以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従ってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態における画像形成システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、画像形成システム1は、それぞれがネットワーク3に接続された複合機(以下、「MFP」という)100,100A,100Bと、携帯情報装置200と、無線局5と、を含む。このため、MFP100,100A,100C各々は、ネットワーク3を介して互いに通信可能である。
なお、図ではネットワーク3に、画像処理装置として3台のMFP(Multi Function Peripheral)100,100A,100Bが接続される例を示しているが、MFPの数はこれに限定されるものではなく、1台以上であればよい。また、MFP100,100A,100Bに代えて、データを処理する機能を備えた装置であれば、例えば、コンピュータ、ファクシミリ、プリンタ等であってもよい。
ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク3は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク等であってもよい。さらに、ネットワーク3は、インターネットに接続されている。このため、MFP100,100A,100B各々は、インターネットに接続されたサーバー等のコンピュータと通信が可能である。
携帯情報装置200は、電子ペーパー、またはスマートホン等の通信機能を備えたPDA(Personal Digital Assistants)である。ここでは、携帯情報装置200を、スマートホンとする場合を例に説明する。携帯情報装置200は、携帯電話用基地局と無線で通信することにより携帯電話網に接続し、通話が可能である。また、携帯情報装置200は、無線LAN機能を備えている。
ネットワーク3には無線局5がさらに接続される。無線局5は、ネットワーク3の中継装置であり、無線LAN通信機能を備えた携帯情報装置200と通信して、携帯情報装置200をネットワーク3に接続する。このため、携帯情報装置200は、ネットワーク3に接続された、MFP100,100A,100Bとデータの送受信が可能である。
本実施の形態における画像形成システム1においては、携帯情報装置200と、MFP100,100A,100Bのいずれかとが通信し、データが送受信される。データを送受信するプロトコルは、特に限定されることはなく、任意のプロトコルを用いることが可能である。携帯情報装置200は、それに記憶されたデータを、MFP100,100A,100Bのいずれかに送信し、MFP100,100A,100Bのいずれかにデータを保存、表示、送信または画像形成等の処理をさせることができる。また、携帯情報装置200は、MFP100,100A,100Bのいずれかに記憶されたデータを受信し、保存、表示または送信等の処理をすることができる。携帯情報装置200またはMFP100,100A,100Bが記憶するデータは、ネットワーク3に接続されたパーソナルコンピュータ(PC)等からダウンロードしたアプリケーションデータであってもよいし、携帯情報装置200またはMFP100,100A,100Bそれぞれにインターネットブラウザプログラムがインストールされている場合には、インターネットに接続されたサーバーからダウンロードしたデータであってもよい。データは、マークアップ言語で記述されたWebデータを含む。以下の説明では、特に言及しない限り、携帯情報装置200が、MFP100と通信する場合を例に説明する。
MFP100,100A,100Bは、ハードウエア構成は同じであってもよく異なっていてもよいが、少なくとも画像データに基づいて紙などの用紙に画像を形成するための画像形成部を備えている。MFP100,100A,100B各々が有するハードウエア構成は同じではない場合があるが、ここではMFP100が、他のMFP100A,100Bの少なくとも1つが有する構成を有しているとし、特に言及しない限りMFP100を例に説明する。
さらに、本実施の形態における携帯情報装置200は、MFP100を制御するためのプリンタドライバープログラムが予めインストールされている。このため、携帯情報装置200を操作するユーザーは、携帯情報装置200において画像形成の対象となるデータを設定し、MFP200でプリント枚数等の画像を形成するための画像形成条件を設定すれば、設定されたデータを画像形成条件に従ってプリントデータに変換し、プリントデータと画像形成条件とを含むプリントジョブを、MFP100に送信する。プリントジョブを受信するMFP100は、プリントジョブを実行し、データの画像を画像形成条件に従って用紙に形成する。
図2は、MFPのハードウエア構成の概要を示すブロック図である。図2を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、後処理部155と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160と、を含む。
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、ファクシミリ部117と、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)119Aが装着される外部記憶装置119と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取データ(画像データ)を一時的に記憶する。
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられる。図3は、操作パネルの一例を示す平面図である。図3を参照して、操作パネル160は、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro−Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部163は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部163は、表示部161の表示面の位置を検出するタッチパネル165をさらに含む。タッチパネル165は、表示部161の上面または下面に設けられ、ユーザーにより指示された位置の座標をCPU111に出力する。
図2に戻って、自動原稿搬送装置120は、原稿給紙トレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ上に排出する。原稿読取部130は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部140に出力する。給紙部150は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部140に搬送する。
画像形成部140は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部130から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施した、データ処理後の画像データまたは、外部から受信された画像データに基づいて、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成し、画像が形成された用紙を後処理部155に排出する。
後処理部155は、用紙を蓄積するための複数のビンを備え、画像形成部140から搬送される1以上の用紙に対して後処理を実行する。後処理は、1以上の用紙を複数のビンに順に搬送することによって複数のセットに分類するソート処理、用紙にパンチ穴加工するパンチ処理、用紙にステープル針を打ち込むステープル処理を含む。なお、後処理は、これらに限定されるものではなく、1以上の用紙を、搬送または加工する処理であれば、他の処理を含むようにしてもよい。
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介してネットワーク3に接続された他のMFP100A,100Bまたは無線局5との間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク3を介してインターネットに接続されたコンピュータと通信が可能である。
ファクシミリ部117は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、ファクシミリデータを送受信する。ファクシミリ部117は、原稿読取部130により読み取られた画像データまたはHDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。また、ファクシミリ部117は、受信されたファクシミリデータをHDD116に記憶するか、画像形成部140にファクシミリデータの画像を用紙に形成させる。
外部記憶装置119は、CD−ROM119Aが装着される。CPU111は、外部記憶装置119を介してCD−ROM119Aにアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置119に装着されたCD−ROM119Aに記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM119Aに記録されたプログラムに限られず、HDD116に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワークに接続された他のコンピュータが、MFP100のHDD116に記憶されたプログラムを書き換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワークに接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD116に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
