図1は、本発明の金属圧粉体の製造方法の一実施形態において用いられる金型の分解斜視図であって、図2は、図1に示される内枠型が分割された状態を示す斜視図である。
図1において、金型1は、外枠型2と、内枠型3と、圧粉棒4とを備えている。
外枠型2は、筒形状に形成されており、より具体的には、高さ方向(軸心方向)における一方側端部(上端部)および他方側端部(下端部)が、平面視略円形状に開放される円筒形状に、形成されている。
外枠型2は、外枠外側面5と、外枠内側面6とを備えている。
外枠外側面5は、外枠型2の外側面(外周面)であって、その径方向長さが、高さ方向において変化しないように、形成されている。
外枠内側面6は、外枠型2の内側面(内周面)であって、その径方向長さが、高さ方向一方側(上方)から他方側(下方)に向かうに従ってわずかに小さくなるテーパ状に、形成されている。
すなわち、外枠型2は、その高さ方向において外径が一定であり、かつ、上方から下方に向かうに従ってわずかに小さくなるテーパ形状の貫通部を備える(つまり、内径が上方から下方に向かうに従ってわずかに小さくなる)円筒形状に、形成されている。
内枠型3は、図1(a)に示すように、筒形状に形成されており、より具体的には、高さ方向における一方側端部(上端部)および他方側端部(下端部)が、平面視略矩形状に開放される、角筒形状に、形成されている。
内枠型3は、高さ方向長さが外枠型2と略同一であって、内枠外側面7と、内枠内側面8とを備えている。
内枠外側面7は、内枠型3の外側面(外周面)であって、高さ方向一方側(上方)から他方側(下方)に向かうに従ってわずかに小さくなるテーパ状の円筒形状に形成されている。
内枠内側面8は、内枠型3の内側面(内周面)であって、その径方向長さが高さ方向において変化しない矩形筒状に形成されている。
すなわち、内枠型3は、平面視略矩形状の角柱形状の貫通部を備えるとともに、その外径が、上方から下方に向かうに従ってわずかに小さくなるテーパ状の円筒形状に、形成されている。
また、内枠型3は、分割可能であり、より具体的には、図2に示すように、複数(例えば、4つ)の内枠片9から形成されている。
各内枠片9は、平面視略扇形状である柱状、詳しくは、平面視において、中心角が直角であり、かつ、中心角を挟む2辺の長さが互いに異なる扇柱形状に、形成されている。
また、各内枠片9において、その上面および下面は、相似形状であって、具体的には、上面が扇形状に形成されるとともに、下面が、上面の扇形状よりも小さい扇形状に形成されている。
これら各内枠片9が互いに接合することにより、図1に示すように、内枠型3が、接合体として形成される。
また、このようにして接合形成される内枠型3の外径(内枠外側面7)は、外枠型2の内径(外枠内側面6)よりわずかに小さい略同一形状であって、これにより、内枠型3が、接合状態において、外枠型2に嵌合可能とされている。
圧粉棒4は、図1に示すように、平面視略矩形の角柱形状に形成されており、金型1において、2つ(一対)設けられている。なお、以下において、2つの圧粉棒4を区別する場合には、それぞれ、下側圧粉棒4a、上側圧粉棒4bとする。
このような各圧粉棒4の外形は、内枠型3の貫通部形状よりわずかに小さい略同一形状であって、これにより、各圧粉棒4が、内枠型3の貫通部に挿通可能とされている。
このような金型1(外枠型2、内枠型3および圧粉棒4)は、例えば、超硬合金などから形成される。
超硬合金は、周期律表(IUPAC Periodic Table of the Elements(version date 22 June 2007)に従う。)第4〜6族の金属原子の炭化物(例えば、WC(タングステンカーバイド)など)を、例えば、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)などの鉄系金属で焼結した複合材料である。
超硬合金として、好ましくは、Ni結合合金が挙げられる。
Ni結合合金として、より具体的には、例えば、WC−Ni(タングステンカーバイト−ニッケル)系合金、WC−Ni−Cr(タングステンカーバイト−ニッケル−クロム)系合金などが挙げられる。
また、超硬合金としては、さらに、その他の超硬合金、より具体的には、例えば、WC−Fe(タングステンカーバイト−鉄)系合金などの鉄結合合金、例えば、WC−Co(タングステンカーバイト−コバルト)系合金、WC−TiC−Co(タングステンカーバイト−チタンカーバイト−コバルト)系合金、WC−TaC−Co(タングステンカーバイト−タンタルカーバイト−コバルト)系合金、WC−TiC−TaC−Co(タングステンカーバイト−チタンカーバイト−タンタルカーバイト−コバルト)系合金などのCo結合合金なども挙げられる。
