JP6466020B1 - 電子銃、電子線適用装置、電子銃による電子射出方法、および、電子ビームの焦点位置調整方法 - Google Patents

電子銃、電子線適用装置、電子銃による電子射出方法、および、電子ビームの焦点位置調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電子銃を相手側装置に搭載した後に、電子ビームの焦点を短焦点側および長焦点側に調整できる装置を提供する。【課題を解決する手段】フォトカソードと、アノードと、を含む電子銃であって、前記電子銃は、前記フォトカソードと前記アノードとの間に配置する中間電極を更に含み、前記中間電極は、前記フォトカソードから射出した電子ビームが通過する電子ビーム通過孔を有し、前記電子ビーム通過孔には、電圧の印加により前記フォトカソードと前記アノードとの間に電界が形成された際に、前記電界の影響を無視できるドリフトスペースが形成されている電子銃。【選択図】図1

Description

本出願における開示は、電子銃、電子線適用装置、電子銃による電子射出方法、および、電子ビームの焦点位置調整方法に関する。
フォトカソードを搭載した電子銃、当該電子銃を含む電子顕微鏡、自由電子レーザー加速器、検査装置等の電子線適用装置(以下、電子線適用装置から電子銃を除いた装置を「相手側装置」と記載することがある。)が知られている(特許文献1参照)。
電子銃を備えた装置は、明るい像、高い解像度が得られることが好ましい。そのため、電子銃を最初に相手側装置に搭載した時や電子銃を交換した時に、電子銃から射出した電子ビームが、相手側装置の電子光学系の光軸と一致するように、電子ビームの入射軸を調整する作業が一般的に行われている。また、電子ビームの入射軸の調整に加え、相手側装置の所望の位置で電子ビームが焦点を結ぶように、焦点位置を調整する作業も一般的に行われている。
電子ビームの焦点位置を調整する方法として、電子銃の取付位置の調整以外に、フォトカソードとアノードとの間にウェーネルト電極を設けることが知られている(特許文献2および3参照)。ウェーネルト電極に電圧を印加することで、フォトカソードから射出した電子ビームを絞ることができ、その結果、ウェーネルト電極を用いない場合と比較して、焦点位置を電子銃側に移動することができる。
国際公開第2015/008561号公報 国際公開第2011/034086号公報 特表2002−539633号公報
上記のとおり、ウェーネルト電極を用いることで、電子銃を相手側装置に搭載後、電子銃を固定した状態で電子銃の焦点位置を変えることができる。ところで、電子銃の搭載位置によっては、焦点を電子銃から離れた方向(以下、「長焦点側」と記載することがある。)に制御したい場合もある。しかしながら、本発明者らは、ウェーネルト電極を用いた場合、次の問題点があることを見出した。
(1)ウェーネルト電極は、電圧を印加した際に電子ビームを絞ることで焦点位置を電子銃側(以下、「短焦点側」と記載することがある。)に調整するために用いられる。したがって、通常は短焦点側への調整しかできない。
(2)電子銃を相手側装置に搭載する際に、ウェーネルト電極に印加する電圧の上下限値の中間値程度の電圧を印加する状態を初期設定と仮定する。その場合、ウェーネルト電極に印加する電圧値を調整することで、電子銃を相手側装置に搭載した後に、電子ビームの焦点を短焦点側および長焦点側に調整することは、原理的には可能である。しかしながら、ウェーネルト電極は、電極に電圧を印加することで発生した電界により電子ビームを絞る。そのため、電子ビームの幅を調整できるのは、電子ビームがウェーネルト電極を通過する間のみとなることから、仮に短焦点側および長焦点側に焦点位置を調整できたとしても、調整する範囲が狭い。
(3)現状では、電子銃を相手側装置に搭載した後に、電子ビームの焦点を短焦点側および長焦点側、換言すると、2つの異なる方向に調整する方法(装置)は、ウェーネルト電極以外に知られていない。
本発明者らは、鋭意研究を行ったところ、(1)フォトカソードとアノードとの間に中間電極を設け、(2)該中間電極には、印加した電圧によりフォトカソードとアノードとの間に電界が形成された際に、電界の影響を無視できるドリフトスペースが形成されている電子ビーム通過孔を設け、(3)フォトカソードから射出した電子ビームを、ドリフトスペースが形成されている電子ビーム通過孔を通してアノード側に射出する際に、ドリフトスペース内で電子ビームの幅を広げるという新たな方法(装置)により、電子ビームの焦点位置を短焦点側および長焦点側の何れの方向にも調整できること、を新たに見出した。
そこで、本出願の開示の目的は、電子ビームの焦点位置を短焦点側および長焦点側の何れの方向にも調整ができる新たな装置(方法)を用いた電子銃、電子線適用装置、電子銃による電子射出方法、および、電子ビームの焦点位置調整方法を提供することにある。本出願の開示のその他の任意付加的な効果は、発明を実施するための形態において明らかにされる。
本出願は、以下に示す、電子銃、電子線適用装置、電子銃による電子射出方法、および、電子ビームの焦点位置調整方法に関する。
(1)フォトカソードと、
アノードと、
を含む電子銃であって、
前記電子銃は、
前記フォトカソードと前記アノードとの間に配置する中間電極
を更に含み、
前記中間電極は、
前記フォトカソードから射出した電子ビームが通過する電子ビーム通過孔を有し、
前記電子ビーム通過孔には、電圧の印加により前記フォトカソードと前記アノードとの間に電界が形成された際に、前記電界の影響を無視できるドリフトスペースが形成されている
電子銃。
(2)前記中間電極は、
前記電子ビーム通過孔の中心軸方向の長さをD、
前記電子ビーム通過孔の電子ビームの入口の断面長をa、
前記電子ビーム通過孔の電子ビームの出口の断面長をb、
と規定した際に、
D/(a/2+b/2)が1より大きい関係を有する
上記(1)に記載の電子銃。
(3)前記中間電極を、前記フォトカソードと前記アノードとの間で、前記電子ビーム通過孔の中心軸方向に駆動するための駆動部を含む
上記(1)または(2)に記載の電子銃。
(4)前記中間電極の前記電子ビーム通過孔の中心軸方向の長さDが可変である
上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の電子銃。
(5)前記フォトカソードと前記アノードとの間に電界を形成し、前記中間電極に電圧を印加する電源を含む、
上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の電子銃。
(6)前記フォトカソードの電圧を第1電圧、前記アノードの電圧を第2電圧と規定した際に、
