JP2546336B2 - ポリエステルフィルム及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステルフィルム及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、カード・ラベル・表示板・白板・印画紙・
X線増感紙などの基材として用いられる白色ポリエステ
ルフィルム及びその製造方法に関する。
[従来の技術] 従来、白色フィルムを得るために白色の無機粒子を多
量にポリエステルに添加することはよく知られている。
例えば酸化チタンと硫酸バリウムを多量に添加した例
(特公昭56-4901号公報)や硫酸バリウムを多量に添加
した例(特公昭60-30930号公報)などがある。さらに特
公昭43-12013号公報には多量の炭酸カルシウムを添加す
ることが開示されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記のように無機質を多量に含有した
ポリエステルを、通常のキャスティング方法、例えば特
公昭37-6142号公報などに示されているような静電荷を
印加しながら冷却ドラムに密着キャストする方法では、
ドラムに密着している表面では0.5S以下の鏡面に仕上げ
られたドラム面がほぼそのまま転写されるので非常に平
滑なキャストシートとなるが、逆にドラムに密着してい
ない非ドラム面では、物理的に圧縮平滑化する外力が加
わらないので、多量に添加された無機質物質の影響で表
面が粗面化され、いわゆる表裏でポリエステルキャスト
シートの粗さが異なり、その結果、ポリエステルフィル
ムの表裏の白色度などに差が生じてくるのである。さら
に、表裏の表面粗さや白色度の差は、さらに熱的な差に
もつながり、いわゆるフィルムのカールを生じたり、さ
らには接着性の差ともなってくるのである。
本発明の目的は特にカード・ラベル・表示板などの印
刷や記録用の基材として、あるいは写真の印画紙用の基
材として使用した場合、フィルムの表裏でコントラス
ト、色調などに差がなく、さらにX線撮影などで用いら
れる放射線増感シートの基材として使用した場合にも表
裏両面で優れた影像感度と画質をもつ白色ポリエステル
フィルムを提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、光学濃度ODが0.3以上、白色度が60以上
で、厚さ25〜1000μmの二軸配向ポリエステルフィルム
であって、該フィルムの表裏の白色度の差が5以下であ
ることを特徴とするポリエステルフィルムに関するもの
で、さらに該ポリエステルフィルムを得るために、無機
質化合物を5〜60重量%含有したポリエステル溶融体
を、水膜を介在させた冷却媒体上で冷却させることを特
徴とするポリエステルフィルムの製造方法に関するもの
である。
本発明でいうポリエステルとは、ジカルボン酸とジオ
ールとからなるエステル結合を主鎖に有するポリマーで
あり、代表的なジカルボン酸としては、テレフタル酸、
イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジ
フェン酸、ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバ
チン酸、ドデカンジカルボン酸、およびそれらの誘導体
などが挙げられ、またジオールの代表としては、エチレ
ングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、シクロヘキサンジ
メタノール、およびそれらの誘導体や、オキシカルボン
酸からのポリマーなどが挙げられる。本発明のポリエス
テルで、特に好ましいものとしては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレートおよびその誘導体などである。もちろ
ん、用途によってポリエステルは使い分けることが出
来、耐熱性、機械的性質が重視される場合はホモポリマ
ーで、しかも結晶融解熱ΔHuが9cal/g以上で、ガラス転
移温度Tgが70℃以上のポリエステルがよく、逆にソフト
性・柔軟性を重視する時は、結晶融解熱ΔHuが8cal/g以
下の共重合ポリエステルで、エラストマーがよい。
白色度は60以上、好ましくは80以上、さらに好ましく
は95〜120の範囲のものでなければならない。白色度が6
0未満、好ましくは80未満になると、フィルムの白さが
不足し、その結果鮮明な文字や絵が得られなくなるので
ある。また逆に、白色度が120を越えると、可視光線の
フィルム内吸収が少なくなり、隠ぺい力が低下するので
好ましくない。
さらに、この白色度のフィルム表裏での差は5以下、
好ましくは3以下でなければならない。この差が5を越
えると、カードなどの記録用ベースフィルムに使用した
とき、おもて面に記録媒体をコーティングする時と、裏
面にする時とで、あるいは両面に記録媒体をコーティン
グする時に得られるカード類の品質の差が生じるように
なるばかりか、熱的にも表裏で差が生じ、カールや接着
不良などの原因となりやすいためである。
フィルム光学濃度ODが0.3以上、好ましくは0.5以上、
さらに好ましくは0.7以上であることが必要である。0.
