JP2014056943A - 磁性材料 - Google Patents

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興作 岡村
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Abstract

【課題】簡易な製造によって、優れた磁気特性を備える磁性材料を提供する。
【解決手段】ネオジム−鉄−ホウ素系磁石粉末である磁石粉末と、体積平均粒子径が磁石粉末の体積平均粒子径よりも小さく、かつ、希土類元素、鉄およびホウ素を含有し、希土類元素の原子割合が、22〜44原子%の範囲であり、ホウ素の原子割合が、6〜28原子%の範囲であるアモルファス金属とを混合するとともに、アモルファス金属の結晶化温度(Tx)より30℃低い温度以上、または、アモルファス金属が金属ガラスの場合はガラス遷移温度(Tg)以上の温度に加熱することにより磁性材料を製造する。この磁性材料によれば、簡易な製造によって、高い磁気特性を確保することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、磁性材料に関する。
従来より、高い磁気特性を有する磁石として、例えば、窒素系磁石(例えば、Sm−Fe−N系の組成を有する磁石など)が提案されている。しかし、窒素系磁石はポテンシャルが高く、優れた磁気特性を有するが、熱的に不安定であるため、焼結すると窒素系磁石の成分の分解により、磁気特性が低下する場合がある。
そのため、例えば、窒素系磁石、具体的には、SmFe17に、金属ガラス、具体的には、Nd60Fe30Al10を混合し、その混合物を放電プラズマ焼結機で加熱および加圧することにより得られる磁性材料が、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような磁性材料では、窒素系磁石の分解などが抑制されるとともに、その磁石粉末の隙間(空隙)に金属ガラスが充填されるので、簡易な製造により、優れた磁気特性を確保することができる。
特開2011−23605号公報
しかるに、近年では、磁性材料における各種磁気特性のさらなる向上が要求されている。
本発明の目的は、簡易な製造によって、優れた磁気特性を備える磁性材料を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の磁性材料は、磁石粉末とアモルファス金属とを原料とする磁性材料であって、前記磁石粉末が、ネオジム−鉄−ホウ素系磁石粉末であり、前記アモルファス金属が、希土類元素、鉄およびホウ素を含有し、前記アモルファス金属において、前記希土類元素の原子割合が、22〜44原子%の範囲であり、前記ホウ素の原子割合が、6〜28原子%の範囲であり、前記磁石粉末と、体積平均粒子径が前記磁石粉末の体積平均粒子径よりも小さい前記アモルファス金属とを混合するとともに、前記アモルファス金属の結晶化温度(Tx)より30℃低い温度以上、または、アモルファス金属が金属ガラスである場合には、そのガラス遷移温度(Tg)以上の温度に加熱することにより得られることを特徴としている。
また、本発明の磁性材料は、前記磁石粉末の体積平均粒子径が、25μm以下であることが好適である。
また、本発明の磁性材料では、前記磁石粉末として、磁気異方性磁石粉末が用いられることが好適である。
本発明の磁性材料によれば、簡易な製造によって、高い磁気特性を確保することができる。
磁石粉末の体積平均粒子径と、磁性材料の破壊靭性との関係を示す。
本発明の磁性材料は、磁石粉末とアモルファス金属とを原料としている。
磁石粉末としては、ネオジム−鉄−ホウ素系磁石粉末が挙げられる。
ネオジム−鉄−ホウ素系(以下、Nd−Fe−B系と示す場合がある。)磁石粉末は、ネオジム、鉄およびホウ素を含有するとともに、NdFe14B相を主相とする磁石粉末であって、特に制限されず、種々の組成比の磁石粉末を用いることができる。
また、Nd−Fe−B系磁石粉末においては、それら各元素が、部分的に他の元素に置換されていてもよい。
具体的には、例えば、Ndの一部が、例えば、Dy(ジスプロシウム)、Tb(テルビウム)、Pr(プラセオジム)、Y(イットリウム)、Sm(サマリウム)などにより置換されることができ、また、Feの一部が、例えば、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)などにより置換されることができる。さらには、それら各元素が、例えば、Ga(ガリウム)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Mn(マンガン)、Ti(チタン)、Si(ケイ素)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)、Cr(クロム)、Ge(ゲルマニウム)、Mo(モリブデン)、In(インジウム)、Sn(錫)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Pb(鉛)などにより置換されることができる。
