JP2014160729A - 磁性部材の製造方法、及び磁性部材 - Google Patents

磁性部材の製造方法、及び磁性部材 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気特性に優れる希土類磁石が得られる磁性部材を製造過程で高磁場を印加することなく製造できる磁性部材の製造方法、及び、磁気特性に優れる希土類磁石が得られる磁性部材を提供する。
【解決手段】磁性部材の製造方法は、磁性粉末を加圧成形してなる粉末成形体に熱処理を施して磁性部材を製造する方法である。この製造方法は、薄片からなる磁性粉末を用意する準備工程と、粉末成形体を成形する成形工程と、磁性部材を形成する脱水素工程とを備える。薄片は、当該薄片における前記鉄含有物の(110)面の配向方向の長さをL、当該薄片の厚さをtとすると、L/tの平均が1.5以上5.5以下である。成形工程は、磁性粉末に0.05T以上0.5T以下の磁場を印加して、鉄含有物の(110)面の配向方向が一方向に向くように薄片を揃えた状態で行う。そして、脱水素工程の熱処理は、粉末成形体に4T未満の磁場を印加した状態で行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、永久磁石などの素材である磁性部材を製造する磁性部材の製造方法、及び、その磁性部材に関するものである。特に、磁気特性に優れる永久磁石が得られる磁性部材を製造過程で高磁場を印加することなく製造できる磁性部材の製造方法に関する。
モータや発電機などに利用される永久磁石には、希土類磁石(代表的には、Nd-Fe-B磁石、Sm-Fe-N磁石)が広く利用されている。例えば、特許文献1には、NdとFeとBとを含むNd-Fe-B系合金(例えば、Nd2Fe14B)の粉末を用いた希土類磁石が開示されている。具体的には、この合金粉末を水素化して、Fe含有相中に希土類元素の水素化物の相(例えば、NdH2)が離散して存在する組織を有する磁石用粉末(磁性粉末)とし、この磁石用粉末を加圧成形して粉末成形体とし、更にこの粉末成形体に脱水素処理を施してNd-Fe-B系合金からなる希土類磁石の素材(磁性部材)を作製している。特許文献1では、脱水素処理時に粉末成形体に4T以上の磁場を印加することで、結晶の配向性を高めた希土類磁石の素材としている。そして、この素材を着磁することで、磁気特性に優れる希土類磁石としている。
特開2011-236498号公報
上述のように磁気特性に優れる希土類磁石を得るためには、その素材である磁性部材の配向性を高めることが効果的である。しかし、磁性部材の配向性を高めるために、脱水素処理時に4T以上の高磁場を印加できる設備が必要であり、その設備は発生させる磁場が大きくなるほど大がかりになる。そのため、製造過程で高磁場を印加することなく配向性に優れる磁性部材を製造する方法の開発が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、磁気特性に優れる磁石が得られる磁性部材を製造過程で高磁場を印加することなく製造できる磁性部材の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、磁気特性に優れる磁石が得られる磁性部材を提供することにある。
本発明者らは、磁性部材を製造する過程(特に、加圧成形後の脱水素処理時)で高磁場を印加することなく配向性に優れる磁性部材を製造することを鋭意検討した。その結果、特定のサイズの薄片からなる磁性粉末を用意して、特定の低磁場を印加して加圧成形することで、配向性に優れる粉末成形体が得られるとの知見を得た。また、この粉末成形体を用いると、脱水素処理時に高磁場を印加しなくても配向性に優れる磁性部材を製造できるとの知見を得た。これらの知見に基づき、本発明を以下に規定する。
本発明の磁性部材の製造方法は、磁性粉末を加圧成形してなる粉末成形体に熱処理を施して磁性部材を製造する方法であって、以下の準備工程、成形工程、脱水素工程を備える。
準備工程:Feを含む鉄含有物の相と希土類元素の水素化合物の相とが隣接して存在する組織を有する薄片からなる磁性粉末を準備する。
成形工程:磁性粉末を成形用金型に充填して加圧成形することで粉末成形体を成形する。
脱水素工程:粉末成形体に、不活性雰囲気中又は減圧雰囲気中、当該粉末成形体の再結合温度以上の温度で熱処理を施して、前記希土類元素と鉄含有物とで構成される希土類-鉄系合金を有する磁性部材を形成する。
