JP2023052675A - R-t-b系焼結磁石 - Google Patents

R-t-b系焼結磁石 Download PDF

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Abstract

【課題】重希土類元素の含有量を低減しつつ、高いBr及び高いHcJを有するR-T-B系焼結磁石を提供する。【解決手段】本発明のR-T-B系焼結磁石は、R2T14B化合物(Rは希土類元素のうち少なくとも一種である。Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む。Bは硼素である。)からなる主相と、前記主相の粒界部分に位置する粒界相とを有する。R-T-B系焼結磁石はLaおよびCuを含有し、磁石表層部におけるLaおよびCuの平均組成は、それぞれ、磁石表面から800μmの深さにおけるLaおよびCuの組成よりも高く、磁石表面から800μmの深さにおける主相のLaおよびCuの組成は、それぞれ、磁石表面から800μmの深さにおける粒界相のLaおよびCuの組成よりも低い。【選択図】図5A

Description

本発明は、R-T-B系焼結磁石に関する。
R-T-B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種である。Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む。Bは硼素である)は永久磁石の中で最も高性能な磁石として知られており、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)、電気自動車用(EV、HV、PHVなど)モータ、産業機器用モータなどの各種モータや家電製品などに使用されている。本明細書において希土類元素とは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、およびランタノイドからなる群から選択された少なくとも1つの元素をいう。ここで、ランタノイドとは、ランタンからルテチウムまでの15の元素の総称である。
R-T-B系焼結磁石は主としてR14B化合物からなる主相とこの主相の粒界部分に位置する粒界相(以下、単に「粒界」という場合がある)とから構成されている。R14B化合物は高い磁化を持つ強磁性相でありR-T-B系焼結磁石の特性の根幹をなしている。
R-T-B系焼結磁石は、高温で保磁力HcJ(以下、単に「保磁力」又は「HcJ」という場合がある)が低下するため不可逆熱減磁が起こるという問題がある。そのため、特に電気自動車用モータに使用されるR-T-B系焼結磁石では、高温下でも高いHcJを有する、すなわち室温においてより高いHcJを有することが要求されている。
R-T-B系焼結磁石において、R14B化合物中のRに含まれる軽希土類元素(主としてNd及び/又はPr)の一部を重希土類元素(主としてDy及び/又はTb)で置換すると、HcJが向上することが知られている。重希土類元素の置換量の増加に伴いHcJは向上する。
しかし、R14B化合物中の軽希土類元素を重希土類元素で置換するとR-T-B系焼結磁石のHcJが向上する一方、残留磁束密度B(以下、単に「B」という場合がある)が低下する。また、重希土類元素、特にDyなどは資源存在量が少ないうえ産出地が限定されているなどの理由から供給が安定しておらず、価格が大きく変動するなどの問題を有している。そのため、近年、ユーザーから重希土類元素をできるだけ使用することなくHcJを向上させることが求められている。
特許文献1には、Dyの含有量を低減しつつ保磁力を高めたR-T-B系希土類焼結磁石が開示されている。この焼結磁石の組成は、一般に用いられてきたR-T-B系合金に比べてB量が相対的に少ない特定の範囲に限定され、かつ、Al、Ga、Cuのうちから選ばれる1種以上の金属元素Mを含有している。その結果、粒界にR17相が生成され、このR17相から粒界に形成される遷移金属リッチ相(R13M)の体積比率が増加することにより、HcJが向上する。
国際公開第2013/008756号
特許文献1に記載されている方法は、重希土類元素の含有量を抑制しつつR-T-B系焼結磁石を高保磁力化できる点で注目に値する。しかし、Bが大幅に低下するという問題があった。また、近年、電気自動車用モータ等の用途において更に高いHcJを有するR-T-B系焼結磁石が求められている。また、R-T-B系焼結磁石は、特に電気自動車用モータ向けなどで需要が今後大きく拡大することが予想されている。そのため、重希土類元素の低減だけでなく、希土類元素使用の多様化もはかる必要がある。具体的な手段として希土類元素の中で存在量が比較的豊富なLa(ほかにCe)などを使用することが挙げられる。