なお、元素の置換割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、このようなNd−Fe−B系磁石粉末は、特に制限されず、公知の方法により得ることができる。
具体的には、例えば、急冷凝固法によりNd−Fe−B系合金を製造した後、熱間静水圧成形法(HIP法)により塊状に成形し、次いで、得られた塊状物を公知の方法により塑性加工し、その後、粉砕することにより、例えば、結晶粒径が1μm以下の微細結晶を有するNd−Fe−B系の磁気異方性磁石粉末を得ることができる。
また、例えば、Nd−Fe−B系合金を、750〜950℃に加熱しつつ水素を吸蔵させて、順組織変態を生じさせる高温水素処理工程の後に、吸蔵した水素を放出させて、逆組織変態を生じさせる脱水素化工程を施す方法(Hydrogenation Decomposition Desorption Recombination法。以下、HDDR法。)により、Nd−Fe−B系の磁気異方性磁石粉末を得ることができる。
また、Nd−Fe−B系磁石粉末としては、さらに、Nd−Fe−B系ナノコンポジット磁石粉末が挙げられる。
Nd−Fe−B系ナノコンポジット磁石粉末は、例えば、Fe/Nd−Fe−B系の組織を有するナノコンポジット磁石の粉末であって、特に制限されないが、例えば、急冷法などにより製造することができる。
より具体的には、この方法では、例えば、まず、原料合金(Nd−Fe−B系合金)の溶湯を急冷し、急冷凝固合金を製造する。次いで、得られた急冷凝固合金を熱処理し、硬磁性相と、軟磁性相の微細結晶とを分散させる。これにより、Nd−Fe−B系ナノコンポジット磁石粉末を製造することができる。また、Nd−Fe−B系ナノコンポジット磁石粉末は、必要により、さらに粉砕して用いることもできる。
なお、Nd−Fe−B系ナノコンポジット磁石粉末は、上記の方法に限定されず、他の公知の方法により製造することができる。
このようなNd−Fe−B系ナノコンポジット磁石粉末として、より具体的には、FeとNdFe14B(キュリー点:310℃)とのナノコンポジット磁石粉末などが挙げられる。
なお、一般に、磁性材料の製造において、上記のような微細な結晶を有する磁石粉末を焼成すると、その結晶の粗大化などにより、保磁力などが低下する。上記のような微細な結晶を有する磁石粉末において、結晶の粗大化などが生じる温度は、例えば、600℃以上である。
また、磁石粉末としては、さらに、上記以外のNd−Fe−B系磁石粉末、具体的には、例えば、磁気等方性磁石粉末や、焼結磁石の原料に用いられるような、結晶粒径が1μm以上の磁石粉末などを用いることもできる。
これら磁石粉末は、単独使用または2種類以上併用することができる。
磁石粉末として、好ましくは、磁気異方性磁石粉末が挙げられ、より好ましくは、HDDR法により得られたNd−Fe−B系磁気異方性磁石粉末が挙げられる。
磁気異方性磁石粉末、とりわけ、HDDR法により得られたNd−Fe−B系磁気異方性磁石粉末を用いれば、保磁力や残留磁束密度などの向上を図ることができる。
また、磁石粉末として、好ましくは、Nd−Fe−B系ナノコンポジット磁石粉末も挙げられる。
Nd−Fe−B系ナノコンポジット磁石粉末を用いれば、残留磁束密度などの向上を図ることができる。
また、磁石粉末の体積平均粒子径は、後述するアモルファス金属の体積平均粒子径よりも大きく、具体的には、例えば、5μm以上、好ましくは、8μm以上、より好ましくは、10μm以上であり、例えば、40μm以下、好ましくは、25μm以下、より好ましくは、20μm以下である。
磁石粉末の体積平均粒子径が、後述するアモルファス金属の体積平均粒子径よりも大きければ、磁性材料の機械的特性(強度、破壊靭性など)の向上を図ることができる。
とりわけ、磁石粉末の体積平均粒子径が上記範囲であれば、磁石粉末の充填率の向上を図ることができ、優れた磁気特性を確保することができ、機械的特性(強度、破壊靭性など)の更なる向上を図ることができる。
なお、体積平均粒子径は、レーザ回折散乱粒子径分布測定法により測定することができる(以下同様)。
本発明において、アモルファス金属は、希土類元素、Fe(鉄)およびB(ホウ素)を含有する。
このようなアモルファス金属において、希土類元素は、その焼成において、結晶磁気異方性を生じさせ、その磁気特性(例えば、保磁力など)を向上させるために含有される。
希土類元素としては、例えば、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユーロピウム)などの軽希土類元素、例えば、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)などの重希土類元素などが挙げられる。
これら希土類元素は、単独使用または2種類以上併用することができる。
なお、このようなアモルファス金属は、必ずしも重希土類元素を含まなくとも、十分大きな保磁力を発現することができる。
希土類元素として、好ましくは、軽希土類元素、より好ましくは、Nd(ネオジム)、Y(イットリウム)、さらに好ましくは、Nd(ネオジム)が挙げられる。
希土類元素としてNd(ネオジム)を用いれば、アモルファス金属を用いて得られる磁性材料の保磁力、残留磁化を向上することができる。