上記薄片は、当該薄片における前記鉄含有物の(110)面の配向方向の長さをL、当該薄片の厚さをtとすると、L/tの平均が1.5以上5.5以下である。上記成形工程は、磁性粉末に0.05T以上0.5T以下の磁場を印加して、鉄含有物の結晶方位の配向方向が一方向に向くように薄片を揃えた状態で行う。そして、脱水素工程の熱処理は、粉末成形体に4T未満の磁場を印加した状態で行う。
本発明の磁性部材の製造方法は、磁気特性に優れる磁石が得られる磁性部材を成形過程で高磁場を印加することなく製造できる。上述の特定のサイズの薄片に、0.05T以上0.5T以下の磁場を印加することで、薄片における(110)面の配向方向をほぼ一方向に向くように揃えた状態で薄片を加圧成形できるので、配向性に優れる粉末成形体が製造できる。そのため、脱水素工程で高磁場を印加しなくても配向性に優れる磁性部材を製造できるからである。従って、ランダム配向している磁性部材に比べて、配向性に優れる磁性部材は、大きな残留磁化を得られるため、この磁性部材を着磁すると、磁気特性に優れる希土類磁石を得ることができる。
本発明の磁性部材の製造方法の一形態として、薄片の長さLが、75μm以上1000μm以下であることが挙げられる。
上記の構成によれば、薄片の長さLを75μm以上とすることで、各薄片の配向方向を一方向に揃え易い上に、成形密度の高い磁性部材を製造できる。一方、薄片の長さLを1000μm以下とすることで、薄片が割れることなく加圧成形し易いため、各薄片の配向方向を一方向に揃え易い。
本発明の磁性部材の製造方法の一形態として、脱水素工程の熱処理は、粉末成形体に磁場を印加しない状態で行うことが挙げられる。
上記の構成によれば、上記加圧工程により配向性に優れる粉末成形体が得られるため、脱水素工程では磁場を印加することなく配向性に優れる磁性部材を製造できる。
本発明の磁性部材の製造方法の一形態として、成形工程では、磁場の印加方向が、磁性粉末の加圧方向と直交する方向であることが挙げられる。
上記の構成によれば、磁場の印加方向が磁性粉末の加圧方向と平行方向である場合に比べて、磁石としたとき磁気特性に優れる磁性部材を製造できる。磁場の印加方向が磁性粉末の加圧方向と平行方向である場合に比べて、成形密度の高い粉末成形体が得られ易いからである。
本発明の磁性部材の製造方法の一形態として、脱水素工程を経た素材に、窒素元素を含有する雰囲気中、希土類-鉄系合金の窒化温度以上窒素不均化温度以下の温度で熱処理を施す窒化工程を備えることが挙げられる。その際、窒化工程の熱処理は、素材に3T以上の磁場を印加した状態で行う。
上記の構成によれば、上述の特定の磁場を印加すると、Feを含む再結合合金を構成する結晶粒の結晶格子を磁歪効果により歪ませて、結晶格子を構成するFe原子-Fe原子間を磁場の印加方向に引き伸ばすことができる。また、この引き伸ばされたFe原子-Fe原子間にN原子が入り易くなる。つまり、上記形態は、窒化工程においてN原子の侵入方向を制御できる。そのため、上記形態は、結晶格子の理想の位置にN原子を配置し易く、理想状態の原子比を有する合金(例えば、Sm2Fe17N3)を効率よく製造できる。
本発明の磁性部材は、磁性粉末を加圧成形してなる粉末成形体から構成される。この磁性部材は、希土類元素とFeを含む鉄含有物とで構成される希土類-鉄系合金からなる。そして、磁性部材における希土類-鉄系合金の(110)面の配向方向と平行な断面において、希土類-鉄系合金における上記配向方向の長さに対する当該配向方向と直交する方向の長さの比の平均が1.5以上5.5以下となる面を有する。
本発明の磁性部材は、磁気特性に優れる希土類磁石が得られる。この磁性部材は、上記長さの比が所定の値を満たすことで、磁性部材を構成する合金が一方向に配向しているからである。
本発明の磁性部材の一形態として、希土類-鉄系合金における(110)面の配向方向の長さが、10μm以上1000μm以下であることが挙げられる。
上記の構成によれば、磁気特性に優れる希土類磁石が得られる。この磁性部材は、上記長さの比が所定の値を満たすことで、磁性部材を構成する合金が一方向に配向しているからである。具体的には、結晶格子が正方晶型の場合は、(110)面の配向方向の長さが上記範囲であることで、また、結晶格子が六方晶型の場合は、(n000)、(0n00)、(00n0)面のいずれかの配向方向の長さが上記範囲であることで、磁気特性に優れる希土類磁石が得られる。
本発明の磁性部材の一形態として、希土類元素が、Y,La,Pr,Nd,Sm,Dy及びCeから選択される1種以上の元素であることが挙げられる。
上記の構成によれば、磁気特性に優れる希土類磁石が得られる。
