以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるプリントシステムの全体概要を示す図である。図1を参照して、プリントシステム1は、画像処理装置として機能する複合機(以下、「MFP」という)100,100A,100Bと、プリントサーバー300と、パーソナルコンピューター(以下、「PC」という)400と、認証サーバー500と、無線局5と、携帯情報装置200,200A,200Bと、を含む。MFP(Multi Function Peripheral)100,100A,100B、PC400は、プリントサーバー300と、認証サーバー500とは、ネットワーク3に接続される。携帯情報装置200,200A,200Bは、無線局5を通して、ネットワーク3に接続される。
ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。また、ネットワーク3は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
MFP100,100A,100Bは、それぞれが備える機能は同じであってもよく異なっていてもよいが、基本的には、原稿を読み取って画像データを出力する画像読取機能、画像データを処理する画像処理機能、画像データに基づいて紙などの用紙に画像を形成するための画像形成機能、画像形成後の用紙にパンチ穴加工、ソート処理等する後処理機能、ファクシミリ送受信機能のいずれかを少なくとも含む。MFP100,100A,100B各々が有する機能は同じではない場合があるが、ここではMFP100が、他のMFP100A,100Bの少なくとも1つが有する機能を有している場合を例に説明する。
携帯情報装置200,200A,200Bは、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistants)など、ユーザーに携帯して使用されるコンピューターである。携帯情報装置200,200A,200Bのハードウェア構成および機能は同じなので、ここでは特に言及しない限り携帯情報装置200を例に説明する。ここでは、携帯情報装置200を、スマートフォンとしており、無線LAN機能と、通話機能とを備えている。このため、携帯情報装置200は、携帯電話用基地局と無線で通信することにより携帯電話網に接続し、通話が可能である。
なお、携帯情報装置200,200A,200Bを、MFP100,100A,100B,100Cそれぞれとの間で近距離の無線通信をするデータ通信部とを少なくとも備えた、RFID(Radio Frequency Identification)タグとしてもよい。RFIDは、例えば、ユーザーが身に付ける名札やカードなどに取り付けられる。この場合、RFIDとMFP100,100A,100B,100Cそれぞれとの間の無線通信は、Bluetooth(登録商標)規格等の通信媒体に電波や電磁波を用いた通信であってもよいし、IrDA(Infrared Data Association)規格等の通信媒体に赤外線を用いた通信であってもよい。
PC400、プリントサーバー300および認証サーバー500は、一般的なコンピュータである。本実施の形態におけるプリントシステム1においては、PC400において生成されたプリントジョブを、プリントサーバー300に一時的に記憶し、MFP100,100A,100Bのいずれかでプリントジョブを実行する、いわゆるプルプリントを実行する。ここで、プルプリントを実行する場合のPC400、プリントサーバー300および認証サーバー500それぞれの機能の概略を説明する。なお、プリントサーバー300が認証サーバー500を兼ねる場合がり、この場合には認証サーバー500は不要である。
なお、図1では、プリントシステム1は、3台の100,100A,100B、1台のPC400、3台の携帯情報装置200,200A,200Bを含む場合を示しているが、台数を限定するものではなく、それぞれ1台以上あればよい。
本実施の形態におけるプリントシステム1においては、PC400で生成されたプリントジョブは、プリントサーバー300において記憶され、記憶されたプリントジョブは、それに含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーが、MFP100,100A,100Bのいずれかを操作する場合に、そのユーザーが認証サーバー500において認証されることを条件に、MFP100,100A,100Bのうちユーザーが操作する装置にダウンロードされ、その装置で実行される。以下、このプルプリントについて詳細に説明する。
PC400は、ユーザーにより使用され、アプリケーションプログラムを実行することにより、種々の処理を実行する。種々の処理は、使用するユーザーを識別するログイン処理、プリントジョブを生成し、プリントサーバー300に送信するプリント処理を含む。本実施の形態においては、PC400は、プリント処理を実行すると、それを使用するユーザーを識別するためのユーザー識別情報と、画像データと、プリント条件とを含むプリントジョブをプリントサーバー300に送信する。プリントサーバー300は、PC400からプリントジョブを受信すると、それをハードディスクドライブ(HDD)に記憶する。なお、PC400は、それを使用するユーザーのユーザー識別情報ではなく、使用するユーザーが指定した1以上のユーザー(送信先のユーザー)それぞれのユーザー識別情報と、画像データと、プリント条件とを含むプリントジョブを送信するようにしてもよい。ここでは、プリントを指示したユーザーを指示ユーザーといい、プリントを指示したユーザーが指定した1以上のユーザーをアクセス可能ユーザーという。プリントジョブに含まれるユーザー識別情報は、指示ユーザーと、アクセス可能ユーザーとの別を示す情報を含む。
認証サーバー500は、MFP100,100A,100Bそれぞれを使用するユーザーを認証する処理を実行する。認証サーバー500は、ユーザーごとに予め割り当てられた認証情報を含むユーザーデータを記憶しており、MFP100,100A,100Bのいずれかから認証情報を受信すると、その認証情報を予め記憶されているユーザーデータと比較し、両者が一致すれば認証成功を示す認証結果を返信するが、両者が一致しなければ認証失敗を示す認証結果を返信する。ここで、認証情報は、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報とパスワードとの組を含む。
携帯情報装置200,200A,200Bは、それぞれに割当てられたユニークな装置識別情報をメモリに記憶している。PC400にプリント指示を入力したユーザーが、例えば携帯情報装置200を携帯してMFP100に接近すると携帯情報装置200とMFP100とが無線通信可能となり、MFP100は携帯情報装置200から装置識別情報を受信する。
MFP100は、携帯情報装置200と通信可能になると、携帯情報装置200を携帯するユーザーを特定し、特定したユーザーを識別するためのユーザー識別情報を含むダウンロード要求をプリントサーバー300に送信する。プリントサーバー300は、MFP100からダウンロード要求を受信すると、ダウンロード要求を送信してきたMFP100にプリントジョブを送信する。MFP100は、プリントサーバー300から受信されるプリントジョブを一時記憶する。この段階では、MFP100はプリントジョブを実行しない。ユーザーがさらにMFP100に接近して、MFP100を操作して、プルプリント指示を入力すると、プリントジョブを実行し、プリントジョブに含まれる画像データの画像を、プリント条件に従って、用紙に画像を形成する。プルプリントの指示は、MFP100,100A,100Bのいずれか、例えばMFP100にユーザーがログインする操作によりMFP100に入力される。MFP100は、それを操作するユーザーの認証に成功することに応じて、プルプリント指示が受け付けられたと認識する。また、MFP100にプルプリントを指示するためのボタンを予め設けておき、ユーザーによりそのボタンが押下されると、プルプリント指示を受け付けるようにしてもよい。
図2は、MFPの外観を示す斜視図である。図3は、MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図2および図3を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、画像が形成された用紙を処理する後処理部155と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
後処理部155は、画像形成部140により画像が形成された1以上の用紙を並び替えて排紙するソート処理、パンチ穴加工するパンチ処理、ステープル針を打ち込むステープル処理を実行する。
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、CD−ROM118が装着される外部記憶装置117と、近距離無線通信部119と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、後処理部155および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。さらに、RAM114は,設定値記憶領域と設定画面記憶領域とを含む。設定値記憶領域は、処理を実行するための設定値を記憶する領域である。設定値記憶領域は、表示部161に表示する設定画面の記憶する領域である。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取データ(画像データ)を一時的に記憶する。
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられ、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro−Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部163は、複数のキーからなるハードキー部167を備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部163は、表示部161上に設けられたタッチパネルを165さらに含む。
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介して、PC400または携帯情報装置200,200A,200Bとの間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク3を介してインターネットに接続されたコンピューターと通信が可能である。
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