本開示の実施形態は、Laを使用し、重希土類元素の含有量を低減しつつ、高いB及び高いHcJを有するR-T-B系焼結磁石を提供する。
本開示のR-T-B系焼結磁石は、R14B化合物(Rは希土類元素のうち少なくとも一種である。Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む。Bは硼素である。)からなる主相と、前記主相の粒界部分に位置する粒界相とを有するR-T-B系焼結磁石であって、LaおよびCuを含有し、磁石表層部におけるLaおよびCuの平均組成は、それぞれ、磁石表面から800μmの深さにおける前記LaおよびCuの平均組成よりも高く、前記磁石表面から800μmの深さにおける前記主相のLaおよびCuの組成は、それぞれ、前記磁石表面から800μmの深さにおける前記粒界相のLaおよびCuの組成よりも低い。
ある実施形態において、前記粒界相は、R、Ga、およびCuを含有する相を含む。
ある実施形態において、R、Ga、およびCuを含有する前記相の少なくとも一部は、RFe13Ga相を含む。
ある実施形態において、磁石表層部の前記RFe13Ga相において、Laの組成はNdの組成よりも高い。
ある実施形態において、前記主相のLaの組成は、前記磁石に含まれるLaの平均組成の0.2/2.7以下である。
本開示のR-T-B系焼結磁石の製造方法は、例示的な実施形態において、R1-T1-B系焼結体を準備する工程と、R2-Ga-Cu系合金を準備する工程と、前記R1-T1-B系焼結体の表面の少なくとも一部に、前記R2-Ga-Cu系合金の少なくとも一部を接触させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、450℃以上500℃以下の温度で熱処理を実施する工程を含み、前記R1-T1-B系焼結体において、R1は希土類元素のうち少なくとも一種であり、Nd及びPrの少なくとも一方を必ず含み、R1の含有量は、R1-T1-B系焼結体全体の27mass%以上35mass%以下であり、T1はFe又はCo、Al、Mn、Siの少なくとも1つとFeであり、T1全体に対するFeの含有量が80mass%以上であり、Bに対するT1のmol比([T1]/[B])が14.0超15.0以下であり、前記R2-Ga-Cu系合金において、R2は希土類元素のうち少なくとも一種であり、Laを必ず含み、R2の含有量は、R2-Ga-Cu系合金全体の70mol%以上90mol%以下であり、かつ、希土類元素全体に対するLaの比率が、R1-T1―B系焼結体の希土類元素全体に対するLaの比率よりも高く、Gaの含有量は、R2-Ga-Cu系合金全体の5mol%以上20mol%以下であり、Cuの含有量は、R2-Ga-Cu系合金全体の5mol%以上20mol%以下である。
ある実施形態において、前記R2-Ga-Cu系合金中のLaがR2全体の50mol%以上である。
ある実施形態において、前記R2-Ga-Cu系合金中のR2はLaである(不純物は含む)。
ある実施形態において、前記R2-Ga-Cu系合金におけるR2、Ga,Cuの合計の含有量が80mass%以上である。
ある実施形態において、前記R1-T1-B系焼結体を準備する工程は、原料合金を粒径D50が3μm以上10μm以下になるように粉砕した後、磁界中で配向させて焼結を行うことを含む。
本開示の実施形態によると、Laを使用し、重希土類元素の含有量を低減しつつ、高いB及び高いHcJを有するR-T-B系焼結磁石を提供することができる。
本開示によるR-T-B系焼結磁石の製造方法における工程の例を示すフローチャートである。 R-T-B系焼結磁石の主相と粒界相を示す模式図である。 図2Aの破線矩形領域内を更に拡大した模式図である。 熱処理工程におけるR1-T1-B系焼結体とR2-Ga-Cu系合金との配置形態の例を模式的に示す説明図である。 No.1-4(本発明例)の焼結体表面近傍の断面を走査電子顕微鏡で観察した写真である。 No.1-4(本発明例)の表面から800μm領域の断面を走査電子顕微鏡で観察した写真である。 No.1-4(本発明例)の中心部の断面を走査電子顕微鏡で観察した写真である。 No.1-4(本発明例)の焼結体表面近傍の断面をEDX分析した結果を示す図である。 No.1-4(本発明例)の表面から800μm領域の断面をEDX分析した結果を示す図である。 No.1-4(本発明例)の中心部の断面をEDX分析した結果を示す図である。