本発明の磁性部材の製造方法は、磁石としたとき磁気特性に優れる磁性部材を製造過程で高磁場を印加することなく製造できる。
本発明の磁性部材は、磁気特性に優れる希土類磁石が得られる。
磁性部材の製造方法における一連の工程を説明する工程説明図である。 磁性部材の製造方法における成形工程の他例の概略を示す工程説明図である。
以下、図を参照して本発明をより詳細に説明する。
《磁性部材の製造方法》
本発明の磁性部材の製造方法は、磁性粉末を加圧成形してなる粉末成形体に熱処理を施して磁性部材を製造する方法で、磁性粉末を準備する準備工程、粉末成形体を作製する成形工程、磁性部材を作製する脱水素工程を備える。本発明の磁性部材の製造方法の主たる特徴とするところは、準備工程で特定のサイズの薄片からなる磁性粉末を用意する点、成形工程で特定の磁場を印加する点、及び、脱水素工程で印加する磁場を特定の範囲とする点にある。以下、各工程を主として図1に基づいて詳細に説明する。
〔準備工程〕
磁性粉末は、Feを含む鉄含有物と希土類元素とで構成される薄状の希土類-鉄系合金(出発合金片10(図1(I)左側):後述)に水素化処理した薄片1で構成される(図1(I)右側)。この薄片1は、水素不均化分解状態にあり、鉄含有物の相3と希土類元素(後述)の水素化合物の相2とが隣接して存在する多相組織を有する。鉄含有物の含有量は、60体積%以上、希土類元素の水素化合物の含有量は、0体積%超、好ましくは10体積%以上である。この両相の存在形態は、ここでは、鉄含有物の相3を母相として、この母相中に粒状の希土類元素の水素化合物の相2が分散して存在する分散形態である。その他、この存在形態としては、両相が多層構造となる層状形態が挙げられる。これらの存在形態は、後述する水素化処理の際の熱処理条件(主に温度)に依存する。上記多層組織の鉄含有物の相3を介して隣り合う希土類元素の水素化合物の相2間の間隔は、代表的には、0.5μm以上(好ましくは1μm以上)3μm以下を満たす。
鉄含有物の形態は、(1)Fe(純鉄)のみ、(2)Co,Ga,Cu,Al,Si,Cr及びNbから選択される少なくとも一種の元素(以下、置換元素と呼ぶ)とFe、(3)Feを含む化合物(例えば、FeTi,FeMn,Fe3B,Fe2B,FeBなど)とFe、(4)置換元素と上記化合物とFe、という(1)〜(4)のいずれかが挙げられる。
薄片1の鉄含有物の結晶方位(例えば、(110)面)は、一方向(厚さ方向に直交する方向:長手方向、ここでは図1(I)の破線矢印の方向)に配向している。そして、薄片1のサイズは、その配向方向における長さをL、厚さをtとすると、L/tの平均が1.5以上5.5以下とする。L/tの平均を1.5以上とすることで、薄片1の配向方向を一方向に揃え易い上に、成形密度の高い磁性部材を製造できる。一方、L/tの平均を5.5以下とすることで、成形する際に各薄片1の配向方向を一方向に揃え易く、配向性に優れる磁性部材を製造できる。このL/tの平均は、3.0以上がより好ましい。
薄片1の具体的な長さLは、75μm以上1000μm以下とすることが好ましい。この長さLを75μm以上とすることで、薄片1の配向方向を一方向に揃え易い上に、成形密度の高い磁性部材を製造できる。一方、この長さLを1000μm以下とすることで、次工程の加圧成形時に薄片1が割れることなく加圧成形できるため、各薄片1の配向方向を一方向に揃え易く、配向性に優れる磁性部材を製造できる。この長さLは、300μm以上500μm以下がより好ましい。
薄片1の構造特性(例えば、鉄含有物の(110)面の配向方向やサイズ)は後述の成形工程後や脱水素工程後、更には窒化処理後も実質的に維持される。
この薄片1は、上述したように水素化されていない合金片である出発合金片10(図1(I)左側)に水素化処理を施すことで作製できる。
出発合金片10の組成は、例えば、RE=Y,La,Pr,Nd,Sm,Dy及びCeから選択される1種以上の元素、Me=Feのみ、又はCo,Ni,Mn及びTiから選択される1種以上の元素とFeとし、x=2.0〜2.2とするとき、RExMe14B,RExMe14C,RExMe17及びREx/2Me12から選択される1種以上が挙げられる。より具体的には、RExMe14Bは、Nd2Fe14B、Nd2(Co1Fe13)B、RExMe14Cは、Nd2Fe14C、RExMe17は、Sm2Fe17、Y2Fe17、REx/2Me12は、Sm1(Ti1Fe11)、Sm1(Mn1Fe11)、Y1(Ti1Fe11)、Y1(Mn1Fe11)が挙げられる。特に、SmやNdを含む合金は、磁気特性に優れる磁石が得られる磁性部材に好適に利用できる。その他、出発合金片10は、後述の脱水素処理で多相組織から再結合合金組織に変化する際に結晶の成長を制御するような元素(例えば、Cu,Al,Si,Ga,Nbなど)を含むものを許容する。材質の異なる複数種の薄片を組み合せて利用することもできる。
