JP4918380B2 - 遮光フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は遮光フィルム及びその製造方法に関し、更に詳しくは、液晶ディスプレイ等のバックライトにより光る表示装置や、バックライトにより数字部分等が光る携帯電話のキーパッド部分等に用いることができる、遮光性に優れるとともに薄型化に適し、更に、一方の面側の光反射率が高く、他方の面側の光沢度が低い遮光フィルム及びその製造方法に関する。
液晶ディスプレイ装置は、通常、液晶を透過するバックライト光により文字、図形等を表示する。バックライト光が液晶ディスプレイの外縁部分等から外部に漏れると、液晶の表示部分を透過する光が弱まり、輝度、コントラスト等が低下するという問題が生じる。また、バックライト光は、限られた光強度で、できるだけ効率よく液晶の表示部分を透過させ省電力化を図ることが求められている。そのため、バックライトと液晶との間であって液晶の外縁部分(図形等が表示されない部分)に、バックライト側の面の光反射率が高く、且つ全体として遮光性の高い遮光シートを配置し、バックライト光の漏れを防止し、バックライト光を効率的に使用する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2002−235053号公報 特開2002−350612号公報 特開2004−244499号公報
特許文献1には、基材フィルムに、黒色着色剤を含有する粘着剤層が設けられた遮光性粘着シートが開示されている。しかし、粘着剤層に単に黒色着色剤を含有させるだけでは遮光性が十分ではなく、遮光性を向上させるためには、厚くする必要があった。特許文献2には、少なくとも2層の金属薄膜層を有するプラスチックフィルムが開示されている。しかし、金属薄膜層では遮光性が十分ではなかった。特許文献3には、基材層に銀層と黒色層とを有する粘着シートが開示されている。銀層が光反射効果を有するが、光反射率が十分ではなかった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、遮光性に優れるとともに薄型化に適し、更に、一方の面側の光反射率が高く、他方の面側の光沢度が低い遮光フィルム及びその製造方法を提供することを特徴とする。
上記課題を達成するため、本発明によって以下の遮光フィルム及びその製造方法が提供される。
[1] 基材フィルム(基材)と、前記基材の一方の面に配設された遮光層とを備えた遮光フィルムであって、前記基材が、白色顔料を含有するか又は表面および内部に微細な独立気泡を有する光反射率80%以上の合成樹脂フィルムであり、前記遮光層が、バインダー樹脂、黒色顔料及びフィラーを含有し、且つその厚さが15μm以下であり、前記遮光層が、その厚さ方向において、前記基材に接する面に近い領域の黒色顔料の濃度が前記基材に接しない面(表面)に近い領域の黒色顔料の濃度より高く、前記遮光層の、前記基材に接する面に近い領域が、バインダー樹脂及び黒色顔料を含有する第1遮光層により構成され、前記遮光層の、前記表面に近い領域が、バインダー樹脂、黒色顔料及びフィラーを含有する第2遮光層により構成され、前記第1遮光層に含有される黒色顔料の濃度が、前記第2遮光層に含有される黒色顔料の濃度より高く、前記第2遮光層に含有される黒色顔料の濃度が3質量%以上であり、全体の厚さが60μm以下の遮光フィルム。
[2] 前記フィラーが有機樹脂粒子及び/又は無機粒子である[1]に記載の遮光フィルム。
] 前記バインダー樹脂が、ガラス転移温度(Tg)10〜150℃のポリエステル樹脂を含有する[1]又は[2]に記載の遮光フィルム。
] 光学濃度が5.0以上であり、前記遮光層の光沢度が6.0%以下である[1]〜[]のいずれかに記載の遮光フィルム。
] 前記白色顔料が、二酸化チタン、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種である[1]〜[]のいずれかに記載の遮光フィルム。
] 白色顔料を含有するか、又は表面および内部に微細な独立気泡を有する、光反射率80%以上の合成樹脂フィルムからなる基材フィルム(基材)の一方の面に、バインダー樹脂及び水分散性の黒色顔料を含有する第1遮光層塗工液を塗布、乾燥し、厚さが1〜6μmの第1遮光層を得る工程と、前記第1遮光層の表面に、バインダー樹脂、水分散性の黒色顔料及びフィラーを含有し、その乾燥後における前記黒色顔料の濃度が前記第1遮光層塗工液の乾燥後における黒色顔料の濃度より低い第2遮光層塗工液を、塗布、乾燥し、厚さが5〜10μmの第2遮光層を得る工程とを有し、前記バインダー樹脂が水溶性又は水分散性であり、前記第1遮光層と前記第2遮光層とから形成される遮光層の厚さを15μm以下とする遮光フィルムの製造方法。
