JP2012195392A - R−t−b系永久磁石の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】HDDR磁粉を用い、重希土類元素の使用を抑えつつ、高い保磁力をもったR−T−B系永久磁石の製造方法を提供する。
【解決手段】HDDR法によるR−T−B系粉末(Rは、Nd及び/又はPrをR全体に対して95原子%以上含む希土類元素、TはFe又はFeの一部をCo及び/又はNiで置換した、Feを50原子%以上含む遷移金属元素)と、R’(Nd及び/又はPrをR’全体に対して90原子%以上含み、DyおよびTbを含まない希土類元素)と25原子%以上65原子%以下のAlからなるR’−Al系合金粉末とを準備する。R−T−B系粉末に対するR’−Al系粉末の質量比を1/10以下とした混合粉末を、R214B相のキュリー点以下の温度で成形した圧粉体を550℃以上R’−Al系合金粉末の液相滲み出し開始温度Tp以下で熱間圧縮成形し、不活性雰囲気または真空中において550℃以上900℃以下の温度で熱処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、HDDR処理によって得られた粉末を用いてR−T−B系永久磁石を製造する方法に関する。
高性能永久磁石として代表的なR−T−B系永久磁石(RはNdおよび/またはPrを含む希土類元素、TはFeまたはFeの一部をCoおよび/またはNiで置換したもの、Bはホウ素)は、三元系正方晶化合物であるR214B相(Nd2Fe14B型化合物相)を主相として含み、優れた磁気特性を発揮するため、様々な用途に用いられている。
中でも、近年、ハイブリッド自動車や電気自動車などの駆動モータなど、高温で使用されるR−T−B系永久磁石の需要が拡大している。このような製品に用いられるR−T−B系永久磁石には高い保磁力が要求される。R−T−B系永久磁石の保磁力を高める方法として、R−T−B系永久磁石のRの一部をDyやTbなどの重希土類元素とすることにより、R214B相(主相)の結晶磁気異方性を高めることが一般的に知られている。しかし、DyやTbなどの重希土類元素は地殻存在量が小さな希少元素であり、今後資源枯渇のリスクが顕在化する可能性があると懸念されており、DyやTbを使用せずにR−T−B系永久磁石の保磁力を高める技術が求められている。
R−T−B系永久磁石のなかでも粉末冶金法で作製されるR−T−B系焼結磁石において、原料粉末の粉砕粒径を微細化することでDyやTbを使用せずに保磁力が向上することが非特許文献1などにより知られている。R214B相の結晶粒径を粉末冶金法では困難なサブミクロンサイズまで微細化する方法として知られるHDDR(Hydrogenation−Disproportionation−Desorption−Recombination)処理法は、R−T−B系永久磁石においてDyやTbを使用せずにさらに高い保磁力が得られる可能性をもった技術として注目されており、例えば非特許文献2に開示されている。
HDDR処理法は水素化(Hydrogenation)および不均化(Disproportionation)と、脱水素(Desorption)および再結合(Recombination)とを順次実行するプロセスを意味しており、主にR−T−B系異方性ボンド磁石用の磁石粉末の製造方法として採用されている。公知のHDDR処理によれば、まず、R−T−B系合金のインゴットまたは粉末を、H2ガス雰囲気、またはH2ガスと不活性ガスとの混合雰囲気中で温度700℃〜1000℃に保持し、上記のインゴットまたは粉末に水素を吸蔵させる。その後、例えばH2圧力が13Pa以下の真空雰囲気、またはH2分圧が13Pa以下の不活性雰囲気で温度700℃〜1000℃で脱水素処理し、次いで冷却する。
上記処理において、典型的には以下の反応が進行する。
まず、所定温度で水素を吸蔵させる熱処理により、水素化および不均化反応が進行して微細組織が形成される。水素化および不均化反応の両方をあわせて「HD反応」と呼ぶ。典型的なHD反応では、Nd2Fe14B+2H2→2NdH2+12Fe+Fe2Bの反応が進行する。
次いで、所定温度で水素を放出させる熱処理により、脱水素ならびに再結合反応が進行する。脱水素ならびに再結合反応をあわせて「DR反応」と呼ぶ。典型的なDR反応では、例えば2NdH2+12Fe+Fe2B→Nd2Fe14B+2H2の反応が進行する。こうして、微細なR214B結晶相を含む合金が得られる。
なお、本明細書ではHD反応を起こすための熱処理を「HD処理」、DR反応を起こすための熱処理を「DR処理」と称する。また、HD処理およびDR処理の両方を行うことを「HDDR処理」と称する。
HDDR処理で得られたR−T−B系HDDR磁石粉末(以下、「HDDR磁粉」と称する)は、結晶粒径が0.1μm〜1μmであり、粉末ながら大きな保磁力を有し、磁気的な異方性を示している。しかし、HDDR処理のみではハイブリッド自動車や電気自動車用の駆動モータなどでの使用に耐えうる保磁力を有する磁粉を得ることが困難であった。
これに対し、得られたHDDR磁粉に別の材料を混合または被覆して熱処理することにより保磁力を向上させる方法がこれまでにいくつか提案されている。
特許文献1には、Nd、Dy、Tb、もしくはPr、またはそれらを含有する合金によるコーティング層を異方性希土類磁石粉末の表面に形成することが記載されている。具体的には、これらの元素と融点TMが500℃≦TM≦TH+100℃(THはHDDR処理温度)の前記元素を含有する合金の粉末を用意し、異方性希土類磁石粉末と混合して熱処理することが記載されている。上記の元素が異方性希土類磁石粉末表面に拡散されると、保磁力が向上する。熱処理温度TDは、400℃≦TD≦TH+50℃の条件を満足するように設定される。特許文献1の実施例では、上記合金の例として、特定組成のNdCo合金やDyCo合金が使用されている。
特許文献2には、R−Fe−B系材料の水素化物粉末に、Dy、Tb、Nd、Prなどの単体、合金、化合物、またはそれらの水素化物の粉末を混合して拡散熱処理を行った後、脱水素工程を行う方法が記載されている。上記の合金、化合物、水素化物が3d遷移元素および4d遷移元素の1種以上を含むことが好適であると記載されている。特に、Fe、Co、Niが磁気特性の向上を図る上で有効であることが開示されている。実施例では、上記合金の例として特定組成のNdCo合金やDyCo合金が開示されている。
HDDR磁粉においても、希少な重希土類元素を用いずに保磁力を向上させることは重要であり、特許文献1、2や非特許文献3においても、DyやTbを用いずにNdやPrを含む異種材料をHDDR磁粉に混合して熱処理する方法が示されている。このときの異種材料としては比較的低温で液相が発現する合金が用いられている。これは、低温で発生した液相がHDDR磁粉の表面もしくは内部に拡散して保磁力を向上させていると理解することが出来る。
