JP6463261B2 - ズームレンズおよび撮像装置 - Google Patents

ズームレンズおよび撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6463261B2
JP6463261B2 JP2015250706A JP2015250706A JP6463261B2 JP 6463261 B2 JP6463261 B2 JP 6463261B2 JP 2015250706 A JP2015250706 A JP 2015250706A JP 2015250706 A JP2015250706 A JP 2015250706A JP 6463261 B2 JP6463261 B2 JP 6463261B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens group
lens
optical system
image
zoom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015250706A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017116678A (ja
Inventor
靖彦 帯金
靖彦 帯金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tamron Co Ltd
Original Assignee
Tamron Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tamron Co Ltd filed Critical Tamron Co Ltd
Priority to JP2015250706A priority Critical patent/JP6463261B2/ja
Publication of JP2017116678A publication Critical patent/JP2017116678A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6463261B2 publication Critical patent/JP6463261B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lenses (AREA)
  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Description

本発明は、監視用カメラ、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、一眼レフレックスカメラ等に好適なズームレンズ、およびこのズームレンズを備えた撮像装置に関する。
監視用カメラ、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、一眼レフレックスカメラ等に搭載可能なズームレンズが各種提案されている(たとえば、特許文献1〜4を参照。)。
特許文献1に記載のズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、単一レンズブロックよりなる負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群を有し、第2レンズ群を像面側へ移動させて広角端から望遠端への変倍を行い、変倍に伴う像面変動を第4レンズ群を移動させて補正するものである。
特許文献2に記載のズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力の第1群、負の屈折力の第2群、正の屈折力の第3群、負の屈折力の第4群、そして正の屈折力の第5群の5つのレンズ群を有し、広角端から望遠端への変倍に際して、第2群を像面側へ移動させ、第4群を物体側に凹状に移動させて行い、フォーカシングを第4群を移動させて行うものである。
特許文献3に記載のズームレンズは、物体側から像面側に向かって順に配置された、正の屈折力を有し、固定された第1レンズ群と、負の屈折力を有し、光軸上を移動することによって変倍作用を行う第2レンズ群と、正の屈折力を有し、像面に対して固定された第3レンズ群と、負の屈折力を有し、変倍または物体距離の変化によって変動する像面を基準面から一定の位置に保つように光軸上を移動する第4レンズ群と、正の屈折力を有し、固定された第5レンズ群と、を備えたものである。
特許文献4に記載のズームレンズは、物体側から像面側に順に、負の屈折力をもつ第1レンズ群と、正の屈折力をもつ第2レンズ群と、負の屈折力をもつ第3レンズ群と、正の屈折力をもつ第4レンズ群と、からなり、第1レンズ群は、物体側から像面側に順に、負の屈折力をもつ第1レンズ群前群と負の屈折力をもつ第1レンズ群後群とからなり、フォーカシングに際して、第1レンズ群後群を移動させるものである。
特許第3486474号公報 特開2000−180722号公報 特開2002−162563号公報 特開2014−89365号公報
一般に、夜間等周辺が暗くなるような環境下での撮影を行うことが多い監視用カメラなどの撮像装置には、特に明るい光学系が要求される。しかしながら、従来のズームレンズでは、広角端では一定の明るさを確保できるが、望遠端では広角端に対して著しく暗くなるものが多い。
