物(b−2)の代わりに透明樹脂組成物(b−4)を用い、透明樹脂層(B−4)を用いた以外は実施例16と同様の方法によりカーボンナノチューブ含有層(A−1)と透明樹脂層(B−4)が積層された積層体18を得た。
[実施例19]
(積層体19)
厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの片面に剥離処理が施された剥離フィルムの剥離処理面に、透明樹脂組成物(b−1)を乾燥後の膜厚で50μmとなるようにバーコーターを用いて塗工後、電気オーブン中で150±5℃にて20分間乾燥させて透明樹脂層(B−1)を形成した。得られた透明樹脂層(B−1)上にCNT組成物(a−1)を乾燥後の膜厚が50μmとなるようにUV照射付ロールコーターを用いて印刷し、透明樹脂層上にカーボンナノチューブ含有層(A−6)を形成した。その後剥離フィルムを剥離することにより、カーボンナノチューブ含有層(A−6)と透明樹脂層(B−1)が積層された積層体19を得た。
[実施例20]
(積層体20)
厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの片面に剥離処理が施された剥離フィルムの剥離処理面に、透明樹脂組成物(b−1)を乾燥後の膜厚で50μmとなるようにバーコーターを用いて塗工後、電気オーブン中で150±5℃にて20分間乾燥させて透明樹脂層(B−1)を形成した。得られた透明樹脂層(B−1)上にCNT組成物(a−1)を乾燥後の膜厚が10μmとなるようにバーコーターを用いて塗工後、電気オーブン中で150±5℃にて60分間乾燥させ、透明樹脂層上にカーボンナノチューブ含有層(A−1)を形成した。得られたカーボンナノチューブ含有層(A−1)上にアクリル樹脂系粘着剤を乾燥後の膜厚が30μmとなるようにバーコーターを用いて塗工後、電気オーブン中で100±5℃にて5分間乾燥させて接着層(C−1)を形成した後、透明樹脂層上の剥離フィルムを剥離除去し、透明樹脂層とカーボンナノチューブ含有層と接着層が積層された積層体20を得た。
[比較例1]
(積層体21)
CNT組成物(a−1)のかわりにCB組成物(ac−1)を用い、透明樹脂層(B−1)上にカーボンブラック含有層(AC−1)を形成した以外は実施例1と同様にして積層体21を得た。
[比較例2]
(積層体22)
CNT組成物(a−1)のかわりにCB組成物(ac−2)を用い、透明樹脂層(B−1)上にカーボンブラック含有層(AC−2)を形成した以外は実施例1と同様にして積層体22を得た。
<積層体の物性値>
得られた積層体について、透明樹脂層側[B層]を測定面として、L、および平均反射率(%)を測定した。表5、6に結果を示す。
<積層体の評価>
(漆黒性)
積層体の漆黒性を、Lにより、評価した。評価基準は下記の通りである。

◎:L2.0以下 かつb−2以上0.3以下 (優)
○:L2.0を超え2.5以下 かつb−2以上0.3以下 (良)
×:L2.5を超える、 または、b−2未満0.3を超える (不良)
(深み感)
積層体の外観評価として、深み感を、目視により評価した。評価基準は下記の通りである。

◎:深みの優れた外観
○:やや劣るが深みのある外観
×:深みが劣る
上記結果から、カーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物をウエットコート法で層形成してなるカーボンナノチューブ含有層[A層]と、透明樹脂層[B層]とが積層された本発明の積層体は、比較例で使用したカーボンブラックを使用した積層体を用いた場合よりも、漆黒性が高く、さらに深みのある外観に優れた積層体が得られることが確認できた。

Claims (7)

  1. カーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物をウエットコート法で層形成してなるカーボンナノチューブ含有層[A層]と、透明樹脂層[B層]とが積層されてなり、
    カーボンナノチューブ含有層[A層]の膜厚が、10〜50μmであり、
    透明樹脂層[B層]側から測定した積層体のL*が2.5以下、a*が−2以上2以下かつb*が−2以上0.3以下である、積層体(ただし、基材上に、少なくともカーボンナノチューブと樹脂とを含んでなるカーボンナノチューブ含有層が積層された積層体であって、カーボンナノチューブ含有層の積層面に、さらにクリア層が積層された積層体であって、積層された面方向から測定した積層体のL*が2.5以下、a*が−2以上2以下かつb*が−2以上0.3以下であり、基材上のカーボンナノチューブ含有層が塗布して形成されてなり、クリア層が透明樹脂またはガラスである積層体である場合を除く。)。
  2. カーボンナノチューブ含有層[A層]中のカーボンナノチューブの含有量が、3〜30質量%であることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 透明樹脂層[B層]の膜厚が、5〜150μmであることを特徴とする1または2記載の積層体。
  4. 透明樹脂層側[B層]から測定した積層体の波長380〜780nmにおける平均反射率が、5%以下であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載の積層体。
  5. さらに接着層[C層]を有することを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載の積層体。
  6. カーボンナノチューブ含有層[A層]と、透明樹脂層[B層]とが積層された積層体の製造方法であって、
    カーボンナノチューブ含有層[A層]の膜厚が、10〜50μmであり、
    透明樹脂層[B層]側から測定した積層体のL*が2.5以下、a*が−2以上2以下かつb*が−2以上0.3以下であり、
    カーボンナノチューブ含有層[A層]を、カーボンナノチューブと樹脂とを含むカーボンナノチューブ含有樹脂組成物をウエットコート法で層形成することを特徴とする積層体の製造方法(ただし基材上に、少なくともカーボンナノチューブと樹脂とを含んでなるカーボンナノチューブ含有層が積層され、カーボンナノチューブ含有層の積層面に、さらにクリア層が積層された積層体の製造方法であって、積層された面方向から測定した積層体のL*が2.5以下、a*が−2以上2以下かつb*が−2以上0.3以下であり、基材上のカーボンナノチューブ含有層が塗布して形成され、クリア層が透明樹脂またはガラスであることを特徴とする積層体の製造方法を除く。)。
  7. 剥離フィルム上に、カーボンナノチューブ含有層[A層]、および透明樹脂層[B層]を層形成した後、剥離フィルムを剥離して形成することを特徴とする請求項記載の積層体の製造方法。
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