] 前記バインダー樹脂が、ガラス転移温度(Tg)10〜150℃のポリエステル樹脂を含有する[]に記載の遮光フィルムの製造方法。
] 光学濃度が5.0以上であり、前記遮光層の光沢度が6.0%以下である遮光フィルムを作製する[]又は[]に記載の遮光フィルムの製造方法。
] 前記黒色顔料がカーボンブラックである[]〜[]のいずれかに記載の遮光フィルムの製造方法。
本発明の遮光フィルムによれば、基材フィルム(基材)に配設される遮光層が、その厚さ方向において、基材に接する面に近い領域の黒色顔料の濃度が基材に接しない面(表面)に近い領域の黒色顔料の濃度より高いため、遮光層の厚さを15μm以下と薄くしても、遮光性に優れたものとなる。そして、基材が、白色顔料を含有するか、又は表面および内部に微細な独立気泡を有する、光反射率80%以上の合成樹脂フィルムであるため、高効率で光を反射することができる。そして、遮光フィルム全体の厚さを60μm以下という薄いものとすることができる。また、遮光層にフィラーが含まれるため、光沢度が低く、ギラツキがないので液晶表示部の写り込みが少なく、画像をより鮮明にすることができる。これにより、本発明の遮光フィルムは、液晶ディスプレイ等のバックライトにより光る表示装置や、バックライトにより数字部分等が光る携帯電話のキーパッド部分等に好適に用いることができる。また、本発明の遮光フィルムの製造方法は、上記本発明の遮光フィルムを効率的に製造することが可能である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
本発明の遮光フィルムの一実施形態は、基材フィルム(基材)と、基材の一方の面に配設された遮光層とを備えた遮光フィルムであって、基材が、白色顔料を含有するか、又は表面および内部に微細な独立気泡を有する、光反射率80%以上の合成樹脂フィルムであり、遮光層が、バインダー樹脂、黒色顔料及びフィラーを含有し、且つその厚さが15μm以下であり、遮光層が、その厚さ方向において、基材に接する面に近い領域の黒色顔料の濃度が基材に接しない面(表面)に近い領域の黒色顔料の濃度より高く、全体の厚さが60μm以下の遮光フィルムである。以下、その詳細について説明する。
本実施形態の遮光フィルムにおいて、基材フィルム(基材)は、白色顔料を含有する光反射率80%以上の合成樹脂フィルム、又は表面および内部に微細な独立気泡を有する光反射率80%以上の合成樹脂フィルム(発泡白色合成樹脂フィルム)である。これらは、いずれも白色を呈している。これらの合成樹脂フィルムを形成する合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド、液晶ポリマー等が好ましいが、特にポリエステルがコストと性能とのバランスに優れているので好適であり、ポリエステルの中でもPETが好ましい。また、基材フィルムの厚みは、25〜50μmが好ましく、30〜40μmが更に好ましい。
上記、白色顔料を含有する合成樹脂フィルムに用いられる、白色顔料としては、二酸化チタン、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。これらの中でも、二酸化チタンが光反射率を高めるために好ましい。合成樹脂フィルム中に含有される白色顔料の含有量は、3〜35質量%が好ましく、10〜25質量%が更に好ましい。3質量%より少ないと、光反射率が十分でなくなることがあり、35質量%より多いと、フィルムの平滑性が損なわれると共にフィルム強度が低くなることがある。白色顔料の平均粒子径は、0.05〜5μmであることが好ましい。
上記、発泡白色合成樹脂フィルムに含有される微細な独立気泡は、基材フィルム中に均一に分散していることが好ましい。また、「微細な独立気泡」とは、平均径0.1〜5μmの独立気泡を意味する。平均径は、フィルム断面をSEM観察する方法で測定したものである。そして、「独立気泡」とは、フィルム中のボイドのことである。基材フィルム中の独立気泡の含有率(体積%)は、10〜60体積%が好ましい。上記、発泡白色合成樹脂フィルムは、例えば、原料樹脂中に、その樹脂に対して非相溶性の重合体、例えば、ポリエステル樹脂の場合には、ポリオレフィン系、ポリスチレン系などの重合体を配合することにより、延伸時にフィルム中に微細な気泡を発生させて作製することができる。
基材フィルムの光反射率は、80%以上であり、90〜99%が好ましく、93〜99%が更に好ましい。80%より低いと、液晶表示装置等に使用した時に、バックライトの反射が十分ではなく、バックライト光を効率的に使用できなくなることがある。ここで、「光反射率」は、JIS Z8722に準拠した方法で測定した値である。例えば、日本電色工業社製、商品名:コニカミノルタ社製 スペクトロフォトメーターCM−3500dを用いて測定することができる。
