JP6939339B2 - R−t−b系焼結磁石の製造方法 - Google Patents

R−t−b系焼結磁石の製造方法 Download PDF

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本発明はR−T−B系焼結磁石の製造方法に関する。
R−T−B系焼結磁石(Rは希土類元素うちの少なくとも一種であり、Ndを必ず含む。TはFe又はFeとCoであり、Bは硼素である)は永久磁石の中で最も高性能な磁石として知られており、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)、電気自動車用(EV、HV、PHVなど)モータ、産業機器用モータなどの各種モータや家電製品などに使用されている。
R−T−B系焼結磁石は、主としてR14B化合物からなる主相と、この主相の粒界部分に位置する粒界相とから構成されている。主相であるR14B化合物は高い飽和磁化と異方性磁界を持つ強磁性材料であり、R−T−B系焼結磁石の特性の根幹をなしている。
高温では、R−T−B系焼結磁石の保磁力HcJ(以下、単に「HcJ」という場合がある)が低下するため、不可逆熱減磁が起こる。そのため、特に電気自動車用モータに使用されるR−T−B系焼結磁石では、高いHcJを有することが要求されている。
R−T−B系焼結磁石において、R14B化合物中のRに含まれる軽希土類元素RL(例えば、NdやPr)の一部を重希土類元素RH(例えば、DyやTb)で置換すると、HcJが向上することが知られている。RHの置換量の増加に伴い、HcJは向上する。
しかし、R14B化合物中のRLをRHで置換すると、R−T−B系焼結磁石のHcJが向上する一方、残留磁束密度B(以下、単に「B」という場合がある)が低下する。また、特にDyなどのRHは、資源存在量が少ないうえ、産出地が限定されているなどの理由から、供給が安定しておらず、価格が大きく変動するなどの問題を有している。そのため、近年、RHをできるだけ使用することなく、HcJを向上させることが求められている。
特許文献1には、Dyの含有量を抑制しつつ保磁力の高いR−T−B系希土類焼結磁石が開示されている。この焼結磁石の組成は、一般に用いられてきたR−T−B系合金に比べてB量が相対的に少ない特定の範囲に限定され、かつ、Al、Ga、Cuのうちから選ばれる1種以上の金属元素Mを含有している。その結果、粒界にR17相が生成され、このR17相から粒界に形成される遷移金属リッチ相(R13M)の体積比率が増加することにより、HcJが向上する。
国際公開第2013/008756号
特許文献1に開示されているR−T−B系希土類焼結磁石では、Dyの含有量を低減しつつ高いHcJが得られるものの、Bが大幅に低下するという問題があった。また、近年、電気自動車用モータ等の用途において更に高いHcJを有するR−T−B系焼結磁石が求められている。
本発明の様々な実施形態は、RHの含有量を低減しつつ、高いBと高いHcJを有するR−T−B系焼結磁石の製造方法を提供する。
本開示のR−T−B系焼結磁石の製造方法は、
R:27.5〜35.0質量%(Rは希土類元素うちの少なくとも一種であり、Ndを必ず含む)、
B:0.80〜0.99質量%、
Ga:0〜0.8質量%、
M:0〜2質量%(MはCu、Al、Nb、Zrの少なくとも一種)、
残部T(TはFe又はFeとCo)及び不可避的不純物、
を含有するR−T−B系焼結磁石素材を準備する工程と、
アトマイズ法によって作製されたPr−Ga合金の粉末を準備する工程と、
前記Pr−Ga合金の粉末に前記Pr−Ga合金の粉末の融点よりも250℃低い温度以上、融点以下の温度で熱処理を行い、前記Pr−Ga合金の粉末から拡散源を得る工程と、
前記R−T−B系焼結磁石素材及び前記拡散源を処理容器内に配置し、前記R−T−B系焼結磁石素材及び前記拡散源を真空又は不活性ガス雰囲気中、600℃超950℃以下の温度で加熱することにより、前記拡散源に含まれるPr及びGaを前記R−T−B系焼結磁石素材の表面から内部に拡散する拡散工程と、を含む。
ある実施形態において、前記R−T−B系焼結磁石素材は下記不等式(1)を満足する。
[T]/55.85>14[B]/10.8 (1)
([T]は質量%で示すTの含有量であり、[B]は質量%で示すBの含有量である)
ある実施形態において、前記R−T−B系焼結磁石素材のGa量が0〜0.5質量%である。
ある実施形態において、前記Pr−Ga合金のNd含有量は不可避的不純物含有量以下である。