前記電源は、前記第1電圧より相対的にプラスで、前記第2電圧より相対的にマイナスの範囲内で前記中間電極に電圧を印加できる
上記(5)に記載の電子銃。
(7)前記フォトカソード、及び/又は、前記アノードを、前記電子ビーム通過孔の中心軸方向に駆動するための駆動部を含む
上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の電子銃。
(8)上記(1)乃至(7)のいずれか一つに記載の電子銃を含む電子線適用装置であって、
前記電子線適用装置は、
自由電子レーザー加速器、
電子顕微鏡、
電子線ホログラフィー装置、
電子線描画装置、
電子線回折装置、
電子線検査装置、
電子線金属積層造形装置、
電子線リソグラフィー装置、
電子線加工装置、
電子線硬化装置、
電子線滅菌装置、
電子線殺菌装置、
プラズマ発生装置、
原子状元素発生装置、
スピン偏極電子線発生装置、
カソードルミネッセンス装置、または、
逆光電子分光装置
である
電子線適用装置。
(9)電子銃による電子ビームの射出方法であって、
前記射出方法は、
フォトカソードからアノードに向けて電子ビームを射出する電子ビーム射出工程、
前記フォトカソードから射出した電子ビームが、中間電極の電子ビーム通過孔に形成され、且つ、電圧の印加により前記カソードと前記アノードとの間に形成された電界の影響を無視できるドリフトスペースを通過するドリフトスペース通過工程、
前記ドリフトスペース通過工程後の電子ビームが、前記アノードに向けて収束する電子ビーム収束工程、
を含む
電子銃による電子ビームの射出方法。
(10)上記(9)に記載の電子銃による電子ビームの射出方法の電子ビーム射出工程(ST1)から電子ビーム収束工程(ST3)の間において、
電子ビーム幅調整工程を含む、
電子ビームの焦点位置調整方法。
本出願の開示により、電子銃を相手側装置に搭載した後であっても、電子ビームの焦点位置を、短焦点側および長焦点側の何れの方向にも調整できる。
図1は、電子銃1、および、電子銃1を搭載した装置を模式的に示す図である。 図2は、電子銃1、および、電子銃1を搭載した装置を模式的に示す図である。 図3は、中間電極2の概略について説明する図である。 図4は、カソード3とアノード4との間に、ドリフトスペース24を有する中間電極2を設けることで、焦点距離を調整できる原理を説明するための図である。 図5は、カソード3とアノード4との間に、ドリフトスペース24を有する中間電極2を設けることで、焦点距離を調整できる原理を説明するための図である。 図6は、焦点位置調整の第1の実施形態の概略を説明するための図である。 図7は、焦点位置調整の第2の実施形態の概略を説明するための図である。 図8は、焦点位置調整の第3の実施形態の概略を説明するための図である。 図9は、焦点位置調整の第3の実施形態の概略を説明するための図である。 図10は、焦点位置調整の第4の実施形態の概略を説明するための図である。 図11は、焦点位置調整の第5の実施形態の概略を説明するための図である。 図12は、電子ビームの射出方法の実施形態について説明するための図である。 図13は、実施例1について説明するための図である。 図14は、実施例2について説明するための図である。 図15は、実施例3について説明するための図である。
以下、図面を参照しつつ、電子銃、電子線適用装置、電子銃による電子射出方法、および、電子ビームの焦点位置調整方法について詳しく説明する。なお、本明細書において、同種の機能を有する部材には、同一または類似の符号が付されている。そして、同一または類似の符号の付された部材について、繰り返しとなる説明が省略される場合がある。
(電子銃の実施形態)
図1を参照して、電子銃の構成例の概略について説明する。図1は、電子銃1、および、電子銃1を搭載した相手側装置Eを模式的に示す図である。
電子銃1の実施形態は、中間電極2と、フォトカソード3と、アノード4と、を少なくとも具備している。また、必要に応じて、電源6と光源7を、電子銃1を構成する要素として具備していてもよい。なお、電源6と光源7は、電子銃1を作動させる際に、別途取り付けてもよい。
中間電極2は、フォトカソード3から射出した電子ビームが通過する電子ビーム通過孔21を有している。また、電子ビーム通過孔21には、フォトカソード3とアノード4との間の電圧差により形成された電界の影響を無視できるドリフトスペースが形成されている。中間電極2の構成の詳細については後述する。
図1に記載の例では、中間電極2、フォトカソード3、アノード4は、真空チャンバーCB内に配置されている。フォトカソード3は、光源7から照射される励起光Lの受光に応じて、電子ビームBを射出する。より具体的には、フォトカソード3中の電子は、励起光Lによって励起され、励起された電子が、フォトカソード3から射出される。射出した電子は、アノード4とカソード3とによって形成される電界により、電子ビームBを形成する。なお、本明細書における「フォトカソード」と「カソード」との記載に関し、電子ビームを射出するという意味で記載する場合には「フォトカソード」と記載し、「アノード」の対極との意味で記載する場合には「カソード」と記載することがあるが、符号に関しては、「フォトカソード」および「カソード」の何れの場合でも3を用いる。
図1に記載の例では、励起光Lが、フォトカソード3の正面側から照射されているが、代替的に、励起光Lが、フォトカソード3の背面側から照射されるようにしてもよい。また、図1に記載の例では、フォトカソード3は、電子ビーム通過孔5hを備えたフォトカソード収納容器5内に配置されている。フォトカソード収納容器5内には、フォトカソード3をEA表面処理(換言すれば、電子親和力の低下処理)するための処理材料5mが配置されていてもよい。
フォトカソード3を形成するためのフォトカソード材料は、励起光を照射することで電子ビームを射出できれば特に制限はなく、EA表面処理が必要な材料、EA表面処理が不要な材料等が挙げられる。EA表面処理が必要な材料としては、例えば、III−V族半導体材料、II−V族半導体材料が挙げられる。具体的には、AlN、CeTe、GaN、1種類以上のアルカリ金属とSbの化合物、AlAs、GaP、GaAs、GaSb、InAs等およびそれらの混晶等が挙げられる。その他の例としては金属が挙げられ、具体的には、Mg、Cu、Nb、LaB、SeB、Ag等が挙げられる。前記フォトカソード材料をEA表面処理することでフォトカソード3を作製することができ、該フォトカソード3は、半導体のギャップエネルギーに応じた近紫外−赤外波長領域で励起光の選択が可能となるのみでなく、電子ビームの用途に応じた電子ビーム源性能(量子収量、耐久性、単色性、時間応答性、スピン偏極度)が半導体の材料や構造の選択により可能となる。