本実施の形態の遮光フィルムは、その一方の面に配設される遮光層が、その厚さ方向において、基材に接する面に近い領域の黒色顔料の濃度が基材に接しない面(表面)に近い領域の黒色顔料の濃度より高いものである。黒色顔料の遮光層の厚さ方向における濃度分布は、基材に接する側の面から表面に向かって連続的に低くなってもよいし、断続的に表面側の濃度が低くなってもよい。断続的に表面側の黒色顔料の濃度が低くなる場合とは、例えば、遮光層が、基材に接する面に近い領域を構成する層(第1遮光層)と、表面に近い領域を構成する層(第2遮光層)との2層から形成され、第1遮光層に含有される黒色顔料の濃度が、第2遮光層に含有される黒色顔料の濃度より高くなっている場合である。ここで、「遮光層の、厚さ方向における、基材に接する面に近い領域」というときは、黒色顔料の濃度が遮光層内で厚さ方向に連続的に変わっている場合には、遮光層の基材に接する面から遮光層の厚さの1/2に相当する位置までをいい、遮光層が2層から構成されている場合には、基材に接する側の層(第1遮光層)をいう。また、「遮光層の、厚さ方向における、表面に近い領域」というときは、黒色顔料の濃度が遮光層内で厚さ方向に連続的に変わっている場合には、遮光層の表面から遮光層の厚さの1/2に相当する位置までをいい、遮光層が2層から構成されている場合には、表面側の層(第2遮光層)をいう。また、遮光層が3層以上の層から構成される場合には、「遮光層の、厚さ方向における、表面に近い領域」は、遮光層の最も表面側に位置する層をいい、「遮光層の、厚さ方向における、基材に接する面に近い領域」は、遮光層の最も表面側に位置する層を除いたその他の層をいう。
これにより、本実施形態の遮光フィルムは、遮光層の厚さを15μm以下と薄くしても、遮光性に優れたものとなり、遮光フィルム全体の厚さを60μm以下という薄いものとすることができる。そして、遮光層の表面側の領域の黒色顔料が少なくなる分だけ、表面側の領域フィラーを多く添加することが可能となるため、光沢度が低く、ギラツキがないので液晶表示部の写り込みが少なく、画像をより鮮明にすることができる。
遮光層の厚さは、15μm以下であり、6〜12μmが好ましい。遮光層が、第1遮光層(基材に接する側の層)と第2遮光層(表面側の層)との2層から構成されている場合には、第1遮光層の厚さは、1〜6μmが好ましく、1〜4μmが更に好ましい。また、第2遮光層の厚さは、5〜10μmが好ましく、6〜10μmが更に好ましい。
遮光層に含有される黒色顔料の濃度は、全体として、3〜60質量%であることが好ましく、5〜55質量%であることが更に好ましい。3質量%より少ないと、遮光性及び導電性が低下することがあり、60質量%より多いと塗膜強度が低下することがあり、また、コスト高となる。遮光層が第1遮光層(基材に接する側の層)と第2遮光層(表面側の層)との2層から構成されている場合には、第1遮光層に含有される黒色顔料の濃度は30〜60質量%であることが好ましく、45〜55質量%であることが更に好ましい。また、第2遮光層に含有される黒色顔料の濃度は3質量%以上であることが好ましく、10〜20質量%であることが更に好ましい。
上述のように、本発明の遮光フィルムにおいて、遮光層は、その遮光層中の黒色顔料の濃度が基材側で高くなるように構成すれば、1層から構成されてもよいし、2層以上から構成されてもよいが、生産性、遮光性、光沢度及び薄型化の観点より2層以上であることが好ましい。上述のように、遮光層が第1遮光層(基材に接する側の層)と第2遮光層(表面側の層)との2層から構成されている場合には、第1遮光層には遮光性を高めるために黒色顔料の濃度を、塗膜強度が維持できる範囲で、できるだけ高く保つことが好ましい。そのため、第1遮光層が、バインダー樹脂及び黒色顔料を含有する層であることが好ましく、バインダー樹脂及び黒色顔料のみを含有する層であることが更に好ましい。そして、第1の遮光層の表面に設ける第2遮光層が、バインダー樹脂、黒色顔料及びフィラーを含有する層であることが好ましい。この様に構成することにより、第1遮光層がフィラーを含有しない分だけ黒色顔料の濃度を高くすることが可能になり、薄い層でありながら遮光性を向上させることが可能になる。そして、第2遮光層にフィラーを含有させることにより、表面にフィラーが露出する状態となり、光沢度を低くし、ギラツキがないので液晶表示部の写り込みが少なく、画像をより鮮明にすることが可能となる。フィラーは遮光層の表面に露出させることにより光沢度を低くしているため、基材側に位置する第1遮光層には含有させる必要がない。そして、第2遮光層に含有されるフィラーとしては、有機樹脂粒子、無機樹脂粒子又はこれらの両方であることが好ましい。
