JP6471669B2 - R−t−b系磁石の製造方法 - Google Patents

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本発明は、R−T−B系磁石の製造方法に関する。
R−T−B系磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む)は永久磁石の中で高性能な磁石として知られており、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)、電気自動車用(EV、HV、PHVなど)モータ、産業機器用モータなどの各種モータや家電製品などに使用されている。
R−T−B系磁石は主としてR14B化合物からなる主相とこの主相の粒界部分に位置する粒界相(以下、単に「粒界」という場合がある)とから構成されている。主相であるR14B化合物は高い磁化を持つ強磁性相でありR−T−B系磁石の特性の根幹をなしている。
R−T−B系磁石は高温で保磁力HcJ(以下、単に「保磁力」または「HcJ」という場合がある)が低下するため不可逆熱減磁が起こる。そのため、特に電気自動車用モータに使用される場合、高温下でも高いHcJを有する、すなわち室温においてより高いHcJを有することが要求されている。
R−T−B系磁石において、主相であるR14B化合物中のRに含まれる軽希土類元素(主としてNdおよび/またはPr)の一部を重希土類元素(主としてDyおよび/またはTb)で置換するとHcJが向上することが知られており、重希土類元素の置換量の増加に伴いHcJは向上する。
しかし、R14B化合物中の軽希土類元素を重希土類元素で置換するとR−T−B系磁石のHcJが向上する一方、残留磁束密度B(以下、単に「B」という場合がある)が低下する。また、重希土類元素、特にDyなどは資源存在量が少ないうえ産出地が限定されているなどの理由から供給が安定しておらず、価格が大きく変動するなどの問題を有している。そのため、近年、ユーザーから重希土類元素をできるだけ使用することなくBを低下させずにHcJを向上させることが求められている。
特許文献1には、特定組成の焼結体表面に、特定組成からなり金属間化合物相を70体積%以上含むR −M 合金(15<j≦99、iは残部)を存在させた状態で、当該焼結体の焼結温度以下の温度で真空又は不活性ガス中において1分から30時間熱処理を施して、上記合金に含まれるR及びMの1種又は2種以上の元素を上記焼結体の内部の粒界部および/または焼結体主相内の粒界部近傍に拡散させる手法が開示されている。特許文献1には具体的な実施例として、Nd16Febal.Co1.05.3の焼結体基材にNdAl相を含むNd33Al67合金やNd(Fe,Co,Al)相などを含むNd35Fe25Co20Al20合金を接触させて、800℃、1時間で拡散熱処理することが開示されている。
特許文献2には、Nd−Fe−B系焼結体とPrを含む供給源とを容器内に配置して加熱することにより、Prを磁石内部に供給する手法が開示されている。特許文献2の手法において、条件を適正化することにより、主相結晶粒内へのPrの導入を抑制しながら粒界にのみPrを偏在させることができ、室温のみならず、高温(例えば140℃)での保磁力も改善できることが開示されている。特許文献2には具体的な実施例として、適正量のPrメタル粉末を用いて、660℃〜760℃で加熱することが開示されている。
特許文献3には、RE−T−B系焼結体に、特定の蒸気圧を有するM元素(具体的にはGa、Mn、In)を含み、融点が800℃以下となるRE−M合金を接触させ、M元素の蒸気圧曲線の50〜200℃高い温度で熱処理し、その融液を成形体内に拡散浸透させる希土類磁石の製造方法が開示されている。特許文献3には、M元素が処理中に蒸発することにより磁石内部への導入が抑制され、RE元素のみを効率的に導入されることが示されている。特許文献3には具体的な実施例として、Nd−20at%Gaを用いて850℃で15時間熱処理することが開示されている。
特開2008−263179号公報 特開2014−112624号公報 特開2014−086529号公報
特許文献1〜3に記載される方法は、重希土類元素を全く用いずにR−T−B系磁石を高保磁力化できる点で注目に値する。しかし、近年、電気自動車用モータ等の用途において更に高いHcJを有するR−T−B系磁石が求められている。
本発明は、重希土類元素をできるだけ使用することなく、高いHcJを有するR−T−B系磁石の製造方法の提供を目的とする。
請求項1に記載の本発明のR−T−B系磁石の製造方法は、
R−T−B(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含み、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含み、Bの一部をCで置換することができる)系磁石の製造方法であって、
平均結晶粒径が1μm以下で磁気的異方性を有する、R1−T1−X(R1は希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含み、27mass%以上35mass%以下であり、T1はFeまたはFeとMであり、MはGa、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Agから選択される一種以上であり、XはBでありBの一部をCで置換することができ、[T1]/[X]のmol比が13.6以上である)系合金バルク体を準備する工程と、
R2−Ga−Cu(R2は希土類元素のうち少なくとも一種でありPrおよび/またはNdを必ず含み、65mol%以上95mol%以下であり、[Cu]/([Ga]+[Cu])がmol比で0.1以上0.9以下である)系合金を準備する工程と、
前記R1−T1−X系合金バルク体の表面の少なくとも一部に、前記R2−Ga−Cu系合金の少なくとも一部を接触させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、450℃以上600℃以下の温度で熱処理をする工程と、
を含むことを特徴とする。
請求項2に記載の本発明のR−T−B系磁石の製造方法は、請求項1において、
R1−T1−X系合金バルク体における[T1]/[X]のmol比は14以上であることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明のR−T−B系磁石の製造方法は、請求項1又は2のいずれかにおいて、
R1−T1−X系合金バルク体は重希土類元素を含有していないことを特徴とする。
請求項4に記載の本発明のR−T−B系磁石の製造方法は、請求項1から3のいずれかにおいて、
前記R1−T1−X系合金バルク体が、R14B相を主体とする平均粒子径1μm以上10μm以下の粉末を磁界中成形した後、HDDR処理し、その後、加熱圧縮されたものであることを特徴とする。
請求項5に記載の本発明のR−T−B系磁石の製造方法は、請求項1から3のいずれかにおいて、
前記R1−T1−X系合金バルク体が、R14B相を主体とする平均粒子径20μm以上の合金をHDDR処理した後、得られた粉末を磁界中成形し、その後、加熱圧縮されたものであることを特徴とする。
請求項6に記載の本発明のR−T−B系磁石の製造方法は、請求項1から3のいずれかにおいて、
前記R1−T1−X系合金バルク体が、超急冷法によって作製された合金を熱間加工されたものであることを特徴とする。
請求項7に記載の本発明のR−T−B系磁石の製造方法は、請求項1から6のいずれかにおいて、
R2−Ga−Cu系合金は重希土類元素を含有していないことを特徴とする。
請求項8に記載の本発明のR−T−B系磁石の製造方法は、請求項7において、
R2−Ga−Cu系合金中のR2の50mol%以上がPrであることを特徴とする。
請求項9に記載の本発明のR−T−B系磁石の製造方法は、請求項7において、
R2−Ga−Cu系合金中のR2がPrのみからなる(不可避不純物を除く)ことを特徴とする。
請求項10に記載の本発明のR−T−B系磁石の製造方法は、請求項1から9のいずれかにおいて、
前記熱処理をする工程において、R1−T1−X系合金バルク体中のR1T114X相とR2−Ga−Cu系合金中から生成した液相とが反応することにより、R−T−B系磁石内部の少なくとも一部にR13Z相(ZはGaおよび/またはCuを必ず含む)を生成させることを特徴とする。
請求項11に記載の本発明のR−T−B系磁石の製造方法は、請求項1から9のいずれかにおいて、
前記熱処理をする工程は、前記R2−Ga−Cu系合金の粉末を前記R1−T1−X系合金バルク体の表面の少なくとも一部に塗布及び/又は散布することにより、前記R2−Ga−Cu系合金を前記R1−T1−X系合金バルク体の表面の少なくとも一部に接触させることを特徴とする。
請求項12に記載の本発明のR−T−B系磁石の製造方法は、請求項11において、