また、EA表面処理が不要な材料としては、例えば、Cu、Mg、Sm、Tb、Y等の金属単体、或いは、合金、金属化合物、又は、ダイアモンド、WBaO、Cs2Te等が挙げられる。EA表面処理が不要であるフォトカソードは、公知の方法(例えば、特許第3537779号等を参照)で作製すればよい。フォトカソード3として、EA表面処理が不要なフォトカソードを用いた場合は、フォトカソード収納容器5は配置しなくてもよい。
アノード4は、カソード3と電界を形成できるものであれ特に制限はなく、電子銃の分野において一般的に用いられているアノードを使用することができる。
電子銃1の実施形態では、カソード3からアノード4に向けて電子ビームBが射出できれば、電源の配置に特に制限はない。例えば、カソード3の電圧を第1電圧、アノード4の電圧を第2電圧と規定した際に、
(1)第1電圧より相対的に第2電圧がプラスになるように電位差を設けることでカソード3とアノード4との間に電界が形成され、
(2)中間電極2には、第1電圧より相対的にプラス、第2電圧より相対的にマイナスとなる範囲内で電圧が印加され、
ればよい。
なお、中間電極2に印加される電圧は、第1電圧より相対的にプラス、第2電圧より相対的にマイナスの範囲内であれば可変であってもよい。
より具体的には、図1に示す例では、第1電源6aと第2電源6bの2つの電源を具備している。図1に示す例では、第1電源6aによりカソード3(「フォトカソード3」、または、「フォトカソード3+フォトカソード収納容器5」)に電圧を印加することで、カソード3とアノード4との間に電位差が生じ、電界を形成できる。また、第2電源6bを用いて、中間電極2に電圧を印加できる。
また、図2に示す例では、具備する電源6が一つの例を示している。図2に示す例では、電源6と中間電極2を接続する回路に第1抵抗8aを設け、電源6とアノード4を接続する回路であって、中間電極2への回路分岐点よりアノード4側に、第2抵抗8bを設けている。第1抵抗8a及び第2抵抗8bの抵抗値は、
(1)第1電圧より相対的に第2電圧がプラスになるように電位差を設けることでカソード3とアノード4との間に電界が形成され、
(2)中間電極2には、第1電圧より相対的にプラス、第2電圧より相対的にマイナスとなる範囲内で電圧が印加される、
ように、適宜調整すればよい。また、第1抵抗8a及び第2抵抗8bは、固定抵抗であってもよいし、可変抵抗であってもよい。
なお、図示は省略するが、カソード3に電圧を印加する電源、中間電極2に電圧を印加する電源、及び、アノード4に電圧を印加する電源、つまり、3つの電源6を具備していてもよい。電源6は、電子銃の分野で一般的に用いられている電源を使用することができる。
光源7は、フォトカソード3に励起光Lを照射することで、電子ビームBを射出できるものであれば特に制限はない。光源7は、例えば、高出力(ワット級)、高周波数(数百MHz)、超短パルスレーザー光源、比較的安価なレーザーダイオード、LED等が挙げられる。照射する励起光Lは、パルス光、連続光の何れでもよく、目的に応じて適宜調整すればよい。図1に記載の例では、光源2は、真空チャンバーCB外に配置されている。代替的に、光源2を真空チャンバーCB内に配置しても構わない。
(中間電極2の概略)
図3を参照して中間電極2の概略について説明する。図3Aは、カソード3、中間電極2、アノード4の概略断面図、図3Bは図3AのX−X’断面図、図3Cは図3AのY−Y’断面図である。図3に示す例では、中間電極2は中空の円筒で形成されている。中間電極2は、内部にフォトカソード3から射出した電子ビームが通過する電子ビーム通過孔21が形成され、電子ビーム通過孔21のフォトカソード3側には電子ビームの入口22、電子ビーム通過孔21のアノード4側には電子ビームの出口23が形成されている。カソード3とアノード4との間に電位差が生じるように電圧を印加し、中間電極2にも電圧を印加することで、図3Aに示すように、カソード3と中間電極2との間、中間電極2とアノード4との間には、電界EFが発生する。
ところで、発生した電界EFが空隙内の電子ビームの運動に強く及ぼす影響の範囲は、空隙の開口部が円の場合、当該円を最大断面として含む球内である。換言すると、図3Bに示す電子ビームの入口22の直径をaと規定した場合、電子ビーム通過孔21の電子ビームの入口22の中心を球心とした半径a/2の球内が、発生した電界EFの影響を強く受けることになる。同様に、図3Cに示す電子ビームの出口23の直径をbと規定した場合、電子ビーム通過孔21の電子ビームの出口23の中心を球心とした半径b/2の球内が、発生した電界EFの影響を受けることになる。したがって、電子ビーム通過孔21の中心軸方向の長さをDと規定した場合、D/(a/2+b/2)が1より大きい場合には、電子ビーム通過孔21内には、電界EFの影響を受けないドリフトスペース24が形成される。なお、本明細書において、「中心軸方向」とは、電子ビームの入口22の中心と電子ビームの出口23の中心とを結んだ方向を意味する。
上記のとおり、D/(a/2+b/2)が1より大きい場合にはドリフトスペース24が形成される。D/(a/2+b/2)は、1より大きければ特に制限はないが、焦点位置の調整範囲を大きくするためには、ドリフトスペース24がある程度の長さがあることが好ましく、例えば、1.5以上、2以上、3以上、4以上、5以上等、適宜設定すればよい。一方、フォトカソード3から射出した電子ビームが、電子ビーム通過孔21を通過できる範囲内であれば、D/(a/2+b/2)の上限は特にない。しかしながら、D/(a/2+b/2)が大きくなる、換言すると、電子ビーム通過孔21の長さDが長くなりすぎると、電子銃1が大型化してしまうという問題がある。したがって、装置設計上の観点からは、D/(a/2+b/2)は1000以下とすることが好ましく、必要に応じて、500以下、100以下、50以下等、適宜設定すればよい。