図4は、携帯情報装置のハードウエア構成の概要を示すブロック図である。図4を参照して、携帯情報装置200は、携帯情報装置200の全体を制御するためのCPU211と、カメラ212と、データを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ213と、通話部215と、通話部215と接続された無線通信部214と、情報を表示する表示部216と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部217と、無線LANインターフェース(I/F)218と、を含む。
無線通信部214は、電話通信網に接続された携帯電話用基地局と無線通信する。無線通信部214は、携帯情報装置200を電話通信網に接続し、通話部215を用いた通話を可能とする。無線通信部214は、携帯電話用基地局から受信した無線信号を復調した音声信号を復号して通話部215に出力する。また、無線通信部214は、通話部215から入力される音声を符号化し、携帯電話用基地局に送信する。通話部215は、マイクおよびスピーカを備え、無線通信部214から入力される音声をスピーカから出力し、マイクから入力される音声を無線通信部214に出力する。さらに、無線通信部214は、CPU211により制御され、携帯電話用基地局を介してデータを送受信し、例えば、携帯情報装置200をインターネットに接続する。
カメラ212は、レンズおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー等の光電変換素子を備え、レンズで集光した光をCMOSセンサーに結像し、CMOSセンサーは受光した光を光電変換して画像データをCPU201に出力する。
表示部216は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや,外部から受信されたデータ等を表示する。操作部217は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。
また、操作部217は、タッチパネル217Aを含む。タッチパネル217Aは、表示部216の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。タッチパネル217Aは、表示部216の上面または下面に設けられ、ユーザーにより指示された位置の座標をCPU211に出力する。タッチパネル217Aは、マルチタッチスクリーンパネルであり、同時に複数の位置がユーザーにより指示される場合、ユーザーにより指示された複数の位置にそれぞれ対応する複数の座標をCPU211に出力する。タッチパネル217Aは、表示部216の表示面と同じまたはそれ以上のサイズであるのが好ましい。タッチパネル217Aは、表示部216に重畳して設けられるので、タッチパネル217Aは、ユーザーが表示部216の表示面を指示すれば、表示部216の表示面中でユーザーが指示した1以上の位置にそれぞれ対応する1以上の座標をCPU211に出力する。タッチパネル217Aは、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式を用いることができ、その方式は限定されない。
無線LANI/F218は、無線局5と通信し、携帯情報装置200をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。携帯情報装置200は、無線LANI/F218を介してMFP100,100A、100Bと通信することができ、データの送受信が可能である。
図5は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図5に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶された画像形成プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。図5を参照して、CPU111は、通信可能な携帯情報装置200を検出する装置検出部51と、携帯情報装置200から能力情報を取得する能力情報取得部53と、比較部55と、比較結果を携帯情報装置200に送信する比較結果送信部57と、比較結果を送信した携帯情報装置200から詳細設定要求を受信する詳細設定要求受信部59と、使用中信号送信部60と、画像形成条件を設定する詳細設定部61と、操作パネル160に入力される操作を受け付ける操作受付部67と、状態検出部68と、画像形成の対象となるデータを取得するデータ取得部69と、画像形成部140を制御する画像形成制御部71と、プリントジョブを実行するプリント部73と、を含む。
データ取得部69は、画像形成の対象となるデータを取得する。画像形成の対象となるデータは、原稿読取部130が原稿を読み取って出力するデータ、HDD116またはEEPROM115に記憶されたデータ、通信I/F部112が外部から受信するデータ、ファクシミリ部117が受信するファクシミリデータを含む。データ取得部69は、データを取得する場合、取得されたデータを画像形成制御部71に出力する。また、通信I/F部112が外部から受信するデータは、プリントデータとプリント条件とを含むプリントジョブを含む。データ取得部69は、通信I/F部112がプリントジョブを受信する場合、受信されたプリントジョブをプリント部73に出力する。
操作受付部67は、MFP100を操作するユーザーが、操作パネル160の操作部163に入力する操作を受け付ける。操作受付部67は、受け付けられた操作を詳細設定部61に出力する。操作は、操作部163が有するハードキーまたはタッチパネルによって検出される位置によって定まり、ハードキーまたはタッチパネルによって検出される位置に対して予め定められた操作識別情報によって特定される。
詳細設定部61は、画像形成条件を設定する。画像形成条件は、画像を用紙に形成するための条件であり、第1の設定可能範囲を有する。画像を用紙に形成するための条件は、複数の設定項目と、複数の設定項目ごとに設定されるパラメータとで定まる。第1の設定可能範囲は、複数の設定項目の数を示す第1の項目数と、複数の設定項目ごとに設定されるパラメータの範囲で定まる。パラメータの範囲は、パラメータが選択的に定められる値の場合は選択可能な値の数、パラメータが数値の場合には設定可能な数値の範囲である。
画像形成条件に含まれる第1の項目数からなる設定項目は、画像形成制御部71が用紙に画像を形成するための条件に対応する1以上の設定項目を含む。さらに、画像形成条件に含まれる第1の項目数からなる設定項目は、後処理部155が後処理を実行するための条件に対応する1以上の設定項目を含む場合がある。画像形成制御部71が用紙に画像を形成するための条件に対応する1以上の設定項目は、例えば、印刷部数、用紙サイズ、カラーおよびモノクロームの別を定める設定項目を含む。印刷部数の設定項目に対応するパラメータは、部数であり、そのパラメータの範囲は、0〜99である。
後処理部155が後処理を実行するための条件に対応する1以上の設定項目は、例えば、ソート処理、パンチ穴加工処理、ステープル処理のための条件に対応する1以上の設定項目を含む。ソート処理のための条件に対応する1以上の設定項目は、例えば、用紙の配列順を定める設定項目を含み、パンチ穴加工処理のための条件に対応する1以上の設定項目は、例えば、パンチ穴加工の有無を定める設定項目、パンチ穴の位置を定まる設定項目、およびパンチ穴の数を定める設定項目を含む。ステープル処理のための条件に対応する1以上の設定項目は、例えば、ステープル処理の有無を定める設定項目、ステープル針の打ち込み位置を定める設定項目、ステープル針の数を定める設定項目を含む。ステープル処理の有無を定める設定項目に対応するパラメータは、ステーブル処理の有無を示す値であり、そのパラメータの範囲は「2」である。ステープル針の打ち込み位置を定める設定項目に対応するパラメータは、位置を示す値であり、例えば、「用紙の左」、「用紙の上」とする場合は、パラメータの範囲は「2」である。ステープル針の数を定める設定項目に対応するパラメータは、数を示す値であり、例えば、「1箇所」、「2箇所」とする場合は、パラメータの範囲は「2」である。
詳細設定部61は、詳細画面表示部63を含む。詳細画面表示部63は、画像形成条件を設定するための詳細画面を表示部161に表示する。詳細設定部61は、ユーザーが、操作部163に、詳細画面表示部63により表示された詳細設定画面に従って操作を入力すれば、操作受付部67からユーザーにより入力された操作を受け付ける。詳細設定部61は、詳細画面表示部63により表示された詳細設定画面と、操作受付部67から入力される操作に基づいて、画像形成条件を設定する。具体的には、画像形成条件を定める1以上の設定項目ごとにパラメータを設定する。なお、画像形成条件を定める1以上の設定項目それぞれには、デフォルトのパラメータが設定されており、ユーザーが操作部163に入力する操作によって、デフォルトのパラメータが、第1の設定可能範囲内の値に変更される。詳細設定部61は、ユーザーによる画像形成条件を設定する操作が終了すると、画像形成条件を画像形成制御部71に出力する。ユーザーが操作部163が備えるスタートキーを押下する操作が、操作受付部67によって検出される場合、ユーザーによる画像形成条件を設定する操作が終了したと判断する。
画像形成制御部71は、画像形成部140および後処理部155を制御し、データ取得部69から入力されるデータの画像を、詳細設定部61から入力される画像形成条件に従って画像形成部140に形成させ、画像形成条件が後処理を定める場合には後処理部155に後処理を実行させる。