近距離無線通信部119は、Bluetooth(登録商標)規格のGAP(Generic Access Profile)等に基づき、携帯情報装置200,200A,200Bと無線により通信を行う。また、近距離無線通信部119は、受信した電波の電波強度をCPU111に出力する。CPU111は、携帯情報装置200,200A,200Bから入力される電波強度に基づいて、携帯情報装置200,200A,200Bのうち通信可能な装置までの距離を計測する。
外部記憶装置117は、CD−ROM(Compact Disc ROM)118が装着される。CPU111は、外部記憶装置117を介してCD−ROM118にアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置117に装着されたCD−ROM118に記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM118に限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリであってもよい。
また、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM118に記録されたプログラムに限られず、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク3に接続された他のコンピューターが、MFP100のHDD115に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク3に接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD115に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
図4は、携帯情報装置のハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図4を参照して、本実施の形態における携帯情報装置200は、携帯情報装置200の全体を制御するためのCPU201と、カメラ202と、データを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ203と、通話部205と接続された無線通信部204と、情報を表示する表示部206と、ユーザーの操作を受け付ける操作部207と、無線LANI/F208と、位置検出部209と、近距離無線通信部210と、外部記憶装置211と、を含む。
表示部206は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部207は、メインキー207Aと、タッチパネル207Bとを備える。また、ユーザーが、表示部206の表示面を指示する場合、操作部207は、タッチパネル207Bにより検出される表示面の位置をCPU201に出力する。CPU201は、タッチパネル207Bによる検出された位置に基づいて、表示部206に表示されている画面中でユーザーにより指示された位置を検出する。CPU201は、表示部206に表示されている画面と、タッチパネル207Bによる検出された位置とに基づいて、ユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。例えば、表示部206にテンキーの画像を含む画面を表示する場合には、タッチパネル207Bによる検出された位置に表示されたキーに対応する数字を受け付ける。
カメラ202は、レンズおよび光電変換素子を備え、レンズで集光した光を光電変換素子に結像し、光電変換素子は受光した光を光電変換して画像データをCPU201に出力する。光電変換素子は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー、CCD(Charge Coupled Device)センサー等である。カメラ202は、その撮像範囲が、表示部206を見るユーザーを含む位置に配置される。具体的には、カメラ202は、その光軸が、表示部206の表示面の法線とほぼ平行であって、撮像方向が表示面の方向と同じになるように配置される。換言すれば、カメラ202は、ユーザーが表示部206を視認する場合には、そのユーザーの顔の部分を撮像範囲に含む。
無線通信部204は、電話通信網に接続された携帯電話用基地局と無線通信する。無線通信部204は、携帯情報装置200を電話通信網に接続し、通話部205を用いた通話を可能とする。無線通信部204は、携帯電話用基地局から受信した無線信号を復調した音声信号を復号して通話部205に出力する。また、無線通信部204は、通話部205から入力される音声を符号化し、携帯電話用基地局に送信する。通話部205は、マイクおよびスピーカーを備え、無線通信部204から入力される音声をスピーカーから出力し、マイクから入力される音声を無線通信部204に出力する。さらに、無線通信部204は、CPU201により制御され、携帯情報装置200を電子メールサーバーに接続し、電子メールを送受信する。
無線LANI/F208は、無線局5と通信し、携帯情報装置200をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。携帯情報装置200に、PC400、MFP100,100A,100BそれぞれのIP(Internet Protocol)アドレスを登録しておくことにより、携帯情報装置200は、PC400、MFP100,100A,100Bと通信することができ、データの送受信が可能となる。
フラッシュメモリ203は、CPU201が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。CPU201は、フラッシュメモリ203に記録されたプログラムを、CPU201が備えるRAMにロードして実行する。また、フラッシュメモリ203は、携帯情報装置200を識別するための装置識別情報、および携帯情報装置200を使用するユーザーとして割り当てられたユーザーを識別するためのユーザー識別情報を記憶する。
位置検出部209は、携帯情報装置200の現在位置を検出する。具体的には、位置検出部209は、全地球測位システム(Global Positioning System)受信機であり、複数のGPS衛星からの電波を受信することにより、現在位置を測定する。位置検出部209は、測定した現在位置を示す値、たとえば、緯度と経度とをCPU201に出力する。ここでは、位置検出部209が検出する現在位置をGPS位置という。また、IMES(インドアメッセージングシステム)と呼ぶ屋内位置検知技術を用いるようにしてもよい。IMESは、屋内に設けられた複数の送信機からそれぞれ送信される位置情報を含む電波を受信し、その屋内に設けられた専用サーバーに送信機から受信された位置情報を送信すすることによって、専用サーバーから位置情報を取得するシステムである。
近距離無線通信部210は、Bluetooth(登録商標)規格のGAP等に基づき、MFP100,100A,100Bのいずれかと無線により通信を行う。
外部記憶装置211は、携帯情報装置200に着脱自在であり、遠隔操作プログラムを記憶したCD−ROM210Aが装着可能である。CPU201は、外部記憶装置211を介してCD−ROM210Aにアクセス可能である。CPU201は、外部記憶装置211に装着されたCD−ROM210Aに記録された遠隔操作プログラムを、CPU201が備えるRAMにロードして実行することが可能である。
なお、CPU201が実行するプログラムとして、フラッシュメモリ203またはCD−ROM210Aに記録されたプログラムについて説明したが、ネットワーク3に接続された他のコンピューターが、フラッシュメモリ203に記憶されたプログラムを書換えたプログラム、または、追加して書き込んだ新たなプログラムであってもよい。さらに、携帯情報装置200が、ネットワーク3に接続された他のコンピューターからダウンロードしたプログラムでもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
なお、CPU201が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM211Aに限られず、光ディスク(MO/MD/DVD)、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリであってもよい。
図5は、プリントサーバーのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図5を参照して、プリントサーバー300は、それぞれがバス308に接続され、プリントサーバー300の全体を制御するためのCPU301と、CPU301が実行するプログラム等を記憶するためのROM302と、CPU301の作業領域として用いられるRAM303と、プリントサーバー300をネットワークに接続するためのネットワークI/F304と、大容量記憶装置としてのHDD305と、表示部306と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部307と、外部記憶装置309と、を含む。
外部記憶装置309は、プリントジョブ管理プログラムを記憶したCD−ROM(Compact Disc−ROM)309Aが装着される。CPU301は、外部記憶装置309を介してCD−ROM309Aに記憶されたプリントジョブ管理プログラムをRAM303にロードし、実行する。なお、プリントジョブ管理プログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM309Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO/MD/DVD)、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリ等でもよい。また、HDD305に記憶されたプリントジョブ管理プログラムをRAM303にロードして実行するようにしてもよい。この場合、プリントサーバー300が、ネットワーク3に接続された他のコンピュータからプリントジョブ管理プログラムをダウンロードして、そのプリントジョブ管理プログラムをHDD305に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU301が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
図6は、プリントサーバーが備えるCPUが有する機能の一例を示す機能ブロック図である。図6に示し機能は、プリントサーバー300が備えるCPU301が、ROM302、HDD305またはCD−ROM309Aに記憶されたプリントジョブ管理プログラムを実行することにより、CPU301に形成される。図6を参照して、CPU301は、プリントジョブを受信するサーバー側受信部351と、受信されたプリントジョブをHDD305に記憶するサーバー側記憶部353と、能力情報を取得する能力情報取得部355と、取得された能力情報をHDD305に記憶する能力情報記憶部357と、制限情報を取得する制限情報取得部359と、取得された制限情報をHDD305に記憶する制限情報記憶部361と、ダウンロード要求を受信するダウンロード要求受信部363と、プリントジョブを抽出するサーバー側抽出部365と、能力情報を抽出する能力情報抽出部367と、能力判断部369と、代替装置決定部371と、プリントジョブ送信部373と、を含む。