特許文献3では、Dy、Tb、Ho、Er、Tm、Gd、Nd、Sm、Pr、Ce、La、Y、Zr、Cr、Mo、V、Ga、Zn、Cu、Mg、Li、Al、Mn、Nb、Tiの中から選択される少なくとも一種の金属蒸気を、磁粉に付着させて熱処理・拡散を行うことにより、磁気特性、耐食性および耐候性が向上することが開示されている。Dy、Tb等が磁粉の粒界に拡散することにより、磁気特性の優れた磁石が得られると記載されている。
特許文献4は、HDDR磁石粉末をアルミニウム膜で被覆した後、450℃〜600℃で熱処理を行うことを開示している。
非特許文献3には、HDDR磁粉と共晶組成近傍のNd−Cu合金を混合して熱処理することで重希土類元素を用いずに保磁力が向上することが開示されている。特に、Nd−Cu合金が熱処理温度で溶融し、HDDR磁粉に拡散したためにNd−rich相が増加して保磁力が向上したと考察されている。
また通常、HDDR磁粉は、結合樹脂(バインダ)と混合され、混合物(コンパウンド)を作製後、磁界中で圧縮成形や射出成形を行うことにより、異方性ボンド磁石として使用される。しかし、ボンド磁石は磁石全体に占める磁粉の体積比率が最大で80%程度であり、磁粉の体積比率が高い磁石を得るためにホットプレスなどの熱間圧縮成形によって結晶粒径を維持したままバルク磁石を得る方法が提案されている。このとき、十分に緻密化されたバルク体を得るためには、一般的に磁粉中の希土類リッチ相の一部が融解する550℃以上の温度で熱間圧縮成形することが必要となる。一方、HDDRプロセスで得られる微細な結晶粒を維持しながら緻密化を行う必要があることから、典型的な熱間圧縮成形温度の上限は900℃程度である。
特許文献5は、HDDR法により製造されるものを含む希土類磁石粒子と10〜500μmのAl粉末を混合してホットプレスすることで希土類磁石粒子とAl粉末の境界部分に希土類元素およびAlを含む酸化物が形成され、着磁による体積変化を低減させるとともに優れた磁気特性が維持されることを開示している。
特開2000−96102号公報 特開2002−93610号公報 特開2008−69415号公報 特開2005−15918号公報 特開2010−109098号公報
小林久理眞,高野隆之,佐川眞人, 電気学会マグネティックス研究会資料,MAG―05―118(2005) 広沢哲,西内武司,大久保忠勝,Li Wanfang, 宝野和博,山崎二郎,竹澤昌晃,隅山兼冶,山室佐益,日本金属学会誌 vol.73 p.135(2009) H.Sepehri−Amin,T.Ohkubo,T.Nishiuchi,S.Hirosawa,K.Hono,Scripta Materialia vol.63 p.1124(2010)
HDDR磁粉を用いて、ハイブリッド自動車や電気自動車などの駆動モータなどで使用されるR−T−B系磁石に要求される磁気特性を有する磁石を得るためには、例えば前述の特許文献1〜4や非特許文献3に記載の保磁力向上手段を施したHDDR磁粉を用い、前述した熱間圧縮成形などを用いて、緻密な磁石を作製することが考えられる。この場合、典型的なボンド磁石よりも高い6.45g/cm3以上の密度になるように緻密化することが望ましい。6.45g/cm3の密度は、真密度を7.6g/cm3としたときの約85%の相対密度に相当する。
しかし、発明者らが特許文献1〜3に記載されているような拡散処理で得られた磁粉は、典型的な熱間圧縮成形の温度よりも低い温度で多量の液相が生成するため、そのような磁粉に熱間圧縮成形を適用すると、緻密化に伴って、この液相が成形体の外に滲み出し、滲み出した液相が金型と反応して磁石と金型が固着してしまうことにより、緻密な磁石を安定に生産できないことが分かった。
また、特許文献4に記載されているHDDR磁粉に対するAlの被覆処理は、生産工程において大幅なコスト増大を招いてしまう。さらに発明者らの検討によると、HDDR磁粉とAlを混合して熱処理した場合の保磁力の向上効果は大きくなく、条件によっては逆に保磁力が低下することが分かった。したがって、特許文献4記載のHDDR磁粉に熱間圧縮成形を適用しても、目的とする高い保磁力を有するバルク磁石を得ることはできない。
さらに、特許文献5記載のバルク磁石においてHDDR磁粉とAl粉末の混合粉末をホットプレスすることの主な効果は着磁による体積変化を低減させるということである。磁気特性に着目すると、HDDR磁粉の保磁力は維持されるだけで、保磁力を向上できるということは示されていない。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その主な目的は、HDDR磁粉を用いて、資源的に希少な重希土類元素の使用を極力抑えつつ、高い保磁力をもったバルク状のR−T−B系永久磁石を安定的に生産することができる製造方法を提供することにある。
本発明によるR−T−B系永久磁石の製造方法は、HDDR法によって作製されたR−T−B系HDDR磁石粉末(Rは希土類元素であって、Ndおよび/またはPrをR全体に対して95原子%以上含む希土類元素、TはFeまたはFeの一部をCoおよび/またはNiで置換したものであり、Feを50原子%以上含む遷移金属元素)を準備する工程Aと、R’(R’は希土類元素であって、Ndおよび/またはPrをR’全体に対して90原子%以上含み、DyおよびTbを含まない希土類元素)とAlからなり、かつ、Alが25原子%以上65原子%以下であるR’−Al系合金粉末を準備する工程Bと、前記R−T−B系HDDR磁石粉末と前記R’−Al系合金粉末とを、前記R−T−B系HDDR磁石粉末に対する前記R’−Al系合金粉末の質量比が1/10以下となるように混合して混合粉末を準備する工程Cと、前記混合粉末をR−T−B系HDDR磁石粉末に含まれるR214B相のキュリー点以下の温度で磁界中成形して圧粉体を準備する工程Dと、前記圧粉体を550℃以上で、且つ前記R’−Al系合金粉末の液相滲み出し開始温度Tp(TpはR’−Al系合金の選択された組成における固相線温度から115℃低い温度)以下の温度で熱間圧縮成形して熱間圧縮成形体を準備する工程Eと、前記熱間圧縮成形体を不活性雰囲気または真空中において、550℃以上900℃以下の温度で熱処理する工程Fとを含む。
ある好ましい実施形態において、前記R−T−B系HDDR磁石粉末がDyおよびTbを含有していない。
ある好ましい実施形態において、前記工程Bは、急冷法によってR’−Al系合金を作製する工程b1と、前記R’−Al系合金を粉砕する工程b2とを含む。
ある好ましい実施形態において、前記工程Dと前記工程Eとを同一装置内で実行する。