これは、昨今の光学系の小型化が要求されていることが理由の一つとして挙げられる。すなわち、望遠端でのFナンバーが小さくなるようにすると、特に物体側レンズの有効径が大きくなり、光学系の大型化を招くことになる。また、望遠端でのFナンバーが小さくなるようにすると、球面収差やコマ収差の補正のために、光学系中のレンズ枚数を増やしたり、変倍をつかさどる可動群を増やしたりする必要が生じ、やはり光学系の大型化を招くことになる。特に、可動群を増やす場合、複雑な変倍機構が必要になるため、製造コストの問題がより大きくなる。また、レンズ枚数や可動群が増加すると、光学系の組立および製造誤差による結像性能の劣化のおそれが大きくなるという問題もある。
たとえば、上記特許文献1〜3に記載のズームレンズは、変倍時に第1レンズ群、第3レンズ群、第5レンズ群が像面に対して固定されるため、変倍機構の構成は簡素である。しかしながら、いずれも第2レンズ群のパワーが強く、望遠端でのFナンバーが小さくなるようにすると球面収差やコマ収差の補正が不十分になる。これを補うためには、レンズ枚数を増やす必要があるため、光学系の大型化が避けられない上、組立および製造誤差による結像性能の劣化という問題も招きかねない。
一方、上記特許文献4に記載のズームレンズは、望遠端における明るさは確保できているが、変倍時に3つ以上の群を可動させるため、変倍機構が複雑になる。このため、製造コストが嵩むことに加え、光学系の組立および製造誤差による光結像性能の劣化のおそれが大きくなる。
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、小型かつ簡素な構成で、全変倍領域においてFナンバーが小さく、高い結像性能を備えたズームレンズを提供することを目的とする。加えて、小型、高性能なズームレンズを備えた撮像装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるズームレンズは、物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群と、からなり、前記第1レンズ群、前記第3レンズ群、および前記第5レンズ群を像面に対して固定したまま、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が広がり前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が狭まるように前記第2レンズ群を光軸に沿って移動させ、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔および前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔が変化するように前記第4レンズ群を光軸に沿って移動させて、広角端から望遠端への変倍を行い、前記第4レンズ群を光軸に沿って像面側へ移動させることによって無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態までのフォーカシングを行い、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
(1) 0.310≦(Dt/f3)/(ft/|f2|)≦1.500
ただし、Dtは光学系の望遠端での入射瞳径、f3は前記第3レンズ群の焦点距離、ftは光学系全系の望遠端での焦点距離、f2は前記第2レンズ群の焦点距離を示す。
本発明によれば、小型かつ簡素な構成で、全変倍領域においてFナンバーが小さく、高い結像性能を備えたズームレンズを提供することができる。
さらに、本発明にかかるズームレンズは、前記発明において、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
(2) 0.600≦|(1−b2ft)×b2bt|≦1.450
ただし、b2ftは前記第2レンズ群の無限遠合焦状態における望遠端での横倍率、b2btは前記第2レンズ群よりも像面側に位置するレンズ群全体の無限遠合焦状態における望遠端での横倍率を示す。
本発明によれば、光学系の小型化を促進するとともに、結像性能の向上を図ることができる。また、光学系の組立および製造誤差による結像性能の劣化を防ぐことができる。
さらに、本発明にかかるズームレンズは、前記発明において、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
(3) 0.020≦|(1−(b2fw)2)×(b2bw)2|≦0.124
ただし、b2fwは前記第2レンズ群の広角端での横倍率、b2bwは前記第2レンズ群よりも像面側に位置するレンズ群全体の広角端での合成横倍率を示す。
本発明によれば、光学系の小型化を図りながら、全変倍領域においてFナンバーが小さく、より高い光学性能を維持することができる。
さらに、本発明にかかるズームレンズは、前記発明において、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
(4) 0.650≦f2/f4≦1.600
ただし、f4は前記第4レンズ群の焦点距離を示す。
本発明によれば、光学系の小型化を図りながら、変倍比を確保するとともに、結像性能をより向上させることができる。
さらに、本発明にかかるズームレンズは、前記発明において、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
(5) 0.450≦|f2|/f5≦1.700
ただし、f5は前記第5レンズ群の焦点距離を示す。
本発明によれば、光学系の小型化を図りながら、変倍比を確保するとともに、結像性能をより向上させることができる。
さらに、本発明にかかるズームレンズは、前記発明において、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
