以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像形成システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、画像形成システム1は、遠隔制御装置として機能する複合機(以下、「MFP」という)100,100A,100Bと、パーソナルコンピューター(以下、「PC」という)300と、無線局5と、携帯情報装置200,200A,200Bと、を含む。MFP(Multi Function Peripheral)100,100A,100B、PC300および無線局5は、ネットワーク3に接続される。携帯情報装置200,200A,200Bは、無線局5を通して、ネットワーク3に接続される。
ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。また、ネットワーク3は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
PC300は、一般的なコンピューターである。PC300は、MFP100,100A,100Bに対応するプリンタードライバープログラムがインストールされており、プリンタードライバープログラムを実行することにより、MFP100,100A,100Bを制御して、MFP100,100A,100Bに、画像形成処理、原稿読取処理等を実行させることが可能である。
携帯情報装置200,200A,200Bは、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistants)など、ユーザーが携帯して使用するしコンピューターである。携帯情報装置200,200A,200Bのハードウェア構成および機能は同じなので、ここでは特に言及しない限り携帯情報装置200を例に説明する。ここでは、携帯情報装置200を、スマートフォンとしており、無線LAN機能と、通話機能とを備えている。このため、携帯情報装置200は、携帯電話用基地局と無線で通信することにより携帯電話網に接続し、通話が可能である。
本実施の形態における画像形成システム1において、携帯情報装置200,200A,200Bそれぞれは、MFP100,100A,100Bを遠隔操作する。この場合、携帯情報装置200,200A,200Bそれぞれは、MFP100,100A,100Bを遠隔操作する遠隔操作装置として機能し、MFP100,100A,100Bそれぞれは、携帯情報装置200,200A,200Bいずれかによって遠隔操作される遠隔制御装置として機能する。携帯情報装置200,200A,200Bには、MFP100,100A,100Bを遠隔操作するための遠隔操作プログラムがインストールされる。遠隔操作プログラムは、MFP100,100A,100Bに共通し、MFP100,100A,100Bのいずれにも対応可能なアプリケーションプログラムである。一方、MFP100には、携帯情報装置200により遠隔操作され、処理を実行する遠隔制御プログラムがインストールされている。ここでは、携帯情報装置200がMFP100を遠隔操作する場合を例に説明する。
なお、本実施の形態においては、MFP100,100A,100Bを遠隔操作するための遠隔操作プログラムを携帯情報装置200にインストールする場合を例に説明するが、MFP100,100A,100Bを遠隔操作するための遠隔操作プログラムを、PC300にインストールしてもよい。この場合には、ユーザーは、携帯情報装置200を用いてMFP100,100A,100Bを遠隔操作する場合と同様に、PC300を用いてMFP100,100A,100Bを遠隔操作することが可能である。
本実施の形態における画像形成システム1において、MFP100,100A,100Bの構成および実行可能な機能がそれぞれ異なるが基本構成は同じである。ここでは、MFP100を例に、MFP100の基本構成を説明する。
図2は、MFPの基本構成の概要を示すブロック図である。図2を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、画像が形成された用紙を処理する後処理部155と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
後処理部155は、画像形成部140により画像が形成された1以上の用紙を並び替えて排紙するソート処理、パンチ穴加工するパンチ処理、ステープル針を打ち込むステープル処理を実行する。
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、CD−ROM(Compact Disk ROM)118が装着される外部記憶装置117と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、後処理部155および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。さらに、RAM114は,設定値記憶領域を含む。設定値記憶領域は、機能を実行するための設定値を記憶する領域である。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取データ(画像データ)を一時的に記憶する。
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介して、PC300または携帯情報装置200,200A,200Bとの間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク3を介してインターネットに接続されたコンピューターと通信が可能である。
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
外部記憶装置117は、CD−ROM118が装着される。CPU111は、外部記憶装置117を介してCD−ROM118にアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置117に装着されたCD−ROM118に記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM118に限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリであってもよい。
また、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM118に記録されたプログラムに限られず、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク3に接続された他のコンピューターが、MFP100のHDD115に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク3に接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD115に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられる。操作パネル160は、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。
操作部163は、タッチパネル165と、ハードキー部167とを含む。タッチパネル165は、表示部161の上面または下面に表示部161に重畳して設けられる。ハードキー部167は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。タッチパネル165は、表示部161の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。ユーザーがMFP100を操作する場合は直立した姿勢となる場合が多いので、表示部161の表示面、タッチパネル165の操作面およびハードキー部167は、上方を向いて配置される。ユーザーが表示部161の表示面を容易に視認することができ、ユーザーが指で操作部163を容易に指示することができるようにするためである。
図3は、携帯情報装置の構成の概要を示すブロック図である。図3を参照して、本実施の形態における携帯情報装置200は、携帯情報装置200の全体を制御するためのCPU201と、カメラ202と、データを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ203と、通話部205と接続された無線通信部204と、情報を表示する表示部206と、ユーザーの操作を受け付ける操作部207と、無線LANI/F208と、加速度センサー210と、外部記憶装置211と、を含む。
表示部206は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部207は、メインキー207Aと、タッチパネル207Bとを備える。また、ユーザーが、表示部206の表示面を指示する場合、操作部207は、タッチパネル207Bにより検出される表示面の位置をCPU201に出力する。CPU201は、タッチパネル207Bによる検出された位置に基づいて、表示部206に表示されている画面中でユーザーにより指示された位置を検出する。CPU201は、表示部206に表示されている画面と、タッチパネル207Bによる検出された位置とに基づいて、ユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。例えば、表示部206にテンキーの画像を含む画面を表示する場合には、タッチパネル207Bによる検出された位置に表示されたキーに対応する数字を受け付ける。
カメラ202は、レンズおよび光電変換素子を備え、レンズで集光した光を光電変換素子に結像し、光電変換素子は受光した光を光電変換して画像データをCPU201に出力する。光電変換素子は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー、CCD(Charge Coupled Device)センサー等である。
無線通信部204は、電話通信網に接続された携帯電話用基地局と無線通信する。無線通信部204は、携帯情報装置200を電話通信網に接続し、通話部205を用いた通話を可能とする。無線通信部204は、携帯電話用基地局から受信した無線信号を復調した音声信号を復号して通話部205に出力する。また、無線通信部204は、通話部205から入力される音声を符号化し、携帯電話用基地局に送信する。通話部205は、マイクおよびスピーカーを備え、無線通信部204から入力される音声をスピーカーから出力し、マイクから入力される音声を無線通信部204に出力する。さらに、無線通信部204は、CPU201により制御され、携帯情報装置200を電子メールサーバーに接続し、電子メールを送受信する。
無線LANI/F208は、無線局5と通信し、携帯情報装置200をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。携帯情報装置200に、PC300、MFP100それぞれのIP(Internet Protocol)アドレスを登録しておくことにより、携帯情報装置200は、PC300、MFP100と通信することができ、データの送受信が可能となる。なお、本実施の形態においては、携帯情報装置200が無線LANI/F208を用いて、PC300、MFP100,100A,100Bと通信する場合を例に説明するが、他の通信方法を用いて通信するようにしてもよい。具体的には、携帯情報装置200、PC300、MFP100,100A,100Bが、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離無線装置を搭載する場合には、携帯情報装置200が、PC300、MFP100,100A,100Bのいずれかと、1対1で通信するようにしてもよい。
フラッシュメモリ203は、CPU201が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。CPU201は、フラッシュメモリ203に記録されたプログラムを、CPU201が備えるRAMにロードして実行する。
加速度センサー210は、X軸、Y軸およびZ軸の3方向の加速度を測定する3軸加速度センサーである。加速度センサー210は、検出した加速度をCPU201に出力する。
外部記憶装置211は、携帯情報装置200に着脱自在であり、遠隔操作プログラムを記憶したCD−ROM211Aが装着可能である。CPU201は、外部記憶装置211を介してCD−ROM211Aにアクセス可能である。CPU201は、外部記憶装置211に装着されたCD−ROM211Aに記録された遠隔操作プログラムを、CPU201が備えるRAMにロードして実行することが可能である。
なお、CPU201が実行するプログラムとして、フラッシュメモリ203またはCD−ROM211Aに記録されたプログラムについて説明したが、ネットワーク3に接続された他のコンピューターが、フラッシュメモリ203に記憶されたプログラムを書換えたプログラム、または、追加して書き込んだ新たなプログラムであってもよい。さらに、携帯情報装置200が、ネットワーク3に接続された他のコンピューターからダウンロードしたプログラムでもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
なお、CPU201が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM211Aに限られず、光ディスク(MO/MD/DVD)、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリであってもよい。
図4は、本実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図4に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD−ROM118に記憶された機能制御プログラムおよび遠隔制御プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。機能制御プログラムは、MFP100に固有のプログラムである。換言すれば、MFP100,100A,100BそれぞれのCPU111にインストールされる機能制御プログラムは、すべて異なる。MFP100,100A,100Bそれぞれが実行可能な機能が異なるからである。また、遠隔制御プログラムは、MFP100,100A,100BそれぞれのCPU111にインストールされる遠隔制御プログラムはすべて同じである。
図4を参照して、CPU111は、機能制御プログラムを実行することにより形成する機能として、パネル制御部51と、機能実行部53と、を含む。CPU111は、さらに、遠隔制御プログラムを実行することにより形成する機能として、接続制御部61と、遠隔操作画面送信部63と、遠隔操作受信部65と、全体機能決定部67と、実装機能検出部69と、遠隔操作画面生成部71と、設定部73と、判定部75と、実行装置決定部77と、連携実行部79と、再現部81と、実行結果送信部85と、実行結果受信部87と、を含む。
機能実行部53は、MFP100が有する1以上の実装機能を実行する。機能実行部53が実行可能な機能は、MFP100が有する1以上の実装機能であり、他のMFP100,100A,100Bがそれぞれ有する1以上の実装機能とは別の機能を含む場合がある。逆に、MFP100が有する1以上の実装機能、換言すれば、機能実行部53が実行可能な機能は、他のMFP100,100A,100Bがそれぞれ有する1以上の実装機能の一部の機能を含まない場合がある。
機能実行部53は、パネル制御部51から入力される操作に従って、1以上の実装機能のうち操作に対応する実装機能を実行する。機能実行部53は、パネル制御部51から入力される操作が、複数の実装機能に対応する場合、操作に対応する複数の実装機能を実行する。パネル制御部51から入力される操作は、機能実行部53が実装機能を実行するために用いる設定値を設定する設定操作と、操作画面を別の操作画面に切り換えを指示する画面遷移操作と、実装機能の実行を指示する実行指示操作とを含む。機能実行部53は、設定操作が入力される場合には、設定操作により定まる設定項目に設定操作により定まる設定値を設定する。例えば、5部のプリントを指示する設定操作は、プリント部数を示す設定項目「置数」と設定値「5」とを含む。機能実行部53は、画面遷移操作が入力される場合には画面遷移操作により定まる操作画面を決定し、決定した操作画面を表示する表示指示をパネル制御部51に出力する。機能実行部53は、実行指示操作が入力される場合には、その実行指示操作により特定される実装機能を、それまでに設定された設定値に従って実行する。例えばプリント機能の実行を指示する実行指示操作は、設定項目「置数」と設定値「5」が設定されていれば、データの画像を形成する機能を5回実行する。
パネル制御部51は、操作パネル160を制御し、表示部161に操作画面を表示するとともに、ユーザーが操作部163に入力する操作を受け付ける。パネル制御部51は、機能実行部53から表示指示が入力されることに応じて、表示指示に含まれる操作画面を表示部161に表示する。パネル制御部51は、ユーザーが表示部161に表示された操作画面に従って操作部163に入力する操作を受け付け、受け付けられた操作を機能実行部53に出力する。
実装機能検出部69は、他のMFP100A,100Bそれぞれの実装機能を検出する。具体的には、通信I/F部112を制御し、実装機能の送信要求をブロードキャストで送信し、MFP100A,100Bそれぞれからそれが実行可能な1以上の機能の機能識別情報を含む返信を受信することによって、MFP100A,100Bそれぞれの実装機能を検出する。また、HDD116に、MFP100A,100Bに対して、1以上の実装機能を定めた実装機能テーブルを記憶しておき、その実装機能テーブルを読み出すことにより、他のMFP100A、100Bそれぞれの実装機能を検出するようにしてもよい。実装機能検出部69は、MFP100A,100Bそれぞれの実装機能を、全体機能決定部67および実行装置決定部77に出力する。
全体機能決定部67は、MFP100自装置の実行機能と、MFP100A,100Bそれぞれの実装機能とに基づいて全体機能を決定する。全体機能は、MFP100,100A,100Bのいずれか1つで実行可能な機能の集合である。全体機能決定部67は、決定された全体機能を遠隔操作画面生成部71に出力する。
図5は、全体機能とMFP100,100A,100Bそれぞれの実装機能との関係の一例を示す図である。図5を参照して、MFP100,100A,100Bの装置識別情報をそれぞれ「MFP−A」、「MFP−B」、「MFP−C」として示している。
全体機能は、MFP100,100A,100Bのいずれか1つで実行可能な機能の集合である。具体的には、全体機能は、データを入力する入力機能に関する機能として、機能識別情報「カラー入力」のカラー入力機能と、機能識別情報「両面読取」の画面読取機能と、を含む。カラー入力機能は、原稿読取部130が原稿をカラーで読み取る機能である。両面読取機能は、原稿の両面を読み取る機能である。
また、全体機能は、画像を処理する画像処理機能に関する機能として、機能識別情報「OCR」のOCR機能、機能識別情報「集約」の集約機能を含む。OCR機能は、画像中の文字を認識する機能である。集約機能は、複数の画像をまとめた1つの画像に変換する機能である。
また、全体機能は、画像を形成する画像形成機能に関する機能として、機能識別情報「モノクロ印字」のモノクロ印字機能、機能識別情報「カラー印字」のカラー印字機能、機能識別情報「両面印字」の両面印字機能、を含む。モノクロ印字機能は、画像をモノクロで形成する機能である。カラー印字機能は、画像をカラーで形成する機能である。両面印字機能は、用紙の両面に画像を形成する機能である。
また、全体機能は、画像が形成された用紙を処理する後処理機能に関する機能として、機能識別情報「パンチ」のパンチ機能、機能識別情報「ステープル」のステープル機能、機能識別情報「折り曲げ」の折り曲げ機能、を含む。パンチ機能は、用紙にパンチ穴を開ける機能である。ステープル機能は、複数枚の用紙にステープル針を打ち込む機能である。折り曲げ機能は、用紙を折り曲げる機能である。
また、全体機能は、データを出力する出力機能に関する機能として、機能識別情報「FAX送信」のFAX送信機能、機能識別情報「保存」の保存機能、機能識別情報「データ送信」のデータ送信機能、を含む。FAX機能は、データをファクシミリで送信する機能である。保存機能は、データをHDD115等の記録媒体に記憶する機能である。データ送信機能は、通信I/F部112を制御してデータを外部に送信する機能である。
装置識別情報「MFP−A」のMFP100が有する実装機能は、全体機能のうち、OCR機能、集約機能、モノクロ印字機能、パンチ機能、ステープル機能、折り曲げ機能、FAX送信機能、保存機能、データ送信機能である。
装置識別情報「MFP−B」のMFP100Aが有する実装機能は、全体機能のうち、カラー入力機能、両面読取機能、集約機能、モノクロ印字機能、カラー印字機能、両面印字機能、パンチ機能、ステープル機能、折り曲げ機能である。
装置識別情報「MFP−C」のMFP100Bが有する実装機能は、全体機能のうち、OCR機能、集約機能、モノクロ印字機能、FAX送信機能、保存機能、データ送信機能である。
図4に戻って、接続制御部61は、通信I/F部112を制御し、通信I/F部112が遠隔操作装置である携帯情報装置200,200A,200Bのいずれかから接続要求を受信すると、携帯情報装置200,200A,200Bのうち接続要求を送信してきた装置との間で通信経路を確立する。接続制御部61によって通信経路が確立された装置を、遠隔操作中装置という。接続制御部61は、遠隔操作中装置との間で確立された通信経路を識別するための経路識別情報と遠隔操作中装置を識別するための装置識別情報との組を遠隔操作受信部65および遠隔操作画面送信部63に出力する。
遠隔操作受信部65は、接続制御部61から経路識別情報と装置識別情報との組が入力されると、遠隔操作画面生成部71に初期画面生成指示と装置識別情報との組を出力する。また、遠隔操作受信部65は、初期画面生成指示と装置識別情報との組を出力した後に、通信制御部112を制御し、経路識別情報で特定される通信経路を介して、装置識別情報で特定される遠隔操作中装置から送信される遠隔操作を受信する。遠隔操作受信部65は、遠隔操作中装置から遠隔操作を受信することに応じて、その遠隔操作を識別するための操作識別情報と装置識別情報との組を、遠隔操作画面生成部71、設定部73、および判定部75に出力する。
遠隔操作画面生成部71は、全体機能決定部67から全体機能が入力され、全体機能すべてに対応した遠隔操作画面を生成する。遠隔操作画面生成部71が生成する遠隔操作画面は、全体機能すべてに対応した遠隔操作画面であるのに対して、パネル制御部51が表示部161に表示する操作画面は、機能実行部53が実行可能な実行機能に対応した操作画面である点で異なる。遠隔操作画面生成部71は、遠隔操作受信部65から初期画面生成指示と装置識別情報との組が入力される場合、初期画面としてデフォルトで定められた遠隔操作画面をHDD116から読出し、読出した遠隔操作画面と装置識別情報との組を遠隔操作画面送信部63に出力する。また、遠隔操作画面生成部71は、遠隔操作受信部65から操作識別情報と装置識別情報との組が入力され場合、操作識別情報で特定される遠隔操作に対応する遠隔操作画面を生成し、生成した遠隔操作画面と装置識別情報との組を遠隔操作画面送信部63に出力する。
遠隔操作画面送信部63は、接続制御部61から経路識別情報と装置識別情報との組が入力される。遠隔操作画面送信部63は、遠隔操作画面生成部71から遠隔操作画面と装置識別情報が入力されることに応じて、装置識別情報で特定される遠隔操作中装置に遠隔操作画面を送信する。具体的には、接続制御部61から入力される経路識別情報と装置識別情報との組に基づいて、遠隔操作画面生成部71から入力される装置識別情報と組になる経路識別情報で識別される通信経路を特定する。そして、遠隔操作画面送信部63は、通信I/F部112を制御して、遠隔操作画面を、特定した通信経路を介して送信する。
遠隔操作装置が、MFP100に送信する遠隔操作は、設定値を設定する設定操作、遠隔操作画面を別の遠隔操作画面に切り換えを指示する画面遷移操作と、機能の実行を指示する実行指示操作と、を含む。遠隔操作受信部65は、遠隔操作画面が送信された後に受信する遠隔操作が位置情報を含む場合、その位置情報と、遠隔操作画面送信部63によって遠隔操作装置に送信された遠隔操作画面とに基づいて、遠隔操作を検出する。具体的には、位置情報によって、遠隔操作画面中で特定される位置が、遠隔操作画面に含まれる遷移ボタン内ならば画面遷移操作を特定する。位置情報によって遠隔操作画面中で特定される位置が、設定値を設定するコマンドが割り当てられた領域内ならば設定操作を特定する。位置情報によって遠隔操作画面中で特定される位置が、実行コマンドが割り当てられたボタンの領域内ならば実行指示操作を特定する。なお、ここでは、遠隔操作画面中の位置から遠隔操作を特定するが、遠隔操作中装置が画面遷移操作、設定操作、機能実行操作を区別可能な形態で遠隔操作を送信するようにしてもよい。例えば、遠隔操作中装置が、画面遷移操作、設定操作、機能実行操作それぞれに対応する遠隔操作コマンドを送信するようにしてもよい。
設定部73は、遠隔操作受信部65から設定操作の操作識別情報と、装置識別情報との組が入力される場合、設定操作に従って設定値を設定する。設定操作は、設定項目と設定値とを含む。設定部73は、設定操作に含まれる設定項目に設定操作に含まれる設定値を設定する。設定部73は、設定値を設定すると、遠隔操作画面生成部71に、装置識別情報を含む生成指示を出力する。
遠隔操作画面生成部71は、設定部73から生成指示が入力されることに応じて、先に生成した遠隔操作画面と同じ遠隔操作画面を生成し、生成した遠隔操作画面と、生成指示に含まれる装置識別情報との組を遠隔操作画面送信部63に出力する。遠隔操作画面生成部71によって生成指示が入力されることに応じて生成される遠隔操作画面は、設定値が更新された後の値を含む。このため、遠隔操作中装置に、設定値が更新された後の値を含む遠隔操作画面が送信され、遠隔操作中装置において表示される。
遠隔操作画面生成部71は、遠隔操作受信部65から画面遷移操作の操作識別情報と装置識別情報との組が入力されることに応じて、画面遷移操作により定まる遠隔操作画面を生成し、生成された遠隔操作画面と、遠隔操作受信部65から入力される装置識別情報との組を遠隔操作画面送信部63に出力する。このため、遠隔操作中装置に、画面遷移操作により定まる遠隔操作画面が送信され、その遠隔操作画面が遠隔操作中装置において表示される。
判定部75は、遠隔操作受信部65から実行指示操作の操作識別情報と、装置識別情報との組が入力される場合、実行指示操作により特定される1以上の機能の全てを、機能実行部53が実行可能か否かを判断する。換言すれば、機能実行部53が実行可能な1以上の実装機能が、実行指示操作により特定される1以上の機能の全てを含むか否かを判断する。判定部75は、1以上の実装機能が実行指示操作により特定される1以上の機能の全てを含むならば、機能実行部53に実行指示操作を出力するが、1以上の実装機能が実行指示操作により特定される1以上の機能の全てを含まないならば、機能実行部53に実行指示操作を出力することなく、実行装置決定部77に決定指示を出力する。決定指示は、実行指示操作により特定される1以上の機能をそれぞれ識別する機能識別情報を含む。
実行装置決定部77は、実装機能検出部69からMFP100A,100Bそれぞれの実装機能が入力され、判定部75から決定指示が入力されることに応じて、MFP100A,100Bのうちから実行指示操作により特定される1以上の機能の全てを実行可能な装置を、実行装置に決定する。実行装置決定部77は、実行装置の装置識別情報を引継部79に出力する。実行装置決定部77は、実行指示操作により特定される1以上の機能の全てを実行可能な装置が複数の場合、具体的には、MFP100A,100Bの双方が、実行指示操作により特定される1以上の機能の全てを実行可能な場合、複数の装置のうちからその機能を実行する速度が最速の装置を実行装置に決定する。また、複数の装置のうちから、消費電力が最小の装置を実行装置に決定してもよい。また、複数の装置のうちから蓄積されているジョブの数が最小の装置を実行装置に決定してもよい。ユーザーの待ち時間を可能な限り短くすることができる。また、複数の装置のうちから使用頻度が最小の装置を実行装置に決定してもよい。例えば、その日に実行されたジョブの数が最小の装置を実行装置に決定する。使用頻度が最小であれば、ジョブが他のジョブと重なる確立が低いため、待ち時間を可能な限り少なくすることができる。
連携実行部79は、実行装置決定部77から実行装置の装置識別情報が入力される。連携実行部79は、実行装置決定部77から実行装置の装置識別情報が入力されることに応じて、実行装置に設定部73により設定された設定値を用いて実行指示操作により特定される1以上の機能の全てを実行させる。具体的には、連携実行部79は、通信I/F部112を制御して、実行装置決定部77から入力される装置識別情報で特定される実行装置と通信し、連携実行指示を送信する。連携実行指示は、実行装置決定部77から実行装置の装置識別情報が入力されるまでに設定部73によって設定された設定値の全てと、実行指示操作により特定される1以上の機能の全ての実行を指示するコマンドとを含む。連携実行部79は、実行装置に連携実行指示を送信すると、受信指示を実行結果受信部87に出力する。受信指示は、実行装置決定部77から入力される実行装置の装置識別情報を含む。
実行結果受信部87は、連携実行部79から受信指示が入力されることに応じて、実行装置から実行結果を受信する。具体的には、実行結果受信部87は、通信I/F部112を制御して、実行装置決定部77から入力される装置識別情報で特定される実行装置と通信し、実行結果を受信する。実行結果は、実行装置が、連携実行指示に従って、実行指示操作により特定される1以上の機能の全てを実行した結果である。実行結果受信部87は、実行装置の装置識別情報と、受信された実行結果とを遠隔操作画面生成部71に出力する。
遠隔操作画面生成部71は、実行結果受信部87から実行装置の装置識別情報と、受信された実行結果とが入力されることに応じて、それらを含む遠隔操作画面を生成し、それを遠隔操作画面送信部63に出力する。これにより、遠隔操作装置に実行装置の装置識別情報と実行結果とを含む遠隔操作画面が表示されるので、遠隔操作装置のユーザーは、MFP100,100A,100Bのうちのどの装置で機能が実行されたかを知ることができる。
再現実行部81は、通信I/F部112を制御し、通信I/F部112が、他のMFP100A,100Bのうち遠隔操作中装置によって遠隔操作されている接続装置から連携実行指示を受信することに応じて、接続装置に設定されている設定値を再現し、連携実行指示に従って機能を実行する。再現実行部81は、設定値再現部83を含む。設定値再現部83は、連携実行指示に含まれる設定値を含む設定指示を設定部73に出力する。設定部73は、設定値再現部83から設定指示が入力されることに応じて、設定指示に含まれる設定値の全てを設定する。これにより、遠隔操作装置によって遠隔操作されている接続装置に設定されている設定値と同じ設定値が、MFP100に設定される。
また、設定値再現部83は、連携実行指示に含まれる設定値が画像を形成する機能に対する設定値を含む場合、親展プリントの機能を有効に設定する指示を設定部73に出力する。親展プリントの機能は、遠隔操作中装置を操作するユーザーによる許可が操作部163によって受け付けられることを条件に、画像を形成する機能を実行する機能である。機能を実行する装置が接続装置から変更になった場合に、親展プリントの機能を有効に設定するので、ユーザーが遠隔操作の対象として指定したMFP100と異なる装置、例えば、MFP100Aで画像が形成される場合に、MFP100Aまでの距離が長く、移動に時間を要する場合であっても、MFP100Aは、MFP100を遠隔操作していたユーザーにより操作されなければ画像を形成しないので、他人に出力結果を見られるのを防止することができる。親展プリントの機能を実行するための設定値として、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報が必要となるが、例えば、接続装置が遠隔操作中装置を操作するユーザーを認証しているので、接続装置から受信される連携実行指示に、認証したユーザーのユーザー識別情報を含めるようにしてもよい。また、接続制御部61が遠隔操作中装置との間で通信経路を確立した時点で、遠隔操作中装置を操作するユーザーを識別するためのユーザー識別情報を遠隔操作中装置から取得するようにしてもよい。
再現実行部81は、設定部73によって設定値が設定されることに応じて、連携実行指示に含まれるコマンドに従って、1以上の機能の全てを実行する。再現実行部81は、1以上の機能の全てを実行した結果と、連携実行指示を送信してきた接続装置の装置識別情報とを実行結果送信部85に出力する。実行結果送信部85は、通信I/F部112を制御し、接続装置に実行結果を送信する。なお、親展プリントの機能を有効に設定されている場合には、機能を実行することなく、その旨を通信する。
図6は、携帯情報装置が備えるCPUの機能の概要の一例を示すブロック図である。図6に示す機能は、携帯情報装置200が備えるCPU201が、フラッシュメモリ203、またはCD−ROM211Aに記憶された遠隔操作プログラムを実行することにより、CPU201に形成される機能である。図6を参照して、CPU201は、通信制御部251と、遠隔操作画面受信部253と、画像表示制御部255と、操作受付部257と、遠隔操作送信部259と、を含む。
通信制御部251は、遠隔操作の対象となる遠隔制御装置との間で通信経路を確立する。具体的には、通信制御部251は、ユーザーが操作部207を操作して、MFP100,100A,100Bのうち遠隔操作の対象となる遠隔制御装置を指示を入力すれば、無線LANI/F208を制御して、遠隔制御装置に接続要求を送信し、遠隔制御装置との間の通信経路を確立する。ここで、通信制御部251が通信経路を確立し、遠隔操作の対象となる遠隔制御装置は、接続装置である。
本実施の形態においては、遠隔操作装置は、MFP100,100A,100Bのいずれかとしている。通信制御部251は、接続装置との間で通信経路を確立すると、その通信経路の経路識別情報を、遠隔操作画面受信部253、遠隔操作送信部259および切換制御部261に出力するとともに、接続装置の装置識別情報を接続先表示部263に出力する。
遠隔操作画面受信部253は、通信制御部251から経路識別情報が入力されると、無線LANI/F208を制御し、無線LANI/F208が経路識別情報で特定される通信経路で、接続装置から遠隔操作画面を受信する。遠隔操作画面受信部253は、受信された遠隔操作画面を、画像表示制御部255に出力する。
画像表示制御部255は、表示部206を制御し、遠隔操作画面が入力されることに応じて、遠隔操作画面の画像を表示部206に表示する。
操作受付部257は、操作部207を制御し、ユーザーが操作部207に入力する操作を遠隔操作として受け付け、遠隔操作を遠隔操作送信部259に出力する。ユーザーが操作部207の備えるタッチパネル207Bを指示する場合、操作受付部257は、表示部206に表示された遠隔操作画面中の位置を示す位置情報を含む遠隔操作を遠隔操作送信部259に出力する。
遠隔操作画面受信部253は、操作受付部257から遠隔操作が入力されると、無線LANI/F208を制御し、経路識別情報で特定される通信経路を介して、遠隔操作を接続装置に送信する。
ここで、再度図5を参照して、例えば、携帯情報装置200がMFP100を遠隔操作する場合に、携帯情報装置200を操作するユーザーがカラー印字機能を実行させる実行指示操作を入力する場合、MFP100は、カラー印字機能を実装機能として有しないので、MFP100は、カラー印字機能を実装機能として有するMFP100Aを実行装置に決定し、MFP100Aに連携実行指示を送信し、MFP100Aにカラー印字機能を実行させる。これにより、携帯情報装置200は、MFP100を遠隔操作しつつ、MFP100Aにカラー印字機能を実行させることができる。
また、携帯情報装置200がMFP100Aを遠隔操作する場合に、携帯情報装置200を操作するユーザーが、OCR機能を実行させる実行指示操作を入力する場合、MFP100Aは、OCR機能を実装機能として有しないので、OCR機能を実装機能として有するMFP100およびMFP100Bのいずれかを実行装置に決定する。例えば、MFP100を実行装置として決定する場合、MFP100に連携実行指示を送信し、MFP100AにOCR機能を実行させる。
また、携帯情報装置200がMFP100Bを遠隔操作する場合に、携帯情報装置200を操作するユーザーが、ステープル機能を実行させる実行指示操作を入力する場合、MFP100Bは、ステープル機能を実装機能として有しないので、ステープル機能を実装機能として有するMFP100およびMFP100Aのいずれかを実行装置に決定する。例えば、MFP100を実行装置として決定する場合、MFP100に連携実行指示を送信し、MFP100にステープル機能を実行させる。
図9は、遠隔制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。遠隔制御処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD−ROM118に記憶された遠隔制御プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図9を参照して、CPU111は、他のMFP100A,100Bを検出する(ステップS01)。具体的には、通信I/F部112を制御し、実装機能の送信要求をブロードキャストで送信し、MFP100A,100Bそれぞれからそれが実行可能な1以上の機能の機能識別情報を含む返信を受信することによって、MFP100A,100Bそれぞれの実装機能を検出する。また、HDD116に、MFP100A,100Bに対して、1以上の実装機能を定めた実装機能テーブルを記憶しておき、その実装機能テーブルを読み出すことにより、他のMFP100A、100Bそれぞれの実装機能を検出するようにしてもよい。
次のステップS02においては、全体機能を決定する。自装置であるMFP100の実装機能と、MFP100Aの実装機能と、MFP100Bの実装機能とに基づいて全体機能を決定する。全体機能は、MFP100,100A,100Bのいずれか1つで実行可能な機能の集合である。
次のステップS03においては、接続要求を受信したか否かを判断する(ステップS01)。通信I/F部112が携帯情報装置200,200A,200Bのいずれかから接続要求を受信したか否かを判断する。接続要求を受信したならば処理をステップS04に進めるが、接続要求を受信しなければ処理をステップS21に進める。ここでは、携帯情報装置200から接続要求を受信した場合を例に説明する。
ステップS04においては、接続要求を送信してきた装置、ここでは携帯情報装置200との間で通信経路を確立する。そして、携帯情報装置200に表示させる遠隔操作画面を、予め定められた初期画面に決定し、処理をステップS06に進める。
ステップS06においては、処理がステップS05から進む場合、初期画面に予め定められた遠隔操作画面を遠隔操作中装置である携帯情報装置200に送信する。具体的には、通信I/F部112を制御して、ステップS04において確立された通信経路を介して遠隔操作画面を送信する。
次のステップS07においては、遠隔操作を受信したか否かを判断する。通信I/F部112が、ステップS04において確立された通信経路を介して遠隔操作を受信したか否かを判断する。遠隔操作を受信するまで待機状態となり(ステップS07でNO)、遠隔操作を受信したならば(ステップS07でYES)、処理をステップS08に進める。ステップS08においては、遠隔操作によって処理を分岐させる。遠隔操作が、画面遷移操作ならば処理をステップS09に進め、遠隔操作が設定操作ならば処理をステップS10に進め、遠隔操作が実行指示操作ならば処理をステップS11に進め、遠隔操作が終了操作ならば処理をステップS19に進める。
ステップS09においては、画面遷移操作により特定される遠隔操作画面を決定し、処理をステップS06に戻す。ステップS06においては、処理がステップS09から進む場合は、ステップS09において決定された遠隔操作画面を生成し、生成した遠隔操作画面を遠隔操作中装置である携帯情報装置200に送信する。
ステップS10においては、設定操作に従って設定値を設定し、処理をステップS06に戻す。具体的には、設定操作に含まれる設定項目に設定操作に含まれる設定値を設定する。ステップS06においては、処理がステップS10から進む場合は、先に送信したのと同じ遠隔操作画面を生成し、生成した遠隔操作画面を遠隔操作装置である携帯情報装置200に送信する。設定値が設定された後の遠隔操作画面を生成するので、遠隔操作画面に設定値を含む場合には、変更後の設定値を含む遠隔操作画面が生成される。
ステップS11においては、実行指示操作により特定される機能を実行可能か否かを判断する。実行指示操作により特定される1以上の機能が自装置の実装機能に含まれていれば、実行可能と判断する。実行指示操作により特定される機能を実行可能と判断する場合は処理をステップS12に進めるが、そうでなければ処理をステップS14に進める。ステップS12においては、実行指示操作により特定される1以上の機能を実行し、処理をステップS13に進める。次のステップS13においては、機能を実行した後に遠隔操作装置に表示させる遠隔操作画面を決定し、処理をステップS06に戻す。例えば、機能を実行した結果を通知する遠隔操作画面に決定する。ステップS06においては、処理がステップS13から進む場合は、ステップS13において決定された遠隔操作画面を生成し、生成した遠隔操作画面を遠隔操作装置である携帯情報装置200に送信する。
ステップS14においては、実行装置を決定する。ステップS01において検出された他のMFP100A,100Bそれぞれの実装機能に基づいて、実行指示操作により特定される1以上の機能を実行可能な装置を実行装置に決定する。次のステップS15においては、実行装置が複数か否かを判断する。実行装置が複数ならば処理をステップS16に進めるが、単数ならば処理をステップS17に進める。他のMFP100A,100Bの2つが実行装置に決定される場合がある。ステップS16においては、複数の実行装置のうち実行指示操作により特定される1以上の機能それぞれの設定項目が最大の装置を実行装置に決定し、処理をステップS17に進める。
ステップS17においては、実行装置に連携実行指示を送信し、処理をステップS18に進める。連携実行指示は、ステップS10において設定された設定値の全てと、ステップS08において遠隔操作装置から受信された実行指示操作に対応する全ての機能の実行を指示するコマンドと、含む。
次のステップS18においては、実行装置から実行結果を受信するまで待機状態となり、実行結果を受信すると、処理をステップS19に進める。ステップS19においては、遠隔操作画面を生成し、処理をステップS06に戻す。ここで生成する遠隔操作画面は、ステップS18において受信された実行結果と、実行装置の装置識別情報とを含む。ステップS06においては、処理がステップS19から進む場合は、ステップS19において生成された遠隔操作画面を遠隔操作中装置である携帯情報装置200に送信する。
処理がステップS20に進む場合、ステップS08において受け付けられた遠隔操作が処理の終了を指示する終了操作の場合である。ステップS20においては、ステップS04において確立された通信経路を切断し、処理をステップS03に戻す。
ステップS21においては、他のMFP100A,100Bのいずれかから連携実行指示を受信したか否かを判断する。連携実行指示を受信したならば処理をステップS22に進めるが、そうでなければ処理をステップS03に戻す。連携実行指示は、設定値と、コマンドと、含む。例えば、MFP100Aから連携実行指示が受信される場合は、MFP100Aは、遠隔操作中装置である携帯情報装置200によって遠隔操作されて設定値を設定し、遠隔操作として実行指示操作が入力された段階で、MFP100を実行装置に決定する場合である。この場合における連携実行指示は、MFP100Aが携帯情報装置200によって遠隔操作されて設定した設定値と、MFP100Aが携帯情報装置200から受信した実行指示操作に対応する機能の全てを実行するコマンドと、を含む。
ステップS22においては、連携実行指示に含まれる設定値を設定することによって、設定値を再現する。これにより、MFP100Aが携帯情報装置200によって遠隔操作されて設定した設定値と同じ設定値がMFP100に設定される。
次のステップS23においては、画像を形成する機能が設定されているか否かを判断する。画像を形成する機能に関する設定値が設定されたならば画像を形成する機能が設定されていると判断する。画像を形成する機能が設定されているならば処理をステップS24に進めるが、そうでなければ処理をステップS25に進める。ステップS24においては、親展プリントの機能を有効に設定し、処理をステップS25に進める。
次のステップS25においては、連携実行指示に含まれるコマンドにより定まる機能を実行する。換言すれば、MFP100Aが携帯情報装置から受信した実行指示操作に対応する機能の全てを実行する。
そして、実行結果を、連携指示を送信してきた装置に送信し(ステップS26)、処理をステップS03に戻す。通信I/F部112を制御して、実行結果を接続装置であるMFP100に送信する。
なお、ステップS24において親展プリントの機能が有効に設定された後に、ステップS25が実行される場合、ステップS25においては、機能を実行することなく、その機能を実行するための親展プリントジョブを生成し、処理をステップS26に進める。ステップS26においては、親展プリントが有効に設定されたことを示す遠隔操作画面を連携指示を送信してきた装置に送信し、処理ステップS03に戻す。CPU111は、ステップS24において生成される親展プリントジョブを、操作パネル160を操作するユーザーの認証に成功することを条件に、実行する。
図7は、遠隔操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。遠隔操作処理は、携帯情報装置200,200A,200Bそれぞれが備えるCPU201が、フラッシュメモリ203、またはCD−ROM211Aに記憶された遠隔操作プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。ここでは、携帯情報装置200が遠隔操作処理を実行する場合を例に説明する。
図7を参照して、CPU201は、遠隔操作指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS51)。操作部207がユーザーにより入力される遠隔操作指示を受け付けたならば遠隔操作指示を受け付ける。遠隔操作指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS51でNO)、遠隔操作指示を受け付けたならば(ステップS51でYES)、処理をステップS52に進める。遠隔操作指示は、遠隔操作の対象となる遠隔制御装置を特定する指示を含む。ここでは、MFP100が遠隔操作の対象に特定される場合を例に説明する。
ステップS52においては、遠隔操作の対象であるMFP100に接続要求を送信する。無線LANI/F208を制御して、MFP100との間の通信経路を確立するために接続要求を送信する。そして、通信経路が確立したか否かを判断する(ステップS53)。MFP100とネゴシエーションすることによって、通信経路を確立する。通信経路が確立するまでステップS52を繰り返し(ステップS53でNO)、通信経路が確立したならば(ステップS53でYES)、処理をステップS54に進める。
ステップS54においては、遠隔操作画面を受信したか否かを判断する。無線LANI/F208が、ステップS53において確立した通信経路を介してMFP100から遠隔操作画面を受信したか否かを判断する。遠隔操作画面を受信したならば処理をステップS53に進めるが、そうでなければ処理をステップS58に進める。
ステップS55においては、受信された遠隔操作画面を表示部206に表示し、処理をステップS56に進める。ステップS56においては、ユーザーによる指示を受け付けたか否かを判断する。指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS56でNO)、指示を受け付けたならば(ステップS56でYES)、処理をステップS57に進める。タッチパネル207がユーザーにより指示された位置を検出すると、指示を受け付ける。
ステップS57においては、遠隔操作を遠隔制御装置であるMFP100に送信し、処理をステップS54に戻す。具体的には、ステップS56において検出されたユーザーにより指示された位置に基づいて、操作画面の画像中の位置を特定し、無線LANI/F208を制御し、特定された位置を示す位置情報を含む遠隔操作を、ステップS53において確立された通信経路を介してMFP100に送信する。
一方、ステップS58においては、ステップS53において確立された通信経路が切断されたか否かを判断する。通信経路が切断されたならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS54に戻す。
以上説明したように本実施の形態における画像形成システム1は、画像形成装置として機能するMFP100,100A,100Bと、を含む。MFP100,100A,100Bを遠隔操作可能な遠隔操作装置として機能する携帯情報装置200,200A,200Bとを含む。MFP100,100A,100Bそれぞれは、1以上の実装機能を実行可能である。例えば、携帯情報装置200がMFP100を遠隔操作する場合、MFP100は、自装置およびMFP100A,100Bそれぞれの実装機能に基づいて、自装置およびMFP100A,100Bの少なくとも1つで実行可能な複数の機能を全体機能として決定し、複数の機能の全てに対応した遠隔操作画面を、携帯情報装置200に送信し、携帯情報装置200から受信される設定操作に従って設定値を設定し、携帯情報装置200から受信される実行指示操作がMFP100が実行可能な実装機能のいずれでもない場合は、MFP100A,100Bのうちから実行指示操作に対応する機能を実行可能な実行装置を決定し、決定された実行装置に実行指示操作に対応する機能を実行させる。このため、ユーザーは、携帯情報装置200からMFP100,100A,100Bのいずれかを遠隔操作して、設定値を設定し、実行指示操作を送信すれば、MFP100,100A,100Bのうちでその実行指示操作に対応する機能を実行可能な実行装置で機能が実行されるので、MFP100,100A,100Bのいずれかを遠隔操作することによって、MFP100,100A,100Bのいずれかに機能を実行させることができる。
また、MFP100は、例えば、MFP100Aを実行装置とする場合、MFP100Aの装置識別情報と、MFP100Aによって機能が実行された結果とを含む遠隔操作画面を、携帯情報装置200に送信する。このため、携帯情報装置200を操作するユーザーは、MFP100を遠隔操作しつつ、MFP100Aで機能が実行されたことと、およびその実行結果と、を知ることができる。
また、MFP100は、携帯情報装置200から受信される実行指示操作をMFP100で実行可能な場合は、MFP100で実行するので、MFP100A,100Bに機能を実行させる必要がない。
また、MFP100は、MFP100A,100Bのうち携帯情報装置200によって遠隔操作される接続装置、たとえばMFP100Aから機能の実行が指示されることに応じて、MFP100Aに設定されている設定値を再現し、機能を実行するので、携帯情報装置200のユーザーは、MFP100にMFP100Aに設定したのと同じ設定値を重複して設定する必要はない。
また、MFP100が実行する機能が画像形成機能を含む場合、親展プリントの機能を有効に設定するので、携帯情報装置200を操作するユーザーとは別のユーザーによって用紙に形成された画像を見られるのを防止することができる。
なお、上述した実施の形態においては、画面形成システム1について説明したが、図7に示した遠隔制御処理をMFP100に実行させる遠隔制御方法、その画面生成方法をMFP100を制御するCPU111に実行させる遠隔制御プログラム、図8に示した遠隔制御処理を携帯情報装置200に実行させる遠隔操作方法、その遠隔操作方法を携帯情報装置200を制御するCPU201に実行させる遠隔操作プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。