前記R1−T1−X系合金バルク体の前記表面に散布及び/又は塗布される前記R2−Ga−Cu系合金の粉末の量は、前記R1−T1−X系合金バルク体100質量部に対して、0.2質量部以上0.5質量部以下であることを特徴とする。
本発明によれば、重希土類元素をできるだけ使用することなく、高いHcJを有するR−T−B系磁石の製造方法を提供することができる。
加熱圧縮により緻密化したり、熱間加工を行うための装置の構成例を示す図である。 熱処理工程におけるR1−T1−X系合金バルク体とR2−Ga−Cu系合金との配置形態を模式的に示す説明図である。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、平均結晶粒径が1μm以下で磁気的異方性を有し、かつ、一般的なR−T−B系磁石の主相の化学量論組成であるR14Bよりも、TがリッチでBが(Bの一部をCで置換する場合はBとCの合計)プアな組成([T]/[B]のmol比が14以上)の合金バルク体に、特定組成からなり[Cu]/([Ga]+[Cu])がmol比で0.1以上0.9以下であるR2−Ga−Cu系合金を接触させ、比較的低い温度で熱処理することにより、前記R2−Ga−Cu系合金から生成した液相を、バルク体中の粒界を経由してバルク体表面から内部に拡散導入することで、R14B相(主相)の結晶粒間にGaやCuを含む厚い二粒子粒界をバルク体の内部まで容易に形成することができ、主相結晶粒間の磁気的結合が大幅に弱められるため、重希土類元素を用いずとも非常に高い保磁力を有するR−T−B系磁石が得られることを見出した。これらの知見を基に、さらに研究を重ねた結果、前記合金バルク体における[T1]/[X]のmol比が13.6以上14未満の範囲であっても、[T1]/[X]のmol比が14以上の合金バルク体を用いて作製したR−T−B系磁石に近い高い保磁力を示すことを見出した。
(1)R1−T1−X系合金バルク体を準備する工程
R1−T1−X系合金バルク体(以下、単に「バルク体」という場合がある)を準備する工程において、バルク体の組成は、R1は希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含み、27mass%以上35mass%以下であり、T1はFeまたはFeとMであり、MはGa、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Agから選択される一種以上であり、XはBでありBの一部をCで置換することができ、[T1]/[X]のmol比が13.6以上、好ましくは14以上である。
R1は希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む。Nd以外の希土類元素としては例えばPrが挙げられる。さらにR−T−B系磁石の保磁力を向上させるために一般的に用いられるDy、Tb、Gd、Hoなどの重希土類元素を少量含有してもよい。但し、本発明によれば、前記重希土類元素を多量に用いずとも十分に高い保磁力を得ることができる。そのため、前記重希土類元素の含有量はR1−T1−X系合金バルク体全体の1mass%以下(R1−T1−X系合金バルク体中の重希土類元素が1mass%以下)であることが好ましく、0.5mass%以下であることがより好ましく、含有しない(実質的に0mass%)ことがさらに好ましい。
R1はR1−T1−X系合金バルク体全体の27mass%以上35mass%以下であることが好ましい。R1が27mass%未満では後述する加熱圧縮などの過程で液相が十分に生成せず、十分に緻密化したバルク体を得ることが困難になる。一方、R1が35mass%を超えても本発明の効果を得ることはできるが、熱間成形の際に、液相の染み出しが起こるなど製造上の困難を招く恐れがあるため35mass%以下が好ましい。R1は28mass%以上33mass%以下であることがより好ましく、28.5mass%以上32mass%以下であることがさらに好ましい。
T1はFeまたはFeとMであり、MはGa、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Agから選択される一種以上である。すなわち、T1はFeのみ(不可避的不純物は含む)であってもよいし、FeとMからなってもよい(不可避的不純物は含む)。T1がFeとMからなる場合、T1全体に対するFe量は80mol%以上であることが好ましい。また、T1がFeとMからなる場合は、Mは、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Agから選択される一種以上であってもよい。
XはBでありBの一部をC(炭素)で置換することができる。Bの一部をCで置換する場合、バルク体の製造工程中に積極的に添加するものだけでなく、バルク体の製造工程中で用いられる固体または液体の潤滑剤などに由来してバルク体に残存するものも含まれる。潤滑剤などに由来するCは不可避ではあるものの、一定の範囲に制御が可能(添加量や脱炭処理の調整)であるため、それらの量を考慮して、後述するT1とXとの関係を満たすようにB量や積極的に添加するC量を設定すればよいが、HDDR処理を適用する場合には、HD工程で合金中のCが水素(H)と反応して炭化水素を生成して合金外に放出されてしまうため、Cは不可避不純物レベルに設定することが好ましい。バルク体の製造工程中に積極的にCを添加する場合には、例えば、原料合金を作製する際の原料としてCを添加する(Cが含有された原料合金を作製する)、あるいは、製造工程中の合金粉末(後述するジェットミルなどによる粉砕前の粗粉砕粉または粉砕後の微粉砕粉)に特定量の有機化合物などのC源(炭素源)を添加するなどが挙げられる。なお、BはX全体に対して80mol%以上であることが好ましく、90mol%以上がより好ましい。また、XはR1−T1−X系合金バルク体全体の0.8mass%以上1.0mass%以下が好ましい。Xが0.8mass%未満でも本発明の効果を得ることはできるが、Bの大幅な低下を招くため好ましくない。一方、Xが1.0mass%を超えると後述する[T1]/[X]のmol比を13.6以上にできず本発明の効果が得られないため好ましくない。Xは0.83mass%以上0.98mass%以下であることがより好ましく、0.85mass%以上0.95mass%以下であることがさらに好ましい。
前記T1とXとは、[T1]/[X]のmol比が14以上となるように設定する。すなわち、この条件は、一般的なR−T−B系磁石の主相の化学量論組成であるR14Bの[T]/[B]のモル比(=14)と同等もしくはTがリッチでBがプアであることを示している。前記の通り、発明者らは、[T1]/[X]のmol比が14未満、すなわち、一般的なR−T−B系磁石の組成(化学量論組成であるR14Bの[T]/[B]のモル比よりもTがプアでBがリッチ)では、最終的に得られるR−T−B系磁石において、磁石内部の二粒子粒界を厚くすることができなくなり、重希土類元素を用いることなく高い保磁力を有するR−T−B系磁石を得ることが困難となると考えていた。しかしながら、さらに研究を重ねた結果、一般的なR−T−B系磁石の主相の化学量論組成であるR14Bの[T]/[B]のモル比よりもTがプアでBがリッチであっても、[T1]/[X]のmol比が13.6以上であれば、14以上のバルク体を用いた際に得られる保磁力を超えることはできないものの、それに極めて近い保磁力が得られることを見出した。
すなわち、[T1]/[X]のmol比が14以上という設定は、Xを構成するBとCが全て主相の形成に使われることを想定したものであるが、一般的にX(特にC)はその全てが主相の形成に使われる訳ではなく粒界相中にも存在する。従って、実際は[X]を若干多め(TがプアでBがリッチ)に設定しても、つまり、[T1]/[X]のmol比を13.6以上としても、高い保磁力が得られることを見出した。主相と粒界相へのXの分配比率を正確に求めることは困難であるが、[T1]/[X]のmol比が13.6以上を満たしているとき、主相形成に使われているXのmol比を[X’](このとき前記[X’]≦[X]になる)とすると、[T1]/[X’]が14以上となっていると考えられる。[T1]/[X]のmol比が13.6未満であると、前記[T1]/[X’]を14以上とすることが出来ない恐れがあり、最終的に得られるR−T−B系磁石において、磁石内部の二粒子粒界を厚くすることができず、重希土類元素を用いることなく高い保磁力を有するR−T−B系磁石を得ることが困難となる恐れがある。なお、上述したように[T1]/[X]のmol比は13.6以上で高い保磁力が得られるが、さらに高い保磁力を得るため、及び、量産工程で安定的に高い保磁力を得るためには、[T1]/[X]のmol比を13.8以上とすることがより好ましく、14以上とすることがさらに好ましい。
平均結晶粒径が1μm以下で磁気的異方性を有する、バルク体を作製する方法としては公知の方法が採用できる。以下にバルク体を作製するための具体例をいくつか示す。