図3および図4は、本発明の金属圧粉体の製造方法の一実施形態を示す工程図である。なお、なお、上記した部材に対応する部材については、以下の各図において同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
次いで、上記した金型1を用いて、金属圧粉体11(後述)を製造する方法について、図3および図4を参照して説明する。
この方法では、まず、図3(a)に示すように、上記した金型1、すなわち、外枠型
2、内枠型3および一対の圧粉棒4を用意する。
次いで、この方法では、図3(b)に示すように、各内枠片9を組み合わせて内枠型3を組み立てた後、その内枠型3を上方から外枠型2の貫通部に挿入して嵌合させ、その後、内枠型3の内面側、つまり、内枠内側面8に、窒化物の膜10を形成する。
窒化物としては、後述する圧力成形や加熱処理などに耐えることができれば、特に制限されないが、例えば、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化クロム、窒化タングステン、窒化マグネシウム、窒化モリブデン、窒化リチウムなどが挙げられる。
これら窒化物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
窒化物として、好ましくは、窒化ホウ素が挙げられる。
窒化物として窒化ホウ素を用いれば、磁性粉末を成型する場合、磁性粉末と反応しても劣化の少ないBとNから構成されているため、特性の高い圧粉体を得ることができる。
膜10は、窒化物(例えば、窒化物および溶剤、さらに、必要によりバインダを含む窒化物の溶液および/または分散液など)を、例えば、スプレー法、ダイコーター法、インクジェット法など公知の塗布方法、好ましくは、スプレー法により内枠型3の内側面に塗布し、その後、必要により、乾燥させることにより、形成される。
膜10は、その厚みが、例えば、0.1〜500μm、好ましくは、1〜50μmとなるように、形成される。
膜10の厚みが上記範囲であれば、金属圧粉体と接する内枠型の内側面に、途切れなく窒化物の膜が形成されるので、圧粉体を取り出す際に、内枠型と金属圧粉体との間の摺動を抑制できる。その結果、金属圧粉体を破損させずに取り出すことができる。
次いで、この方法では、図3(c)に示すように、内枠型3内において、膜10に接するように、粉末を充填する。
より具体的には、内枠型3の貫通孔に、下方から下側圧粉棒4aを挿通し、図示しない固定部材によって固定し、その後、内枠型3内に金属の粉末を投入する。これにより、膜10に接するように、金属の粉末が、下側圧粉棒4aの上面に堆積される。
粉末の投入量は、金型1のサイズにより異なるが、例えば、0.1〜100g、好ましくは、0.3〜10gである。
金属の粉末としては、例えば、磁性材料の粉末が挙げられ、磁性材料の粉末としては、例えば、磁石粉末、金属ガラス粉末などが挙げられる。
これら粉末は、単独使用または2種類以上併用することができる。
粉末として、好ましくは、磁性材料の粉末が挙げられ、好ましくは、磁石粉末の単独使用、または、磁石粉末および金属ガラス粉末の併用が挙げられる。
磁石粉末としては、例えば、窒素系磁石粉末(以下、窒素系磁石と称する)、ナノコンポジット磁石粉末(以下、ナノコンポジット磁石と称する)などが挙げられる。
本発明において、窒素系磁石としては、特に制限されないが、例えば、希土類−遷移金属−窒素系磁石などが挙げられる。
希土類−遷移金属−窒素系磁石としては、例えば、Sm−Fe−N系磁石、Sm−Fe−Mn−N系磁石などが挙げられ、好ましくは、Sm−Fe−N系磁石が挙げられる。
Sm−Fe−N系磁石は、Sm−Fe−N系の組成を有する磁石(以下、SmFeNと称する場合がある。)の粉末であって、例えば、公知の方法により得られたSmFeNを粉砕することにより、製造することができる。
より具体的には、例えば、まず、サマリウム酸化物および鉄粉から、還元拡散法によってSmFe合金の粉末を製造し、次いで、得られたSmFe合金の粉末を、例えば、N2ガス、NH3ガス、N2およびH2混合ガスなどの雰囲気中において、例えば、600℃以下の温度で加熱することにより、SmFeNを製造する。
その後、得られたSmFeNを、例えば、ジェットミル、ボールミルなどの公知の粉砕装置で微粉砕する。これにより、Sm−Fe−N系磁石を得ることができる。
また、Sm−Fe−N系磁石は、SmFeNを粉砕することなく製造することもできる。この方法では、例えば、まず、SmおよびFeを酸に溶解し、SmイオンおよびFeイオンを得た後、その溶解液に、例えば、SmイオンおよびFeイオンと反応して不溶性の塩を形成する陰イオン(例えば、水酸化物イオン、炭酸イオンなど)などを添加し、塩の沈殿物を得る。
