JP6467152B2 - 操舵装置 - Google Patents
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Description
舵軸を回転させる駆動機構を有する操舵装置であって、該舵軸は、スクリュー軸両脇の上方でプロペラよりも船首寄り前方に回転自在に2軸配置され、各々の舵軸に舵板が上部で連結され、
巡航直進の保針操船の場合には、両舵板は、プロペラ両脇側方に保持され、
針路を変える変針操船の場合には、少なくとも一方の舵板は、舵軸の回転によりプロペラ側方からプロペラ後流側に旋回可能であり、選択的にもう一方の舵板は、舵軸の回転によりプロペラ側方からプロペラ上流側に旋回可能であることを特徴とする操舵装置。
舵軸の位置を、スクリュー軸上方の両脇にプロペラよりも船首寄り前方に配置し、
1)巡航直進時には、舵板をプロペラ両脇側方に各1枚保持し、
・高アスペクト比の翼により、推進抵抗を低減し推進効率を向上させ、
・スケグと同等の作用により、保針性能を向上させる。
−舵板は、プロペラ側方に船軸中心に線対称に離隔して配置され、
−相互にスタビライザーとして機能し、高い保針性能を提供する。
2)変針時には、
(a)一方の舵板を、舵軸の回転によりプロペラ側方からプロペラよりも上流に旋回し、
舵板の旋回半径を確保し、十分に船体及びプロペラと離隔した位置に舵板は配置され、前方への舵板旋回時にも、
−船体と舵板との間の流れとの直接の相互干渉、
−プロペラ入口流との相互干渉及び、
−船尾近傍の複雑な流れ場並びに船舷近傍に生ずる伴流による影響、
を排し、船速で走行する舵板へ緩流速である水から受ける反力を舵力とし、船軸から離隔したモーメント作用も合わせて高い旋回性能を提供する。
(b)もう一方の舵板は、舵軸の回転によりプロペラ側方からプロペラ後流側に旋回し、大きな舵角によりプロペラ後流を大きな舵角沿いに偏向させ、反力による舵力で高い旋回性能を提供する(プロペラ作用と一体となった運動量理論による力学的解釈)。
2枚の舵板は、直進時にはプロペラの両脇に配置され、これらがプロペラを挟むように構成する空間の船の進行方向前端面がプロペラの軸方向前端面で構成される水流入面よりも、船首方向に突出させた位置となる長さに舵板は構成される。このような構成では、船首方向に突出させた2枚の舵板に挟み込まれる領域により、プロペラへの水流入口の乱れを抑え、入口部での整流効果を与え、プロペラ回転面で2枚の舵に挟み込まれる領域では、水の流れが拘束され、プロペラ後流を整流化し後流の流速を速め、旋回性能を上げるという効果がある。積荷スペースを増加させる都合上、肥大船だと船尾形状を肥大させ、プロペラ上流からの水の流れを船尾船体の流線形状で形成させることができないため、本発明に係る2枚の舵の整流作用の効果が大きくなる。
操舵装置の駆動機構は、各舵板は独立自在に旋回させることができるので、舵板をプロペラまわりに旋回回動して所定の舵角を取ることで、舵を船舶の制動にも自在に利用できるという効果を得る。両方の舵板を各舵軸の回転によりプロペラ側方からプロペラ後流側へ船軸に線対称に、双方の舵板によりプロペラ後流口が閉門されるまで旋回可能とする。すなわち、2枚の舵板がプロペラ後流の仮想的な排出口をいわば門を閉じるように閉塞すれば、2枚の舵板とプロペラとの間の水の粘性及び生成される乱流渦によりプロペラの回転エネルギーが散逸され、早く停止する作用を与え、迅速な逆転操船に移ることを可能とする。
制動力が最大化されるという効果が得られる。
各油圧シリンダにより水平往復駆動されるロッド軸と、
各ロッド軸の往復動を前記舵軸の回転揺動に変換する舵柄と、
前記舵軸に連結固定される前記舵柄を該ロッド軸に回転自在に連結する連結ピンと、
舵柄の操縦角を測定するポインター及びスケールと、