3、好ましくは0.5より小さくなると、印刷文字や記録層
が裏面から見えたり、記録層の検出機能低下等のトラブ
ルとなる。
なお、本発明フィルムの隠蔽度は0.9〜2.4、好ましく
は1.2〜1.9の範囲が好ましく、0.9未満の隠蔽度では十
分な光線反射量が得にくく、白さが減少する。また隠蔽
度が2.4を越えると多量のボイドを形成する必要があ
り、フィルム強度と生産性の面で実用性を有しない場合
が多いためである。
さらに本発明フィルムの波長360nmにおける光線反射
率は70%以上、好ましくは90%以上であるのがよい。36
0nmの光線反射率は90%未満では黄味の帯びた金属光沢
となり好ましい白色色相が得にくいためである。
また、本発明のフィルムの見掛け密度は0.75〜1.30g/
cm3、好ましくは0.85〜1.25g/cm3の範囲のものがよい。
見掛け密度が0.75g/cm3未満では、フィルム中のボイド
容積が多く、生産性や機械強度などが劣ることが多いた
めで、一方、1.30g/cm3を越えると本発明の目的である
好ましい白色度と光学濃度ODとが得られにくくなるため
である。
なお、カードなどの記録用途、プリンターなどの印字
材用途などの用途にとって本発明のポリエステルフィル
ムの厚さは、25〜1000μ、好ましくは100〜800μであ
る。上記範囲よりも薄いと強度や耐久性、保持性などが
不足し、厚いと加工性、ハンドリング性、可撓性などか
ら好ましくない。
また、フィルム表面の中心線平均粗さRaは、0.01〜2.
0μm、好ましくは0.02〜1.0μmで、かつ最大粗さRtが
0.1〜20.0μm、好ましくは0.2〜15μmであるのがよ
い。上記範囲より小さいと、光沢がありすぎ美観を損っ
たり、印字性が不十分となる場合が多い。また上記範囲
を超えると均一塗布性が低下したり印字むらが出易く、
実用上問題となることが多い。
さらに、フィルム表裏での表面粗さRaの差は0.03μm
以下、好ましくは0.02μm以下、さらに最大粗さRtの表
裏での差は0.1μm以下、好ましくは0.06μm以下であ
るのが本発明フィルムにとって好ましい。
また光沢度は80%以下、さらに好ましくは35%以下で
あるのが、クッション率は5〜50%のものが本発明フィ
ルムにとって好ましい。
次に、本発明フィルムの製造方法について述べる。
本発明の白色ポリエステルフィルムは上記ポリマーに
白色着色剤などの無機質化合物を添加してフィルムとす
るか、あるいは着色剤入りポリマーをフィルム表面に積
層、コーティングなどで設けるか、あるいはこれらの組
合せにより作られる。最も好ましくは、着色剤を添加し
たポリエステル組成物を二軸配向したものであり、重合
時添加法、重合後のブレンド添加法、マスターチップ添
加法等が有効に適用される。
無機質化合物は、周期率表IIa、IIb、IIIb、IVb、IV
b、Vb、VIa、VIIaから選ばれた少なくとも1個以上の元
素からなる化合物であり、例えば、酸化マグネシウム、
酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カル
シウム、タルクなど、あるいはこれ等の混合物が挙げら
れる。化合物の平均粒径は特に限定されないが、30mμ
〜5μ、好ましくは100mμ〜3μの範囲のものが好まし
い。添加量は単層フィルムの場合は5〜50重量%、好ま
しくは8〜40重量%である。また積層やコーティングの
場合は15〜60重量%の添加量で適用される。本発明フィ
ルムの場合、特に炭酸カルシウムが好ましい。
炭酸カルシウム微粒子としては、合成品と天然品、さ
らにはその結晶タイプとしてカルサイト,アラゴナイ
ト,バテライトなどが挙げられるが、いかなるものであ
ってもよい。また炭酸カルシウムはステアリン酸やドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダやシランカップリング
剤,チタンカップリング剤,などで表面処理されていて