出発合金片10の構造特性((110)面の配向方向やサイズ)は、後述の水素化処理を経た薄片1(磁性粉末)でも維持される。従って、この出発合金片10の配向方向やサイズは上記薄片1と同様とすることが挙げられる。即ち、出発合金片10の(110)面の配向方向が一方向(厚さ方向に直交する方向:長手方向、ここでは図1(I)の破線矢印の方向)に配向しており、その配向方向における長さをl0、厚さをt0とすると、l0/t0の平均が1.5以上5.5以下とすること挙げられる。出発合金片10の長さl0は、75μm以上500μm以下とすることが好ましい。
出発合金片10の作製には、上述の組成の溶湯を回転した冷却ロール(例えばCu製)上に注いで急冷凝固する、所謂ストリップキャスト法で形成した薄帯を利用することが挙げられる。このストリップキャスト法の冷却速度を調整することで、薄帯の伸延方向(長手方向)が合金の結晶方位((110)面)の配向方向となる。具体的には、冷却速度を0.01℃/s以上10℃/s以下とすることが挙げられ、特に、0.01℃/s以上0.5℃/s以下とすることが好ましい。得られた薄帯を粉砕して、合金の(110)面が上記一方向に配向した薄状の出発合金片10が得られる。
出発合金片10に対して水素化処理を施して磁性粉末を作製する。水素化処理の条件は、雰囲気:水素(H2)のみの単一雰囲気、又は水素(H2)とArやN2といった不活性ガスとの混合雰囲気、温度:不均化温度以上1100℃以下、保持時間:0.5時間以上5時間以下が挙げられる。ここでの温度を不均化温度近傍にすると、薄片1の上記両相の存在形態は層状形態となり、温度をそれよりも高めると、薄片1の上記両相の存在形態は分散形態となる傾向にある。具体的な温度は、出発合金片10がSm2Fe17,Sm1(Ti1Fe11)、Sm1(Mn1Fe11)などの場合、700℃以上900℃以下、Nd2Fe14B、Nd2(Co1Fe13)B、Nd2Fe14Cなど場合、750℃以上900℃以下が挙げられる。水素化処理は、公知のHDDR処理における不均化条件を適用することができる。
その他、薄片1の全周を覆うように酸化防止層や絶縁被膜を備える形態とすると、成形時に生じる新生面の酸化防止、磁性部材の電気抵抗の増大などを図ることができる。
〔成形工程〕
所望の磁性部材が得られるように成形用金型を選択して、当該成形用金型に上記磁性粉末を充填し、加圧成形することで粉末成形体4を成形する(図1(II))。その際、成形用金型に充填された磁性粉末に磁場を印加して、磁性粉末の薄片1における鉄含有物の(110)の配向方向が一方向に向くように薄片1を揃えた状態で加圧成形する。
印加する磁場の大きさは、具体的には、0.05T以上0.5T以下とすることが挙げられる。印加する磁場の大きさを0.05T以上とすることで、各薄片1を無作為に成形用金型に充填しても、各薄片1の上記配向方向をほぼ一方向に揃えることができる。一方、印加する磁場の大きさを0.5T以下とすることで、磁場が強くなり過ぎないので、各薄片1同士が相互作用により反発することを抑制でき、薄片1の整列状態が乱れ難くなり配向方向をほぼ一方向に揃えることができる。
磁場の印加方向は、磁性粉末の加圧方向と平行としてもよいし(図1(II))、この加圧方向と垂直としてもよい(図2(II))。図1(II)や図2(II)の成形用金型の一方から他方に通る破線矢印は磁場の印加方向を示し、成形用金型の互いに向かい合う方向の太矢印は加圧方向を示す。薄片1の上記配向方向が磁場の印加方向と同一方向に向くので、磁場の印加方向を前者とする場合、薄片1の上記配向方向が加圧方向に平行となり(図1(II))、後者とする場合、薄片1の上記配向方向が加圧方向と垂直となる(図2(II))。前者は、後者に比べて配向性により優れる粉末成形体を作製し易く、後者は、前者に比べて成形密度の高い粉末成形体を作製し易い。
磁場の印加時点は、磁性粉末が成形用金型に充填された後、加圧成形される前、即ち、磁性粉末に圧力が付加される前とする。そして、磁場を印加した状態を、少なくとも磁性粉末に圧力が付加されるまで維持することが挙げられる。そうすれば、磁性粉末への圧力付加時には磁性粉末の上記配向方向を揃えた状態で加圧成形することができる。磁場を印加した状態の維持は、粉末成形体に圧力が付加された時点まで(即ち、圧力が付加された時点で磁場をゼロとして、その後、加圧終了時まで磁場を印加しない)としてもよいし、加圧終了時点までとしてもよい。後者の場合、例えば、磁場の印加方向を加圧方向と平行(図1(II))とした際、加圧により薄片1が磁場の印加方向に対して傾くことを抑制できる。