で構成されるリンク機構は、該油圧シリンダ・ロッド機構の一端が水平面上で枢動自在に船体と連結固定され、両枢動連結点の離隔距離よりも両連結ピンの離隔距離が大きい一組の油圧駆動機構ユニットを構成し、
前記駆動機構は、二組の該油圧駆動機構ユニットを備えて各独立に各舵軸を回転駆動するものであって、
該ロッド軸で駆動される該舵柄の操舵中立点は操舵角0°と規定され、
面舵変針時には、上方から見て、左舷若しくは右舷の舵のうち少なくともいずれか一方の舵を舵柄操縦角の中立点から反時計回りに旋回させ、
又は、
取舵変針時には、上方から見て、左舷若しくは右舷の舵のうち少なくともいずれか一方の舵を舵柄操縦角の中立点から時計回りに旋回させ、
又は、
制動急減速時には、上方から見て、左舷の舵は、舵柄操縦角の中立点から時計回りに45°以上旋回させ、同時に右舷の舵は、舵柄操縦角の中立点から反時計回りに45°以上旋回させ、
又は、
プロペラ遊転抑止時には、上方から見て、左舷の舵は、舵柄操縦角の中立点から反時計回りに旋回させ、同時に右舷の舵は、舵柄操縦角の中立点から時計回りに旋回させることが可能であることを特徴とする請求項1〜11のうちいずれか1項に記載の操舵装置。
舵軸の回転によりプロペラ側方からプロペラ上流側への旋回舵角の最大値70°とするのは、急制動時であって、こちらも理想的には、90°の舵角が望ましいが、70°でもほぼ進行方向に垂直な抵抗面を船舷に突出させることができ、減速させるに十分である。プロペラ上流側への旋回舵角の最大値70°とされる場合には、舵輪ステアリングについては、従来の機構と操船方法では、面舵一杯又は取舵一杯に操作することに相当する。
門形状は、簡易な構造であり加工し易いという利点がある。
油圧シリンダ100により水平往復駆動される二つのロッド軸101と該油圧シリンダ100に駆動されるロッド軸101に連結される舵柄102と、前記舵軸40に連結される前記舵柄102をロッド軸に回転自在に連結する連結ピン104から成るリンク機構は、該ロッド軸の延長線が水平面上に交差する位置に配置され、油圧シリンダの他端は船体に枢動自在に連結固定されている。
従来、面舵一杯でも舵角35°が限度であった油圧シリンダ・ピストン駆動系では、面舵取舵で合わせて70°の舵角限度であるが、二つのシリンダ機構を交差使用することで140°の舵角を実現することができる。図8に示す実施形態では、各舵軸に二つの油圧シリンダ・ピストン機構を配置し、各舵軸に140°までの舵角を与える機構を配している。この場合にあっては、主舵取舵一杯で140°をすべて割当てるのではなく、制動舵のため前方へ70°と90°近くを割り当てる点が従来の操舵機構と異なる点である。
巡航直進の保針操船の場合に舵板30が船軸と平行に配置されるとき、複数二つの油圧シリンダの各シリンダ軸力が合成する力線方向が操舵可能舵角範囲の二分の一の角度をなす位置に構成され、各舵板30は、巡航直進の保針操船の配置からプロペラ後流方向に旋回可能であり、各舵板は、巡航直進の保針操船の配置から船首方向にマイナス角度旋回可能とするよう、各独立に自在に回転可能に構成されている。
11 船尾管
20 プロペラ
21 プロペラ前端面
22 プロペラ後端面
23 2枚の舵板がはさむ空間前端面
24 2枚の舵板がはさむ空間後端面
30 舵板
40 舵軸
100 油圧シリンダ
101 ロッド
102 舵柄
103 ポインター
104 連結ピン
105 高圧ホース
106 高圧ホース
107 架台
200 油圧駆動機構ユニット
201 駆動機構
Claims (7)
- 舵軸を回転させる駆動機構を有する操舵装置であって、
前記舵軸は、スクリュー軸両脇の上方でプロペラよりも船首寄り前方に回転自在に2軸配置され、各々の舵軸に対応する舵板が上部で連結され、
各舵板がプロペラ両脇側方に保持される、巡航直進の保針操船状態と、
一方の舵板が舵軸の回転によりプロペラ側方からプロペラ後流側に旋回し、他方の舵板が舵軸の回転によりプロペラ側方からプロペラ上流側に旋回し、針路を変える変針操船状態と、に選択可能であり、
