JP2007005668A - 希土類磁石及びその製造方法 - Google Patents

希土類磁石及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007005668A
JP2007005668A JP2005185981A JP2005185981A JP2007005668A JP 2007005668 A JP2007005668 A JP 2007005668A JP 2005185981 A JP2005185981 A JP 2005185981A JP 2005185981 A JP2005185981 A JP 2005185981A JP 2007005668 A JP2007005668 A JP 2007005668A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rare earth
magnet
oxide
earth oxide
magnet powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005185981A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4784173B2 (ja
Inventor
Nobuo Kawashita
宜郎 川下
Tetsuro Tayu
哲朗 田湯
Makoto Kano
眞 加納
Katsuhiko Mori
克彦 森
Ryoji Nakayama
亮治 中山
Koichiro Morimoto
耕一郎 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Mitsubishi Materials Corp
Diamet Corp
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Mitsubishi Materials Corp
Diamet Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, Mitsubishi Materials Corp, Diamet Corp filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2005185981A priority Critical patent/JP4784173B2/ja
Publication of JP2007005668A publication Critical patent/JP2007005668A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4784173B2 publication Critical patent/JP4784173B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Hard Magnetic Materials (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

【課題】高い電気抵抗を安定して発現することができ、渦電流損失による効率低下を防止することが可能な希土類磁石と、このような希土類磁石の製造方法を提供する。
【解決手段】例えばNd−Fe−B系の磁石粉末に希土類酸化物による被覆を施し、絶縁材で被覆された状態の磁石粉末と希土類酸化物を混合して成る混合体を高温加圧成形し、希土類酸化物で被覆された磁石粉末の粒子間に希土類酸化物を介在させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、希土類磁石に係わり、特に高い電気抵抗を有し、例えばモータに組み込んだ場合の渦電流損失を低減して、モータ効率を高めることが可能な希土類磁石と、このような磁石の製造方法に関するものである。
例えばモータに搭載される永久磁石としては、従来においては、安価なフェライト磁石が多用されてきたが、近年では、モータの小型化、高性能化に伴って、より高性能な希土類磁石の使用量が年とともに増加する傾向がある。
しかし、希土類磁石は金属磁石であるため電気抵抗が低く、モータに組みこんだ場合に、渦電流損失が増大し、モータの効率を低下させるという問題を生じる。
そこで、希土類磁石自体の電気抵抗を高めて、このような問題を解決しようとする各種の提案がなされている。
例えば、磁石粉末粒子がSiO及び/又はAlから成る酸化物粒子で結着された構造を有する希土類磁石が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、これらの酸化物は、磁石特性を損なうことから、モータの出力が高い場合には適用が困難となるという問題がある。
