JP6666228B2 - 希土類鉄系永久磁石の製造方法 - Google Patents
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Description
成形工程では、希土類鉄系磁石の異方性磁石粉末と無機結合材粉末とを含む混合粉末を金型に充填し、該混合粉末を成形して成形体を得る。まず、混合粉末に含まれる異方性磁石粉末および無機結合材粉末について説明する。
上記希土類鉄系磁石は、希土類元素として、イットリウム(Y)を包含する希土類元素を含むことが好ましく、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、プラセオジム(Pr)およびジスプロシウム(Dy)のうちの少なくとも1種の元素を含むことがより好ましい。また、上記希土類鉄系磁石において、鉄(Fe)の一部を、たとえばCo、Ni、Ga、Cu、Al、Si、Ti、MnおよびNbから選択される少なくとも1種の元素で置換してもよい。なお、Feの一部をCoで置換すると耐熱性を改善できる。Feの一部を上記元素で置換する場合、磁気特性の低下を防ぐ観点から、Feに対する置換量は50原子%未満が好ましく、35原子%以下がより好ましい。Feの一部をCoで置換する場合、Sm−Fe系磁石では、Coの含有量は6質量%以下とすることが好ましい。
REx(Fe1−uCou)100−x−y−zByTz (1)
上記式(1)中、REはイットリウム(Y)を包含する希土類元素からなる群から選択された少なくとも1種である。具体的には、REとしては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)およびルテチウム(Lu)などが挙げられる。これらの中でも、高電気抵抗および高密度の希土類鉄系永久磁石が得られる観点から、REとして、少なくともネオジム(Nd)を含むことが好ましい。
f=(a−b)/a=1−b/a (2)
上記無機結合材粉末に用いる無機結合材としては、たとえばアルカリ金属ケイ酸塩、リン酸塩、シリカゾル、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)および鉛(Pb)などの金属、低融点ガラスなどが挙げられる。これらの中でも、磁気特性に優れた電気抵抗の高い希土類鉄系永久磁石を得る観点から、低融点ガラスが好ましい。
加熱工程では、上記成形工程で得られた上記成形体を加圧しながら加熱して希土類鉄系永久磁石を得る。加熱工程での加圧は、上記成形体を作製したときと同じ方向から行うことが好ましい。加熱工程では、成形体中で異方性磁石粉末と無機結合材粉末との反応は起こらず、無機結合材粉末が異方性磁石粉末の中に取り込まれた状態で異方性磁石粉末同士が結合する。すなわち、成形体は焼き固められ(焼結され)、希土類鉄系永久磁石の焼結体が得られる。また、加圧しながら加熱するため、磁化容易軸の方向は成形体中と同様揃ったまま焼き固められる。したがって、磁気特性に優れた希土類鉄系永久磁石が得られる。
<評価方法>
(減磁曲線)
作製した希土類鉄系永久磁石について、BHトレーサー(株式会社玉川製作所製)を用いて測定した。
作製した希土類鉄系永久磁石について、光学顕微鏡写真を撮影した。この写真を用いて、長径(a)については、異方性磁石粉末の粒子の最長径を測定して求め、短径(b)については、異方性磁石粉末の粒子の最短径を測定して求めた。ただし長径(a)と短径(b)とが互いに直行している関係にあることを条件として測定した。扁平率(f)は、各異方性磁石粉末の粒子の長径(a)および短径(b)から算出した。具体的には、上記粒子を5つ以上測定し、その平均値を全体の扁平率(f)と定義した。
また、希土類鉄系永久磁石について、磁場を印加しながらの光学顕微鏡写真も撮影した。
希土類鉄系磁石の異方性磁石粉末(MQA−37−16(商品名)、マグネクエンチ社製)60体積%と、無機結合材粉末(主要組成がBi2O3・B2O3である低融点ガラス粉末、BG−0700(商品名)、日本電気硝子社製、ガラス転移点350℃、屈服点385℃、軟化点410℃)40体積%とを混合し、混合粉末を調製した。なお、ここで用いた異方性磁石粉末の粒子は扁平形状を有し、異方性磁石粉末の粒子の磁化容易軸が異方性磁石粉末の扁平面に対して垂直方向に向いていた(後述する図6および図7参照)。また、異方性磁石粉末の粒子の形状を扁球とみなしたときの長径(a)は、1μm以上355μm以下の範囲にあった。
まず、成形工程において、上記混合粉末を金型に入れた後、この金型に対してタッピングを行った。次いで、金型を放電プラズマ焼結装置(SPS装置)にセットし、減圧下で、金型に対して圧力を印加し、成形体を得た。ここで、混合粉末の成形開始から成形終了まで、混合粉末に対して磁場を印加しなかった。
次に、加熱工程では、成形工程で得られた成形体を加圧しながら加熱した。具体的には、放電プラズマ焼結装置を用いて、成形体に対して、電流密度300A/cm2でON−OFF直流パルス通電を行った。減圧下で、金型に対して圧力を印加しながら、50℃/minで室温から410℃まで昇温し、410℃で変位率が0になるまで焼結を行い、希土類鉄系永久磁石を得た。
実施例1で用いた異方性磁石粉末をふるい分けして、異方性磁石粉末の粒子の形状を扁球とみなしたときの長径(a)が150μm以上355μm以下の範囲にある異方性磁石粉末を得た。扁平率(f)は0.789であった。希土類鉄系磁石の異方性磁石粉末として、上述のようにふるい分けして得られた異方性磁石粉末を用いたほかは、実施例1と同様にして希土類鉄系永久磁石を得た。
実施例1で用いた異方性磁石粉末をふるい分けして、異方性磁石粉末の粒子の形状を扁球とみなしたときの長径(a)が1μm以上45μm未満の範囲にある異方性磁石粉末を得た。扁平率(f)は0.648であった。希土類鉄系磁石の異方性磁石粉末として、上述のようにふるい分けして得られた異方性磁石粉末を用いたほかは、実施例1と同様にして希土類鉄系永久磁石を得た。
希土類鉄系磁石の異方性磁石粉末としてHDDR法で製造された異方性磁石粉末(マグファインMF18P(商品名)、愛知製鋼社製)を用いたほかは、実施例1と同様にして希土類鉄系永久磁石を得た。なお、比較例1で用いた異方性磁石粉末の粒子は、扁平形状を有しておらず、異方性磁石粉末の磁化容易軸が異方性磁石粉末の特定面に対して一定の方向に向いていない(後述する図8および図9参照)。
Claims (2)
- 希土類鉄系磁石の異方性磁石粉末と無機結合材粉末とを含む混合粉末を金型に充填し、該混合粉末を成形して成形体を得る成形工程と、
前記成形工程で得られた前記成形体を放電プラズマ焼結装置にセットし、加圧しながら加熱して希土類鉄系永久磁石を得る加熱工程とを含む希土類鉄系永久磁石の製造方法であって、
前記異方性磁石粉末の粒子が扁平形状を有し、前記異方性磁石粉末の粒子の磁化容易軸が前記異方性磁石粉末の粒子の扁平面に対して一定の方向に向いており、
前記成形工程において、前記混合粉末の成形開始から成形終了までの少なくとも一部を、前記混合粉末に対して磁場を印加せずに行い、
前記無機結合材粉末は、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化テルル、アルカリ金属酸化物、BaF2、KF、およびAlF3からなる群から選択された少なくとも1種を含む低融点ガラスの粉末であり、
前記低融点ガラス粉末の軟化点は、350℃以上450℃以下であり、
前記低融点ガラス粉末は、平均粒径が、0.1μm以上100μm以下であり、
前記混合粉末における前記異方性磁石粉末の配合量は、前記混合粉末の全体積を100体積%としたときに、60体積%以上90体積%以下であり、前記混合粉末における前記無機結合材粉末の配合量は、前記混合粉末の全体積を100体積%としたときに、10体積%以上40体積%以下であり、
前記加熱工程における加熱温度は、前記低融点ガラス粉末の軟化点に対して±40℃の範囲にあり、
前記異方性磁石粉末の粒子の形状を扁球とみなしたときの長径(a)が150μm以上355μm以下であり、
前記異方性磁石粉末の粒子の形状を扁球とみなしたときの偏平率(f)が0.7以上1未満であり、
前記加熱工程で得られた前記希土類鉄系永久磁石は、電気抵抗率が1×10−6Ω・m以上である希土類鉄系永久磁石の製造方法。 - 前記異方性磁石粉末の粒子の形状を扁球とみなしたときの短径(b)が1μm以上175μm以下であり、かつ前記長径(a)よりも小さい請求項1に記載の希土類鉄系永久磁石の製造方法。
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