なお、図3に示す例では、中間電極2は中空の円筒形で、電子ビーム通過孔21は円錐状であるが、中間電極2は、電子ビーム通過孔21を有し、且つ、ドリフトスペース24が形成されれば形状に特に制限はない。例えば、電子ビーム通過孔21の断面が多角形であってもよく、その場合、「a」と「b」は、多角形の外接円の直径とすればよい。その場合、外接円の中心を結んだ線を「中心軸方向」とすればよい。また、電子ビーム通過孔21の断面が楕円の場合には、「a」と「b」は、楕円の長軸とすればよい。その場合、長軸の中間点を結んだ線を「中心軸方向」とすればよい。また、図3に示す例では、電子ビームの入口22の方が出口23より小さい、換言すると、a<bの関係となっているが、aとbは、a=bまたはa>bの関係であってもよい。また、図3Aに示す例では、電子ビームの入口22と出口23を結んだ線は、断面視で直線となっているが、断面視で非直線としてもよい。例えば、電子ビーム通過孔21の中央部の断面(ドリフトスペースを形成する部分の断面)の長さをaとbより長くすることで、電子ビーム通過孔21が略樽状となるようにしてもよい。なお、電子ビームの幅はドリフトスペース24内で広くなるが、幅が広がった電子ビームが電子ビーム通過孔の壁面に衝突しないようにすることが好ましい。そのため、電子ビーム通過孔21の断面の大きさは、焦点位置の調整範囲に基づき電子ビームの幅をどの程度まで広げるのか計算し、適宜決定すればよい。
中間電極2は、カソード3とアノード4との間に配置されていればよいが、中間電極2の配置位置がカソード3又はアノード4に近すぎる、換言すると、放電限界を超えてしまうと、電子ビームが飛ばなくなる。したがって、中間電極2は、カソード3とアノード4との距離が放電限界を超えないように配置すればよい。
また、図3に示す例では、中間電極2は単一の部材として形成されているが、カソード3とアノード4との間に形成した電界EFが、電子ビームの入口22と出口23以外の部分から電子ビーム通過孔21内に入り込まなければ、複数の部材を組合わせた分割構造としてもよい。
中間電極2を作製する材料は、導体であれば特に制限はなく、ステンレス・スチール(SUS)等の金属が挙げられる。
図4および図5を参照して、カソード3とアノード4との間に、ドリフトスペース24を有する中間電極2を設けることで、焦点距離を調整できる原理を説明する。図4は、中間電極2とアノード4との間の原理を説明するための図である。図5は、カソード3と中間電極2との間の原理を説明するための図である。
電子ビームが電界を通過するとき、以下の原理に基づいて、電界から力を受けることが知られている。
原理1:電子ビームは、その中心軸から外側の部位であるほど、より強い力を受ける。
原理2:電子ビームは、単位長さ当たり、多くの等電位線を横切るほど、より強い力を受ける。
原理3:電子ビームは、等電位線を横切るとき、その進行方向のエネルギーが大きいほど、垂直方向(進行方向に対して)に受ける力は小さくなる。
電子ビームの形状は、上記原理に基づいて受ける力の総合によって決まる。すなわち、上記原理によって受ける力のバランスを調整することで、電子ビーム形状を成形でき、その結果、焦点位置を調整することができる。
先ず、図4を参照して、中間電極2とアノード4との間の原理を説明する。図4Aに示すように、中間電極2とアノード4との間には、電位差により電界FEが発生する。その際、電界EF内では等電位線ELが形成され、等電位線ELに対して法線方向の力ELVが発生する。つまり、電子ビームは、この法線方向の力ELVの影響を受ける。
次に、中間電極2からアノード4に向けて射出した電子ビームが収束する動きについて説明する。図4Aに示すように、中間電極2の電子ビームの出口には、等電位線ELが中間電極2の空隙内に入り込むが、中心軸方向から外れるに従って、法線方向の力ELVの角度は、中心軸方向に対して平行から角度を有するようになる。換言すると、等電位線ELと中心軸方向とが交差する部分の法線方向の力ELVは、電子ビームに対して直進方向の力を付与するが、交差する部分から外れるほど、法線方向の力ELVのベクトル成分により、電子ビームを中心軸方向に絞り込む力が大きくなる。したがって、ドリフトスペース24を通過した直後の電子ビームの幅が大きい程、電子ビームに対して付与される中心軸方向に絞り込む力が大きくなる(原理1)ため、焦点が短焦点側になる。
次に、ドリフトスペース24を通過した直後の電子ビームの幅の大きさが同じ場合の焦点位置の第1の調整例について説明する。図4Bは、中間電極2とアノード4との距離は同じであるが、中間電極2とアノード4との間の電位差を変えた例を示している。図4Bに示すように、中間電極2とアノード4との間の電位差を図4Aより大きくした場合、発生する電界が大きくなることから等電位線ELの密度も大きくなる。換言すると、電子ビームに与える力が大きくなる(原理2)。したがって、ドリフトスペース24を通過することで幅が大きくなった電子ビームを中心軸方向に絞り込む力が図4Aに示す例より大きくなり、焦点は短焦点側に移動する。逆に、中間電極2とアノード4との間の電位差を図4Aより小さくした場合は、焦点は長焦点側に移動する。
図4Cは、ドリフトスペース24を通過した直後の電子ビームの幅の大きさが同じ場合の焦点位置の第2の調整例について示している。図4Cは、中間電極2とアノード4との電位差は同じであるが、中間電極2とアノード4との間の距離を変えた例を示している。図4Cに示すように、中間電極2とアノード4との間の距離を図4Aより短くした場合、等電位線ELの密度が大きくなる。換言すると、図4Aより短時間(短距離)で、電子ビームを中心軸方向に絞る力が与えられる。したがって、ドリフトスペース24を通過することで幅が大きくなった電子ビームを中心軸方向に絞り込む単位距離当たりの力が、図4Aに示す例より大きくなる(原理2)ため、焦点は短焦点側に移動する。逆に、中間電極2とアノード4との間の距離を図4Aより長くした場合、焦点は長焦点側に移動する。
次に、図5を参照して、カソード3と中間電極2との間の原理を説明する。図5Aに示すように、カソード3と中間電極2との間には、電位差により電界FEが発生する。その際、図4Aと同様、電界EF内では等電位線ELが形成され、等電位線ELに対して法線方向の力ELVが発生する。つまり、射出した電子ビームは、この法線方向の力ELVの影響を受ける。
次に、カソード3から射出した電子ビームが中間電極2に入る際の電子ビームの幅の第1の調整例について説明する。図5Bは、カソード3と中間電極2との距離は同じであるが、カソード3と中間電極2との間の電位差を変えた例を示している。図5Bに示すように、カソード3と中間電極2との間の電位差を図5Aより大きくした場合、発生する電界が大きくなることから等電位線ELの密度も大きくなる。換言すると、進行方向のエネルギーが大きくなるため、垂直方向(進行方向に対して)に受ける力は小さくなる(原理3)。すなわち、電子ビームを広げようとする力が小さくなる。このとき、原理2によってビームを広げようとする力も受けるが、その影響よりも、原理3が優位となる条件(電位差、電極間距離)とすることで、図5Bに示す例では、カソード3から射出した電子ビームが中間電極2に入る時の幅は、図5Aに示す例より小さくなる。