Figure 0006463261
ただし、fwは光学系全系の広角端での焦点距離を示す。
本発明によれば、光学系の小型化を図りながら、結像性能をより向上させることができる。
さらに、本発明にかかるズームレンズは、前記発明において、前記第3レンズ群は光軸に対して垂直な方向へ移動させることによって光学系の振動時に生じる像ぶれの補正を行う防振補正光学系を備え、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
Figure 0006463261
ただし、fvは前記防振補正光学系の焦点距離を示す。
本発明によれば、光学系の振動時に生じる像ぶれの補正を行う防振補正光学系を備えた、小型、高性能なズームレンズを実現することができる。
また、本発明にかかる撮像装置は、前記ズームレンズと、このズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、小型、高性能なズームレンズを備えた撮像装置を提供することができる。
本発明によれば、小型かつ簡素な構成で、全変倍領域においてFナンバーが小さく、高い結像性能を備えたズームレンズを提供することができるという効果を奏する。さらに、小型、高性能なズームレンズを備えた撮像装置を提供することができるという効果を奏する。
実施例1にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。 実施例1にかかるズームレンズの縦収差図である。 実施例1にかかるズームレンズの望遠端での横収差図である。 実施例2にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。 実施例2にかかるズームレンズの縦収差図である。 実施例2にかかるズームレンズの望遠端での横収差図である。 実施例3にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。 実施例3にかかるズームレンズの縦収差図である。 実施例3にかかるズームレンズの望遠端での横収差図である。 実施例4にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。 実施例4にかかるズームレンズの縦収差図である。 実施例4にかかるズームレンズの望遠端での横収差図である。 実施例5にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。 実施例5にかかるズームレンズの縦収差図である。 実施例5にかかるズームレンズの望遠端での横収差図である。 本発明にかかるズームレンズを備えた撮像装置の一適用例を示す図である。
以下、本発明にかかるズームレンズおよび撮像装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
本発明にかかるズームレンズは、物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群と、からなっている。そして、第1レンズ群、第3レンズ群、および第5レンズ群を像面に対して固定したまま、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が広がり第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が狭まるように第2レンズ群を光軸に沿って移動させ、第3レンズ群と第4レンズ群との間隔および第4レンズ群と第5レンズ群との間隔が変化するように第4レンズ群を光軸に沿って移動させて、広角端から望遠端への変倍を行う。また、第4レンズ群を光軸に沿って像面側へ移動させることによって無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態までのフォーカシングを行う。
本発明は、小型かつ簡素な構成で、全変倍領域においてFナンバーが小さく、高い結像性能を備えたズームレンズを提供することを目的としている(第一の目的)。そこで、かかる目的を達成するため、本発明にかかるズームレンズは、以下に示すような特徴を備えている。
まず、本発明にかかるズームレンズでは、光学系の望遠端での入射瞳径をDt、第3レンズ群の焦点距離をf3、光学系全系の望遠端での焦点距離をft、第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(1) 0.310≦(Dt/f3)/(ft/|f2|)≦1.500
条件式(1)は、光学系の望遠端での入射瞳径、第3レンズ群の焦点距離、光学系全系の望遠端での焦点距離、第3レンズ群の焦点距離の関係を規定する式である。条件式(1)を満足することにより、小型かつ簡素な構成で、全変倍領域においてFナンバーが小さく、高い結像性能を備えたズームレンズを提供することができる。
条件式(1)においてその下限を下回ると、光学系の入射瞳径を大きくとることができず、望遠端でのFナンバーを小さくすることが困難となり、明るい光学系を実現することが難しくなる。また、特に第2レンズ群のパワーが強くなりすぎるため、望遠端でのFナンバーが小さくなるようにすると、球面収差やコマ収差等の補正が困難となる。これを解消して高い結像性能を維持するためには、光学系中に多くのレンズを配置して収差補正を行うことが必要になる。光学系を構成するレンズ枚数が増加すると、光学系全長が長くなるため、ズームレンズの小型化を図るという観点から好ましくない。また、光学系を構成するレンズ枚数が増加すると、製造コストが嵩むという問題もある。