磁場の印加手段には、銅線コイルといった常電導コイルを備える常電導磁石を用いることができる。ここでは、印加する磁場が、従来の脱水素工程で印加する磁場に比べて非常に小さいためである。勿論、超電導コイルを備える超電導磁石を用いてもよい。
成形圧力は、比較的小さくすることができ、例えば、6ton/cm2以上15ton/cm2以下が挙げられる。磁性粉末は水素化処理により成形性に優れるからである。
成形時の雰囲気は、非酸化性雰囲気とすることが好ましい。希土類元素を含む磁性粉末は特に酸化され易いため、非酸化性雰囲気とすると磁性粉末の酸化を防止できるからである。なお、磁性粉末が上述の酸化防止層を備える形態では、大気雰囲気といった酸素含有雰囲気で成形工程を行ってもよい。
その他、加圧成形する際は、成形用金型を適宜加熱してもよいし、成形用金型に適宜潤滑剤を塗布してもよい。前者の場合、磁性粉末の変形を促進でき、高密度の粉末成形体や複雑な形状の粉末成形体を得易い。後者の場合、粉末成形体を離型し易い。
得られた粉末成形体4の各薄片の配向方向は、加圧時の磁場の印加方向と同一方向である。
〔脱水素工程〕
脱水素工程は、粉末成形体4を構成する磁性粉末の薄片1から水素を分離して、希土類元素と鉄含有物とを結合させて、多相組織から単相組織(再結合合金組織)とするための工程である(図1(III))。上記水素の分離のために、脱水素工程における熱処理(脱水素処理)の雰囲気は、不活性雰囲気又は減圧雰囲気といった非水素雰囲気とする。不活性雰囲気は、例えば、ArやN2が挙げられる。減圧雰囲気は、標準の大気雰囲気よりも圧力を低下させた真空状態をいい、その真空度は、100Pa以下が好ましく、最終真空度は、10Pa以下、更に1Pa以下が好ましい。減圧雰囲気とすると、希土類元素の水素化合物が残存し難く、当該水素化合物の残存による磁気特性の低下を抑制でき、磁気特性に優れる磁石が得られる磁性部材5とすることができる。
脱水素処理の温度は、薄片1の再結合温度以上とし、組成により異なるものの、代表的には、Smを含む場合、600℃以上、Ndを含む場合、700℃以上が挙げられる。脱水素処理の温度が高いほど、水素を十分に除去して再結合化を進行できる。しかし、脱水素処理の温度は、高過ぎると、希土類元素の揮発や再結合合金の結晶の粗大化が懸念されるため、1000℃以下が好ましい。脱水素処理の保持時間は、10分以上600分以下が挙げられる。脱水素処理の条件は、公知のHDDR処理におけるDR処理の条件を適用できる。
脱水素工程で粉末成形体4に磁場を印加する場合、その磁場の大きさは、4T未満とすることができる。上述のように薄片1の上記配向方向が一方向に向くように薄片1を揃えた状態で加圧成形することから、脱水素工程では印加する磁場を4T未満としても再結合合金の結晶核の結晶方位を一方向に配向させられる。そのため、磁気特性に優れる磁石が得られる磁性部材5とすることができる。従って、この脱水素工程では、粉末成形体4に4T以上といった高磁場を印加しなくてもよく、印加する磁場は、3T以下、2T以下、更に1T以下、特に0T(磁場を印加しない状態)とすることができる。
脱水素工程で磁場を印加する場合、磁場の印加方向は、上記成形工程で磁場を印加した方向と同一方向、即ち、粉末成形体4の上記配向方向と同一方向とすることが好ましい。そうすることで、磁性部材5を磁気回路に組み付けたとき、磁気特性を十分に活用できる。
脱水素工程における磁場の印加手段には、上述の成形工程の際と同様、銅線コイルといった常電導コイルを備える常電導磁石を用いることができる。勿論、超電導コイルを備える超電導磁石を用いてもよい。
磁性粉末として、上述のRExMe14B,RExMe14C,REx/2Me12を出発合金とし、例えば、NdなどのREの水素化合物の相2と、FeやFe3Bなどの鉄含有物の相3とを備える薄片1から構成される粉末を用いた場合、上記脱水素処理を経て、RE2Me14BやRE2Me14C、RE1Me12などの合金で構成された希土類-鉄系合金材5が得られる。