また、希土類元素として、好ましくは、Nd(ネオジム)とY(イットリウム)との併用が挙げられる。
希土類元素が、Nd(ネオジム)およびY(イットリウム)を含有していれば、アモルファス金属を用いて得られる磁性材料の保磁力、残留磁化を向上することができる。
希土類元素がNd(ネオジム)およびY(イットリウム)を含有する場合には、それらの含有割合は、Nd(ネオジム)およびY(イットリウム)の総量に対して、Nd(ネオジム)が、65〜95原子%であり、Y(イットリウム)が、5〜35原子%である。
また、アモルファス金属において、希土類元素の原子割合(併用される場合には、それらの総量)は、22〜44原子%、好ましくは、23〜40原子%、より好ましくは、24〜37原子%の範囲である。
希土類元素の原子割合が上記下限未満である場合には、アモルファス金属の結晶化温度(Tx)が高くなる場合があるため、後述するように、磁石粉末およびアモルファス金属を熱処理して磁性材料を製造する場合において、熱処理のエネルギーコストが増加し、さらに、作業性および生産性が低下するという不具合がある。
また、希土類元素の原子割合が上記下限未満である場合には、磁性材料の保磁力が低下するという不具合がある。
一方、希土類元素の原子割合が上記上限を超過する場合には、磁性材料の残留磁化が低下するという不具合がある。
また、希土類元素の原子割合が上記上限を超過すると、コスト面に劣り、また、酸化しやすくなるため、生産性および安全性にも劣るという不具合がある。
これに対し、希土類元素の原子割合が上記範囲であれば、アモルファス金属を用いて得られる磁性材料の残留磁化および保磁力を向上することができ、さらには、アモルファス金属の結晶化温度(Tx)を低く抑えることができるため、後述するように、高温で熱処理することなく、低コスト、かつ、作業性および生産性よく磁性材料を製造することができる。
アモルファス金属において、Fe(鉄)は、磁性に寄与する元素であって、磁性材料の磁気特性(例えば、残留磁束密度など)を向上させるために含有される。
アモルファス金属において、Fe(鉄)の原子割合は、例えば、15〜65原子%、好ましくは、20〜60原子%、より好ましくは、25〜55原子%の範囲である。
Fe(鉄)の原子割合が上記下限未満である場合には、後述する熱処理(結晶化)後の磁性材料の残留磁束密度が低下する場合がある。
また、Fe(鉄)の原子割合が上記上限を超過する場合には、後述する熱処理(結晶化)後の磁性材料の保磁力が低下する場合がある。
アモルファス金属において、B(ホウ素)は、非晶質相を形成し、アモルファス合金とするために含有される。
アモルファス金属において、B(ホウ素)の原子割合は、6〜28原子%、好ましくは、12〜28原子%、より好ましくは、15〜25原子%の範囲である。
B(ホウ素)の原子割合が上記下限未満である場合には、後述する急冷時において、結晶相が生成する場合があり、アモルファス金属を原料として、放電プラズマ焼結法やホットプレス法等を用いて成形体を製造する場合において、成形性および加工性が低下する場合がある。
また、B(ホウ素)の原子割合が上記上限を超過する場合には後述する熱処理(結晶化)後の磁性材料の残留磁束密度が低下する場合がある。
また、アモルファス金属は、好ましくは、Co(コバルト)を含有している。
アモルファス金属において、Co(コバルト)は、アモルファス金属を用いて得られる磁性材料の磁気特性を向上させ、また、酸化を防止することにより取扱性の向上を図るために含有される。
さらに、アモルファス金属が後述するように金属ガラスである場合には、Co(コバルト)は、その金属ガラスを、後述する軟化状態(ガラス遷移状態)において安定化させ、その成形性を向上するために含有される。
アモルファス金属において、Co(コバルト)の原子割合は、例えば、1〜50原子%、好ましくは、2〜45原子%、より好ましくは、4〜40原子%の範囲である。
Co(コバルト)の原子割合が上記下限未満である場合には、取扱性、成形性および加工性が低下する場合がある。
とりわけ、アモルファス金属が後述するように金属ガラスである場合において、その過冷却領域(ガラス遷移温度以上、かつ、結晶化温度未満の領域。ΔTx(=Tx−Tg))を十分に確保することができず、成形性および加工性が低下する場合がある。
また、Co(コバルト)の原子割合が上記上限を超過する場合には、アモルファス金属を用いて得られる磁性材料の残留磁束密度が低下する場合がある。
また、Co(コバルト)の原子割合として、好ましくは、Fe(鉄)に対するCo(コバルト)の原子比が、1.5以下、好ましくは、1.44以下、より好ましくは0.6以下であることが挙げられる。
Fe(鉄)に対するCo(コバルト)の原子比が、1.5以下であれば取扱性を向上でき、さらに、0.6以下であれば熱処理により大きな保磁力を発現できる。一方、1.5を超過すると、コスト面に劣るという不具合がある。