また、条件式(1)においてその下限を下回ると、第3レンズ群のパワーも弱くなりすぎるため、望遠端に限らず広角端においてもFナンバーを小さくすることが困難になって、明るい光学系を実現することが難しくなる。
一方、条件式(1)においてその上限を超えると、光学系の入射瞳径を大きくとることができ、望遠端でのFナンバーを小さくすることは容易になるが、第2レンズ群のパワーが弱くなりすぎて、変倍比の確保のために変倍時の第2レンズ群の移動量を増加させざるを得なくなる。第2レンズ群の移動量が増加すると、光学系全長が長くなるため、ズームレンズの小型化を図るという観点から好ましくない。
なお、上記条件式(1)は、次に示す範囲を満足すると、小型でより高性能な明るいズームレンズを実現することができる。
(1a) 0.330≦(Dt/f3)/(ft/|f2|)≦1.400
さらに、上記条件式(1a)は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
(1b) 0.350≦(Dt/f3)/(ft/|f2|)≦1.300
さらに、本発明にかかるズームレンズは、第2レンズ群の無限遠合焦状態における望遠端での横倍率をb2ft、第2レンズ群よりも像面側に位置するレンズ群全体の無限遠合焦状態における望遠端での横倍率をb2btとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(2) 0.600≦|(1−b2ft)×b2bt|≦1.450
条件式(2)は、第2レンズ群の光軸に対する垂直方向への移動量(ずれ)に対する像面の移動量の比を規定している。条件式(2)を満足することにより、光学系の小型化を促進するとともに、結像性能の向上を図ることができる。また、光学系の組立および製造誤差による結像性能の劣化を防ぐことができる。
条件式(2)においてその下限を下回ると、第2レンズ群のパワーが弱くなりすぎて、変倍比の確保のために変倍時の第2レンズ群の移動量を増加させざるを得なくなる。第2レンズ群の移動量が増加すると、光学系全長が長くなるため、ズームレンズの小型化を図るという観点から好ましくない。
一方、条件式(2)においてその上限を超えると、第2レンズ群のパワーが強くなりすぎるため、望遠端でのFナンバーが小さくなるようにすると、球面収差やコマ収差等の補正が困難になる。これを解消して高い結像性能を維持するためには、光学系中に多くのレンズを配置して収差補正を行うことが必要になる。光学系を構成するレンズ枚数が増加すると、光学系全長が長くなるため、ズームレンズの小型化を図るという観点から好ましくない。また、光学系を構成するレンズ枚数が増加すると、製造コストが嵩むという問題もある。
また、条件式(2)においてその上限を超えると、第2レンズ群の光軸に対する垂直方向への移動量に対する像面の移動量が増加するため、製造誤差等によって第2レンズ群が垂直方向へ僅かにずれた場合であっても、変倍時に像が揺れる量も増加して結像性能の劣化を招くことになる。
なお、上記条件式(2)は、次に示す範囲を満足すると、小型でより高性能なズームレンズを実現することができる。
(2a) 0.700≦|(1−b2ft)×b2bt|≦1.400
さらに、上記条件式(2a)は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
(2b) 0.800≦|(1−b2ft)×b2bt|≦1.350
さらに、本発明にかかるズームレンズは、第2レンズ群の広角端での横倍率をb2fw、第2レンズ群よりも像面側に位置するレンズ群全体の広角端での合成横倍率をb2bwとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(3) 0.020≦|(1−(b2fw)2)×(b2bw)2|≦0.124
条件式(3)は、第2レンズ群の光軸方向への移動量に対する像面の移動量の比を規定する式である。条件式(3)を満足することにより、光学系の小型化を図りながら、全変倍領域においてFナンバーが小さくなるようにしても、より高い光学性能を維持することができる。
条件式(3)においてその下限を下回ると、第2レンズ群のパワーが弱くなりすぎて、変倍比の確保のために変倍時の第2レンズ群の移動量を増加させざるを得なくなる。第2レンズ群の移動量が増加すると、光学系全長が長くなるため、ズームレンズの小型化を図るという観点から好ましくない。
一方、条件式(3)においてその上限を超えると、第2レンズ群のパワーが強くなりすぎるため、望遠端でのFナンバーが小さくなるようにすると、球面収差やコマ収差等の補正が困難になる。これを解消して高い結像性能を維持するためには、光学系中に多くのレンズを配置して収差補正を行うことが必要になる。光学系を構成するレンズ枚数が増加すると、光学系全長が長くなるため、ズームレンズの小型化を図るという観点から好ましくない。また、光学系を構成するレンズ枚数が増加すると、製造コストが嵩むという問題もある。
また、条件式(3)においてその上限を超えると、変倍時の第2レンズ群の光軸方向への移動量に対する像面の移動量が増加する。この結果、像面変動の補正のための第4レンズ群の移動量も増加することになって、光学系の小型化を図ることが困難になる。
なお、上記条件式(3)は、次に示す範囲を満足すると、小型でより高性能なズームレンズを実現することができる。
(3a) 0.030≦|(1−(b2fw)2)×(b2bw)2|≦0.122
さらに、上記条件式(3a)は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
(3b) 0.040≦|(1−(b2fw)2)×(b2bw)2|≦0.120