この合金材5は、薄片1の上記構造特性が実質的に維持されるため、磁場の印加方向を加圧方向と平行とする場合(図1(II))、合金材5における加圧方向と平行な断面、即ち配向方向と平行な断面を採ると、合金材5を構成する合金片における上記加圧方向の長さと、加圧方向と直交する方向の長さとの比の平均が1.5以上5.5以下を満たす面が存在する。一方、磁場の印加方向を加圧方向と垂直とする場合(図2(II))、合金材5における加圧方向に垂直な断面、即ち配向方向と平行な断面を採ると、合金材5を構成する合金片の上記比の平均が1.5以上5.5以下を満たす面が存在する。これは、合金材5が上記の比を満たす合金片から構成される場合、加圧成形により上記比が加圧成形前の薄片1の比と異なっても、薄片1の長手方向と短手方向とで熱収縮率が異なるので、加圧成形後の上記熱処理により加圧成形前の薄片1の比とほぼ同様の比となるからである。そして、上記断面において、長手方向の長さが10μm以上500μm以下となる合金片が存在する。合金材5の各薄片の配向方向は、加圧の際に印加した磁場の印加方向と同一方向である。
この合金材5を磁石の素材(磁性部材)として着磁することで、Nd-Fe系の希土類磁石6を製造できる(図1(IV))。特に、この合金材5は、配向性に優れるため、磁気特性に優れる希土類磁石6が得られる。
〔窒化工程〕
一方、磁性粉末として、上述のRExMe17及びREx/2Me12を出発合金とし、例えば、SmなどのREの水素化合物の相2と、FeやFeTiなどの鉄含有物の相3とを備える薄片1から構成される粉末を用いた場合、上記脱水素処理(図1(III))の後、更に希土類-鉄系合金材5に窒化処理を施すことで(図1(V))、RE2Me17Nx,RE1Me12Nxなどの合金(再結合合金を窒化した合金)で構成された希土類-鉄-窒素系合金材5´が得られる(図1(V)右側)。
窒化処理の条件は、具体的には、雰囲気:窒素元素を含有する雰囲気、温度:窒化温度以上窒素不均化温度以下、保持時間:10分以上600分以下が挙げられる。具体的な雰囲気は、(1)窒素(N2)のみの単一雰囲気、(2)アンモニア(NH3)雰囲気、(3)窒素やアンモニアといった窒素元素を含むガスとArといった不活性ガスとの混合ガス雰囲気、その他、(4)上記窒素元素を含むガスと水素(H2)との混合ガス雰囲気、といった(1)〜(4)のいずれかが挙げられる。水素ガスを含有する雰囲気は還元雰囲気であるため、生成した窒化物の酸化や過剰窒化を防止できる。上記窒化温度や窒素不均化温度は、窒化前の合金組成により異なるが、例えば、Sm2Fe17,Sm1Fe11Ti1の場合、200℃以上550℃以下、更に200℃〜450℃、特に200℃〜300℃が挙げられる。
窒化工程では、磁場を印加した状態で窒化処理を行うことができる。この形態では、上述のように再結合合金の結晶格子を一方向に引き伸ばし易く、引き伸ばされたFe原子-Fe原子間にN原子を優先的に侵入させて、理想状態の原子比の窒化物(例えば、Sm2Fe17N3)を得易い。磁性部材が、理想状態の原子比の窒化物によって構成され、かつ上述のように配向組織を有することで、磁気特性に更に優れる磁石が得られる。磁場が大きいほどN原子の進入方向を制御できることから、印加する磁場は、3T以上、更に3.5T以上、特に3.7T以上、とりわけ4T以上が好ましい。窒化工程における磁場の印加方向は、上述のように成形工程で磁場を印加した方向と同一方向(平行)、即ち、粉末成形体(磁性部材)の上記配向方向と同一方向(平行)とすることが好ましい。つまり、成形工程と窒化工程とでは、磁場の印加方向が同じであることが好ましい。こうすることで、配向組織を維持し易い。
この合金材5´も上記合金材5と同様、薄片1の上記構造特性が実質的に維持されるため、磁場の印加方向を加圧方向と平行とする場合(図1(II))、合金材5´における加圧方向と平行な断面、即ち配向方向と平行な断面を採ると、合金材5´を構成する合金片における上記加圧方向の長さと、加圧方向と直交する方向の長さとの比の平均が1.5以上5.5以下を満たす面が存在する。一方、磁場の印加方向を加圧方向と垂直とする場合(図2(II))、合金材5´における加圧方向に垂直な断面、即ち配向方向と平行な断面を採ると、合金材5´を構成する合金片の上記比の平均が1.5以上5.5以下を満たす面が存在する。合金片の長さは、窒化工程前後で5%以内の範囲で変化する。そして、合金材5´の配向方向は、加圧の際に印加した磁場の印加方向と同一方向である。
この合金材5´を磁石の素材(磁性部材)として着磁することで、Sm-Fe系の希土類磁石6´を製造できる(図1(VII))。特に、この合金材5´は、配向性に優れるため、磁気特性に優れる希土類磁石6´が得られる。
(アニール工程)