特開平10−321427号公報
このような問題に対し、磁石特性を損なうことのない絶縁材料として、希土類主体の酸化物が見出され、磁石特性の低下を最小限に抑制しつつ、高い電気抵抗を備えた希土類磁石が提案されている(特許文献2参照)。
特開2004−319955号公報
このような高い電気抵抗を有する磁石の製造にあたっては、原料となる希土類磁石の粉末を圧密化することになるが、圧密時に単純に絶縁物を混合する手法や、磁石粉末に絶縁材を被覆した原料粉末を圧密化する手法が用いられる。
しかしながら、このような製造方法では、磁石粉末粒子間に分散する酸化物の分布状況にばらつきが生じ、必ずしも安定して高い電気抵抗を発現させることができないという問題があった。
本発明は、従来の高抵抗希土類磁石における上記課題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、高い電気抵抗を安定して発現することができ、渦電流損失を低減することが可能な希土類磁石と、このような希土類磁石の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく、絶縁材料としての酸化物の種類や、圧密化時の製造条件などについて鋭意検討を重ねた結果、磁石粉末を希土類酸化物から成る絶縁物で被覆した状態で、希土類酸化物と共に高温加圧成形することによって、磁石粉末粒子間の絶縁不良部を低減することができ、磁石特性を損なうことなく、磁石の電気抵抗を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記知見に基づくものであって、本発明の希土類磁石は、希土類酸化物で被覆された希土類磁石粉末を含み、この希土類酸化物によって被覆された状態の磁石粉末の粒子間に希土類酸化物が介在していることを特徴とし、希土類磁石におけるこのような構成を上記課題を解決するための手段としている。
また、本発明の希土類磁石の製造方法においては、希土類酸化物で被覆された状態の希土類磁石粉末を希土類酸化物と共に混合した混合体を高温加圧成形するようになすことを特徴としている。
本発明によれば、絶縁体として機能する希土類酸化物により被覆された状態の希土類磁石粉末を希土類酸化物と共に高温加圧成形するようにしており、このように成形された希土類磁石においては、個々の磁石粉末が希土類酸化物によってそれぞれ効果的に絶縁されると共に、被覆層により絶縁された磁石粉末の粒子間に絶縁体である希土類酸化物が介在することによって磁石粉末粒子同士が結着された構造を備えていることから、絶縁材の混合や被覆のみでは避けることができなかった磁石粒子間の絶縁不良部を大幅に低減することができ、これによって成形後の希土類磁石の電気抵抗が増し、このような永久磁石を搭載したモータの渦電流損失を減らして、モータの効率向上が可能になるという優れた効果がもたらされる。
加えて、希土類元素は、Al(アルミニウム)やSi(ケイ素)に較べて酸素との親和力が高いことから、上記希土類酸化物は極めて安定で反応性に乏しく、磁石粉末を構成する希土類元素を酸化させるようなことがないので、厳しい条件の高温加圧成形を経たとしても、磁石特性が損われるようなことがない。
以下、本発明の希土類磁石について、さらに詳細かつ具体的に説明する。なお、本明細書において、「%」は、特記しない限り、質量百分率を意味するものとする。
図1は、希土類酸化物で被覆した希土類磁石粉末に、希土類酸化物として種々の体積率の酸化ジスプロシウム(Dy)を添加した混合粉を熱間成形によって圧密化した希土類磁石の比抵抗とDy添加量の関係を調査し、希土類酸化物で被覆することなく、そのままの状態の希土類磁石粉末を用いて成形した場合と比較して示したものである。また、図2は、当該希土類磁石の磁気特性とDy添加量の関係を示したものである。
なお、図1及び2において、比抵抗及び保磁力は、Dy無添加の場合の値を「1」とする相対値で表してある。
これらの図から明らかなように、希土類酸化物による被覆のない磁石粉末をDyと共に熱間成形した場合には、Dy添加量を増しても比抵抗が増加しないのに対して、予め希土類酸化物で被覆した希土類磁石粉末を用いた場合には、Dy添加量が増すにしたがって、成形後の希土類磁石の保磁力が低下することなく、比抵抗が増加することが確認された。
この現象は、添加した希土類酸化物が持つ潤滑効果や、微細な酸化物粒子が不要な空隙を埋めることにより、圧密化時の変形によって生じる絶縁物皮膜の破壊を低減する効果や、局部的に絶縁性が劣化した皮膜同士が隣接した場合にも、これらの間に希土類酸化物粒子が存在することによって磁石粒子間隙が確保され、粒子間の短絡個所を低減できる効果などが複合的に寄与しているものと考えられる。