本発明によると、従来に比べ資源的に希少な重希土類元素の使用を極力抑えつつ高い保磁力を有するバルク状のR−T−B系永久磁石を、熱間圧縮成形時に液相の滲み出しによって引き起こされる問題を回避して安定的に生産することができる製造方法が提供される。
本発明の実施形態において、R−T−B系永久磁石の製造方法に用いられるホットプレス装置の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態において、R−T−B系永久磁石の製造方法における固相線温度,および液相滲み出し温度Tpを読み取るためのR’(ここではNd)―Al系合金の二元系状態図である。
発明者らは、非特許文献3に記載されるように、HDDR磁粉とNd80Cu20合金を混合した混合粉末を熱処理することで、資源的に希少な重希土類元素を用いることなく保磁力を高めた磁粉が得られることに着目し、非特許文献3に記載のHDDR磁粉の保磁力向上効果をバルク磁石で得るべく、HDDR磁粉に対し、Nd80Cu20合金粉末を質量比で1/10の割合で混合して熱処理した磁粉をホットプレスすることによるバルク化を試みた。しかし、この方法においても、熱処理した磁粉にはNd80Cu20によって低融点の希土類リッチ相が大量に形成されたため一般的な熱間圧縮成形温度(550℃〜900℃)でホットプレスすると、ホットプレス中に大量の液相が生成し、生成した液相が成形体の外部に滲み出して液相が金型と反応し、サンプルが金型と固着して取り出せなくなることが分かった。
また、その問題を回避するためにHDDR磁粉とNd80Cu20合金を混合した混合粉末を比較的低い温度でホットプレスすることを試みたが、Nd80Cu20合金はHDDR磁粉の一般的な熱間圧縮成形温度(550℃〜900℃)よりも低温である520℃で液相が生成する合金であるため、熱処理を行った磁粉と同様の問題が起こることが分かった。また、ホットプレス温度が550℃よりも低い温度では真密度(7.6g/cm3)の約85%に相当する6.45g/cm3未満までしか高密度化できず、結果、ボンド磁石と同等もしくはそれ以下の磁化の低いサンプルしか得られなかった。すなわち、非特許文献1に記載されるような従来のHDDR磁粉や熱処理前の混合粉末は、熱間圧縮成形によるバルク化に適した磁粉とは言えなかった。
発明者らは、R’−Al系合金(R’は希土類元素であって、Ndおよび/またはPrをR’全体に対して90原子%以上含み、DyおよびTbを含まない希土類元素)が、Nd80Cu20合金と同様に保磁力を高める効果があることを見出した。そのなかでも、例えばNd60Al40のようなある程度高い温度(795℃)まで液相が生成しない組成の合金をHDDR磁粉と混合し、このような合金の固相線温度よりも低い温度でホットプレスを行い、その後R’−Al系合金の拡散のための熱処理を行う方法を着想した。
このような着想に基づいて詳細な検討を行った結果、HDDR磁粉とR’−Al系合金の比率を特定の値とし、特定組成のR’−Al系合金の固相線温度よりも115℃低い温度(Tpと表す)以下でホットプレスすることで成形体からの液相の滲み出しが起こらずに安定してホットプレスによる高密度化ができることを見出した。さらに、ホットプレスで得られたバルク体を、550℃以上900℃以下の温度で熱処理することで高い保磁力を示すバルク磁石が得られることを見出し、この発明を完成するに至った。
以上のようにしてなされた本発明のR−T−B系永久磁石の製造方法は、HDDR処理によって作製されたR−T−B系HDDR磁石粉末(Rは希土類元素であって、Ndおよび/またはPrをR全体に対して95原子%以上含む希土類元素、TはFeまたはFeの一部をCoおよび/またはNiで置換したものであり、Feを50原子%以上含む遷移金属元素)を準備する工程Aと、R’(R’はNdおよび/またはPrをR’全体に対して90原子%以上含み、DyおよびTbを含まない希土類元素)とAlからなり、かつ、Alが25原子%以上65原子%以下であるR’−Al系合金粉末を準備する工程Bと、前記R−T−B系HDDR磁石粉末とR’−Al系合金粉末とをR’−Al系合金粉末/R−T−B系HDDR磁石粉末(質量比)が1/10以下となるように混合し、混合粉末を準備する工程Cと、前記混合粉末をR−T−B系HDDR磁石粉末に含まれるR214B相のキュリー点以下の温度で磁界中成形して圧粉体を準備する工程Dと、前記圧粉体を550℃以上で、且つ前記R’−Al系合金粉末の液相滲み出し開始温度Tp(TpはR’−Al系合金の選択された組成における固相線温度から115℃低い温度)以下の温度で熱間圧縮成形して熱間圧縮成形体を準備する工程Eと、前記熱間圧縮成形体を不活性雰囲気または真空中において、550℃以上900℃以下の温度で熱処理を行う工程Fとを含む。
好ましい実施形態において、前記R−T−B系HDDR磁石粉末がDyおよびTbを含有していない。
好ましい実施形態において、前記工程Bは、急冷法によってR’−Al系合金を作製する工程b1と、前記R’−Al系合金を粉砕する工程b2とを含む。
好ましい実施形態において、前記工程Dと前記工程Eとを同一装置内で実行する。
以下に、本発明によるR−T−B系永久磁石の製造方法の実施形態を説明する。
<R−T−B系HDDR磁石粉末>
R−T−B系HDDR磁石粉末(HDDR磁粉)を準備する(工程A)。本発明の好ましい実施形態で用いるR−T−B系HDDR磁石粉末は、原料合金(出発合金)を公知の方法で粉砕して作製した原料粉末に対し、HDDR処理を施すことによって作製される。以下、R−T−B系HDDR磁石粉末を作製するための各工程を詳細に説明する。
<原料合金>
まず、硬磁性相としてR214B相(Nd2Fe14B型化合物相)を有する原料合金を用意する。ここで、「R」は、希土類元素であり、Ndおよび/またはPrを95原子%以上含む。本明細書における希土類元素RはY(イットリウム)を含んでいてもよい。「T」は、FeまたはFeの一部をCoおよび/またはNiで置換したものであり、Feを50原子%以上含む遷移金属元素である。「B」はホウ素でありその一部をC(炭素)で置換してもよい。原料合金は、R214B相を50体積%以上含むことが好ましい。より高い残留磁束密度Brを得るためには、R214B相を80体積%以上含むことが好ましい。
原料合金に含まれる希土類元素Rの大部分は、R214B相を構成しているが、一部は、希土類リッチ相やR23相や、その他の相を構成している。原料合金に占める希土類元素Rの組成比率は、11原子%以上16原子%以下であることが好ましい。希土類元素Rの組成比率が11原子%未満の場合は、HDDR処理によって微細結晶粒を得ることが困難となり、本発明の効果が得られない。一方、希土類元素Rの組成比率が16原子%を超えると、磁化の低下を招来するだけでなく、熱間圧縮成形時にHDDR磁粉から生成する液相の滲み出しが起こってしまう。希土類元素Rの組成比率のより好ましい範囲は、12原子%以上15原子%以下である。