サーバー側受信部351は、ネットワークI/F304を制御してプリントジョブを受信する。サーバー側受信部351は、ネットワークI/F304がPC400からプリントジョブを受信すると、受信されたプリントジョブをサーバー側記憶部353に出力する。プリントジョブは、ユーザー識別情報と、プリントの対象となる画像データと、プリントするための設定を示すプリント条件と、を含む。プリントジョブに含まれるユーザー識別情報は、プリントを指示した指示ユーザーのユーザー識別情報の他、1以上のアクセス可能ユーザーそれぞれのユーザー識別情報を含む場合がある。プリント条件は、例えば、PJL(Printer Job Language)またはPDL(Page Description Language)で記述されている。
サーバー側記憶部353は、サーバー側受信部351から入力されるプリントジョブをHDD305に記憶する。サーバー側記憶部353は、サーバー側受信部351からプリントジョブが入力されるごとにプリントジョブをHDD305に記憶する。このため、HDD305に複数のプリントジョブが記憶される場合があり、HDD305に記憶された複数のプリントジョブのうちには同一のユーザー識別情報を含む複数のプリントジョブが含まれる場合がある。
能力情報取得部355は、MFP100,100A,100Bそれぞれの能力情報を取得する。能力情報は、MFP100,100A,100Bそれぞれが実行可能な処理を定める。能力情報は、例えば、カラーによる画像形成の可否、モノクロによる画像形成の可否、パンチ穴加工の可否、ステープル針打ち込み加工の可否、ソート処理の可否、両面印刷の可否、透かし画像の埋め込みの可否等である。能力情報取得部355は、例えば、ネットワークI/F304を制御して、MFP100,100A,100BそれぞれからMIB(Management Information Base)を受信することにより、MFP100,100A,100Bそれぞれの能力情報を取得する。また、プリントサーバー300の管理者が、MFP100,100A,100Bそれぞれの能力情報を、操作部307に入力する場合、入力された能力情報を取得する。能力情報取得部355は、MFP100,100A,100Bそれぞれの能力情報を、能力情報記憶部357に出力する。能力情報記憶部357は、能力情報取得部355から入力されるMFP100,100A,100Bそれぞれの能力情報をHDD305に記憶する。能力情報は、MFP100,100A,100Bそれぞれに対して1つあり、MFP100,100A,100Bそれぞれの装置識別情報と関連付けて記憶される。
制限情報取得部359は、MFP100,100A,100Bそれぞれの制限情報を取得する。制限情報は、MFP100,100A,100Bそれぞれに対する能力情報で定められた実行可能な処理のうちで、複数のユーザーごとに実行可能な処理を制限する情報である。例えば、MFP100の能力情報によってカラーによる画像形成が可能と定められている場合、制限情報は、ユーザーAに対しては、カラーによる画像形成を制限する情報である。また、制限情報は、プリントジョブに含まれるプリント条件を変更する情報を含む。例えば、プリントジョブのプリント条件において両面印刷が設定されている場合に、制限情報は、ユーザーAに対しては、プリント条件を片面印刷に変更する情報を含む。制限情報が、MFP100,100A,100Bそれぞれに記憶されてる場合には、制限情報取得部359は、ネットワークI/F304を制御して、MFP100,100A,100Bそれぞれから制限情報を受信する。また、プリントサーバー300の管理者が、MFP100,100A,100Bそれぞれの制限情報を、操作部307に入力する場合、入力された制限情報を取得する。制限情報取得部359は、MFP100,100A,100Bそれぞれの制限情報を、制限情報記憶部361に出力する。制限情報記憶部361は、制限情報取得部359から入力されるMFP100,100A,100Bそれぞれの制限情報をHDD305に記憶する。制限情報は、MFP100,100A,100Bそれぞれに対して1つあり、MFP100,100A,100Bそれぞれの装置識別情報と関連付けて記憶される。
ダウンロード要求受信部363は、ネットワークI/F304を制御してダウンロード要求を受信する。ネットワークI/F304がMFP100,100A,100Bのいずれかからダウンロード要求を受信すると、ダウンロード要求を取得する。ダウンロード要求受信部363は、ダウンロード要求を受信する場合、MFP100,100A,100Bのうちダウンロード要求を送信してきた装置を特定する。以下の説明では、特に言及しない限りMFP100からダウンロード要求を受信する場合を例に説明する。ダウンロード要求は、それを送信してきたMFP100を操作するユーザーのユーザー識別情報を含む。ここでは、ユーザーAがMFP100を操作し、ダウンロード要求は、ユーザーAのユーザー識別情報情報を含む場合を例に説明する。ダウンロード要求受信部363は、MFP100からダウンロード要求を受信すると、ダウンロード要求に含まれるユーザー識別情報をサーバー側抽出部365および能力判断部369に出力し、ダウンロード要求を送信してきたMFP100を識別するための装置識別情報を能力情報抽出部367に出力する。装置識別情報は、その装置に割り当てられたネットワーク3におけるアドレスであり、ここでは、IP(Internet Protocol)アドレスを用いている。
サーバー側抽出部365は、ダウンロード要求受信部363からユーザー識別情報が入力されることに応じて、そのユーザー識別情報と同一のユーザー識別情報を含むプリントジョブをHDD305に記憶されたプリントジョブのうちから抽出し、抽出されたプリントジョブを能力判断部369に出力する。サーバー側抽出部365は、ダウンロード要求受信部363から入力されるユーザー識別情報と同一のユーザー識別情報を含むプリントジョブがHDD305に複数記憶されている場合、それらをすべて抽出し、抽出された複数のプリントジョブを能力判断部369に出力する。
能力情報抽出部367は、ダウンロード要求受信部363から装置識別情報が入力されることに応じて、その装置識別情報で特定される装置に対応する能力情報を、HDD305に記憶された能力情報のうちから抽出し、抽出された能力情報をHDD305から読出し、読み出された能力情報と、ダウンロード要求受信部363から入力される装置識別情報とを能力判断部369に出力する。また、能力情報抽出部367は、ダウンロード要求受信部363から装置識別情報で特定される装置に対応する制限情報がHDD305に記憶されている場合、その制限情報をHDD305から読出し、読み出された制限情報を能力情報とともに能力判断部369に出力する。
能力判断部369は、能力情報抽出部367から能力情報と装置識別情報とが入力され、サーバー側抽出部365から1以上のプリントジョブが入力され、ダウンロード要求受信部363からユーザー識別情報が入力される。能力情報抽出部367から能力情報とともに制限情報が入力される場合がある。
能力判断部369は、能力情報抽出部367から制限情報が入力されない場合、サーバー側抽出部365から入力される1以上のプリントジョブそれぞれについて、そのプリントジョブに含まれるプリント条件を解析し、能力情報抽出部367から入力される能力情報に基づいて、プリント条件に記述されている設定により定まるすべての処理を実行可能か否かを判断する。プリント条件に能力情報抽出部367から入力される装置識別情報で特定される装置が実行することのできない処理の実行を示す設定が1つでも記述されている場合、実行可能でないと判断する。
能力判断部369は、サーバー側抽出部365から入力される1以上のプリントジョブのうち能力情報抽出部367から入力される装置識別情報で特定される装置によって実行可能と判断されたプリントジョブと、能力情報抽出部367から入力される装置識別情報とを、プリントジョブ送信部373に出力する。また、能力判断部369は、サーバー側抽出部365から入力される1以上のプリントジョブのうち実行不可能と判断されたプリントジョブと、能力情報抽出部367から入力される装置識別情報と、ダウンロード要求受信部363から入力されるユーザー識別情報とを、代替装置決定部371に出力する。
能力判断部369は、ユーザー別判断部375を含む。ユーザー別判断部375は、能力情報抽出部367から制限情報が入力される場合、能力情報に基づいて実行可能と判断されるプリントジョブのうち、そのプリントジョブに含まれるプリント条件により定まる処理の実行が、能力情報抽出部367から入力される制限情報によってダウンロード要求受信部363から入力されるユーザー識別情報で特定されるユーザーに対して制限されていないプリントジョブを実行可能と判断し、制限情報によって制限されるプリントジョブを実行不可能と判断する。
具体的には、ユーザー別判断部375は、能力情報抽出部367から制限情報が入力される場合、能力情報を、ダウンロード要求受信部363から入力されるユーザー識別情報で特定されるユーザーに対して制限情報によって制限されていない処理を定める能力情報に変更し、変更後の能力情報を用いて、サーバー側抽出部365から入力される1以上のプリントジョブそれぞれについて、能力情報抽出部367から入力される装置識別情報で特定される装置による実行可否を判断する。例えば、制限情報が、カラーでプリントを禁止する場合には、能力情報がカラー印刷可能に設定されていても、能力情報をモノクロ印刷のみが可能に変更する。
また、制限情報は、RBP(Rule Based Printing)情報を含む場合がある。RBP情報は、プリント条件を制限するための情報であり、プリント条件を変更するための所定のルールを含む。例えば、RBP情報は、プリントジョブに含まれるプリント条件がカラーでプリントするプリント条件を含む場合に両面に印刷するプリント条件を設定するルールを含む。ユーザー別判断部375は、制限情報に含まれるRBP情報に従ってプリント条件を変更した後のプリント条件を解析し、能力情報抽出部367から入力される能力情報または制限情報によって変更された後の能力情報に基づいて、変更後のプリント条件に記述されている設定により定まるすべての処理を実行可能か否かを判断する。