本開示の実施形態によると、アトマイズ法によって作製されたPr−Ga合金の粉末を熱処理した拡散源とR−T−B系焼結磁石素材とを処理容器内に配置し拡散工程を行うことにより、Pr−Ga合金粉末の均一化された組織を持つ粒子からPr及びGaを拡散させる。これにより、高いBとHcJを得ることができる。また、拡散にともなう磁気特性のばらつきを抑制し、磁気特性のばらつきに起因するB及びHcJの低下を抑制できる。
本開示の実施形態によるR−T−B系焼結磁石の製造方法における工程の例を示すフローチャートである。 R−T−B系焼結磁石の一部を拡大して模試的に示す断面図である。 図2Aの破線矩形領域内を更に拡大して模式的に示す断面図である。 本開示の実施形態において、用意されたR−T−B系焼結磁石素材の一部を模式的に示す断面図である。 本開示の実施形態において、拡散源と接触した状態にあるR−T−B系焼結磁石素材の一部を模式的に示す断面図である。
本開示によるR−T−B系焼結磁石の製造方法は、図1に例示されるように、R−T−B系焼結磁石素材を準備する工程S10と、アトマイズ法により作製されたPr−Ga合金の粉末を準備する工程S20とを含む。R−T−B系焼結磁石素材を準備する工程S10とPr−Ga合金の粉末を準備する工程S20との順序は任意であり、それぞれ、異なる場所で製造されたR−T−B系焼結磁石素材及びPr−Ga合金の粉末を用いてもよい。さらに本開示によるR−T−B系焼結磁石の製造方法は、Pr−Ga合金の粉末に前記Pr−Ga合金の粉末の融点よりも250℃低い温度以上、融点以下の温度で熱処理を行い、前記Pr−Ga合金の粉末から拡散源を得る工程S21を含む。
R−T−B系焼結磁石素材は、
R:27.5〜35.0質量%(Rは希土類元素うちの少なくとも一種であり、Ndを必ず含む)、
B:0.80〜0.99質量%、
Ga:0〜0.8質量%、
M:0〜2質量%(MはCu、Al、Nb、Zrの少なくとも一種)、
残部T(TはFe又はFeとCo)及び不可避的不純物、
を含有する。
ある例示的な実施形態においては、R−T−B系焼結磁石素材が下記不等式(1)を満足する。
[T]/55.85>14[B]/10.8 (1)
ここで、[T]は質量%で示すTの含有量であり、[B]は質量%で示すBの含有量である。
この不等式を満足するということは、Bの含有量がR14B化合物の化学量論組成比よりも少ない、すなわち、主相(R14B化合物)形成に使われるT量に対して相対的にB量が少ないことを意味している。
本開示では、アトマイズ法によって作製されたPr−Ga合金の粉末を準備する。そして、Pr−Ga合金の粉末に対して、前記Pr−Ga合金の粉末の融点よりも250℃低い温度以上、融点以下の温度で熱処理をすることにより拡散源を得る。
本開示によれば、R−T−B系焼結磁石素材及び拡散源を処理容器内に配置し、前記R−T−B系焼結磁石素材及び前記拡散源を真空又は不活性ガス雰囲気中、600℃超950℃以下の温度で加熱することにより、拡散源からPr及びGaをR−T−B系焼結磁石素材の内部に拡散させることができる。
本開示において、Pr−Ga合金の粉末は、アトマイズ法によって作製されている。アトマイズ法によって作製された粉末は「アトマイズ粉末(atomized powder)」と呼ばれることがある。
アトマイズ法は、溶湯噴霧法とも呼ばれる粉末作製方法の1種であり、ガスアトマイズ法、プラズマアトマイズ法などの公知のアトマイズ法を含む。例えばガスアトマイズ法によれば、金属又は合金を溶解炉で溶融して溶湯を形成し、その溶湯を窒素又はアルゴンなどの不活性ガス雰囲気中に噴霧して凝固させる。噴霧された溶湯は、微細な液滴として飛散するため、高速度で冷却されて凝固する。作製される粉末粒子は、それぞれ、球形の形状を持つため、粉砕を行う必要はない。アトマイズ法によって作製される粉末粒子のサイズは、たとえば10μm〜200μmの範囲に分布する。
アトマイズ法によれば、噴霧される合金溶湯の液滴が小さく、各液滴の重量に対する表面積が相対的に大きいため、冷却速度が高くなる。そのため、形成される粉末粒子は、非晶質又は微結晶質である。しかし、本開示では、これらの粉末粒子に対して熱処理を行うことにより、非晶質は結晶化し、また微結晶は粗大化して、最終的には、拡散源として好適な組織構造を持つに至る。
Pr−Ga合金の溶湯を、アトマイズ法によって急冷凝固する場合、冷却速度を厳密に制御することは難しい。このため、粉末粒子ごとに組織の構造がばらつきやすい。例えば、粉末粒子内に生成される微小な結晶粒のサイズが粒子ごとに大きく変化し得る。具体的には、平均結晶粒径が1μmの粒子が形成されたり、平均結晶粒径が3μmの粒子が形成されたりする。このような組織の構造および平均結晶粒径のばらつきが生じると、後述する拡散工程において、粒子を構成する相の溶融温度、およびPr及びGaを拡散源として供給するレートにばらつきが生じる。このようなばらつきは、最終的に磁石特性のばらつきを招来する。その結果、高いBと高いHcJを有さないR−T−B系焼結磁石が得られる場合がある。