本開示において、希土類元素を総称して「R」と表記する場合がある。希土類元素Rのうちの特定の元素または元素群を指すとき、例えば「R1」及び「R2」の符号を用いて他の希土類元素から区別する。また、本開示において、Feを含む遷移金属元素の全体を「T」と表記する。遷移金属元素Tのうちの特定の元素または元素群及び主相のFeサイトと容易に置換される遷移金属元素以外の特定の元素または元素群の両方を含むとき、「T1」の符号を用いて他の遷移金属元素から区別する。
本開示によるR-T-B系焼結磁石の製造方法は、図1に示すように、R1-T1-B系焼結体を準備する工程S10と、R2-Ga-Cu系合金を準備する工程S20とを含む。R1-T1-B系焼結体を準備する工程S10と、R2-Ga-Cu系合金を準備する工程S20との順序は任意であり、それぞれ、異なる場所で製造されたR1-T1-B系焼結体及びR2-Ga-Cu系合金を用いてもよい。
本開示において、熱処理前及び熱処理中のR-T-B系焼結磁石をR1-T1-B系焼結体と称し、熱処理後のR1-T1-B系焼結体を単にR-T-B系焼結磁石と称する。
R1-T1-B系焼結体においては、下記(1)~(3)が成立している。
(1)R1は希土類元素のうち少なくとも一種でありNd及びPrの少なくとも一方を必ず含み、R1の含有量は、R1-T1-B系焼結体全体の27mass%以上35mass%以下である。
(2)T1はFe又はCo、Al、Mn、Siの少なくとも1つとFeであり、T1全体に対するFeの含有量が80mass%以上である。
(3)Bに対するT1のmol比([T1]/[B])が14.0超15.0以下である。
本開示におけるBに対するT1のmol比([T1]/[B])とは、T1を構成する各元素(Fe又はCo、Al、Mn、Siの少なくとも1つとFe)の分析値(mass%)をそれぞれの元素の原子量で除したものを求め、それらの値を合計したもの(a)と、Bの分析値(mass%)をBの原子量で除したもの(b)との比(a/b)である。
Bに対するT1のmol比([T1]/[B])が14.0を超えるということは、Bの含有比率がR14B化合物の化学量論組成比よりも低いことを意味している。言い換えると、R1-T1-B系焼結体において、主相(R14B化合物)の形成に使われるT1の量に対して相対的にB量が少ない。
R2-Ga-Cu系合金においては、以下の(4)~(6)が成立している。
(4)R2は希土類元素のうち少なくとも一種であり、Laを必ず含み、R2の含有量は、R2-Ga-Cu系合金全体の70mol%以上90mol%以下であり、かつ、希土類元素全体に対するLaの比率が、R1-T1―B系焼結体の希土類元素全体に対するLaの比率よりも高い。
(5)Gaの含有量は、R2-Ga-Cu系合金全体の5mol%以上20mol%以下である。
(6)Cuの含有量は、R2-Ga-Cu系合金全体の5mol%以上20mol%以下である。
本開示によるR-T-B系焼結磁石の製造方法は、主相(R14B化合物)形成に使われるTの量に対して化学量論比で相対的にB量が少ないR1-T1-B系焼結体の表面の少なくとも一部にR2-Ga-Cu系合金を接触させ、図1に示すように、真空又は不活性ガス雰囲気中、450℃以上500℃以下の温度で熱処理を実施する工程S30を行う。これにより、高いB及び高いHcJを有するR-T-B系焼結磁石を得ることが出来る。
まず、R-T-B系焼結磁石の基本構造を説明する。
R-T-B系焼結磁石は、原料合金の粉末粒子が焼結によって結合した構造を有しており、主としてR14B化合物からなる主相と、この主相の粒界部分に位置する粒界相とから構成されている。
図2Aは、R-T-B系焼結磁石の主相と粒界相を示す模式図であり、図2Bは図2Aの破線矩形領域内を更に拡大した模式図である。図2Aには、一例として長さ5μmの矢印が大きさを示す基準の長さとして参考のために記載されている。図2A及び図2Bに示されるように、R-T-B系焼結磁石は、主としてR14B化合物からなる主相12と、主相12の粒界部分に位置する粒界相14とから構成されている。また、粒界相14は、図2Bに示されるように、2つのR14B化合物粒子(グレイン)が隣接する二粒子粒界相14aと、3つ以上のR14B化合物粒子が隣接する粒界三重点14bとを含む。
主相12であるR14B化合物は高い飽和磁化と異方性磁界を持つ強磁性相である。したがって、R-T-B系焼結磁石では、主相12であるR14B化合物の存在比率を高めることによってBを向上させることができる。R14B化合物の存在比率を高めるためには、原料合金中のR量、T量、B量を、R14B化合物の化学量論比(R量:T量:B量=2:14:1)に近づければよい。R14B化合物を形成するためのB量又はR量が化学量論比を下回ると、一般的には、粒界相14にFe相又はR17相等の強磁性体が生成し、HcJが急激に低下する。しかし、特許文献1に記載されている方法のように、B量をR14B化合物の化学量論比よりも少なくし、且つ、Al、Ga、Cuのうちから選ばれる1種以上の金属元素Mを含有させると、R17相から粒界に遷移金属リッチ相(例えばR-T-Ga相)が生成されて高いHcJを得ることできる。しかし、特許文献1に記載されている方法では、Bが大幅に低下してしまう。
