JP6463293B2 - 希土類永久磁石及び希土類永久磁石の製造方法 - Google Patents

希土類永久磁石及び希土類永久磁石の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁気特性に優れ、しかも、高電気抵抗の希土類永久磁石及び希土類永久磁石の製造方法に関する。
近年、電気機器の小型化及び高性能化に伴い、高い磁気特性を有する希土類焼結永久磁石が電気機器のモータに使用されている。希土類焼結永久磁石としては、例えば、Nd−Fe−B系磁石に代表されるR−Fe−B系焼結永久磁石(Rは、希土類元素を表す。)が挙げられる。このR−Fe−B系焼結永久磁石は、電気抵抗が低く、モータに組み込んで使用すると、渦電流損失の増大によりモータの効率が低下する場合がある。
従来、超急冷磁石粉末にゲルマニウム(Ge)粉末を絶縁成分として混合して放電プラズマ焼結(SPS:Spark Plasma Sintering)する高電気抵抗希土類永久磁石の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の高電気抵抗希土類永久磁石の製造方法では、R14B相を有する磁石粉末と絶縁成分としてのゲルマニウム粉末との混合物を放電プラズマ焼結する。これにより、希土類永久磁石は、磁石粉末とゲルマニウムとの反応とR14B相の粗大化による磁気特性の劣化と防ぐことができるので、磁石粉末同士がゲルマニウムによって孤立される。この結果、電気抵抗が1×10−3Ω・cm以上であり、残留磁化Brが5.0kG以上であり、及び磁石の相対密度が85%以上である高電気抵抗のR−Fe−B系永久磁石を得ることができる。
特開平9−232122号公報
しかしながら、特許文献1に記載の希土類永久磁石の製造方法では、ゲルマニウム粉末が磁石粉末同士の結合剤として用いられるので、相対密度が高い希土類永久磁石を得ることは困難であり、必ずしも磁気特性に優れた高電気抵抗の希土類永久磁石を得ることができない実情がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、磁気特性に優れ、しかも、高電気抵抗の希土類永久磁石及び希土類永久磁石の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る希土類永久磁石は、希土類鉄系磁石の磁石粉末と、前記磁石粉末より融点が高い半金属の半金属粉末との混合粉末を放電プラズマ焼結してなる。
本発明の一態様によれば、磁気特性に優れ、しかも、高電気抵抗の希土類永久磁石及び希土類永久磁石の製造方法を実現することができる。
図1は、実施の形態に係る希土類永久磁石の模式的な拡大図である。 図2は、従来の希土類永久磁石の模式的な拡大図である。 図3は、実施の形態に係る希土類永久磁石の製造方法の概略を示すフロー図である。 図4は、実施例及び比較例に係る希土類永久磁石の減磁曲線を示す図である。
以下、実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により何ら限定されるものではない。
(希土類永久磁石)
本実施の形態に係る希土類永久磁石は、希土類鉄系磁石の磁石粉末と、磁石粉末より融点が高い半金属の半金属粉末との混合粉末を放電プラズマ焼結してなる。
図1は、本実施の形態に係る希土類永久磁石1の模式的な拡大図である。図1に示すように、本実施の形態に係る希土類永久磁石1によれば、混合粉末の焼結時に半金属粉末の半金属より融点が低い磁石粉末の希土類鉄系磁石が溶融するので、希土類鉄系磁石11の粒界相が溶解し、溶解した粒界相の粒界12間に固体の半金属13が拡散する。これにより、半金属13が、希土類鉄系磁石11中に取り込まれるので、高い電気抵抗を維持しつつ、希土類鉄系磁石1の充填率が向上して相対密度が高い高密度の希土類永久磁石が得られる。したがって、磁気特性に優れ、しかも、電気抵抗が高い希土類永久磁石を実現することが可能となる。
図2は、従来の希土類永久磁石100の模式的な拡大図である。図2に示すように、従来の希土類永久磁石100においては、半金属粉末の半金属13より磁石粉末の希土類鉄系磁石11の融点が高いので、半金属粉末のゲルマニウムやケイ素などの半金属13が結合剤として作用する。これにより、希土類永久磁石100中に希土類鉄系磁石11が十分に充填されず、かつ、空隙(ボイド)14も発生するので、相対密度が低下して高密度の希土類永久磁石を得ることはできない。したがって、従来の希土類永久磁石では、高い電気抵抗を維持しつつ磁気特性に優れた希土類永久磁石を得ることはできない。