また、アモルファス金属は、添加元素として、さらに、その他の元素、例えば、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、V(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Mn(マンガン)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)Ag(銀)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金)、Au(金)などの遷移元素、例えば、C(炭素)、P(リン)、Al(アルミニウム)、Si(ケイ素)、Ca(カルシウム)、Ga(ガリウム)、Ge(ゲルマニウム)、Sn(スズ)、Pb(鉛)、Zn(亜鉛)などの典型元素など、種々の元素を含むことができる。
これら添加元素は、単独使用または2種類以上併用することができる。
添加元素として、好ましくは、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Nb(ニオブ)、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Si(ケイ素)、Al(アルミニウム)が挙げられる。
添加元素として、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Nb(ニオブ)、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Si(ケイ素)およびAl(アルミニウム)からなる群から選択される少なくとも1種を含有すれば、磁性材料の残留磁束密度、保磁力などを向上させることができる。
このようなアモルファス金属において、添加元素の原子割合は、例えば、1〜15原子%、好ましくは、1〜10原子%。より好ましくは、1〜5原子%である。
また、添加元素として、より好ましくは、Al(アルミニウム)、Cu(銅)が挙げられる。
アモルファス金属が、添加元素として、Al(アルミニウム)および/またはCu(銅)を含有すれば、後述するアモルファス金属の結晶化温度(Tx)を低く抑えることができるため、後述するように、高温で熱処理することなく、すなわち、低コスト、かつ、作業性および生産性よく磁性材料を製造することができる。
また、アモルファス金属が、後述する金属ガラスである場合に、その金属ガラスの軟化開始温度(ガラス遷移温度(Tg))を低く抑えることができるため、成形性をより向上することができる。
アモルファス金属がAl(アルミニウム)および/またはCu(銅)を含有する場合において、Al(アルミニウム)およびCu(銅)の原子割合(併用される場合にはそれらの総量)は、例えば、15原子%未満であり、好ましくは、5原子%未満、より好ましくは、3.5原子%以下、さらに好ましくは、3原子%以下である。
Al(アルミニウム)の原子割合が5原子%以上である場合には、アモルファス金属の結晶化温度(Tx)が高くなり、磁性材料の製造におけるコストを増加させる場合や、作業性および生産性を低下させる場合がある。
また、アモルファス金属が、添加元素としてCu(銅)を含有すれば金属ガラスとすることができ、広い過冷却領域を得ることができる。
そして、このようなアモルファス金属において、希土類元素およびFe(鉄)(さらに必要により含有されるCo(コバルト))の原子割合の総量は、例えば、65〜94原子%、好ましくは、70〜90原子%、より好ましくは、72〜85原子%である。
希土類元素およびFe(鉄)(さらに必要により含有されるCo(コバルト))の原子割合の総量が上記範囲であれば、アモルファス金属の成形性および加工性を向上することができ、さらには、後述する熱処理(結晶化)後の磁性材料の残留磁束密度および保磁力を良好とすることができる。
また、アモルファス金属において、希土類元素およびFe(鉄)(さらに必要により含有されるCo(コバルト))を除く元素(必須成分としてB(ホウ素)を含み、任意成分として添加元素(例えば、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Nb(ニオブ)、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Si(ケイ素)、Al(アルミニウム)などを含む。)の原子割合の総量は、例えば、6原子%以上、好ましくは、10〜30原子%、より好ましくは、15〜28原子%、とりわけ好ましくは、15〜25原子%の範囲である。
希土類元素、Fe(鉄)およびCo(コバルト)を除く元素の原子割合の総量が上記範囲であれば、アモルファス金属の成形性および加工性を向上することができ、さらには、後述する熱処理(結晶化)後の磁性材料の残留磁束密度および保磁力を良好とすることができる。
そして、このようなアモルファス金属は、特に制限されず、公知の方法により製造することができる。
より具体的には、例えば、まず、原料成分として、上記各元素の単体の粉末、塊状物など(必要により、一部合金化していてもよい)を用意し、それらを、上記原子割合となるように混合する。
次いで、得られた原料成分の混合物を、例えば、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガスなど)雰囲気において溶解させる。