本開示のR-T-B系焼結磁石の製造方法は、低B組成である特定の組成を有するR1-T1-B系焼結体の表面の少なくとも一部に、希土類元素の中でも存在量が比較的豊富なLaをR2として含有するR2-Ga-Cu系合金を接触させて熱処理を行うことで、Laを含むR2とGa及びCuを磁石内部に拡散させている。発明者らは検討の結果、R2-Ga-Cu系合金におけるR2の含有量は、希土類元素全体に対するLaの比率が、R1-T1-B系焼結磁石体の希土類元素全体に対するLaの比率よりも高くする。そして、このような比率でR2中にLaを存在させたうえで、非常に狭い特定の温度(450℃以上500℃以下)で熱処理を行うと粒界拡散が促進されて、Gaを含む厚い二粒子粒界を焼結体の内部にまで容易に形成させることができることがわかった。これによりLaを使用し、重希土類元素の含有量を低減しつつ、高いBと高いHcJを得ることができる。また、Laと同じく希土類元素の中で存在量が比較的豊富なCeの場合は、本開示と同様な効果(高いBと高いHcJ)を実現することが困難であることも分かった。すなわち、本開示は、Laを含むR2とGa及びCuを含む合金を非常に狭い特定の温度で熱処理を行い上記特定組成の焼結体へ拡散させることで、高いBと高いHcJを実現できることを見出したものである。
(R1-T1-B系焼結体を準備する工程)
まず、R1-T1-B系焼結体(以下、単に「焼結体」という場合がある)を準備する工程における焼結体の組成を説明する。
R1は希土類元素のうち少なくとも一種であり、Nd及びPrの少なくとも一方を必ず含む。R1-T1-B系焼結体のHcJを向上させるために、一般的に用いられるDy、Tb、Gd、Hoなどの重希土類元素を少量含有してもよい。ただし、本開示による製造方法によれば、重希土類元素を多量に用いずとも十分に高いHcJを得ることができる。そのため、前記重希土類元素の含有量は、R1-T1-B系焼結体の1mass%以下であることが好ましく、0.5mass%以下であることがより好ましく、含有しない(実質的に0mass%)ことがさらに好ましい。
R1の含有量は、R1-T1-B系焼結体全体の27mass%以上35mass%以下である。R1の含有量が27mass%未満では焼結過程で液相が十分に生成せず、R1-T1-B系焼結体を十分に緻密化することが困難になる。一方、R1の含有量が35mass%を超えても本開示の効果を得ることはできるが、R1-T1-B系焼結体の製造工程中における合金粉末が非常に活性になる。その結果、合金粉末の著しい酸化や発火などを生じることがあるため、35mass%以下が好ましい。R1の含有量は、27.5mass%以上33mass%以下であることがより好ましく、28mass%以上32mass%以下であることがさらに好ましい。
T1はFe又はCo、Al、Mn、Siの少なくとも1つとFeであり、T1全体に対するFeの含有量が80mass%以上である。すなわち、T1はFeのみであってもよいし、Co、Al、Mn、Siの少なくとも1つとFeからなってもよい。但し、T1全体に対するFeの含有量は80mass%以上である。Feの含有量が80mass%未満であると、B及びHcJが低下する可能性がある。ここで、「T1全体に対するFeの含有量は80mass%以上」とは、例えばR1-T1-B系焼結体中におけるT1の含有量が70mass%である場合、R1-T1-B系焼結体の56mass%以上がFeであることを言う。好ましくはT1全体に対するFeの含有量は90mass%以上である。より高いBと高いHcJを得ることができるからである。Co、Al、Mn、Siを含有する場合の好ましい含有量は、Coは5.0mass%以下、Alは1.5mass%以下、Mn及びSiはそれぞれ0.2mass%以下である。
Bに対するT1のmol比([T1]/[B])は14.0超15.0以下である。
Bに対するT1のmol比([T1]/[B])が14.0以下であると高いHcJを得ることができない。一方、Bに対するT1のmol比([T1]/[B])が15.0を超えるとBが低下する可能性がある。Bに対するT1のmol比([T1]/[B])は14.3以上15.0以下であることが好ましい。さらに高いBと高いHcJを得ることができる。また、Bの含有量はR1-T1-B系焼結体全体の0.85mass%以上0.95mass%未満が好ましい。
R1-T1-B系焼結体は、上記元素の他にGa、Cu、Ag、Zn、In、Sn、Zr、Nb、Ti、Ni、Hf、Ta、W、Ge、Mo、V、Y、La、Ce、Sm、Ca、Mg、Cr、H、F、P、S、Cl、O、N、C等を含有してもよい。含有量は、Ga、Cu、Ag、Zn、In、Sn、Zr、Nb、及びTiはそれぞれ0.5mass%以下、Ni、Hf、Ta、W、Ge、Mo、V、Y、La、Ce、Sm、Ca、Mg、Crはそれぞれ0.2mass%以下、H、F、P、S、Clは500ppm以下、Oは6000ppm以下、Nは1000ppm以下、Cは1500ppm以下が好ましい。これらの元素の合計の含有量は、R1-T1-B系焼結体全体の5mass%以下が好ましい。これらの元素の合計の含有量がR1-T1-B系焼結体全体の5mass%を超えると高いBと高いHcJを得ることができない可能性がある。
次にR1-T1-B系焼結体を準備する工程について説明する。R1-T1-B系焼結体を準備する工程は、R-T-B系焼結磁石に代表される一般的な製造方法を用いて準備することができる。R1-T1-B系焼結体は、原料合金を粒径D50(気流分散式レーザー回折法による測定で得られる体積中心値=D50)が3μm以上10μm以下になるように粉砕した後、磁界中で配向させて焼結を行うことが好ましい。一例を挙げると、ストリップキャスト法などで作製された原料合金を、ジェットミル装置などを用いて粒径D50が3μm以上10μm以下になるように粉砕した後、磁界中で成形し、900℃以上1100℃以下の温度で焼結することにより準備することができる。原料合金の粒径D50が3μm未満では粉砕粉を作製するのが非常に困難であり、生産効率が大幅に低下するため好ましくない。一方、粒径D50が10μmを超えると最終的に得られるR1-T1-B系焼結体の結晶粒径が大きくなり過ぎ、高いHcJを得ることが困難となるため好ましくない。粒径D50は好ましくは、3μm以上5μm以下である。
R1-T1-B系焼結体は、前記の各条件を満たしていれば、一種類の原料合金(単一原料合金)から作製してもよいし、二種類以上の原料合金を用いてそれらを混合する方法(ブレンド法)によって作製してもよい。また、得られたR1-T1-B系焼結体は、必要に応じて切断や切削など公知の機械加工を行った後、後述する熱処理を実施してもよい。
(R2-Ga-Cu系合金を準備する工程)
まず、R2-Ga-Cu系合金を準備する工程におけるR2-Ga-Cu系合金の組成を説明する。以下に説明する特定の範囲でR2及びGa、Cuを含有することにより、後述する熱処理を実施する工程においてR2-Ga-Cu系合金中のR2及びGa、CuをR1-T1-B系焼結体内部に導入することができる。
R2は希土類元素のうち少なくとも一種であり、Laを必ず含み、R2の含有量はR2-Ga-Cu系合金全体の70mol%以上90mol%以下である。R2の含有量が70mol%未満では後述する熱処理で拡散が十分に進行しない可能性がある。一方、R2の含有量が90mol%を超えても本開示の効果を得ることはできるが、R2-Ga-Cu系合金の製造工程中における合金粉末が非常に活性になる。その結果、合金粉末の著しい酸化や発火などを生じることがあるため、R2の含有量はR2-Ga-Cu系合金全体の90mol%以下が好ましい。R2の含有量は75mol%以上85mol%以下であることがより好ましい。より高いHcJを得ることができるからである。また、上述したように、Ndの供給不足が懸念されている中、希土類元素使用の多様化の観点から前記R2-Ga-Cu系合金中のLaがR2全体の50mol%以上であることが好ましく、さらに好ましくは、前記R2-Ga-Cu系合金中のR2はLaである(不純物は含む)。
R2は、希土類元素全体に対するLaの比率が、R1-T1―B系焼結体の希土類元素全体に対するLaの比率よりも高い。これにより粒界拡散が促進され、磁石内部にGaやCuを拡散させることができる。Laの比率がR1-T1―B系焼結体の希土類元素全体に対するLaの比率よりも低いと、粒界拡散が促進されずGaやCuの拡散は焼結体の表面近傍にとどまる可能性がある。そのため、Ga-Cuの磁石表面から内部への導入量が不十分となり、高いBと高いHcJを有するR-T-B系焼結磁石を得ることができない可能性がある。好ましくは、前記R1-T1-B系焼結体中の[La]/[R1]をα、R2-Ga-Cu系合金中の[La]/[R2]をβとしたとき、β/α≧1.5である。
Gaは、R2-Ga-Cu系合金全体の5mol%以上20mol%以下である。Gaが5mol%未満では、後述する熱処理を実施する工程においてR2-Ga-Cu系合金中のGaやCuがR1-T1-B系焼結体の内部に導入され難くなり高いHcJを得ることが出来ない。一方、Gaが20mol%超であると、Bが大幅に低下する可能性がある。Gaは5mol%以上20mol%以下であることがより好ましい。より高いBと高いHcJを得ることができるからである。