原料合金に含まれる希土類元素Rの一部(R全体の5原子%程度)をDyおよび/またはTbとすることにより、R−T−B系HDDR磁石粉末の保磁力を更に高めることもできる。したがって、本発明では、希土類元素Rの一部としてDyおよび/またはTbを添加することを必ずしも排除しない。しかしながら、高価で希少元素であるDy、Tbの使用量を極力抑えるという観点からは、Dyおよび/またはTbを添加する場合でも、その添加量をR全体の5原子%以下で制限することが好ましく、Ndおよび/またはPrがR全体の95原子%以上を占めていることが好ましい。希少元素の使用量低減という観点から、希土類元素Rは、DyやTbを不可避の不純物レベル(例えば、0.1質量%未満)以上に含まないことがより好ましい。本発明によれば、R’−Al系合金を用いてR−T−B系HDDR磁石粉末の粒界相を改質し、それによって保磁力を向上させることが可能になるため、DyおよびTbの添加量を低減しても高保磁力化を達成することができる。
原料合金に含まれるBの組成比率が低すぎると保磁力を低下させるR217相等が生成し、高すぎると非磁性相であるBリッチ相等が増加して残留磁束密度Brが低下する。このため、原料合金に含まれるBの組成比率は5原子%以上10原子%以下であることが好ましい。Bの組成比率は、5.8原子%以上8原子%以下であることがより好ましく、6原子%以上7.5原子%以下であることがさらに好ましい。
Tは残余を占める。前述したとおり、Tは、FeまたはFeの一部をCoおよび/またはNiで置換したものであり、Feを50原子%以上含む遷移金属元素である。キュリー点を高めること、耐食性を高めることなどを目的としてTの一部をCoおよび/またはNiとすることがある。R214B相の飽和磁化を高めるという観点から、NiよりもCoを選定することが望ましい。また、合金全体に対するCoの総量は、コストなどの観点から、20原子%以下であることが好ましく、8原子%以下であることがさらに好ましい。Coを全く含有しない場合でも高い磁気特性は得られるが、1原子%以上のCoを含有すると、より安定した磁気特性を得ることができる。
磁気特性向上などの効果を得るため、原料合金にAl、Ti、V、Cr、Ga、Nb、Mo、In、Sn、Hf、Ta、W、Cu、Si、Zrなどの元素を適宜添加してもよい。ただし、添加量の増加は、特に飽和磁化の低下を招くため、総量が10原子%以下とすることが好ましい。特に、V、Ga、In、Hf、Taは高価なため、コストなどの観点から1原子%以下の添加が好ましい。
原料合金はブックモールド法や遠心鋳造法、ストリップキャスト法など公知の方法によって作製され得る。ただし、HDDR処理後にR−T−B系永久磁石粉末の各粒子が優れた磁気的異方性を示すためには、HDDR処理前の原料粉末粒子中に存在する結晶粒の磁化容易軸が一方向にそろっている必要がある。理想的には一つの原料粉末粒子中に存在するR214B相は一つである。このため、粉砕する前の段階において、多結晶状態にある原料合金中でR214B相のサイズが、粉砕後の原料粉末粒子の粒子径よりも大きな組織になっていることが好ましい。
ブックモールド法や遠心鋳造法によってR214B相を粗大化させた原料合金を作製した場合、鋳造の初晶であるα−Feを完全除去することが困難である。このため、原料合金における組織均質化などを目的として、粉砕前の原料合金に対して熱処理を施すことが好ましい。このような熱処理は、真空または不活性雰囲気において、典型的には1000℃以上の温度で実行され得る。
<原料粉末>
次に、原料合金を公知の方法で粉砕することにより原料粉末を作製する。本実施形態では、まず、ジョークラッシャなどの機械的粉砕法や公知の水素粉砕法などを用いて原料合金を粉砕し、大きさ50μm〜1000μm程度の原料粉末を作製する。
<HDDR処理>
次に、上記粉砕工程によって得られた原料粉末に対し、HDDR処理を施す。HD反応のための昇温工程は、水素分圧5kPa以上500kPa以下の水素ガス雰囲気または水素ガスと不活性ガス(ArやHeなど)の混合雰囲気、不活性ガス雰囲気、真空中のいずれかで行う。昇温工程を不活性ガス雰囲気または真空中で行うと、昇温時の反応速度制御の困難性に起因する磁気特性低下を抑制することができる。
HD処理は、水素分圧5kPa以上500kPa以下の水素ガス雰囲気または水素ガスと不活性ガス(ArやHeなど)の混合雰囲気で、700℃以上1000℃未満で行う。HD処理時の水素分圧は5kPa以上200kPa以下がより好ましい。処理温度は700℃以上900℃以下であることがより好ましい。HD処理に要する時間は、15分以上10時間以下であり、典型的には30分以上5時間以下の範囲に設定される。なお、R−T−B系合金中のTにおける、Co量が合金全体の組成に対し、3原子%以下の場合は、昇温時の雰囲気を50kPa以下の水素分圧、もしくは、不活性ガスや真空中で行なうことが好ましく、より好ましくは昇温時の水素分圧を5kPa以上50kPa以下、更に好ましくは、10kPa以上50kPa以下とすることにより、HDDR処理後に優れた磁気特性(高い残留磁束密度)を得ることができる。
HD処理のあと、DR処理を行う。HD処理とDR処理は同一の装置内で連続的に行うこともできるが、別々の装置を用いて不連続に行うこともできる。
DR処理は、真空または不活性ガス雰囲気下において700℃以上1000℃未満で行う。処理時間は、通常、15分以上10時間以下であり、典型的には30分以上2時間以下の範囲に設定される。なお、雰囲気を段階的に制御する(例えば水素分圧を段階的に下げたり、雰囲気圧力を段階的に下げたりする)ことができることは言うまでもない。
<R’−Al系合金粉末>
R’−Al系合金粉末を準備する(工程B)。本発明の好ましい実施形態に用いられるR’−Al系合金粉末は、R’とAlと不可避に含まれる不純物からなり、Alが25原子%以上65原子%以下である合金の粉末である。
R’はNdおよびPrの少なくとも一方を主な元素として含む希土類元素である。具体的には、R’は、Ndおよび/またはPrをR’全体に対して90原子%以上含むとともに、不可避の不純物レベル(例えば、0.1質量%未満)以上のDyおよびTbを含まない。R’全体に占めるNdおよびPrの合計の割合は、97原子%以上であることがより好ましい。