もよく、さらには酸化マグネシウム,酸化アルミニウ
ム,二酸化ケイ素,二酸化チタンなどの不純物が10%以
下含まれていてもよい。ただし白度を高めるには炭酸カ
ルシウム微粒子の周辺にボイド(空隙)を生成すること
が必要であり、ポリエステルと親和性の少ないことが好
ましい。また炭酸カルシウムの平均粒径は粒子分散性と
白度、隠蔽力を高めるためには0.3〜3μが好ましく用
いられる。
まずポリエステル中に添加される無機質化合物の代表
である炭酸カルシウム微粒子の添加時期はポリエステル
重合前でもよく、重合反応中でもよく、また重合終了後
ペレタイズする時に押出機中で混練させてもよく、さら
にシート状に溶融押出しする際に添加し、押出機中で分
散して押出してもよいが、炭酸カルシウム微粒子の分散
性と炭酸ガスによるフィルム内気泡の発生を避けるため
に重合前に添加するのが好ましい。また炭酸カルシウム
添加によるポリエステルの黄化を防止し目的とするフィ
ルム白度を得るには炭酸カルシウム添加時にリン化合物
を添加して炭酸カルシウムの活性を押さえることがよ
い。また螢光増白剤を併用することはさらに好ましい。
もちろんその他の任意の添加剤を併用してもよいことは
明らかである。
本発明のポリエステルフィルムは上記混合物を例えば
260℃〜310℃に加熱された押出機に供給し、T型ダイよ
り溶融押出して20〜65℃に保たれた金属ドラムなどの冷
却媒体上に薄く均一な水膜を介在せしめ、その上で密着
冷却固化せしめて未延伸シートとした後、延伸温度75〜
145℃で、縦方向に2.4〜8.5倍に延伸し、つづいて横
方向に2.5〜6.5倍に延伸する方法や、縦横方向に同時
に2.5〜10倍に延伸する方法がある。特に、炭酸カルシ
ウム微粒子の周辺において白度に優れたボイドをつくり
には従来より延伸温度は低く、延伸倍率は高く設定する
必要があり、とりわけ、白度・隠蔽力への影響が大きい
縦方向の延伸においては延伸温度75〜95℃、延伸倍率3.
0〜7.0倍が好ましい。また二軸延伸されたフィルムの寸
法安定性をよくするために、引き続き175〜230℃で1〜
100秒間の熱固定をしてもよい。さらに、表面活性化処
理、例えばN2,CO2などの各種ガス下でのコロナ放電処
理やプラズマ処理などをして表面ぬれ張力を48dyn/cm以
上にしてもよい。
なお、本発明フィルムの冷却方法としては、公知のエ
アーナイフ法や、静電印加法、さらにはプレスロール法
などの方法を用いると、本発明の目的である表裏での白
色度や、表面粗さなどの物理的な差の小さいフィルムが
得られないためである。すなわち本発明の冷却方法とし
ては、薄く均一な薄膜を表面全面に有した冷却媒体、例
えばキャスティングドラム上にキャストする方法でなけ
ればならない。必要なら静電印加法を併用できる。
ここで使用する液体として水を用いるのが最も実用的
であるが、もちろん品質、用途や製膜プロセス上問題が
なければ、水の代わりに、アルコールなどの有機液体を
用いても、また流動パラフィンなどのワックス類などを
用いてもよい。
更に、水に界面活性剤、アルコールなどの有機薬品、
親水性高分子、オイル、ワックスなどの任意の添加剤を
含有させてもよい。
液膜の厚さは、好ましくは平均3〜50μm、より好ま
しくは5〜20μmである。液膜の厚さが薄すぎると、本
フィルムとキャスティングドラムとの密着力が不足し、
厚みむらの良いフィルムを高速で安定に得ることができ
難くなる。一方、液膜の厚さが厚すぎると、液の冷却が
不十分になり、液が沸騰し、ボイリングマークと呼ばれ
るクレーター状のマークがフィルム上に発生し、表面欠
点となり易い。液膜の幅方向の厚さむらは、好ましくは
10μm以下、より好ましくは5μm以下である。
なお、液膜の厚さは、赤外線水分計などで連続測定で
きる。このように液膜を均一にドラム上にコートする方
法としては、特に限定はしないが、飽和水蒸気を含んだ
気体あるいはミストを、露点以下のドラム表面に吹き付