本発明の希土類磁石は、上記のように絶縁体である希土類酸化物により被覆された状態の希土類磁石粉末の粒子間に希土類酸化物が介在することによって磁石粉末粒子同士が結着された構造のものであって、例えば、希土類酸化物で被覆された希土類磁石粉末を希土類酸化物と共に高温加圧成形することによって得られるものであるが、上記磁石粒子の被覆層あるいは被覆された磁石粒子間に介在する結着部を形成する希土類酸化物については、1種類のみに限定されず、2種あるいはそれ以上の希土類酸化物の混合体であっても、複合酸化物であっても何ら差支えない。
また、上記被覆層及び結着部には、当然のことながら、希土類酸化物以外に原料中の不純物や、製造方法に基づく反応生成物、未反応残存物、微小な空孔等の存在を避けることは不可能であり、これら不純物は、導電性や磁気特性の観点から少ない方が望ましいことは言うまでもないが、上記希土類酸化物の合計が体積率として80%、好ましくは90%以上であれば、製品磁石の磁気特性や電気伝導性に実質的に影響しないことが確認されている。
上記被覆層あるいは結着部を構成する希土類酸化物は、上記したように希土類元素の酸化物でさえあれば、混合物であっても複合酸化物であっても特に限定されないが、磁気特性の低下をさらに抑制する観点からは、R2XR´2(X−1)で表される希土類酸化物を使用することが望ましい。なお、上記式中、R及びR´はネオジム(Nd)、イットリウム(Y)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)又はルテチウム(Lu)であり、Xは0を超え1以下の値を意味する。
上記希土類磁石粉末としては、例えばサマリウム(Sm)‐コバルト(Co)磁石、プラセオジム(Pr)−コバルト磁石、サマリウム(Sm)‐鉄(Fe)‐窒素(N)磁石など、特に限定されないが、HDDR法によって製造されたNd−Fe−B系磁石を用いることが望ましい。
すなわち、Nd−Fe−B系磁石は、現時点で最高レベルの磁気特性を備えた永久磁石であって、HDDR処理(Hydrogenation Decomposition Desorption Recombination:水素不均化+脱水素処理)を施すことによって、比較的安価で、高い保磁力と残留磁化を持つ高性能磁石粉末を得ることができる。
また、上記磁石粉末の平均粒径は、1〜500μmとすることが望ましい。すなわち、希土類磁石粉末の平均粒径が1μmに満たない場合は、これに希土類酸化物の被覆を施すことが困難となり、500μmを越えた場合には磁気特性が劣化する傾向があることによる。
さらに、上記希土類酸化物による絶縁性被覆層の膜厚については、50nm以上5μm以下とすることが望ましい。これは、被覆膜厚が50nmに満たないと絶縁性が不完全となって比抵抗が減少し、逆に膜厚が5μmを超えると絶縁物の体積比が大きくなって磁気特性が劣化する傾向となることによる。なお、上記膜厚範囲としては、100nm以上2μm以下にすることがより好ましい。
一方、絶縁性被覆層を備えた上記磁石粉末の粒子間に介在する結着部を構成する希土類酸化物の粒径については、小さくなり過ぎると磁石粉末粒子間の間隙が小さくなって絶縁性向上への寄与が少なくなり、逆に粒径が大きくなり過ぎると粒子間間隙が大きくなって磁気特性の劣化を生じると共に、間隙を埋める効果や流動性を向上する効果が期待できなくなることから、50nm以上5μm以下とすることが望ましい。
また、絶縁性被覆層を有する磁石粉末粒子間に介在する希土類酸化物の含有量については、成形後の希土類磁石全体に対する体積比として、1.0〜7.5%とすることが望ましい。すなわち、含有量が1.0%に満たないと絶縁性向上効果が小さくなり、7.5%を超えると磁気特性が低下する可能性があることによる。
なお、磁気特性を重視する場合には1.0〜3.0%の範囲とすることが、絶縁性を重視する場合には5.0〜7.5%の範囲とすることがそれぞれ好ましく、双方の特性をバランスよく併せ持つものとするためのより好適な含有量の範囲としては、2.0以上6.0%以下ということになる。
そして、上記被覆層と結着部に含まれている希土類酸化物には、それぞれ共通の希土類元素が存在していることが望ましく、この場合、両者の格子整合性が優れるために、圧密時に添加した結着部における希土類酸化物を起点として、被覆層における希土類酸化物の結晶化が進むことから、より良好な絶縁性が得られることになる。
本発明の希土類磁石は、上記したように、希土類酸化物で被覆された希土類磁石粉末を結着用の希土類酸化物と共に混合して混合体となし、これを高温加圧成形することによって製造することができるが、希土類磁石粉末に希土類酸化物による被覆を施すに際しては、例えば、PVDやCVDなどによる蒸着法や、磁石粉末に塗布した希土類錯体を酸化させる方法を適用することができる。