遮光層を2層以上にした場合の、各層のバインダー樹脂、黒色顔料及びフィラーの配合のさせ方は、上述した形態に限定されない。例えば、遮光層を2層とした場合には、第1遮光層(基材に接する側の層)にバインダー樹脂と黒色顔料を含有させ(フィラーを含有させない)、第2遮光層(表面側の層)にバインダー樹脂とフィラーを含有させる(黒色顔料を含有させない)ことができる。また、遮光層を2層とした場合に、第1遮光層にバインダー樹脂、黒色顔料及びフィラーを含有させ、第2遮光層にバインダー樹脂、黒色顔料及びフィラーを含有させ、第2遮光層の黒色顔料濃度より第1遮光層の黒色顔料濃度を高くするようにしてもよい。更に、遮光層を3層にして、第1遮光層(基材に接する側の層)にバインダー樹脂と黒色顔料を含有させ(フィラーを含有させない)、中間遮光層(第1遮光層と第2遮光層に挟まれた中間に位置する遮光層)にバインダー樹脂、黒色顔料及びフィラーを含有させ、第2遮光層(表面側の層)にバインダー樹脂とフィラーを含有させる(黒色顔料を含有させない)ことができる。
本実施形態の遮光フィルムは、光学濃度が5.0以上であることが好ましく、遮光層の光沢度が6.0%以下であることが好ましい。光学濃度が5.0より小さいと遮光性において不十分のことがある。遮光層の光沢度が6.0%を超えると、ギラツキのために液晶表示部の写り込みが生じ、特に液晶表示部の外縁部分の画像が不鮮明になることがある。遮光フィルムの光学濃度は光学濃度計(マクベス社製TD−904)を用いて測定した値である。遮光層の光沢度は、光沢度計(村上色彩技術研究所製、GMX−202)を用いて鏡面光沢度を測定して得られた値である。
本実施形態の遮光フィルムは、その厚さが60μm以下であり、30〜50μmが好ましい。60μm超であると、要求されている薄型化という点で満足できるものではない。
本実施形態の遮光フィルムにおいて、バインダー樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリブチラール樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン/ポリブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。本発明で用いるバインダー樹脂は遮光層の薄型化と高遮光性を得るために使用する黒色顔料の粒径をできるだけ小さく、かつ均一に分散させるためにも、水溶性又は水分散性の樹脂を用いるのが好ましい。さらに、バインダー樹脂としては、平面性、摺動性及び耐熱性の面から、Tg(ガラス転移温度)は10℃以上が好ましく、更に好ましくは10〜150℃、特に好ましくは15〜140℃である。軟化点温度は80℃以上が好ましく、更に好ましくは80〜300℃であり、特に好ましくは85〜290℃であり、最も好ましいのは90〜290℃である。
バインダー樹脂としてはポリエステル樹脂を用いるのが更に好ましい。本発明者らは、ポリエステル樹脂をバインダー樹脂として用いる時には、硬度及び耐傷性に優れるとともに、平面性に優れた遮光フィルムが得られることを見出した。前記ポリエステル樹脂は、従来公知の製造方法によりポリオールと多塩基酸を触媒の下で反応させて容易に得ることができる。ポリオールとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール又はテトラエチレングリコールを挙げることができる。多塩基酸としては、芳香族ジカルボン酸、不飽和脂肪族ジカルボン酸、これらの低級アルキルエステル、これらの酸無水物等を挙げることができる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等を挙げることができる。不飽和脂肪族ジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等を挙げることができる。
なお、本実施形態において、Tgは、示差走査熱量測定(DSC)により測定されたものであり、軟化点温度は、針入度法または環球法により測定されたものである。
この遮光層中のバインダー樹脂の含有量は、バインダー樹脂と後述する黒色顔料及びフィラーの合計質量に対し、20〜70質量%であることが好ましく、30〜65質量%であることが更に好ましい。この範囲より少ないと、基材フィルムと遮光層との接着性が低下し、またこの範囲より多いと、遮光性と薄型化及び遮光層表面の光沢度のバランスを取るのが困難になる。
また、前記バインダーは架橋剤により架橋させてもよい。この場合用いられる架橋剤は、バインダー樹脂の官能基と反応性を有する架橋剤を適宜選択すればよく、例えば、水溶性の尿素樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート化合物、アジリジン系化合物等が挙げられる。架橋剤の配合割合は、通常、バインダー樹脂成分100質量部に対し、5〜15質量部の範囲である。この範囲より架橋剤の使用量が少ないと塗膜強度や耐熱性の向上が期待できないし、この範囲を超えて配合してもさらなる向上が期待できない。