このような課題を解決するため、本開示の実施形態では、以下に説明する熱処理を行う。
これにより、Pr−Ga合金の粉末を構成する粉末粒子の結晶性を改質し、Pr−Ga合金の粉末から均一性に優れた拡散源を得ることができる。そして、前記拡散源を用いることにより拡散工程における磁気特性のばらつきを抑制することができる。例えば熱処理の時間は30分以上10時間以下であり得る。このような拡散源は、金属間化合物相の平均結晶粒径が3μm超となる。好ましくは、拡散源における金属間化合物相の平均結晶粒径は3.5μm以上20μm以下である。ここで金属間化合物相とは、拡散源を構成する粉末粒子内における金属間化合物の結晶粒全体のことをいう。拡散源を構成する粉末粒子内における金属間化合物が複数種類ある場合は、一番含有量の多い金属間化合物の結晶粒全体のことをいう。
Pr−Ga合金の粉末に対する熱処理温度が前記Pr−Ga合金の粉末の融点より250℃低い温度未満であると、温度が低すぎるため合金の粉末を構成する粉末粒子の結晶性が改善しない可能性があり、融点を超えると粉末どうしが溶着して拡散工程を効率よくできない可能性がある。
この熱処理は、炉内の雰囲気を調整することにより、熱処理後の拡散源における酸素含有量を0.5質量%以上4.0質量%以下にすることが好ましい。アトマイズ粉末を構成する合金粒子の表面の全体を意図的に酸化させることにより、粉末粒子と大気との接触時間や湿度の差異などによって生じ得る粒子ごとの特性ばらつきを低減することができ、拡散工程における磁気特性のばらつきを更に低減することができる。また、大気中の酸素と接して発火する可能性が低減する。このため、拡散源の品質管理が容易になる。
拡散源は、実施形態において、粉末の状態にある。粉末状態にある拡散源の粒度は篩わけすることによって調整され得る。また、篩わけで排除される粉末が10質量%以内であれば、その影響は少ないので、篩わけせずに用いてもよい。
ある実施形態におけるR−T−B系焼結磁石の製造方法は、図1に示すように、前記R−T−B系焼結磁石素材及び前記拡散源を処理容器内に配置し、前記R−T−B系焼結磁石素材及び前記拡散源を真空又は不活性ガス雰囲気中、600℃超950℃以下の温度で加熱することにより、前記拡散源に含まれるPr及びGaを前記R−T−B系焼結磁石素材の表面から内部に拡散する拡散工程(拡散工程S30)を含む。また、拡散工程S30の後に更に、真空又は不活性ガス雰囲気中、前記拡散工程で実施した温度よりも低い温度で且つ、450℃以上750℃以下の温度で第二の熱処理を実施してもよい。拡散工程S30と、第二の熱処理を実施する工程との間に、他の工程、例えば冷却工程、拡散源とR−T−B系焼結磁石素材とが混合した状態からR−T−B系焼結磁石素材を取り出す工程などが実行され得る。
なお、上述したように、本発明において、Pr−Ga合金の粉末に行う熱処理を単に「熱処理」といい、前記R−T−B系焼結磁石素材及び前記拡散源を処理容器内に配置し、前記R−T−B系焼結磁石素材及び前記拡散源を真空又は不活性ガス雰囲気中、600℃超950℃以下の温度で加熱する熱処理を「拡散工程」といい、拡散工程が実施されたR−T−B系焼結磁石素材に対して、真空又は不活性ガス雰囲気中、前記拡散工程で実施した温度よりも低い温度で且つ、450℃以上750℃以下の温度で行う熱処理を「第二の熱処理」という。
R−T−B系焼結磁石は、原料合金の粉末粒子が焼結によって結合した構造を有しており、主としてR14B化合物からなる主相と、この主相の粒界部分に位置する粒界相とから構成されている。
図2Aは、R−T−B系焼結磁石の一部を拡大して模式的に示す断面図であり、図2Bは図2Aの破線矩形領域内を更に拡大して模式的に示す断面図である。図2Aには、一例として長さ5μmの矢印が大きさを示す基準の長さとして参考のために記載されている。図2A及び図2Bに示されるように、R−T−B系焼結磁石は、主としてR14B化合物からなる主相12と、主相12の粒界部分に位置する粒界相14とから構成されている。また、粒界相14は、図2Bに示されるように、2つのR14B化合物粒子(グレイン)が隣接する二粒子粒界相14aと、3つのR14B化合物粒子が隣接する粒界三重点14bとを含む。
主相12であるR14B化合物は高い飽和磁化と異方性磁界を持つ強磁性材料である。したがって、R−T−B系焼結磁石では、主相12であるR14B化合物の存在比率を高めることによってBを向上させることができる。R14B化合物の存在比率を高めるためには、原料合金中のR量、T量、B量を、R14B化合物の化学量論比(R量:T量:B量=2:14:1)に近づければよい。
本発明によれば、拡散源としてPr−Ga合金の粉末を使用することにより、Pr及びGaを粒界を通じて拡散させることができる。また、Prの存在が粒界拡散を促進する結果、磁石内部の奥深くまでGaを拡散させることができる。これにより、高いBと高いHcJを得ることができると考えられる。
2.用語の規定
(R−T−B系焼結磁石素材とR−T−B系焼結磁石)
本発明において、拡散工程及び拡散工程中のR−T−B系焼結磁石を「R−T−B系焼結磁石素材」と称し、拡散工程後のR−T−B系焼結磁石を単に「R−T−B系焼結磁石」と称する。
(R)
Rの含有量は27.5〜35.0質量%である。Rは希土類元素うちの少なくとも一種であり、Ndを必ず含む。Rが27.5質量%未満では焼結過程で液相が十分に生成せず、焼結体を充分に緻密化することが困難になる。一方、Rが35.0質量%を超えても本発明の効果を得ることができるが、焼結体の製造工程中における合金粉末が非常に活性になり、合金粉末の著しい酸化や発火などが生じる可能性があるため、35質量%以下が好ましい。Rは28質量%〜33質量%以下であることがより好ましく、29質量%〜33質量%以下であることがさらに好ましい。RHの含有量は、R−T−B系焼結磁石素材全体の5質量%以下が好ましい。本発明はRHを使用しなくても高いBと高いHcJを得ることができるため、より高いHcJを求められる場合でもRHの添加量を削減できる。
(B)
Bの含有量は、0.80〜0.99質量%である。Bの含有量を0.80〜0.99質量%含有させたR−T−B系焼結磁石素材に対して、後述するPr−Ga合金を拡散させることにより、高いBと高いHcJを得ることができる。Bの含有量が0.80質量%未満であるとBが低下する可能性があり、0.99質量%を超えるとHcJが低下する可能性がある。また、Bの一部はCで置換できる。
(Ga)
Pr−Ga合金の粉末からGaを拡散する前のR−T−B系焼結磁石素材におけるGaの含有量は、0〜0.8質量%である。本発明は、Pr−Ga合金の粉末をR−T−B系焼結磁石素材に拡散させることによりGaを導入するため、R−T−B系焼結磁石素材のGa量は比較的少ない量(又はGaを含有しない)にする。Gaの含有量が0.8質量%を超えると、主相中にGaが含有することで主相の磁化が低下し、高いBを得ることができない可能性がある。好ましくはGaの含有量は、0.5質量%以下である。より高いBを得ることができる。
(M)
Mの含有量は、0〜2質量%である。MはCu、Al、Nb、Zrの少なくとも一種であり、0質量%であっても本発明の効果を奏することができるが、Cu、Al、Nb、Zrの合計で2質量%以下含有することができる。Cu、Alを含有することによりHcJを向上させることができる。Cu、Alは積極的に添加してもよいし、使用原料や合金粉末の製造過程において不可避的に導入されるものを活用してもよい。また、Nb、Zrを含有することにより焼結時における結晶粒の異常粒成長を抑制することができる。Mは好ましくは、Cuを必ず含み、Cuを0.05〜0.30質量%含有する。Cuを0.05〜0.30質量%含有することにより、よりHcJを向上させることができるからである。
(残部T)
残部はT(TはFe又はFeとCo)及び不純物である。ある実施形態において、Tは、不等式(1)を満足する。質量比でTの90%以上がFeであることが好ましい。Feの一部をCoで置換することができる。但し、Coの置換量が、質量比でT全体の10%を超えるとBが低下するため好ましくない。さらに、本発明のR−T−B系焼結磁石素材は、ジジム合金(Nd−Pr)、電解鉄、フェロボロンなどの合金中及び製造工程中に通常含有される不可避的不純物並びに少量の上記以外の元素(上記R、B、Ga、M、T以外の元素)を含有してもよい。例えば、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Si、La、Ce、Sm、Ca、Mg、O(酸素)、N(炭素)、C(窒素)、Mo、Hf、Ta、Wなどをそれぞれ含有してもよい。
好ましくは、本開示のR−T−B系焼結磁石素材は不等式(1)を満足する。
[T]/55.85>14[B]/10.8 (不等式(1))
この不等式(1)を満足することにより、Bの含有量が一般的なR−T−B系焼結磁石よりも少なくなる。一般的なR−T−B系焼結磁石は、主相であるR14B相以外にFe相やR17相が生成しないよう[T]/55.85(Feの原子量)が14[B]/10.8(Bの原子量)よりも少ない組成となっている([T]は質量%で示すTの含有量であり、[B]は質量%で示すBの含有量である)。本開示の好ましい実施形態では、R−T−B系焼結磁石素材は、一般的なR−T−B系焼結磁石と異なり、[T]/55.85(Feの原子量)が14[B]/10.8(Bの原子量)よりも多くなるように不等式(1)で規定する。なお、本発明のR−T−B系焼結磁石素材におけるTはFeが主成分であるためFeの原子量を用いた。