[微粉砕粉配向成形体のHDDR処理で得られた多孔質材料の加圧圧縮]
この方法は、平均粒径D50が10μmの粉末を磁界中配向して作製した成形体にHDDR処理を行うことで、部分的に焼結されて多孔質となり、さらに加熱圧縮により緻密化することで得られる、平均結晶粒径1μm以下で磁気的異方性を有するバルク体を作製する方法である。以下に作製工程の一例を示す。
<原料粉末>
まず、R14B相を主体とする原料合金を作製する。原料合金の作製方法としては、例えば、ブックモールド法、遠心鋳造法、ストリップキャスト法、アトマイズ法、拡散還元法など、R−T−B系磁石の作製に用いられる公知の方法を適用することができるが、α‐Fe相の生成を抑制するという観点からは、ストリップキャスト法を採用することが好ましい。得られた原料合金は、さらに、原料合金における組織均質化などを目的として、粉砕前の原料合金に対して熱処理を施してもよい。このような熱処理は、真空または不活性雰囲気において、典型的には1000℃以上の温度で実行され得る。
次に、原料合金(出発合金)を公知の方法で粉砕することにより原料粉末を作製する。本実施形態では、まず、ジョークラッシャーなどの機械的粉砕法や水素吸蔵粉砕法などを用いて出発合金を粗粉砕し、大きさ50μm〜1000μm程度の粗粉砕粉を作製する。この粗粉砕粉末に対してジェットミルなどによる微粉砕を行い、平均粒子径D50が1μm以上20μm以下、好ましくは、D50が3μm以上が10μm以下の原料粉末を作製する。D50が1μm以下となると生産性の悪化や、酸化などの問題が顕在化してしまう。一方、D50が20μm以上を超えると、その後のHDDR処理による緻密化が十分進行せず、HDDR処理工程以降のハンドリングが困難になる場合がある。
<配向成形体>
次に、上記の原料粉末を用いて圧粉体(成形体)を成形する。圧粉体を成形する工程は、10MPa〜200MPaの圧力を印加し、0.5T〜20Tの磁界中(静磁界、パルス磁界など)で行うことが望ましい。成形は、公知の粉末プレス装置によって行うことができる。粉末プレス装置から取り出したときの圧粉体密度(成形体密度)は、3.5g/cm3〜5.2g/cm3程度である。
なお、最終的に得られるR−T−B系磁石の磁気特性の向上などを目的として、出発合金の粉砕工程の前に、別の合金を混合したものを微粉砕し、微粉砕後に圧粉体を成形してもよい。あるいは、出発合金を微粉砕した後に、別の金属、合金および/または化合物の粉末を混合し、それらの圧粉体を作製してもよい。さらには、金属、合金および/または化合物を分散または溶解させた液を圧粉体に含浸させ、その後、溶媒を蒸発させてもよい。これらの方法を適用する場合の合金粉末の組成は、混合粉全体として前述の範囲内に入ることが望ましい。
<HDDR処理>
次に、上記成形工程によって得られた圧粉体(成形体)に対し、HDDR処理を施す。
HDDR処理の条件は、添加元素の種類・量などによって適宜選定され、従来のHDDR処理における処理条件を参考にして決定することができる。
HD反応のための昇温工程は、水素分圧10kPa以上500kPa以下の水素ガス雰囲気または水素ガスと不活性ガス(ArやHeなど)の混合雰囲気、不活性ガス雰囲気、真空中のいずれかで行う。CoやGaを含まない原料粉末の圧粉体を処理する場合は、高い主相配向度を得るために、昇温工程を不活性ガス雰囲気または真空中で行うことが望ましい。
HD処理は、前記雰囲気中で、650℃以上1000℃未満で行う。HD処理時の水素分圧は20kPa以上200kPa以下がより好ましい。処理温度は700℃以上950℃以下であることがより好ましく、750℃以上920℃以下であることがさらに好ましい。HD処理に要する時間は、5分以上10時間以下であり、典型的には10分以上5時間以下の範囲に設定される。
なお、バルク体中のT1について、Co量が合金全体の組成に対し、3mol%以下の場合は、昇温および/またはHD処理時の水素分圧を5kPa以上100kPa以下、より好ましくは、10kPa以上50kPa以下とすることで、HDDR処理における異方性の低下を抑制できる。
HD処理のあと、DR処理を行う。HD処理とDR処理は同一の装置内で連続的に行うことも、別々の装置を用いて不連続的に行うこともできる。
DR処理は、真空または不活性ガス雰囲気下において650℃以上1000℃未満で行う。処理時間は、通常、5分以上10時間以下であり、典型的には10分以上、2時間以下の範囲に設定される。なお、雰囲気を段階的に制御する(例えば水素分圧を段階的に下げたり、減圧圧力を段階的に下げたりする)ことができることは言うまでもない。
上述したHD反応前の昇温工程を含むHDDR工程の全般を通じて焼結反応が起こる。このため、圧粉体は細孔を有する多孔質材料となる。
<多孔質材料の加熱圧縮処理>
上記の方法によって得られた多孔質材料にホットプレス法などの加熱圧縮処理を適用することによって、緻密化を行い、密度7.3g/m3以上、典型的には7.5g/m3以上のバルク体を作製する。多孔質材料に対する加熱圧縮は、公知の加熱圧縮技術を用いて行うことができる。例えば、ホットプレス、SPS、(spark plasma sintering)、HIP(hot isostatic press)、熱間圧延などの加熱圧縮処理を行うことが可能である。なかでも、所望の形状を得やすいホットプレスやSPSが好適に用いられ得る。本実施形態では以下の手順でホットプレスを行う。
実施形態の一例を示す。本実施形態では、図1に示す構成を有するホットプレス装置を用いる。この装置は、中央に開口部を有する金型(ダイ)27と、多孔質磁石を加圧するための上パンチ28aおよび下パンチ28bと、これらのパンチ28a、28bを昇降する駆動部(上ラム、下ラム)30a、30bとを備えている。
上述した方法によって作製した多孔質材料(図1では参照符号「10」を付している)を、図1に示す金型27に装填する。このとき、磁界方向(配向方向)とプレス方向とが一致するように装填を行うことが好ましい。金型27およびパンチ28a、28bは、使用する雰囲気ガス中で加熱温度および印加圧力に耐えうる材料から形成される。このような材料としては、カーボンや超硬合金(タングステンカーバイド−コバルト系など)が好ましい。なお、多孔質材料10の外形寸法を金型27の開口部寸法よりも小さく設定しておくことにより、異方性を高められる。次に、多孔質材料10を装填した金型27をホットプレス装置にセットする。ホットプレス装置は、不活性ガス雰囲気または10−1Torr以上の真空に制御することが可能なチャンバ26を備えていることが好ましい。チャンバ26内は、例えば抵抗加熱によるカーボンヒーターなどの加熱装置と、試料を加圧して圧縮するためのシリンダーとが備え付けられている。加熱装置としては、カーボンヒータの代わりにダイ27やサンプル(多孔質材料)10を高周波加熱したり、放電プラズマ焼結法(SPS)のように通電加熱する機構を有していても構わない。
チャンバ26内を真空または不活性ガス雰囲気で満たした後、加熱装置により金型27を加熱し、金型27に装填された多孔質材料10の温度を600℃〜900℃に高める。このとき、10〜1000MPaの圧力Pで多孔質材料10を加圧する。多孔質材料10に対する加圧は、金型27の温度が設定レベルに到達してから開始することが好ましい。加圧しながら600〜900℃の温度で10分以上保持した後、冷却する。加熱圧縮によりフルデンス化された磁石が大気と接触して酸化しない程度の低い温度(100℃以下程度)まで冷却が進んだ後、本実施形態の磁石をチャンバ26から取り出す。こうして、上記の多孔質材料から本実施形態のR1−T1−X系バルク体を得ることができる。
こうして得られたバルク体の密度は真密度の95%以上に達する。また、本実施形態によれば、最終的な結晶相集合組織は、配向方向に平行となる断面の結晶粒の円相当径の平均が1μm以下であり、個々の結晶粒の最短粒径aと最長粒径bの比b/aが2未満である結晶粒が全結晶粒の50体積%以上存在する。
[HDDR処理で得られた粉末の加圧圧縮]
この方法は、HDDR(水素化−不均化−脱水素−再結合)によって作製された異方性を有する原料粉末を磁界中で配向した後、ホットプレス法などの加圧圧縮処理を用いて緻密化し、バルク体を得る手法である。以下に作製工程の一例を示す。
<出発合金>
出発合金は、ブックモールド法、遠心鋳造法、ストリップキャスト法、アトマイズ法、拡散還元法などの公知の合金作製方法によって得られる。これらの方法によって作製された出発合金に対しては、マクロ偏析の解消、結晶粒の粗大化、α−Fe相の減少などを目的として、均質化熱処理を行なっても良い。均質化熱処理としては、例えば窒素以外の不活性ガス雰囲気中で1000〜1200℃、1〜48時間の処理を行う。なお、このような均質化処理により、RT114X相の平均結晶粒径は約100μm以上に粗大化する。平均結晶粒径の粗大化は、HDDR処理磁粉が大きな磁気的異方性を有するためには好ましい。