ける方法、リバースロール、グラビアロールなどの一般
コーターで塗布する方法、不織布、ゴム、スポンジなど
のように液体のしみ出るロールをキャスティングドラム
に直接コンタクトする方法などがある。更に、塗布後、
必要なら液膜を均一にするスムーザーを併置してもよ
い。更に、使用するキャスティングドラム表面は、従来
公知の鏡面クロムメッキしたものでもよいが、液体の塗
布性を向上させるために、ドラム表面を表面濡れ張力60
dyn/cm以上の親水化させたものが好ましい。親水化ドラ
ムとしては、表面を物理的に凹状加工をした、例えばマ
イクロクラックメッキやサンドブラスト加工、更にはセ
ラミック爆発溶射加工などがあり、更に表面に親水化合
物をコーティングしたり、化学的に親水基を結合させる
方法などがある。本発明の場合、耐久性のある親水性、
表面粗さ、熱伝導率、耐衝撃性、取り扱い性等のことを
考慮するとマイクロクラッククロムメッキが最も好まし
い。表面粗さとしては、用途にもよるが、平滑表面が必
要な場合、0.4S以下、より好ましくは0.2S以下であるの
がよい。
なお、該ポリエステルフィルムの表層に接着性を向上
させるために、共重合ポリエステルや、アクリル樹脂、
ウレタン樹脂などの薄い層がコーティングされてあって
もよい。その中で特にスチレンスルホン酸あるいはその
塩を有するあるいは有さないアクリル樹脂が1.0μm以
下のコーティングしてあるものは、磁気記録層や印刷イ
ンキ層等に対して接着性に優れるのである。ここでいう
アクリル共重合体は30〜95モル%の 及び、5〜70モル%の (但しRは水素又はメチル基、R1、R2は炭素数1〜4
のアルキル基であり、R1≦R2を満足する)からなる、
それぞれ1種以上のアクリル系単量体80〜99.9モル%
と、原子団として、−COOH、−CONR45、−NR45、−
OH、 −COOCO−、 (R4、R5は水素又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素
基)から選ばれた基、あるいはこれらの基を直接複合し
た基、あるいはこれらの基に脂肪族炭化水素を介して複
合した基を不飽和炭素間二重結合に直結して有するエチ
レン性不飽和単量体0.1〜20モル%とからなるものが特
に好ましい。防爆性、安全性、製膜工程への適用から、
好ましい形態は水性分散液として用いることである。
上記一般式で示されるアルキルアクリレート成分が共
重合体の成膜形成性、機械的性質及び接着性を決定し、
エチレン性不飽和単量体が更にこれに安定した接着性を
与える。必要ならスチレンスルホン酸塩(H+、NH4 +、N
a+など)を10〜30wt%添加しておくとさらにすぐれた接
着性が得られる。
本発明のポリエステルフィルムにアクリル共重合体層
を設ける方法としては、製膜工程と塗布工程が別々に行
われるのが一般的であるが、最も好ましい製造方法とし
ては、周知の方法で一軸延伸されたポリエステルフィル
ムの少なくとも片面にアクリル共重合体を塗布して乾燥
した後、直角方向に延伸して得られる。もちろん未延伸
フィルムに塗布した後同時二軸延伸する方法も好まし
い。
塗膜の厚みは好ましくは、1μ以下、より好ましくは
0.5μ以下である。厚すぎると接着性の向上は少なくな
る一方、熱による平面性悪化やカールの発生、滑り性の
悪化、ブロッキングの発生などがみられるようになる。
該アクリル共重合体層を設けることにより、記録層や印
刷層に対して優れた接着性を有する複合フィルムが得ら
れる。
ここで記録層とは、文字、画像、信号を記録すること
ができる層をいう。該層を設けたフィルムの具体例とし
ては、磁気カード、磁気ディスク、銀塩フィルム、ジア
ゾニウムフィルム、レントゲン増感紙フィルム、電子写
真フィルム、ラベル、装飾用ディスプレイなどが挙げら
れる。
[測定評価方法] 本発明で用いる主な物性の測定・評価方法を以下に示
す。