さらに、本発明にかかるズームレンズでは、第2レンズ群の焦点距離をf2、第4レンズ群の焦点距離をf4とするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(4) 0.650≦f2/f4≦1.600
条件式(4)は、第4レンズ群の焦点距離に対する第2レンズ群の焦点距離の比を規定する式である。条件式(4)を満足することにより、光学系の小型化を図りながら、変倍比を確保するとともに、結像性能をより向上させることができる。
条件式(4)においてその下限を下回ると、第2レンズ群のパワーが強くなりすぎるため、望遠端でのFナンバーが小さくなるようにすると、球面収差やコマ収差等の補正が困難になる。これを解消して高い結像性能を維持するためには、光学系中に多くのレンズを配置して収差補正を行うことが必要になる。光学系を構成するレンズ枚数が増加すると、光学系全長が長くなるため、ズームレンズの小型化を図るという観点から好ましくない。また、光学系を構成するレンズ枚数が増加すると、製造コストが嵩むという問題もある。
また、条件式(4)においてその下限を下回ると、第4レンズ群のパワーも弱くなりすぎるため、変倍時の第4レンズ群の移動量が増加し、光学系の小型化を図ることが困難になる。
一方、条件式(4)においてその上限を超えると、第2レンズ群のパワーが弱くなりすぎて、変倍比の確保のために変倍時の第2レンズ群の移動量を増加させざるを得なくなる。第2レンズ群の移動量が増加すると、光学系全長が長くなるため、ズームレンズの小型化を図るという観点から好ましくない。
なお、上記条件式(4)は、次に示す範囲を満足すると、小型でより高性能なズームレンズを実現することができる。
(4a) 0.700≦f2/f4≦1.500
さらに、上記条件式(4a)は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
(4b) 0.750≦f2/f4≦1.400
さらに、本発明にかかるズームレンズでは、第2レンズ群の焦点距離をf2、第5レンズ群の焦点距離をf5とするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(5) 0.450≦|f2|/f5≦1.700
条件式(5)は、第5レンズ群の焦点距離に対する第2レンズ群の焦点距離の比を規定する式である。条件式(5)を満足することにより、光学系の小型化を図りながら、変倍比を確保するとともに、結像性能をより向上させることができる。
条件式(5)においてその下限を下回ると、第2レンズ群のパワーが強くなりすぎるため、望遠端でのFナンバーが小さくなるようにすると、球面収差やコマ収差等の補正が困難になる。これを解消して高い結像性能を維持するためには、光学系中に多くのレンズを配置して収差補正を行うことが必要になる。光学系を構成するレンズ枚数が増加すると、光学系全長が長くなるため、ズームレンズの小型化を図るという観点から好ましくない。また、光学系を構成するレンズ枚数が増加すると、製造コストが嵩むという問題もある。
また、条件式(5)においてその下限を下回ると、第5レンズ群のパワーが弱くなりすぎるため、望遠端に限らず広角端においてもFナンバーを小さくすることが困難になって、明るい光学系の実現が難しくなる。
一方、条件式(5)においてその上限を超えると、第2レンズ群のパワーが弱くなりすぎて、変倍比の確保のために変倍時の第2レンズ群の移動量を増加させざるを得なくなる。第2レンズ群の移動量が増加すると、光学系全長が長くなるため、ズームレンズの小型化を図るという観点から好ましくない。
なお、上記条件式(5)は、次に示す範囲を満足すると、小型でより高性能なズームレンズを実現することができる。
(5a) 0.475≦|f2|/f5≦1.600
さらに、上記条件式(5a)は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
(5b) 0.500≦|f2|/f5≦1.500
さらに、本発明にかかるズームレンズでは、第2レンズ群の焦点距離をf2、光学系全系の広角端での焦点距離をfw、光学系全系の望遠端での焦点距離をftとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
Figure 0006463261
条件式(6)は、第2レンズ群の焦点距離を規定する式である。条件式(6)を満足することにより、光学系の小型化を図りながら、結像性能をより向上させることができる。
条件式(6)においてその下限を下回ると、第2レンズ群のパワーが強くなりすぎるため、望遠端のFナンバーが小さくなるようにすると、球面収差やコマ収差等の補正が困難になる。これを解消して高い結像性能を維持するためには、光学系中に多くのレンズを配置して収差補正を行うことが必要になる。光学系を構成するレンズ枚数が増加すると、光学系全長が長くなるため、ズームレンズの小型化を図るという観点から好ましくない。また、光学系を構成するレンズ枚数が増加すると、製造コストが嵩むという問題もある。
一方、条件式(6)においてその上限を超えると、第2レンズ群のパワーが弱くなりすぎて、変倍比の確保のために変倍時の第2レンズ群の移動量を増加させざるを得なくなる。第2レンズ群の移動量が増加すると、光学系全長が長くなるため、ズームレンズの小型化を図るという観点から好ましくない。
なお、上記条件式(6)は、次に示す範囲を満足すると、小型でより高性能なズームレンズを実現することができる。
Figure 0006463261
さらに、上記条件式(6a)は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