上記蒸着法によれば、高純度の希土類酸化物から成る理想的な絶縁性被膜を形成できる反面、コストが嵩むことから、希土類錯体を含む溶液を磁石粉末に塗布する工程と、この希土類錯体を酸化させて希土類酸化物とする工程から成る製造方法を採用することが望ましい。すなわち、溶液を用いることによって均一な膜厚の塗布被膜が得られると共に、磁石粉末に対する密着性と酸化物に対する濡れ性に優れることによる。
上記製造方法に用いる希土類錯体としては、希土類元素を含有し、軟磁性合金粉末に被膜を形成することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、一般に、RLで表される希土類錯体を用いることができる。ここで、Lは有機物の配位子であって、(CO(CO)CHCO(CH))、(CO(C(CH)CHCO(C(CH))、(CO(C(CH)CHCO(C))、(CO(CF)CHCO(CF))等、βジケトナトイオンなどの陰イオンの有機基を表す。
また、被膜形成の際には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール類や、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンなどのケトン類等、RL3を溶解させ得る低沸点溶媒に溶解させて塗布することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これら実施例によって本発明は何ら限定されるものではない。
(実施例1)
希土類磁石として、公知のHDDR法を用いて調整したNd−Fe−B系異方性磁石粉末を用いた。
すなわち、まず、Nd:12.6%、Co:17.4%、B:6.5%、Ga:0.3%、Al:0.5%、Zr:0.1%、残部Feの成分組成を有する鋳塊を準備し、この鋳塊を1120℃に20時間保持して均質化した。さらに、均質化した鋳塊を水素雰囲気中で室温から500℃まで昇温させて保持し、さらに850℃まで昇温させて保持した。
引き続いて850℃の真空中に保持した後、冷却して微細な強磁性相の再結晶組織(結晶粒)を有する合金を得た。
この合金をジョークラッシャー及びブラウンミルを用いて、Ar雰囲気中で粉体化し、平均粒径300μmの希土類磁石粉末とした。
次に、希土類錯体として、トリスアセチルアセトナトジスプロシウム(添川理化学社製)を用い、これをプロパノールに10mg/mLの割合で溶解して希土類錯体の溶液を調整した。
そして、得られた希土類錯体溶液に上記希土類磁石粉末を5分間浸漬し、乾燥後350℃で1時間加熱処理した。
室温まで冷却した後、さらに500℃で30分間加熱処理して、希土類酸化物として酸化ジスプロシウム(Dy)から成る絶縁物で被覆された希土類磁石粉末を得た。
被覆後の磁石粉末の断面をSEM観察した結果、希土類酸化物から成る絶縁被覆の膜厚は、厚いところで約4μmであった。また、薄いところでは、AES解析によって表面からの酸素の浸透深さを測定した結果、約75nmであった。
得られた希土類酸化物被覆軟磁性合金粉末に、希土類酸化物としてDyを体積比で2.5%となるように混合し、十分に攪拌し、4gの混合体を調整した。上記希土類酸化物Dyの粒径は、SEM観察の結果0.5〜5μmであった。
なお、上記希土類酸化物の添加量については、希土類磁石粉末と希土類酸化物粉末のバルク体における真密度の値を用いて、計算によって求めた。また、上記希土類酸化物は、(株)高純度化学研究所製のDy試薬を用いた。
上記混合粉末を10mm×10mmのプレス面を有する金型に充填し、室温で磁場配向させながら仮成形した。この時の配向磁場は1.6MA/m、成形圧力は1.5GPaとした。
そして、仮成形された上記混合体を真空中での加圧焼成によって成形し、バルクの希土類磁石を得た。この成形にはホットプレスを用い、昇温中も一定の成形圧力1.5GPaを保持すると共に、成形温度600℃で1分間保持し、冷却することにより、10mm×10mm×約5mmの寸法を有する本例の希土類磁石を得た。なお、このとき、冷却中も室温まで真空を保持した。また、得られた磁石圧密体には、600℃×0.5時間の歪取焼鈍を施した。
このようにして得られた希土類磁石について、その密度、保磁力、最大エネルギー積、及び電気抵抗率を測定した。このとき、上記密度は得られた磁石の寸法及び密度から算出する一方、保磁力及び最大エネルギー積の磁石特性については、東英工業(株)製パルス励磁型着磁器MPM−15を用いて、着磁磁界10Tにて予め試験片を着磁した後、東英工業(株)製BH測定器TRF−5AH−25Autoを用いて測定した。また、電気抵抗率(比抵抗)については、エヌピイエス(株)製抵抗率プローブを使用した4探針法によって測定した。このとき、プローブの針材料をタングステンカーバイド、針先端半径を40μm、針間隔を1mm、4本の針の総荷重は400gとした。
当該実施例1において得られた希土類磁石の磁石密度は7.2kg/m、保磁力は0.92MA/m、最大エネルギー積は0.2MJ/m、比抵抗は57.4μΩmであった。これらの結果を表1にまとめて示す。