Cuは、R2-Ga-Cu系合金全体の5mol%以上20mol%以下含有する。5mol%未満であると高いHcJを得ることが出来ない可能性があり、Cuが20mol%を超えると、粒界におけるGaの存在比率が低下する可能性があるため、20mol%以下が好ましい。
R2-Ga-Cu系合金は、上記元素の他にCo、Al、Ag、Zn、Si、In、Sn、Zr、Nb、Ti、Ni、Hf、Ta、W、Ge、Mo、V、Y、La、Ce、Sm、Ca、Mg、Mn、Cr、H、F、P、S、Cl、O、N、C等を含有してもよい。
Coは、耐食性の向上のために0.5mass%以上10mass%以下含有してもよい。また、Alは1.0mass%以下、Ag、Zn、Si、In、Sn、Zr、Nb、及びTiはそれぞれ0.5mass%以下、Ni、Hf、Ta、W、Ge、Mo、V、Y、La、Ce、Sm、Ca、Mg、Mn、Si、Crはそれぞれ0.2mass%以下、H、F、P、S、Clは500ppm以下、Oは6000ppm以下、Nは1000ppm以下、Cは1500ppm以下の含有量が好ましい。但し、これらの元素の合計の含有量が20mass%を超えると、R2-Ga-Cu系合金におけるR2、Ga、Cuの含有量が少なくなり、高いBと高いHcJを得ることが出来ない可能性がある。そのため、R2-Ga-Cu系合金におけるR2、Ga、Cuの合計の含有量は80mass%以上が好ましく、90mass%以上がさらに好ましい。
次にR2-Ga-Cu系合金を準備する工程について説明する。R2-Ga-Cu系合金は、Nd-Fe-B系焼結磁石に代表される一般的な製造方法において採用されている原料合金の作製方法、例えば、金型鋳造法やストリップキャスト法や単ロール超急冷法(メルトスピニング法)やアトマイズ法などを用いて準備することができる。また、R2-Ga-Cu系合金は、前記によって得られた合金をピンミルなどの公知の粉砕手段によって粉砕されたものであってもよい。また、前記によって得られた合金の粉砕性を向上させるために、水素雰囲気中で700℃以下の熱処理を行って水素を含有させてから粉砕を行っても良い。
(熱処理を実施する工程)
前記によって準備したR1-T1-B系焼結体の表面の少なくとも一部に、前記R2-Ga-Cu系合金の少なくとも一部を接触させ、真空又は不活性ガス雰囲気中、450℃以上500℃以下の温度で熱処理をする。これにより、R2-Ga-Cu系合金からLaを含むR2及びGa、Cuを含む液相が生成し、その液相がR1-T1-B系焼結体の粒界を経由して焼結体表面から内部に拡散導入され、粒界にR-T-Ga相が生成される。熱処理温度が450℃未満であると、Laを含むR2及びGa,Cuを含む液相量が少なすぎて、高いBと高いHcJを得ることが出来ない可能性がある。一方、500℃を超えると、理由は不明であるが、R1-T1-B系焼結体へのR2-Ga-Cu系合金の拡散が阻害されて高いHcJが得られない可能性がある。熱処理温度は、460℃以上490℃以下が好ましい。より高いBと高いHcJを得ることができるからである。なお、熱処理時間はR1-T1-B系焼結体やR2-Ga-Cu系合金の組成や寸法、熱処理温度などによって適正値を設定するが、5分以上24時間以下が好ましく、10分以上20時間以下がより好ましく、30分以上16時間以下がさらに好ましい。また、熱処理は1回だけ行ってもよく、複数回行ってもよい。また、R2-Ga-Cu系合金は、R1-T1-B系焼結体の重量に対し2mass%以上30mass%以下準備することが好ましい。R2-Ga-Cu系合金がR1-T1-B系焼結体の重量に対し2mass%未満であると高いHcJが得られない可能性がある。一方、30mass%を超えるとBが大幅に低下する可能性がある。
前記熱処理は、R1-T1-B系焼結体表面に、任意形状のR2-Ga-Cu系合金を配置し、公知の熱処理装置を用いて行うことができる。例えば、R1-T1-B系焼結体表面をR2-Ga-Cu系合金の粉末層で覆い、熱処理を行うことができる。例えば、R2-Ga-Cu系合金を分散媒中に分散させたスラリーをR1-T1-B系焼結体表面に塗布した後、分散媒を蒸発させてR2-Ga-Cu系合金とR1-T1-B系焼結体とを接触させてもよい。また、後述する実験例に示すように、R2-Ga-Cu系合金は、少なくともR1-T1-B系焼結体の配向方向に対して垂直な表面に接触させるように配置することが好ましい。なお、分散媒として、アルコール(エタノール等)、NMP(N-メチルピロリドン)、アルデヒド及びケトンを例示できる。また、熱処理が実施されたR1-T1-B系焼結体に対して切断や切削など公知の機械加工を行ってもよい。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実験例1