より具体的には、ユーザー別判断部375は、サーバー側抽出部365から入力される1以上のプリントジョブそれぞれについて、そのプリントジョブに含まれるプリント条件を解析し、能力情報抽出部367から入力される能力情報を制限情報に基づいて変更した後の能力情報に基づいて、プリント条件に記述されている設定により定まるすべての処理を実行可能か否かを判断する。また、ユーザー別判断部375は、制限情報がRBP情報を含む場合には、サーバー側抽出部365から入力される1以上のプリントジョブそれぞれについて、制限情報に含まれるRBP情報に従ってプリント条件を変更した後のプリント条件を解析し、能力情報抽出部367から入力される能力情報または制限情報によって変更された後の能力情報に基づいて、変更後のプリント条件に記述されている設定により定まるすべての処理を実行可能か否かを判断する。プリント条件に能力情報抽出部367から入力される装置識別情報で特定される装置が実行することのできない処理の実行を示す設定が1つでも記述されている場合、実行可能でないと判断する。
ユーザー別判断部375は、サーバー側抽出部365から入力される1以上のプリントジョブのうち能力情報抽出部367から入力される装置識別情報で特定される装置によって実行可能と判断されたプリントジョブと、能力情報抽出部367から入力される装置識別情報とを、プリントジョブ送信部373に出力する。また、ユーザー別判断部375は、サーバー側抽出部365から入力される1以上のプリントジョブのうち実行不可能と判断されたプリントジョブと、能力情報抽出部367から入力される装置識別情報と、ダウンロード要求受信部363から入力されるユーザー識別情報とを、代替装置決定部371に出力する。
代替装置決定部371は、能力判断部369からプリントジョブと、装置識別情報と、ユーザー識別情報と、が入力される。代替装置決定部371は、HDD305に記憶された能力情報および制限情報に基づいて、能力判断部369から入力されるプリントジョブを実行可能な装置を特定する。具体的には、HDD305に記憶された能力情報および制限情報のうち、処理対象とする装置の能力情報および制限情報を特定する。処理対象とする装置は、能力判断部369から入力される装置識別情報でされる装置以外の装置である。代替装置決定部371は、処理対象とする装置の制限情報を読み出す場合、処理対象とする装置の能力情報を、制限情報によって能力判断部369から入力されるユーザー識別情報で特定されるユーザーに対して制限されていない処理を定める能力情報に変更する。
代替装置決定部371は、処理対象の装置の能力情報、制限情報が存在する場合には制限情報によって変更された能力情報を用いて、プリントジョブそれぞれについて、処理対象の装置による実行可否を判断する。代替装置決定部371は、能力判断部369から入力される1以上のプリントジョブそれぞれについて、そのプリントジョブに含まれるプリント条件を解析し、処理対象の装置の能力情報、制限情報が存在する場合には制限情報によって変更された能力情報に基づいて、プリント条件に記述されている設定により定まるすべての処理を実行可能か否かを判断する。また、代替装置決定部371は、処理対象の装置の制限情報がプリント条件を変更する情報を含む場合には、能力判断部369から入力されるプリントジョブについて、制限情報に従ってプリント条件を変更した後のプリント条件を解析し、制限情報によって変更された能力情報に基づいて、変更後のプリント条件に記述されている設定により定まるすべての処理を実行可能か否かを判断する。プリント条件に処理対象の装置が実行することのできない処理の実行を示す設定が1つでも記述されている場合、実行可能でないと判断する。
代替装置決定部371は、プリントジョブを実行可能と判断する場合、そのプリントジョブを識別するためのジョブ識別情報と処理対象の装置の装置識別情報とを含む代替情報をプリントジョブ送信部373に出力する。代替装置決定部371は、プリントジョブを実行不可能と判断する場合、別の装置を処理対象とし、HDD305に記憶された別の装置の能力情報および制限情報を読出し、別の装置で実行可能か否かを判断する。
プリントジョブ送信部373は、能力判断部369からプリントジョブと装置識別情報とが入力される。プリントジョブ送信部373は、装置識別情報で特定される装置にプリントジョブを送信する。具体的は、装置識別情報で特定されるMFP100に、ネットワークI/F304を介して、プリントジョブを送信する。
プリントジョブ送信部373は、優先送信部377と代替情報送信部379と、を含む。優先送信部377は、能力判断部369から複数のプリントジョブが入力される場合、複数のプリントジョブを優先度の高いものから順に送信する。プリントジョブに含まれるユーザー識別情報は、指示ユーザーと、アクセス可能ユーザーとの別を示す情報を含む。指示ユーザーのユーザー識別情報を含むプリントジョブは、アクセス可能ユーザーのユーザー識別情報を含むプリントジョブよりも優先度が高い。その次の優先度として、受信時刻によって優先度を定める。プリントジョブは、サーバー側受信部351によって受信された時刻が先のものほど優先度が高い。プリントジョブ送信部373は、複数のプリントジョブのうち指示ユーザーのユーザー識別情報を含むプリントジョブを、アクセス可能ユーザーのユーザー識別情報を含むプリントジョブよりも先に送信する。
代替情報送信部379は、代替装置決定部371から代替情報が入力されることに応じて、代替情報を、能力判断部369から入力される装置識別情報で特定される装置に送信する。例えば、ダウンロード要求を送信してきた装置がMFP100で、代替装置決定部371によって、プリントジョブを実行可能と判断された装置がMFP100Aの場合、代替装置決定部371からMFP100Aの装置識別情報を含む代替情報が入力され、能力判断部369からMFP100の装置識別情報が入力される。代替情報送信部379は、MFP100Aの装置識別情報を含む代替情報を、ネットワークI/F304を介してMFP100に送信する。
なお、代替情報送信部379は、代替装置決定部371から代替情報が入力されることに応じて、代替情報に含まれるジョブ識別情報で特定されるプリントジョブを、代替情報に含まれる装置識別情報で特定される装置に送信するようにしてもよい。例えば、ダウンロード要求を送信してきた装置がMFP100で、代替装置決定部371によって、プリントジョブを実行可能と判断された装置がMFP100Aの場合、代替装置決定部371からMFP100Aの装置識別情報と、プリンとジョブ識別情報とを含む代替情報が入力される。代替情報送信部379は、代替装置決定部371から入力される代替情報に含まれるジョブ識別情報で特定されるプリントジョブを、装置識別情報で特定されるMFP100Aに、ネットワークI/F304を介して送信する。
図7は、MFPが備えるCPUの機能の一例を示す機能ブロック図である。図7に示し機能は、MFP100が備えるCPU111がプルプリントプログラムを実行することにより、CPU111に形成される。図7を参照して、MFP100が備えるCPU111は、ユーザーを検出するユーザー検出部51と、プリントジョブ要求部53と、プリントサーバー300からプリントジョブを受信する装置側受信部55と、ユーザーの操作を受け付ける操作受付部57と、ユーザーを認証するためのユーザー認証部59と、認証後抽出部61と、プリントジョブを実行する画像形成制御部63と、代替装置表示部65と、消去部67と、を含む。
ユーザー検出部51は、MFP100から所定の範囲に位置するユーザーを検出する。ユーザー検出部51は、近距離通信部119を制御し、近距離通信部119に携帯情報装置200,200A,200Bと通信させる。具体的には、ユーザー検出部51は、近距離通信部119に定期的に装置識別情報の送信要求を出力させ、携帯情報装置200,200A,200Bのうち送信要求を受信したものが送信する装置識別情報を近距離通信部119が受信すると、近距離通信部119から装置識別情報を受け付ける。また、近距離通信部119は、携帯情報装置200,200A,200Bが出力する電波の強度を計測しており、ユーザー検出部51は近距離通信部119から装置識別情報とともに電波強度を受け付ける。
ユーザー検出部51は、携帯情報装置200,200A,200Bのいずれかが送信する電波の強度から携帯情報装置200,200A,200Bまでの距離を計測する。ここでは、近距離通信部119が携帯情報装置200から装置識別情報を受信する場合について説明する。ユーザー検出部51は、近距離通信部119が受信した電波の強度(電界強度)から携帯情報装置200がMFP100からどれだけ離れているかを計測する。また、携帯情報装置200に対し、その携帯情報装置200が受信した電波の強度の値を示すデータの送信を要求し、その携帯情報装置200から送られてくる電波強度の値と、近距離通信部119がその携帯情報装置200に送信した電波の強度の値との差分を計算し、その差分から距離を求めるようにしてもよい。
ユーザー検出部51は、携帯情報装置200とMFP100との間の距離を、予め定められたしきい値と比較する。ここでは予め定められたしきい値は10mである。ユーザー検出部51は、計測した距離がしきい値以下ならば携帯情報装置200を操作するユーザーを特定し、特定されたユーザーのユーザー識別情報をプリントジョブ要求部53に出力する。以下、ユーザー検出部51により検出されたユーザーを近接ユーザーという。
MFP100に、携帯情報装置200,200A,200Bごとに、その装置を使用するユーザーとして予め割り当てられたユーザーのユーザー識別情報と、その装置の装置識別情報とを関連付けたユーザーテーブルを予め記憶しておき、そのユーザーテーブルを参照して、携帯情報装置200を操作するユーザーのユーザー識別情報を特定する。なお、携帯情報装置200から、携帯情報装置200を操作するユーザーのユーザー識別情報を取得するようにしてもよい。
なお、近距離通信部119は、通信可能な距離の範囲が約10mに限られているため、ユーザー検出部51は、携帯情報装置200,200A,200Bのいずれかと通信可能となった時点で、通信可能となった装置が通信可能な距離の範囲に位置することを検出するようにしてもよい。例えば、ユーザー検出部51は、携帯情報装置200,200A,200Bのうち携帯情報装置200と通信可能となった時点で、携帯情報装置200を操作するユーザーを特定し、特定されたユーザーのユーザー識別情報をプリントジョブ要求部53に出力する。
さらに、ユーザー検出部51は、携帯情報装置200,200A,200Bそれぞれで計測されたGPS位置を用いて、MFP100との間の距離を計測するようにしてもよい。例えば、ユーザー検出部51は、携帯情報装置200,200A,200Bそれぞれに、通信I/F部112を介して、GPS位置の送信要求を送信し、携帯情報装置200,200A,200BそれぞれのGPS位置を取得する。ユーザー検出部51は、携帯情報装置200,200A,200BそれぞれのGPS位置と、MFP100に予め登録された位置を示す位置情報とから携帯情報装置200,200A,200BそれぞれとMFP100との間の距離を計測する。