その後、得られた沈殿物を焼成し、金属酸化物を製造した後、その金属酸化物を還元処理する。これにより、Sm−Fe−N系磁石を得ることができる。
なお、Sm−Fe−N系磁石は、上記の方法に限定されず、他の公知の方法により製造することができる。
このようなSm−Fe−N系磁石として、より具体的には、Sm2Fe17N3(キュリー点:474℃)などが挙げられる。
これら窒素系磁石は、単独使用または2種類以上併用することができる。
なお、窒素系磁石の分解温度は、例えば、600℃以上である。さらには、このような窒化物磁石は、加熱により、例えば、500℃から徐々に分解し、SmN、Feなどを生じる。
また、窒素系磁石(粉末)の体積平均粒子径は、例えば、1〜20μm、好ましくは、2〜4μmである。
窒素系磁石(粉末)の体積平均粒子径が上記範囲であれば、保磁力が良好となる。
また、このような窒素系磁石(粉末)としては、一般に市販されているものを用いることができ、例えば、Z16(Sm−Fe−N系磁石(Sm2Fe17N3)、分解温度600℃、体積平均粒子径3μm、日亜化学工業社製)などを用いることができる。
本発明において、ナノコンポジット磁石としては、特に制限されないが、例えば、Sm−Fe−N系ナノコンポジット磁石などが挙げられる。
Sm−Fe−N系ナノコンポジット磁石は、例えば、Fe/Sm−Fe−N系の組織を有するナノコンポジット磁石の粉末であって、特に制限されないが、例えば、Sm−Fe−N系磁石に電流および圧力をかけることにより製造することができる。
より具体的には、この方法では、例えば、放電プラズマ焼結機などを用いて、公知の方法により得られたSm−Fe−N系磁石を所定圧力で加圧するとともに、所定時間パルス通電する。これにより、Sm−Fe−N系磁石を部分的に分解することができ、高磁性相としてのSm−Fe−N単結晶相中に、軟磁性相としてのFe結晶相を形成することができる。これによりSm−Fe−N系ナノコンポジット磁石を製造することができる。また、Sm−Fe−N系ナノコンポジット磁石は、必要により、さらに粉砕して用いることもできる。
なお、Sm−Fe−N系ナノコンポジット磁石は、上記の方法に限定されず、他の公知の方法により製造することができる。
このようなSm−Fe−N系ナノコンポジット磁石として、より具体的には、FeとSm2Fe17N3(キュリー点:474℃)とのナノコンポジット磁石などが挙げられる。
これらナノコンポジット磁石は、単独使用または2種類以上併用することができる。
一般に、磁性材料粉末からなる金属圧粉体11の製造においてナノコンポジット磁石を焼成すると、その結晶が粗大化して、保磁力が低下する。
ナノコンポジット磁石の結晶が粗大化する温度は、例えば、600℃以上である。
また、ナノコンポジット磁石(粉末)の体積平均粒子径は、例えば、1〜20μm、好ましくは、2〜4μmである。
ナノコンポジット磁石(粉末)の体積平均粒子径が上記範囲であれば、残留磁束密度が良好となる。
また、磁石粉末としては、さらに、上記磁石(窒素系磁石、ナノコンポジット磁石)の他の異方性磁石粉末も挙げられ、そのような磁石粉末として、より具体的には、例えば、HDDR(Hydrogenation Decomposition Desorption Recombination)処理されたNd−Fe−B系磁石粉末などが挙げられる。
これら磁石粉末は、単独使用または2種類以上併用することができる。
金属ガラスは、結晶化温度(Tx)未満の温度で変形開始(軟化)するアモルファス合金であって、優れた磁気特性を備えている。このような金属ガラスは、加熱することにより、変形開始(軟化)し、その後、結晶化する。
金属ガラスは、例えば、希土類元素、Fe(鉄)、Co(コバルト)およびB(ホウ素)を含有する。
金属ガラスにおいて、希土類元素は、金属圧粉体11に、結晶磁気異方性を生じさせ、その磁気特性(例えば、保磁力など)を向上させるために含有される。
希土類元素としては、例えば、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユーロピウム)などの軽希土類元素、例えば、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)などの重希土類元素などが挙げられる。
これら希土類元素は、単独使用または2種類以上併用することができる。
希土類元素として、好ましくは、軽希土類元素、より好ましくは、Nd(ネオジム)が挙げられる。
希土類元素としてNd(ネオジム)を用いれば、金属圧粉体11の保磁力、残留磁化を向上することができる。
金属ガラスにおいて、希土類元素の原子割合は、例えば、25〜55原子%、好ましくは、25〜50原子%、より好ましくは、30〜50原子%の範囲である。
希土類元素の原子割合が上記下限未満である場合には、後述する熱処理のエネルギーコストが増加し、また、作業性および生産性が低下するという不具合がある。
また、希土類元素の原子割合が上記上限を超過する場合には、金属圧粉体11の残留磁化が低下するという不具合がある。
これに対し、希土類元素の原子割合が上記範囲であれば、金属圧粉体11の残留磁化を向上することができ、さらには、高温で熱処理することなく、すなわち、低コスト、かつ、作業性および生産性よく金属圧粉体11を製造することができる。
また、希土類元素の原子割合として、好ましくは、Fe(鉄)およびCo(コバルト)のそれぞれの原子割合より多く、Fe(鉄)およびCo(コバルト)の原子割合の総量より少ないことが挙げられる。
金属ガラスにおいて、Fe(鉄)は、磁性に寄与する元素であって、金属圧粉体11の磁気特性(例えば、残留磁束密度など)を向上させるために含有される。
金属ガラスにおいて、Fe(鉄)の原子割合は、例えば、10〜65原子%、好ましくは、15〜60原子%、より好ましくは、20〜55原子%の範囲である。
Fe(鉄)の原子割合が上記下限未満である場合には、後述する熱処理後の金属圧粉体11の残留磁束密度が低下する場合がある。
また、Fe(鉄)の原子割合が上記上限を超過する場合には、後述する熱処理後の金属圧粉体11の保磁力が低下する場合がある。
金属ガラスにおいて、Co(コバルト)は、金属ガラスを、軟化状態(ガラス状態)において安定化させ、その成形性を向上するために含有される。
金属ガラスにおいて、Co(コバルト)の原子割合は、例えば、10〜50原子%、好ましくは、15〜45原子%、より好ましくは、15〜40原子%の範囲である。
Co(コバルト)の原子割合が上記下限未満である場合には、成形性および加工性が低下する場合がある。
また、Co(コバルト)の原子割合が上記上限を超過する場合には、金属圧粉体11の残留磁束密度が低下する場合がある。
また、Co(コバルト)の原子割合として、好ましくは、上記したFe(鉄)の原子割合と同一または少ない、より好ましくは、同一の原子割合であることが挙げられる。
金属ガラスにおいて、B(ホウ素)は、金属ガラスに非晶質相を形成し、アモルファス合金とするために含有される。
金属ガラスにおいて、B(ホウ素)の原子割合は、例えば、5〜35原子%、好ましくは、10〜30原子%、より好ましくは、10〜25原子%の範囲である。
B(ホウ素)の原子割合が上記下限未満である場合には、後述する急冷時において、結晶相が生成する場合があり、成形性および加工性が低下する場合がある。
また、B(ホウ素)の原子割合が上記上限を超過する場合には後述する熱処理後の金属圧粉体11の残留磁束密度が低下する場合がある。
また、B(ホウ素)の原子割合は、好ましくは、上記希土類元素、Fe(鉄)およびCo(コバルト)のいずれの原子割合よりも低いことが挙げられる。
このような場合には、後述する熱処理後の金属圧粉体11の残留磁束密度および保磁力を良好とすることができる。
また、金属ガラスは、さらに、その他の元素、例えば、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、V(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Mn(マンガン)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)Ag(銀)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金)、Au(金)などの遷移元素、例えば、C(炭素)、P(リン)、Al(アルミニウム)、Si(ケイ素)、Ca(カルシウム)、Ga(ガリウム)、Ge(ゲルマニウム)、Sn(スズ)、Pb(鉛)などの典型元素など、種々の元素を含むことができる。
これらその他の元素は、単独使用または2種類以上併用することができる。
その他の元素として、好ましくは、典型元素、より好ましくは、Al(アルミニウム)が挙げられる。
金属ガラスがAl(アルミニウム)を含有すれば、後述する金属ガラスの変形開始温度(軟化開始温度、ガラス遷移温度(Tg))を低く抑えることができるため、成形性をより向上することができる。
金属ガラスがAl(アルミニウム)を含有する場合において、Al(アルミニウム)の原子割合は、例えば、15原子%以下であり、好ましくは、5原子%以下である。
Al(アルミニウム)の原子割合が5原子%以上である場合には、磁性材料の製造におけるコストを増加させる場合や、作業性および生産性を低下させる場合がある。
そして、このような金属ガラスにおいて、希土類元素、Fe(鉄)およびCo(コバルト)の原子割合の総量は、例えば、65〜95原子%、好ましくは、70〜90原子%、より好ましくは、75〜85原子%である。
希土類元素、Fe(鉄)およびCo(コバルト)の原子割合の総量が上記範囲であれば、金属ガラスの成形性および加工性を向上することができ、さらには、後述する熱処理後の金属圧粉体11の残留磁束密度および保磁力を良好とすることができる。
また、金属ガラスにおいて、希土類元素、Fe(鉄)およびCo(コバルト)を除く元素(必須成分としてB(ホウ素)を含み、任意成分としてその他の元素(例えば、Al(アルミニウム)などを含む。)の原子割合の総量は、例えば、5原子%以上、好ましくは、10〜30原子%、より好ましくは、15〜25原子%、とりわけ好ましくは、15〜20原子%の範囲である。
希土類元素、Fe(鉄)およびCo(コバルト)を除く元素の原子割合の総量が上記範囲であれば、金属ガラスの成形性および加工性を向上することができ、さらには、後述する熱処理後の金属圧粉体11の残留磁束密度および保磁力を良好とすることができる。
このような金属として、とりわけ好ましくは、下記式(1)で示される金属ガラスが挙げられる。
R83−xFex/2Cox/2Al17−yBy (1)
(式中、Rは、希土類元素を示す。また、0<x<83であり、また、0<y≦17である。)
上記式(1)において、Rは、上記した希土類元素を示す(以下同様。)。
また、xの範囲は、0<x<83、好ましくは、28<x<58、より好ましくは、33<x<53である。
xの値が上記範囲であれば、金属ガラスの成形性および加工性を向上することができ、さらには、後述する熱処理後の金属圧粉体11の残留磁束密度および保磁力を良好とすることができる。
また、yの範囲は、0<y≦17、好ましくは、12<y<17、より好ましくは、13.5<y<17である。
yの値が上記範囲であれば、金属ガラスの成形性および加工性を向上することができ、さらには、後述する熱処理後の金属圧粉体11の残留磁束密度および保磁力を良好とすることができる。
そして、このような金属ガラスは、特に制限されず、公知の方法により製造することができる。
より具体的には、例えば、まず、原料成分として、上記各元素の単体の粉末、塊状物など(必要により、一部合金化していてもよい)を用意し、それらを、上記原子割合となるように混合する。
次いで、得られた原料成分の混合物を、例えば、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガスなど)雰囲気において溶解させる。
原料成分の溶解方法としては、上記各元素を溶解できる方法であれば特に制限されないが、例えば、アーク溶解などが挙げられる。
次いで、例えば、放冷し、上記各元素を上記原子割合で含有する塊状合金(鋳塊、インゴット)を得る。その後、得られた塊状合金を公知の方法により粉砕し、合金粒状物(粒子径:0.5〜20mm)を得る。
その後、この方法では、得られた合金粒状物を溶解させ、合金溶湯を得る。
合金粒状物の溶解方法としては、上記合金粒状物を溶解できる方法であれば特に制限されないが、例えば、高周波誘導加熱などが挙げられる。
次いで、この方法では、得られた合金溶湯を、公知の方法、例えば、単ロール法、ガスアトマイズ法などにより急冷し、金属ガラスを得る。
単ロール法では、例えば、回転する冷却ロールの外周表面上に合金溶湯を流下し、その合金溶湯と冷却ロールとを所定時間接触させることにより、合金溶湯を急冷する。
合金溶湯の急冷速度(冷却速度)は、例えば、10−2〜103℃/sである。
また、合金溶湯の急冷速度(冷却速度)は、例えば、冷却ロールの周速度を調節することなどにより制御される。このような場合において、冷却ロールの周速度は、例えば、1〜60m/s、好ましくは、20〜50m/s、より好ましくは、30〜40m/sである。
このように合金溶湯を急冷することにより、冷却ロールの外周表面上において、例えば、帯状(薄膜状、厚膜状を含む)の金属ガラスを得ることができる。
得られる金属ガラスの厚みは、例えば、1〜500μm、好ましくは、5〜300μm、より好ましくは、10〜100μmである。
また、ガスアトマイズ法では、上記の合金溶湯に、例えば、高圧の噴射ガス(例えば、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガスなど)を噴き付け、合金溶湯を急冷するとともに微粉化する。
このように合金溶湯を急冷することにより、金属ガラスの粉末を得ることができる。
得られる金属ガラスの体積平均粒子径は、例えば、1〜200μm、好ましくは、5〜50μmである。
なお、合金溶湯の急冷方法としては、上記の単ロール法、ガスアトマイズ法に限定されず、公知の方法を採用することができる。好ましくは、単ロール法が採用される。
そして、このようにして得られる金属ガラスの変形開始温度(軟化開始温度、ガラス遷移温度(Tg))は、600℃以下、好ましくは、500℃以下、より好ましくは、450℃以下である。
金属ガラスの変形開始温度は、例えば、DSC(示差走査熱量測定)、または、放電プラズマ焼結機のプレス変位測定などにより、求めることができる。
なお、金属ガラスのガラス遷移温度(Tg)が既知である場合には、そのガラス遷移温度を、変形開始温度として採用することもできる。
また、金属ガラスの結晶化温度(Tx)(結晶化を開始する温度)は、上記変形開始温度よりも高く、例えば、600℃以下、好ましくは、550℃以下、より好ましくは、500℃以下である。
金属ガラスの結晶化温度(Tx)は、DSC(示差走査熱量測定)によって測定することができる。なお、結晶化温度(Tx)が複数確認される場合には、それら結晶化温度(Tx)のうち最も高い結晶化温度(Tx)を、金属ガラスの結晶化温度(Tx)とする。
これら金属ガラスは、単独使用または2種類以上併用することができる。
磁石粉末と金属ガラスとを併用する場合において、それらの配合割合は、磁石粉末と金属ガラスとの総量100質量部に対して、磁石粉末が、例えば、60〜99質量部、好ましくは、80〜95質量部であり、金属ガラスが、例えば、1〜40質量部、好ましくは、5〜20質量部である。
また、磁性材料の粉末として、磁石粉末と金属ガラスとを併用する場合には、それらを混合し、混合粉末として用いることができる。
混合は、磁石粉末と金属ガラスとを十分に混合できれば、特に制限されず、例えば、ボールミル、アトライターなどの公知の混合装置を用いることができる。
混合条件としては、特に制限されないが、ボールミル(容量0.3L)を使用する場合には、回転数が、例えば、100〜300rpm、好ましくは、150〜250rpmであって、混合時間が、例えば、5〜60分間、好ましくは、5〜45分間である。
なお、磁性材料の粉末としては、上記の磁石粉末および金属ガラスに限定されず、例えば、鉄およびケイ素を含むFe−Si粉末など、公知の磁性材料の粉末を採用することができる。
次いで、この方法では、図4(d)および図4(e)に示すように、内枠型3内において、粉末を圧力成形する。
より具体的には、内枠型3の貫通孔に上方から上側圧粉棒4bを挿入し、内枠型3内において、粉末を、下側圧粉棒4aの上面と上側圧粉棒4bの下面とで挟むように、粉末を圧力成形する。
圧力成形としては、特に制限されず、例えば、油圧プレス処理、磁場プレス処理など、公知の方法を採用することができる。
圧力成形における条件は、圧力が、例えば、30〜2000MPa、好ましくは、100〜1000MPaであり、加圧時間が、例えば、60分以下、好ましくは、10分以下、通常、0.01秒以上である。
また、磁場プレス処理が採用される場合には、その印加磁場は、例えば、10kOe以上、好ましくは、20kOe以上である。
粉末を磁場中で加圧すると、磁石粉末を所定方向に配向することができるため、得られる金属圧粉体11の磁気特性を、より一層向上することができる。
これにより、金属圧粉体11(図示せず)を得ることができる。
また、この方法では、必要により、得られた金属圧粉体11(図示せず)を、例えば、上記の金型、すなわち、圧力成形で用いた同一の金型内などにおいて、放電プラズマ焼結することができる。
放電プラズマ焼結では、金属圧粉体11(図示せず)を、例えば、20〜1500MPa、好ましくは、200〜1000MPaの圧力条件下において、例えば、400〜600℃、好ましくは、410〜500℃に加熱(熱処理)する。
また、金属ガラスが用いられる場合には、例えば、金属ガラスの変形開始温度より、例えば、0〜200℃、好ましくは、10〜150℃高い温度に加熱(熱処理)する。
加熱は、特に制限されないが、例えば、常温から一定の昇温速度で加熱することができ、そのような場合には、昇温速度は、例えば、10〜200℃/分、好ましくは、20〜100℃/分である。
また、金属圧粉体11の製造においては、必要により、上記の加熱処理から継続して、金属圧粉体11(図示せず)を、高温条件下において所定時間保持することもできる。
そのような場合には、上記の加熱処理の後、例えば、400〜600℃、好ましくは、410〜500℃において、例えば、1〜120分間、好ましくは、10〜60分間保持する。
これにより、得られる金属圧粉体11の磁気特性を、より一層向上することができる。
また、加熱(熱処理)とともに、必要により、圧力成形することもでき、そのような場合には、成形圧力条件が、例えば、30〜2000MPa、好ましくは、100〜1000MPa、より好ましくは、200〜800MPaである。
さらに、金属圧粉体11(図示せず)の製造においては、例えば、上記の圧力成形を磁場中で行うことができる。
次いで、この方法では、図4(f)に示すように、内枠型3を外枠型2に対して上方へ引き抜き、外枠型2から、内枠型3および金属圧粉体11(図示せず)を取り出す。
このとき、金属圧粉体11が、内枠型3の内枠内側面8に対して摺動される場合があるが、この方法では、金属圧粉体11と接する内枠型3の内枠内側面8に、窒化物の膜10が形成されているので、内枠型3と金属圧粉体11(図示せず)との間において、摺動する方向に対する抵抗が生じる。
そのため、この方法によれば、外枠型2から、内枠型3および金属圧粉体11(図示せず)を取り出すときに、内枠型3と金属圧粉体11との間にずれが生じることを抑制でき、その結果、金属圧粉体11に破損が生じることを、抑制することができる。
その後、この方法では、図4(g)に示すように、内枠型3から、金属圧粉体11を取り出す。
すなわち、内枠型3を、複数(例えば、4つ)の内枠片9に分割する。これにより、平面視略矩形平板形状の金属圧粉体11を得ることができる。
得られる金属圧粉体11の厚み(高さ方向長さ)は、例えば、0.1〜50mm、好ましくは、1〜10mmである。
また、金属圧粉体11の磁気特性は、残留磁束密度(Br)が、例えば、0.1〜1.5T、好ましくは、0.3〜1.3T、B保磁力(bHc)が、例えば、100〜2000kA/m、好ましくは、400〜2000kA/m、I保磁力(iHc)が、例えば、200〜2500kA/m、好ましくは、500〜2500kA/m、最大エネルギー積(BHmax)が、例えば、100〜400kJ/m3、好ましくは、120〜400kJ/m3である。
そして、このような金属圧粉体11の製造方法では、金属圧粉体11と接する内枠型3の内枠内側面8に、窒化物の膜10が形成されるので、内枠型3と金属圧粉体11との間において、摺動する方向に対する抵抗が生じる。そのため、外枠型2から、内枠型3および金属圧粉体11を取り出すときに、内枠型3と金属圧粉体11との間にずれが生じることを抑制できる。
その結果、この金属圧粉体11の製造方法によれば、金属圧粉体11に破損が生じることを、抑制することができる。
また、金属の粉末として、上記の磁性材料の粉末を用いれば、金属圧粉体11として、優れた磁気特性を備える磁性材料(成形体)を得ることができる。
とりわけ、磁性材料の粉末として、磁石粉末および金属ガラス粉末の混合粉末を用いれば、金属圧粉体11において、磁石粉末が焼成されることにより生じる材料劣化、より具体的には、窒素系磁石の分解によるSmN、Feなどの生成や、ナノコンポジット磁石の結晶の粗大化などが抑制されるとともに、磁石粉末の隙間(空隙)に、磁気特性に優れる金属ガラスが充填されている。
そのため、このような金属圧粉体11によれば、簡易な製造によって、高い磁気特性を確保することができる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
製造例1(金属ガラスの製造)
Nd(ネオジム)、Fe(鉄)、Co(コバルト)およびB(ホウ素)の単体粉末または塊状物を、Nd33Fe25Co25B17となる配合割合で処方し、アーク溶解炉により、4kPa(30Torr)、Ar(アルゴン)雰囲気下で溶解させ、上記組成比の合金(インゴット)を作製した。
次いで、得られたインゴットを粉砕し、合金粒状物(粒子径:0.5〜10mm)を得た。
その後、得られた合金粒状物を高周波誘導加熱にて溶解し、合金溶湯とした後、得られた合金溶湯を、Ar雰囲気下において、単ロール装置にて周速度40m/sの冷却ロールの外周表面上に流下し、急冷した。これにより、金属ガラスを得た。
その後、得られた金属ガラスをボールミル(伊藤製作所製 LP−1)により体積平均粒子径1.5μmに微粉砕した。
また、得られた金属ガラスの粉末を、真空(5×10−2Pa)下においてSPS(放電プラズマ焼結機、SPSシンテックス社製)で加熱および加圧し、温度に対するプレス変位を測定することにより、金属ガラスの変形開始(軟化)温度を測定した。変形開始(軟化)温度の測定条件を下記に示す。また、変形開始(軟化)温度は、351℃であった。
SPS型:超硬型(試料充填部サイズ:8×6mm)
試料充填量:1.5g
昇温速度:40℃/分
加圧力:800MPa
製造例2(混合粉末の製造)
製造例1において得られた金属ガラス(Nd33Fe25Co25B17)の粉末と、Z16(磁石粉末、Sm−Fe−N系磁石(Sm2Fe17N3)、分解温度600℃、体積平均粒子径3μm、日亜化学工業社製)とを、それらの総量に対して金属ガラスが10質量%となるように配合し、シクロヘキサン中において、アトライター(プライミクス製フィルミックス40−40型)によって、周速40m/sで5分間混合した。
次いで、窒素雰囲気中で乾燥させ、金属ガラスの粉末と磁石粉末との混合粉末を得た。
実施例1
4分割された内枠型(スリーブ)およびその内枠型が嵌合される外枠型を備えた、非磁性金型(ホッカイエムアイシー製、スリーブとパンチ材質:非磁性超硬合金(WC−Ni系合金)、ダイ材質:HPM75、成形サイズ:8mm×6mm))を用意した(図3(a)参照)。
次いで、金型の内枠型(スリーブ)内周面に、窒化ホウ素(オーデック社製 商品名:Whity Release(バインダ:無し))をスプレー(塗布)し、膜を形成した(図3(b)参照)。
次いで、金型に、製造例2で得られた混合粉末1.0gを採取して充填し(図3(c)参照)、その後、磁場プレス機(玉川製作所製TM−MPH8525−10T型)によって、磁界25kOe、プレス圧800MPaで磁場プレス処理した。(図4(d)および図4(e)参照)。これにより、金属圧粉体を、内枠型(スリーブ)内に成形した。
次いで、内枠型(スリーブ)が外枠型から抜けるように、油圧ハンドプレス機でパンチを押し、内枠型および金属圧粉体を、外枠型から取り出した(図4(f)参照)。
その後、内枠型(スリーブ)を解体して、金属圧粉体を取り出した(図4(g)参照)。
得られた金属圧粉体の割れの有無を、目視により確認したところ、破損は確認されなかった。
実施例2
窒化ホウ素(オーデック社製 商品名:Whity Release(バインダ:無し))に代えて、窒化ホウ素(オーデック社製 商品名:Whity coat(バインダ:有り))を用いた以外は、実施例1と同じ方法で、金属圧粉体を製造した。
得られた金属圧粉体の割れの有無を、目視により確認したところ、破損は確認されなかった。
実施例3
混合粉末に代えて、Z16(磁石粉末、Sm−Fe−N系磁石(Sm2Fe17N3)、分解温度600℃、体積平均粒子径3μm、日亜化学工業社製)を単独使用した以外は、実施例1と同じ方法で、金属圧粉体を製造した。
得られた金属圧粉体の割れの有無を、目視により確認したところ、破損は確認されなかった。
実施例4
混合粉末に代えて、Z16(磁石粉末、Sm−Fe−N系磁石(Sm2Fe17N3)、分解温度600℃、体積平均粒子径3μm、日亜化学工業社製)を単独使用した以外は、実施例2と同じ方法で、金属圧粉体を製造した。
得られた金属圧粉体の割れの有無を、目視により確認したところ、破損は確認されなかった。
比較例1
窒化ホウ素(オーデック社製 商品名:Whity Release)に代えて、ステアリン酸亜鉛とエタノールの懸濁液を用いた以外は、実施例1と同じ方法で、金属圧粉体を製造した。
得られた金属圧粉体の割れの有無を、目視により確認したところ、破損が確認された。
比較例2
窒化ホウ素(オーデック社製 商品名:Whity Release)に代えて、酸化アルミニウムとエタノールの懸濁液を用いた以外は、実施例1と同じ方法で、金属圧粉体を製造した。
得られた金属圧粉体の割れの有無を、目視により確認したところ、破損が確認された。
比較例3
窒化ホウ素(オーデック社製 商品名:Whity Release)に代えて、フラーレンを用いた以外は、実施例1と同じ方法で、金属圧粉体を製造した。
得られた金属圧粉体の割れの有無を、目視により確認したところ、破損が確認された。
比較例4
窒化ホウ素(オーデック社製 商品名:Whity Release)に代えて、ステアリン酸亜鉛とエタノールの懸濁液を用いた以外は、実施例2と同じ方法で、金属圧粉体を製造した。
得られた金属圧粉体の割れの有無を、目視により確認したところ、破損が確認された。
比較例5
窒化ホウ素(オーデック社製 商品名:Whity Release)に代えて、酸化アルミニウムとエタノールの懸濁液を用いた以外は、実施例2と同じ方法で、金属圧粉体を製造した。
得られた金属圧粉体の割れの有無を、目視により確認したところ、破損が確認された。
比較例6
窒化ホウ素(オーデック社製 商品名:Whity Release)に代えて、フラーレンを用いた以外は、実施例2と同じ方法で、金属圧粉体を製造した。
得られた金属圧粉体の割れの有無を、目視により確認したところ、破損が確認された。
試験例1
実施例1により得られた金属圧粉体について、BHトレーサ(玉川製作所製TM−BH32−C1型)にて減磁曲線を測定し、それらの磁気特性を評価した。その結果、残留磁束密度(Br)は、0.96T、B保磁力(bHc)は、448kA/m、I保磁力(iHc)は、521kA/m、最大エネルギー積(BHmax)は、136kJ/m3であった。