(1) 見掛け密度 見掛け密度をASTM-D-1505-68により測定。
(2) 白色度 白色度はJIS-L1015-1981のB法(2波長法)により測
定。
(3) 隠蔽度 マクベス社製透過濃度計(TD-504)で測定した厚さ18
8μmのフィルムの可視光透過濃度を隠蔽度とする。な
お、隠蔽度はフィルム厚みの依存性が大きいので厚さ18
8μm以外のフィルムは次式で補正した値を採用する。
T=201D2‐27D ここで T:厚さ[μm] D:透過濃度[−] (4) 波長360nmの光線反射率 JIS-A5759-1982に従い、日立製作所製分光光高度計
(323型)を用い波長360nmについて酸化マグネシウム標
準白色板に対する分光反射率を測定。
(5) 引張強度 引張強度はASTM-D-882-64Tより測定し、フィルムの縦
および横方向の平均値で示した。
(6) 白色基材特性 カード・印画紙・X線増感紙に加工したときの画像の
色調、コントラスト及び解像力を判定した。判定基準は
次の通りである。
◎:色調、コントラスト、解像力が極めて良い。(本発
明の目的のために特に好ましい。) ○:色調、コントラスト、解像力が良い。
(本発明の目的を達成している。) △:色調、コントラスト、解像力が低く、着色も認めら
れる。(本発明の目的に達しない。) ×:色調、コントラスト、解像力が悪く、明らかな着色
もある。(本発明の目的に達しない。) (7) 中心線平均粗さ及び最大高さ JIS B−0601-1976により、カットオフ0.8mm、測定長4
mmで測定した。
(8) 光学濃度OD マクベス社濃度計モデルTD504で測定する。透過濃度
をD、入射光量をI0、透過光量をIとすると、D=−l
og(I/I0)で定義される。
(9) クッション率 三豊製ダイヤルゲージのスピンドル上部に10gの台座
を取りつけたスピンドルを持ち上げて測定台にセットし
たサンプルの上におろす。台座の上に50gの文銅を載
せ、5秒後の厚みを読みとり、この時の値をbμmと
し、次式によりクッション率Cを算出した。
C=100×(a−b)/a(%) 注) ダイヤルゲージのタイプ:No.2109-10 測定子:3mmφ硬球 (10) 光沢度 JIS-Z8741-1962の方法2によって測定して得られる。
[発明の効果] 本発明の白色ポリエステルフィルムは次のような優れ
た点を有する。
すなわち、フィルム表裏での白色度、および表面粗さ
の差が実質上ないために、 両面に同一の機能を付与でき、両面記録摺動ベース
フィルムなどに利用できる。
片面のみの記録層あるいは印刷層などをラミネート
する場合でも、使用する条件で自由に表でも裏でも利用
でき、生産性、取り扱い性に優れる。
フィルムがカールしにくくなり、平面性、フラット
性に優れたフィルムとなり、カードなどとして使った
時、商品価値が上がる。
その結果、カードなどの記録用途や、プリンター用
印字材、プリンター用受容フィルムなどに優れた性質を
示す。
[実施例] 以下実施例を示して、更に詳しく説明する。
実施例1 ジメチルテレフタレート85重量部、エチレングリコー
ル60重量部とを酢酸カルシウム0.06重量部を触媒として
常法に従いエステル交換反応せしめたのち、トリメチル
ホスフェート0.2重量部含有したエチレングリコール溶
液を添加し、さらに重量平均粒子径1.1μの炭酸カルシ
ウム30重量部含有したエチレングリコールスラリーを添
加し、次いで三酸化アンチモン0.03重量部を触媒として
重縮合反応を行い極限粘度0.64のポリエチレンテレフタ
レートを得た。
このポリエチレンテレフタレート100重量部に対して
螢光増白剤“OB−1"(イーストマン社製)0.025重量部
添加したポリマを170℃で乾燥し、常法により285℃で溶
融押出し、表面温度25℃に保たれ、しかも厚さ8μmの
水膜が均一に塗布してある親水化マイクロクラック表面
を有するクロムメッキドラム(表面粗さ0.2S)上に静電
荷を印加させながら密着冷却して、キャストフィルムを