本実施形態の遮光フィルムにおいて、黒色顔料としては、従来公知の各種のもの、例えば、カーボンブラックや、チタンブラック等の無機顔料やアニリンブラック等の有機顔料等を用いることができる。黒色顔料の平均粒径は好ましくは1μm以下であり、更に好ましくは0.5μm以下である。その下限値は、通常、0.01μm程度である。平均粒径がこの範囲より大きくなると、遮光性が低下するので好ましくない。このような顔料を凝集させずに、均一に分散させることにより、高遮光性と薄型化に対応することが可能になる。このような顔料としては、黒色顔料を水性溶媒に予め分散したものを用いるのが好ましい。
本発明においては、黒色顔料としてカーボンブラックを用いることが更に好ましい。本発明者らは、カーボンブラックを黒色顔料として用いる時には、遮光性が特に優れた遮光フィルムが得られることを見出した。遮光層中に含有させる黒色顔料は、遮光層表面側よりも遮光層基材側の方が黒色顔料の濃度を高くする必要がある。このようにすることにより、本発明の特徴である十分な遮光層を有することができ、しかもその分、遮光層表面側のフィラー添加量を多くすることができるので、光沢度を十分に低くすることが可能になり、しかも薄膜化が可能になる。黒色顔料の含有量は、遮光層中、3〜60質量%であることが好ましく、5〜55質量%であることが更に好ましい。黒色顔料をこのような範囲にすることにより、遮光フィルムの導電性及び塗膜強度を良好に維持しながら、遮光性に優れたものとすることができる。この範囲より少ないと、遮光性及び導電性が低下し、この範囲より多いと塗膜強度が低下し、またコスト高になる。
本実施形態の遮光フィルムにおいて、フィラーとしては、有機樹脂粒子及び/又は無機粒子を用いることができる。このようなフィラーを含有させることにより塗膜表面に凹凸をつけることができ、その結果光沢度を低下させることができる。
本実施形態の遮光フィルムにおいて用いられる有機樹脂粒子としては、各種の合成樹脂粒子、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン/メラミン/ホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂等が挙げられる。また、無機粒子としては、例えば合成シリカ、天然シリカ、カオリン、タルク、クレー、炭酸カルシウム、チタニア、アルミナ、ジルコニア、ゼオライト、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、ガラス等の粉末からなるものが挙げられる。これらのフィラーは1種又は2種以上を混合して用いることができる。また、前記フィラーの形状は球状品でも粉砕品であってもよいが、球状品を使用することにより、静摩擦係数が低くなり、摺動性が向上するので好ましい。フィラーの含有量は、遮光層中、3〜50質量%、好ましくは5〜45質量%であり、この範囲を逸脱すると、表面の光沢度が増加することがある。フィラーの平均粒径は、0.1〜7μm、好ましくは0.2〜6μmであり、この範囲より大きいと薄膜化が困難となることがあり、小さいとフィルム表面の光沢度が高くなることがある。また、平均粒径の異なる数種類のフィラーを混合して用いることもできる。例えば、遮光層表面に入射する光の角度が低角度から高角度に至るまであらゆる角度に対して光沢度が低くなるように、1μm未満のフィラーと、1〜6μmのフィラーとを混合することが特に好ましい。さらには、フィラーは黒色あるいは濃い色に着色されていてもよい。尚、フィラーの平均粒子径は、上記黒色顔料の平均粒子径の測定方法と同じ測定方法で測定した値である。
本実施形態の遮光フィルムにおいて、遮光層には、上述したバインダー樹脂、黒色顔料、フィラーに加えて、必要に応じて公知の各種添加剤が含有されてもよい。添加剤としては、滑剤、カップリング剤等のフィラーの表面処理剤、界面活性剤、静電防止剤、潤滑剤、消泡剤等を挙げることができる。
次に、本発明の遮光フィルムの製造方法の一の実施形態について説明する。
本発明の遮光フィルムの製造方法の一実施形態は、白色顔料を含有する光反射率80%以上の合成樹脂フィルム、又は表面および内部に微細な独立気泡を有する光反射率80%以上の合成樹脂フィルムのいずれかからなる基材フィルム(基材)の一方の面に、バインダー樹脂及び水分散性の黒色顔料を含有する第1遮光層塗工液を塗布、乾燥し、厚さが1〜6μmの第1遮光層を得る工程と、第1遮光層の表面に、バインダー樹脂、水分散性の黒色顔料及びフィラーを含有し、黒色顔料の濃度が第1遮光層塗工液における黒色顔料の濃度より低い第2遮光層塗工液を、塗布、乾燥し、厚さが5〜10μmの第2遮光層を得る工程とを有し、バインダー樹脂が水溶性又は水分散性であり、第1遮光層と第2遮光層とから形成される遮光層の厚さを15μm以下とするものである。この方法により、2層(第1遮光層と第2遮光層)からなる遮光層と、光反射率80%以上の基材とを有する遮光フィルムを製造することができる。