R’−Al系合金粉末中のAlは25原子%以上65原子%以下である。R’−Al系合金粉末中のAlが25原子%未満の場合、HDDR磁粉との混合粉末を550℃以上で熱間圧縮成形した場合には熱間圧縮成形時に液相が滲み出して試料の保磁力が低下したり、金型を使用した場合に試料が金型に固着して抜き出せなくなったりする。また、R’−Al系合金粉末中のAlが65原子%超の場合、保磁力が十分に向上しないか、逆に保磁力が低下してしまう。保磁力の向上効果の観点から、R’−Al系合金粉末中のAlの範囲は25原子%以上60原子%以下がより好ましい。
R’−Al系合金粉末の製造方法は特に限定されず、公知の合金粉末作製方法を用いて作製することができる。R−T−B系HDDR磁石粉末と混合して熱間圧縮成形したときの反応をより均一に進行させるためには、R’−Al系合金の組織を微細かつ均一にすることが好ましい。このような観点から、R’−Al系合金の作製方法としてストリップキャスト法、メルトスピニング法、双ロール法などの急冷法で合金を作製し、得られた急冷合金を粉砕する方法を採用することが好ましい。
R’−Al系合金粉末は、粉末の粒度が比較的大きい、例えば、JIS Z8801のふるいで分級したとき25μm以上の粉末の割合が50質量%以上の粉末を用いた場合にも、HDDR磁粉と混合して熱間圧縮成形およびその後の熱処理を行うことによって、保磁力向上の効果が得られる。このような粒度の粉末は、R’−Al系合金が活性であることに起因する酸化の抑制や安全性の確保等の観点で有効である。無論、HDDR磁粉との均一混合を目的として、より微細な粉末を用いてもよい。
R’−Al系合金の粉砕は、後述するHDDR磁粉との混合(工程C)と同時に行ってもよい。このようにすることにより、工程数を減らすことができる。また、HDDR磁粉の粉砕が更に進行するため、より均一にR’−Al系合金と混合される。このことは、R’−Al系合金からHDDR磁粉への元素拡散の効果を増大させることにも寄与する。
<混合>
HDDR磁粉とR’−Al系合金粉末の混合(工程C)は、ミキサー等の公知の技術を用いて行えばよい。また、前記のとおり、R’−Al系合金を粉砕しながらHDDR磁粉との混合を同時に行ってもよい。具体的には、HDDR処理後のHDDR磁粉とR’−Al系合金の粗粉砕物を混合して粉砕する。
R’−Al系合金とHDDR磁石粉末の混合比(R’−Al系合金粉末/HDDR磁粉)は、質量比で1/10以下である。発明者らの検討によると、1/10よりもR’−Al系合金の混合比率が大きくなると、熱間圧縮成形後のサンプルがその後の熱処理によって膨張して密度が低下してしまうという予想外の現象が起こり、最終的に得られるサンプルの密度は低くなってしまう。また、1/80よりも混合比が小さくなると保磁力向上効果が顕在化しないため、混合比の範囲は1/80から1/10が好ましい。より好ましい混合比の範囲は、1/50から1/10である。
HDDR磁粉とR’−Al系合金粉末の混合粉末全体の組成に対する、希土類元素(R+R’)の組成比率は、12原子%以上25原子%以下であることが好ましい。希土類元素Rの組成比率が12原子%未満の場合は、R214B相の粒界に希土類リッチ相が十分に形成されないために、高い保磁力を得ることが困難である。一方、希土類元素Rの組成比率が高くなると磁化の低下を招来する。例えば、希土類元素Rの組成比率が25原子%を超えると、Dyの添加によって得られる従来の高保磁力磁石の磁化の値よりも小さくなってしまう。希土類元素(R+R’)の組成比率は、12.5原子%以上23原子%以下がより好ましい。
HDDR磁粉とR’−Al系合金粉末の混合粉末全体の組成に対する、Alの比率は、0.05原子%以上10原子%以下であることが好ましい。0.05原子%未満の場合は、主相(R214B相)の粒界の希土類リッチ相組成が適正化されないために、高い保磁力向上効果を得ることが困難である。一方、Alの割合が10原子%を超えると主相(R214B相)中のTに置換するAl量が多くなるため飽和磁化が大きく低下する。Alの組成比率は0.1原子%以上9原子%以下であることがより好ましい。
<磁界中成形>
前記混合粉末を用いて圧粉体(コンパクト)を作製する(工程D)。異方性バルク磁石を製造するために、磁界中で混合粉末をプレス成形する。例えば、10MPa〜200MPaの圧力を印加し、0.5T〜20Tの磁界中(静磁界、パルス磁界など)でプレス成形する。成形は、公知の粉末プレス装置によって行うことができる。粉末プレス装置から取り出したときの圧粉体密度(成形体密度)は、例えば3.5g/cm3〜5.2g/cm3(真密度を7.6g/cm3とすると、その46%〜68%)程度である。
また、上記の圧粉体の作製工程を、後述するホットプレス装置内で実施し、連続的に熱間圧縮成形してもよい。
このような圧粉体の作製がHDDR磁粉に含まれるR214B相のキュリー点を超える温度で行われると、磁界によってHDDR磁粉の結晶方位を所定方向に揃えることができなくなる。したがって、異方性バルク磁石を得るには、磁界中プレスによる圧粉体の作製を、HDDR磁粉に含まれるR214B相のキュリー点以下の温度で行う必要がある。HDDR磁粉に含まれるR214B相のキュリー点は、HDDR磁粉の組成によって適宜決定される。圧粉体を作製するとき、HDDR磁粉に含まれるR214B相のキュリー点を超えるような温度にならない限り、HDDR磁粉は何らかの理由で加熱されていてもよい。しかし、HDDR磁粉が加熱される場合、圧粉体の作製は真空中または不活性ガス中で行われることが好ましい。大気などの雰囲気中では、酸化によって磁気特性が低下してしまう可能性があるからである。このため、圧粉体の作製を行うときの好ましい温度は、室温程度である。
<熱間圧縮成形>
次に得られた圧粉体に対して熱間圧縮成形を行う(工程E)。熱間圧縮成形としては公知のホットプレス装置やパルス通電焼結装置(PAS)(放電プラズマ焼結装置(SPS)とも呼ぶ)、熱間静水圧プレス装置(HIP)など圧粉体中の粒子の塑性変形や原子拡散が顕在化する温度で圧粉体を圧縮できる装置を採用することができる。
図1に、本発明における実施形態のR−T−B系永久磁石の製造方法に用いられるホットプレス装置の一例を模式的に示す。このホットプレス装置は、高周波加熱による高速加熱(昇温速度5℃/秒以上)と、ヘリウムガスによる高速冷却(降温速度5℃/秒以上)とが可能であり、HDDR磁粉とR’−Al系合金粉末の混合粉末を15分以内で熱間圧縮成形することができる。
図1のホットプレス装置は、一軸プレス装置であり、HDDR磁粉とR’−Al系合金粉末の混合粉末の圧粉体を受容する開口部(キャビティ)を中央に有する金型(ダイス)2と、HDDR磁粉とR’−Al系合金粉末の混合粉末の圧粉体を加圧するための上部パンチ3aおよび下部パンチ3bと、上部パンチ3aを昇降させる加圧シリンダー5とを備えている。加圧シリンダー5には加圧機構7から圧力が与えられる。上部パンチ3aの位置は変位計10によって測定される。なお、図示しないが、加圧シリンダーは下部パンチ3bを昇降させるように設けても良い。