<粉砕>
次に、出発合金を公知の方法で粉砕することにより、粗粉砕粉を作製する。粉砕は、例えばジョークラッシャーなどの機械的粉砕法や、水素吸蔵崩壊法を用いて行うことができる。
水素吸蔵崩壊法による場合は、上記の出発合金を水素雰囲気で保持することにより合金に水素を吸蔵させ、合金を脆化させればよい。出発合金は水素を吸蔵すると、自然崩壊を起こし、亀裂が生じる。このような水素粉砕は、合金インゴットを圧力容器中に入れた後、純度99.9%以上のHガスを50〜1000kPaまで導入し、次いでその状態を5分〜10時間保持することによって行うことができる。こうして、粒径1000μm以下の粗粉砕粉を得る。水素粉砕後に行う機械粉砕は、例えば、フェザーミル、ボールミル、またはパワーミルなどの粉砕機を用いて行うことができる。
こうして得た粗粉砕粉は、略単一の結晶方位を有する粒子から構成されており、各粒子の中では磁化容易軸が一方向にそろっている。この結果、HDDR処理によって得られる合金粉末が異方性を示すことが可能になる。本実施形態で使用する粗粉砕粉は、結晶方位が同一方向に揃ったNdFe14B型化合物相が20μm以上のサイズを有している。このことは、最終的に高い磁気特性、特に高い飽和磁束密度Bを得る上で重要である。
本実施形態における粗粉砕粉の平均粒径は、20μm未満になると、HDDR処理によって粉末を構成する粒子間の拡散凝集が過度に生じるため、HDDR処理後の解砕が困難となり、結果として高い磁気異方性を有する磁粉を得ることが困難となる。一方、平均粒径が300μmを超えると、結晶方位が同一方向に揃ったNdFe14B型化合物相のみから構成され、かつ、α−Fe相のない合金組織を得ることが困難となり、結果として、高い飽和磁束密度Bおよび保磁力HcJを両立する磁粉を得ることが困難となる。これらの理由により、粗粉砕粉の平均粒径は、20〜300μmであることが好ましく、30〜150μmであることが更に好ましい。
<HDDR処理>
次に、上記粉砕工程によって得られた粗粉砕粉に対し、HDDR処理を施す。なお、粗粉砕はHDDR処理と同じ容器内で、HD処理の前に水素を吸蔵させるなどの方法で行うこともできる。
HDDR処理の条件は、先述した多孔質バルク体へのHDDR処理と同様の方法を採用することができる。
<解砕、粉砕>
脱水素化・再結合処理(HDDR処理)が終了した後、室温まで冷却された合金粉末は、弱い凝集体を形成している場合がある。このような場合、公知の方法で解砕を行えばよい。また、最終的な目的に応じて、さらに粉砕による粒度調整を行なってもよい。粉砕方法は、公知の粉砕技術を使用することができるが、粉砕時の合金粉末の酸化を抑制するために、Arなどの不活性ガス雰囲気で粉砕を行うことが好ましい。
<HDDR磁粉の磁界中成形>
得られた合金粉末(HDDR粉末)を用いて圧粉体(コンパクト)を作製する。バルク体を製造するためには、磁界中でHDDR粉末をプレス成形した圧粉体を用いる。例えば、0.5T〜20T(0.4MA/m〜1.6MA/m)の磁界中(静磁界、パルス磁界など)で10MPa〜1000MPaの圧力を印加してプレス成形する。成形は、公知の粉末プレス装置によって行うことができる。粉末プレス装置から取り出したときの圧粉体密度(成形体密度)は、例えば4.5g/cm〜6.5g/cm(真密度を7.6g/cmとするとその59%〜86%)程度である。このとき、圧粉体の外形寸法を、次の加熱圧縮工程で用いる装置の金型の開口部の寸法よりも数%以上小さくしておくと、加熱圧縮時に熱間塑性変形が起こることにより異方性のより高いバルク磁石を得ることができる。
<圧粉体への加熱圧縮処理>
得られた成形体にホットプレス法などの加熱圧縮処理を適用することによって、緻密化を行い、密度7.3g/m以上、典型的には7.5g/m以上のバルク体を作製する。圧粉体に対する加熱圧縮は、先述した多孔質バルク体へのホットプレスと同様の方法を採用することができる。これにより、本実施形態のR1−T1−X系バルク体を得ることができる。
こうして得られたバルク体の密度は真密度の95%以上に達する。また、本実施形態によれば、最終的な結晶相集合組織は、配向方向に平行となる断面の結晶粒の円相当径の平均が1μm以下であり、個々の結晶粒の最短粒径aと最長粒径bの比b/aが2未満である結晶粒が全結晶粒の50体積%以上存在する。
[超急冷合金の熱間加工]
この方法は液体超急冷法などで作製された、主相の磁化容易方向がランダムなナノ結晶で構成される等方性合金に熱間加工を施すことにより、磁気的異方性を有するバルク体を作製する方法である。熱間加工の方法としては、超急冷合金をそのまま熱間圧延するなどの方法も活用できるが、超急冷合金を粉砕し、ホットプレスなどの加熱圧縮処理で一旦緻密化した後、さらに、高温で応力を付与して変形させる手法を採用すると、磁気的異方性を有するバルク体が容易に作製できるため、好適である。以下具体的な作製手順の一例を示す。
<超急冷合金の作製>
まず、液体超急冷法で磁気的に等方性である合金を作製する。液体超急冷法としては、単ロール超急冷法、双ロール超急冷法、ガスアトマイズ法など、公知の方法を用いることができるが、これらの中で高速回転する銅製などの急冷ロール上に溶解した合金を供給して急冷する、単ロール急冷法が特に好適に用いられる。急冷ロールの典型的なロール周速度は、10m/秒以上50m/秒以下である。得られた合金中の典型的な平均結晶粒径は0.1μm以下で、主相の結晶方位はランダムである。なお、市販の超急冷合金を購入して用いてもよいことは言うまでもない。
<超急冷合金の緻密化>
得られた薄帯をパワーミルやピンミルなどの公知の方法で粉砕し、フレーク状の合金粉末を得た後、ホットプレス法などの加熱圧縮処理を適用することによって、緻密化を行い、密度7.3g/cm以上、典型的には7.5g/cm以上のバルク体を作製する。加熱圧縮は、公知の加熱圧縮技術を用いて行うことができる。例えば、ホットプレス、SPS、(spark plasma sintering)、HIP(hot isostatic press)、熱間圧延などの加熱圧縮処理を行うことが可能である。なかでも、所望の形状を得やすいホットプレスやSPSが好適に用いられる。なお、加熱圧縮処理の前に、10MPa〜2000MPaの圧力を印加してプレス成形する冷間成形により、合金粉末の圧粉体を作製し、それを加熱圧縮することもできる。
加熱圧縮条件は、成分組成などに応じて適宜設定されるが、処理温度は、600℃以上900℃以下が好ましく、700℃以上850℃以下がより好ましい。また加熱圧縮時の圧力は10MPa以上1000MPa以下が好ましい。また、加熱圧縮における保持時間は、1分以上1時間以内が好ましいが、密度が十分向上する時間内であればできるだけ短時間であることが生産性の観点から好ましい。加熱圧縮時の雰囲気は、真空又は不活性雰囲気が好ましい。
<熱間加工>
緻密化された熱間成形体を熱間加工して塑性変形させる。熱間加工方法は、目的に応じて公知の方法を採用することができるが、熱間押出し加工(後方押出し加工及び前方押出し加工を含む)や熱間据え込み加工が好適に用いられ、生産性の観点から、熱間押出し加工が特に好適である。
熱間加工条件は、成分組成などに応じて適宜設定されるが、加工温度は、700℃以上900℃以下が好ましく、750℃以上850℃以下がより好ましい。一般的に歪速度が配向度に影響を与えることが知られていることから、歪速度が所望の範囲になるように、加工圧力を設定することが好ましい。加工時の雰囲気は、真空または不活性雰囲気が好ましい。
こうして得られたバルク体の密度は真密度の95%以上に達する。また、本実施形態によれば、最終的な結晶相集合組織は、配向方向に平行となる断面の結晶粒の円相当径の平均が1μm以下であり、個々の結晶粒の最短粒径aと最長粒径bの比b/aが2以上である結晶粒が全結晶粒の50体積%以上存在する。
(2)R2−Ga−Cu系合金を準備する工程
R2−Ga−Cu系合金を準備する工程において、R2−Ga−Cu系合金の組成は、R2は希土類元素のうち少なくとも一種でありPrおよび/またはNdを必ず含み、65mol%以上95mol%以下であり、[Cu]/([Ga]+[Cu])がmol比で0.1以上0.9以下である。R2−Ga−Cu系合金にはGaとCuの両方を必ず含む。GaとCuの両方が含まれないと、最終的に得られるR−T−B系磁石において、磁石内部の二粒子粒界を厚くすることができなくなり、重希土類元素を用いることなく高い保磁力を有するR−T−B系磁石を得ることが困難となる。