プリント部73は、画像形成部140および後処理部155を制御し、データ取得部69から入力されるプリントジョブに含まれるプリントデータの画像を、プリントジョブに含まれるプリント条件に従って画像形成部140に形成させ、プリント条件が後処理を定める場合には後処理部155に後処理を実行させる。プリント条件は、画像を用紙に形成するための条件であり、第2の設定可能範囲を有する。上述したように、画像を用紙に形成するための条件は、複数の設定項目と、複数の設定項目ごとに設定されるパラメータとで定まる。第2の設定可能範囲は、複数の設定項目の数を示す第2の項目数と、複数の設定項目ごとに設定されるパラメータの範囲で定まる。
プリント条件により定められる設定項目は、それに対応する画像形成条件により定められる設定項目と同じである。プリント条件により定められる設定項目の第2の項目数は、画像形成条件により定められる設定項目の第1の項目数と同じ場合と、第1の項目数よりも少ない場合とがある。また、プリント条件により定められる設定項目に対応するパラメータの範囲は、それに対応する画像形成条件により定められる設定項目に対応するパラメータの範囲と同じ場合と、それより小さい場合とがある。
プリント条件によって定められる設定項目およびパラメータの範囲は、後述する携帯情報装置200にインストールされたプリンタドライバープログラムによって定まる。そのプリンタドライバープログラムによって定められる設定項目の第2の項目数が第1の項目数と同じ場合と、第1の項目数よりも少ない場合があり、プリンタドライバープログラムによって定められる設定項目に対応するパラメータの範囲が、それに対応する画像形成条件により定められる設定項目に対応するパラメータの範囲と同じ場合と、それよりも小さい場合がある。
装置検出部51は、通信可能な携帯情報装置200を検出する。具体的には、装置検出部51は、通信I/F部112を介して、定期的にブロードキャストで探索信号を送信し、携帯情報装置200が探索信号に応答する場合に、その携帯情報装置200との間で通信を確立する。装置検出部51は、携帯情報装置200と通信を確立したならば、その携帯情報装置200を検出し、携帯情報装置200を識別するための装置識別情報を能力情報取得部53に出力する。装置識別情報は、ここでは、携帯情報装置200に割り当てられたIP(Internet Protocol)アドレスとしている。なお、連携可能な複数の携帯情報装置のネットワークアドレスを予め記憶しておき、複数の携帯情報装置それぞれに対して、探索信号を送信するようにしてもよい。
能力情報取得部53は、装置検出部51によって検出された携帯情報装置200から能力情報を取得する。能力情報は、携帯情報装置200にインストールされているプリンタドライバープログラムによって定まり、プリンタドライバープログラムを実行することによって設定されるプリント条件の第2の設定可能範囲を有する。パラメータが設定される設定項目の数を示す第2の項目数を含む。能力情報取得部53は、通信I/Fに112を介して、携帯情報装置200に能力情報の送信要求を送信し、携帯情報装置200から返信される能力情報を受信する。能力情報取得部53は、取得された能力情報を、比較部55に出力する。
比較部55は、能力情報に含まれる第2の設定可能範囲を、画像形成制御部71が実行可能な画像形成条件の第1の設定可能範囲と比較する。比較部55は、比較結果を比較結果送信部57に出力する。比較結果は、第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲よりも大きなことを示す比較結果と、第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲以下であることを示す比較結果と、を含む。第1の設定可能範囲の第1の項目数が、第2の設定可能範囲の第2の項目数よりも大きい場合、第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲よりも大きいと判断する。第1の設定可能範囲の設定項目に対応するパラメータの範囲を、対応する第2の設定可能範囲の設定項目のパラメータの範囲よりも広ければ、第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲よりも大きいと判断する。第1の設定可能範囲の1以上の設定項目の少なくとも1つにおいて、第2の設定可能範囲の設定項目のパラメータの範囲よりも大きければ、第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲よりも大きいと判断する。第1の設定可能範囲の第1の項目数が、第2の設定可能範囲の第2の項目数よりも大きい場合、また、第1の設定可能範囲の第1の項目数が、第2の設定可能範囲の第2の項目数と同じであっても、第1の設定可能範囲の1以上の設定項目の少なくとも1つにおいて、第2の設定可能範囲の設定項目のパラメータの範囲よりも大きい場合、第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲よりも大きいと判断し、それ以外の場合は、第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲以下と判断する。
比較結果送信部57は、能力情報取得部53が能力情報を要求した携帯情報装置200に、通信I/F部112を介して、比較結果を送信する。これによって、携帯情報装置200によって比較結果が受信される。比較結果を受信する携帯情報装置200は、詳細設定要求を送信する場合と、プリントジョブを送信する場合とがある。比較結果を受信する携帯情報装置200の動作の詳細は後述する。
詳細設定要求受信部59は、通信I/F部112を制御し、携帯情報装置200から送信される詳細設定要求を受信する。詳細設定要求は、画像形成条件の設定を指示するコマンドと、画像形成の対象となるデータと、を含む。
状態検出部68は、操作受付部67によってユーザーによる操作が受け付けられている受付中状態を検出する。例えば、操作受付部67が操作を検出している場合に、受付中状態を検出する。状態検出部68が、操作パネル160を用いてMFP100を操作するユーザーを認証する場合、認証されたユーザーがログインしている間は、受付中状態を検出するようにしてもよい。この場合、ログインしているユーザーは、携帯情報装置200を操作するユーザーとは異なるユーザーである。具体的には、表示部161にログイン画面を表示し、操作ユーザーがログイン画面に従って操作部163に入力する認証情報を受け付ける。認証情報は、例えば、ユーザーIDとパスワードとの組である。受け付けられた認証情報が予め記憶されていれば、操作ユーザーを認証し、ログインを許可する。なお、認証情報は、ユーザーIDとパスワードとの組に限られず、ユーザーを特定することができる情報であれば、例えば、ICカード、または生体情報を用いることができる。認証情報にICカードを用いる場合にはICカードリーダーを、生体情報を用いる場合には、操作ユーザーの生体情報を検出する検出装置を、それぞれMFP100に備える必要がある。
詳細設定要求受信部59は、携帯情報装置200から詳細設定要求を受信した時点で、状態検出部68によって受付中状態が検出されている場合は、使用中信号送信部60に送信指示を出力する。送信指示は、詳細設定要求を送信してきた携帯情報装置200を識別するための装置識別情報を含む。装置識別情報は、例えば、IP(Internet Protocol)アドレスである。詳細設定要求受信部59は、携帯情報装置200から詳細設定要求を受信した時点で、状態検出部68によって受付中状態が検出されていない場合は、詳細設定要求に含まれるデータを、データ取得部69に出力するとともに、詳細設定部61に表示指示を出力する。
使用中信号送信部60は、送信指示が入力されることに応じて、MFP100が使用中であることを示す使用中信号を、送信指示に含まれる装置識別情報で特定される携帯情報装置200に通信I/F部112を介して送信する。
詳細画面表示部63は、詳細設定要求受信部59から表示指示が入力されることに応じて、詳細設定画面を表示部161に表示する。これにより、ユーザーは、操作部163に対して画像形成条件である第1の項目数の設定項目ごとにパラメータを設定する操作を入力することができる。
詳細設定部61は、詳細画面表示部63によって詳細設定画面が表示部161に表示されている間、操作受付部67から入力される操作に基づいて、画像形成条件を設定する。詳細設定部61は、ユーザーによる画像形成条件を設定する操作が終了すると、画像形成条件を画像形成制御部71に出力する。
詳細画面表示部63は、中止部65を含む。詳細設定部61は、詳細設定画面が表示部161に表示されている間、操作受付部67から入力される操作に基づいて、画像形成条件を設定するが、ユーザーが、MFP100の近傍にいない場合等、操作部163を操作できない場合がある。中止部65は、詳細画面表示部63によって詳細設定画面が表示部161に表示されている間に、状態検出部68によって所定時間継続して受付中状態が検出されない場合、表示部161に詳細設定画面を表示するのを中止する。これにより、形態情報装置200を操作するユーザーが詳細設定画面に従って画像形成条件を設定しない場合に、他のユーザーがMFP100を操作できるようにすることができる。
図6は、携帯情報装置が備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図6に示す機能は、携帯情報装置200が備えるCPU211が、フラッシュメモリ213に記憶されたプリンタドライバープログラムを実行することにより、CPU211に形成される機能である。このプリンタドライバープログラムは、MFP100を制御するためのプログラムであり、MFP100に対応する。