ある実施形態において、Pr−Ga合金のPrは、Pr−Ga合金の全体の65〜97質量%である。このPrの30質量%以下をNdで置換することができ、Prの20質量%以下をDy及び/又はTbで置換することができる。GaはPr−Ga合金全体の3質量%〜35質量%であり、Gaの50質量%以下をCuで置換することができる。Pr−Ga合金は、不可避的不純物を含んでいても良い。なお、本発明における「Prの30%以下をNdで置換することができ」とは、Pr−Ga合金中のPrの含有量(質量%)を100%とし、そのうち30%をNdで置換できることを意味する。例えば、Pr−Ga合金中のPrが70質量%(Gaが30質量%)であれば、Ndを21質量%まで置換することができる。すなわち、Prが49質量%、Ndが21質量%となる。Dy、Tb、Cuの場合も同様である。
Pr及びGaを上記範囲内としたPr−Ga合金の粉末を本発明の組成範囲のR−T−B系焼結磁石素材に対して後述する拡散工程を行うことにより、Gaを、粒界を通じて磁石内部の奥深くまで拡散させることができる。Prは、Nd、Dy及び/又はTbと置換することができるが、それぞれの置換量が上記範囲を超えるとPrが少なすぎるため、高いBと高いHcJを得ることができない。好ましくは、前記Pr−Ga合金のNd含有量は不可避的不純物含有量以下(およそ1質量%以下)である。Gaは、50%以下をCuで置換することができるが、Cuの置換量が50%を超えるとHcJが低下する可能性がある。
R−T−B系焼結磁石素材は、Nd−Fe−B系焼結磁石に代表される一般的なR−T−B系焼結磁石の製造方法を用いて準備することができる。一例を挙げると、ストリップキャスト法等で作製された原料合金を、ジェットミルなどを用いて1μm以上10μm以下に粉砕した後、磁界中で成形し、900℃以上1100℃以下の温度で焼結することにより準備することができる。
原料合金の粉砕粒径(気流分散式レーザー回折法による測定で得られる体積中心値=D50)が1μm未満では粉砕粉を作製するのが非常に困難であり、生産効率が大幅に低下するため好ましくない。一方、粉砕粒径が10μmを超えると最終的に得られるR−T−B系焼結磁石素材の結晶粒径が大きくなり過ぎ、高いHcJを得ることが困難となるため好ましくない。R−T−B系焼結磁石素材は、前記の各条件を満たしていれば、一種類の原料合金(単一原料合金)から作製してもよいし、二種類以上の原料合金を用いてそれらを混合する方法(ブレンド法)によって作製してもよい。
本開示におけるPr−Ga合金の粉末は、アトマイズ法によって作製される。このため、機械的な粉砕を行わないでも、前述したように、球形の形状を有している。
また、Pr−Ga合金の粉末に対する熱処理を行うため、前述したように、結晶粒を大きく成長させ、特性の均一化を促進できる。
前記R−T−B系焼結磁石素材及び前記拡散源を処理容器内に配置し、前記R−T−B系焼結磁石素材及び前記拡散源を真空又は不活性ガス雰囲気中、600℃超950℃以下の温度で加熱することにより、前記拡散源に含まれるPr及びGaを前記R−T−B系焼結磁石素材の表面から内部に拡散させる。これにより、拡散源からPrやGaを含む液相が生成し、その液相がR−T−B系焼結磁石素材中の粒界を経由して焼結素材表面から内部に拡散導入される。これにより、Prと共にGaを、粒界を通じてR−T−B系焼結磁石素材の奥深くまで拡散させることができる。熱処理の温度が600℃以下であると、PrやGaを含む液相量が少なすぎて高いHcJを得ることが出来ない可能性があり、950℃を超えるとHcJが低下する可能性がある。また、好ましくは、拡散工程(600℃超950℃以下)が実施されたR−T−B系焼結磁石を拡散工程にて実施した温度から5℃/分以上の冷却速度で300℃まで冷却した方が好ましい。より高いHcJを得ることができる。さらに好ましくは、300℃までの冷却速度は15℃/分以上である。
拡散工程は、まず、R−T−B系焼結磁石素材及び拡散源を処理容器内に配置する。このとき、R−T−B系焼結磁石素材と拡散源とは、処理容器内で接触することが好ましい。例えば、R−T−B系焼結磁石素材表面を拡散源(粉末層)で覆い、拡散工程を行うことができる。例えば、拡散源を分散媒中に分散させたスラリーをR−T−B系焼結磁石素材表面に塗布した後、分散媒を蒸発させて拡散源とR−T−B系焼結磁石素材とを接触させてもよい。なお、分散媒として、アルコール(エタノール等)、アルデヒド及びケトンを例示できる。さらに、例えば、流動浸漬法を用いることにより、粘着剤が塗布されたR−T−B系焼結磁石素材に粉末状の拡散源を付着させる方法、R−T−B系焼結磁石素材に粉末状の拡散源を振り掛ける方法、などがあげられる。また、拡散源を収容した処理容器に振動、搖動、回転を与えたり、処理容器内で拡散源の粉末を流動させてもよい。