まず、基材の一方の面にバインダー樹脂及び黒色顔料を含有する第1遮光層塗工液を塗布する。第1遮光層塗工液は、バインダー樹脂及び黒色顔料を溶媒に溶解又は分散し、必要に応じて各種添加剤を添加して混合したものである。溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合物等を用いることができる。本実施形態において、基材、バインダー樹脂、黒色顔料及び各種添加剤は、上記本発明の遮光フィルムの説明において挙げたものを使用することができる。特に、黒色顔料については、カーボンブラックが水分散性であるため、塗工液全体に均一に分散させることができる点で好ましい。これは、第2遮光層塗工液に含有される黒色顔料についても同様である。また、バインダー樹脂については、水溶性又は水分散性であることが、塗工液全体に均一に分散させることができる点で好ましい。これは、第2遮光層塗工液に含有されるバインダー樹脂についても同様である。そして、第1遮光層塗工液中の各配合物の配合量は、乾燥させて第1遮光層を形成したときに、上記本発明の遮光フィルムにおける第1遮光層の各配合物の含有量となるように調製することが好ましい。
ここで、遮光層形成に先立って、必要に応じ、遮光層と基材フィルムの接着性向上のために常用されている表面処理を基材に施すこともできる。このような表面処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処理、火炎処理、紫外線処理、電子線処理、放射線処理等のような表面活性化処理;サンドマット処理、ヘアライン処理等の粗面化処理のような物理的処理;オゾン処理、化学薬品処理のような化学的表面処理;ポリエステル、ポリアミド、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等からなるアンカー層を形成するアンカー処理等が挙げられる。
次に、第1遮光層塗工液を塗布した基材を乾燥させて第1遮光層を形成する。乾燥方法は特に限定されず、公知の方法を使用できるが、熱風乾燥が好ましい。乾燥後の第1遮光層の厚さは、1〜6μmとし、1〜5μmとすることが好ましい。
次に、第1遮光層の表面に、バインダー樹脂、黒色顔料及びフィラーを含有し、黒色顔料の濃度が第1遮光層塗工液における黒色顔料の濃度より低い第2遮光層塗工液を塗布する。第2遮光層塗工液は、バインダー樹脂、黒色顔料及びフィラーを溶媒に溶解又は分散し、必要に応じて各種添加剤を添加して混合したものである。溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合物等を用いることができる。第2遮光層塗工液中の各配合物の配合量は、乾燥させて第2遮光層を形成したときに、上記本発明の遮光フィルムにおける第2遮光層の各配合物の含有量となるように調製することが好ましい。
次に、第2遮光層塗工液を塗布した基材を乾燥させて第1遮光層及び第2遮光層からなる遮光層を形成し、本実施の形態の遮光フィルムを得ることができる。乾燥方法は特に限定されず、公知の方法を使用できるが、熱風乾燥が好ましい。乾燥後の第2遮光層の厚さは、5〜10μmとし、6〜10μmとすることが好ましい。
そして、第1遮光層と第2遮光層とから形成される遮光層の厚さ(遮光層の全体の厚さ)を15μm以下とし、6〜12μmとすることが好ましい。
得られた遮光フィルムは、光学濃度が5.0以上であることが好ましく、遮光層の光沢度が6.0%以下であることが好ましい。光学濃度が5.0より小さいと遮光性において不十分のことがある。光沢度が6.0%を超えると、ギラツキのために液晶表示部の写り込みが生じ、特に液晶表示部の外縁部分の画像が不鮮明になることがある。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
(1)遮光性:
マクベス社製の光学濃度計TD−904にて遮光フィルムの光学濃度を測定した。光学濃度が5以上の場合を良好「○」とし、光学濃度が5より小さい場合を不良「×」とした。
(2)光沢度(%):
光沢度計(村上色彩技術研究所製 GMX−202)にて60°の光沢度を測定した。光沢度が6%以下の場合を良好「○」とし、光沢度が6%より大きい場合を不良「×」とした。
(3)厚さ(μm):