金型(ダイス)2およびパンチ部3a、3bは、チャンバ1内に配置されており、チャンバ1内は真空装置8で真空に引くことによって真空状態にするか、またはヘリウムガス供給源(例えばボンベ)9から供給されるヘリウムガスによって充たされる。チャンバ1内をヘリウムガスで充たすことによって、粉末や圧粉体が酸化されることを防止することができる。また、ヘリウムガスを供給することによって、チャンバ1内の雰囲気の温度を高速(降温速度5℃/秒以上)で低下させることもできる。
金型(ダイス)2の周囲には高周波コイル4が設けられており、高周波電源6から供給される高周波電力によって金型2および金型2内のHDDR磁粉とR’−Al系合金粉末の混合粉末の圧粉体を高速加熱(昇温速度5℃/秒以上)することが出来る。
金型(ダイス)2およびパンチ3a、3bは、使用する雰囲気ガス中で、最高到達温度(550℃〜900℃)および最高印加圧力(20MPa〜2000MPa)に耐えうる材料、例えばカーボンや超硬合金で形成されている。
本発明の実施形態の一例として用いるホットプレス装置では、高周波加熱により、HDDR磁粉とR’−Al系合金粉末の混合粉末の圧粉体を5℃/秒以上の昇温速度で550℃以上900℃以下の範囲内の所定の温度に加熱することができる。
本発明の実施形態の一例では、HDDR法によって作製されたHDDR磁粉とNd−Al系合金粉末の混合粉末の圧粉体を金型内に挿入し、図1に示すように、ホットプレス装置内に設置して、装置内を1×10-2Pa以下まで排気した後、その後昇温を行う。なお、昇温時は加圧しても加圧しなくても構わない。
その後、温度が550℃以上Tp(TpはR’−Al系合金の選択された組成における固相線温度から115℃低い温度)以下の温度でホットプレスを行う。固相線温度は、示差熱分析(DTA)や示差走査熱量分析(DSC)などを用いて求めてもよい。具体的には示差熱分析(DTA)や示差走査熱量分析(DSC)にて加熱過程において吸熱反応が始まる温度を測定する。ただし、サンプルによっては温度が固相線に到達して液相が生成することによる吸熱反応よりも低温において、固相−固相変態による吸熱反応が見られる場合もあるため、加熱前後の試料の組織観察により液相が生成していることを確認する。このように固相線温度は、測定によって求めることもできるが、平衡状態図が入手できる場合にはそれを用いて読み取るのが簡便である。例えばR’=Ndの場合には、Nd―Al系合金の二元系状態図(例えば「Binary Alloy Phase Diagrams, II Ed., Ed. T.B. Massalski,1990,1, 181-182,Gschneidner K.A. Jr.」)から読み取れる。図2に、「Binary Alloy Phase Diagrams, II Ed., Ed. T.B. Massalski,1990,1,181-182,Gschneidner K.A. Jr.」を参考としたNd−Al系合金の二元系状態図を示す。Nd66.7Al33.3〜Nd50Al50の組成における固相線温度は795℃と読み取れるため、液相滲み出し温度Tpは795−115=680℃となる。
なお、Tpを超える温度でホットプレスを行うと液相が滲み出して、サンプルが抜け出し難かったり高い保磁力が得られなかったりする。R’(この場合Nd)−Al系合金の固相線温度ではなく、それよりも115℃低いTpを越える温度で液相が滲み出す原因は、混合したHDDR磁粉から生成する液相とR’−Al系合金がTpを越える温度で顕著に反応して大量の液相が生成するからであると考えられる。
熱間圧縮成形時の温度を規定したTpは、固相線温度によって適宜規定されるが、その値は550℃以上900℃以下が好ましい。550℃未満ではHDDR磁粉が、6.45g/cm3(真密度を7.6g/cm3としたときの相対密度約85%に相当)未満の密度までしか緻密化しないため、その後の熱処理によって試料が膨張し、最終的にボンド磁石で作製できる程度である6.08g/cm3(真密度を7.6g/cm3としたときの相対密度約80%に相当)以下の密度しか得られず、900℃を超えるとHDDR磁粉中のR214B相が結晶粒成長してしまい、保磁力の低下を招来するからである。
所定温度に達した後の保持時間は、1分以上240分以下が好ましい。保持時間が1分未満では、緻密化が十分に進行せず、また、240分を超えると、生産性の低下を招くからである。
ホットプレス時の圧力は、20MPa以上2000MPa以下が好ましく、50MPa以上1000MPa以下がより好ましい。圧力が20MPaよりも小さいときは緻密化が十分に起こらない可能性があり、2000MPaを超えると、用いることのできる金型の材質などに制約が生じる。
<熱処理>
熱間圧縮成形を行っただけの熱間圧縮成形体(以下、「ホットプレス体」と称する)は液相の滲み出しを抑制しながら緻密化させたためにR’−Al系合金粉末がR214B相の結晶粒界に十分に拡散していない。そこで、ホットプレス体を真空中、あるいは不活性ガス中にて550℃以上900℃以下の温度で熱処理する(工程F)。熱処理温度550℃未満では、R’−Al系合金粉末の拡散が十分に進行しないためにサンプルの保磁力が十分向上しない。また、熱処理温度が900℃を超えると、HDDR磁粉が結晶粒成長してしまい、サンプルの保磁力が低下する。より好ましい熱処理温度の範囲は、550℃以上860℃以下である。熱処理中の酸化を抑制するため、雰囲気はアルゴンやヘリウムなどの不活性ガス雰囲気または真空が好ましい。
また、熱処理時間は1分以上240分以下が好ましい。熱処理時間が1分未満では、十分に拡散が進行せず、また、240分以上では、生産性の低下を招くだけでなく、熱処理時に雰囲気中に存在する極微量の酸素や水分による酸化が起こって磁気特性が低下する可能性があるからである。なお、熱処理は熱間圧縮成形を行った装置内で圧力を除去した状況で実施してもよい。
なお、550℃以上900℃以下の温度での熱処理(工程F)の後に、450℃以上550℃未満であって、かつ、工程Fにおける熱処理温度以下の温度で第2の熱処理を行うこともできる。工程FにおいてR214B相の結晶粒界に希土類リッチ相が形成されるが、第2の熱処理工程において希土類リッチ相の組織を適正化することによって保磁力がさらに向上する。その第2の熱処理工程における熱処理時間は1分以上180分以下が好ましい。熱処理時間が1分未満では、第2の熱処理の効果が得られず、また、180分を超えると、生産性の低下を招くだけでなく、熱処理時に雰囲気中に存在する極微量の酸素や水分による酸化が起こって磁気特性が低下する可能性があるからである。