R2は希土類元素のうち少なくとも一種でありPrおよび/またはNdを必ず含む。このとき、R2全体の90mol%以上がPrおよび/またはNdであることが好ましく、R2全体の50mol%以上がPrであることがより好ましく、R2がPrのみ(不可避的不純物は含む)であることがさらに好ましい。R2にはR−T−B系磁石の保磁力を向上させるために一般的に用いられるDy、Tb、Gd、Hoなどの重希土類元素を少量含有してもよい。但し、本発明によれば、前記重希土類元素を多量に用いずとも十分に高い保磁力を得ることができる。そのため、前記重希土類元素の含有量はR2−Ga−Cu系合金全体の10mol%以下(R2−Ga−Cu系合金中の重希土類元素が10mol%以下)であることが好ましく、5mol%以下であることがより好ましく、含有しない(実質的に0mol%)ことがさらに好ましい。R2−Ga−Cu系合金のR2に前記重希土類元素を含有する場合も、重希土類元素を除いたR2全体の50mol%以上がPrであることが好ましく、重希土類元素を除いたR2がPrのみ(不可避的不純物は含む)であることがより好ましい。
R2をR2−Ga−Cu系合金全体の65mol%以上95mol%以下とし、かつ、[Cu]/([Ga]+[Cu])がmol比で0.1以上0.9以下を満たすことにより、厚い二粒子粒界を形成することができ、重希土類元素を用いずとも高い保磁力を有するR−T−B系磁石を得ることができる。R2はR2−Ga−Cu系合金全体の70mol%以上90mol%以下であることがより好ましく、70mol%以上85mol%以下であることがさらに好ましい。また、[Cu]/([Ga]+[Cu])がmol比で0.2以上0.8以下を満たすことがより好ましく、0.3以上0.7以下を満たすことがさらに好ましい。
R2−Ga−Cu系合金には、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Agなどが少量含まれていてもよい。また、O(酸素)、N(窒素)、C(炭素)などの不可避的不純物を含んでいてもよい。
R2−Ga−Cu系合金は、例えば、金型鋳造法やストリップキャスト法や単ロール超急冷法(メルトスピニング法)やアトマイズ法などを用いて準備することができる。また、R2−Ga−Cu系合金は、前記によって得られた合金をピンミルなどの公知の粉砕手段によって粉砕されたものであってもよい。
(3)熱処理する工程
前記によって準備したバルク体の表面の少なくとも一部に、前記によって準備したR2−Ga−Cu系合金の少なくとも一部を接触させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、450℃以上600℃以下の温度で熱処理する。これにより、R2−Ga−Cu系合金から液相が生成し、その液相がバルク体中の粒界を経由してバルク体表面から内部に拡散導入されて、主相であるR1T114X相の結晶粒間にGaやCuを含む厚い二粒子粒界をバルク体の内部まで容易に形成することができ、主相結晶粒間の磁気的結合が大幅に弱められる。そのため、重希土類元素を用いずとも非常に高い保磁力を有するR−T−B系磁石が得られる。
なお、一般的に、磁石寸法調整のための表面研削を行うと、バルク体表面から200μm程度の領域が除去されるため、厚い二粒子粒界がバルク体の表面から250μm程度の領域を含んでいれば、本発明の効果を得ることができる。ただし、このような場合(厚い二粒子粒界が250μm程度の場合)には、熱処理後のバルク体中央付近のHcJが十分向上しないために、減磁曲線の角形性が悪化する可能性がある。このため、バルク体中央付近のHcJが、R2−Ga−Cu系合金と接触せずに450℃以上600℃以下の温度で熱処理(一般的なR−T−B系磁石の保磁力を向上させるための熱処理)を行ったときに、HcJ≧1200kA/mが得られることが好ましく、HcJ≧1360kA/mが得られることがさらに好ましい。このようなバルク体を使うことで、R2−Ga−Cu合金の導入量が小さくても磁石全体として高いHcJと優れた減磁曲線の角形性を得ることが可能となり、結果、高いHcJが容易に実現できる。
バルク体中央付近のHcJが、R2−Ga−Cu系合金と接触せずに450℃以上600℃以下の温度で熱処理を行ったときに、HcJ≧1200kA/mが得られるバルク体は、T1にGaを含むときに容易に得ることができる。バルク体全体に対するGaの含有量は0.05質量%以上1質量%以下が好ましく、0.1質量%以上0.8質量%以下がより好ましく、0.2質量%以上0.6質量%以下がさらに好ましい。
前記の熱処理する工程において、バルク体の表面の少なくとも一部に、R2−Ga−Cu系合金のみを接触させてもよいし、前記特許文献1〜3に示されるような方法、例えば、R2−Ga−Cu系合金の粉末を有機溶媒などに分散させ、これをバルク体表面に塗布する方法や、R−Ga−Cu系合金の粉末をバルク体表面に散布する方法などを採用してもよい。R2−Ga−Cu系合金粉末を、バルク体表面の少なくとも一部に散布及び/又は塗布することにより、より簡便にバルク体表面の少なくとも一部に前記R−Ga−Cu系合金の少なくとも一部を接触させることができる。
バルク体へのR2−Ga−Cu系合金から生成した液相の導入量は、保持温度や保持時間により制御することができる。バルク体の表面にR2−Ga−Cu系合金を散布及び/又は塗布する場合には、散布量または塗布量を制御することが好ましい。R2−Ga−Cu系合金の散布または塗布量は、バルク体100質量部に対して0.2質量部以上5.0質量部以下とすることが好ましく、0.2質量部以上3.0質量部以下とすることがより好ましい。このような条件とすることで、高いBと高いHcJの両立が容易に実現できる。なお、バルク体の表面の一部にのみR2−Ga−Cu系合金を散布又は塗布する場合には、配向方向に垂直な面に散布又は塗布することが好ましい。
熱処理は、真空又は不活性ガス雰囲気中、450℃以上600℃以下の温度で保持した後冷却する。450℃以上600℃以下の温度で熱処理を行うことにより、R2−Ga−Cu系合金の少なくとも一部が溶解し、生成した液相がバルク体表面から内部にバルク体中の粒界を経由して拡散導入されて、厚い二粒子粒界を形成させることが可能となる。熱処理温度が450℃未満であると液相が全く生成せず厚い二粒子粒界が得られない。また、600℃を超えても厚い二粒子粒界を形成することが困難となる。熱処理温度は460℃以上570℃以下がより好ましい。なお、600℃を超える温度で熱処理を行った場合に、厚い二粒子粒界を形成することが困難となる理由は今のところ定かではないが、バルク体に導入された液相による主相の溶解や、R13Z相(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありPrおよび/またはNdを必ず含み、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含み、ZはGaおよび/またはCuを必ず含む)の生成などの反応速度が何らかの関与をしていると思われる。なお、熱処理時間はバルク体の組成や寸法、R2−Ga−Cu系合金の組成、熱処理温度などによって適正値を設定するが、5分以上10時間以下が好ましく、10分以上7時間以下がより好ましく、30分以上5時間以下がさらに好ましい。
前記の450℃以上600℃以下という熱処理温度は、一般的なR−T−B系磁石の保磁力を向上させるための熱処理とほぼ同じ温度である。従って、450℃以上600℃以下の温度で熱処理した後に、保磁力を向上させるための熱処理は必ずしも必要ではない。また、450℃以上600℃以下という熱処理温度は、前記特許文献1〜3にて行われている拡散熱処理の温度と比較しても非常に低い温度である。これによって、主相結晶粒内部へR2−Ga−Cu系合金成分が拡散されることが抑制される。例えば、R2にPrのみを用いた場合、600℃を超える熱処理温度では主相結晶粒の最外部にPrが導入され易くなり、これが、保磁力の温度依存性の低下を招くという問題を生じるが、450℃以上600℃以下という熱処理温度ではこのような問題は大幅に抑制される。
前記の熱処理する工程によって得られたR−T−B系磁石は、切断や切削など公知の機械加工を行ったり、耐食性を付与するためのめっきなど、公知の表面処理を行うことができる。
主相の結晶粒間に厚い二粒子粒界が形成されて、非常に高い保磁力が得られるメカニズムについては未だ不明な点もある。現在までに得られている知見を基に本発明者らが考えるメカニズムについて以下に説明する。以下のメカニズムについての説明は本発明の技術的範囲を制限することを目的とするものではないことに留意されたい。
発明者らが詳細に検討した結果、Cuは熱処理において生成した液相中に存在することで主相と液相の界面エネルギーを低下させ、その結果、二粒子粒界を経由してバルク体表面から内部まで効率的に液相を導入することに寄与し、Gaは二粒子粒界に導入された液相中に存在することで主相の表面近傍を溶解して厚い二粒子粒界を形成することに寄与していると考えられる。