原料成分の溶解方法としては、上記各元素を溶解できる方法であれば特に制限されないが、例えば、アーク溶解などが挙げられる。
次いで、例えば、放冷し、上記各元素を上記原子割合で含有する塊状合金(鋳塊、インゴット)を得る。その後、得られた塊状合金を公知の方法により粉砕し、合金粒状物(粒子径:0.5〜20mm)を得る。
その後、この方法では、得られた合金粒状物を溶解させ、合金溶湯を得る。
合金粒状物の溶解方法としては、上記合金粒状物を溶解できる方法であれば特に制限されないが、例えば、高周波誘導加熱などが挙げられる。
次いで、この方法では、得られた合金溶湯を、公知の方法、例えば、単ロール法、ガスアトマイズ法などにより急冷し、アモルファス金属を得る。
単ロール法では、例えば、回転する冷却ロールの外周表面上に合金溶湯を流下し、その合金溶湯と冷却ロールとを所定時間接触させることにより、合金溶湯を急冷する。
合金溶湯の急冷速度(冷却速度)は、例えば、10−2〜10℃/sである。
また、合金溶湯の急冷速度(冷却速度)は、例えば、冷却ロールの回転速度を調節することなどにより制御される。このような場合において、冷却ロールの回転速度は、例えば、1〜60m/s、好ましくは、20〜50m/s、より好ましくは、30〜40m/sである。
このように合金溶湯を急冷することにより、冷却ロールの外周表面上において、例えば、帯状(薄膜状、厚膜状を含む)のアモルファス金属を得ることができる。
得られるアモルファス金属の厚みは、例えば、1〜500μm、好ましくは、5〜300μm、より好ましくは、10〜100μmである。そして、この膜状のアモルファス金属を、遊星ボールミルなどで粉砕することにより、粉末状のアモルファス金属を得ることができる。
また、ガスアトマイズ法では、上記の合金溶湯に、例えば、高圧の噴射ガス(例えば、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガスなど)を噴き付け、合金溶湯を急冷するとともに微粉化する。
このように合金溶湯を急冷することにより、粉末状のアモルファス金属を得ることができる。なお、合金溶湯の急冷方法としては、上記の単ロール法、ガスアトマイズ法に限定されず、公知の方法を採用することができる。好ましくは、単ロール法が採用される。
このようにして得られるアモルファス金属の体積平均粒子径は、上記した磁石粉末の体積平均粒子径よりも小さく、具体的には、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、25μm以下、好ましくは、20μm以下である。
アモルファス金属の体積平均粒子径が、上記した磁石粉末の体積平均粒子径よりも小さければ、磁性材料の機械的特性(強度、破壊靭性など)の向上を図ることができる。
とりわけ、アモルファス金属の体積平均粒子径が上記範囲であれば、優れた磁気特性を確保することができ、機械的特性(強度、破壊靭性など)の更なる向上を図ることができる。
また、磁石粉末の体積平均粒子径と、アモルファス金属の体積平均粒子径との差は、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上、より好ましくは、20μm以上である。
磁石粉末の体積平均粒子径と、アモルファス金属の体積平均粒子径との差が上記範囲であれば、優れた磁気特性を確保することができ、さらには、機械的特性の向上を図ることができる。
また、磁石粉末の体積平均粒子径に対する、アモルファス金属の体積平均粒子径の割合は、例えば、90%以下、好ましくは、80%以下、より好ましくは、20%以下である。
磁石粉末の体積平均粒子径に対する、アモルファス金属の体積平均粒子径の割合が上記範囲であれば、優れた磁気特性を確保することができ、さらには、機械的特性の向上を図ることができる。
また、アモルファス金属の結晶化温度(Tx)(結晶化を開始する温度)は、例えば、600℃以下、好ましくは、550℃以下、より好ましくは、500℃以下である。
アモルファス金属の結晶化温度(Tx)は、DSC(示差走査熱量測定)によって測定することができ、本発明においては、40℃/minの昇温速度で測定された値であると定義される。
なお、結晶化温度(Tx)が複数確認される場合には、それら結晶化温度(Tx)のうち最も低い結晶化温度(Tx)を、アモルファス金属の結晶化温度(Tx)とする。
また、このようにして得られるアモルファス金属は、金属ガラスを含んでいる。
金属ガラスは、結晶化温度(Tx)未満のガラス遷移温度(Tg)を有するアモルファス合金であり、高い成形性を有している。
そして、このようにして得られるアモルファス金属が、金属ガラスである場合には、その軟化開始温度(ガラス遷移温度(Tg))は、例えば、600℃以下、好ましくは、500℃以下、より好ましくは、450℃以下である。
また、アモルファス金属は、金属ガラスでなくとも、加熱により軟化する場合があり、そのような場合における軟化開始温度は、例えば、600℃以下、好ましくは、500℃以下、より好ましくは、450℃以下である。
