JP2954963B2 - 光電面利用電子源装置 - Google Patents

光電面利用電子源装置

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JP2954963B2
JP2954963B2 JP2035904A JP3590490A JP2954963B2 JP 2954963 B2 JP2954963 B2 JP 2954963B2 JP 2035904 A JP2035904 A JP 2035904A JP 3590490 A JP3590490 A JP 3590490A JP 2954963 B2 JP2954963 B2 JP 2954963B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、例えば電子顕微鏡のような、真空装置を
備えた機器の電子源に係り、特に、出力の大きいパルス
電子ビームを得ることができる光電面利用電子源装置に
関する。
【従来の技術】
例えば電子顕微鏡における電子源としては、従来、熱
カソード、電界放射型カソード等を用いたものがある。 この場合、パルス電子ビームを得ようとすると、電気
的なゲートを利用することになる。 この電気的なゲートの一種としては、第7図に示され
るようなものがある。 即ち、ヒーター1によって加熱されるカソード2と、
第1及び第2グリッド3、4を備えてなる電子銃におい
て、第2グリッド4にプラスのパルス電圧を加えること
により、その瞬間だけ電子を引出すようにしたものであ
る。 他の方法としては、連続電子ビームに横方向の電界を
印加することによってこれを偏向し、絞りの開口上を横
切らせて電子ビームパルスを切取るようにしたものがあ
る。 上記以外の電子源としては、紫外線領域のみ光電変換
感度があるAu等の光電面を紫外パルス光源で励起するも
のがある。 このような紫外パルス光は、例えば、グラスファイバ
ー、非線形光学結晶等を用いて可視パルスレーザから作
り出されるが、その構成が複雑且つ特殊であり、安定的
に動作させること及び組立てが容易でないという問題点
がある。 上記のような電子源に対して、従来、紫外以外の可視
部から赤外部にも感度のあるアリカリ金属を成分とした
光電面を用いたものがある。 このアリカリ金属を成分とした光電面を用いた電子源
は、波長が例えば700nm以上の半導体レーザを光源とし
て用いることができると共に、光電面の応答速度が非常
に速いために、100fSという非常に短い電子パルスを得
ることができる。 しかしながら、1pS程度の光パルスを得るためには、
一般的に、色素レーザとそれを励起するレーザが必要に
なり、構成が複雑で大きなスペースを必要とする。 一方、小スペースで構造が簡単なパルスレーザには半
導体レーザがあるが、そのパルス幅はせいぜい50pS程度
なので、これを光源として50pSより短い電子パルスは得
られない。
【発明が解決しようとする課題】
熱電子銃を用いた電子源は前述の如く、何らかの方法
で短パルス電子ビームとしたとき、その出力電流がパル
ス幅に比例して小さくなってしまうという問題点があ
る。 ここで、出願人は、先に特開平3−155033号により、
光電面と短パルス光源とを組合わせた電子源として、入
射光パルス幅を短くすることで容易に出力電流の大きい
短パルス電子ビームを得られる発明を提案した。 ところが、1pS程度の光パルスを得ようとすると、光
源装置の構成が大掛りになり、スペースを必要とするば
かりでなく、その調整も煩雑になるという問題点があ
る。 一方、半導体レーザ等に代表される小スペースで調整
が容易な光源は、パルス幅が50pS程度なので、これ以下
の電子パルスを得ることはできない。 又、アリカリ金属を成分とした光電面は、低真空にな
ると容易に酸化して感度を失う性質があり、更に、常温
でアルカリ原子が移動して感度が減少してしまい、この
ため、容器が比較的小さく、高真空を維持して封じきる
ことが可能な真空管にのみ利用できるという問題点があ
った。 例えば特開昭60−37633号公報に開示されるように、
電子源としては、光源と、この光源により照射された光
電子を放出する光電面と、光電面から放出された光電子
をビーム状に集束して前方に放出する電子レンズと、を
備えた光電子銃がある。 このような構成の電子源は、高真空で封じきられる真
空管には適用できるが、電子顕微鏡の場合のように、常
時真空ポンプで引いているにもかかわらず、その容積が
大きいため、比較的低真空となる装置においては、光電
面材料の移動や酸化等による光電面の劣化が著しいとい
う問題点がある。 この発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもの
であって、アリカリ金属を成分とした光電面と、調整が
容易な半導体レーザ等の光源と、の組合わせによって、
瞬間的に高出力のパルス電子ビームを得ると共に、制限
アパーチャによって更にその一部分を切出して高出力の
超短パルス電子ビームを供給する光電面利用電子源装置
を提供することを目的とする。 又、酸化による感度低下が少なく、且つアルカリ原子
の移動も少なく、容易に高真空を維持することができる
ようにしたアリカリ金属を成分とした光電面を利用した
電子源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
この発明は、パルス光源と、アルカリ金属を成分とし
た光電面と、この光電面から放出された電子ビームを加
速する加速電極と、加速された電子ビームを高速で偏向
する偏向板と、前記パルス光源に同期して偏向電圧を発
生し、前記偏向板に印加する偏向回路と、偏向された電
子ビームの一部を抜き出す制限アパーチャと、を備える
ことにより上記目的を達成するものである。 又、この発明は、パルス光に応じて光電面より放出さ
れる電子ビームのほぼピーク電流に相当する部分を抜き
出すように、パルス光の入射と偏向電圧の印加のタイミ
ングを合わせることにより上記目的を達成するものであ
る。 又、この発明は、電子ビームが照射される被照射物体
を収納する光電子受容室と、前記光電面を、前記光電子
受容室及び周囲から隔離して囲む光電面格納室と、この
光電面格納室と前記光電子受容室との間の隔壁に形成
し、光電面から放出された電子ビームが光電子受容室に
到達するに必要な最小の小孔と、前記光電子受容室を排
気する排気口と、この排気口から独立して前記光電面格
納室を、前記光電子受容室よりも高真空に排気する第2
の排気口と、を設けることにより上記目的を達成するも
のである。 又、この発明は、パルス光源と、アルカリ金属を成分
とした光電面と、この光電面から放出された電子ビーム
を加速する加速電極と、加速された電子ビームを高速で
偏向する偏向板と、前記偏向板に偏向電圧を印加する偏
向回路と、偏向された電子ビームの一部を抜き出す制限
アパーチャと、電子ビームが照射される被照射物体を収
納する光電子受容室と、前記光電面を、前記光電子受容
室及び周囲から隔離して囲む光電面格納室と、この光電
面格納室と前記光電子受容室との間の隔壁に形成され、
光電面から放出された電子ビームが光電子受容室に到達
するに必要な最小の小孔と、前記光電子受容室を排気す
る排気口と、この排気口から独立して前記光電面格納室
を、前記光電子受容室よりも高真空に排気する第2の排
気口と、を設けることにより上記目的を達成するもので
ある。 又、この発明は、前記隔壁の小孔が、前記偏向された
電子ビームを抜き出す前記制限アパーチャを兼ねるよう
にして上記目的を達成するものである。 又、この発明は、前記光電面格納室と光電子受容室間
に、両室を連通、遮断自在とするゲートバルブを設ける
ことにより上記目的を達成するものである。 又、この発明は、光電面格納室と電子受容室との間に
両室を連通、遮断自在とするゲートバルブを両室を切離
すことができるように2個設けることにより上記目的を
達成するものである。 又、この発明は、前記光電子受容室に、前記小孔を通
過した光電子ビームの縮小投射電子光学系と、電子ビー
ム走査光学系と、試料支持部と、この試料支持部上の試
料を光電子ビームで照射したとき発生する信号の検出部
と、を設けることにより上記目的を達成するものであ
る。 更に又、この発明は、前記パルス光源を、半導体レー
ザとすることにより上記目的を達成するものである。
【作用】
この発明においては、容易に調整できてスペースをと
らないパルス光源、例えば半導体レーザでアルカリ金属
を成分とした光電面を照射すると、それに応じたパルス
電子ビームが出力として得られる。ここで、電子ビーム
のパルス幅は光電面の応答が100fS以下であることか
ら、入射光のパルス幅で決まり、一方、電子ビームのピ
ーク出力は、光電面の効率と入射光のピークパワーによ
り決まる。一般的に、このような構成の簡単な光源で得
られる光パルス幅は50pS〜1nS程度であり、又、一般的
に、短パルス化することによりピークパワーを上げるこ
とができ、半導体レーザを例にとると100pSのとき最大1
Wのピークパワーが得られる。又、アルカリ金属を成分
とした光電面の効率は高く、最大20mA/Wなので、これを
前記半導体レーザで励起するとピーク電流出力として最
大20mAの高い電流が得られる。 以上のような、構成の簡単な光源より得られるパルス
光とアルカリ金属を成分とした光電面とによって得られ
たパルス幅50pS〜1nS、ピーク電流出力最大20mA程度の
パルス電子ビームを、次に、光に同期した偏向電圧を偏
向板に印加することで高速に偏向すると共に、偏向板の
後に設けた制限アパーチャによって前記パルス電子ビー
ムのほぼピーク電流に相当する一部分を切出して、出力
電流の大きな超短パルス電子ビームを得ることができ
る。 又、アルカリ金属を成分とした光電面が格納される光
電面格納室と、光電子ビームが照射される被照射物体を
収納するための光電子受容室とを隔壁をもって隔離し、
且つ該隔壁に光電子ビームの通過に必要な最小の小孔を
設け、更に、前記光電子受容室と光電面格納室を独立し
た排気口から排気して、光電面格納室をより高真空に排
気するようにしているので、アルカリ原子が光電面格納
室から光電子受容室に移動することが抑制されると共
に、小さい部屋である光電面格納室を、光電子受容室よ
り高真空に維持することができ、従って、アルカリ金属
を成分とした光電面の感度の劣化を抑制することができ
る。
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。 本発明の第1実施例は、第1図に示されるように、光
電面利用電子源装置10を、パルス光源12と、アルカリ金
属を成分とした光電面14と、この光電面14から放出され
た電子ビームを加速する加速電極16と、加速された電子
ビームを高速で偏向する偏向板18と、前記パルス光源12
に同期して偏向電圧を発生し、前記偏向板18に印加する
偏向回路20と、偏向された電子ビームの一部を抜き出す
制限アパーチャ22と、を備えて構成されている。 前記制限アパーチャ22は、真空装置24内を2つに仕切
る電子遮蔽壁となる隔壁26に形成されている。 この隔壁26は、前記真空装置24を光電面格納室28と電
子受容室30とに分割するものであり、前記光電面14、加
速電極16及び偏向板18は前記光電面格納室28内に配置さ
れている。 第1図の符号32は内側に前記光電面14が形成される光
電面板、34は電子受容室30に形成され、真空ポンプ36に
接続される排気口をそれぞれ示す。 前記パルス光源12は、前記光電面板32を介して前記光
電面14に対向して配置され、又、トリガ信号発生回路38
から出力されて遅延回路40を経たトリガ信号によって光
源駆動回路42により駆動されるものである。 前記偏向回路20に対しては、前記トリガ信号発生回路
38からのトリガ信号が、パルス光と偏向電圧の同期をと
るための遅延回路44を経て入力され、これによって偏向
板18に対して、パルス光と同期して偏向電圧を印加でき
るようにされている。 次に、第1図の実施例の作用について説明する。 トリガ信号発生回路38からのトリガ信号に基づいて、
パルス光源12は光源駆動回路42により駆動され、パルス
光を出力する。 このパルス光は、光電面板32を通って光電面14に入射
し、光電面14からはこのパルス光に応じてパルス電子ビ
ームが放出される。 光電面14から放出されたパルス電子ビームは、加速電
極16が作る電界で加速されて偏向板18に至る。 偏向板18には、パルス電子ビームの通過に同期するよ
うに、遅延回路44によってタイミング調整されたランプ
状の偏向電圧が印加されるので、パルス電子ビームは、
制限アパーチャ22のある隔壁26上を掃引され、制限アパ
ーチャ22に該当する部分だけが通り抜け(切出され)、
短パルス電子ビームとなって電子受容室30に供給される
ことになる。 このとき、前記パルス光源12として、半導体レーザを
用いると、パルス幅100pSで、ピークパワー1Wが得られ
るので、量子効率が20mA/Wの光電面を用いることによっ
て、ピーク電流として20mAが得られる。 この実施例においては、偏向板18による偏向によっ
て、制限アパーチャ22により、ピーク電流に相当する部
分を抜き出すので、電子受容室30に到達する出力パルス
電子ビームのピークパワーは、前記ピーク電流の20mAに
なる。 又、パルス幅Tは、偏向感度と制限アパーチャ22の内
径、及び、偏向電圧波形のスルーレートによって決定さ
れるが、偏向感度を20mm/kV、制限アパーチャ22の径を2
00μm、スルーレートを3kV/300pSと、実現可能な数値
に設定すると、T=アパーチャ径/(偏向感度×スルー
レート)=1pSとなり、超短パルスビームが得られるこ
とになる。 なお、上記実施例においては、偏向板18は平行平板か
らなるものであるが、これを進行波型偏向電極にする
と、偏向板の帯域が上がり、より高速の偏向電圧の印加
が可能になる。 又、上記実施例では、遅延回路を用いることによっ
て、パルス電子ビームと偏向電圧の同期をとるようにし
ているが、これは、他の手段であってもよい。例えば、
第2図に示される第2実施例のように、パルス光源12か
らのパルス光をビームスプリッタ46により2分して、一
方を光電面14に導くと共に、他方を光電変換装置48によ
り受光して、その出力信号に基づいてトリガ信号発生回
路50を駆動し、遅延回路44を経て偏向回路20を駆動する
ようにしてもよい。 次に、第3図に示される本発明の第3実施例について
説明する。 この第3実施例は、図に示されるように椀状の集束電
極52A、52Bを光電面14と偏向板18の間に配置したもので
ある。 他の構成は前記第1図の実施例と同一であるので同一
部分には同一符号を付することにより説明を省略するも
のとする。 この実施例においては、光電面14から放出された光電
子ビームが集束電極52A、52Bにより隔壁26上に集束され
るので、制限アパーチャ22によって、より効率的に光電
子ビームを切出すことができる。 次に、第4図に示される本発明の第4実施例について
説明する。 この第4実施例は、第4図に示されるように、光電面
14と偏向板18との間に、光電面14側から、加速電極16、
集束電極52及びアノード電極54を、この順で配置して電
子レンズ56を構成し、光電面14から放出された光電子ビ
ームを前記隔壁26上に集束するようにしたものである。 又、この第4実施例では、光電面格納室28と電子受容
室30とを隔壁26により実質的に隔離し、且つ、電子受容
室30から独立して、光電面格納室28からも排気口58を経
て真空ポンプ60により真空排気するようにされている。 従って、この実施例では、光電面14から放出される光
電子ビームを効率的に切出すことができると共に、光電
面格納室28を高真空に維持することによって、光電面14
におけるアルカリ原子が光電面格納室28から光電子受容
室30側に移動することを抑制して、アルカリ金属を成分
とした光電面14の感度の劣化を抑制することができる。 ここで、光電面格納室28の容積を、電子受容室30の容
積よりもより小さくすれば、光電面格納室28の真空度を
より高く保ち、アルカリ金属を成分とした光電面14の感
度の劣化を更に抑制することができる。 次に、第5図に示される本発明の第5実施例について
説明する。 この第5実施例は、真空装置24内に一対のゲートバル
ブ62A、62Bを隣接して配置し、これによって光電面格納
室28と電子受容室30とを隔離すると共に、光電面格納室
28及び電子受容室30をゲートバルブ62Aと62Bの間で分離
できるようにしたものである。 又、この実施例においては、偏向板18がゲートバルブ
62Bと制限アパーチャ22との間に配置され、更に光電面
格納室28内には、加速電極16とゲートバルブ62Aとの間
に光電子ビームの通過を許容する最小限の小孔64を備え
た隔壁66が配置されている。 又、前記電子受容室30の排気口58は、隔壁66と加速電
極16との間に配置されている。 この実施例においては、ゲートバルブ62A、62Bにより
光電面格納室28と電子受容室30とを自在に連通又は遮断
することができる。 又、各ゲートバルブ62A、62Bを閉じることにより、光
電面格納室28と電子受容室30を独立して真空を保って分
離することができる。このような構造にしておけば、光
電面14を再生する際は、光電面格納室28のみを持ち運べ
ばよく、又、光電面格納室28のみを別個に作成して、電
子受容室30と組合わせることもできる。 次に、第6図に示される本発明の第6実施例について
説明する。 この第6実施例は、本発明をICテスターに適用したも
のである。 この第6実施例に係るICテスター11は、前記第1図の
第1実施例と比較して、隔壁26と光電子受容室である試
料室68との間にゲートバルブ70が設けられると共に、試
料室68内に、集束及び走査のための電子レンズ72と、検
出器74と、試料支持部76とが設けられている点において
相違している。 他の構成は前記第1実施例と同一であるので、第1図
におけると同一部分には同一符号を付することにより説
明を省略するものとする。 なお、第6図の符号77は被測定物たる試料を示す。 ここで、前記ゲートバルブ70は、試料室68と光電面格
納室28とを連通又は遮断するものであって、全閉のとき
は光電面格納室28と試料室68の真空を完全に切離すこと
ができるようにされている。 次に、上記第6実施例の作用について説明する。 真空ポンプ60及び36により、光電面格納室28及び試料
室68を排気し、各室内を真空状態にする。 このとき、ゲートバルブ70は閉じておく。 光電面格納室28は試料室68に比べると小容積であるの
で、容易に且つ迅速に、試料室68よりも高真空状態にす
ることができる。 パルス光源12からパルス光を出射させるとき、ゲート
バルブ70を開く。 この状態で、光電面格納室28は、電子遮蔽壁を兼ねた
隔壁26の制限アパーチャを兼ねる小孔22Aを介して試料
室68に連通されるが、該小孔22Aは光電子ビームが通過
するのに必要最小限の径であり、且つ光電面格納室28の
容積が小さいので、独立した排気口58からの排気によっ
て容易に高真空状態に維持することができる。 パルス光源12からのパルス光が光電面板32を通ってア
ルカリ金属を成分とした光電面14に受光されると、該光
電面14からはパルス光のパルス幅及び光量に応じた光電
子パルスビームが放出される。 この光電子パルスビームは加速電極16によって引か
れ、偏向板18によって高速偏向され、隔壁26の制限アパ
ーチャを兼ねた小孔22Aを通った一部分が、超短パルス
電子ビームとして試料室68に導かれる。 試料室68内に配置された電子レンズ72は、光電子ビー
ムを、試料(IC)77の1点(電極)に、微小スポットに
なるように結像し、且つこれを掃引する。 一般に、電極に高エネルギーの電子(一次電子)が衝
突すると、二次電子が発生するが、二次電子のエネルギ
ーは電極の電位に依存する。 従って、二次電子のエネルギーを検出器74によって測
定することにより、電極の電位を計測することができ
る。 一般に、この種の検出器は、応答速度が遅いため、IC
上の高速の電気信号を計測するためには、一次電子を短
パルス電子ビームとしてサンプリング法(ストロボ法)
で、波形の一部分を抜出しながら、タイミングを変えて
全波形を再現測定する方法が用いられている。 この実施例においては、上記のようなアルカリ金属を
成分とした光電面14と電子の偏向動作を利用した電子源
によって発生する短パルス光電子ビームを用いることに
よって、上記のような計測が、より高分解能で容易に行
うことができる。 測定が終了したときは、ゲートバルブ70を閉じ、光電
面格納室28と試料室68を隔絶すると共に、排気口58から
の排気により、光電面格納室28を更に高真空にしてこれ
を維持することができる。 従って、アルカリ金属を成分とした光電面14の劣化を
更に抑制することができる。
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成したので、アルカリ金属
を成分とした光電面と、調整が容易な半導体レーザ等の
パルス光源と、の組合わせによって、瞬間的に高出力の
パルス電子ビームを得ると共に、そのパルス電子ビーム
の一部分を切出して、高出力の超短パルス電子ビームを
得ることができるという優れた効果を有する。又、光電
面周囲を、光電子ビームを供給される側の部屋と隔絶し
て、且つ、高真空状態に容易に維持することができ、光
電面の劣化及びアルカリ原子の移動を抑制することがで
きるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の光電面利用電子源装置の第1実施例を
示す断面図、第2図は同第2実施例を示すブロック図、
第3図〜第6図は本発明の第3〜第6実施例を示す断面
図、第7図は従来の電子源装置を示す回路図である。 10……光電面利用電子源装置、 11……ICテスター、 12……パルス光源、 14……光電面、 16……加速電極、 18……偏向板、 20……偏向回路、 22……制限アパーチャ、 24……真空装置、 26……隔壁、 28……光電面格納室、 30……電子受容室、 34、58……排気口、 36、60……真空ポンプ、 62A、62B、70……ゲートバルブ、 64……小孔、 66……隔壁、 68……試料室、 74……検出器、 76……試料支持部、 77……試料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 37/06 - 37/075 H01J 37/28

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルス光源と、アルカリ金属を成分とした
    光電面と、この光電面から放出された電子ビームを加速
    する加速電極と、加速された電子ビームを高速で偏向す
    る偏向板と、前記パルス光源に同期して偏向電圧を発生
    し、前記偏向板に印加する偏向回路と、偏向された電子
    ビームの一部を抜き出す制限アパーチャと、を備えてな
    る光電面利用電子源装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、パルス光に応じて光電
    面より放出される電子ビームのほぼピーク電流に相当す
    る部分を抜き出すように、パルス光の入射と偏向電圧の
    印加のタイミングを合わせたことを特徴とする光電面利
    用電子源装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、電子ビームが照
    射される被照射物体を収納する光電子受容室と、前記光
    電面を、前記光電子受容室及び周囲から隔離して囲む光
    電面格納室と、この光電面格納室と前記光電子受容室と
    の間の隔壁に形成され、光電面から放出された電子ビー
    ムが光電子受容室に到達するに必要な最小の小孔と、前
    記光電子受容室を排気する排気口と、この排気口から独
    立して前記光電面格納室を、前記光電子受容室よりも高
    真空に排気する第2の排気口と、を設けたことを特徴と
    する光電面利用電子源装置。
  4. 【請求項4】パルス光源と、アルカリ金属を成分とした
    光電面と、この光電面から放出された電子ビームを加速
    する加速電極と、加速された電子ビームを高速で偏向す
    る偏向板と、前記偏向板に偏向電圧を印加する偏向回路
    と、偏向された電子ビームの一部を抜き出す制限アパー
    チャと、電子ビームが照射される被照射物体を収納する
    光電子受容室と、前記光電面を、前記光電子受容室及び
    周囲から隔離して囲む光電面格納室と、この光電面格納
    室と前記光電子受容室との間の隔壁に形成され、光電面
    から放出された電子ビームが光電子受容室に到達するに
    必要な最小の小孔と、前記光電子受容室を排気する排気
    口と、この排気口から独立して前記光電面格納室を、前
    記光電子受容室よりも高真空に排気する第2の排気口
    と、を設けたことを特徴とする光電面利用電子源装置。
  5. 【請求項5】請求項3又は4において、前記隔壁の小孔
    は、前記偏向された電子ビームを抜き出す前記制限アパ
    ーチャを兼ねたことを特徴とする光電面利用電子源装
    置。
  6. 【請求項6】請求項3乃至5のうちのいずれかにおい
    て、前記光電面格納室と光電子受容室間に、両室を連
    通、遮断自在とするゲートバルブを設けたことを特徴と
    する光電面利用電子源装置。
  7. 【請求項7】請求項3乃至5のうちのいずれかにおい
    て、光電面格納室と電子受容室との間に両室を連通、遮
    断自在とするゲートバルブを両室を切離すことができる
    ように2個設けたことを特徴とする光電面利用電子源装
    置。
  8. 【請求項8】請求項3乃至7のうちのいずれかにおい
    て、前記光電子受容室に、前記小孔を通過した光電子ビ
    ームの縮小投射電子光学系と、電子ビーム走査光学系
    と、試料支持部と、この試料支持部上の試料を光電子ビ
    ームで照射したとき発生する信号の検出部と、を設けた
    ことを特徴とする光電面利用電子源装置。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のうちのいずれかにおい
    て、前記パルス光源は、半導体レーザであることを特徴
    とする光電面利用電子源装置。
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