図3Aは、本開示によるR−T−B系焼結磁石の製造方法で使用され得るR−T−B系焼結磁石素材100の一部を模式的に示す断面図である。図面には、R−T−B系焼結磁石素材100の上面100a、及び側面100b、100cが示されている。本開示の製造方法に用いられるR−T−B系焼結磁石素材の形状及びサイズは、図示されているR−T−B系焼結磁石素材100の形状及びサイズに限定されない。図示されているR−T−B系焼結磁石素材100の上面100a、及び側面100b、100cは平坦であるが、R−T−B系焼結磁石素材100の表面は凹凸又は段差を有していても良いし、湾曲していてもよい。
図3Bは、拡散源を構成する粉末粒子30が表面に位置する状態のR−T−B系焼結磁石素材100の一部を模式的に示す断面図である。R−T−B系焼結磁石素材100の表面に位置する拡散源を構成している粉末粒子30は、不図示の粘着層を介して、R−T−B系焼結磁石素材100の表面に付着してもよい。そのような粘着層は、たとえば、R−T−B系焼結磁石素材100の表面に塗布されて形成され得る。粘着層を利用すれば、R−T−B系焼結磁石素素材100の向きを変えることなく、法線方向が異なる複数の領域(例えば上面100aと側面100b)に対して拡散源の粉末を一つの塗布工程で簡単に付着させることができる。
使用可能な粘着剤としては、PVA(ポリビニルアルコール)、PVB(ポリビニルブチラール)、PVP(ポリビニルピロリドン)などがあげられる。粘着剤が水系の粘着剤の場合、塗布の前にR1−T−B系焼結磁石を予備的に加熱してもよい。予備加熱の目的は余分な溶媒を除去し粘着力をコントロールすること、及び、均一に粘着剤を付着させることである。加熱温度は60〜100℃が好ましい。揮発性の高い有機溶媒系の粘着剤の場合はこの工程は省略してもよい。
R−T−B系焼結磁石素材表面に粘着剤を塗布する方法は、どのようなものでも良い。塗布の具体例としては、スプレー法、浸漬法、ディスペンサーによる塗布などがあげられる。
ある好ましい態様では、R−T−B系焼結磁石素材の表面全体(全面)に粘着剤が塗布されている。R−T−B系焼結磁石素材の表面全体ではなく、一部に付着させてもよい。特にR−T−B系焼結磁石素材の厚さが薄い(例えば2mm程度)場合は、R−T−B系焼結磁石素材の表面のうち、一番面積の広い一つの表面に拡散源の粉末を付着させるだけで磁石全体にPr及びGaを拡散させることができ、HcJを向上させることができる場合がある。
R−T−B系焼結磁石素材100の表面に接触している拡散源を構成する粉末粒子は、前述したように、均一性に優れた組織を有している。このため、後述する拡散のための加熱を行うと、拡散源に含まれるPr及びGaをR−T−B系焼結磁石素材の表面から内部に無駄なく効率的に拡散することができる。
拡散源の磁石表面上への塗布量は、拡散源のGaの量がR−T−B系焼結磁石100質量%に対して、例えば0.1〜1.0質量%(好ましくは、0.1〜0.5質量%)の範囲内になるように設定され得る。
なお、拡散源に含まれるPr及びGaの量は、粉末粒子のPr及びGaの濃度だけでなく、拡散源を構成する粉末粒子の粒度にも依存する。従って、Pr及びGaの濃度を一定にしたまま、拡散源を構成する粉末粒子の粒度を調整することによっても拡散されるPr及びGaの量を調整することが可能である。
実験例1
[R−T−B系焼結磁石素材の準備]
R−T−B系焼結磁石素材がおよそ表1のNo.A−1及びA−2に示す組成となるように各元素の原料を秤量し、ストリップキャスティング法により合金を作製した。得られた各合金を水素粉砕法により粗粉砕し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100質量%に対して0.04質量%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粉砕粒径D50が4μmの微粉砕粉(原料合金粉末)を得た。前記微粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を微粉砕粉100質量%に対して0.05質量%添加、混合した後磁界中で成形し成形体を得た。なお、成形装置には、磁界印加方向と加圧方向とが直交するいわゆる直角磁界成形装置(横磁界成形装置)を用いた。得られた成形体を、真空中、1060℃以上1090℃以下(サンプル毎に焼結による緻密化が十分起こる温度を選定)で4時間焼結し、R−T−B系焼結磁石素材を得た。得られたR−T−B系焼結磁石素材の密度は7.5Mg/m以上であった。得られたR−T−B系焼結磁石素材の成分の結果を表1に示す。なお、表1における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−OES)を使用して測定した。以下表2、表4も同様である。また、本発明の不等式(1)を満足する場合は「○」と、満足しない場合は「×」と記載した。なお、表1の各組成を合計しても100質量%にはならない。これは、表1に挙げた成分以外の成分(例えばO(酸素)やN(窒素)など)が存在するためである。