なお、脱水素工程を経た磁性部材に、更に熱処理(アニール処理)を施すと、脱水素処理によって磁性部材に残存し得る熱歪みや界面応力を除去でき、熱歪みや界面応力に起因する特性の劣化などを抑制できる。アニール処理の条件は、雰囲気:不活性雰囲気中、又は減圧雰囲気、温度:250℃〜450℃、保持時間:1分〜600分が挙げられる。具体的な雰囲気は、脱水素工程で述べた事項を適用することができる。
上述の窒化工程を行う場合には、窒化処理がアニール処理の効果を兼ねることから、アニール処理を別途行う必要はなく、省略することができる。
脱水素工程や窒化工程において上述の磁場を印加した場合、アニール工程でも、脱水素工程などのときと同じ方向に磁場(2T以上、好ましくは3T以上)を印加すると、成形工程などで揃えられた配向組織を維持し易い。
《作用効果》
上述の磁性部材の製造方法によれば、配向性に優れる磁性部材を製造過程で高磁場を印加することなく製造できる。鉄含有物の(110)面の配向方向における長さL/厚さtの平均が1.5以上5.5以下の薄片からなる磁性粉末に0.05T以上0.5T以下の磁場を印加することで、薄片における鉄含有物の(110)面の配向方向を一方向に向くように揃えた状態で加圧成形できるので、配向性に優れる粉末成形体が製造できる。この配向性に優れる粉末成形体に脱水素処理を施すため、脱水素工程で高磁場を印加しなくても配向性に優れる磁性部材を製造できるからである。磁性部材が配向性に優れるため、この磁性部材を着磁した場合、磁気特性に優れる希土類磁石を得ることができる。
《試験例》
磁性部材からなる希土類磁石の試料No.1〜No.51を作製し、各試料の磁気特性を測定した。
まず、原料として、32質量%Nd、1質量%B、5質量%Co、及び残部がFeの溶湯を用意して、ストリップキャスト法により薄状の出発合金片からなる合金粉末を作製した。そして、篩にかけて分級し、出発合金片の(110)面の配向方向の長さl0(μm)が表1に示すように種々異なる出発合金片を用意した。各出発合金片の厚さt0(μm)に対する上記長さl0の比l0/t0の平均を表1に合わせて示す。このl0/t0の平均は、出発合金片50個に対し、各30箇所以上の配向領域の長さを観察して求めた。
次に、この合金粉末に水素(H2)雰囲気中、850℃×2Hrで熱処理(水素化)を施して、Feを含む鉄含有物の相中に希土類元素の水素化合物の相が分散して存在する組織を有する薄片からなる磁性粉末を作製した。このとき、薄片の長さLと厚さtの比L/t及び長さLは、合金片の上記比l0/t0及び長さl0が維持されていた。
続いて、磁性粉末に絶縁被覆としてSi-O被膜の前駆体となるシリコーン樹脂を被覆した粉末を用意して成形用金型に充填し、1.2GPa(≒12ton/cm2)で油圧プレス装置により加圧成形した。加圧前には、試料No.6〜No.47は、それぞれ表1に示す磁場を加圧方向と垂直(図2(II))に印加し、試料No.48〜No.51は、それぞれ表1に示す磁場を加圧方向と平行(図1(II))に印加して、各薄片の配向方向を一方向に揃えた状態で加圧した。なお、試料No.1〜No.5は印加する磁場を0Tとして(磁場を印加せず)加圧した。この加圧成形により、外径10mmφ×高さ10mmの円柱状の粉末成形体を作製した。そして、得られた粉末成形体の実際の密度(成形密度)を求めた。その結果を表1に示す。成形密度は、市販の密度測定装置を利用して測定した。
粉末成形体をH2雰囲気中で850℃まで昇温し、その後、真空(VAC)に切り替えて、真空(VAC)中(最終真空度:0.01Pa)、850℃×2Hrで熱処理(脱水素)した。ここでは、印加する磁場を0T、即ち、磁場を印加しなかった。昇温を水素雰囲気とすることで、十分に高い温度になってから脱水素反応を開始することができ、反応斑を抑制することができる。
得られた磁性部材(希土類-鉄-ホウ素合金材)を2.4MA/m(=30kOe)のパルス磁界で着磁した後、得られた各試料(希土類-鉄-ホウ素系合金磁石)の磁気特性を、BHトレーサ(理研電子株式会社製DCBHトレーサ)を用いて調べた。その結果を表1に示す。ここでは、磁気特性として、残留磁束密度:Br(T)、及び磁束密度Bと減磁界の大きさHとの積の最大値:(BH)max(kJ/m3)を求めた。
Figure 2014160729
《結果》