逆に、カソード3と中間電極2との間の電位差を図5Aより小さくした場合は、図5Aに示す例より中心軸方向に沿って直進する力が小さくなるため、垂直方向(進行方向に対して)に受ける力は大きくなる(原理3)。すなわち、電子ビームを広げようとする力が大きくなるため、図5Aに示す例より更に広くなる。そして、ドリフトスペース24内は電界が生じていないことから、ドリフトスペース24の入口で広がる方向のエネルギーを有する電子ビームの幅は、ドリフトスペース24内で更に大きくなる。
次に、カソード3から射出した電子ビームが中間電極2に入る際の電子ビームの幅の第2の調整例について説明する。図5Cは、カソード3と中間電極2との電位差は同じであるが、カソード3と中間電極2との間の距離を変えた例を示している。図5Cに示すように、カソード3と中間電極2との間の距離を図5Aより短くした場合、等電位線ELの密度が大きくなる。換言すると、進行方向のエネルギーが大きくなるため、垂直方向(進行方向に対して)に受ける力は小さくなる(原理3)。すなわち、電子ビームを広げようとする力が小さくなる。このとき、原理2によってビームを広げようとする力も受けるが、その影響よりも、原理3が優位となる条件(電位差、電極間距離)とすることで、図5Cに示す例では、カソード3から射出した電子ビームが中間電極2に入る時の幅は、図5Aに示す例より小さくなる。
逆に、カソード3と中間電極2との間の距離を図5Aより長くした場合は、等電位線ELの密度が小さくなることから、図5Aに示す例より中心軸方向に沿って直進する力が小さくなる。その場合、垂直方向(進行方向に対して)に受ける力が強くなる(原理3)。すなわち、ビームを広げようとする力が大きくなる。したがって、電子ビームの幅は、図5Aに示す例より更に広くなる。そして、ドリフトスペース24内は電界が生じていないことから、ドリフトスペース24の入口で広がる方向のエネルギーを有する電子ビームの幅は、ドリフトスペース24内で更に大きくなる。
また、詳細な説明は省略するが、ドリフトスペース24を長くするほど、ドリフトスペース24を通過する間に、電子ビームの幅は大きくなる。したがって、本明細書で開示する電子銃は、中間電極2とアノード4との間の等電位線ELの密度の調整(中間電極2とアノード4との距離の調整、電位差の調整)、カソード3と中間電極2との間の等電位線ELの密度の調整(カソード3と中間電極2との距離の調整、電位差の調整)、および、ドリフトスペース24の長さの調整を組み合すことで、電子銃を相手側装置に搭載した後で、焦点位置を、長焦点側および短焦点側の何れの方向にも適切に調整できる。
次に、焦点位置の調整の各種実施形態について説明する。
(焦点位置調整の第1の実施形態)
図6は、焦点位置調整の第1の実施形態の概略を説明するための図である。図6では、カソード3とアノード4に印加する電圧差は一定で、中間電極2に印加する電圧値を変化させることで、焦点位置を調整する例を示している。図6A乃至6Cに示すように、カソード3の電圧を−50kV、アノード4の電圧を0kVに設定し、中間電極2には、図6Aでは−20kV、図6Bでは−30kV、図6Cでは−40kVの電圧を印加したとする。そうすると、カソード3と中間電極2との間の電圧差は、図6Aでは30kV、図6Bでは20kV、図6Cでは10kVとなる。つまり、中間電極2に印加する電圧を、カソード3の電圧に近い値にするほど、カソード3と中間電極2の間の電位差は小さくなる。そして、電位差が小さいほど、カソード3と中間電極2との間の等電位線の密度は小さくなることから、フォトカソード3から射出した電子ビームBは、図6Aから図6Cの順に、中間電極2に向けて広がりやすくなる。更に、中間電極2にはドリフトスペースが形成されていることから、広がりやすい電子ビームBは、ドリフトスペース内で更に広がる。
一方、カソード3とアノード4との電位差は一定であることから、中間電極2とアノード4との間の電位差は、カソード3と中間電極2との間の電位差とは逆になる。つまり、図6Aから図6Cの順に、中間電極2とアノード4との間の電位差は大きくなることから、中間電極2とアノード4との間の等電位線の密度も大きくなる。更に、ドリフトスペースを出た後の電子ビームの幅は、図6Aから図6Cの順に大きくなることから、中間電極2を出た電子ビームBは、図6Aと比較して図6Cに示す例の方が収束され易い。つまり、中間電極2とアノード4との間の電位差が大きいほど、焦点位置Fを短焦点側に移動することができる。以上のとおり、焦点位置調整の第1の実施形態では、カソード3、中間電極2、アノード4の配置を変更することなく、中間電極2に印加する電圧を変化させるだけで、焦点位置Fを調整できる。
(焦点位置調整の第2の実施形態)
図7は、焦点位置調整の第2の実施形態の概略を説明するための図である。図7では、カソード3とアノード4との間の電圧差および中間電極2に印加する電圧値を一定とし、カソード3とアノード4との間で、中間電極2を電子ビーム通過孔21の中心軸方向に駆動する駆動部9を具備した例を示している。図7に示す例では、中間電極2にモータ9aを固定し、モータ9aの軸に固定したピニオンをラック9bに係合するラックアンドピニオン構造により、中間電極2を駆動する例を示しているが、中間電極2を中心軸方向に駆動することができれば駆動部9は特に制限はない。
図7に示す例では、カソード3とアノード4との間で中間電極2の位置を変えることで、カソード3と中間電極2の距離、中間電極2とアノード4との間の距離が変わる。一方、カソード3とアノード4の電位差、中間電極2に印加する電圧は一定であることから、中間電極2の位置を変更することで、カソード3と中間電極2との間の等電位線の密度、および、中間電極2とアノード4との間の等電位線の密度が変わる。より具体的には、カソード3と中間電極2の電位差は同じであるが、図7Aから図7Cの順にカソード3と中間電極2との間の等電位線の密度が小さくなることから、電子ビームBは広がりやすくなる。更に、中間電極2にはドリフトスペースが形成されていることから、広がりやすい電子ビームBは、ドリフトスペース内で更に広がる。
一方、中間電極2とアノード4との間の等電位線の密度は、カソード3と中間電極2とは逆になる。つまり、図7Aから図7Cの順に、中間電極2とアノード4との間の等電位線の密度は大きくなる。更に、ドリフトスペースを出た後の電子ビームの幅は、図7Aから図7Cの順に大きくなることから、中間電極2を出た電子ビームBは、図7Aから図7Cの順に収束され易くなる。つまり、中間電極2とアノード4との間の距離が短いほど、焦点位置を短焦点側にできる。以上のとおり、焦点位置調整の第2の実施形態では、中間電極2の位置を中心軸方向に変化させることで、焦点位置を調整できる。