ユーザー検出部51は、携帯情報装置200,200A,200BそれぞれとMFP100との間の距離を、予め定められたしきい値と比較する。ここでは予め定められたしきい値は10mである。ユーザー検出部51は、携帯情報装置200,200A,200Bのうちに、MFP100との間の距離がしきい値以下の装置が存在すれば、その装置を操作するユーザーを特定し、特定されたユーザーのユーザー識別情報をプリントジョブ要求部53および装置側受信部55に出力する。
ユーザー検出部51は、近接ユーザーを検出した後、近接ユーザーが操作する装置、例えば携帯情報装置200とMFP100との間の距離がしきい値以下となってから、継続して携帯情報装置200とMFP100との間の距離を監視する。ユーザー検出部51は、携帯情報装置200とMFP100との間の距離がしきい値より大きくなると、未検出信号を、装置側受信部55に出力する。未検出信号は、携帯情報装置200を操作する検出ユーザーのユーザー識別情報を含む。
プリントジョブ要求部53は、ユーザー検出部51からユーザー識別情報が入力されることに応じて、通信I/F部112を介してプリントサーバー300にダウンロード要求を送信するとともに、ダウンロード要求を送信したことを示す送信信号を装置側受信部55に出力する。ダウンロード要求は、ユーザー検出部51から入力されるユーザー識別情報を含む。送信信号は、ユーザー検出部51から入力されるユーザー識別情報を含む。
上述したように、サーバ300は、MFP100からダウンロード要求を受信すると、HDD305に記憶されているプリントジョブのうちから、ダウンロード要求に含まれるユーザー識別情報を含むプリントジョブのうち、MFP100で実行可能なプリントジョブ、または、MFP100がユーザーに実行可能な処理を制限している場合には、MFP100を操作したユーザーが実行させることが可能なプリントジョブを返信する。また、プリントサーバー300は、プリントジョブに加えて、またはプリントジョブに代えて、代替情報を送信する場合がある。
装置側受信部55は、通信I/F部112を制御して、プリントジョブ要求部53から送信信号が入力された後にプリントサーバー300が送信するプリントジョブを受信する。装置側受信部55は、プリントジョブを受信すると、受信されたプリントジョブを、送信信号に含まれるユーザー識別情報と関連付けてHDD115に記憶するとともに、プリントジョブを識別するためジョブ識別情報を消去部67に出力する。
また、装置側受信部55は、通信I/F部112を制御して、プリントジョブ要求部53から送信信号が入力された後にプリントサーバー300が代替情報を送信する場合には、その代替情報を受信する。装置側受信部55は、代替情報を受信すると、受信された代替情報を、送信信号に含まれるユーザー識別情報と関連付けてHDD115に記憶するとともに、代替情報を識別するための代替情報識別情報を消去部67に出力する。
また、装置側受信部55は、プリントジョブおよび/または代替情報を受信している最中に、ユーザー検出部51から未検出信号が入力される場合、プリントジョブまたは代替情報の受信を中止し、消去部67に消去指令を出力する。消去指令は、それまでに受信したプリントジョブのジョブ識別情報および代替情報を識別するため御代替譲歩識別情報を含む。
操作受付部57は、MFP100を操作するユーザーが操作部163に入力する操作を受け付け、受け付けた操作をユーザー認証部59に出力する。ユーザー認証部59は、MFP100を操作するユーザーを認証する。具体的には、ユーザーが操作部163に認証情報を入力すると、操作受付部57から認証情報を受け付け、受け付けた認証情報を通信I/F部112を介して認証サーバー500に送信し、認証サーバー500に認証させる。ここでは、認証情報は、ユーザーIDとパスワードとを含む。ユーザーIDは、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報であり、ユーザーごとに予め定められている。
認証サーバー500は、認証情報を受信すると、その認証情報を予め記憶されているユーザーデータと比較し、両者が一致すれば認証成功を示す認証結果を返信するが、両者が一致しなければ認証失敗を示す認証結果を返信する。ここで、ユーザーデータは、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報とパスワードとを含む。
ユーザー認証部59は、通信I/F部112が認証サーバー500から認証結果を受信すると、その認証結果を受け付ける。ユーザー認証部59は、認証結果が認証成功を示す場合、装置側受信部55、代替装置表示部65および認証後抽出部61にユーザー識別情報を出力するが、認証結果が認証失敗を示す場合、エラーメッセージを表示部114に表示する。ユーザー認証部59により認証成功を示す認証結果が受信された場合、操作受付部57は、その後に操作部163に入力される操作を、認証されたユーザーによる操作として受け付ける。以下、ユーザー認証部59により認証されたユーザーを認証ユーザーという。
なお、認証情報は、ユーザーの指紋、静脈パターン、虹彩等の生体情報であってもよい。この場合、MFP1には、生体情報を読み取るための読取装置が接続され、認証サーバー500に記憶されるユーザーデータは、ユーザー識別情報と生体情報とを含む。そして、ユーザー認証部59は、読取装置により読み取られた生体情報が入力される。ユーザー認証部59は、入力された認証情報を通信I/F部112を介して認証サーバー500に送信し、認証サーバー500に認証させる。認証サーバー500は、認証情報を受信すると、その認証情報を予め記憶されているユーザーデータの生体情報と比較し、両者が一致すれば認証成功を示す認証結果および認証されたユーザーのユーザー識別情報とを返信するが、両者が一致しなければ認証失敗を示す認証結果を返信する。
認証後抽出部61は、ユーザー認証部59からユーザー識別情報が入力されることに応じて、そのユーザー識別情報と同一のユーザー識別情報を含むプリントジョブをHDD116に記憶されたプリントジョブのうちから抽出し、抽出されたプリントジョブを画像形成制御部63に出力する。認証後抽出部61は、ユーザー認証部59から入力されるユーザー識別情報と同一のユーザー識別情報を含むプリントジョブがHDD116に複数記憶されている場合、それらをすべて抽出し、抽出された複数のプリントジョブを画像形成制御部63に出力する。認証後抽出部61は、ユーザー認証部59から入力されるユーザー識別情報と同一のユーザー識別情報を含むプリントジョブがHDD116に記憶されていない場合、画像形成制御部63に何も出力しない。
画像形成制御部63は、認証後抽出部61からプリントジョブが入力されると、プリントジョブを実行し、画像形成部140を制御して、プリントジョブに含まれる画像データの画像をプリントジョブに含まれるプリント条件に従って、用紙に形成させる。画像形成制御部63は、プリントジョブを実行すると、そのプリントジョブのジョブ識別情報を消去部67に出力する。
代替装置表示部65は、ユーザー認証部59からユーザー識別情報が入力されることに応じて、HDD116に記憶された代替情報のうちから、ユーザー認証部59から入力されるユーザー識別情報と関連付けられた代替情報を抽出し、抽出された代替情報に含まれるジョブ識別情報と装置識別情報とを表示部161に表示するとともに、抽出された代替情報を識別するための代替情報識別情報を消去部67に出力する。代替装置表示部65は、ユーザー認証部59から入力されるユーザー識別情報と関連付けられた代替情報がHDD116に複数記憶されている場合、それらをすべて抽出し、抽出された複数の代替情報それぞれに含まれるジョブ識別情報と装置識別情報とを表示部161に表示する。代替装置表示部65は、ユーザー認証部59から入力されるユーザー識別情報と関連付けられた代替情報がHDD116に記憶されていない場合、表示部161に何も表示しない。
装置側受信部55は、優先受信部71を含む。優先受信部71は、ユーザー検出部51から近接ユーザーのユーザー識別情報が入力され、ユーザー認証部59から認証ユーザーのユーザー識別情報が入力される。ユーザー検出部51が複数の近接ユーザーを検出する場合、プリントサーバー300から複数の近接ユーザーそれぞれのユーザー識別情報を含むプリントジョブが送信される。優先受信部71は、ユーザー検出部51が複数の近接ユーザーを検出する場合、優先度の高い近接ユーザーのユーザー識別情報を含むプリントジョブを、優先度の低い近接ユーザーのユーザー識別情報を含むプリントジョブよりも優先して受信する。例えば、優先度の低い近接ユーザーのユーザー識別情報を含むプリントジョブの受信を一時中断して、優先度の高い近接ユーザーのユーザー識別情報を含むプリントジョブを受信し、優先度の高い近接ユーザーのユーザー識別情報を含むプリントジョブの受信が終了した後に、優先度の低い近接ユーザーのユーザー識別情報を含むプリントジョブの受信を再開する。
ユーザーの優先度について、ユーザー検出部51によって第1の近接ユーザーが検出された後に、第2の近接ユーザーが検出される場合を例に具体的に説明する。ユーザー検出部51によって第1の近接ユーザーが検出された段階で、第1の近接ユーザーはMFP100から10m以内の位置に存在する。この段階で、第1の近接ユーザーは、MFP100にログインする可能性が高いが、ログインするとは限らない。ユーザー検出部51によって第1の近接ユーザーが検出された後に所定の時間経過すると、第1の近接ユーザーがMFP100にログインする確率は低くなる。このため、ユーザー検出部51によって第1の近接ユーザーが検出された後に所定の時間経過してもユーザー認証部59によって第1の近接ユーザーが認証されることなく、ユーザー検出部51によって第2の近接ユーザーが検出される場合は、第2の近接ユーザーの優先度を第1の近接ユーザーの優先度よりも高くする。優先受信部71は、第1の近接ユーザーがMFP100にログインしたことは、第1の近接ユーザーと同じユーザー識別情報が、ユーザー認証部59から入力されることにより判断する。
優先受信部71は、プリントジョブに加えて、またはプリントジョブとは別に、代替情報を受信する場合があるが、プリントジョブを受信する場合と同様に、優先度の高い近接ユーザーの代替情報を優先度の低い近接ユーザーの代替情報よりも優先して受信する。
消去部67は、装置側受信部55からジョブ識別情報が入力され、画像形成制御部63からジョブ識別情報が入力される。消去部67は、装置側受信部55からジョブ識別情報が入力されてから経過する時間を計時し、経過時間が所定の値以上となると、そのジョブ識別情報で特定されるプリントジョブをHDD115から消去する。また、消去部67は、画像形成制御部63からジョブ識別情報が入力されることに応じて、そのジョブ識別情報で特定されるプリントジョブをHDD115から消去する。
消去部67は、装置側受信部55から代替情報識別情報が入力される場合があり、代替装置表示部65から代替情報識別情報が入力される場合がある。消去部67は、装置側受信部55から代替情報識別情報が入力されてから経過する時間を計時し、経過時間が所定の値以上となると、その代替情報識別情報で特定される代替情報をHDD115から消去する。また、消去部67は、代替装置表示部65から代替情報識別情報が入力されることに応じて、その代替情報識別情報で特定される代替情報をHDD115から消去する。
また、消去部67は、装置側受信部55から消去指令が入力される場合がある。消去部67は、装置側受信部55から消去指令が入力される場合、消去指令に含まれるジョブ識別情報で特定されるプリントジョブ、および消去指令に含まれる代替情報識別情報で特定される代替情報をHDD115から消去する。
図8は、プリントジョブ管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。プリントジョブ管理処理は、プリントサーバー300が備えるCPU201が、プリントジョブ管理プログラムを実行することにより、CPU301により実行される処理である。図8を参照して、CPU301は、ネットワークI/F304がPC400からプリントジョブを受信したか否かを判断する(ステップS01)。プリントジョブを受信したならば処理をステップS02に進めるが、そうでなければステップS02をスキップして処理をステップS03に進める。プリントジョブは、ユーザー識別情報と、プリントの対象となる画像データと、プリント条件とを含む。プリントジョブに含まれるユーザー識別情報は、指示ユーザーのユーザー識別情報と、アクセス可能ユーザーのユーザー識別情報とのいずれかの場合、または両方の場合がある。
ステップS02においては、受信されたプリントジョブをHDD305に記憶する。次のステップS03においては、ネットワークI/F304がMFP100,100A,100Bのいずれかからダウンロード要求を受信したか否かを判断する。ダウンロード要求を受信したならば処理をステップS04に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。
ステップS04においては、ダウンロード要求を送信してきた装置を特定する。ここでは、MFP100からダウンロード要求を受信する場合について説明する。次のステップS05においては、近接ユーザーを特定する。ダウンロード要求に含まれるユーザー識別情報で識別されるユーザーを近接ユーザーに特定する。
ステップS06においては、能力情報を取得する。HDD305に記憶されている装置ごとの能力情報のうちからステップS04において特定された装置、ここではMFP100に対応する能力情報を読み出す。能力情報は、MFP100が実行可能な処理を定める。なお、ステップS04において特定された装置、ここではMFP100から能力情報を取得するようにしてもよい。
次のステップS07においては、制限情報が存在するか否かを判断する。ステップS04において特定された装置、ここではMFP100に対応する制限情報がHDD305に記録されているか否かを判断する。制限情報は、MFP100,100A,100Bそれぞれに対する能力情報で定められた実行可能な処理のうちで、複数のユーザーごとに実行可能な処理を制限する情報である。HDD305にMFP100に対応する制限情報が記憶されているならば処理をステップS08に進めるが、そうでなければ処理をステップS10に進める。ステップS08においては、制限情報を取得する。HDD305からMFP100に対応する制限情報を読み出す。なお、ステップS04において特定された装置、ここではMFP100から制限情報を取得するようにしてもよい。
次のステップS09においては、ステップS06で取得された能力情報を制限情報に基づいて変更する。具体的には、能力情報を、ダウンロード要求に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーに対して制限情報によって制限されていない処理を定める能力情報に変更する。
ステップS10においては、HDD305に記憶されているプリントジョブのうちから、ステップS03において受信されたダウンロード要求に含まれるユーザー識別情報と同じユーザー識別情報を含むプリントジョブを抽出する。そしてステップS11においては、ステップS10においてプリントジョブが抽出されたか否かを判断する。プリントジョブが抽出されたならば処理をステップS12に進めるが、そうでなければ処理をステップS17に進める。
ステップS12においては、実行可否判断処理を実行し、処理をステップS13に進める。
図9は、実行可否判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。実行可否判断処理は、図8のステップS12で実行される処理である。図9を参照して、ステップS21においては、図8のステップS10において抽出されたプリントジョブのうちから処理対象とする1つのプリントジョブを選択する。次のステップS22においては、能力情報に基づいて、プリントをジョブを実行可能か否かを判断する。実行可能と判断する場合は、処理をステップS23に進め、そうでない場合は処理をステップS24に進める。ここでの能力情報は、図8のステップS08において制限情報が取得されてない場合にはステップS06において取得された能力情報であり、図8のステップS08において制限情報が取得される場合には、ステップS09において制限情報に基づいて変更された後の能力情報である。また、図8のステップS08において制限情報が取得される場合であって、制限情報がプリント条件を変更する情報を含む場合には、プリント条件を変更した後のプリント条件を、制限情報で変更した後の能力情報に基づいて、プリントをジョブを実行可能か否かを判断する。ステップS23においては、ステップS21において選択されたプリントジョブを実行可能ジョブに設定し、処理をステップS33に進める。
一方、ステップS24においては、処理対象とする装置を選択する。HDD305に記憶されている装置ごとの能力情報を参照して、処理対象となり得る1以上の装置のうちから1つを選択する。次のステップS25においては、処理対象の装置に対応する能力情報を取得する。次のステップS26においては、処理対象の装置に対応する制限情報が存在するか否かを判断する。処理対象の装置に対応する制限情報がHDD305に記録されているか否かを判断する。HDD305に処理対象の装置に対応する制限情報が記録されているならば処理をステップS27に進めるが、そうでなければ処理をステップS29に進める。ステップS27においては、制限情報を取得する。HDD305からステップS24において処理対象に選択された装置に対応する制限情報を読み出す。
次のステップS28においては、ステップS25で取得された能力情報をステップS27において取得された制限情報に基づいて変更する。具体的には、能力情報を、近接ユーザーに対して制限情報によって制限されていない処理を定める能力情報に変更する。
ステップS29においては、ステップS21において選択されたプリントジョブを能力情報に基づいて実行可能か否かを判断する。実行可能ならば処理をステップS30に進め、そうでなければ処理をステップS32に進める。ここでの能力情報は、ステップS27において制限情報が取得されてない場合にはステップS25において取得された能力情報であり、ステップS27において制限情報が取得される場合には、ステップS28において制限情報に基づいて変更された後の能力情報である。また、ステップS27において制限情報が取得される場合であって、制限情報がプリント条件を変更する情報を含む場合には、プリント条件を変更した後のプリント条件を、制限情報で変更した後の能力情報に基づいて、プリントをジョブを実行可能か否かを判断する。
ステップS30においては、ステップS24において処理対象に選択された装置に応対対装置に決定する。次のステップS31においては、代替情報を生成し、処理をステップS33に進める。代替情報は、ステップS21において選択されたプリントジョブのジョブ識別情報およびステップS30において決定された代替装置を識別するための装置識別情報等を含む。
ステップS32においては、次に処理対象として選択し得る装置が存在するか否かを判断する。ステップS24において処理対象に選択されていない装置が存在するならば処理をステップS24に戻すが、そうでなければ処理をステップS33に進める。ステップS33においては、ステップS21において処理対象に選択されていないプリントジョブが存在するか否かを判断する。処理対象に選択されていないプリントジョブが存在するならば処理をステップS21に戻すが、そうでなければ処理をプリントジョブ管理処理に戻す。
図8に戻って、ステップS12における実行可否判断処理は、プリントジョブを、ステップS04において特定された装置で実行可能か否か、およびステップS05において特定された近接ユーザーに対して制限されているか否かを判断する処理である。換言すれば、近接ユーザーがステップS04において特定された装置を操作してプリントジョブを実行することができるか否かを判断する処理である。また、実行可否判断処理は、近接ユーザーがステップS04において特定された装置を操作して実行することができないと判断されたプリントジョブを実行可能な装置を代替装置として決定する処理である。このため、実行可否判断処理が実行された後の段階では、ステップS10において抽出された1以上のプリントジョブのうち、近接ユーザーがステップS04において特定された装置を操作して実行することができるプリントジョブが実行可能ジョブに設定されるとともに、実行することができないプリントジョブを実行可能な代替装置とそのプリントジョブとを特定する代替情報が生成される。
ステップS13においては、ステップS12において実行される実行可否判断処理において実行可能ジョブに設定されたプリントジョブのうちから指示ユーザーのプリントジョブを抽出する。プリントジョブに含まれるユーザー識別情報が指示ユーザーを示すプリントジョブを抽出する。次のステップS14においては、ステップS13において抽出された指示ユーザーのプリントジョブを、ステップS04において特定された装置、ここではダウンロードを要求を送信してきたMFP100に、ネットワークI/F304を介して送信する。
次のステップS15においては、ステップS12において実行可能ジョブに設定されたプリントジョブのうちからアクセス可能ユーザーのプリントジョブを抽出する。プリントジョブに含まれるユーザー識別情報がアクセス可能ユーザーを示すプリントジョブを抽出する。次のステップS16においては、ステップS15において抽出されたアクセス可能ユーザーのプリントジョブを、ステップS04において特定された装置、ここではダウンロードを要求を送信してきたMFP100に、ネットワークI/F304を介して送信する。なお、指示ユーザーのプリントジョブとして抽出されたプリントジョブは、アクセス可能ユーザーのプリントジョブとして抽出しない。