さらに、前記の通り、R1−T1−X系バルク体の組成を化学量論組成(R1T114X)よりもT1がリッチでXがプアにしておく、すなわち、[T1]/[X]のmol比を14以上とすることで、熱処理により厚い二粒子粒界が容易に得られるようになる。これは、前記の組成域で、R2−Ga−Cu合金から生成した液相が、バルク体の二粒子粒界に浸透し、前記のGaの効果によって、バルク体中の二粒子粒界近傍の主相が溶解し、これらが600℃以下の非常に低温で容易にR13Z相(ZはGaおよび/またはCuを必ず含む)を生成して安定化される。これにより、冷却後も厚い二粒子粒界を維持することができ、非常に高い保磁力の発現につながると考えられる。なお、先述したとおり、一般的にXは全て主相形成に使われないため、[T1]/[X]が13.6以上であれば、厚い二粒子粒界相の形成を維持することができ、高い保磁力を発現する。
これに対し、R1−T1−X系バルク体の組成が化学量論組成(R1T114X)よりもT1がプアでXがリッチ、特に[T1]/[X]が13.6未満であると、厚い二粒子粒界が得られ難くなる。これは、一旦溶解した主相(R1T114X相)が再び主相として再析出しやすくなり、これが、粒界が厚くなるのを妨げているからであると考えられる。
なお、前記のR13Z相(R13Z化合物)において、Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありPrおよび/またはNdを必ず含み、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含み、ZはGaおよび/またはCuを必ず含む。R13Z化合物は代表的にはNdFe13Ga化合物である。また、R13Z化合物はLaCo11Ga型結晶構造を有する。R13Z化合物はその状態によってはR13−δ1+δ化合物になっている場合がある。なお、ZがGaのみの場合であってもR−T−B系磁石中にCu、AlおよびSiが含有される場合、R13−δ(Ga1−x−y−zCuAlSi1+δになっている場合がある。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実験例1
[R1−T1−X系合金バルク体の準備]
Ndメタル、フェロボロン合金、フェロカーボン合金、電解鉄を用いて(メタルはいずれも純度99%以上)、バルク体の組成(AlとSiとMnを除く)が表1に示す符号1−Aから1−Gの組成となるように配合し、それらの原料を溶解してストリップキャスト法により鋳造し、厚み0.2〜0.4mmのフレーク状の原料合金を得た。得られたフレーク状の原料合金を水素粉砕した後、550℃まで真空中で加熱後冷却する脱水素処理を施し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100mass%に対して0.04mass%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粒径D50が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。なお、本実験では、粉砕時の窒素ガス中の酸素濃度を約8000ppmとすることにより、最終的に得られるバルク体の酸素量が0.4mass%前後となるように調整した。なお、粒径D50は、気流分散法によるレーザー回折法で得られた体積中心値(体積基準メジアン径)である。
前記微粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を微粉砕粉100mass%に対して0.05mass%添加、混合した後磁界中で成形し12mm×12mm×12mmの成形体を得た。なお、成形装置には、磁界印加方向と加圧方向とが直交するいわゆる直角磁界成形装置(横磁界成形装置)を用いた。得られた成形体の密度は4.1〜4.3g/cmであった
得られた成形体に対して、HDDR処理を行った。具体的には、圧粉体を100kPa(大気圧)のアルゴン流気中で880℃まで加熱し、その後、雰囲気を100kPa(大気圧)の水素流気に切り替えた後、880℃、2時間保持して水素化・不均化反応を行った。その後、温度を保持したまま、5.3kPaに減圧したアルゴン流気中で1時間保持し、脱水素、再結合反応を行った後、大気圧アルゴン流気中で室温まで冷却した。HDDR処理後の成形体は、密度(寸法及び質量から計算)が7.0g/cm以下であった。その後、成形体を図1に示すホットプレス装置を用いて加熱圧縮を行い高密度化した。具体的には、HDDR処理後のサンプルを研削加工した後、カーボン製のダイス内にセットし、このダイスをホットプレス装置内にセットして、真空中において700℃の条件下、50MPaの圧力で圧縮した。ホットプレスで得られたバルク体の密度は7.5g/cm3以上であった。また、配向方向に平行な断面の走査電子顕微鏡観察(SEM観察)から求められた平均結晶粒径(円相当径)はいずれのサンプルも200nm以上800nm以下であり、個々の結晶粒の最短粒径aと最長粒径bの比b/aが2未満である結晶粒が全結晶粒の50体積%以上存在することを確認した。得られたバルク体の成分、ガス分析(C(炭素量))の結果を表1に示す。なお、表1における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−OES)を使用して測定した。また、C(炭素量)は、燃焼−赤外線吸収法によるガス分析装置を使用して測定した。表1における「[T1]/[X]」は、T1を構成する各元素(不可避の不純物を含む、本実験例ではAl、Si、Mn)に対し、分析値(mass%)をその元素の原子量で除したものを求め、それらの値を合計したもの(a)と、BおよびCの分析値(mass%)をそれぞれの元素の原子量で除したものを求め、それらの値を合計したもの(b)との比(a/b)である。以下の全ての表も同様である。なお、表1の各組成を合計しても100mass%にはならない。これは、前記の通り、各成分によって分析方法が異なるため、さらには、表1に挙げた成分以外の成分(例えばO(酸素)やN(窒素)など)が存在するためである。その他表についても同様である。
Figure 0006471669
[R2−Ga−Cu系合金の準備]
Prメタル、Gaメタル、Cuメタルを用いて(メタルはいずれも純度99%以上)、合金の組成が表2に示す符号1−aの組成になるように配合し、それらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)により、リボンまたはフレーク状の合金を得た。得られた合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き425μmの篩を通過させ、R2−Ga−Cu系合金を準備した。得られたR2−Ga−Cu系合金の組成を表2に示す。
Figure 0006471669
[熱処理]
表1の符号1−Aから1−GのR1−T1−X系合金バルク体を切断、切削加工し、2.4mm×2.4mm×2.4mmの立方体とした。次に、図2に示すように、ニオブ箔により作製した処理容器3中に、主にR1−T1−X系合金バルク体1の配向方向(図中の矢印方向)と垂直な面がR2−Ga−Cu系合金2と接触するように、表2に示す符号1−aのR2−Ga−Cu系合金を、符号1−Aから1−GのR1−T1−X系合金バルク体のそれぞれの上下に配置した。
その後、管状流気炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表3に示す熱処理温度で熱処理を行った後、冷却した。熱処理後の各サンプルの表面近傍に存在するR2−Ga−Cu系合金の濃化部を除去するため、表面研削盤を用いて各サンプルを全面を0.2mmずつ切削加工し、2.0mm×2.0mm×2.0mmの立方体状のサンプル(R−T−B系磁石)を得た。
[サンプル評価]
得られたサンプルを、超伝導コイルを備えた振動試料型磁力計(VSM:東英工業製VSM−5SC−10HF)にセットし、4MA/mまで磁界を付与した後、−4MA/mまで磁界を掃引しながら、R−T−B系磁石の配向方向の磁気ヒステリシス曲線を測定した。得られたヒステリシス曲線から求めた保磁力(HcJ)の値を表3に示す。表3の通り、R1−T1−X系合金バルク体における[T1]/[X]のmol比を13.6以上としたときに高いHcJが得られていることがわかり、特に14以上では2100kA/mを超える極めて高いHcJが得られていることがわかる。
Figure 0006471669
表3に示すサンプルのうち、[T1]/[X]のmol比が13.6以上である符号1−AのR1−T1−X系合金バルク体を用いたサンプルNo.1−1(本発明例)の断面を走査電子顕微鏡(SEM:日立製作所製S4500)で観察した。その結果、サンプルNo.1−1(本発明例)では、磁石表面近傍から磁石の中央部まで100nm以上の厚い二粒子粒界が形成されていた。さらに、本発明例であるサンプルNo.1−1の断面をエネルギー分散X線分光(EDX:日立製作所製HITS4800)で分析した結果、磁石中央部の粒界からもGaやCuが検出されるとともに、その一部は含有量から、GaおよびCuを含む、R13Z相と解釈された。
実験例2