図6を参照して、CPU211は、処理対象となるデータを特定する処理対象特定部251と、データをプリントデータに変換する変換部253と、プリント条件を設定するプリント条件設定部255と、MFP100からの要求に応じて能力情報をMFP100に送信する能力情報送信部263と、能力情報の送信に応じてMFP100から送信される比較結果を受信する比較結果受信部265と、比較結果に基づいて、MFP100と自装置とのいずれか一方を設定装置に決定する決定部267と、自装置が設定装置に決定された場合にプリント条件を含むプリントジョブを送信するプリントジョブ送信部259と、MFP100が設定装置に決定された場合に詳細設定要求をMFP100に送信する詳細設定依頼部261と、を含む。
処理対象特定部251は、処理対象となるデータを特定する。処理対象となるデータは、フラッシュメモリ213に記憶されたデータの他、MFP100,100A,100Bに記憶されたデータ、携帯情報装置200がインターネットに接続されている場合は、インターネットに接続されたコンピュータに記憶されたデータを含む。また、データは、文書作成プログラム、表計算プログラム、画像編集プログラム等のアプリケーションプログラムによって生成されたアプリケーションデータの他、画像データを、含む。例えば、フラッシュメモリ213に記憶されたデータのファイル名または縮小画像(サムネイル)の一覧を表示し、ユーザーがファイル名または縮小画像を指示することによりデータを特定すれば、ユーザーにより指示されたデータを処理対象に特定する。処理対象特定部251は、特定された処理対象データを、変換部253に出力する。
変換部253は、処理対象データをMFP100が解釈可能なプリントデータに変換し、変換したプリントデータをプリントジョブ送信部259および詳細設定依頼部261に出力する。プリントデータは、例えば、ラスターデータである。
プリント条件設定部255は、プリント条件を設定する。プリント条件は、画像を用紙に形成するための条件であり、第2の設定可能範囲を有する。上述したように、画像を用紙に形成するための条件は、複数の設定項目と、複数の設定項目ごとに設定されるパラメータとで定まる。第2の設定可能範囲は、複数の設定項目の数を示す第2の項目数と、複数の設定項目ごとに設定されるパラメータの範囲で定まる。プリント条件設定部255は、第2の項目数の設定項目ごとにパラメータを定める。プリント条件に含まれる第2の項目数の設定項目は、MFP100が用紙に画像を形成するための1以上の設定項目を含む。さらに、プリント条件に含まれる第2の項目数の設定項目は、MFP100が後処理を実行するための1以上の設定項目を含む場合がある。
プリント条件設定部255は、簡易画面表示部257を含む。簡易画面表示部257は、プリント条件を設定するための簡易設定画面を表示部216に表示する。プリント条件設定部255は、ユーザーが、操作部217に、簡易画面表示部257により表示された簡易設定画面に従って操作を入力すれば、操作部217からユーザーにより入力された操作を受け付ける。プリント条件設定部255は、簡易画面表示部257により表示された簡易設定画面と、操作部217から入力される操作に基づいて、プリント条件を設定する。具体的には、プリント条件を定める第2の項目数の設定項目ごとにパラメータを設定する。なお、プリント条件を定める第2の項目数の設定項目には、デフォルトのパラメータが設定されており、ユーザーが操作部217に入力する操作によって、デフォルトのパラメータが第2の設定可能範囲内の値に変更される。プリント条件設定部255は、ユーザーによるプリント条件を設定する操作が終了すると、プリント条件をプリントジョブ送信部259に出力する。ユーザーが操作部217が備えるスタートキーを押下する操作が、操作部217によって検出される場合、ユーザーによるプリント条件を設定する操作が終了したと判断する。
プリントジョブ送信部259は、プリント条件設定部255から入力されるプリント条件と、変換部253から入力されるプリントデータとを含むプリントジョブを生成し、生成されたプリントジョブを、無線LANI/F218を介して送信する。プリントジョブの送信先は、携帯情報装置200を操作するユーザーが、MFP100,100A,100Bのうちから選択することにより決定される。ここでは、MFP100がユーザーにより選択された場合を例に説明する。
能力情報送信部263は、無線LANI/F218がMFP100から能力情報の送信要求を受信すると、MFP100に能力情報を返信する。能力情報は、携帯情報装置200にインストールされているプリンタドライバープログラムによって定まり、プリンタドライバープログラムを実行することによって設定されるプリント条件の第2の設定可能範囲を有する。第2の設定可能範囲は、複数の設定項目の数を示す第2の項目数と、複数の設定項目ごとに設定されるパラメータの範囲で定まる。能力情報送信部263は、能力情報の送信に応じて受信指示を比較結果受信部265に出力する。受信指示は、能力情報を送信したMFP100を識別するための装置識別情報を含む。
比較結果受信部265は、無線LANI/F218を制御して、MFP100により送信される比較結果を受信し、受信された比較結果を決定部267に出力する。比較結果は、第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲よりも大きなことを示す比較結果と、第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲以下であることを示す比較結果と、を含む。
決定部267は、比較結果受信部265から入力される比較結果に基づいて、MFP100と自装置とのいずれか一方を設定装置に決定する。具体的には、比較結果が第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲よりも大きなことを示す場合、MFP100を設定装置に決定し、比較結果が第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲以下であることを示す場合、自装置を設定装置に決定する。決定部267は、MFP100を設定装置に決定する場合、詳細設定依頼部261に依頼指示を出力し、自装置を設定装置に決定する場合、プリント条件設定部255に設定指示を出力するとともに、プリントジョブ送信部259に送信指示を出力する。
詳細設定依頼部261は、決定部267から依頼指示が入力される場合、比較結果を送信してきたMFP100に、無線LANI/F218を介して詳細設定要求を送信する。詳細設定要求は、画像形成条件の設定を指示するコマンドと、変換部253から入力されるプリントデータと、を含む。上述したように、MFP100は、詳細設定要求を受信する場合、操作パネル160が使用中の場合、使用中信号を返信し、操作パネル160が使用中でない場合は詳細設定画面を表示する。
決定部267は、詳細設定依頼部261に依頼指示を出力した後に、無線LANI/F218がMFP100から使用中信号を受信する場合、設定装置を自装置に変更し、プリント条件設定部255に設定指示を出力するとともに、プリントジョブ送信部259に送信指示を出力する。
プリント条件設定部255は、決定部267によってMFP100が設定装置に決定される場合は、プリント条件を設定しない。また、決定部267によってMFP100が設定装置に決定された後に、設定装置が自装置に変更される場合は、プリント条件を設定する。同様に、プリントジョブ送信部259は、決定部267によってMFP100が設定装置に決定される場合は、プリントジョブを送信しない。また、決定部267によってMFP100が設定装置に決定された後に、設定装置が自装置に変更される場合は、プリントジョブを送信する。
図7は、画像形成条件の第1の設定可能範囲の一例を示す図である。図7を参照して、画像形成条件の第1の設定可能範囲は、設定項目ごとに設定可能なパラメータを定める設定レコードを含む。設定レコードは、設定項目の項目と、設定可能パラメータの項目を含む。ここでは、8個の設定項目として、「部数」、「両面・片面」、「ソート」、「パンチ」、「ステープル」、「カラー」、「給紙トレイ」、「n in 1」それぞれが設定された設定レコードを含む例を示している。従って、画像形成条件の第1の設定可能範囲を定める第1の項目数は「8」である。
また、設定項目「部数」は、画像を形成する部数を定め、そのパラメータとして「1−999」の範囲の値を設定可能であることを示す。設定項目「両面・片面」は、用紙の両面に画像を形成するか、用紙の片面に画像を形成するかを定め、そのパラメータとして「両面」または「片面」のいずれかの値を設定可能であることを示す。設定項目「ソート」は、画像が形成された用紙を複数部数別に並び替えるか否かを定め、そのパラメータとして「する」または「しない」のいずれかの値を設定可能であることを示す。設定項目「パンチ」は、パンチ穴加工処理をするか否かを定め、そのパラメータとして「しない」、「2穴」、「3穴」、「任意」のいずれかの値を設定可能であることを示す。パラメータ「2穴」は、2個のパンチ穴加工をすることを定め、「3穴」は3個のパンチ穴加工をすることを定め、「任意」はユーザーにより指定された数のパンチ穴加工をすることを定める。
設定項目「ステープル」は、ステープル処理をするか否かを定め、そのパラメータとして「しない」、「コーナー」、「2点」、「任意」のいずれかの値を設定可能であることを示す。パラメータ「コーナー」は、用紙のコーナー部分に1個のステープル針を打ち込むことを定め、「2点」は2個のステープル針を打ち込むことを定め、「任意」はユーザーにより指定された数のステープル針を打ち込むことを定める。設定項目「カラー」は、画像をカラーで形成するかモノクロームで形成するかを定め、そのパラメータとして「カラー」または「モノクロ」のいずれかの値を設定可能であることを示す。
設定項目「給紙トレイ」は、画像を形成する用紙が収納されたトレイを定め、そのパラメータとして「自動」、「トレイ1」、「トレイ2」のいずれかの値を設定可能であることを示す。パラメータ「自動」は、トレイを自動的に選択することを定め、「トレイ1」は名称「トレイ1」のトレイを選択することを定め、「トレイ2」は名称「トレイ2」のトレイを選択することを定める。設定項目「n in 1」は、nページの画像を1枚の用紙に形成する処理を定め、そのパラメータとして「2 in 1」、「4 in 1」、「6 in 1」、「9 in 1」、「16 in 1」のいずれかの値を設定可能であることを示す。
図8は、プリント条件の第2の設定可能範囲の一例を示す図である。図8を参照して、プリント条件の第2の設定可能範囲は、設定項目ごとに設定可能なパラメータを定める設定レコードを含む。設定レコードは、設定項目の項目と、設定可能パラメータの項目を含む。ここでは、7個の設定項目として、「部数」、「両面・片面」、「ソート」、「パンチ」、「ステープル」、「カラー」、「給紙トレイ」それぞれが設定された設定レコードを含む例を示している。従って、プリント条件の第2の設定可能範囲を定める第2の項目数は「7」である。7個の設定項目「部数」、「両面・片面」、「ソート」、「パンチ」、「ステープル」、「カラー」、「給紙トレイ」それぞれは、画像形成条件で定められる対応する設定項目と同じである。
ここで、プリント条件の設定可能範囲と、画像形成条件の設定可能範囲を、各設定項目に設定可能なパラメータで比較する。設定項目「部数」について、プリント条件および画像形成条件ともに「1〜999」の範囲の値を設定することができ、プリント条件および画像形成条件でパラメータの範囲は同じである。同様に、設定項目、「片面・両面」、「ソート」、「カラー」および「給トレイ」それぞれについてもプリント条件および画像形成条件でパラメータの範囲は同じである。
一方、設定項目「パンチ」について、プリント条件では「する」または「しない」の2つのいずれかの値を設定することができ、パラメータの範囲が「2」であるのに対して、画像形成条件では「しない」、「2穴」、「3穴」「任意」の4つのうちのいずれかの値を設定することがで、パラメータの範囲が「4」である。このため、設定項目「パンチ」について、画像形成条件の方がプリント条件よりもパラメータの範囲が大きい。ド尾用に、設定項目「ステープル」について、プリント条件では「する」または「しない」の2つのいずれかの値を設定することができ、パラメータの範囲が「2」であるのに対して、画像形成条件では「しない」、「コーナー」、「2点」、「任意」の4つのうちのいずれかの値を設定することがで、パラメータの範囲が「4」である。このため、設定項目「ステープル」について、画像形成条件の方がプリント条件よりもパラメータの範囲が大きい。
従って、図7に示す画像形成条件の第1の設定可能範囲は、図8に示すプリント条件の第2の設定可能範囲と比較して、第1の項目数「8」が第2の項目数「7」よりも大きい。また、設定項目「パンチ」については、画像形成条件で設定可能なパラメータの範囲は、プリント条件で設定可能なパラメータの範囲よりも大きい。
図9は、画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。画像形成処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶された画像形成プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図9を参照して、CPU111は、携帯情報装置200を検出したか否かを判断する(ステップS01)。携帯情報装置200との間で通信を確立することにより、携帯情報装置200を検出する。通信I/F部112を介して、携帯情報装置200との間で通信を確立する。例えば、通信I/F部112を介して、定期的にブロードキャストで探索信号を送信し、携帯情報装置200が探索信号に応答する場合に、その携帯情報装置200との間で通信を確立する。なお、連携可能な複数の携帯情報装置のネットワークアドレスを予め記憶しておき、複数の携帯情報装置それぞれに対して、探索信号を送信するようにしてもよい。携帯情報装置200を検出するまで待機状態となり(ステップS01でNO)、携帯情報装置200を検出したならば(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進める。
ステップS02においては、能力情報を要求する。ステップS01において検出された携帯情報装置200に通信I/F部112を介して、能力情報の送信要求を送信する。次のステップS03においては、能力情報を受信したか否かを判断する。通信I/F部112が携帯情報装置200から能力情報を受信したならば処理をステップS04に進めるが、そうでなければ処理をステップS02に戻す。
ステップS04においては、能力情報に含まれる第2の設定可能範囲を、自装置の画像形成条件の第1の設定可能範囲と比較する。そして、ステップS01において検出された携帯情報装置200に通信I/F部112を介して、比較結果を送信する(ステップS05)。比較結果を受信する携帯情報装置200は、詳細設定要求を送信する場合と、プリントジョブを送信する場合とがある。
次のステップS06においては、通信I/F部112が携帯情報装置200から詳細設定要求を受信したか否かを判断する。詳細設定要求を受信したならば処理をステップS07に進めるが、そうでなければ処理をステップS16に進める。ステップS07においては、受付中状態か否かを判断する。受付中状態は、他のユーザーが操作パネル160を使用中の状態である。操作受付部67が操作を検出している場合に、受付中状態と判断する。また、操作パネル160を用いてMFP100を操作するユーザーを認証する機能を有する場合、認証されたユーザーが携帯情報装置200を操作するユーザーとは別のユーザーで、その別のユーザーがログインしている間は、受付中状態と判断する。受付中状態ならば処理をステップS15に進めるが、受付中状態でなければ処理をステップS08に進める。ステップS15においては、通信I/F部112を介して携帯情報装置200に使用中信号を送信し、処理をステップS16に進める。
ステップS08においては、詳細設定画面を表示部161に表示する。この段階において、携帯情報装置200を操作するユーザーは、操作パネル160を操作して、画像形成情報を設定可能になる。次のステップS09においては、画像形成条件の設定を受け付けたか否かを判断する。具体的には、画像形成条件である第1の項目数の設定項目ごとのパラメータの設定を受け付けたか否かを判断する。画像形成条件の設定を受け付けたならば処理をステップS10に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に進める。
そして、ステップS11においては画像形成指示を受け付けたか否かを判断する。例えば、ユーザーが操作部163が備えるスタートキーを押下すれば、画像形成指示を受け付ける。画像形成指示を受け付けたならば処理をステップS11に進めるが、そうでなければ処理をステップS09に戻し、画像形成条件を受け付ける。ステップS11においては、ステップS09において設定された画像形成条件に従って、ステップS06において受信された詳細設定要求に含まれるプリントデータの画像を形成し、処理を終了する。
一方、ステップS12においては、所定時間経過したか否かを判断する。詳細設定画面を表示してから設定を受け付けることなく所定時間が経過したか否かを判断する。詳細設定画面が表示された後に、操作を受け付けることなく所定時間が経過する場合には、処理をステップS13に進め、所定時間が経過していなければ処理をステップS09に戻す。
ステップS13においては、ステップS08において表示した詳細設定画面の表示を中止し、処理をステップS14に進める。ステップS14においては、ステップS06において受信された詳細設定要求に含まれるプリントデータを保存し、処理を終了する。例えば、プリントデータをHDD116に記憶する。
一方、ステップS16においては、通信I/F部112が携帯情報装置200からプリントジョブを受信したか否かを判断する。プリントジョブを受信したならば処理をステップS17に進めるが、そうでなければ処理をステップS06に戻す。ステップS17においては、プリントジョブを実行し、処理を終了する。具体的には、プリントジョブに含まれるプリントデータの画像を、プリントジョブに含まれるプリント条件に従って形成する。
図10は、携帯側設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。携帯側設定処理は、携帯情報装置200が備えるCPU211が、フラッシュメモリ213に記憶されたプリンタドライバープログラムを実行することにより、CPU211により実行される処理である。
図10を参照して、携帯情報装置200が備えるCPU211は、無線LANI/F218がMFP100から能力情報の送信要求を受信したか否かを判断する(ステップS51)。能力情報の送信要求を受信するまで待機状態となり(ステップS51でNO)、能力情報の送信要求を受信したならば(ステップS51でYES)、処理をステップS52に進める。
ステップS52においては、MFP100に能力情報を返信する。能力情報は、携帯情報装置200にインストールされているプリンタドライバープログラムによって定まり、プリンタドライバープログラムを実行することによって設定されるプリント条件の第2の設定可能範囲を有する。
次のステップS53においては、無線LANI/F218を制御して、MFP100により送信される比較結果を受信する。比較結果は、第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲よりも大きなことを示す比較結果と、第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲以下であることを示す比較結果と、を含む。
次のステップS54においては、データの指定を受け付けたか否かを判断する。データの指定を受け付けるまで待機状態となり(ステップS54でNO)、データの指定を受け付けると(ステップS54でYES)、処理をステップS55に進める。フラッシュメモリ213に記憶されたデータ、MFP100,100A,100Bに記憶されたデータ、または、携帯情報装置200がインターネットに接続されている場合は、インターネットに接続されたコンピュータに記憶されたデータのいずれかの指定を受け付ける。データの指定を受け付けたならば、指定されたデータを処理対象に設定する。
次のステップS55においては、印刷指示を受け付けたか否かを判断する。印刷指示を受け付けたならば処理をステップS56に進めるが、そうでなければ処理をステップS54に戻す。例えば、携帯情報装置200の操作部217において、印刷指示が予め割り当てられたボタンが指示されると、印刷指示を受け付ける。印刷指示が予め割り当てられたボタンは、表示部216に画像として表示されるボタンを含む。
ステップS56においては、ステップS53において受信された比較結果が、第1の項目数が第2の項目数より大きいことを示すか否かを判断する。比較結果が、第1の項目数が第2の項目数より大きいことを示す場合、処理をステップS57に進めるが、そうでなければ処理をステップS62に進める。
ステップS57においては、MFP設定許可画面を表示部216に表示する。MFP設定許可画面は、MFP100で画像形成条件を設定するための許可を求める画面であり、許可を受け付けるボタンと、許可しないことを受け付けるボタンとを含む。許可を受け付けるボタンが指示される場合に、MFP100で画像形成条件を設定する指示を受け付け、許可しないことを受け付けるボタンが指示される場合に、携帯情報装置200でプリント条件を設定する指示を受け付ける。
ステップS58においては、MFP100で画像形成条件を設定する指示を受け付けたか否かを判断する。MFP100で画像形成条件を設定する指示を受け付けたならば処理をステップS59に進めるが、携帯情報装置200でプリント条件を設定する指示を受け付けたならば処理をステップS62に進める。
ステップS59においては、MFP100に、無線LANI/F218を介して詳細設定要求を送信する。詳細設定要求は、画像形成条件の設定を指示するコマンドと、ステップS54において指定されたデータを変換したプリントデータと、を含む。
次のステップS60においては、無線LANI/F218がMFP100から使用中信号を受信したか否かを判断する。使用中信号を受信したならば処理をステップS62に進めるが、そうでなければ処理をステップS61に進める。ステップS61においては、MFP100において画像形成条件を設定可能であることを示すメッセージを、表示部216に表示し、処理を終了する。
ステップS62においては、プリント条件を設定するための簡易設定画面を表示部216に表示する。そして、プリント条件を受け付ける(ステップS63)。ユーザーが、簡易画面表示部257により表示された簡易設定画面に従って操作部217に入力するプリント条件を受け付ける。
次のステップS64においては、プリント指示を受け付けたか否かを判断する。プリント指示を受け付けたならば処理をステップS65に進めるが、そうでなければ処理をステップS63に戻す。例えば、携帯情報装置200の操作部217において、プリント指示が予め割り当てられたボタンが指示されると、プリント指示を受け付ける。プリント指示が予め割り当てられたボタンは、表示部216に画像として表示されるボタンを含む。
ステップS65においては、無線LANI/F218を介してMFP100にプリントジョブを送信し、処理を終了する。プリントジョブは、ステップS63において設定されたプリント条件と、ステップS54において指定されたデータを変換したプリントデータと、を含む。
以上説明したように、第1の実施の形態における画像形成システム1においては、携帯情報装置200が、MFP100から受信する比較結果が第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲以下であることを示す場合、プリント条件を含むプリントジョブをMFP100に送信し、比較結果が第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲よりも大きいことを示す場合、詳細設定要求をMFP100に送信する。MFP100においては、携帯情報装置200から詳細設定要求が受信されることに応じて、詳細設定画面を表示し、プリントジョブを受信することに応じて、プリント条件に従って画像を形成する。換言すれば、画像を形成するための条件の範囲が、携帯情報装置200よりもMFP100の方が大きい場合は、MFP100で画像形成条件を設定でき、MFP100と携帯情報装置200とで同じかMFP100よりも携帯情報装置200の方が大きい場合は、携帯情報装置200でプリント条件で設定できる。このため、ユーザーは、MFP100と携帯情報装置200とのいずれが、画像を形成するための条件を詳細に設定できるかを知る必要はなく、装置を選択する必要がない。
また、MFP100は、携帯情報装置200と通信可能な状態を検出する場合、携帯情報装置200から第2の設定可能範囲を示す能力情報を取得し、第1の設定可能範囲と第2の設定可能範囲と、を比較し、比較結果を携帯情報装置200に送信する。このため、MFP100および携帯情報装置200それぞれにおいて、画像を形成するための条件の範囲が、携帯情報装置200とMFP100とのいずれか大きいかを判断することができる。
さらに、携帯情報装置200は、MFP100と自装置とのいずれか一方を設定装置に決定し、され、設定装置として画像形成装置が決定される場合にのみ、詳細設定要求が画像形成装置に送信され、設定装置として自装置が決定される場合に簡易設定画面が表示される。このため、携帯情報装置と画像形成装置とのうちよりおいずれか一方で画像を形成する条件を設定することが可能となる。
さらに、MFP100は、詳細設定画面を表示した後、操作が受け付けられることなく所定の時間が経過すると、詳細設定画面の表示を中止するので、携帯情報装置200を操作するユーザーが操作パネル160を用いて詳細設定画面にしたがって画像形成条件を設定しない場合に、他のユーザーが画像形成装置を操作できるようにすることができる。
<変形例>
上述した実施の形態においては、詳細設定画面をMFP100の表示部161に表示し、画像形成条件を操作部163で設定するようにした。変形例における画像形成システム1においては、MFP100をサーバーとして機能させ、携帯情報装置200をクライアントとして機能させることによって、MFP100の詳細設定画面を携帯情報装置200に表示させ、携帯情報装置200によって画像形成条件を設定させるようにしたものである。以下、上述した画像形成システム1と異なる点を主に説明する。
図11は、変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図11を参照して、図5に示した機能と異なる点は、サーバー部81が追加された点、使用中信号送信部60が削除された点、詳細設定要求受信部59が詳細設定要求受信部59Aに変更された点である。
図11を参照して、詳細設定要求受信部59Aは、携帯情報装置200から詳細設定要求を受信した時点で、状態検出部68によって受付中状態が検出されている場合は、起動指示を、送信指示に含まれる装置識別情報で特定される携帯情報装置200に通信I/F部112を介して送信する。起動指示は、詳細設定画面を表示するためのウェブページが記憶されている位置を示すネットワークアドレスを含む。ネットワークアドレスは、例えば、URL(Uniform Resource Locator)である。詳細設定画面を表示するためのウェブページは、マークアップ言語で記述され、画像形成条件を受け付け、MFP100に送信するコマンドを含む。
詳細設定要求受信部59Aは、携帯情報装置200から詳細設定要求を受信した時点で、状態検出部68によって受付中状態が検出されていない場合は、詳細設定要求に含まれるデータを、データ取得部69に出力するとともに、詳細設定部61に表示指示を出力する。
サーバー部81は、CPU111がサーバープログラムを実行することによりCPU111に形成されるタスクである。サーバー部81は、クライアントとして機能する装置、ここでは、携帯情報装置200から通信I/F部112が、詳細設定画面を表示するためのウェブページの送信要求を受信すると、ウェブページを返信する。さらに、サーバー部81は、携帯情報装置200においてウェブページに含まれるコマンドが実行されて、携帯情報装置200によって受け付けられた画像形成条件が送信されると、通信I/F部112が携帯情報装置200から受信する画像形成条件を取得し、画像形成制御部71に出力する。
図12は、変形例における携帯情報装置が備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図12に示す機能は、図6に示した機能と異なる点は、遠隔操作部271が追加された点である。遠隔操作部271は、例えば、CPU211がブラウジングプログラムを実行することにより、CPU211に形成される。遠隔操作部271は、サーバーとして機能するMFP100のクライアントとして機能する。遠隔操作部271は、無線LANI/F218が、MFP100から起動指示を受信する場合に起動する。遠隔操作部271は、起動指示に含まれるURLを含み、URLで特定されるウェブページの送信要求を、無線LANI/F218を介して、起動指示を送信してきたMFP100に送信する。これにより、上述したように、MFP100においては、サーバー部81が詳細設定画面を表示するためのウェブページを送信するので、遠隔操作部271は、無線LANI/F218が、MFP100から受信するウェブページを取得し、ウェブページに含まれる詳細設定画面を表示部216に表示する。これにより、携帯情報装置200を操作するユーザは、携帯情報装置200の操作部217を操作して、詳細設定画面に従って、画像形成条件を設定することができる。
図13は、変形例における画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。図13を参照して、変形例における画像形成処理は、図9に示した画像形成処理と異なる点はステップS15がステップS15Aに変更された点、ステップS15Aの後にステップS21が追加された点である。その他の処理は、図9に示した画像形成処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
ステップS15Aにいては、携帯情報装置200に通信I/F部112を介して詳細設定画面を表示するためのウェブページのURLを送信する。そして、次のステップS21においては、サーバータスクを起動し、処理を終了する。具体的には、サーバープログラムを実行する。
図14は、変形例における携帯側設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図14を参照して、変形例における携帯側設定処理は、図10に示した携帯側設定処理と異なる点はステップS60がステップS60Aに変更された点、ステップS60Aの後にステップS71が追加された点である。その他の処理は、図9に示した画像形成処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
ステップS60Aにおいては、無線LANI/F218がMFP100からURLを受信したか否かを判断する。URLを受信したならば処理をステップS71に進めるが、そうでなければ処理をステップS61に進める。ステップS71においては、クライアントタスクを起動し、処理を終了する。具体的には、ブラウジングプログラムを実行し、そのブラウジングプログラムに、ステップS60Aにおいて受信されたURLを引数として渡す。CPU211がブラウジングプログラムを実行すると、CPU111においてクライアントタスク起動し、引数として渡されるURLを含み、URLで特定されるウェブページの送信を要求するコマンドをMFP100に送信する。
変形例における画像形成システム1においては、MFP100は、携帯情報装置200から詳細設定要求を受信する時点で、操作が受け付けられている受付中状態の場合、携帯情報装置200に使用中信号を送信し、携帯情報装置200から詳細設定要求を受信する時点で、受付中状態でないことを条件に、詳細設定画面を表示する。このため、MFP100において、携帯情報装置200を操作するユーザーとは別のユーザーが操作パネル160を操作している場合には、携帯情報装置200からMFP100を遠隔操作可能として、携帯情報装置200に詳細設定画面を表示して、携帯情報装置200で画像形成条件を設定することができる。MFP100において携帯情報装置200を操作するユーザーとは別のユーザーが操作パネル160を操作していない場合は、MFP100に詳細設定画面を表示して、操作パネル160から画像形成条件の設定を受け付けることができる。
なお、上述した第1の実施の形態においては、携帯情報装置200において、画像形成装置100を設定装置に決定する場合には、画像形成装置100で画像形成条件を設定するようにしたが、画像形成装置100を設定装置に決定する場合に、携帯情報装置200においてプリント条件を設定した後に、画像形成装置100において画像形成条件を設定するようにしてもよい。例えば、携帯情報装置200において、画像形成装置100を設定装置に決定する場合には、まず、簡易設定画面を表示してユーザーによりプリント条件を受け付け、その後、プリント条件とプリントデータとを含むプリントジョブを、画像形成装置100に送信する。画像形成装置100においては、プリントジョブに含まれるプリント条件を画像形成条件に反映し、詳細設定画面を表示し、プリント条件が反映された画像形成条件の変更を受け付ける。これにより、携帯情報装置200においてプリント条件を設定しておき、次に画像形成装置で画像形成条件を設定することで、プリント条件では設定できない設定項目またはパラメータを設定することができる。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態における画像形成システム1においては、携帯情報装置200において、MFP100と携帯情報装置200のいずれか一方を設定装置に決定するようにした。第2の実施の形態における画像形成システム1Aは、携帯情報装置200からはプリントジョブを送信するようにし、MFP100において、詳細設定画面を表示するか否かを判断するようにしたものである。このため、第2の実施の形態における携帯情報装置200には、MFP100に画像を形成させるためのプリントジョブを生成し、送信する処理を実行するためのプリンタドライバープログラムがインストールされていればよい。第2の実施の形態におけるプリントジョブは、第1の実施の形態におけるプリントジョブと同様に、プリントデータとプリント条件とを含む。プリント条件は、画像を用紙に形成するための条件であり、第2の設定可能範囲を有する。
図15は、第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図15に示す機能は、第2の実施の形態におけるMFP100Aが備えるCPU111Aが、ROM113、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶された画像形成プログラムを実行することにより、CPU111Aに形成される機能である。図15に示すCPU111Aの機能は、図5に示したCPU111の機能と同じ機能には同じ符号を付し、説明は繰り返さない。
図15を参照して、CPU111Aは、画像形成条件を設定する詳細設定部61と、操作パネル160に入力される操作を受け付ける操作受付部67と、状態検出部68と、プリントデータを取得するプリントジョブ取得部91と、解析部93と、携帯情報装置200で設定可能なプリント条件の第2の設定可能範囲を自装置で設定可能な画像形成条件の第1の設定可能範囲と比較する比較部55Aと、画像形成部140を制御する画像形成制御部71Aと、プリントジョブを実行するプリント部73Aと、を含む。
プリントジョブ取得部91は、通信I/F部112が携帯情報装置200から受信するプリントジョブを取得する。プリントジョブ取得部91は、受信されたプリントジョブを画像形成制御部71A、プリント部73Aおよび解析部93に出力する。
解析部93は、プリントジョブに含まれるプリント条件を解析し、第2の設定可能範囲を検出する。具体的には、プリント条件で定められている設定項目とパラメータとを抽出することによって、第2の項目数と、第2の項目数の設定項目それぞれのパラメータの範囲を検出する。解析部93は、検出された第2の設定可能範囲を比較部55Aに出力する。
比較部55Aは、解析部93から入力される第2の設定可能範囲を、画像形成制御部71Aで設定可能な画像形成条件の第1の設定可能範囲と比較する。比較部55Aは、比較結果を詳細設定部61、画像形成制御部71Aおよびプリント部73Aに出力する。比較結果は、第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲よりも大きなことを示す比較結果と、第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲以下であることを示す比較結果と、を含む。
詳細画面表示部63Aは、比較部55Aから第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲よりも大きなことを示す比較結果が入力される場合、状態検出部68により受付中状態が検出されていないことを条件に、詳細設定画面を表示部161に表示する。これにより、ユーザーは、操作部163に対して画像形成条件である第2の項目数の設定項目ごとにパラメータを設定する操作を入力することができる。一方、詳細画面表示部63Aは、比較部55Aから第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲以下であることを示す比較結果が入力される場合、または、比較部55Aから第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲よりも大きなことを示す比較結果が入力される場合であっても、状態検出部68により受付中状態が検出される場合は、詳細設定画面を表示部161に表示しない。
画像形成制御部71Aは、比較部55Aから第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲よりも大きなことを示す比較結果が入力され、かつ、状態検出部68により受付中状態が検出されていない場合、画像形成部140および後処理部155を制御し、プリントジョブ取得部91から入力されるプリントジョブに含まれるプリントデータの画像を、詳細設定部61から入力される画像形成条件に従って画像形成部140に形成させ、画像形成条件が後処理を定める場合には後処理部155に後処理を実行させる。画像形成制御部71Aは、比較部55Aから第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲以下であることを示す比較結果が入力される場合、または、比較部55Aから第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲よりも大きなことを示す比較結果が入力される場合であっても、状態検出部68により受付中状態が検出される場合は、画像を形成しない。
プリント部73Aは、比較部55Aから第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲以下であることを示す比較結果が入力される場合、または、比較部55Aから第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲よりも大きなことを示す比較結果が入力され、かつ、状態検出部68により受付中状態が検出される場合は、画像形成部140および後処理部155を制御し、プリントジョブ取得部91から入力されるプリントジョブに含まれるプリントデータの画像を、プリントジョブに含まれるプリント条件に従って画像形成部140に形成させ、プリント条件が後処理を定める場合には後処理部155に後処理を実行させる。プリント部73Aは、比較部55Aから第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲よりも大きなことを示す比較結果が入力され、かつ、状態検出部68により受付中状態が検出されない場合は、画像を形成しない。
図16は、第2の実施の形態における画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2の実施の形態における画像形成処理は、第2の実施の形態におけるMFP100Aが備えるCPU111Aが、ROM113、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶された画像形成プログラムを実行することにより、CPU111Aにより実行される処理である。図16を参照して、CPU111は、通信I/F部112が携帯情報装置200からプリントジョブを受信したか否かを判断する(ステップS31)。プリントジョブを受信するまで待機状態となり(ステップS31でNO)、プリントジョブを受信したならば(ステップS31でYES)、処理をステップS32に進める。
ステップS32においては、プリントジョブに含まれるプリント条件を解析する。プリント条件の第2の設定可能範囲を決定する。具体的には、プリント条件で定められている設定項目とパラメータとを抽出することによって、第2の項目数と、第2の項目数の設定項目それぞれのパラメータの範囲を検出する。そして、解析により検出された第2の設定可能範囲を、自装置の画像形成条件の第1の設定可能範囲と比較する(ステップS34)。比較結果が、第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲より大きいことを示す場合、処理をステップS35に進めるが、そうでなければ処理をステップS43に進める。
ステップS35においては、受付中状態か否かを判断する。受付中状態は、他のユーザーが操作パネル160を使用中の状態である。受付中状態ならば処理をステップS43に進めるが、受付中状態でなければ処理をステップS36に進める。
ステップS36においては、詳細設定画面を表示部161に表示する。この段階において、携帯情報装置200を操作するユーザーは、操作パネル160を操作して、画像形成条件を設定可能になる。次のステップS37においては、画像形成条件の設定を受け付けたか否かを判断する。具体的には、画像形成条件である第2の項目数の設定項目ごとのパラメータの設定を受け付けたか否かを判断する。画像形成条件の設定を受け付けたならば処理をステップS38に進めるが、そうでなければ処理をステップS40に進める。
そして、ステップS38においては画像形成指示を受け付けたか否かを判断する。例えば、ユーザーが操作部163が備えるスタートキーを押下すれば、画像形成指示を受け付ける。画像形成指示を受け付けたならば処理をステップS39に進めるが、そうでなければ処理をステップS37に戻し、画像形成条件を受け付ける。ステップS39においては、ステップS37において設定された画像形成条件に従って、ステップS31において受信されたプリントジョブに含まれるプリントデータの画像を形成し、処理を終了する。
一方、ステップS40においては、所定時間経過したか否かを判断する。詳細設定画面を表示してから設定を受け付けることなく所定時間が経過したか否かを判断する。詳細設定画面が表示された後に、操作を受け付けることなく所定時間が経過する場合には、処理をステップS41に進め、所定時間が経過していなければ処理をステップS37に戻す。
ステップS41においては、ステップS36において表示した詳細設定画面の表示を中止し、処理をステップS42に進める。ステップS42においては、ステップS31において受信されたプリントジョブに含まれるプリントデータを保存し、処理を終了する。例えば、プリントデータをHDD116に記憶する。
ステップS43においては、ステップS31において受信されたプリントジョブを実行し、処理を終了する。具体的には、プリントジョブに含まれるプリントデータの画像を、プリントジョブに含まれるプリント条件に従って形成する。
第2の実施の形態における画像形成システム1において、MFP100は、携帯情報装置200からプリントジョブを受信する場合、プリントジョブのプリント条件を解析し、第2の設定可能範囲を検出する。そして、画像形成条件の第1の設定可能範囲とプリント条件の第2の設定可能範囲とを比較し、比較結果が第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲以下の場合、プリント条件に従ってプリントデータの画像を形成し、比較結果が第1の設定可能範囲が第2の設定可能範囲を超える場合、詳細設定画面を表示し、画像形成条件の設定を受け付け、画像形成条件に従ってプリントデータの画像を形成する。換言すれば、画像を形成するための条件の範囲が、プリントジョブに含まれるプリント条件よりも画像形成条件の方が大きい場合は、MFP100で画像形成条件を設定できる。その結果、画像を形成するための条件を可能な限り詳細に設定することが可能できる。
なお、上述した実施の形態においては、画像形成システム1について説明したが、図19、図13および図16に示した画像形成処理をMFP100,100A、100Bそれぞれに実行させる画像形成方法、その画像形成方法をMFP100,100A、100Bそれぞれが備えるCPU111に実行させる画像形成プログラムとして、また、図10または図14に示した携帯側設定処理を携帯情報装置200に実行させる携帯側設定方法、その携帯側設定方法を携帯情報装置200が備えるCPU211に実行させるプリンタドライバープログラムとして、発明を捉えることができるのは言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<付記>
(1) 前記画像形成装置に、さらに、
前記携帯情報装置と通信可能な状態を検出する装置検出ステップと、
前記携帯情報装置と通信可能な状態が検出された場合、前記プリント条件として設定可能な前記第2の設定可能範囲を示す能力情報を取得する能力情報取得ステップと、
前記第1の設定可能範囲と、前記取得された能力情報で示される前記第2の設定可能範囲と、を比較する比較ステップと、
前記比較ステップにおける比較結果を、前記携帯情報装置に送信する比較結果送信ステップと、を実行させる、請求項8に記載の画像形成方法。
(2) 前記携帯情報装置に、さらに、
前記画像形成装置から受信される比較結果に基づいて、前記画像形成装置と自装置とのいずれか一方を設定装置として決定する決定ステップを、実行させ、
前記詳細設定依頼ステップは、前記設定装置として前記画像形成装置が決定される場合にのみ、前記詳細設定要求を前記画像形成装置に送信ステップを含み、
前記プリント条件設定ステップは、前記設定装置として自装置が決定される場合に、前記プリント条件を設定するための簡易設定画面を表示する簡易画面表示ステップを含む、(1)に記載の画像形成方法。
(3) 前記画像形成装置に、さらに、
ユーザーによる操作を受け付ける操作受付ステップを、さらに実行させ、
前記詳細画面表示ステップは、前記詳細設定画面を表示した後、前記操作受付ステップにおいて操作が受け付けられることなく所定の時間が経過すると、前記詳細設定画面の表示を中止する中止ステップを、含む、請求項8、(1)および(2)のいずれかに記載の画像形成方法。
(4) 前記画像形成装置は、前記携帯情報装置から送信される遠隔操作に基づいて動作するサーバー手段を備え、
前記携帯情報装置は、前記サーバー手段と通信し、前記画像形成装置を遠隔操作する遠隔操作手段を、備え、
前記画像形成装置に、さらに、
ユーザーによる操作を受け付ける操作受付ステップと、
前記操作受付ステップにおいて操作が受け付けられている受付中状態を検出する状態検出ステップと、
前記携帯情報装置から前記詳細設定要求を受信する時点で、前記受付中状態が検出されている場合、前記携帯情報装置に使用中信号を送信する使用中信号送信ステップと、を実行させ、
前記携帯情報装置に、さらに、
前記画像形成装置から前記使用中信号を受信することに応じて、前記遠隔操作手段を起動する起動ステップを、実行させ、
前記詳細画面表示ステップは、前記携帯情報装置から前記詳細設定要求を受信する時点で、前記受付中状態が検出されていることを条件に、前記詳細設定画面を表示するステップを含む、請求項8、(1)および(2)のいずれかに記載の画像形成方法。
(5) 前記画像形成装置に、さらに、
データを取得するデータ取得ステップを実行させ、
前記携帯情報装置に、さらに、
処理対象となるデータを特定する処理対象特定ステップと、
前記特定されたデータをプリントデータに変換する変換ステップと、を実行させ、
前記画像形成制御ステップは、前記取得されたデータの画像を形成するステップを含み、
前記プリントジョブ送信ステップは、前記変換されたプリントデータを含むプリントジョブを送信するステップを含み、
前記プリントステップは、前記プリントジョブに含まれるプリントデータの画像を前記プリント条件に従って形成するステップを含み、
前記詳細設定依頼ステップは、前記詳細設定要求とともに前記変換されたプリントデータを送信するステップを含み、
前記データ取得ステップは、前記携帯情報装置から前記詳細設定要求とともに受信するプリントデータを取得するステップを含む、請求項8、(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成方法。