希土類永久磁石は、相対密度が95%以上100%以下であることが好ましい。この構成により、希土類永久磁石は、十分に相対密度が高くなるので、磁気特性に優れた高電気抵抗の希土類永久磁石を実現することが可能となる。希土類永久磁石の相対密度は、97%以上100%以下がより好ましく、98%以上100%以下が更に好ましい。
また、希土類永久磁石は、電気抵抗率が1×10−6Ω・m以上であることが好ましい。この構成により、希土類永久磁石は、十分に電気抵抗が高くなるので、磁気特性に優れた高電気抵抗の希土類永久磁石を実現することが可能となる。
(希土類鉄系磁石)
磁石粉末の希土類鉄系磁石としては、半金属粉末の半金属より融点が低いものであれば、従来公知の各種希土類鉄系磁石の磁石粉末を用いることができる。希土類鉄系磁石としては、例えば、主にネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、プラセオジム(Pr)及びジスプロシウム(Dy)を含む希土類元素と、希土類元素以外の遷移元素とを組み合わせた組成を有するものを用いることができる。このような希土類鉄系磁石は、必要に応じて、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、ケイ素(Si)などの他の元素を更に含む組成を有していてもよい。また、希土類鉄系磁石は、Feの一部を、例えば、Co,Ni,Ga,Cu,Al,Si,Ti,Mn及びNbから選択される少なくとも1種以上の元素で置換してもよい。希土類鉄系磁石は、例えば、Feの一部をCoで置換することで、耐熱性を改善できる。また、希土類鉄系磁石は、Feの一部を上記元素で置換する場合、置換量が過剰になることによる磁気特性の低下を防ぐ観点から、Feに対する置換量は50原子%未満が好ましく、35原子%以下がより好ましい。希土類鉄系磁石は、例えば、Feの一部をCoで置換する場合、Sm−Fe系合金におけるCoの含有量は6質量%以下とするが好ましい。
これらの中でも、希土類鉄系磁石としては、希土類元素(「R」で表す)としてNd、Pr及びDyのうちの少なくとも1種を含み、Bを必須元素として1原子%以上12原子%以下を含み、かつ、残部がFeであるR−Fe−B系の組成を有するものが好ましい。このような希土類鉄系磁石としては、例えば、Nd−Fe−B系化合物(例、NdFe14B)を主相とするNd−Fe−B系合金を用いたNd−Fe−B系磁石(Nd系磁石)が代表的である。また、Nd系磁石以外では、Sm−Fe系化合物(例、SmFe17)を主相とするSm−Fe系合金を原料とし、窒化したSm−Fe−N系化合物(例、SmFe17)を主相とするSm−Fe−N系合金を用いたSm−Fe−N系磁石(Sm系鉄窒素磁石)などを用いてもよい。これらの中でも、希土類鉄系磁石としては、希土類元素としてNdを含むNd−Fe−B系合金を主成分とする等方性のNd系磁石が好ましい。
また、希土類鉄系磁石としては、希土類永久磁石中の希土類鉄系磁石の相対密度を向上して電気抵抗及び相対密度が高い希土類永久磁石を得る観点から、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。
RE(Fe1−uCo100−x−y−z ・・・ 式(1)
(上記式(1)中、REはイットリウム(Y)を包含する希土類元素からなる群から選択された少なくとも1種であり、Feは鉄、Coはコバルト、Bはホウ素であり、Tは、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、及びタングステン(W)からなる群から選択された少なくとも1種以上である。また、x,y,zは、0<x,y,z<100かつ0<x+y+z<100を満たす値であり、uは、0≦u≦1を満たす値である。)
上記一般式(1)におけるREとしては、例えば、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)などが挙げられる。これらの中でも、磁気特性に優れた高電気抵抗の希土類永久磁石が得られる観点から、ネオジム(Nd)が好ましい。
上記一般式(1)において、鉄(Fe)及びコバルト(Co)は、ともに強磁性元素であり、希土類永久磁石の組成としては略同様の役割を担う。典型的な組成としては、鉄であるが、鉄をコバルトで置換することで、キュリー温度が上昇し、製品としての希土類永久磁石における温度特性が上昇する。またBは、ホウ素(B)である。x,y,zは、組成比を百分率で表した数値であり、0<x,y,z<100かつ0<x+y+z<100を満たす値である。uは、0≦u≦1を満たす値である。
Tは、添加元素であり、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)及びタングステン(W)からなる群から選択された少なくとも1種を用いる。これら添加元素は、高融点元素であり、結晶粒成長の抑制に寄与する。添加元素としては、これらの中でも、磁気特性に優れた高電気抵抗の希土類永久磁石が得られる観点から、タングステン(W)を用いることが好ましい。
上記一般式(1)で表される希土類鉄系磁石は、Nd−Fe−B系の焼結磁石に対して元素の置換又は元素の添加を行ったものである。なお、希土類永久磁石の原料には不可避の不純物(ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)など)が含まれており、上記組成式において、これら不可避の不純物はTに含まれる。
上記一般式(1)で表される希土類鉄系磁石の磁石粉末としては、例えば、超急冷磁石粉末であるNdFe14B等方性磁石粉末などを用いることもできる。
上記一般式(1)で表される希土類鉄系磁石としては、例えば、超急冷磁石粉末であるNdFe14B等方性磁石粉末(商品名:MQP−C、マグネクウェンチ社製、平均粒径200μm、融点1300℃以下、電気抵抗率1.0×10−6Ω・m以上、商品名:MQP−A、マグネクウェンチ社製)などの市販品を用いることもできる。
磁石粉末の緻密化温度としては、磁石粉末の粒成長を増大して磁気特性に優れた高電気抵抗の希土類永久磁石を得る観点から、400℃以上900℃以下が好ましく、500℃以上800℃以下がより好ましく、600℃以上700℃以下が更に好ましい。なお、緻密化温度とは、磁石粉末内の低融点組成が液相へ状態変化する温度(融点)のことである。
磁石粉末の平均粒径については、磁気特性に優れた高電気抵抗の希土類永久磁石を得る観点から、1μm以上355μm以下が好ましく、22μm以上355μm以下がより好ましく、75μm以上355μm以下が更に好ましい。なお、上記平均粒径は、日本工業規格JIS Z8815のふるい分け法に準拠して測定したものである。また、2.5μm以下の細かい平均粒径の測定は、レーザー回折式粒度測定分布法により測定することができる。
希土類永久磁石の混合粉末における磁石粉末の配合量としては、磁気特性に優れた高電気抵抗の希土類永久磁石を得る観点から、磁石粉末と半金属粉末との混合粉末の全体積に対して、磁石粉末が50体積%以上99体積%以下であることが好ましい。磁石粉末の配合量が50体積%以上であれば、希土類永久磁石の相対密度及び磁気特性が向上する。また、磁石粉末の配合量が99体積%以下であれば、相対密度が十分に向上して電気抵抗が向上する。磁石粉末の配合量としては、60体積%以上98体積%以下がより好ましく、70体積%以上95体積%以下が更に好ましく、85体積%以上92.5体積%以下がより更に好ましい。
希土類永久磁石の混合粉末における磁石粉末の配合量としては、磁石粉末と半金属粉末との混合粉末の全質量に対して、磁石粉末が48質量%以上99質量%以下である。磁石粉末の配合量が48質量%以上であれば、希土類永久磁石の相対密度及び磁気特性が向上する。また、磁石粉末の配合量が99質量%以下であれば、相対密度が十分に向上して電気抵抗が向上する。磁石粉末の配合量としては、67.4質量%以上99質量%以下がより好ましく、76.3質量%以上96.3質量%以下が更に好ましく、88.7質量%以上94.4質量%以下がより更に好ましい。
(半金属)
半金属粉末の半金属としては、従来公知の各種半金属を用いることが可能である。これらの半金属は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。半金属としては、磁気特性に優れた高電気抵抗の希土類永久磁石を得る観点から、ビスマス、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、ポロニウム、及びアスタチンからなる群から選択された少なくとも1種が好ましく、更に安全性に優れる観点から、ビスマス、ケイ素、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルからなる群から選択された少なくとも1種がより好ましく、更に電気抵抗率が高い観点から、ケイ素及びゲルマニウムからなる群から選択された少なくとも1種が更に好ましい。
半金属粉末の融点としては、磁気特性に優れた高電気抵抗の希土類永久磁石を得る観点から、930℃以上1800℃以下が好ましい。
半金属粉末の平均粒径については、磁気特性に優れた高電気抵抗の希土類永久磁石を得る観点から、0.1μm以上355μm以下が好ましく、0.5μm以上100μm以下がより好ましく、1μm以上10μm以下が更に好ましい。なお、上記平均粒径は、日本工業規格JIS Z8815のふるい分け法に準拠しているが、粒径の下限値はレーザー回折粒度測定により規定したものである。
希土類永久磁石の混合粉末における半金属粉末の配合量としては、磁石粉末と半金属粉末との混合粉末の全体積に対して、半金属粉末が1体積%以上50体積%以下である。半金属粉末の配合量が1体積%以上であれば、希土類永久磁石の相対密度及び磁気特性が向上する。また、半金属粉末の配合量が50体積%以下であれば相対密度が増大する。半金属粉末の配合量としては、2体積%以上40体積%以下がより好ましく、5体積%以上30体積%以下が更に好ましく、7.5体積%以上15体積%以下がより更に好ましい。
希土類永久磁石の混合粉末における半金属粉末の配合量としては、磁石粉末と半金属粉末との混合粉末の全質量に対して、半金属粉末が0.7質量%以上42.0質量%以下である。半金属末の配合量が0.7質量%以上であれば、希土類永久磁石の相対密度及び磁気特性が向上する。また、半金属粉末の配合量が42.0質量%以下であれば、相対密度が十分に向上して電気抵抗が向上する。半金属粉末の配合量としては、1.5質量%以上32.6質量%以下がより好ましく、3.7質量%以上23.7質量%以下が更に好ましく、5.6質量%以上11.3質量%以下がより更に好ましい。
次に、上記実施の形態に係る希土類永久磁石の製造方法について詳細に説明する。図3は、本実施の形態に係る希土類永久磁石の製造方法の概略を示すフロー図である。図3に示すように、本実施の形態に係る希土類永久磁石の製造方法は、希土類鉄系磁石の磁石粉末と、磁石粉末より融点が高い半金属の半金属粉末とを混合して混合粉末を得る混合工程ST11と、混合粉末を放電プラズマ焼結して希土類永久磁石を得る焼結工程ST12とを含む。焼結工程ST12後には、後処理工程を実施する。なお、本実施の形態に係る希土類永久磁石の製造方法は、図3に示される希土類永久磁石の製造方法の手順に限定されるものではなく、適宜変更して実施可能である。例えば、図3に示される混合工程ST11の前、混合工程ST11と焼結工程S12との間及び焼結工程S12の後への新たな工程を追加して実施してもよく、複数工程の一体化及び各工程のうち一部の工程を他の工程の一部として実施してもよい。
まず、混合工程ST11では、まず、上述した希土類鉄系磁石の磁石原料を配合して溶解した後、ガスアトマイズ法などにより希土類鉄系磁石の磁石原料を粉化して磁石粉末を得る。また、上述した半金属の半金属原料を配合して溶解した後、ガスアトマイズ法などにより半金属の半金属原料を粉化して半金属粉末を得る。ここでは、配合した磁石原料及び半金属原料を溶解してインゴットを作製し、作製したインゴットを粗粉砕及びジェットミル粉砕による微粉砕して磁石粉末及び半金属粉末を得てもよい。そして、得られた磁石粉末及び半金属粉末を混合することにより、磁石粉末と半金属粉末との混合粉末を得る。ここでは、必要に応じて、平均粒径が所定範囲となるように、選別して粉化した磁石粉末及び半金属粉末を分級処理した後、磁石粉末と半金属粉末とを混合してよい。
次に、焼結工程ST12では、磁石粉末と半金属粉末との混合粉末を放電プラズマ焼結装置のキャビティに充填する。次に、充填した混合粉末を減圧下(例えば、10Pa以上10Pa以下)で所定の圧力(例えば、1MPa以上70MPa以下)で圧縮した後、電流密度300A/cmに設定し、所定温度(例えば、500℃以上800℃以下)に加熱して所定時間(例えば、30秒以上30分以下)放電プラズマ焼結を実施する。これにより、希土類永久磁石の製造方法は、半金属粉末より相対的に融点が低い磁石粉末が溶解し、半金属粉末が磁石粉末の中に取り込まれた状態で磁石粉末同士が結合して上述した図1に示す状態の焼結体となる。
次に、後処理工程では、必要に応じて、焼結体をアニール処理する。このアニール処理では、アルゴン及び窒素などの不活性ガスで満たした熱処理炉内に焼結体を配置し、熱処理炉内温度を所定温度(例えば、500℃以上700℃以下)まで昇温した状態で所定時間(例えば、0.5時間以上5時間以下)維持する。このアニール処理により、放電プラズマ焼結によって得られた焼結体の微細な磁区組織が最適化されて磁気特性が向上する。最後に、焼結後の焼結体の磁気特性を振動試料型磁力計(VSM:Vibrating Sample Magnetometer)やBHトレーサーなどにより検出する。VSMは、試料を振動させ、試料の磁化によって生じる磁束の時間変化を傍らに置いたコイルに生じる誘導起電力として検出するものである。また、BHトレーサーは、試料にコイルを巻いて、外部磁界を付与した時に生じるコイルの誘導起電力を測定することで試料のBH曲線を得るものである。次に、焼結後の焼結体を切削加工ないし研磨加工し、焼結体の寸法を製品寸法に仕上げた後、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)などのめっき処理、アルミ(Al)蒸着、及び樹脂塗装などの表面処理を実施する。次に、磁石粉末の焼結体に着磁を行い、希土類永久磁石を得る。
以上説明したように、上記実施の形態に係る希土類永久磁石1によれば、混合粉末の焼結時に半金属粉末の半金属より融点が低い磁石粉末の希土類鉄系磁石が溶融するので、希土類鉄系磁石11の粒界相が溶解し、溶解した粒界相の粒界12間に固体の半金属13が拡散する。これにより、半金属13が、希土類鉄系磁石11中に取り込まれるので、高い電気抵抗を維持しつつ希土類鉄系磁石1の充填率が向上して相対密度が大きくなり、磁気特性に優れた高電気抵抗の希土類永久磁石を実現することが可能となる。
以下、上記実施の形態による効果を明確にするために行った実施例に基づいて上記実施の形態をより詳細に説明する。なお、上記実施の形態は、以下の実施例及び比較例によって何ら制限されるものではない。
参考例1)
希土類鉄系磁石の磁石粉末としては、超急冷磁石粉末であるNdFe14B等方性磁石粉末(商品名:MQP−C、マグネクウェンチ社製、粒径200μm、融点1300℃以下、電気抵抗率10−6Ω・m以上)を使用した。半金属の半金属粉末としては、ゲルマニウム(Ge)粉末(粒径300μm以下、融点938℃、電気抵抗率1.0×10Ω・m以上)を使用した。超急冷磁石粉末が90体積%であり、Ge粉末が10体積%となるようにして混合して混合粉末とし、混合した混合粉末を放電プラズマ焼結装置のキャビティに充填した。次に、キャビティに充填した混合粉末を減圧下、圧力30MPaで圧縮した後、電流密度300A/cmに設定し、磁石粉末の緻密化温度として700℃まで加熱して放電プラズマ焼結を行って希土類永久磁石を得た。得られた希土類永久磁石を汎用の金属顕微鏡装置により確認したところ、ゲルマニウム粉末が磁石粉末中に取り込まれた状態で磁石粉末同士が結合していた。得られた希土類永久磁石の相対密度は100%であり、残留磁化は、0.72Tであり、電気抵抗率は、7.0×10−6Ω・mであった。結果を下記表1に示す。
(実施例2)
半金属粉末として、ゲルマニウム粉末に代えて、ケイ素粉末(平均粒径5.0μm、融点1414℃、電気抵抗率1.0×10Ω・m以上)を使用したこと以外は、参考例1と同様にして希土類永久磁石を作製した。得られた希土類永久磁石を参考例1と同様にして確認したところ、参考例1と同様に、ケイ素粉末が磁石粉末中に取り込まれた状態で磁石粉末同士が結合していた。得られた希土類永久磁石の相対密度は、100%であり、残留磁化は、0.72Tであり、電気抵抗率は、3.4×10−5Ω・mであった。結果を下記表1に示す。
(比較例1)
半金属粉末のゲルマニウム粉末を用いなかったこと以外は、参考例1と同様にして希土類永久磁石を作製した。得られた希土類永久磁石を参考例1と同様にして確認したところ、磁石粉末同士が結合していた。得られた希土類永久磁石の相対密度は、100%であり、残留磁化は、0.87Tであり、電気抵抗率は、3.6×10−6Ω・mであった。結果を下記表1に示す。
(比較例2)
磁石粉末の希土類鉄系磁石の磁石粉末(融点1300℃)を62.9体積%とし、半金属粉末のゲルマニウム粉末を37.1体積%としたこと以外は、参考例1と同様にして希土類永久磁石を作製した。得られた希土類永久磁石を参考例1と同様にして確認したところ、磁石粉末同士が結合していた。得られた希土類永久磁石の相対密度は、86%以下であり、残留磁化は、0.38Tであった。また、比較例2の希土類永久磁石は、相対密度が低いので強度が低く、電気抵抗は、測定できなかった。結果を下記表1に示す。
図4は、実施例及び比較例に係る希土類永久磁石の減磁曲線を示す図である。なお、図4においては、横軸に磁場Bを示し、縦軸に磁化Jを示している。図4に示すように、半金属粉末を含有しない比較例1(破線L3参照)に対して、半金属粉末を含有する参考例1(実線L1参照)及び実施例2(一点鎖線L2参照)に係る希土類永久磁石においては、保磁力が小さくなっていることが分かる。この結果から、参考例1及び実施例2に係る希土類永久磁石は、半金属粉末の配合により磁気特性が大きく変化していることが分かる。
また、表1から分かるように、所定量の磁石粉末及び磁石粉末より融点が高い半金属の所定量の半金属粉末との混合粉末を放電プラズマ焼結した場合には、図4に示したように、保磁力が変化しても、相対密度が高く、残留磁化が高い磁気特性に優れた高電気抵抗の希土類永久磁石が得られることが分かる(参考例1及び実施例2)。これに対して、半金属粉末を用いずに磁石粉末のみを焼結した場合には、電気抵抗が著しく低下することが分かる(比較例1)。この結果は、半金属が含まれなかったために、希土類永久磁石内に粒界が発生しなかったためと考えられる。また、磁石粉末及び半金属粉末を混合した場合であっても、半金属粉末が多すぎる場合には、相対密度が低下して残留磁化が悪化することが分かる(比較例2)。この結果は、半金属の融点が磁石粉末より高かったために、希土類鉄系磁石粉末同士が十分に結合できなかったためと考えられる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
1,100 希土類永久磁石
11 希土類鉄系磁石
12 粒界
13 半金属
14 空隙

Claims (7)

  1. 希土類鉄系磁石の磁石粉末と、前記磁石粉末より融点が高い半金属の半金属粉末との混合粉末を放電プラズマ焼結してなり、
    前記混合粉末は、前記磁石粉末の含有量が70体積%以上95体積%以下であり、前記半金属粉末の含有量が5体積%以上30体積%以下であり、
    前記半金属が、ケイ素であり、
    相対密度が95%以上100%以下である、希土類永久磁石。
  2. 前記半金属は、前記希土類鉄系磁石中に取り込まれてなる、請求項に記載の希土類永久磁石。
  3. 前記希土類鉄系磁石が、下記一般式(1)で表される、請求項1又は請求項に記載の希土類永久磁石。
    RE(Fe1−uCo100−x−y−z ・・・ 式(1)
    (上記式(1)中、REはイットリウムを包含する希土類元素からなる群から選択された少なくとも1種であり、Feは鉄、Coはコバルト、Bはホウ素であり、Tは、チタン、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル、及びタングステンからなる群から選択された少なくとも1種以上である。また、x,y,zは、0<x,y,z<100かつ0<x+y+z<100を満たす値であり、uは、0≦u≦1を満たす値である。)
  4. 電気抵抗率が1×10−6Ω・m以上である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の希土類永久磁石。
  5. 希土類鉄系磁石の磁石粉末と、
    前記磁石粉末より融点が高い半金属の半金属粉末とを混合して混合粉末を得る混合工程と、
    前記混合粉末を放電プラズマ焼結して希土類永久磁石を得る焼結工程とを含み、
    前記混合粉末は、前記磁石粉末の含有量が70体積%以上95体積%以下であり、前記半金属粉末の含有量が5体積%以上30体積%以下であり、
    前記半金属が、ケイ素であり、
    前記希土類永久磁石は、相対密度が95%以上100%以下である、希土類永久磁石の製造方法。
  6. 前記希土類鉄系磁石は、下記一般式(1)で表される、請求項に記載の希土類永久磁石の製造方法。
    RE(Fe1−uCo100−x−y−z ・・・ 式(1)
    (上記式(1)中、REはイットリウムを包含する希土類元素からなる群から選択された少なくとも1種であり、Feは鉄、Coはコバルト、Bはホウ素であり、Tは、チタン、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル、及びタングステンからなる群から選択された少なくとも1種以上である。また、x,y,zは、0<x,y,z<100かつ0<x+y+z<100を満たす値であり、uは、0≦u≦1を満たす値である。)
  7. 希土類永久磁石は、電気抵抗率が1×10−6Ω・m以上である、請求項5又は請求項に記載の希土類永久磁石の製造方法。
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