Figure 2007005668
(実施例2)
実施例1と同様に被覆した磁石粉末を用い、希土類酸化物Dyの体積比が5.0%となるように添加量を変えた混合体を用いたことを除いて、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって本例の希土類磁石を成形した。得られた希土類磁石について、同様の試験を行い、評価結果を表1に併せて示す。
(実施例3)
実施例1と同様に被覆した磁石粉末を用い、希土類酸化物Dyの体積比が7.5%となるように添加量を変えた混合体を用いたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって本例の希土類磁石を成形した。得られた希土類磁石について、同様の試験を実施し、その評価結果を表1に併せて示す。
(実施例4)
(株)高純度化学研究所製のDy試薬粉末とHo試薬粉末を混合し、1650℃の大気中において12時間熱処理することによってDy1.6Ho0.4を得た後、これをボールミルによって約0.7μmの平均粒径に調整した。
そして、実施例1と同様にDyを被覆した磁石粉末を用い、上記のように調整した希土類酸化物Dy1.6Ho0.4の体積比が5.0%となるように添加したことと、成形温度を700℃としたことを除いて、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって本例の希土類磁石を成形した。そして、得られた希土類磁石について、同様の試験を実施し、その評価結果を表1に併せて示す。
(実施例5)
(株)高純度化学研究所製のDy試薬粉末とNd試薬粉末を混合し、1650℃の大気中において12時間熱処理することによってNdDyOを得た後、これをボールミルによって約1.5μmの平均粒径に調整した。
そして、実施例1と同様の被覆磁石粉末を用いて、上記希土類酸化物NdDyOの体積比が2.5%となるように添加したことと、成形温度を700℃としたことを除いて、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって本例の希土類磁石を成形した。得られた希土類磁石について、同様の試験を実施し、その評価結果を表1に併せて示す。
(実施例6)
実施例1と同様に被覆した磁石粉末を用い、希土類酸化物として、Dyに替えて、(株)高純度化学研究所製のEr試薬粉末を体積比が2.5%となるように添加し、混合したことを除いて、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって本例の希土類磁石を成形した。得られた希土類磁石について、同様の試験を行い、評価結果を表1に併せて示す。
(実施例7)
実施例1と同様に被覆した磁石粉末を用い、希土類酸化物として、Dyに替えて、(株)高純度化学研究所製のYb試薬粉末を体積比が2.5%となるように添加し、混合したことを除いて、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって本例の希土類磁石を成形した。得られた希土類磁石について、同様の試験を行い、評価結果を表1に併せて示す。
(実施例8)
実施例1と同様に被覆した磁石粉末を用い、希土類酸化物として、Dyに替えて、(株)高純度化学研究所製のHo試薬粉末を体積比が2.5%となるように添加して、混合したことを除いて、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって本例の希土類磁石を成形した。得られた希土類磁石について、同様の試験を行い、評価結果を表1に併せて示す。
(実施例9)
実施例1と同様に被覆した磁石粉末を用い、希土類酸化物として、Dyに替えて、(株)高純度化学研究所製のLu試薬粉末を体積比が2.5%となるように添加して、混合したことを除いて、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって本例の希土類磁石を成形した。得られた希土類磁石について、同様の試験を行い、評価結果を表1に併せて示す。
(実施例10)
希土類錯体として、実施例1において用いたトリスアセチルアセトナトジスプロシウムに替えて、トリスアセチルアセトナトイットリウム(添川理化学社製)を使用し、同様の手法によって、酸化イットリウム(Y)から成る絶縁物で被覆された希土類磁石粉末を得た。
この磁石粉末に、(株)高純度化学研究所製のTm試薬粉末を体積比が2.5%となるように添加及び混合し、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって本例の希土類磁石を成形した。得られた希土類磁石について、同様の試験を行い、評価結果を表1に併せて示す。
(比較例1)