バルク体の組成(AlとSiとMnを除く)が表4に示す符号2−Aの組成となるように配合する以外は実験例1と同様の方法でバルク体を複数個作製した。
Figure 0006471669
合金の組成が表5に示す符号2−aから2−uの組成となるように配合する以外は実験例1と同様の方法でR2−Ga−Cu系合金を作製した。
Figure 0006471669
複数個のR1−T1−X系合金バルク体を実験例1と同様に加工した後、実験例1と同様に符号2−aから2−uのR2−Ga−Cu系合金と符号2−AのR1−T1−X系合金バルク体とが接触するよう配置し、表6に示す熱処理温度とする以外は実験例1と同様に熱処理および加工を行い、サンプル(R−T−B系磁石)を得た。 得られたサンプルを実験例1と同様な方法により測定し、保磁力(HcJ)を求めた。その結果を表6に示す。なお、表6には500℃での熱処理と600℃での熱処理のうち保磁力が高かった条件の結果を示している。表6の通り、R2−Ga−Cu系合金のR2を65mol%以上95mol%以下、[Cu]/([Ga]+[Cu])のmol比を0.1以上0.9以下としたときに高いHcJが得られた。また、R2として、PrがR2全体に対して50mol%以上とした場合(サンプルNo.2−18と、サンプルNo.2−19および2−20との対比)により高いHcJが得られ、R2をPrのみ(不純物レベルの他の希土類元素は除く)としたときにさらに高いHcJが得られ、特に、R2−Ga−Cu系合金として符号2−f(Pr75Ga12.5Cu12.5(mol%))を用いた場合に最も高いHcJが得られた。
Figure 0006471669
実験例3
バルク体の組成(AlとSiとMnを除く)が表7に示す符号3−Aの組成となるように配合する以外は実験例1と同様の方法でバルク体を作製した。
Figure 0006471669
合金の組成が表8に示す符号3−aの組成となるように実験例1と同様の方法でR2−Ga−Cu系合金を作製した。
Figure 0006471669
R1−T1−X系合金バルク体を実験例1と同様に加工した後、実験例1と同様に符号3−aのR2−Ga−Cu系合金と符号3−AのR1−T1−X系合金バルク体とが接触するよう配置し、表9に示す熱処理温度とする以外は実験例1と同様に熱処理および加工を行い、サンプル(R−T−B系磁石)を得た。得られたサンプルを実験例1と同様な方法により測定し、保磁力(HcJ)を求めた。その結果を表9に示す。表9の通り、熱処理温度が450℃以上600℃以下のときに高いHcJが得られた。
Figure 0006471669
実験例4
[R1−T1−X系合金バルク体の準備]
Ndメタル、フェロボロン合金、フェロカーボン合金、電解鉄を用いて(メタルはいずれも純度99%以上)、バルク体の組成(AlとSiとMnを除く)が表10に示す符号4−Aの組成となるように配合し、それらの原料を溶解した後、ブックモールド法により鋳造し、厚み10〜20mmのブロック状の原料合金を得た。得られた原料合金を減圧アルゴン雰囲気中で1120℃×20時間の熱処理を行った後、冷却した。その後、絶対圧250kPaの加圧水素雰囲気で2時間保持することにより、合金に水素を吸蔵させた後、真空引きを行って水素を極力除去した。その後、500μmのメッシュにて解砕することで、粉末を得た。
得られた成形体に対して、HDDR処理を行った。具体的には、圧粉体を100kPa(大気圧)のアルゴン流気中で890℃まで加熱し、その後、雰囲気を100kPa(大気圧)の水素流気に切り替えた後、890℃で2時間保持して水素化・不均化反応を行った。温度を保持したまま、5.3kPaに減圧したアルゴン流気中で1時間保持し、脱水素、再結合反応を行った後、大気圧アルゴン流気中で室温まで冷却した。HDDR処理により、粉末が若干凝集していたため、目開き500μmのメッシュで開催した。
その後、粉末をプレス装置の金型に充填し、1.2MA/mの磁界中において、磁界と垂直方向に60MPaの圧力を印加して圧粉体を作製した。得られた圧粉体をホットプレス装置の金型に充填し、その後金型をホットプレス装置内に設置して、1×10−2Pa以下の真空中で200MPaの圧力を印加しながら、高周波加熱により金型を750℃まで加熱した。保持温度までの昇温時間は60秒とした。その後、750℃で2分間保持し加熱圧縮処理を行い、保持時間経過の10秒前にプレス圧力を解除し、保持時間経過後直ちにチャンバ内にヘリウムガスを導入して冷却して、実験に必要な数のバルク体を作製した。
ホットプレスで得られたバルク体の密度は7.5g/cm3以上であった。また、走査電子顕微鏡観察(SEM観察)から求められた平均結晶粒径(円相当径)は200nm以上800nm以下であり、個々の結晶粒の最短粒径aと最長粒径bの比b/aが2未満である結晶粒が全結晶粒の50体積%以上存在することを確認した。得られたバルク体の成分、ガス分析(C(炭素量))の結果を表10に示す。なお、表10における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−OES)を使用して測定した。また、C(炭素量)は、燃焼−赤外線吸収法によるガス分析装置を使用して測定した。表10における「[T1]/[X]」は、T1を構成する各元素(不可避の不純物を含む、本実験例ではAl、Si、Mn)に対し、分析値(mass%)をその元素の原子量で除したものを求め、それらの値を合計したもの(a)と、BおよびCの分析値(mass%)をそれぞれの元素の原子量で除したものを求め、それらの値を合計したもの(b)との比(a/b)である。以下の全ての表も同様である。なお、表10の各組成を合計しても100mass%にはならない。これは、前記の通り、各成分によって分析方法が異なるため、さらには、表10に挙げた成分以外の成分(例えばO(酸素)やN(窒素)など)が存在するためである。その他表についても同様である。
Figure 0006471669
合金の組成が表11に示す符号4−aの組成となるように実験例1と同様の方法でR2−Ga−Cu系合金を作製した。
Figure 0006471669
R1−T1−X系合金バルク体を実験例1と同様に加工した後、実験例1と同様に符号4−aのR2−Ga−Cu系合金と符号4−aのR1−T1−X系合金バルク体とが接触するよう配置し、表12に示す熱処理温度とする以外は実験例1と同様に熱処理および加工を行い、サンプル(R−T−B系磁石)を得た。得られたサンプルを実験例1と同様な方法により測定し、保磁力(HcJ)を求めた。その結果を表12に示す。表12の通り、HDDR処理で得られた粉末を磁界中成形したのち加圧圧縮を行ったバルク体を用いても、[T1]/[X]のmol比を13.6以上とすることで、高いHcJが得られていることがわかった。
Figure 0006471669
実験例5
[R1−T1−X系合金バルク体の準備]
Ndメタル、フェロボロン合金、フェロカーボン合金、電解鉄を用いて(メタルはいずれも純度99%以上)、バルク体の組成(AlとSiとMnを除く)が表13に示す符号5−Aの組成となるように配合し、それらの原料を溶解した後、ブックモールド法により鋳造し、厚み10〜20mmのブロック状の原料合金を得た。得られたブロック状の原料合金を単ロール超急冷法を用いて超急冷合金を作製した。具体的には周速度20m/秒で回転する純銅製のロール上に、石英管中で高周波溶解した原料合金を噴射することで厚さ20〜50μmのリボン状の合金を得た。得られた合金を乳鉢中で粉砕し、150μm以下の粉末を回収した。
得られた粉末を直径6mmの金型に挿入し、室温、500MPaの圧力で圧縮して成形体を作製した。成形体の高さは約8mmで、密度は約5.6Mg/cm3であった。
その後、得られた成形体をホットプレス装置の金型(内径6mm)に充填し、その後金型をホットプレス装置内に設置して、1×10-2Pa以下の真空中で200MPaの圧力を印加しながら、高周波加熱により金型を750℃まで加熱した。保持温度までの昇温時間は60秒とした。その後、750℃で5分間保持して加熱圧縮処理を行い、保持時間経過の10秒前にプレス圧力を解除し、保持時間経過後直ちにチャンバ内にヘリウムガスを導入して冷却した。密度は7.5g/cm3以上まで向上した。
その後、ホットプレスで得られた成形体に熱間加工を施した。具体的には、ホットプレス体(直径6mm)を内径10mmの金型の中央部に設置し、その後金型をホットプレス装置内に設置して、1×10−2Pa以下の真空中で高周波加熱により金型を800℃まで加熱した。保持温度までの昇温時間は60秒とした。その後、200MPaの圧力を印加しながらパンチの変位の変化がぼゼロになるまで保持し、保持時間経過の10秒前にプレス圧力を解除し、保持時間経過後直ちにチャンバ内にヘリウムガスを導入して冷却してR1−T1−X系合金バルク体5−Aを得た。