[R1-T1-B系焼結体の準備]
Ndメタル、Prメタル、フェロボロン合金、電解鉄を用いて(メタルはいずれも純度99%以上)、焼結体がおよそ表1に示す符号1-Aから1-Cの組成となるように配合し、それらの原料を溶解してストリップキャスト法により鋳造し、厚さ0.2~0.4mmのフレーク状の原料合金を得た。得られたフレーク状の原料合金を水素粉砕した後、550℃まで真空中で加熱後冷却する脱水素処理を施し粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を粗粉砕粉100mass%に対して0.04mass%添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粉砕粒径D50が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。なお、粉砕粒径D50は、気流分散法によるレーザー回折法で得られた体積中心値(体積基準メジアン径)である。
前記微粉砕粉に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を微粉砕粉100mass%に対して0.05mass%添加、混合した後磁界中で成形し成形体を得た。なお、成形装置には、磁界印加方向と加圧方向とが直交するいわゆる直角磁界成形装置(横磁界成形装置)を用いた。
得られた成形体を、真空中、1000℃以上1040℃以下(サンプル毎に焼結による緻密化が十分起こる温度を選定)で4時間焼結した後急冷し、R1-T1-B系焼結体を得た。得られた焼結体の密度は7.5Mg/m以上であった。得られた焼結体の組成を表1に示す。なお、表1における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定した。なお、焼結体の酸素量をガス融解-赤外線吸収法で測定した結果、すべて0.4mass%前後であることを確認した。表1における「[T1]/[B]」は、T1を構成する各元素(不可避の不純物を含む、本実験例ではFe、Al、Si、Mn)に対し、分析値(mass%)をその元素の原子量で除したものを求め、それらの値を合計したもの(a)と、Bの分析値(mass%)をBの分析値(mass%)をBの原子量で除したもの(b)との比(a/b)である。以下の全ての表も同様である。なお、表1の各組成を合計しても100mass%にはならない。これは、前記の通り、各成分によって分析方法が異なるため、さらには、表1に挙げた成分以外の成分(例えばC(カーボン)やN(窒素)など)が存在するためである。その他表についても同様である。
Figure 2023052675000002
[R2-Ga-Cu系合金の準備]
Laメタル、Gaメタル、Cuメタルを用いて(メタルはいずれも純度99%以上)、合金がおよそ表2に示す符号1-aの組成になるように配合し、それらの原料を溶解して、単ロール超急冷法(メルトスピニング法)により、リボンまたはフレーク状の合金を得た。得られた合金を乳鉢を用いてアルゴン雰囲気中で粉砕した後、目開き425μmの篩を通過させ、R2-Ga-Cu系合金を準備した。得られたR2-Ga-Cu系合金の組成を表2に示す。
Figure 2023052675000003
[熱処理]
表1の符号1-Aから1-CのR1-T1-B系焼結体を切断、切削加工し、4.4mm×4.4mm×4.4mm(配向方向)の直方体とした。次に、図3に示すように、ニオブ箔により作製した処理容器3中に、主にR1-T1-B系焼結体1の配向方向(図中の矢印方向)と垂直な面がR2-Si系合金2と接触するように、表2に示す符号1-aのR2-Ga-Cu系合金を、符号1-Aから1-IのR1-T1-B系焼結体のそれぞれの上下に配置した。
その後、管状流気炉を用いて、200Paに制御した減圧アルゴン中で、表3に示す熱処理温度及び時間で熱処理を行った後、冷却した。熱処理後の各サンプルの表面近傍に存在するR2-Ga-Cu系合金の濃化部を除去するため、表面研削盤を用いて各サンプルの全面を0.2mmずつ切削加工し、4.0mm×4.0mm×4.0mmの立方体状のサンプル(R-T-B系焼結磁石)を得た。
[サンプル評価]
BHトレーサーにより得られたサンプルの残留磁束密度(B)および保磁力(HcJ)を測定した。測定結果を表3に示す。表3の通り、R1-T1-B系焼結体におけるBに対するT1のmol比([T1]/[B])を14.0以上とし、熱処理温度を450℃以上500℃以下に設定したとき、高い特性が得られた。