Figure 0006939339
[拡散源を得る工程]
表2に示すNo.a−1のPr−Ga合金の粉末をアトマイズ法により作製して用意した。得られたPr−Ga合金の粉末の粒度は106μm以下であった。次に前記Pr−Ga合金の粉末に対して、500℃(No.a−1のPr−Ga合金の融点である580℃よりも80℃低い温度)で2時間の熱処理を行うことにより、前記Pr−Ga合金の粉末から拡散源を得た。
Figure 0006939339
[拡散工程]
表1のNo.A−1及びA−2のR−T−B系焼結磁石素材を切断、研削加工し、7.4mm×7.4mm×7.4mmの立方体とした。次に、No.A−1のR−T−B系焼結磁石素材において、配向方向に垂直な面(二面)にR−T−B系焼結磁石素材100質量部に対して前記拡散源を3質量部(一面あたり1.5質量部)散布した。その後、50Paに制御した減圧アルゴン中で、900で4時間加熱する拡散工程を行った。さらに拡散工程後のR−T−B系焼結磁石及びNo.A−2(拡散工程を行わなかったR−T−B系焼結磁石素材)に対して、50Paに制御した減圧アルゴン中で、500℃で3時間の第二の熱処理を行いR−T−B系焼結磁石(No.1及び2)を作製した。得られたR−T−B系焼結磁石のNo.1に対して、Pr−Ga合金の濃化部を除去するため表面研削盤を用いて各サンプルの全面を0.2mmずつ切削加工し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体状のサンプルを得た。R−T−B系焼結磁石のNo.2に対しても同様の切削加工を施し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体状のサンプルを得た。得られたNo.1のR−T−B系焼結磁石(拡散源を用いてPrやGaを拡散させたサンプル)の組成を、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−OES)を使用して測定したところ、No.2(No.2は、拡散源を用いていないため、No.A−2と同じ組成)の組成と同等であった。
[サンプル評価]
得られたサンプルを、B−HトレーサによってB及びHcJを測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 0006939339
上述したようにNo.1と2はほぼ同じ組成にも係らず、表3に示す通り本発明の実施形態(No.1)の方が高いBと高いHcJが得られている。
実験例2
実験例1と同様にして、質量比でNd:24.0%、Pr:7.0%、B:0.86%、Cu:0.1%、Al:0.1%、Ga:0.2%、Co:0.8%、Fe:67.0%の組成のR−T−B系焼結磁石素材を作製した(不等式(1)は満足している)。前記R−T−B系焼結磁石素材の寸法は、厚さ5.0mm×幅7.5mm×長さ35mmであった。
次に、表4に示す組成のPr−Ga合金の粉末をアトマイズ法により作製して用意した。得られたPr−Ga合金の粉末の粒度は106μm以下であった。次に、前記Pr−Ga合金の粉末に対して、表4に示す条件(温度及び時間)で熱処理する(但し、No.3は熱処理なし)ことにより、前記合金の粉末から拡散源(No.3〜17)を得た。また、得られた拡散源における金属間化合物相の平均結晶粒径を以下の方法により測定した。まず、拡散源を構成する粉末粒子の断面を走査電子顕微鏡(SEM)で観察しコントラストから相別し、各相の組成をエネルギー分散X線分光(EDX)を用いて分析し金属間化合物相を特定した。次に画像解析ソフト(Scandium)を用いて、一番面積比率の高い金属間化合物相を一番含有量の高い金属間化合物相とし、当該金属間化合物相の結晶粒径を求めた。具体的には金属間化合物相における結晶粒の数及び結晶粒の全面積を画像解析ソフト(Scandium)を用いて求め、求めた結晶粒の全面積を結晶粒の数で割ることにより平均面積を求めた。そして数式1により得られた平均面積から結晶粒径Dを求めた。
Figure 0006939339
ここで、Dは結晶粒径、Sは平均面積である。
これらの作業を5回行い(5個の粉末粒子を調べ)、その平均値を求めることで拡散源における金属間化合物相の平均結晶粒径を求めた。結果を表4の平均結晶粒径に示す。なお、No.3は拡散源に熱処理を行っていないため、金属間化合物相の結晶粒径が小さすぎて(1μm以下の微小な結晶粒)測定することができなかった。
次に、R−T−B系焼結磁石素材に粘着剤を塗布した。塗布方法は、R−T−B系焼結磁石素材をホットプレート上で60℃に加熱後、スプレー法でR−T−B系焼結磁石素材全面に粘着剤を塗布した。粘着剤としてPVP(ポリビニルピロリドン)を用いた。
次に、粘着剤を塗布したR−T−B系焼結磁石素材に対して、表4のNo.3〜17の拡散源を付着させた。拡散源を付着させたR−T−B系焼結磁石素材は、拡散源の種類ごと(No.3〜17ごと)に50個づつ準備した。付着方法は、容器に拡散源(合金粉末)を広げ、粘着剤を塗布したR−T−B系焼結磁石素材を常温まで降温させた後、容器内で拡散源をR−T−B系焼結磁石素材全面にまぶすように付着させた。
次に、前記R−T−B系焼結磁石素材及び拡散源を処理容器内に配置し、900℃で8時間加熱することにより、前記拡散源に含まれるPr及びGaを前記R−T−B系焼結磁石素材の表面から内部に拡散する拡散工程を行った。拡散後のR−T−B系焼結磁石の中央部分から厚さ4.5mm×幅7.0mm×長さ7.0mmの立方体を切り出し、拡散源の種類ごと(No.3〜17ごと)に10個づつB−Hトレーサにより保磁力を測定し、得られた保磁力の最大値から保磁力の最小値を差し引いた値を磁気特性ばらつき(△HcJ)として求めた。△HcJの値を表4に示す。
Figure 0006939339
表4に示すように、Pr−Ga合金の粉末に熱処理をしていないNo.3(比較例)及び熱処理温度が本開示の範囲外であるNo.9(比較例)と比べ本発明例(No.4〜8、No.10〜17)は、いずれも△HcJが半分程度であり拡散工程における磁気特性のばらつきが抑制されている。
本発明によれば、高残留磁束密度、高保磁力のR−T−B系焼結磁石を作製することができる。本発明の焼結磁石は、高温下に晒されるハイブリッド車搭載用モータ等の各種モータや家電製品等に好適である。
12 R14B化合物からなる主相
14 粒界相
14a 二粒子粒界相
14b 粒界三重点
30 拡散源を構成する粉末粒子
100 R−T−B系焼結磁石素材
100a R−T−B系焼結磁石素材の上面
100b R−T−B系焼結磁石素材の側面
100c R−T−B系焼結磁石素材の側面

Claims (4)

  1. R:27.5〜35.0質量%(Rは希土類元素うちの少なくとも一種であり、Ndを必ず含む)、
    B:0.80〜0.99質量%、
    Ga:0〜0.8質量%、
    M:0〜2質量%(MはCu、Al、Nb、Zrの少なくとも一種)、
    残部T(TはFe又はFeとCo)及び不可避的不純物、
    を含有するR−T−B系焼結磁石素材を準備する工程と、
    アトマイズ法によって作製されたPr−Ga合金の粉末を準備する工程と、
    前記Pr−Ga合金の粉末に前記Pr−Ga合金の粉末の融点よりも250℃低い温度以上、融点以下の温度で熱処理を行い、前記Pr−Ga合金の粉末から拡散源を得る工程と、
    前記R−T−B系焼結磁石素材及び前記拡散源を処理容器内に配置し、前記R−T−B系焼結磁石素材及び前記拡散源を真空又は不活性ガス雰囲気中、600℃超950℃以下の温度で加熱することにより、前記拡散源に含まれるPr及びGaを前記R−T−B系焼結磁石素材の表面から内部に拡散する拡散工程と、
    を含む、R−T−B系焼結磁石の製造方法。
  2. 前記R−T−B系焼結磁石素材は下記不等式(1)を満足する、請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
    [T]/55.85>14[B]/10.8 (1)
    ([T]は質量%で示すTの含有量であり、[B]は質量%で示すBの含有量である)
  3. 前記R−T−B系焼結磁石素材のGa量が0〜0.5質量%である請求項1又は2に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  4. 前記Pr−Ga合金のNd含有量は不可避的不純物含有量以下である、請求項1から3のいずれかに記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
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