アモルファス金属(金属ガラスを含む。)の軟化開始温度は、例えば、DSC(示差走査熱量測定)、または、放電プラズマ焼結機のプレス変位測定などにより、求めることができる。
これらアモルファス金属は、単独使用または2種類以上併用することができる。
本発明において、磁性材料を製造するには、まず、磁石粉末とアモルファス金属とを混合する。
磁石粉末とアモルファス金属との配合割合は、磁石粉末とアモルファス金属との総量100質量部に対して、磁石粉末が、例えば、60〜99質量部、好ましくは、80〜95質量部であり、アモルファス金属が、例えば、1〜40質量部、好ましくは、5〜20質量部である。
混合は、磁石粉末とアモルファス金属とを十分に混合できれば、特に制限されず、例えば、乳鉢、ボールミルなどの公知の混合装置を用いることができる。
また、この方法では、乾式法、湿式法のいずれも採用することができる。例えば、乾式法では、磁石粉末とアモルファス金属とを、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガスなど)雰囲気下において、混合する。また、湿式法では、磁石粉末とアモルファス金属とを、溶媒(例えば、シクロヘキサン、アセトン、エタノールなど)中において、混合する。
混合条件としては、特に制限されないが、ボールミル(容量0.3L)を使用する場合には、回転数が、例えば、100〜300rpm、好ましくは、150〜250rpmであって、混合時間が、例えば、5〜60分間、好ましくは、5〜45分間である。
なお、混合後の各成分の体積平均粒子径は、通常、混合前の体積平均粒子径と同様である。
次いで、この方法では、磁石粉末とアモルファス金属との混合物を、例えば、加圧しながら、アモルファス金属の結晶化温度(Tx)より30℃低い温度以上に加熱する。
また、アモルファス金属が金属ガラスである場合には、磁石粉末とアモルファス金属との混合物を、例えば、加圧しながら、ガラス遷移温度(Tg)以上の温度に加熱することもできる。
より具体的には、この方法では、例えば、ホットプレス装置、放電プラズマ焼結機などを用いて、磁石粉末とアモルファス金属との混合物を、例えば、20〜1500MPa、好ましくは、200〜1000MPaの圧力条件下において、アモルファス金属の結晶化温度(Tx)より30℃低い温度以上、または、アモルファス金属が金属ガラスである場合にはそのガラス遷移温度(Tg)以上、好ましくは、アモルファス金属の結晶化温度(Tx)以上、具体的には、例えば、400〜600℃、好ましくは、410〜550℃に加熱する。
このような加圧加熱成形により、アモルファス金属が変形を生じ、これにより、高密度な磁性材料を得ることができる。さらに、アモルファス金属が硬磁性相となるため、磁石粉末、および、アモルファス金属から生成した硬磁性相を含む磁性材料を、得ることができる。
加熱は、特に制限されないが、例えば、常温から一定の昇温速度で加熱することができ、そのような場合には、昇温速度は、例えば、10〜200℃/分、好ましくは、20〜100℃/分である。
また、磁性材料の製造においては、必要により、イメージ炉などを用いて、上記の加圧加熱成形の後、磁石粉末と、アモルファス金属またはアモルファス金属から生成した硬磁性相との成形体を、高温条件下において所定時間保持することもできる。
そのような場合には、上記の加圧加熱成形の後、例えば、400〜600℃、好ましくは、410〜550℃において、例えば、1〜120分間、好ましくは、10〜60分間保持する。
これにより、アモルファス金属の結晶化熱処理工程を、バッジ式で行えるため、磁性材料の生産性を向上することができる。
また、磁性材料の製造においては、加圧加熱成形の昇温後に、必要により、加圧加熱状態で保持することもできる。
さらに、磁性材料の製造においては、例えば、上記の加圧加熱成形、および、その後の熱処理を磁場中で行うことができる。
また、上記の加圧加熱成形の前処理として、磁石粉末とアモルファス金属との混合物を、磁場中で加圧(磁場プレス処理)することもできる。
とりわけ、磁石粉末として、磁気異方性磁石粉末が用いられる場合には、好ましくは、磁石粉末とアモルファス金属との混合物を磁場プレス処理する。
磁場中で加圧すると、磁石粉末を所定方向に配向することができるため、得られる磁性材料の磁気特性を、より一層向上することができる。
磁場プレス処理における条件としては、例えば、印加磁場が、10kOe以上、好ましくは、20kOe以上であり、圧力条件が、例えば、30〜2000MPa、好ましくは、100〜1000MPaである。
このようにして得られる磁性材料の成形体密度(かさ密度)は、例えば、6〜7.5g/cm、好ましくは、6.5〜7.5g/cmである。
成形体密度が上記範囲であれば、磁束密度を良好とすることができる。
なお、成形体密度は、例えば、アルキメデス法や、例えば、下記式(1)により算出することができる。
ρ=m/V (1)
(式中、ρは磁性材料の密度(成形体密度)を、mは磁性材料の質量を、Vは磁性材料の体積を、それぞれ示す。)
そして、このようにして得られる磁性材料では、磁石粉末が焼成されることにより生じる材料劣化、より具体的には、結晶の粗大化などが抑制されるとともに、磁石粉末の隙間(空隙)に、磁気特性に優れるアモルファス金属から生成した硬磁性相が充填されている。