Figure 0006463261
さらに、本発明にかかるズームレンズでは、第3レンズ群が防振補正光学系を備えていることが好ましい。防振補正光学系は、光軸に対して垂直な方向へ移動させることによって光学系の振動時に生じる像ぶれの補正を行う。ここで、防振補正光学系は、単体のレンズ要素で構成されることが好ましい。単体のレンズ要素とは、単一の研磨レンズや、非球面レンズ、複合非球面レンズ、接合レンズを含み、空気層をもち互いに接着されていないたとえば正負の2枚レンズなどは含まない。このようにすることで、防振補正光学系の小型、軽量化を図ることができる。防振補正光学系の小型化は、レンズ鏡筒の小径化を促進することになる。また、防振補正光学系の軽量化は、防振補正光学系を駆動する防振機構の負荷を減らし、迅速な防振補正が可能になるとともに、防振機構の消費電力を低減することもできる。
さらに、本発明にかかるズームレンズでは、第3レンズ群が防振補正光学系を有することを前提に、防振補正光学系の焦点距離をfv、光学系全系の広角端での焦点距離をfw、光学系全系の望遠端での焦点距離をftとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
Figure 0006463261
条件式(7)は、防振補正光学系の焦点距離を規定する式である。条件式(7)を満足することにより、良好な防振補正機能を備えた、小型、高性能なズームレンズを提供することができる。
条件式(7)においてその下限を下回ると、防振補正光学系のパワーが強くなりすぎるため、防振補正光学系を光軸に対して垂直に移動させた際に発生する偏芯コマ収差、偏芯非点収差、偏芯色収差が増大する。これを解消して高い結像性能を維持するためには、防振補正光学系中に多くのレンズを配置して収差補正を行うことが必要になる。防振補正光学系を構成するレンズ枚数が増加すると、光学系全長が長くなるため、ズームレンズの小型化を図るという観点から好ましくない。また、防振補正光学系の重量も増加するため、防振補正光学系の高速制御が困難になって、良好な防振補正が難しくなる。
一方、条件式(7)においてその上限を超えると、防振補正光学系のパワーが弱くなりすぎるため、必要な防振補正角度を確保すべく、防振補正光学系を光軸に対する垂直方向への移動量を増加させざるを得なくなる。この結果、光学系の外径の大型化を招き、ズームレンズの小型化を図ることが困難になる。
なお、上記条件式(7)は、次に示す範囲を満足すると、小型でより高い防振補正機能を備えたズームレンズを実現することができる。
Figure 0006463261
さらに、上記条件式(7a)は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
Figure 0006463261
以上説明したように、本発明にかかるズームレンズは、上記構成を備えることにより、小型かつ簡素な構成で、全変倍領域においてFナンバーが小さく高い結像性能を備えることができる。また、簡素な構成であるため、光学系の組立および製造誤差の発生を抑制して良好な結像性能を維持できるとともに、製造コストを低減することができる。変倍時の駆動群が2つであるため、変倍機構の簡略化が可能になる。さらに、小型、軽量の防振補正光学系を備えて、良好な防振補正を行うことが可能になる。また、光学系の小径化を図ることもできる。
さらに、本発明は、小型、高性能なズームレンズを備えた撮像装置を提供することを目的としている(第二の目的)。この目的を達成するためには、上記構成を備えたズームレンズと、このズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子と、を備えて撮像装置を構成すればよい。このようにすることで、小型、高性能なズームレンズを備えた撮像装置を実現することができる。
以下、本発明にかかるズームレンズの実施例を図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、実施例1にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このズームレンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G11と、負の屈折力を有する第2レンズ群G12と、正の屈折力を有する第3レンズ群G13と、負の屈折力を有する第4レンズ群G14と、正の屈折力を有する第5レンズ群G15と、が配置されて構成される。第2レンズ群G12と第3レンズ群G13との間には、所定の口径を規定する開口絞りSTPが配置されている。第5レンズ群G15と像面IMGとの間には、カバーガラスCGが配置されている。
第1レンズ群G11は、物体側から順に、負レンズL111と、正レンズL112と、正レンズL113と、が配置されて構成される。負レンズL111と正レンズL112とは、接合されている。
第2レンズ群G12は、物体側から順に、負レンズL121と、負レンズL122と、正レンズL123と、負レンズL124と、が配置されて構成される。
第3レンズ群G13は、物体側から順に、正レンズL131と、正レンズL132と、正レンズL133と、負レンズL134と、正レンズL135と、が配置されて構成される。正レンズL131および正レンズL132のそれぞれ両面には、非球面が形成されている。負レンズL134と正レンズL135とは、接合されている。
第4レンズ群G14は、物体側から順に、正レンズL141と、負レンズL142と、が配置されて構成される。正レンズL141と負レンズL142とは、接合されている。
