JP3951423B2 - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステルフィルムに関するものである。詳しくは、耐久性に富み、耐スクラッチ性、白色性に優れた積層ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリエステル中に炭酸カルシウムや酸化チタン、硫酸バリュウム等の無機微粒子を含有せしめた白色ポリエステルフィルムは、広く種々の用途に使用されており、また、該白色ポリエステルフィルムの表層に、さらに粒子を含有せしめたポリエステル層を設け、より機能性を高めた積層ポリエステルフィルムも知られている。このような積層ポリエステルフィルムとしては、例えば、特開平9−187904号公報、特開昭63−87231号等に開示されているものなどがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の積層ポリエステルフィルムにおいては、高白色度を得るために無機微粒子を多量に充填することから、常に、後加工等において添加粒子が脱落しやすいという問題を抱えており、工程汚染や製品欠点を招きやすかった。さらには、マーキングフィルムやポスター等の屋外用途の基材として用いたとき、耐候性が不十分であることから退色や変色に伴う特性低下も生じやすかった。
【0004】
本発明は、上述のような問題点を解決し、高度の耐久性を保持し、しかも優れた耐スクラッチ性、白色性等を有する積層ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成する本発明の積層ポリエステルフィルムは、粒子を含有する白色ポリエステル層を基層とし、その表層の少なくとも片面に、紫外線吸収剤を0.05〜10重量%含有しているとともに前記白色ポリエステル層より粒子含有量の少ないポリエステル層(A)を積層してなり、光の波長300〜350nm域の全光線透過率が30%以下、光の波長400〜700nm域における平均表面反射率が101%以上であることを特徴とする積層ポリエステルフィルムである。
【0007】
もちろん、これらのポリエステルは、ホモポリエステルであっても、コポリエステルであってもよく、共重合成分としては、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分を用いることができる。 また、このポリエステルの中には、必要に応じて、本発明の効果が損なわれない範囲で適宜な添加剤、例えば耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐侯安定剤、染料、分散剤、カップリング剤等が配合されていてもよい。
【0008】
本発明に用いられるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルムは耐水性、耐久性、耐薬品性等に優れているものである。
【0009】
本発明においては、白色ポリエステル層の少なくとも片面に、ポリエステル層(A)を設けるのであるが、この場合、各層は同一のポリエステル組成物であっても、異なったポリエステル組成物であってもよい。特に、異なったポリエステル組組成物、例えば白色ポリエステル層がホモポリエステルでポリエステル層(A)がコポリエステルからなる場合、易接着性等の特性が得られるのでより好ましい。また、白色ポリエステル層がポリエチレンテレフタレートでポリエステル層(A)がポリエチレンナフタレートの場合、耐候性、剛性などの向上効果が得られるので好ましい。
【0010】
本発明における白色ポリエステル層とは、ポリエステルからなる層中に白色染料や白色微粒子等を含有させたものであって、好ましくは層中に無数の微細な気泡を発生させ、この微細な気泡によって光を散乱し、白色不透明とした層である。このとき、白色度、光学濃度を増すために無機系の微粒子をポリエステル中に添加することが好ましい。無機系粒子としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、シリカ、タルク、カオリン、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、アルミナ、リン酸カルシウム、マイカ等を用いることができる。これらの中から選ばれた少なくとも1種以上が用いられればよいが、本発明においては、特に白色度及びその反射率の点から炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機系粒子を使用することがより好ましい。また、白色微粒子は多孔質や中空多孔質等の形態であってもよく、さらには、樹脂に対する分散性を良くするために表面処理が施されたものを用いてもよい。
【0011】
白色微粒子の平均粒子径は、0.05〜5μmが好ましく、0.1〜3μmの範囲にあるものがより好ましい。平均粒子径が上記範囲外では均一分散化が難しくなったり、フィルム表面の平滑性が悪化する場合があるので好ましくない。
【0012】
また、白色微粒子の添加量は、特に限定されないが、1〜35重量%が好ましく、5〜20重量%の範囲にあるものがより好ましい。添加量が上記範囲未満ではフィルムの光学濃度、白色度等の特性を向上させることが難しく、逆に上記範囲以上では延伸時にフィルム破れや、後加工の際に粉発生等の不都合を生じる場合がある。
【0013】
本発明において、積層ポリエステルフィルムの耐スクラッチ性を良くするために、ポリエステル層(A)中の粒子含有量を前述白色ポリエステル層のそれよりも少なくすることが必要である。該層中の粒子含有量が前述白色ポリエステル層を越えると耐スクラッチ性が悪化し、各種の不都合を生じるので好ましくない。ポリエステル層(A)中の粒子含有量は、白色ポリエステル層中の含有量の80%以下、好ましくは60%以下にあるものが耐スクラッチ性がより良好となるので望ましい。含有する微粒子の種類、大きさは白色ポリエステル層と同じでも異なっていてもよい。