そのため、このような磁性材料によれば、簡易な製造によって、高い磁気特性を確保することができる。
また、このような磁性材料では、アモルファス金属における希土類元素の原子割合が22〜44原子%の範囲であるため、結晶化温度(Tx)が低く抑えられており、高温で熱処理することなく、すなわち、低コスト、かつ、作業性および生産性よく磁性材料を製造することができる。さらに、アモルファス金属から生成する硬磁性相の磁気特性が高いため、磁気特性の高い磁性材料を製造することができる。
つまり、アモルファス金属として、上記組成を除くアモルファス金属(例えば、Nd60Fe30Al10など)を用いることも検討されるが、このようなアモルファス金属は、磁気特性が十分ではなく、そのため、得られる磁性材料の磁気特性に劣る場合がある。
一方、本発明の磁性材料は、上記のアモルファス金属と磁石粉末とを混合するとともに、そのアモルファス金属の変形開始温度以上の温度に加熱することにより得られるため、優れた磁気特性を備えることができる。
とりわけ、本発明の磁性材料は、優れた磁気特性および機械的特性を備えることができる。
すなわち、磁性材料の原料であるアモルファス金属の体積平均粒子径が、磁石粉末の体積平均粒子径よりも大きい場合には、得られる磁性材料は、十分な磁気特性を備えることができず、さらには、機械的特性にも劣る。
一方、本発明の磁性材料では、その原料であるアモルファス金属の体積平均粒子径が、磁石粉末の体積平均粒子径よりも小さいので、優れた磁気特性および機械的特性を備えることができる。
次に、本発明を製造例、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
製造例1〜4(磁石粉末の粉砕)
磁石粉末として、MFP−15(商品名、HDDR法により得られたNd−Fe−B系磁気異方性磁石粉末、愛知製鋼社製)を遊星ボールミル(伊藤製作所製 LP−1)により粉砕した。さらに、ステンレス製ふるいにより、種々の体積平均粒子径が得られるよう分級した。
得られた各粉末の体積平均粒子径(μm)を、レーザ回折/散乱粒子径分布測定装置(堀場製作所製 LA−950V2)により測定した。その結果を、表1に示す。
Figure 2014056943
製造例5(アモルファス金属の製造)
Nd(ネオジム)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、B(ホウ素)の単体粉末または塊状物を、表2に示す配合割合で処方し、アーク溶解炉により、−4kPa(−30Torr)、Ar(アルゴン)雰囲気下で溶解させ、表2に示す組成比の合金(インゴット)を作製した。
次いで、得られたインゴットを粉砕し、合金粒状物(粒子径:0.5〜10mm)を得た。
その後、得られた合金粒状物を高周波誘導加熱にて溶解し、合金溶湯とした後、得られた合金溶湯を、Ar雰囲気下において、単ロール装置にて回転速度40m/sの冷却ロールの外周表面上に流下し、急冷した。これにより、アモルファス金属を得た。
その後、得られたアモルファス金属を、遊星ボールミル(伊藤製作所製 LP−1)により粉砕し、Nd34.3Fe41.5Co4.220の粉末を得た。得られた粉末の体積平均粒子径を上記と同様にして測定したところ、8.6μmであった。
製造例6(アモルファス金属の製造)
製造例5と同様にして、アモルファス金属を得た。その後、得られたアモルファス金属を、遊星ボールミル(伊藤製作所製 LP−1)により粉砕し、Nd34.3Fe41.5Co4.220の粉末を得た。得られた粉末の体積平均粒子径を上記と同様にして測定したところ、94.5μmであった。
製造例7(アモルファス金属の製造)
ガスアトマイズ法(噴射ガス:Ar)によりNd60Fe30Al10を製造した後、ボールミル(伊藤製作所製 LP−1)により微粉砕し、Nd60Fe30Al10の粉末を得た。得られた粉末の体積平均粒子径を上記と同様にして測定したところ、1μmであった。
[評価]
DSC(示差走査熱量測定:SII社製、DSC6300)を用いて、各製造例において得られたアモルファス金属の結晶化温度(Tx)、および、アモルファス金属が金属ガラスである場合には、そのガラス遷移温度(Tg)を測定した。
具体的には、アモルファス金属試料10mgをアルミナパンに投入し、Ar雰囲気中、昇温速度40℃/minで測定した。
なお、結晶化反応(Tx)が複数確認された場合には、その温度の低い方を結晶化温度(Tx)として測定した。
また、結晶化温度(Tx)、および、ガラス遷移温度(Tg)が確認される場合には、過冷却領域ΔTx(=Tx−Tg)を算出した。
その結果を表2に示す。
Figure 2014056943
実施例1〜3および比較例1〜2(磁性材料の製造)
各製造例において得られた磁石粉末と、各製造例において得られたアモルファス金属の粉末とを、磁石粉末:アモルファス金属=90:10の質量比となるように乳鉢で混合することにより、混合粉末を得た。