Figure 2023052675000004
表3に示すサンプルのうち、No.1-4(本発明例)の焼結体表面近傍、表面から800μm領域、および中心部の断面を走査電子顕微鏡(SEM:日本電子製JSM-7800F)にて、加速電圧5kVで反射電子像を取得した。結果を図4A~図4Cに示す。磁石表面近傍から磁石の中央部まで100nm以上の厚い二粒子粒界が形成されていた。
さらに、本発明例であるNo.1-4の焼結体について、表面近傍、表面から800μm領域、および中心部の断面をSEM(日本電子製JSM-7800F)付属装置(日本電子製JED-2300 SD30)によるエネルギー分散X線分光分析(EDS)を実施した。分析箇所は、図4A及び図4Bは、1、4、6、7及び8、図4Cでは、1、4、5、7及び8である。EDX分析のプローブ径は1μmとし、観察領域の平均組成は200μm角の分析結果から得た。結果を図5A~図5Cに示す。図5A~図5Cに示すように、主相へのLaの置換はほとんど確認できなかった。また、各観察領域において複数の組成の粒界相が観察されたが、それぞれの相の希土類元素Rに対するLaのモル比は、R-T-B系焼結磁石表面のほうが内部よりも高くなっていた。また、各観察領域において領域では、Rが25mol%以上35mol%以下、Feが55mol%以上65mol%以下の相が確認された。この相はGaおよびCuを含んでいることから、RFe13M(MはGa,Cuなど)相であると推定され、かつ、同一視野内でLa量の異なる2種類以上の組成の相が存在していた。
実験例2
焼結体がおよそ表4に示す符号2-Aの組成となるように配合する以外は実験例1と同様の方法でR1-T1-B系焼結体を複数個作製した。得られた焼結体の成分分析の結果を表4に示す。
Figure 2023052675000005
合金組成がおよそ表5に示す符号2-aから2-mとなるように配合する以外は実験例1と同様の方法でR2-Ga-Cu系合金を作製した。
Figure 2023052675000006
複数個のR1-T1-B系焼結体を実験例1と同様に加工した後、実験例1と同様に符号2-aから2-mのR2-Ga-Cu系合金と符号2-AのR1-T1-B系焼結体とが接触するよう配置し、実験例1と同様に熱処理および加工を行い、サンプル(R-T-B系焼結磁石)を得た。得られたサンプルを実験例1と同様な方法により測定し、残留磁束密度(B)および保磁力(HcJ)を求めた。その結果を表6に示す。表6の通り、R2-Ga-Cu系合金を特定の範囲に設定することで、高い磁気特性を有するR-T-B系焼結磁石が得られた。
Figure 2023052675000007
本発明の実施形態により得られたR-T-B系焼結磁石は、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)や、電気自動車用(EV、HV、PHVなど)モータ、産業機器用モータなどの各種モータや家電製品などに好適に利用することができる。
1 R1-T1-B系焼結体
2 R2-Ga-Cu系合金
3 処理容器

Claims (5)

  1. 14B化合物(Rは希土類元素のうち少なくとも一種である。Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む。Bは硼素である。)からなる主相と、前記主相の粒界部分に位置する粒界相とを有するR-T-B系焼結磁石であって、
    LaおよびCuを含有し、
    磁石表層部におけるLaおよびCuの平均組成は、それぞれ、磁石表面から800μmの深さにおける前記LaおよびCuの平均組成よりも高く、
    前記磁石表面から800μmの深さにおける前記主相のLaおよびCuの組成は、それぞれ、前記磁石表面から800μmの深さにおける前記粒界相のLaおよびCuの組成よりも低い、R-T-B系焼結磁石。
  2. 前記粒界相は、R、Ga、およびCuを含有する相を含む、請求項1に記載のR-T-B系焼結磁石。
  3. R、Ga、およびCuを含有する前記相の少なくとも一部は、RFe13Ga相を含む、請求項2に記載のR-T-B系焼結磁石。
  4. 磁石表層部の前記RFe13Ga相において、Laの組成はNdの組成よりも高い、請求項3に記載のR-T-B系焼結磁石。
  5. 前記主相のLaの組成は、前記磁石に含まれるLaの平均組成の0.2/2.7以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載のR-T-B系焼結磁石。
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