第5レンズ群G15は、物体側から順に、正レンズL151と、負レンズL152と、が配置されて構成される。正レンズL151の両面には、非球面が形成されている。
このズームレンズでは、第1レンズ群G11、第3レンズ群G13、および第5レンズ群G15を像面IMGに対して固定したまま、第1レンズ群G11と第2レンズ群G12との間隔が広がり第2レンズ群G12と第3レンズ群G13との間隔が狭まるように第2レンズ群G12を光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動させ、第3レンズ群G13と第4レンズ群G14との間隔および第4レンズ群G14と第5レンズ群G15との間隔が変化するように第4レンズ群G14を光軸に沿って像面IMG側に凸形状の軌跡を描くように移動させて、広角端から望遠端への変倍を行う。
また、このズームレンズでは、第4レンズ群G14を光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動させることにより、無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態までのフォーカシングを行う。
さらに、このズームレンズでは、第3レンズ群G13中の正レンズL132に防振補正光学系VC1としての機能を担わせ、防振補正光学系VC1を光軸に対して垂直な方向へ移動させることによって、光学系の振動時に生じる像ぶれの補正を行う。
以下、実施例1にかかるズームレンズに関する各種数値データを示す。
(面データ)
1=101.389
1=2.500 nd1=1.8467 νd1=23.78
2=71.770
2=11.546 nd2=1.4970 νd2=81.61
3=-319.827
3=0.300
4=63.796
4=6.703 nd3=1.4970 νd3=81.61
5=184.944
5=D(5)(可変)
6=-1159.684
6=1.500 nd4=1.5673 νd4=42.84
7=25.333
7=6.302
8=-44.714
8=1.500 nd5=1.5168 νd5=64.20
9=31.204
9=0.591
10=33.522
10=3.129 nd6=1.9229 νd6=20.88
11=141.725
11=2.255
12=-59.092
12=1.200 nd7=1.6584 νd7=50.85
13=-531.661
13=D(13)(可変)
14=∞(開口絞り)
14=1.000
15=32.189(非球面)
15=4.304 nd8=1.6226 νd8=58.16
16=511.517(非球面)
16=5.000
17=28.097(非球面)
17=7.000 nd9=1.6188 νd9=63.86
18=-34.279(非球面)
18=1.000
19=-68.326
19=1.962 nd10=1.4970 νd10=81.61
20=-42.150
20=0.200
21=-61.923
21=1.500 nd11=1.8467 νd11=23.78
22=46.002
22=4.409 nd12=1.4970 νd12=81.61
23=-38.486
23=D(23)(可変)
24=-1379.006
24=1.979 nd13=1.9537 νd13=32.32
25=-38.946
25=0.800 nd14=1.6477 νd14=33.84
26=12.257
26=D(26)(可変)
27=21.293(非球面)
27=3.697 nd15=1.9515 νd15=29.83
28=-35.993(非球面)
28=1.238
29=-22.382
29=0.700 nd16=1.8467 νd16=23.78
30=-250.000
30=4.000
31=∞
31=2.864 nd17=1.5168 νd17=64.20
32=∞
32=1.000
33=∞(像面)
円錐係数(k)および非球面係数(A4,A6,A8,A10
(第15面)
k=0,
4=2.8391×10-6,A6=9.6273×10-8
8=-1.8691×10-10,A10=5.0097×10-13
(第16面)
k=0,
4=1.1269×10-5,A6=1.7182×10-7
8=-4.7450×10-10,A10=1.0567×10-12
(第17面)
k=0,
4=-1.3935×10-5,A6=6.2421×10-8
8=-3.8903×10-10,A10=4.7271×10-13
(第18面)
k=0,
4=1.5550×10-5,A6=-9.7458×10-9
8=-6.3733×10-11,A10=3.6945×10-14
(第27面)
k=0,
4=1.7713×10-5,A6=-3.6041×10-8
8=-3.6445×10-10,A10=1.5973×10-11
(第28面)
k=0,
4=3.3172×10-6,A6=-3.3178×10-7
8=3.0786×10-9,A10=-5.4051×10-12
(各種データ)
変倍比:5.969
像高:5.500
広角端 中間焦点位置 望遠端
焦点距離 13.266 32.014 79.193
Fナンバー 1.236 1.236 1.236
半画角(ω) 23.917 9.569 3.845
光学系全長 142.925 142.925 142.925
バックフォーカス(空気換算長) 6.896 6.896 6.896
D(5) 3.326 31.248 51.410
D(13) 50.344 22.422 2.260
D(23) 1.996 4.730 2.886
D(26) 7.080 4.346 6.190