得られたバルク体の密度は7.5g/cm3以上であった。また、熱間加工時の加圧方向に平行な断面(異方性磁石の磁化容易軸を含む断面)の走査電子顕微鏡観察(SEM観察)から求められた平均結晶粒径(円相当径)は200nm以上800nm以下であり、個々の結晶粒の最短粒径aと最長粒径bの比b/aが2以上である結晶粒が全結晶粒の50体積%以上存在することを確認した。得られたバルク体の成分、ガス分析(C(炭素量))の結果を表13に示す。なお、表13における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−OES)を使用して測定した。また、C(炭素量)は、燃焼−赤外線吸収法によるガス分析装置を使用して測定した。表13における「[T1]/[X]」は、T1を構成する各元素(不可避の不純物を含む、本実験例ではAl、Si、Mn)に対し、分析値(mass%)をその元素の原子量で除したものを求め、それらの値を合計したもの(a)と、BおよびCの分析値(mass%)をそれぞれの元素の原子量で除したものを求め、それらの値を合計したもの(b)との比(a/b)である。以下の全ての表も同様である。なお、表13の各組成を合計しても100mass%にはならない。これは、前記の通り、各成分によって分析方法が異なるため、さらには、表13に挙げた成分以外の成分(例えばO(酸素)やN(窒素)など)が存在するためである。その他表についても同様である。
Figure 0006471669
合金の組成が表14に示す符号5−aの組成となるように実験例1と同様の方法でR2−Ga−Cu系合金を作製した。
Figure 0006471669
R1−T1−X系合金バルク体を実験例1と同様に加工した後、実験例1と同様に符号5−aのR2−Ga−Cu系合金と符号5−AのR1−T1−X系合金バルク体とが接触するよう配置し、表15に示す熱処理温度とする以外は実験例1と同様に熱処理および加工を行い、サンプル(R−T−B系磁石)を得た。得られたサンプルを実験例1と同様な方法により測定し、保磁力(HcJ)を求めた。その結果を表15に示す。表15の通り、超急冷法で得られた粉末を熱間加工して得られたバルク体を用いても、[T1]/[X]のmol比を13.6以上とすることで、高いHcJが得られていることがわかった。
Figure 0006471669
実験例6
バルク体の組成(AlとSiとMnを除く)が表16に示す符号6−Aの組成となるように配合する以外は実験例1と同様の方法でR1−T1−X系合金バルク体を作製した。
Figure 0006471669
合金の組成が表17に示す符号6−aの組成となるように実験例1と同様の方法でR2−Ga−Cu系合金を作製した。
Figure 0006471669
R1−T1−X系合金バルク体を8.0mm×8.0mm×1.4mm(配向方向)の板状の形状に加工した。その後、このバルク体の配向方向に垂直な面(二面)に、R1−T1−X系合金バルク体の100質量部に対して、R2−Ga−Cu系合金を0.4質量部を散布し、その後、管状流気炉を用いて、50Paに制御した減圧アルゴン中で、500℃4時間保持する熱処理を行った後、冷却した。熱処理後の各サンプルの表面近傍に存在するR2−Ga−Cu系合金の濃化部を除去するため、表面研削盤を用いてR2−Ga−Cu系合金を散布した面を0.2mmずつ切削加工し、8.0mm×8.0mm×1.0mmの平板状のサンプル(R−T−B系磁石)を得た。得られたサンプルを、超伝導コイルを備えた振動試料型磁力計(VSM:東英工業製VSM−5SC−10HF)にセットし、4MA/mまで磁界を付与した後、−4MA/mまで磁界を掃引しながら、R−T−B系磁石の配向方向の磁気ヒステリシス曲線を測定した。得られたヒステリシス曲線から求めた保磁力(HcJ)の値を表18に示す。表18の通り、[T1]/[X]のmol比を13.6以上とした薄板状のR1−T1−X系合金サンプルに所定量のR2−Ga−Cu系合金を散布して熱処理を行うことで、高いHcJが得られることがわかった。
Figure 0006471669
本発明により得られたR−T−B系磁石は、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)や、電気自動車用(EV、HV、PHVなど)モータ、産業機器用モータなどの各種モータや家電製品などに好適に利用することができる。
10 サンプル
26 チャンバ
27 金型
28a 上パンチ
28b 下パンチ
30a 上ラム
30b 下ラム
1 R1−T1−X系合金バルク体
2 R2−Ga−Cu系合金
3 処理容器

Claims (12)

  1. R−T−B(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含み、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含み、Bの一部をCで置換することができる)系磁石の製造方法であって、
    平均結晶粒径が1μm以下で磁気的異方性を有する、R1−T1−X(R1は希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含み、27mass%以上35mass%以下であり、T1はFeまたはFeとMであり、MはGa、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Agから選択される一種以上であり、XはBでありBの一部をCで置換することができ、[T1]/[X]のmol比が13.6以上である)系合金バルク体を準備する工程と、
    R2−Ga−Cu(R2は希土類元素のうち少なくとも一種でありPrおよび/またはNdを必ず含み、65mol%以上95mol%以下であり、[Cu]/([Ga]+[Cu])がmol比で0.1以上0.9以下である)系合金を準備する工程と、
    前記R1−T1−X系合金バルク体の表面の少なくとも一部に、前記R2−Ga−Cu系合金の少なくとも一部を接触させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、450℃以上600℃以下の温度で熱処理をする工程と、
    を含むR−T−B系磁石の製造方法。
  2. R1−T1−X系合金バルク体における[T1]/[X]のmol比は14以上である、請求項1に記載のR−T−B系磁石の製造方法。
  3. R1−T1−X系合金バルク体は重希土類元素を含有していない、請求項1または2のいずれかに記載のR−T−B系磁石の製造方法。
  4. 前記R1−T1−X系合金バルク体が、R14B相を主体とする平均粒子径1μm以上10μm以下の粉末を磁界中成形した後、HDDR処理し、その後、加熱圧縮されたものであることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のR−T−B系磁石の製造方法。
  5. 前記R1−T1−X系合金バルク体が、R14B相を主体とする平均粒子径20μm以上の合金をHDDR処理した後、得られた粉末を磁界中成形し、その後、加熱圧縮されたものであることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のR−T−B系磁石の製造方法。
  6. 前記R1−T1−X系合金バルク体が、超急冷法によって作製された合金を熱間加工されたものであることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のR−T−B系磁石の製造方法。
  7. R2−Ga−Cu系合金は重希土類元素を含有していない請求項1から6のいずれかに記載のR−T−B系磁石の製造方法。
  8. R2−Ga−Cu系合金中のR2の50mol%以上がPrである請求項7に記載のR−T−B系磁石の製造方法。
  9. R2−Ga−Cu系合金中のR2がPrのみからなる(不可避不純物を除く)請求項7に記載のR−T−B系磁石の製造方法。
  10. 前記熱処理をする工程において、R1−T1−X系合金バルク体中のR1T114X相とR2−Ga−Cu系合金中から生成した液相とが反応することにより、R−T−B系磁石内部の少なくとも一部にR13Z相(ZはGaおよび/またはCuを必ず含む)を生成させる請求項1から9のいずれかに記載のR−T−B系磁石の製造方法。
  11. 前記熱処理をする工程は、前記R2−Ga−Cu系合金の粉末を前記R1−T1−X系合金バルク体の表面の少なくとも一部に塗布及び/又は散布することにより、前記R2−Ga−Cu系合金を前記R1−T1−X系合金バルク体の表面の少なくとも一部に接触させることを含む、請求項1から9のいずれかに記載のR−T−B系磁石の製造方法。
  12. 前記R1−T1−X系合金バルク体の前記表面上に散布及び/又は塗布される前記R2−Ga−Cu系合金の粉末の量は、前記R1−T1−X系合金バルク体100質量部に対して、0.2質量部以上0.5質量部以下である請求項11に記載のR−T−B系磁石の製造方法。
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