実施例1と同様に被覆した磁石粉末を用いて、希土類酸化物を混合することなく希土類磁石を成形して、本例の希土類磁石とした。得られた希土類磁石について、同様の試験を実施し、その評価結果を表1に併せて示す。
(比較例2)
希土類酸化物による被覆を施す前の磁石粉末を用いたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって本例の希土類磁石を成形した。得られた希土類磁石について、同様の試験を実施し、その評価結果を表1に併せて示す。
(比較例3)
希土類酸化物による被覆を施す前の磁石粉末を用いると共に、希土類酸化物を混合することなく希土類磁石を成形して、本例の希土類磁石とした。得られた希土類磁石について、同様の試験を実施し、その評価結果を表1に併せて示す。
表1に示した結果から明らかなように、予め希土類酸化物で絶縁層を被覆した希土類磁石粉末を希土類酸化物と共に高温加圧成形した本発明の希土類磁石においては、成形時における希土類酸化物の混合量の増加と共に、磁石特性を低下させることなく、比抵抗が増し、絶縁性が向上することが確認された。また、希土類元素の複合酸化物を用いても、ほぼ同等の磁石特性と絶縁性が得られることが判明した。
これに対し、希土類酸化物で被覆していない磁石粉末を用いたり、被覆粉末を用いても希土類酸化物を混合することなく成形したりした比較例の希土類磁石においては、磁石特性は優れているものの、電気抵抗を高めることができない結果となった。
希土類磁石の比抵抗に及ぼす希土類酸化物添加量の影響を希土類磁石粉末に対する希土類酸化物被覆の有無によって比較して示すグラフである。 希土類磁石の保磁力に及ぼす希土類酸化物添加量の影響を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 希土類酸化物で被覆された希土類磁石粉末の粒子間に希土類酸化物が介在していることを特徴とする希土類磁石。
  2. 上記希土類酸化物がR2XR´2(1−X)(式中、R及びR´はNd、Y、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb又はLuであり、0<X≦1である)で表されるものであることを特徴とする請求項1に記載の希土類磁石。
  3. 上記磁石粉末がHDDR法により製造された、平均粒径1〜500μmのNd−Fe−B系磁石粉末であることを特徴とする請求項1又は2に記載の希土類磁石。
  4. 希土類酸化物による磁石粉末の被覆厚さが50nm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の希土類磁石。
  5. 希土類酸化物で被覆された磁石粉末の粒子間に介在する希土類酸化物の粒径が50nm以上5μm以下であって、その含有量が体積比で1.0〜7.5%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の希土類磁石。
  6. 上記磁石粉末を被覆する希土類酸化物と、磁石粉末粒子間に介在する希土類酸化物の中に、少なくとも1種の共通する希土類元素が含まれていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の希土類磁石。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の希土類磁石を製造するに際して、
    希土類酸化物で被覆された希土類磁石粉末と希土類酸化物との混合体を高温加圧成形することを特徴とする希土類磁石の製造方法。
  8. 希土類酸化物により磁石粉末を被覆する工程が、希土類錯体を含有する溶液を磁石粉末に塗布する工程と、塗布された希土類錯体を酸化する工程から成ることを特徴とする請求項7に記載の希土類磁石の製造方法。
JP2005185981A 2005-06-27 2005-06-27 希土類磁石及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4784173B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005185981A JP4784173B2 (ja) 2005-06-27 2005-06-27 希土類磁石及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005185981A JP4784173B2 (ja) 2005-06-27 2005-06-27 希土類磁石及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007005668A true JP2007005668A (ja) 2007-01-11
JP4784173B2 JP4784173B2 (ja) 2011-10-05