(焦点位置調整の第3の実施形態)
図8及び図9は、焦点位置調整の第3の実施形態の概略を説明するための図である。先ず、図8A及び図8Bを参照して、第3の実施形態で用いる中間電極2の概略を説明する。第3の実施形態の中間電極2は、中心軸方向の長さが可変となる機構を有している。図8A及び図8Bに示す例では、中間電極2は、中間電極第1部分2aと中間電極第2部分2bに分割されている。そして、中間電極第2部分2bが、第2の実施形態と同様のラックアンドピニオン構造により、中間電極第1部分1aに対して摺動可能となっている。したがって、中間電極2の中心軸方向の長さを変えることができる。なお、図8に示す例は、単なる例示で、中間電極2の中心軸方向の長さを変えることがでれば、中心軸方向の長さが可変となる機構は特に制限はない。例えば、ラックアンドピニオン構造を構成するモータ9aが、中間電極第1部分2aに固定されていてもよい。また、中間電極第1部分1aの外周面と中間電極第2部分2bの内周面が回転可能に係合するようにネジが切られ、中間電極第1部分1aまたは中間電極第2部分2bの一方を電子銃1に固定し、中間電極第1部分1aまたは中間電極第2部分2bの他方に回転方向の力を付与することで、中間電極第1部分1aまたは中間電極第2部分2bが回転しながら伸縮するようにしてもよい。或いは、中間電極2を蛇腹状に形成し、中心軸方向に伸縮可能となるように形成してもよい。
なお、図8Aおよび図8Bに示す例では、カソード3とアノード4との間の距離は固定である。したがって、中間電極2を伸長すると、中間電極2とアノード4との距離は短くなる。つまり、図8Aおよび図8Bは、ドリフトスペースの長さ、および、中間電極2とアノード4との間の距離の調整、とを組み合わせた例を示している。代替的に、図示は省略するが、中間電極第2部分2bとアノード4とを、絶縁性材料等で接続してもよい。その場合、中間電極2とアノード4との間の距離が一定となることから、ドリフトスペースの長さの調整のみで、焦点位置を調整することになる。勿論、中間電極第2部分2bとアノード4との接続に代え、カソード3と中間電極第1部分2aとを、絶縁性材料等で接続してもよい。
次に、図9を参照して、焦点位置調整の第3の実施形態について説明する。なお、図9A乃至図9Cにおいては、説明を簡略化するため、中間電極2の細かい構造の記載は省略し、中間電極2の長さを変えた図で説明する。また、図9A乃至図9Cでは、図示は省略するが、中間電極2とアノード4とを絶縁性材料で接続することで、中間電極2とアノード4との距離が一定となる場合の例を示している。つまり、中間電極2の長さで焦点位置を調整する例を示している。焦点位置調整の第3の実施形態では、カソード3とアノード4の電位差、中間電極2に印加する電圧は一定にしている。そのため、カソード3と中間電極2との間の等電位線の密度は同じであることから、図9A乃至図9Cに示すように、ドリフトスペースに到達する際の電子ビームBの幅(広がり具合)は同じである。一方、図9Aから図9Cの順にドリフトスペースは長くなることから、電子ビームBがドリフトスペースを通過中に、図9Aから図9Cの順に電子ビームBはドリフトスペース内で更に広がる。一方、中間電極2とアノード4との距離は一定であることから、中間電極2とアノード4との間の等電位線の密度は同じである。しかしながら、ドリフトスペースが図9Aから図9Cの順に長くなることから、ドリフトスペースを出る時の電子ビームBの幅は図9Aから図9Cの順に大きくなり、その結果、図9Cから図9Aの順に、ドリフトスペースを出た後の電子ビームBを中心軸方向に絞る力が大きくなる。したがって、中間電極2を出た電子ビームBは、図9Cほど収束され易くなる。つまり、中間電極2のドリフトスペースの距離を長くするほど、焦点位置Fを短焦点側に移動することができる。以上のとおり、焦点位置調整の第3の実施形態では、中間電極2の長さを中心軸方向に変化させ、ドリフトスペースの長さを調整することで、焦点位置Fを調整できる。
(焦点位置調整の第4の実施形態)
図10は、焦点位置調整の第4の実施形態の概略を説明するための図である。焦点位置調整の第4の実施形態では、アノード4を中心軸方向に移動することで、中間電極2とアノード4との距離を調整する例を示している。なお、図示は省略するが、アノード4の中心軸方向への移動は、アノード4が移動できれば特に制限はなく、図8に示すような駆動部を用いればよい。図10A乃至図10Cに示す例では、カソード3とアノード4の電位差、中間電極2の長さ、および、中間電極2に印加する電圧は一定にしている。そのため、カソード3と中間電極2との間の等電位線の密度、および、ドリフトスペースの長さは同じであることから、図10A乃至図10Cに示すように、ドリフトスペースを出るまでの電子ビームBの幅(広がり具合)は同じである。
一方、中間電極2とアノード4との距離は、図10Aから図10Cの順に大きくなることから、中間電極2とアノード4との間の等電位線の密度は、図10Aから図10Cに準に小さくなる。したがって、ドリフトスペースを出るまでの電子ビームの幅は、図10Aから図10Cで同じであるが、電子ビームBを中心軸方向に収束する力は、図10Aから図10Cの順に弱くなる。つまり、中間電極2とアノード4との間の距離が長くなるほど、焦点位置Fを長短焦点側にできる。以上のとおり、焦点位置調整の第4の実施形態では、アノード4の位置を中心軸方向に変化させることで、焦点位置Fを調整できる。
(焦点位置調整の第5の実施形態)
図11は、焦点位置調整の第5の実施形態の概略を説明するための図である。焦点位置調整の第5の実施形態では、第4の実施形態のアノード4に代え、カソード3を中心軸方向に移動することで、カソード3と中間電極2との距離を調整する例を示している。なお、図示は省略するが、カソード3の中心軸方向への移動は、カソード3が移動できれば特に制限はないが、図8に示すような駆動部を用いればよい。図11A乃至図11Cに示す例では、カソード3とアノード4の電位差、中間電極2の長さ、および、中間電極2に印加する電圧は一定にしている。そのため、カソード3と中間電極2の電位差は同じであるが、図11Aから図11Cの順にカソード3と中間電極2との間の等電位線の密度が大きくなることから、電子ビームが中間電極2のドリフトスペースに入る時の幅は、図11Aから図11Cの順に小さくなる。したがって、ドリフトスペースから出る際の電子ビームBの幅も、図11Aから図11Cの順に小さくなる。