得た。該フィルムを長手方向に80℃で6.5倍、幅方向に
4.5倍延伸後、200℃で7秒間処理し、厚さ188μmの二
軸延伸フィルムを得た。
得られたフィルムの物性は表1に示したが、白色度に
優れ、しかもフィルムの表裏で白色度に実質上差のない
優れたフィルムであり、両面記録層の必要な用途に利用
しうる。
実施例2 実施例1で用いた重量平均粒径1.1μmの炭酸カルシ
ウムの代わりに、重量平均粒径0.5μmの炭酸カルシウ
ムに変更する以外は、実施例1と全く同様にして厚さ18
8μmの白色ポリエステルフィルムを得た。表1に物性
を示したが、全体に白色度や光沢度などの変化はあるも
のの、白色度や表面粗さの表裏での差のないものが得ら
れた。
比較例1 実施例1で、溶融ポリマーのキャスティングドラム上
に介在させる水膜を、介在させないで、あとは実施例1
と全く同様にして、厚さ188μmの白色ポリエステルを
得た。
表1に示したように、キャスト時に水膜を介在させな
いと、白色度、表面粗さなどにフィルム表裏で差が生じ
ることがわかる。
実施例3 35℃のo−クロロフェノール溶液で測定した固有粘度
0.64のポリエチレンテレフタレートと、別に調節したBa
SO4、TiO2及びSiO2、CaCO3含有ポリエチレンテレフタレ
ートで、BaSO4を4重量%、TiO2を10重量%、SiO2を0.5
重量%、CaCO3を25重量%になるように混合し、押出機
とTダイでシート状に溶融押出して水膜10μmが均一に
塗布してあるキャステシングドラム上に密着させて未延
伸フィルムを得た。該フィルムを縦方向に延伸し、しか
る後そのフィルムの両面にコロナ放電処理してメチルア
クリレート、エチルアクリレート、アクリル酸共重合体
(共重合組成、85:12:3モル%)の水性分散液を固形分
重量6%になるようにし、滑剤として炭酸カルシウム0.
2重量%を加えた塗料を塗布して乾燥した後、直角方向
に延伸後熱処理してフィルム厚みが250μで、塗布厚み
が0.2μの白色フィルムを得た。該フィルムの特性は表
2のとおりであった。
該フィルムの片面に、γ−Fe23、塩化ビニル・酢酸
ビニル共重合体、可塑剤からなる厚さ7μの磁性層を設
け、更にその上にアクリル樹脂の保護層を設けた。磁性
層との接着性は極めて優れていた。
磁性層を設けた面と反対面にオフセットによるUVイン
キの印刷を行った。インキの密着性は極めて良好であっ
た。
このようにして得られた磁気カードは、耐屈曲性、接
着性、印刷性、耐熱性、白色度、遮光性に優れ、印刷面
のポリエステルが露出した部分のギラツキはなく、艶消
しの美観を呈していた。
また打ち抜き性が良く、毛羽立ちは認められなかっ
た。さらに、表裏での物性差がないために、カードなど
がカールなどを起こさず、平面性のよい均一なカードで
あった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学濃度ODが0.3以上、白色度が60以上
    で、厚さ25〜1000μmの二軸配向ポリエステルフィルム
    であって、該フィルムの表裏の白色度の差が5以下であ
    ることを特徴とするポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】無機質化合物を5〜60重量%含有したポリ
    エステル溶融体を冷却媒体上で冷却し、請求項(1)記
    載のポリエステルフィルムを得る方法において、該冷却
    媒体上に水膜を介在させることを特徴とするポリエステ
    ルフィルムの製造方法。
JP63115567A 1988-05-12 1988-05-12 ポリエステルフィルム及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2546336B2 (ja)

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