以下に、本発明による実施例と比較例を示して、本発明による実施形態をより詳細に説明する。
(実験例1)
<R−T−B系HDDR磁石粉末(HDDR磁粉)の作製(工程A)>
Nd13.5Febal.Co86.5(原子%)組成の鋳造合金を作製し、1110℃の減圧アルゴン雰囲気で16時間均質化熱処理を行った後、粉砕して300μm以下の粉末とした後、HDDR処理を行った。HDDR処理は、管状炉にて大気圧アルゴン雰囲気中で840℃まで昇温し、大気圧水素流気に切り換えて、840℃で3時間保持して水素化−不均化(HD)処理を行い、その後、5.33kPaの減圧アルゴン流気に切り換えて、同じ温度で1時間保持することにより、脱水素−再結合(DR)処理を行った後冷却してHDDR磁粉を作製した。得られたHDDR磁粉の保磁力(HcJ)を振動試料型磁力計(VSM、東英工業社製VSM−5−20)で測定した結果、706kA/mであった。
<R’−Al系合金粉末の作製(工程B)>
表2に示す種々の組成のR’―Al系合金を、単ロール急冷法にてロール周速度20m/秒で作製した。アルゴンガスに置換したチャンバ中でコーヒーミルを用いて前記Nd―Al系合金を粉砕した後、150μm以下の粉末を回収してNd−Al系合金粉末を作製した。
得られた粉末のうち、R’−Al系合金粉末5gについて、JIS Z8801のふるいを用いて粒度分布を測定した結果を表1に示す。この粉末は、表1に示されるように、粒径25μm以上の粒子が全体の50質量%以上を占めていた。
なお、R’−Al系合金の固相線温度は、R’がすべてNdであるためNd―Al系合金の二元系状態図「Binary Alloy Phase Diagrams, II Ed., Ed. T.B. Massalski,1990,1,181-182,Gschneidner K.A. Jr.」から読み取った。固相線温度および固相線温度から求めた液相滲み出し開始温度Tpの値を表2に示す。
Figure 2012195392
<R−T−B系HDDR磁石粉末とR’−Al系合金粉末の混合(工程C)>
得られたHDDR磁粉とR’−Al系合金粉末を表2に示す混合比で混合した。混合後のNdおよびAlの組成比率を表2に示す。
<圧粉体の作製(工程D)>
上記混合粉末をプレス装置の金型に充填し、0.8テスラ(T)の磁界中において、室温で、磁界と平行方向に140MPaの圧力を印加して圧粉体を作製した。また、参考例としてNd−Al系合金粉末を混合していないHDDR磁粉のみを用いて上記混合粉末と同様の条件で圧粉体を作製した。
<圧粉体の熱間圧縮成形(工程E)>
上記圧粉体を、磁界中成形の磁界方向とホットプレスのプレス方向が平行になるように超硬合金製の金型の開口部に挿入した。圧粉体を挿入した金型をホットプレス装置内に設置し、1×10-2Pa以下の真空中で表2に示す圧力を印加しながら、高周波加熱により表2に示す温度まで金型を加熱した。温度を表2に示す時間保持し、プレス圧力は温度保持時間終了の10秒前に徐圧した。温度保持時間経過後直ちにチャンバ内にヘリウムガスを導入し冷却した。ホットプレス後のホットプレス体からの液相の滲み出しの有無を確認した結果を表2に示す。また、ホットプレス体の寸法と重量から求めたホットプレス後の密度を表2に示す。また、参考例としてNd−Al系合金粉末を混合していないHDDR磁粉のみの圧粉体に対しプレス圧力586MPa、保持温度630℃、温度保持時間2分でホットプレスを行った結果も表2に示す。
<ホットプレス体の熱処理(工程F)>
ホットプレスによって得られたホットプレス体に対し、表2に示す条件で1Pa以下の真空中で熱処理を行い、サンプルを得た。
<評価>
得られたサンプルの表面を表面研削盤で加工し、寸法および重量から求めた密度を表2に示す。また、4.8MA/mのパルス磁界で着磁した後、BHトレーサ(装置名:MTR−1412(メトロン技研社製))を用いて磁気特性を評価した。結果を表2に示す。表2に示すようにNd−Al合金の固相線温度から求めたTp以上の温度でホットプレスを行ったサンプルNo.1、2、4、6、8、14の場合には液相の滲み出しが起こり、サンプルが抜き出し難かった。また、Nd−Al系合金粉末のAlが65原子%超であるサンプルNo.18の場合には、Nd−Al系合金粉末を混合せずにホットプレスを行った参考例よりも保磁力が低下した。また、ホットプレス温度を550℃未満としたサンプルNo.3、13の場合には、6.45g/cm3(真密度を7.6g/cm3としたときの相対密度約85%に相当)の密度未満までしか緻密化ができなかった。一方、本願発明の製造方法を用いて作製したサンプルNo.5、7、9、10、11、12、15、16、17では、液相の滲み出しを生じずに6.45g/cm3以上の密度まで高密度化することができ、かつNd−Al系合金粉末を混合せずにホットプレスを行った参考例よりも高い保磁力が得られた。
Figure 2012195392
(実験例2)
<R−T−B系HDDR磁石粉末およびR’−Al系合金粉末の作製、混合(工程A〜C)>
実験例1と同一の条件で作製したNd13.5Febal.Co86.5(原子%)組成のHDDR磁粉と実験例1と同一の条件で作製したNd60Al40組成の合金粉末とを表3に示す混合比で混合した。なお、Nd―Al系合金の二元系状態図「Binary Alloy Phase Diagrams, II Ed., Ed T.B. Massalski,1990,1,181-182,Gschneidner K.A. Jr.」から読み取れる、Nd60Al40合金の固相線温度は、795℃、固相線温度から求めた液相滲み出し開始温度Tpは680℃であった。
<圧粉体の作製(工程D)>
上記混合粉末をプレス装置の金型に充填し、0.8テスラ(T)の磁界中において、室温で磁界と平行方向に140MPaの圧力を印加して圧粉体を作製した。また、参考例としてNd−Al系合金粉末を混合していないHDDR磁粉のみを用いて上記混合粉末と同様の条件で圧粉体を作製した。
<圧粉体熱間圧縮成形(工程E)>
上記圧粉体を、磁界中成形の磁界方向とホットプレスのプレス方向が平行になるように超硬合金製の金型の開口部に挿入した。圧粉体を挿入した金型をホットプレス装置内に設置し、1×10-2Pa以下の真空中で586MPaの圧力を印加しながら、高周波加熱により金型を加熱した。保持温度は580℃で昇温速度は10℃/sec、温度保持時間は10分で、保持時間終了の10秒前にプレス圧力を徐圧した。保持時間経過後直ちにチャンバ内にヘリウムガスを導入し冷却した。冷却後のホットプレス体および金型を確認したところ、いずれの条件においても液相の滲み出しは確認されなかった。また、サンプルの寸法と重量から求めたホットプレス後の密度を表3に示す。また、参考例としてNd−Al系合金粉末を混合していないHDDR磁粉のみの圧粉体に対しプレス圧力586MPa、保持温度580℃、温度保持時間10分でホットプレスを行った結果も表3に示す。