一方、中間電極2とアノード4との距離は一定であることから、中間電極2とアノード4との間の等電位線の密度は同じである。しかしながら、ドリフトスペースを出る時の電子ビームBの幅は、図11Cから図11Aの順に大きくなり、その結果、図11Cから図11Aの順に、ドリフトスペースを出た後の電子ビームBを中心軸方向に絞る力が大きくなる。したがって、中間電極2を出た電子ビームBは、図11Aほど収束され易くなる。つまり、カソード3と中間電極2と間の距離を短くするほど、焦点位置Fを長短焦点側にできる。以上のとおり、焦点位置調整の第5の実施形態では、カソード3の位置を中心軸方向に変化させることで、焦点位置Fを調整できる。
なお、焦点位置調整の第1乃至第5の実施形態は、それぞれ、単独で実施されてもよいし、第1の実施形態乃至第5の実施形態を組合わせて実施してもよい。
(電子ビームの射出方法の実施形態)
図12を参照して、電子ビームの射出方法の実施形態について説明する。射出方法の実施形態は、電子ビーム射出工程(ST1)、ドリフトスペース通過工程(ST2)、電子ビーム収束工程(ST3)を少なくとも含んでいる。電子ビーム射出工程(ST1)では、光源から励起光をフォトカソードに照射することで、フォトカソードからアノードに向けて電子ビームを射出する。ドリフトスペース通過工程(ST2)では、フォトカソードから射出した電子ビームが、カソードとアノードとの間に配置した中間電極2の電子ビーム通過孔に形成されたドリフトスペースを通過する。ドリフトスペースは、電圧の印加によりカソードとアノードとの間に形成された電界の影響を無視できることから、電子ビームはドリフトスペース内で広がる。そして、電子ビーム収束工程(ST3)では、ドリフトスペース通過後の電子ビームがアノードに向けて収束し、その結果、相手側装置で焦点を結ぶことができる。
(電子ビームの焦点位置調整方法の実施形態)
上記のとおり、電子ビームをドリフトスペース内で広げるドリフトスペース通過工程(ST2)は、本発明者が見出した新規の工程であることから、当該工程を含む電子ビームの射出方法は新規の方法である。そして、当該新規の電子ビームの射出方法に加え、電子ビームの幅を積極的に調整する、電子ビーム幅調整工程を追加することで、電子ビームの射出方法を、電子ビームの焦点位置調整方法として用いることができる。電子ビーム幅調整工程は、電子ビーム射出工程(ST1)から電子ビーム収束工程(ST3)の間で実施されれば、任意の工程間及び/又は行程中に実施すればよい。
例えば、電子ビーム射出工程(ST1)とドリフトスペース通過工程(ST2)との間で電子ビーム幅調整工程を実施する場合は、カソードと中間電極との間の電位差及び/又は距離を変更する工程を実施すればよい。当該工程により、カソードと中間電極との間の等電位線の密度が変わることから、電子ビームの幅を調整できる(以下、「第1電子ビーム幅調整工程」と記載する)。
また、ドリフトスペース通過工程(ST2)中に電子ビーム幅調整工程を実施する場合は、中間電極2の長さを変更する工程を実施すればよい。当該工程により、電界の影響を無視できるドリフトスペースの長さが変わることから、ドリフトスペースの長さを調整することで、電子ビームの幅を調整できる(以下、「第2電子ビーム幅調整工程」と記載する)。
また、電子ビーム収束工程(ST3)中に電子ビーム幅調整工程を実施する場合は、中間電極とアノードとの間の電位差及び/又は距離を変更する工程を実施すればよい。当該工程により、中間電極とアノードとの間の等電位線の密度が変わることから、電子ビームの幅を調整できる(以下、「第3電子ビーム幅調整工程」と記載する)。
第1電子ビーム幅調整工程、第2電子ビーム幅調整工程、および、第3電子ビーム幅調整工程は、単独で実施されてもよいし、組み合わせて実施してもよい。
電子銃を搭載する電子線適用装置Eは、電子銃を搭載する公知の装置が挙げられる。例えば、自由電子レーザー加速器、電子顕微鏡、電子線ホログラフィー装置、電子線描画装置、電子線回折装置、電子線検査装置、電子線金属積層造形装置、電子線リソグラフィー装置、電子線加工装置、電子線硬化装置、電子線滅菌装置、電子線殺菌装置、プラズマ発生装置、原子状元素発生装置、スピン偏極電子線発生装置、カソードルミネッセンス装置、逆光電子分光装置等が挙げられる。
以下に実施例を掲げ、本出願で開示する実施形態を具体的に説明するが、この実施例は単に実施形態の説明のためのものである。本出願で開示する発明の範囲を限定したり、あるいは制限することを表すものではない。
<実施例1>
図13を参照して、実施例1について説明する。図13Aは、実施例1の条件を示すための図で、カソード3に印加する電圧は−50kV、アノード4の電圧は0kV、カソード3と中間電極2との間隔は2mm、中間電極2の長さは40mm、電子ビーム通過孔は直径4mmの円筒状、中間電極2とアノード4との間隔は8mmの固定値とし、中間電極2に印加する電圧のみ可変値として、シミュレーションを行った。図13Bはシミュレーション結果を示す図である。図13Bの縦軸が電子ビームの直径、横軸がフォトカソード3からの距離で、図13B中の矢印がアノード4の位置となり、矢印より右側が相手側装置内で電子ビームが焦点を結ぶ位置を表す。図13Bに示すように、中間電極2に印加する電圧値以外の条件が同じ場合、中間電極2に印加する電圧値がカソード3の電圧値に近いほど焦点位置が短焦点側に移動し、中間電極2に印加する電圧値がカソード3の電圧値から離れるほど焦点位置が長焦点側に移動した。したがって、中間電極2に印加する電圧を調整すること、換言すると、カソード3と中間電極2との間の等電位線の密度を調整(第1電子ビーム幅調整工程)、および、中間電極2とアノード4との間の等電位線の密度を調整(第3電子ビーム幅調整工程)することで、焦点位置を短焦点側と長焦点側の何れの方向にでも調整ができることを確認した。
<実施例2>
図14を参照して、実施例2について説明する。図14Aは、実施例2の条件を示すための図で、カソード3に印加する電圧は−50kV、アノード4の電圧は0kV、中間電極2の長さは25mm、電子ビーム通過孔は直径4mmの円筒状、中間電極2に印加する電圧は−38kVの固定値とし、フォトカソード3と中間電極との間隔はdmm、中間電極2とアノード4との間隔は15−dmmの可変値として、シミュレーションを行った。図14Bはシミュレーション結果を示す図である。図14Bの縦軸が電子ビームの直径、横軸がカソード3からの距離で、図14B中の矢印がアノード4の位置となり、矢印より右側が相手側装置内で電子ビームが焦点を結ぶ位置を表す。図14Bに示すように、中間電極2の位置以外の条件が同じ場合、カソード3と中間電極2との間隔が広いほど焦点位置が短焦点側に移動し、カソード3と中間電極2との間隔が狭いほど焦点位置が長焦点側に移動した。したがって、カソード3とアノード4との間で中間電極2の位置を調整すること、換言すると、カソード3と中間電極2との間の等電位線の密度を調整(第1電子ビーム幅調整工程)、および、中間電極2とアノード4との間の等電位線の密度を調整(第3電子ビーム幅調整工程)することで、焦点位置を短焦点側と長焦点側の何れの方向にでも調整ができることを確認した。
<実施例3>
図15を参照して、実施例3について説明する。図15Aは、実施例3の条件を示すための図で、カソード3に印加する電圧は−50kV、アノード4の電圧は0kV、カソード3と中間電極2との距離は2mm、中間電極2とアノード4との距離は8mm、電子ビーム通過孔は直径4mmの円筒状、中間電極2に印加する電圧は−38kVの固定値とし、中間電極2の長さを25mm、30mm、40mmの可変値として、シミュレーションを行った。図15Bはシミュレーション結果を示す図である。図15Bの縦軸が電子ビームの直径、横軸がカソード3からの距離で、図15B中の矢印がアノード4の位置となり、矢印より右側が相手側装置内で電子ビームが焦点を結ぶ位置を表す。図15Bに示すように、中間電極2の長さ以外の条件が同じ場合、中間電極2の長さが短いほど焦点位置が長焦点側に移動し、中間電極2の長さが長いほど焦点位置が短焦点側に移動した。したがって、中間電極2の長さ調整すること、換言すると、電界の影響を無視できるドリフトスペースの長さを調整(第2電子ビーム幅調整工程)することで、焦点位置を短焦点側と長焦点側の何れの方向にでも調整ができることを確認した。
本明細書で開示する電子銃、電子線適用装置、および、電子銃による電子射出方法を用いると、電子銃を相手側装置に搭載した後であっても、電子ビームの焦点位置を、短焦点側および長焦点側の何れの方向にも調整できる。したがって、電子銃を搭載した装置を製造する業者、当該装置または入射軸合わせ方法を用いる業者にとって有用である。
1…電子銃、2…中間電極、2a…中間電極第1部分、2b…中間電極第2部分、3…フォトカソード、4…アノード、5…フォトカソード収納容器、5h…電子ビーム通過孔、5m…処理材料、6…電源、6a…第1電源、6b…第2電源、7…光源、8a…第1抵抗、8b…第2抵抗、9…駆動部、9a…モータ、9b…ラック、21…電子ビーム通過孔、22…電子ビームの入口、23…電子ビームの出口、24…ドリフトスペース、71…、B…電子ビーム、CB…真空チャンバー、D…電子ビーム通過孔の中心軸方向の長さ、E…電子線適用装置、EF…電界、EL…等電位線、ELV…等電位線に対する法線方向の力、F…焦点、L…励起光、a…電子ビームの入口の直径、b…電子ビームの出口の直径、

Claims (10)

  1. フォトカソードと、
    アノードと、
    を含む電子銃であって、
    前記電子銃は、
    前記フォトカソードと前記アノードとの間に配置する中間電極
    を更に含み、
    前記中間電極は、
    前記フォトカソードから射出した電子ビームが通過する電子ビーム通過孔を有し、
    前記電子ビーム通過孔には、電圧の印加により前記フォトカソードと前記アノードとの間に電界が形成された際に、前記電界の影響を無視でき、且つ、通過する電子ビームの幅を広くするためのドリフトスペースが形成されている
    電子銃。
  2. 前記中間電極は、
    前記電子ビーム通過孔の中心軸方向の長さをD、
    前記電子ビーム通過孔の電子ビームの入口の断面長をa、
    前記電子ビーム通過孔の電子ビームの出口の断面長をb、
    と規定した際に、
    D/(a/2+b/2)が1より大きい関係を有する
    請求項1に記載の電子銃。
  3. 前記中間電極を、前記フォトカソードと前記アノードとの間で、前記電子ビーム通過孔の中心軸方向に駆動するための駆動部を含む
    請求項1または2に記載の電子銃。
  4. 前記中間電極の前記電子ビーム通過孔の中心軸方向の長さDが可変である
    請求項1〜3の何れか一項に記載の電子銃。
  5. 前記フォトカソードと前記アノードとの間に電界を形成し、前記中間電極に電圧を印加する電源を含む、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の電子銃。
  6. 前記フォトカソードの電圧を第1電圧、前記アノードの電圧を第2電圧と規定した際に、
    前記電源は、前記第1電圧より相対的にプラスで、前記第2電圧より相対的にマイナスの範囲内で前記中間電極に電圧を印加できる
    請求項5に記載の電子銃。
  7. 前記フォトカソード、及び/又は、前記アノードを、前記電子ビーム通過孔の中心軸方向に駆動するための駆動部を含む
    請求項1〜6の何れか一項に記載の電子銃。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子銃を含む電子線適用装置であって、
    前記電子線適用装
    置は、
    自由電子レーザー加速器、
    電子顕微鏡、
    電子線ホログラフィー装置、
    電子線描画装置、
    電子線回折装置、
    電子線検査装置、
    電子線金属積層造形装置、
    電子線リソグラフィー装置、
    電子線加工装置、
    電子線硬化装置、
    電子線滅菌装置、
    電子線殺菌装置、
    プラズマ発生装置、
    原子状元素発生装置、
    スピン偏極電子線発生装置、
    カソードルミネッセンス装置、または、
    逆光電子分光装置
    である
    電子線適用装置。
  9. 電子銃による電子ビームの射出方法であって、
    前記射出方法は、
    フォトカソードからアノードに向けて電子ビームを射出する電子ビーム射出工程、
    前記フォトカソードから射出した電子ビームが、中間電極の電子ビーム通過孔に形成され電圧の印加により前記カソードと前記アノードとの間に形成された電界の影響を無視でき、且つ、通過する電子ビームの幅を広くするためのドリフトスペースを通過するドリフトスペース通過工程、
    前記ドリフトスペース通過工程後の電子ビームが、前記アノードに向けて収束する電子ビーム収束工程、
    を含む
    電子銃による電子ビームの射出方法。
  10. 請求項9に記載の電子銃による電子ビームの射出方法の電子ビーム射出工程(ST1)から電子ビーム収束工程(ST3)の間において、
    電子ビーム幅調整工程を含む、
    電子ビームの焦点位置調整方法。
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