その後、混合粉末0.3gを採取して、超硬製金型(成形サイズ:5mm×5mm)に充填し、放電プラズマ焼結機(SPSシンテックス社製SPS−515S)によって、真空中、600MPaで、480℃まで、昇温速度40℃/minで加熱(昇温)し、30分間保持した。これにより、磁性材料を得た。
Figure 2014056943
[評価]
各実施例および各比較例において得られた磁性材料の磁気特性および機械的特性を、下記の通り評価した。その結果を表4に示す。
・磁気特性
各磁性材料について、VSM(玉川製作所製)にて減磁曲線を測定し、それらの磁気特性を評価した。
・機械的特性
マイクロビッカース硬度計(株式会社アカシ(現:株式会社ミツトヨ)製 MVK−G1)を用いて、荷重9.81N、押圧時間10secで各磁性材料の表面に圧痕を形成し、圧痕の4角から発生したクラックから、下記式(2)を用いて算出した。
Figure 2014056943
E:ヤング率(すべて160GPaとした)
:ビッカース硬さ
P:圧痕を形成するために、硬度計にて供試材に加えた荷重(すべて9.81Nとした)
C:4角から発生したクラック長さの平均
Figure 2014056943
(考察)
アモルファス金属よりも体積平均粒子径が大きい磁石粉末と、磁石粉末よりも体積平均粒子径が小さいアモルファス金属とを混合して得られる各実施例の磁性材料は、アモルファス金属よりも体積平均粒子径が小さい磁石粉末と、磁石粉末よりも体積平均粒子径が大きいアモルファス金属とを混合して得られる比較例1の磁性材料や、アモルファス金属としてNd60Fe30Al10を用いた比較例2の磁性材料よりも、高い磁気特性および機械的特性を確保することができた。
製造例8〜27(磁石粉末の粉砕)
MFP−15(商品名、HDDR法により得られたNd−Fe−B系磁気異方性磁石粉末、愛知製鋼社製)を遊星ボールミル(伊藤製作所製 LP−1)により粉砕した。
なお、各製造例において、ふるいによる分級を行い、磁石粉末の体積平均粒子径をそれぞれ変更した。得られた粉末の体積平均粒子径を上記と同様にして測定した。その結果を、表5および表6に示す。
実施例4〜23(磁性材料の製造)
各製造例において得られた磁石粉末と、製造例4において得られたアモルファス金属の粉末とを、磁石粉末:アモルファス金属=90:10の質量比となるように乳鉢で混合することにより、混合粉末を得た。
その後、混合粉末0.3gを採取して、超硬製金型(成形サイズ:5mm×5mm)に充填し、放電プラズマ焼結機(SPSシンテックス社製SPS−515S)によって、真空中、600MPaで、480℃まで、昇温速度40℃/minで加熱(昇温)し、30分間保持した。これにより、磁性材料を得た。
比較例3(磁性材料の製造)
アモルファス金属を配合せず作製した磁石として、N39UH(Nd−Fe−B系焼結磁石、信越化学製)を比較に用いた。なお、光学顕微鏡で撮影した組織写真から、100個の粒子径を測定し平均を求めたところ、4.9μmであった。
その後、得られた粉末を、上記と同様に超硬製金型において放電プラズマ焼結機で加熱し、磁性材料を得た。
[評価]
各実施例および各比較例において得られた磁性材料の機械的特性を、上記と同様にして評価した。その結果を、表5および表6に示す。
Figure 2014056943
Figure 2014056943
(評価)
磁石粉末の体積平均粒子径と、磁性材料の破壊靭性との関係をグラフ化し、図1に示した。なお、各実施例と図1中のプロットとの関係を図1中に示すと、図1が見難くなるため、その記載を省略した。
図1から、磁石粉末の体積平均粒子径が25μm以下である場合に、とりわけ優れた破壊靭性を示す傾向があることが確認された。

Claims (3)

  1. 磁石粉末とアモルファス金属とを原料とする磁性材料であって、
    前記磁石粉末が、ネオジム−鉄−ホウ素系磁石粉末であり、
    前記アモルファス金属が、希土類元素、鉄およびホウ素を含有し、
    前記アモルファス金属において、前記希土類元素の原子割合が、22〜44原子%の範囲であり、前記ホウ素の原子割合が、6〜28原子%の範囲であり、
    前記磁石粉末と、体積平均粒子径が前記磁石粉末の体積平均粒子径よりも小さい前記アモルファス金属とを混合するとともに、
    前記アモルファス金属の結晶化温度(Tx)より30℃低い温度以上、または、アモルファス金属が金属ガラスである場合には、そのガラス遷移温度(Tg)以上の温度に加熱することにより得られることを特徴とする、磁性材料。
  2. 前記磁石粉末の体積平均粒子径が、25μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の磁性材料。
  3. 前記磁石粉末として、磁気異方性磁石粉末が用いられることを特徴とする、請求項1または2に記載の磁性材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017188524A (ja) * 2016-04-04 2017-10-12 ミネベアミツミ株式会社 希土類永久磁石及び希土類永久磁石の製造方法

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