ステップS17においては、ステップS12において実行される実行可否判断処理において代替情報が生成されているか否か判断する。代替情報が生成されているならば処理をステップS18に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。ステップS18においては、代替情報を、ステップS04において特定された装置、ここではダウンロードを要求を送信してきたMFP100に、ネットワークI/F304を介して送信する。
図10〜図11は、プルプリント処理の流れの一例を示すフローチャートである。プルプリント処理は、MFP100,100A,100Bそれぞれが備えるCPU111がプルプリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。ここでは、MFP100が備えるCPU111がプルプリントプログラムを実行する場合に、CPU111により実行されるプルプリント処理について説明する。プルプリント処理は、ユーザーがMFP100から所定の距離の範囲内に位置する場合に実行されるユーザー検出時処理と、ユーザーがログインする際に実行されるユーザー認証時処理とを含む。
図10は、ユーザー検出時処理の流れの一例を示すフローチャートである。図10を参照して、CPU111は、近接ユーザーを検出したか否かを判断する(ステップS41)。近接ユーザーを検出するまで待機状態となり(ステップS41でNO)、近接ユーザーを検出したならば(ステップS41でYES)、処理をステップS42に進める。MFP100から所定の範囲内に位置する装置を操作するユーザーとして割り当てられたユーザーを近接ユーザーとして検出する。具体的には、近距離通信部119が携帯情報装置200,200A,200Bのいずれかから装置識別情報を受信する場合、電波強度からその装置識別情報で特定される装置との間の距離を算出し、算出された距離がしきい値以下ならば、その装置がMFP100から所定の範囲内に位置すると判断する。
次のステップS42においては、近接ユーザーを第1近接ユーザーに設定する。ここでは、携帯情報装置200がMFP100から所定の範囲内に位置し、携帯情報装置200を操作するユーザーとして割り当てられたユーザーAを第1近接ユーザーとして設定する場合を例に説明する。
ステップS43においては、第1タイマーT1をスタートさせる。第1タイマーT1は、第1近接ユーザーが検出されてから経過する時間を計時する。次のステップS44においては、第1ダウンロード処理を開始する。第1ダウンロード処理は、第1近接ユーザーが検出されることに応じて実行されるダウンロード処理である。ダウンロード処理の詳細は後述するが、ステップS44において実行されるダウンロード処理は、第1近接ユーザーに対応するプリントジョブをプリントサーバー300から受信する処理である。次のステップS45においては、ステップS44において開始された第1ダウンロード処理が終了したか否かを判断する。第1ダウンロード処理が終了したならば処理をステップS58に進めるが、そうでなければ処理をステップS46に進める。
ステップS46においては、ステップS41と同様に近接ユーザーを検出したか否かを判断する。近接ユーザーを検出したならば処理をステップS47に進めるが、そうでなければ処理をステップS45に戻す。ステップS47においては、ステップS46において検出された近接ユーザーを第2近接ユーザーに設定し、処理をステップS48に進める。ここでは、携帯情報装置200AがMFP100から所定の範囲内に位置し、携帯情報装置200Aを操作するユーザーとして割り当てられたユーザーBを第2近接ユーザーとして設定する場合を例に説明する。
ステップS48においては、第1近接ユーザーがログインしたか否かを判断する。操作部163に第1近接ユーザーであるユーザーAのユーザー識別情報とパスワードとが入力され、ユーザー認証に成功したか否かを判断する。第1近接ユーザーのユーザー認証に成功したならばユーザーがログインしたと判断する。第1近接ユーザーがログインしたならば、処理をステップS49に進めるが、そうでなければ処理をステップS52に進める。
ステップS52においては、第1タイマーT1の値がしきい値Th1以上か否かを判断する。第1タイマーT1の値がしきい値Th1以上ならば処理をステップS53に進めるが、そうでなければ処理をステップS48に戻す。
ステップS53においては、ステップS44で開始した第1ダウンロード処理を中断し、処理をステップS54に進める。ステップS54においては、第2ダウンロード処理を開始する。第2ダウンロード処理は、第2近接ユーザーが検出されることに応じて実行されるダウンロード処理である。ダウンロード処理の詳細は後述するが、ステップS51において実行されるダウンロード処理は、第2近接ユーザーに対応するプリントジョブをプリントサーバー300から受信する処理である。処理がステップS50に進む場合は、第1近接ユーザーが検出されてから第1近接ユーザーがログインすることなくしきい値Th1以上の時間が経過する場合である。この場合、第1近接ユーザーであるユーザーAよりも第2近接ユーザーであるユーザーBの方が先にログインする確率が高い。このため、第1近接ユーザーに対応する第1ダウンロード処理よりも第2近接ユーザーに対応する第2ダウンロード処理を優先して実行することにより、第2近接ユーザーがMFP100にログインする際の待ち時間を短くすることができる。
ステップS55においては、第2タイマーT2をスタートさせる。第2タイマーT2は、第2近接ユーザーが検出されてから経過する時間を計時する。次のステップS56においては、ステップS54において開始された第2ダウンロード処理が終了したか否かを判断する。第2ダウンロード処理が終了するまで待機状態となり(ステップS56でNO)、第2ダウンロード処理が終了したならば(ステップS56でYES)、処理をステップS57に進める。ステップS57においては、ステップS53で実行を中断した第1ダウンロード処理を再開し、処理をステップS45に戻す。
一方、ステップS49においては、ステップS44において開始された第1ダウンロード処理が終了したか否かを判断する。第1ダウンロード処理が終了するまで待機状態となり(ステップS49でNO)、第1ダウンロード処理が終了したならば(ステップS49でYES)、処理をステップS50に進める。ステップS50においては、第2ダウンロード処理を開始する。次のステップS51においては、第2タイマーT2をスタートさせ、処理をステップS58に進める。第2タイマーT2は、第2近接ユーザーが検出されてから経過する時間を計時する。
処理がステップS49に進む場合は、第1近接ユーザーが検出されてからしきい値Th1の時間が経過する前に第1近接ユーザーがログインした場合である。この場合、第1近接ユーザーであるユーザーAに対応する第1ダウンロード処理を優先して実行することにより、第1近接ユーザーがMFP100にログインしてからの待ち時間をできるだけ短くすることができる。
ステップS58においては、第1タイマーT1の値がしきい値Th2以上か否かを判断する。第1タイマーT1の値がしきい値Th2以上になるまで待機状態となり、第1タイマーT1の値がしきい値Th2以上になると処理をステップS59に進める、ステップS59においては、第1ダウンロード処理が実行されてHDD115に記憶された第1プリントジョブおよび第1代替情報をHDD115から消去し、処理をステップS60に進める。
ステップS60においては、第2タイマーT2の値がしきい値Th2以上か否かを判断する。第2タイマーT2の値がしきい値Th2以上になるまで待機状態となり、第2タイマーT2の値がしきい値Th2以上になると処理をステップS61に進める、ステップS61においては、第2ダウンロード処理が実行されてHDD115に記憶された第2プリントジョブおよび第2代替情報をHDD115から消去し、ユーザー検出時処理を終了する。
図11は、ダウンロード処理の流れの一例を示すフローチャートである。図11を参照して、CPU111は、ダウンロード要求をプリントサーバー300に送信する(ステップS71)。ダウンロード要求は、近接ユーザーのユーザー識別情報を含む。図10のステップS44においてダウンロード処理が実行される場合には、ダウンロード要求は第1近接ユーザーであるユーザーAのユーザー識別情報を含み、図10のステップS50またはS54においてダウンロード処理が実行される場合には、ダウンロード要求は第2近接ユーザーであるユーザーBのユーザー識別情報を含む。
上述したように、ダウンロード要求を受信するプリントサーバー300は、ダウンロード要求に含まれるユーザー識別情報と同じユーザー識別情報も含まプリントジョブを返信する。また、ダウンロード要求を受信するプリントサーバー300は、近接ユーザーがMFP100を操作して実行させることのできないプリントジョブを記憶する場合には、そのプリントジョブのジョブ識別情報と、そのプリントジョブを実行させることが可能な装置の装置識別情報等を含む代替情報を返信する。
ステップS72においては、通信I/F部112がプリントサーバー300からプリントジョブを受信したか否かを判断する。プリントジョブを受信したならば処理をステップS73に進めるが、そうでなければ処理をステップS77に進める。ステップS73においては、受信されたプリントジョブを近接ユーザーのユーザー識別情報と関連付けてHDD115に記憶し、処理をステップS74に進める。ステップS74においては、プリントジョブの受信が終了したか否かを判断する。プリントジョブの受信が終了したならば処理をステップS77に進めるが、そうでなければ処理をステップS75に進める。
ステップS75においては、近接ユーザーが検出されなくなったか否かを判断する。近接ユーザーが携帯する装置との間の距離が所定の値以上になると近接ユーザーが検出されなくなったと判断する。例えば、携帯情報装置200を操作するユーザーAが近接ユーザーの場合、携帯情報装置によくとの間の距離が所定の値以上か否かを判断する。近接ユーザーが検出されなくなった場合、処理をステップS76に進めるが、そうでなければ処理をステップS72に戻す。ステップS76においては、ステップS73においてHDD115に記憶されたプリントジョブを消去し、処理をユーザー検出時処理に戻す。
ステップS77においては、通信I/F部112がプリントサーバー300から代替情報を受信したか否かを判断する。代替情報を受信したならば処理をステップS78に進めるが、そうでなければ処理をユーザー検出時処理に戻す。ステップS78においては、受信された代替情報を、近接ユーザーのユーザー識別情報と関連付けてHDD115に記憶し、処理をS79に進める。ステップS79においては、代替情報の受信が終了したか否かを判断する。代替情報の受信が終了したならば処理をユーザー検出時処理に戻すが、そうでなければ処理をステップS80に進める。
ステップS80においては、ステップS75と同様にして、近接ユーザーが検出されなくなったか否かを判断する。近接ユーザーが検出されなくなった場合、処理をステップS81に進めるが、そうでなければ処理をステップS77に戻す。ステップS81においては、ステップS73においてHDD115に記憶されたプリントジョブを消去し、次のステップS82においては、ステップS78においてHDD115に記憶された代替情報を消去し、処理をユーザー検出時処理に戻す。
図12は、ユーザー認証時処理の流れの一例を示すフローチャートである。図12を参照して、CPU111は、ユーザーがログインしたか否かを判断する(ステップS91)。操作部163にユーザー識別情報とパスワードとが入力され、ユーザー認証に成功したか否かを判断する。ユーザー認証に成功したならばユーザーがログインしたと判断する。ユーザーがログインするまで待機状態となり(ステップS91でNO)、ユーザーがログインしたならば(ステップS91でYES)、処理をステップS92に進める。
ステップS92においては、ログインしたユーザーを認証ユーザーとして特定する。次のステップS93においては、認証ユーザーに対応する代替情報が存在するか否かを判断する。HDD115に認証ユーザーのユーザー識別情報と関連付けられた代替情報が記憶されているならば、認証ユーザーと関連付けられた代替情報が存在すると判断する。認証ユーザーに対応する代替情報が存在するならば処理のステップS94に進めるが、そうでなければ処理をステップS96に進める。図11に示した第1近接ユーザーに対応する第1ダウンロード処理が実行されて、そのステップS78において第1近接ユーザーのユーザー識別情報と関連付けて代替情報がHDD115に記憶される場合がある。第1近接ユーザーであるユーザーAが認証ユーザーとして特定される場合には、HDD115にユーザーAのユーザー識別情報と関連付けていた記憶された代替情報をHDD115から読み出す。
ステップS94においては、代替情報を表示部161に表示し、処理をステップS95に進める。代替情報は、ジョブ識別情報と、装置識別情報とを含む。装置識別情報は、ジョブ識別情報で識別されるプリントジョブを実行可能な装置を識別するための情報である。このため、表示部161に表示された代替情報を見る認証ユーザーは、MFP100で実行することができないプリントジョブの存在を知ることができ、さらに、そのプリントジョブを実行可能な装置を知ることができる。ユーザーは、そのプリントジョブを実行させるために、実行可能な装置を操作すれば良い。ステップS95においては、代替情報をHDD115から消去し、処理をステップS96に進める。代替情報が表示された後は、代替情報を記憶しておく必要はないからである。
ステップS96においては、認証ユーザーに対応するプリントジョブが存在するか否かを判断する。HDD115に認証ユーザーのユーザー識別情報と関連付けられたプリントジョブが記憶されているならば、認証ユーザーと関連付けられた、プリントジョブが存在すると判断する。認証ユーザーに対応するプリントジョブが存在するならば処理のステップS97に進めるが、そうでなければ処理をステップS99に進める。図11に示した第1近接ユーザーに対応する第1ダウンロード処理が実行されて、そのステップS73において第1近接ユーザーのユーザー識別情報と関連付けてプリントジョブがHDD115に記憶される場合がある。第1近接ユーザーであるユーザーAが認証ユーザーとして特定される場合には、HDD115にユーザーAのユーザー識別情報と関連付けていた記憶されプリントジョブがHDD115から読み出される。ステップS97においては、プリントジョブを実行し、処理をステップS98に進める。ステップS98においては、プリントジョブをHDD115から消去し、処理をステップS99に進める。プリントジョブが実行された後は、プリントジョブを記憶しておく必要はないからである。
ステップS99においては、操作を受け付けたか否かを判断する。操作部163がユーザーによる操作を受け付けるまで待機状態となり、操作を受け付けたならば処理をステップS100に進める。ステップS100においては、受け付けられた操作に従って通常の処理を実行する。例えば、コピーを指示する操作を受け付けたならば、コピー処理を実行し、ファクシミリ送信を指示する操作を受け付けたならばファクシミリ送信処理を実行する。次のステップS101においては、ユーザーがログアウトしたか否かを判断する。ユーザーが操作部163にログアウトする操作を入力したならば、ログアウトしたと判断する。ユーザーがログアウトしたならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS99に戻す。
以上説明したように、本実施の形態におけるプリントサーバー300は、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報と、プリント条件と、画像データとを含むプリントジョブをPC400から受信し、MFP100,100A,100Bのいずれかからユーザー識別情報を含むダウンロード要求を受信することに応じて、ダウンロード要求に含まれるユーザー識別情報を含む1以上のプリントジョブをPC400から受信されたプリントジョブのうちから抽出し、抽出された1以上のプリントジョブのうちダウンロード要求を送信してきた対象装置、たとえばMFP100で実行可能と判断されたプリントジョブを、対象装置であるMFP100に送信する。このため、PC400から受信されたプリントジョブのうちMFP100で実行可能なプリントジョブのみをMFP100に送信するので、MFP100で実行できないプリントジョブを送信しないので、ネットワーク資源を有効に利用することができる。一方、MFP100,100A,100Bそれぞれは、自装置から所定の距離の範囲内に存在するユーザーを検出すると、検出されたユーザーのユーザー識別情報を含むダウンロード要求をプリントサーバー300に送信し、プリントサーバー300から送信されるプリントジョブを受信し、操作部163に入力される操作に基づいてユーザーが認証されることに応じて、受信された1以上のプリントジョブのうちから認証されたユーザーのユーザー識別情報を含むプリントジョブに含まれる画像データの画像を、プリント条件に従って形成する。ユーザーが認証される前の段階で、プリントジョブが受信されるので、ユーザーが認証されると、直ちにプリントジョブを実行することができる。このため、ユーザーがMFP100にログインしてからプリントジョブが実行されて画像が形成されるまでの待ち時間を少なくすることができる。
また、プリントサーバー300は、MFP100,100A,100Bそれぞれの能力情報に基づいて、対象装置、例えばMFP100で実行不可能と判断されたプリントジョブを、実行可能な代替装置、例えばMFP100Aを決定し、代替装置が決定される場合、代替装置であるMFP100Aの装置識別情報を含む代替装置情報を対象装置であるMFP100に送信し、対象装置であるMFP100は、さらに、プリントサーバー300からプリントジョブとともに代替装置情報が受信されている場合、ユーザーが認証されることに応じて、代替装置情報に含まれる代替装置であるMFP100Aの装置識別情報を表示する。このため、ユーザーに対して、MFP100で実行できないプリントジョブを実行可能な代替装置であるMFP100Aを通知することができる。
また、プリントサーバー300は、MFP100,100A,100Bごとに複数のユーザーごとに実行可能な処理を制限する制限情報を記憶し、ダウンロード要求に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーに対して制限情報によって制限されていないことを条件に、対象装置であるMFP100でプリントジョブを実行可能と判断する。このため、ユーザーが利用を制限されている処理を含むプリントジョブは受信されないので、ネットワーク資源を有効に利用することができる。
また、プリントサーバー300は、ダウンロード要求に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーに対応する制限情報がRBP情報を含む場合には、プリントジョブに含まれるプリント条件をRBP情報で定めるルールに従って変更し、変更した後のプリント条件のプリントジョブを、対象装置であるMFP100でプリントジョブを実行可能か否かを判断する。このため、RBP情報でユーザーに対応してルールを定める場合に、対応することができる。
また、MFP100,100A,100Bそれぞれは、第1のユーザーが検出されることに応じて第1のダウンロード要求を送信した後の所定時間が経過した後の段階であって、プリントサーバー300から第1のダウンロード要求に対応する第1のプリントジョブを受信している最中に、第2のユーザーが検出されることに応じて、第2のダウンロード要求に対応する第2のプリントジョブを第1のプリントジョブよりも優先して受信する。このため、画像形成装置を使用する確率の高いユーザーに対するプリントジョブを効率よく受信することができる。
また、プリントサーバーは、複数のプリントジョブを送信する場合、複数のプリントジョブを優先順位の高い順に送信するので、ユーザーに出力結果を早期に提供することができる。 なお、上述した実施の形態においては、プリントサーバー300と、画像形成装置の一例としてMFP100,100A,100Bとを含むプリントシステム1について説明したが、図8〜図9に示したプリントジョブ管理処理をプリントサーバー300に実行させ、図10〜図12に示したプルプリント処理をMFP100,100A,100Bそれぞれに実行させるプリント方法として、また、プリントジョブ管理処理をプリントサーバー300を制御するCPU301に実行させるプリントジョブ管理、および、図10〜図12に示したプルプリント処理をMFP100を制御するCPU111に実行させるプルプリントプログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<付記>
(1) ユーザーがアップロードしたプリントジョブを、別のユーザーがアップロードしたプリントジョブであって、ユーザーがアクセス権を持つプリントジョブよりも優先順位が高い、請求項5に記載のプリントシステム。
(2) 前記1以上の画像形成装置それぞれは、所定の範囲内に存在する装置と無線で通信する近距離無線通信手段を、さらに含み、
前記ユーザー検出手段は、前記近距離無線通信手段により通信可能となった携帯情報装置に割り当てられたユーザーを特定する第1ユーザー特定手段を、含む請求項1〜5および(1)のいずれかに記載のプリントシステム。
(3) 前記1以上の画像形成装置それぞれは、ユーザーに割り当てられた携帯情報装置と通信する通信手段を、さらに備え、
前記ユーザー検出手段は、前記携帯情報装置から受信される位置情報に基づいて前記携帯情報装置に割り当てられたユーザーを特定する第2ユーザー特定手段を、含む請求項1〜5、(1)および(2)のいずれかに記載のプリントシステム。