<ホットプレス体の熱処理(工程F)>
得られたホットプレス体に対し、1Pa以下の真空中で700℃、150分の熱処理を行い、サンプルを得た。
<評価>
得られたサンプルの表面を表面研削盤で加工し、寸法および重量から密度を求めた。また、4.8MA/mのパルス磁界で着磁した後、BHトレーサ(装置名:MTR−1412(メトロン技研社製))を用いて磁気特性を評価した。結果を表3に示す。表3に示すように、R’−Al系合金粉末とR−T−B系HDDR磁石粉末の混合比が1/3、1/5の場合、工程Fの熱処理でサンプルが膨張して試料密度が低下してしまい6.45g/cm3(真密度を7.6g/cm3としたときの相対密度約85%に相当)未満までの密度しか得られなかったため低い磁化しか得られなかった。混合比が1/10〜1/80において液相の滲み出しを生じることなく真密度の85%(6.45g/cm3)以上まで緻密化し、Nd−Al系合金粉末を混合せずにホットプレスを行った参考例と比較して保磁力が向上することが確認され、特に1/10〜1/50において高い保磁力が得られた。
Figure 2012195392
(実験例3)
<R−T−B系HDDR磁石粉末およびR’−Al系合金粉末の作製、混合(工程A〜C)>
実験例1と同一の条件で作製したNd13.5Febal.Co86.5(原子%)組成のHDDR磁粉と実験例1と同一の条件で作製したNd60Al40組成の合金粉末とを表4に示す混合比で混合した。
なお、Nd―Al系合金の二元系状態図「Binary Alloy Phase Diagrams, II Ed., Ed. T.B. Massalski,1990,1,181-182,Gschneidner K.A. Jr.」から読み取れる、Nd60Al40合金の固相線温度は、795℃、固相線温度から求めた液相滲み出し開始温度Tpは680℃であった。
<圧粉体の作製(工程D)>
上記混合粉末をプレス装置の金型に充填し、0.8テスラ(T)の磁界中において、室温で磁界と平行方向に140MPaの圧力を印加して圧粉体を作製した。また、参考例としてNd−Al系合金粉末を混合していないHDDR磁粉のみを用いて上記混合粉末と同様の条件で圧粉体を作製した。
<圧粉体の熱間圧縮成形(工程E)>
上記圧粉体を、磁界中成形の磁界方向とホットプレスのプレス方向が平行になるように超硬合金製の金型の開口部に挿入した。圧粉体を挿入した金型をホットプレス装置内に設置し、1×10-2Pa以下の真空中で586MPaの圧力を印加しながら、高周波加熱により金型を加熱した。保持温度は580℃で昇温速度は10℃/sec、温度保持時間は10分で、保持時間終了の10秒前にプレス圧力を抜いた。保持時間経過後直ちにチャンバ内にヘリウムガスを導入し冷却した。冷却後のホットプレス体および金型を確認したところ、いずれの条件においても液相の滲み出しは確認されなかった。また、参考例としてNd−Al系合金粉末を混合していないHDDR磁粉のみの圧粉体に対しプレス圧力586MPa、保持温度580℃、温度保持時間10分でホットプレスを行った結果も表4に示す。
<ホットプレス体の熱処理(工程F)>
得られたホットプレス体に対し、1Pa以下の真空中で表4に示すように500℃〜950℃で60分の熱処理を行い、サンプルを得た。
<評価>
得られたサンプルの表面を表面研削盤で加工し、寸法および重量から密度を求めた。また、4.8MA/mのパルス磁界で着磁した後、BHトレーサ(装置名:MTR−1412(メトロン技研社製))を用いて磁気特性を評価した。結果を表4に示す。表4に示すように550℃以上、900℃以下で熱処理したサンプルNo.24、25、26、27において、Nd−Al系合金粉末を混合せずにホットプレスを行った参考例と比較して高い保磁力が得られることを確認した。一方、熱処理温度が550℃未満であるNo.23では熱処理による保磁力向上効果は見られず、また、900℃を越える温度で熱処理したNo.28では粒成長が顕在化して保磁力が大幅に低下した。
Figure 2012195392
本発明は、資源的に希少な重希土類元素の使用を極力抑えつつ、高い保磁力をもったバルク状のR−T−B系永久磁石を安定的に生産することができるため、高保磁力の磁石の製造に広く利用することが可能である
1 チャンバ
2 ダイス
3a 上部パンチ
3b 下部パンチ
4 高周波コイル
5 加圧シリンダー
6 高周波電源
7 加圧機構
8 真空装置
9 ヘリウムガス供給源
10 変位計

Claims (4)

  1. HDDR法によって作製されたR−T−B系HDDR磁石粉末(Rは希土類元素であって、Ndおよび/またはPrをR全体に対して95原子%以上含む希土類元素、TはFeまたはFeの一部をCoおよび/またはNiで置換したものであり、Feを50原子%以上含む遷移金属元素)を準備する工程Aと、
    R’(R’は希土類元素であって、Ndおよび/またはPrをR’全体に対して90原子%以上含み、DyおよびTbを含まない希土類元素)とAlからなり、かつ、Alが25原子%以上65原子%以下であるR’−Al系合金粉末を準備する工程Bと、
    前記R−T−B系HDDR磁石粉末と前記R’−Al系合金粉末とを、前記R−T−B系HDDR磁石粉末に対する前記R’−Al系合金粉末の質量比が1/10以下となるように混合して混合粉末を準備する工程Cと、
    前記混合粉末をR−T−B系HDDR磁石粉末に含まれるR214B相のキュリー点以下の温度で磁界中成形して圧粉体を準備する工程Dと、
    前記圧粉体を550℃以上で、且つ前記R’−Al系合金粉末の液相滲み出し開始温度Tp(TpはR’−Al系合金の選択された組成における固相線温度から115℃低い温度)以下の温度で熱間圧縮成形して熱間圧縮成形体を準備する工程Eと、
    前記熱間圧縮成形体を不活性雰囲気または真空中において、550℃以上で、且つ900℃以下の温度で熱処理する工程Fと、
    を含むR−T−B系永久磁石の製造方法。
  2. 前記R−T−B系HDDR磁石粉末がDyおよびTbを含有していない請求項1に記載のR−T−B系永久磁石の製造方法。
  3. 前記工程Bは、
    急冷法によってR’−Al系合金を作製する工程b1と、
    R’−Al系合金を粉砕する工程b2と
    を含む請求項1に記載のR−T−B系永久磁石の製造方法。
  4. 前記工程Dと前記工程Eとを同一装置内で実行する、請求項1に記載のR−T−B系永久磁石の製造方法。
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