【0014】
本発明では、各ポリエステル層に添加する微粒子以外にもポリエステルの重縮合反応系で触媒残渣とリン化合物との反応により析出した微粒子を併用することもできる。析出微粒子としては、例えばカルシウム、リチウム及びリン化合物からなるものまたはカルシウム、マグネシウム及びリン化合物からなるもの等を用いることができる。これらの粒子のポリエステル中での含有量はポリエステル100重量部に対して0.05〜1重量部であることが好ましい。
【0015】
本発明では、本発明の積層ポリエステルフィルムを屋外用基材等に用いたとき、紫外線による基体フィルム層の劣化や退色、変色等を防止するためにポリエステル層(A)に紫外線吸収剤を含有せしめることが必要である。
【0016】
本発明で使用する紫外線吸収剤は、耐熱性に優れ、前述ポリエステルとの相溶性がよく均一分散できるとともに、着色が少なく樹脂に悪影響を及ぼさないものを用いることが望ましい。特に、耐熱性の目安となる紫外線吸収剤5重量%の減量温度が250℃以上のものが製膜性やフィルム特性面で好適である。
【0017】
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系等の各種の適応が可能であり、具体的には、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−4,4’−テトラハイドロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジハイドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ハイドロキシベンゾエート、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2’−ハイドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−t−オクチルフェノール)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジターシャリアミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2(2’−ハイドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−エトキシ−2’−エチルオキザックアシッドビスアニリド、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ハイドロキシベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物等を用いることができる。中でも、好ましいものとしてポリエステルとの相溶性に優れる2,2’,4,4’−テトラハイドロキシ−ベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]を用いることができる。
【0018】
紫外線吸収剤は、特に限定されるものではなく、単独で使用、場合によっては2種以上の併用であってもよい。
【0019】
ポリエステル層(A)における紫外線吸収剤の含有量は0.05〜10重量%であり、0.5〜3重量%の範囲にあるものがより好ましい。含有量が上記範囲外では、十分な耐久性が得られなかったりポリエステルの特性低下を招きやすい。
【0020】
本発明では、本発明の積層ポリエステルフィルムに、より鮮明な白色性や青味を呈した高級なイメージの色目を与えるために、白色ポリエステル層に蛍光増白剤を含有せしめることが望ましい。
【0021】
蛍光増白剤とは、太陽光中や人工光中の紫外線を吸収し、これを紫〜青色の可視光線に変え輻射する機能を保持し、その蛍光作用により高分子物質の明度を低下させることなく白度を助長させる化合物である。蛍光増白剤としては、例えば、商品名“ユビテック”(チバガイギー社)、“OB−1”(イーストマン社)、“TBO”(住友精化(株))、“ケイコール”(日本曹達(株))、“カヤライト”(日本化薬(株))、“リューコプア”EGM(クライアントジャパン(株))等を用いることができる。蛍光増白剤は、特に限定されるものではなく、単独で、場合によっては2種以上の併用であってもよいが、本発明では、特に耐熱性に優れ、前述ポリエステルとの相溶性がよく均一分散できるとともに、着色が少なく、樹脂に悪影響を及ぼさないものを用いることが望ましい。
【0022】
白色ポリエステル層中における蛍光増白剤の含有量は、0.005〜1重量%が好ましく、0.05〜0.5重量%の範囲にあるものがより好ましい。含有量が上記範囲より低いと十分な増白効果が得られにくく、上記範囲を越えるものは均一分散性や白色度が低下しやすい。
【0023】
本発明においては、積層ポリエステルフィルムの厚みは、特に限定されないが、通常は10〜500μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは20〜300μm程度の範囲にあるものが基材フィルムとしての実用面での取扱性に優れるので良いものである。また、積層するポリエステル層(A)の厚みは、0.5〜50μmが好ましく、1〜25μmの範囲にあるものがより好ましい。積層厚みが該範囲外では、十分な紫外線遮断性が得にくく、また、耐スクラッチ性も低下しやすく好ましくない場合があり、さらには反射率の低下を招く場合もある。
【0024】
また、積層ポリエステルフィルムは、屋外用基材に使用した場合、白色ポリエステル層の退色防止性から光の波長300〜350nm域の全光線透過率が30%以下である。全光線透過率が50%を越えるものは、経時による退色、変色が問題となりやすい。
【0025】
また、積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル層(A)側より求めた表面光沢度が60%以上、好ましくは80%以上にあるものが平滑性に優れ、例えば受像基材として用いたとき高精細な像を形成することができるので好ましい。
【0026】
また、積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル層(A)側より求めた光の波長400〜700nm域における平均表面反射率が101%以上である。非常に美しい白さを示すので好ましい。
【0027】
また、本発明の積層ポリエステルフィルムの光学濃度は、0.6以上、1.8以下であることが好ましい。さらに好ましくは、0.8以上、1.5以下である。光学濃度が0.6未満であると、フィルムの隠蔽性が小さいため裏側が透けて見える場合があり、好ましくない。また、光学濃度が1.8を越えるためには、多量の粒子を含まねばならず、フィルムの強度が弱くなる場合があり好ましくない。
【0032】
本発明の積層ポリエステルフィルムは、前述した白色ポリエステル層の少なくとも片面に、ポリエステル層(A)を積層してなるものであるが、特に、その構成として白色ポリエステル層の両面にポリエステル層(A)を積層し、3層積層構成としたものが白色度や隠蔽性、耐スクラッチ性等の特性や実用性の点から望ましい。
【0033】
次に、本発明の積層ポリエステルフィルムの製造方法について、いくつかの例を説明するが、本発明はかかる例のみに限定されるものではない。
【0034】
主押出機(A)と副押出機(B)を有する複合製膜装置において、ポリエステルのチップ及び白色微粒子のマスターチップを混合し充分に真空乾燥した後に、270〜300℃に加熱された主押出機(A)に供給する。また、ポリエステル層(A)を積層するため、別に乾燥したポリエステルのチップ及び紫外線吸収剤のマスターチップ、白色微粒子のマスターチップの混合物を副押出機(B)に供給し、Tダイ3層口金内で押出機(B)のポリマーが押出機(A)のポリマーの表層あるいは両表層にくるように積層してシート状に成形する。
【0035】
この溶融されたシートを、表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気で密着冷却固化し、未延伸の複合フィルムを作製する。該未延伸複合フィルムを80〜120℃に加熱したロール群に導き、長手方向に2〜5倍延伸し、20〜30℃のロール群で冷却する。
【0036】
続いて長手方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き90〜140℃に加熱した雰囲気中で長手方向に垂直な方向に横延伸する。
【0037】
延伸倍率は、縦、横それぞれ2〜5倍に延伸するが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は6〜20倍であることが好ましい。面積倍率が6倍未満であると得られるフィルムの白さが不十分となり、逆に20倍を越えると延伸時に破れを生じやすくなる傾向がある。
【0038】
こうして得られた二軸延伸フィルムの平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で150〜230℃の熱固定を行い、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取り、本発明のフィルムを得ることができる。
【0039】
【特性の測定方法および評価方法】
本発明の特性値は、次の評価方法、評価基準による。
【0040】
(1)粒子の平均粒子径
粒子をエタノール中に分散させ、遠心沈降式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製CAPA4500)を用いて測定し、体積平均径を算出し平均粒子径とした。
【0041】
(2)紫外線遮断性
(株)日立製作所製広帯域自記分光々度計U−3410型を用いて測定し、全光線での波長300〜350nmの吸収スペクトルを測定し、以下の如く判定した。
【0042】
○:良好(全光線透過率30%未満)
△:やや劣る(全光線透過率30%以上50%未満)
×:不良(全光線透過率50%以上)
(3)表面反射率
(株)日立製作所製広帯域自記分光々度計U−3410型を用いて測定し、全光線での波長400〜700nm域における平均表面反射率を求めた。
【0043】
(4)隠蔽性
光学濃度で求め、光学濃度計(マクベス社製 TR927)を用いて測定した。
【0044】
測定値が大きいほど、隠蔽性が高い。
【0045】
(5)表面光沢度
デジタル変角光沢度計(スガ試験機(株)製UGV−5B)を用いて測定した。なお、測定条件は入射角60゜、受光角60゜とした。
【0046】
(6)耐久性
(株)東洋精機製作所製ユーブコン試験機を用いて、ポリエステル層(A)面を500時間照射後、表面の変化を目視観察し、以下の如く判定した。
【0047】
○:良好(変化がない)
△:やや劣る(若干、変色あるいは退色が発生)
×:不良(変色あるいは退色が顕著)
(7)耐スクラッチ性
フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたものをテープ走行試験機を用いてステンレス製ガイドピン(表面粗度:表面平均粗さ40nm)上を走行条件、速度2m/分、巻き付け角90度、出側張力50g、走行回数20往復で走行後、ガイドピン表面に付着した削れ粉を目視で観察し、次の基準で判定した。
【0048】
5点:全く粉が付着していない
3点:やや粉が付着している
1点:多量に粉が付着している
各点の間を4点、1点とし、4点よりも点数の高いものを耐削れ性良好とした。
【0049】
【実施例】
本発明を以下の実施例、比較例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0050】
実施例2
ポリエチレンテレフタレートのチップに、平均粒子径0.5μmの炭酸カルシウム微粒子14重量%添加した原料を180℃で3時間乾燥した後に、押出機Aに供給し、常法により285℃で溶融してTダイ複合口金に導入した。
【0051】
一方、上記ポリエチレンテレフタレートのチップ、平均粒子径0.2μmの酸化ケイ素微粒子0.04重量%、5重量%減量温度が372℃のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤“アデカスタブ”LA−31(旭電化工業(株)製)を樹脂当たり0.8重量%添加した原料を180℃で3時間乾燥した後に、押出機Bに供給し、常法により285℃で溶融してTダイ複合口金内で両表層(実施例2)に積層して、該溶融体シートを表面温度25℃に保たれた冷却ドラム上に静電荷法で密着冷却固化させた。続いて、該未延伸フィルムを常法に従い長手方向には98℃に加熱されたロール群を用いて3.2倍延伸し、25℃のロール群で冷却した。さらに該延伸フィルムをテンターに導き125℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に3.4倍延伸した。その後テンター内で220℃の熱固定を行い、均一に徐冷後巻き取り、白色ポリエステル層50μm、紫外線吸収剤含有ポリエステル層10μmの構成とした積層ポリエステルフィルムを得た。
【0052】
かくして得られたフィルムの特性は、表1の通りであり、紫外線遮断性を有し耐スクラッチ性、反射率、表面光沢度、隠蔽性に優れたものであった。
【0053】
実施例3
実施例2に基づき、実施例2の押出機Aに供給する原料として、実施例2の原料に蛍光増白剤“OB−1”(イーストマン社製)を0.12重量%添加したものを用いた他は、実施例2と同一手法でフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性は、表1に示した如く、各特性に優れたものであった。
【0054】
実施例4、比較例4
実施例3に基づき、実施例3の押出機Bに供給する原料として、実施例3の紫外線吸収剤をベンゾフェノン系紫外線吸収剤“アデカスタブ”LA−51(旭電化工業(株)製)(実施例4)、実施例3の押出機Aに供給する原料として、実施例3の白色微粒子を平均粒径0.3μmのアナターゼ型酸化チタン微粒子(比較例4)としたものを用いた他は、実施例3と同一手法でフィルムを得た。
【0055】
得られた積層ポリエステルフィルムの特性は、表1に示した通りであり、各特性に優れたものであった。
【0058】
比較例1、比較例2
実施例2に基づき、実施例2の押出機Bに供給する原料として、実施例2の押出機Aに供給する原料と同一のもの(比較例1)及びその添加量を18重量%(比較例2)としたものを用いた他は、実施例2と同一手法でフィルムを得た。 得られた積層ポリエステルフィルムの特性は、表1に示した如く、耐スクラッチ性に欠けるものであった。
【0059】
比較例3
実施例2に基づき、実施例2の押出機Bに供給する原料として、紫外線吸収剤を除いたものを用いた他は、実施例2と同一手法でフィルムを得た。
【0060】
得られた積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示した。該フィルムは、耐久性に劣るものであった。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】
本発明の積層ポリエステルフィルムは、耐久性に優れるとともに、高度の耐スクラッチ性が得られ、しかも、きれいな白色性を発現させることができるものである。特に、白さを基調とする印画紙や受容紙等に用いられたときに高級なイメージを与えることができる。
【0063】
本発明の積層ポリエステルフィルムは、上記のような優れた特性を有するので、カード、シール、宅配便伝票、ビデオプリンター用受像紙、バーコードプリンター用受像紙、ポスター、地図、無塵紙、表示板、印画紙、複写紙などに好適に使用できるが、特に表面に印字または印刷されるための基材、特に屋外用基材に最適に用いられる。
Claims (4)
- 粒子を含有する白色ポリエステル層を基層とし、その表層の少なくとも片面に、紫外線吸収剤を0.05〜10重量%含有しているとともに前記白色ポリエステル層より粒子含有量の少ないポリエステル層(A)を積層してなり、光の波長300〜350nm域の全光線透過率が30%以下、光の波長400〜700nm域における平均表面反射率が101%以上であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
- ポリエステル層(A)の積層厚みが、0.5〜50μmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の積層ポリエステルフィルム。
- 白色ポリエステル層及び/またはポリエステル層(A)に蛍光増白剤を含有せしめたことを特徴とする請求項1または2記載の積層ポリエステルフィルム。
- 3層積層構造を呈しており、芯層部が白色ポリエステル層、両表層部がポリエステル層(A)であることを特徴とする請求項1、2または3記載の積層ポリエステルフィルム。
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