減速急停止時に、両方の舵板を各舵軸の回転によりプロペラ側方からプロペラ上流側へ船軸に線対称に−45°を超えて旋回可能に構成されている、
ことを特徴とする操舵装置。 - 舵軸を回転させる駆動機構を有する操舵装置であって、
前記舵軸は、スクリュー軸両脇の上方でプロペラよりも船首寄り前方に回転自在に2軸配置され、各々の舵軸に対応する舵板が上部で連結され、
各舵板がプロペラ両脇側方に保持される、巡航直進の保針操船状態と、
一方の舵板が舵軸の回転によりプロペラ側方からプロペラ後流側に旋回し、他方の舵板が舵軸の回転によりプロペラ側方からプロペラ上流側に旋回し、針路を変える変針操船状態と、に選択可能であり、
減速急停止時に、両方の舵板を各舵軸の回転によりプロペラ側方からプロペラ上流側へ船軸に線対称に舵角±90°に旋回可能に構成されている、
ことを特徴とする操舵装置。 - 舵軸を回転させる駆動機構を有する操舵装置であって、
該舵軸は、スクリュー軸両脇の上方でプロペラよりも船首寄り前方に回転自在に2軸配置され、各々の舵軸に対応する舵板が上部で連結され、
各舵板がプロペラ両脇側方に保持される、巡航直進の保針操船状態と、
一方の舵板が舵軸の回転によりプロペラ側方からプロペラ後流側に旋回し、他方の舵板が舵軸の回転によりプロペラ側方からプロペラ上流側に旋回し、針路を変える変針操船状態と、に選択可能であり、
前記舵軸の回転により旋回される前記舵板の旋回の操舵角中央点と操舵桿中立点とが異なる、
ことを特徴とする操舵装置。 - 前記巡航直進の保針操船状態における、2枚の舵板によりプロペラを挟むように構成する空間の船の進行方向前端面がプロペラの軸方向前端面で構成される水流入面よりも船首方向に突出させた位置となる長さに2枚の舵板は構成されている、請求項1に記載の操舵装置。
- 前記巡航直進の保針操船状態における、2枚の舵板によりプロペラを挟むように構成する空間の船尾方向後端面がプロペラの軸方向後端面で構成される水流出面よりも、船尾方向に突出させた位置となる長さに2枚の舵板は構成されている、請求項1に記載の操舵装置。
- 前記駆動機構は、その動力源が二本の油圧シリンダ・ロッド機構と、
各油圧シリンダにより水平往復駆動されるロッド軸と、
各ロッド軸の往復動を前記舵軸の回転揺動に変換する舵柄と、
前記舵軸に連結固定される前記舵柄を該ロッド軸に回転自在に連結する連結ピンと、
舵柄の操縦角を測定するポインター及びスケールと、
で構成されるリンク機構は、該油圧シリンダ・ロッド機構の一端が水平面上で枢動自在に船体と連結固定され、両枢動連結点の離隔距離よりも両連結ピンの離隔距離が大きい一組の油圧駆動機構ユニットを構成し、
前記駆動機構は、二組の該油圧駆動機構ユニットを備えて各独立に各舵軸を回転駆動するものであって、
前記ロッド軸で駆動される前記舵柄の操舵中立点は操舵角0°と規定され、
(1)面舵変針時には、上方から見て、左舷若しくは右舷の舵のうち少なくともいずれか一方の舵を舵柄操縦角の中立点から反時計回りに旋回させ、
(2)取舵変針時には、上方から見て、左舷若しくは右舷の舵のうち少なくともいずれか一方の舵を舵柄操縦角の中立点から時計回りに旋回させ、
(3)制動急減速時には、上方から見て、左舷の舵は、舵柄操縦角の中立点から時計回りに45°以上旋回させ、同時に右舷の舵は、舵柄操縦角の中立点から反時計回りに45°以上旋回させ、
(4)プロペラ遊転抑止時には、上方から見て、左舷の舵は、舵柄操縦角の中立点から反時計回りに旋回させ、同時に右舷の舵は、舵柄操縦角の中立点から時計回りに旋回させ、
ることの少なくとも一つが可能である請求項1〜5のいずれか1項に記載の操舵装置。 - 一つの前記舵板の操舵可能最大舵角を133°〜140°とした請求項6に記載の操舵装置。
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