試料No.13〜No.16、No.20〜No.23、No.27〜No.30、No.41〜No.44、No.48〜No.51は、成形密度が6.28g/cm3以上と高い上に、残留磁束密度が0.90T以上でかつ(BH)maxが125kJ/m3以上であり、磁気特性に優れる結果となった。このような結果となったのは、鉄含有物の(110)面の配向方向の長さと厚さの比が1.5以上5.5以下の薄片を準備すると共に、加圧成形時に0.05T以上0.5T以下の磁場を印加することで、薄片の上記配向方向を一方向に向けた状態で加圧成形できたので、配向性に優れる粉末成形体を作製できたからだと考えられる。そのため、次工程の脱水素処理時に磁場を印加しなくても配向性に優れる磁性部材を作製できたので、磁気特性に優れる希土類磁石を製造できた。特に、試料No.48〜No.51は、試料No.13〜No.16、No.20〜No.23、No.27〜No.30、No.41〜No.44に比べて残留磁束密度及び(BH)maxが高い傾向になるという結果になった。これは、加圧成形時の磁場の印加方向を加圧方向と平行とすることで、加圧方向を垂直とする場合に比べて成形密度を高くできたからだと考えられる。
なお、本発明は、上述した実施形態の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。
本発明の磁性部材は、永久磁石、例えば、各種のモータ、特に、ハイブリッド自動車(HEV)やハードディスクドライブ(HDD)などに具備される高速モータに用いられる永久磁石に好適に利用することができる。本発明の磁性部材の製造方法は、結晶配向度が高く、磁気特性に優れる希土類磁石の素材となる磁性部材の製造に好適に利用することができる。
1 薄片 2 希土類元素の水素化合物の相 3 鉄含有物の相
4 粉末成形体 5 磁性部材(希土類-鉄系合金材) 5´ 希土類-鉄-窒素系合金材
6,6´ 希土類磁石
10 出発合金片

Claims (8)

  1. 磁性粉末を加圧成形してなる粉末成形体に熱処理を施して磁性部材を製造する方法であって、
    Feを含む鉄含有物の相と希土類元素の水素化合物の相とが隣接して存在する組織を有する薄片からなる磁性粉末を準備する準備工程と、
    前記磁性粉末を成形用金型に充填して加圧成形することで粉末成形体を成形する成形工程と、
    前記粉末成形体に、不活性雰囲気中又は減圧雰囲気中、当該粉末成形体の再結合温度以上の温度で熱処理を施して、前記希土類元素と鉄含有物とで構成される希土類-鉄系合金を有する磁性部材を形成する脱水素工程とを備え、
    前記薄片は、当該薄片における前記鉄含有物の(110)面の配向方向の長さをL、当該薄片の厚さをtとすると、L/tの平均が1.5以上5.5以下であり、
    前記成形工程は、前記磁性粉末に0.05T以上0.5T以下の磁場を印加して、前記鉄含有物の(110)面の配向方向が一方向に向くように前記薄片を揃えた状態で行い、
    前記脱水素工程の熱処理は、前記粉末成形体に4T未満の磁場を印加した状態で行う磁性部材の製造方法。
  2. 前記薄片の長さLが、75μm以上1000μm以下である請求項1に記載の磁性部材の製造方法。
  3. 前記脱水素工程の熱処理は、前記粉末成形体に磁場を印加しない状態で行う請求項1または2に記載の磁性部材の製造方法。
  4. 前記成形工程では、磁場の印加方向が、前記磁性粉末の加圧方向と直交する方向である請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁性部材の製造方法。
  5. 前記脱水素工程を経た素材に、窒素元素を含有する雰囲気中、前記希土類-鉄系合金の窒化温度以上窒素不均化温度以下の温度で熱処理を施す窒化工程を備え、
    前記窒化工程の熱処理は、前記素材に3T以上の磁場を印加した状態で行う請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁性部材の製造方法。
  6. 磁性粉末を加圧成形してなる粉末成形体から構成される磁性部材であって、
    前記磁性部材は、
    希土類元素とFeを含む鉄含有物とで構成される希土類-鉄系合金からなり、
    当該磁性部材における希土類-鉄系合金の(110)面の配向方向と平行な断面において、前記希土類-鉄系合金における前記配向方向の長さと、当該配向方向と直交する方向の長さとの比の平均が1.5以上5.5以下となる面を有する磁性部材。
  7. 前記希土類-鉄系合金における(110)面の配向方向の長さが、10μm以上1000μm以下である請求項6に記載の磁性部材。
  8. 前記希土類元素が、Y,La,Pr,Nd,Sm,Dy及びCeから選択される1種以上の元素である請求項6または7に記載の磁性部材。
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