Family

ID=37690953

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005185981A Expired - Fee Related JP4784173B2 (ja) 2005-06-27 2005-06-27 希土類磁石及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4784173B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008060241A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Hitachi Ltd 高抵抗希土類系永久磁石
JP2009049378A (ja) * 2007-07-24 2009-03-05 Nissan Motor Co Ltd 磁性体成形体およびその製造方法
JP2010206045A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Nissan Motor Co Ltd 磁石成形体及びその製造方法
JP2010206046A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Nissan Motor Co Ltd 磁石成形体及びその製造方法
JP2010258040A (ja) * 2009-04-21 2010-11-11 Fuji Electric Holdings Co Ltd 高保磁力被覆磁石粉末

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003257763A (ja) * 2002-02-28 2003-09-12 Sumitomo Special Metals Co Ltd 希土類系永久磁石の製造方法
JP2004031781A (ja) * 2002-06-27 2004-01-29 Nissan Motor Co Ltd 希土類磁石およびその製造方法、ならびに希土類磁石を用いてなるモータ
JP2004031780A (ja) * 2002-06-27 2004-01-29 Nissan Motor Co Ltd 希土類磁石およびその製造方法、ならびに希土類磁石を用いてなるモータ
JP2004319955A (ja) * 2003-03-28 2004-11-11 Nissan Motor Co Ltd 希土類磁石およびその製造方法、ならびに希土類磁石を用いてなるモータ
JP2005142374A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Hitachi Ltd 高抵抗希土類磁石用粉末とその製造方法及び希土類磁石とその製造方法並びにモータ用ロータとモータ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003257763A (ja) * 2002-02-28 2003-09-12 Sumitomo Special Metals Co Ltd 希土類系永久磁石の製造方法
JP2004031781A (ja) * 2002-06-27 2004-01-29 Nissan Motor Co Ltd 希土類磁石およびその製造方法、ならびに希土類磁石を用いてなるモータ
JP2004031780A (ja) * 2002-06-27 2004-01-29 Nissan Motor Co Ltd 希土類磁石およびその製造方法、ならびに希土類磁石を用いてなるモータ
JP2004319955A (ja) * 2003-03-28 2004-11-11 Nissan Motor Co Ltd 希土類磁石およびその製造方法、ならびに希土類磁石を用いてなるモータ
JP2005142374A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Hitachi Ltd 高抵抗希土類磁石用粉末とその製造方法及び希土類磁石とその製造方法並びにモータ用ロータとモータ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008060241A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Hitachi Ltd 高抵抗希土類系永久磁石
JP4700578B2 (ja) * 2006-08-30 2011-06-15 株式会社日立製作所 高抵抗希土類系永久磁石の製造方法
JP2009049378A (ja) * 2007-07-24 2009-03-05 Nissan Motor Co Ltd 磁性体成形体およびその製造方法
JP2010206045A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Nissan Motor Co Ltd 磁石成形体及びその製造方法
JP2010206046A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Nissan Motor Co Ltd 磁石成形体及びその製造方法
JP2010258040A (ja) * 2009-04-21 2010-11-11 Fuji Electric Holdings Co Ltd 高保磁力被覆磁石粉末

Also Published As

Publication number Publication date
JP4784173B2 (ja) 2011-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5196080B2 (ja) 希土類磁石の製造方法
JP4924615B2 (ja) R−Fe−B系微細結晶高密度磁石およびその製造方法
CN102959647B (zh) R-t-b系稀土类永久磁铁、电动机、汽车、发电机、风力发电装置
JP6202722B2 (ja) R−t−b系希土類焼結磁石、r−t−b系希土類焼結磁石の製造方法
JP5259351B2 (ja) 永久磁石とそれを用いた永久磁石モータおよび発電機
JP4525425B2 (ja) フッ化物コート膜形成処理液,フッ化物コート膜形成方法及び磁石
JP6488976B2 (ja) R−t−b系焼結磁石
TWI391961B (zh) R-T-B-C type rare earth sintered magnet and a manufacturing method thereof
JP5218869B2 (ja) 希土類−鉄−窒素系合金材、希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法、希土類−鉄系合金材、及び希土類−鉄系合金材の製造方法
WO2011030635A1 (ja) 希土類磁石成形体およびその製造方法
EP2484464B1 (en) Powder for magnetic member, powder compact, and magnetic member
JP2005175138A (ja) 耐熱性希土類磁石及びその製造方法
JP2018093202A (ja) R−t−b系永久磁石
JP6451900B2 (ja) R−Fe−B系焼結磁石及びその製造方法
JP5125818B2 (ja) 磁性体成形体およびその製造方法
JP4700578B2 (ja) 高抵抗希土類系永久磁石の製造方法
JP2019102708A (ja) R−t−b系永久磁石
JP2015179841A (ja) R−t−b系焼結磁石の製造方法
JP4784173B2 (ja) 希土類磁石及びその製造方法
JP4084007B2 (ja) 磁性材料の製造方法
JP2009283568A (ja) 磁石成形体およびその製造方法
WO2015122422A1 (ja) 希土類含有合金鋳片、その製造法及び焼結磁石
JP6624455B2 (ja) R−t−b系焼結磁石の製造方法
JP3781094B2 (ja) 耐食性希土類磁石
JP6508447B1 (ja) R−t−b系焼結磁石の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050630

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20060130

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20061208

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20061208

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061208

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080619

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090728

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100820

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110502

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110614

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4784173

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140722

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees