JP6513621B2 - 希土類永久磁石及び希土類永久磁石の製造方法 - Google Patents
希土類永久磁石及び希土類永久磁石の製造方法Info
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Description
本実施の形態に係る希土類永久磁石は、希土類鉄系磁石の異方性磁石粉末と、異方性磁石粉末を結合する無機結合材を含む結合材粉末との混合粉末を無機結合材の軟化点近傍の焼結温度で放電プラズマ焼結してなるものである。
異方性磁石粉末の希土類鉄系磁石としては、従来公知の各種希土類鉄系磁石の粉末を用いることができる。希土類鉄系磁石としては、例えば、主にネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、プラセオジム(Pr)及びジスプロシウム(Dy)を含む希土類元素と、希土類元素以外の遷移元素とを組み合わせた組成を有するものを用いることができる。このような希土類鉄系磁石は、必要に応じて、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、ケイ素(Si)などの他の元素を更に含む組成を有していてもよい。また、鉄(Fe)の一部を、例えばCo,Ni,Ga,Cu,Al,Si,Ti,Mn及びNbから選択される少なくとも1種の元素で置換してもよい。希土類鉄系磁石は、例えば、Feの一部をCoで置換することで、耐熱性を改善できえる。また、希土類鉄系磁石は、Feの一部を上記元素で置換する場合、置換量が過剰になることによる磁気特性の低下を防ぐ観点から、Feに対する置換量は50原子%未満が好ましく、35原子%以下がより好ましい。希土類鉄系磁石は、例えば、Feの一部をCoで置換する場合、Sm−Fe系合金におけるCoの含有量は6質量%以下とすることが好ましい。
REx(Fe1−uCou)100−x−y−zByTz ・・・ 式(1)
(上記式(1)中、REはイットリウム(Y)を包含する希土類元素からなる群から選択された少なくとも1種であり、Feは鉄、Coはコバルト、Bはホウ素であり、Tは、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、及びタングステン(W)からなる群から選択された少なくとも1種である。また、x,y,zは、0<x,y,z<100かつ0<x+y+z<100を満たす値であり、uは、0≦u≦1を満たす値である。)
無機結合材としては、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩、リン酸塩、シリカゾル、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)及び鉛(Pb)などの金属、低融点ガラスなどを用いることができる。これらの中でも、磁気特性に優れた高電気抵抗の希土類永久磁石を得る観点から、低融点ガラスが好ましい。
本実施の形態において、低融点ガラスとは、600℃以下の温度範囲において、軟化、変形及び流動するガラスである。低融点ガラスのガラス粉末としては、従来公知の各種低融点ガラスを用いることが可能である。低融点ガラスとしては、例えば、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化テルル、アルカリ金属酸化物及びフッ化物(例えばBaF2、KF、AlF3)などが挙げられる。これらの低融点ガラスは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。低融点ガラスとしては、磁気特性に優れた高電気抵抗の希土類永久磁石を得る観点から、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化テルル、アルカリ金属酸化物及びフッ化物からなる群から選択された少なくとも1種が好ましく、環境負荷への影響を低減する観点から、酸化鉛を除いた酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化テルル、アルカリ金属酸化物及びフッ化物からなる群から選択された少なくとも1種がより好ましく、更に電気抵抗率が高い観点から、酸化ビスマスを含有するもの(例えばBi2O3及びB2O3を含有する低融点ガラス)が更に好ましい。
希土類鉄系磁石の異方性磁石粉末としては、ネオジム系の異方性磁石粉末(商品名:「マグファインMF18P」、愛知製鋼社製)を使用した。結合材粉末としては、主要組成がBi2O3・B2O3の低融点ガラスのガラス粉末(商品名:「BG−0700」 日本電気硝子社製、ガラス転移点350℃、屈服点385℃、軟化点410℃)を使用した。異方性磁石粉末が50体積%となり、ガラス粉末が50体積%となるようにして混合して混合粉末とし、混合した混合粉末を放電プラズマ焼結装置のキャビティに充填した。次に、キャビティに充填した混合粉末を減圧下、圧力30MPaで圧縮した後、電流密度300A/cm2に設定し、焼結温度410℃まで加熱して放電プラズマ焼結を行って希土類永久磁石を得た。混合粉末の圧縮および放電プラズマ焼結は、すべて磁場中(270mT)で行った。得られた希土類永久磁石の相対密度は98%であり、残留磁化は、0.50Tであり、電気抵抗率は、8.7×10−4Ω・mであった。保磁力は、1050kA/mであった。結果を下記表1に示す。
放電プラズマ焼結の焼結温度を400℃としたこと以外は実施例1と同様にして評価した。得られた希土類永久磁石の相対密度は93%以上97%以下であり、残留磁化は、0.50Tであり、電気抵抗率は、8.7×10−4Ω・mであった。保磁力は、1090kA/mであった。結果を下記表1及び図4に示す。
放電プラズマ焼結の焼結温度を440℃としたこと以外は実施例1と同様にして評価した。得られた希土類永久磁石の相対密度は100%であり、残留磁化は、0.50Tであり、電気抵抗率は、8.7×10−4Ω・mであった。保磁力は、810kA/mであった。結果を下記表1及び図4に示す。
磁石粉末として、超急冷磁石粉末のNd2Fe14B等方性磁石粉末(商品名:「MQP−C」、マグネクウェンチ社製)を使用したこと、結合材粉末を用いなかったこと、磁場をかけなかったこと及び放電プラズマ焼結の温度を700℃としたこと以外は、実施例1と同様にして希土類永久磁石を作製した。得られた希土類永久磁石の相対密度は95%であり、残留磁化は、0.87Tであり、電気抵抗率は、4.1×10−6Ω・mであった。結果を下記表1に示す。
磁石粉末として、超急冷磁石粉末のNd2Fe14B等方性磁石粉末(商品名:「MQP−C」、マグネクウェンチ社製)を使用したこと、磁石粉末を90体積%とし、ガラス粉末を10体積%として混合粉末を作製したこと、磁場をかけなかったこと及び放電プラズマ焼結の温度を700℃としたこと以外は、実施例1と同様にして希土類永久磁石を作製した。得られた希土類永久磁石の相対密度は98%であり、残留磁化は、0.60Tであり、電気抵抗率は8.7×10−5Ω・mであった。結果を下記表1に示す。
放電プラズマ焼結の焼結温度を390℃としたこと以外は実施例1と同様にして評価した。得られた希土類永久磁石の相対密度は92%であり、残留磁化は、0.50Tであり、電気抵抗率は、8.7×10−4Ω・mであった。結果を下記表1及び図4に示す。
放電プラズマ焼結の焼結温度を450℃としたこと以外は実施例1と同様にして評価した。得られた希土類永久磁石の相対密度は100%であり、残留磁化は、0.50Tであり、電気抵抗率は、8.7×10−4Ω・mであった。結果を下記表1及び図4に示す。
相対密度評価:相対密度が98%以上の場合を◎とし、93%以上98%未満の場合を○とし、93%未満の場合を×とした。
磁気特性評価:保磁力が1000kA/m以上の場合を◎とし、800kA/m以上(1000kA/m未満の場合を○とし、800kA/m未満の場合を×とした。
電気抵抗率評価:電気抵抗率が1.0×10-5Ω・m以上の場合を○とし、1.0×10-5Ω・m未満の場合を×とした。
希土類鉄系磁石の異方性磁石粉末としては、ネオジム系の異方性磁石粉末(商品名:「MQA37−16」、マグネクエンチ社製)を使用した。結合材粉末としては、主要組成がBi2O3・B2O3の低融点ガラスのガラス粉末(商品名:「BG−0700」、日本電気硝子社製、ガラス転移点350℃、屈服点385℃、軟化点410℃)を使用した。異方性磁石粉末が60体積%となり、ガラス粉末が40体積%となるようにして混合して混合粉末とし、混合した混合粉末を放電プラズマ焼結装置のキャビティに充填した。次に、キャビティに充填した混合粉末を磁場中(260mT)におき、減圧下、圧力30MPaで圧縮した。次いで、圧縮された混合粉末について、上記磁場中で、電流密度300A/cm2に設定し、室温から50℃/minで昇温し、焼結温度410℃で放電プラズマ焼結を行って希土類永久磁石を得た。ここで、緻密化終了(変位率0)を焼結完了とした。また、室温まで希土類永久磁石を冷却する間も、磁場をかけ続けた。全焼結体の相対密度は97%であった。
混合粉末の圧縮成形時及び放電プラズマ焼結時ともに磁場をかけなかったこと以外は実施例4と同様にして希土類永久磁石を得た。
放電プラズマ焼結の焼結温度を550℃としたこと以外は実施例4と同様にして希土類永久磁石を得た。
希土類鉄系磁石の異方性磁石粉末として、ネオジム系の異方性磁石粉末(商品名:「マグファインMF18P」、愛知製鋼社製)を用いたこと以外は実施例4と同様にして希土類永久磁石を得た。全焼結体の相対密度は97%であった。
Claims (8)
- 希土類鉄系磁石の異方性磁石粉末と、前記異方性磁石粉末を結合する無機結合材を含む結合材粉末との混合粉末を前記無機結合材の軟化点に対して−10℃から+30℃までの焼結温度で放電プラズマ焼結してなり、
前記異方性磁石粉末は、Nd系磁石合金の磁石粉末であり、
前記無機結合材は、Bi 2 O 3 及びB 2 O 3 を含有する低融点ガラスである、希土類永久磁石。 - 前記混合粉末は、前記異方性磁石粉末の含有量が40体積%以上99体積%以下であり、結合材粉末の含有量が1体積%以上60体積%以下である、請求項1に記載の希土類永久磁石。
- 前記希土類鉄系磁石が、下記一般式(1)で表される、請求項1又は請求項2に記載の希土類永久磁石。
REx(Fe1−uCou)100−x−y−zByTz ・・・ 式(1)
(上記式(1)中、REはネオジムであり、Feは鉄、Coはコバルト、Bはホウ素であり、Tは、チタン、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル、及びタングステンからなる群から選択された少なくとも1種である。また、x,y,zは、0<x,y,z<100かつ0<x+y+z<100を満たす値であり、uは、0≦u≦1を満たす値である。) - 電気抵抗率が1.0×10−6Ω・m以上である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の希土類永久磁石。
- 希土類鉄系磁石の異方性磁石粉末と、前記異方性磁石粉末を結合する無機結合材の結合材粉末とを混合して混合粉末を得る混合工程と、
前記混合粉末を前記無機結合材の軟化点に対して−10℃から+30℃までの焼結温度で放電プラズマ焼結して希土類永久磁石を得る焼結工程を含み、
前記異方性磁石粉末は、Nd系磁石合金の磁石粉末であり、
前記無機結合材は、Bi 2 O 3 及びB 2 O 3 を含有する低融点ガラスである、希土類永久磁石の製造方法。 - 前記混合粉末は、前記異方性磁石粉末の含有量が40体積%以上99体積%以下であり、ガラス粉末の含有量が1体積%以上60体積%以下である、請求項5に記載の希土類永久磁石の製造方法。
- 前記希土類鉄系磁石は、下記一般式(1)で表される、請求項5又は請求項6に記載の希土類永久磁石の製造方法。
REx(Fe1−uCou)100−x−y−zByTz ・・・ 式(1)
(上記式(1)中、REはネオジムであり、Feは鉄、Coはコバルト、Bはホウ素であり、Tは、チタン、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル、及びタングステンからなる群から選択された少なくとも1種である。また、x,y,zは、0<x,y,z<100かつ0<x+y+z<100を満たす値であり、uは、0≦u≦1を満たす値である。) - 電気抵抗率が1.0×10−6Ω・m以上である、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の希土類永久磁石の製造方法。
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