紙厚測定器(シチズン社製 MEI−10)にて3点測定しその平均値を求めた。
(4)光反射率(%):
JIS Z8722に準拠して、日本電色工業社製、商品名:コニカミノルタ社製 スペクトロフォトメーターCM−3500dを用いて測定した。光反射率80%以上を「○」とし、80%未満を「×」とした。
(実施例1)
厚さ38μmの二酸化チタン含有PETフィルム(基材フィルム)の一方の面に、下記処方(組成)の第1遮光層塗工液を塗布し、100℃で2分間乾燥して厚さ2μmの第1遮光層を形成後、この第1遮光層上に、下記処方(組成)の第2遮光層塗工液を塗布し、100℃で2分間乾燥して厚さ7μmの第2遮光層を形成することにより遮光フィルムを得た。なお、遮光フィルム全体の厚さは47μmであった。第2遮光層の黒色顔料の含有量は15.4質量%であった。二酸化チタン含有PETフィルムとしては、光反射率94.3%の東レ社製 ルミラーE20を用いた。得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、遮光層の光沢度及び光反射率を測定した。結果を表1に示す。
第1遮光層塗工液:
バインダー樹脂;ポリエステルエマルジョン(固形分25%の水分散体)
(数平均分子量=(15000)、Tg=20℃) 40.9質量部
黒色顔料;カーボンブラック水分散体(固形分31%の水分散体)
(粒径=(0.3)μm) 35.1質量部
メチルエチルケトン; 19.2質量部
水; 4.8質量部
第2遮光層塗工液:
バインダー樹脂;ポリエステルエマルジョン(固形分30%の水分散体)
(数平均分子量=(20,000)、Tg=61℃) 52.6質量部
黒色顔料;カーボンブラック水分散体(固形分31%の水分散体)
(粒径=(0.3)μm) 11.2質量部
フィラー;シランカップリング処理したシリカ
(粒径=5.0μm) 3.1質量部
エチルアルコール; 4.8質量部
水; 28.3質量部
Figure 0004918380
(実施例2)
第1遮光層の厚さを1μm、第2遮光層の厚さを10μmとした以外は、実施例1と同様の方法で遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、遮光層の光沢度及び光反射率を測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
第1遮光層の厚さを6μm、第2遮光層の厚さを5μmとした以外は、実施例1と同様の方法で遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、遮光層の光沢度及び光反射率を測定した。結果を表1に示す。
(実施例4)
厚さ50μmの二酸化チタン含有PETフィルムを基材フィルムとして用い、第1遮光層の厚さを2μm、第2遮光層の厚さを6μm、とした以外は、実施例1と同様の方法で遮光フィルムを得た。なお、遮光フィルム全体の厚さは58μmであった。得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、遮光層の光沢度及び光反射率を測定した。結果を表1に示す。
(実施例5)
第2遮光層に含有される黒色顔料の濃度を5質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、遮光層の光沢度及び光反射率を測定した。結果を表1に示す。
(実施例6)
第2遮光層に含有される黒色顔料の濃度を3質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、遮光層の光沢度及び光反射率を測定した。結果を表1に示す。
(実施例7)
フィラーを粒径4.5μmのベンゾグアナミン/メラミン/ホルムアルデヒド樹脂とした以外は、実施例1と同様の方法で遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、遮光層の光沢度及び光反射率を測定した。結果を表1に示す。
(実施例8)
厚さ50μmの発泡白色合成樹脂フィルム(光反射率90.7%の東レ社製 ルミラーE60)を基材フィルムとして用い、第1遮光層の厚さを2μm、第2遮光層の厚さを6μm、とした以外は、実施例1と同様の方法で遮光フィルムを得た。なお、遮光フィルム全体の厚さは58μmであった。得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、遮光層の光沢度及び光反射率を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1で使用した第1遮光層塗工液50質量部と第2遮光層塗工液100質量部を混ぜて均一にし、塗工液Aを得た。得られた塗工液Aを、実施例1と同様の二酸化チタン含有PETフィルムの一方の面に塗布し、100℃で2分間乾燥し、厚さ9μmの遮光層を形成し、遮光フィルムを得た。なお、遮光フィルム全体の厚さは47μmであった。得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、遮光層の光沢度及び光反射率を測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で使用した第2遮光層塗工液と同じ組成の塗工液を、実施例1と同様の二酸化チタン含有PETフィルムの一方の面に塗布し、100℃で2分間乾燥し、厚さ2μmの第1遮光層を形成し、次に、第1遮光層の表面に、実施例1で使用した第1遮光層塗工液と同じ組成の塗工液を塗布し、100℃で2分間乾燥し、厚さ7μmの第2遮光層を形成することにより遮光フィルムを得た。なお、遮光フィルム全体の厚さは47μmであった。得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、遮光層の光沢度及び光反射率を測定した。結果を表1に示す。
表1より、実施例1〜8の遮光フィルムは、比較例1,2の遮光フィルムと比較して、遮光性に優れていると共に遮光層の光沢度にも優れていることがわかる。これは、実施例1〜8の遮光フィルムが、第1遮光層に多くのカーボンブラックを有し、狭い範囲に集中的にカーボンブラックが存在することにより、より遮光性が高くなり、さらには、第2遮光層に多くのフィラーを有することにより光沢度を低くすることができたものと考えられる。
本発明は、液晶ディスプレイ、バックライトにより数字部分等が光る携帯電話等のキーパッド部分等に用いる高反射、遮光部材として好適に利用することができる。

Claims (9)

  1. 基材フィルム(基材)と、前記基材の一方の面に配設された遮光層とを備えた遮光フィルムであって、
    前記基材が、白色顔料を含有するか又は表面および内部に微細な独立気泡を有する、光反射率80%以上の合成樹脂フィルムであり、前記遮光層が、バインダー樹脂、黒色顔料及びフィラーを含有し、且つその厚さが15μm以下であり、
    前記遮光層が、その厚さ方向において、前記基材に接する面に近い領域の黒色顔料の濃度が前記基材に接しない面(表面)に近い領域の黒色顔料の濃度より高く、
    前記遮光層の、前記基材に接する面に近い領域が、バインダー樹脂及び黒色顔料を含有する第1遮光層により構成され、
    前記遮光層の、前記表面に近い領域が、バインダー樹脂、黒色顔料及びフィラーを含有する第2遮光層により構成され、
    前記第1遮光層に含有される黒色顔料の濃度が、前記第2遮光層に含有される黒色顔料の濃度より高く、前記第2遮光層に含有される黒色顔料の濃度が3質量%以上であり、
    全体の厚さが60μm以下の遮光フィルム。
  2. 前記フィラーが有機樹脂粒子及び/又は無機粒子である請求項1に記載の遮光フィルム。
  3. 前記バインダー樹脂が、ガラス転移温度(Tg)10〜150℃のポリエステル樹脂を含有する請求項1又は2に記載の遮光フィルム。
  4. 光学濃度が5.0以上であり、前記遮光層の光沢度が6.0%以下である請求項1〜のいずれかに記載の遮光フィルム。
  5. 前記白色顔料が、二酸化チタン、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種である請求項1〜のいずれかに記載の遮光フィルム。
  6. 白色顔料を含有するか、又は表面および内部に微細な独立気泡を有する、光反射率80%以上の合成樹脂フィルムからなる基材フィルム(基材)の一方の面に、バインダー樹脂及び水分散性の黒色顔料を含有する第1遮光層塗工液を塗布、乾燥し、厚さが1〜6μmの第1遮光層を得る工程と、
    前記第1遮光層の表面に、バインダー樹脂、水分散性の黒色顔料及びフィラーを含有し、その乾燥後における前記黒色顔料の濃度が前記第1遮光層塗工液の乾燥後における黒色顔料の濃度より低い第2遮光層塗工液を、塗布、乾燥し、厚さが5〜10μmの第2遮光層を得る工程とを有し、
    前記バインダー樹脂が水溶性又は水分散性であり、
    前記第1遮光層と前記第2遮光層とから形成される遮光層の厚さを15μm以下とする遮光フィルムの製造方法。
  7. 前記バインダー樹脂が、ガラス転移温度(Tg)10〜150℃のポリエステル樹脂を含有する請求項に記載の遮光フィルムの製造方法。
  8. 光学濃度が5.0以上であり、前記遮光層の光沢度が6.0%以下である遮光フィルムを作製する請求項又はに記載の遮光フィルムの製造方法。
  9. 前記黒色顔料がカーボンブラックである請求項のいずれかに記載の遮光フィルムの製造方法。
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