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 レンズ移動量
1 1 99.237 21.049 0.000
2 6 -23.029 16.477 -48.084
3 15 22.047 25.374 0.000
4 24 -21.966 2.779 -0.891
5 27 24.847 5.635 0.000
(ズームレンズ群倍率)
群 始面 広角端 中間焦点位置 望遠端
1 1 0.000 0.000 0.000
2 6 -0.391 -0.744 -2.134
3 15 -0.285 -0.383 -0.318
4 24 2.227 2.105 2.189
5 27 0.539 0.538 0.538
(条件式(1)に関する数値)
Dt(光学系の望遠端での入射瞳径)=64.072
(Dt/f3)/(ft/|f2|)=0.845
(条件式(2)に関する数値)
b2ft(第2レンズ群G12の無限遠合焦状態における望遠端での横倍率)=-2.134
b2bt(第2レンズ群G12よりも像面側に位置するレンズ群全体の無限遠合焦状態における望遠端での横倍率)=-0.375
|(1−b2ft)×b2bt|=1.174
(条件式(3)に関する数値)
b2fw(第2レンズ群G12の広角端での横倍率)=-0.391
b2bw(第2レンズ群G12よりも像面側に位置するレンズ群全体の広角端での合成横倍率)=-0.342
|(1−(b2fw)2)×(b2bw)2|=0.099
(条件式(4)に関する数値)
f2/f4=1.048
(条件式(5)に関する数値)
|f2|/f5=0.927
(条件式(6)に関する数値)
Figure 0006463261
(条件式(7)に関する数値)
fv(防振補正光学系VC1の焦点距離)=26.071
Figure 0006463261
図2は、実施例1にかかるズームレンズの縦収差図である。球面収差図において、縦軸はFナンバー(図中、FNOで示す)を表し、実線はd線(λ=587.56nm)、短破線はg線(λ=435.84nm)、長破線はC線(λ=656.28nm)に相当する波長の特性を示している。非点収差図において、縦軸は半画角(図中、ωで示す)を表し、実線はサジタル平面(図中、Sで示す)、破線はメリディオナル平面(図中、Mで示す)の特性を示している。歪曲収差図において、縦軸は半画角(図中、ωで示す)を表している。
図3は、実施例1にかかるズームレンズの望遠端での横収差図である。これらの図において、(a)は望遠端における防振補正を行っていない基本状態を示し、(b)は望遠端において防振補正光学系VC1を光軸に対して垂直な方向に0.246mm移動させた防振補正状態を示している。撮影距離が∞で望遠端においてズームレンズが0.2°だけ傾いた場合の像偏心量は、防振補正光学系VC1が光軸と垂直な方向に0.246mmだけ
平行移動するときの像偏心量に等しい。
図3(a)、図3(b)において、それぞれ、上段は最大像高の70%の像点における横収差、中段は軸上像点における横収差、下段は最大像高の−70%の像点における横収差を示している。なお、各横収差図において、横軸は瞳面上での主光線からの距離を表し、実線はd線(λ=587.56nm)、短破線はg線(λ=435.84nm)、長破線はC線(λ=656.28nm)に相当する波長の特性を示している。
各横収差図から明らかなように、軸上像点における横収差の対称性は良好であることがわかる。また、+70%像点における横収差と−70%像点における横収差とを基本状態で比較すると、いずれも湾曲度が小さく、収差曲線の傾斜がほぼ等しいことから、偏心コマ収差、偏心非点収差が小さいことがわかる。このことは、防振補正状態であっても充分な結像性能が得られていることを意味している。
また、ズームレンズの防振補正角が同じ場合には、ズームレンズ全系の焦点距離が短くなるにつれて、防振補正に必要な平行移動量が減少する。したがって、いずれのズーム位置であっても、0.2°までの防振補正角に対して、結像特性を低下させることなく充分な防振補正を行うことが可能である。また、望遠端における防振補正光学系VC1の平行
移動量を広角端および中間焦点位置状態に適用することで防振補正角度を0.2°よりもさらに大きくとることも可能である。
図4は、実施例2にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このズームレンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G21と、負の屈折力を有する第2レンズ群G22と、正の屈折力を有する第3レンズ群G23と、負の屈折力を有する第4レンズ群G24と、正の屈折力を有する第5レンズ群G25と、が配置されて構成される。第2レンズ群G22と第3レンズ群G23との間には、所定の口径を規定する開口絞りSTPが配置されている。第5レンズ群G25と像面IMGとの間には、カバーガラスCGが配置されている。
第1レンズ群G21は、物体側から順に、負レンズL211と、正レンズL212と、正レンズL213と、が配置されて構成される。負レンズL211と正レンズL212とは、接合されている。
第2レンズ群G22は、物体側から順に、負レンズL221と、負レンズL222と、正レンズL223と、負レンズL224と、が配置されて構成される。
第3レンズ群G13は、物体側から順に、正レンズL231と、正レンズL232と、正レンズL233と、負レンズL234と、正レンズL235と、が配置されて構成される。正レンズL231および正レンズL232のそれぞれ両面には、非球面が形成されている。負レンズL234と正レンズL235とは、接合されている。
第4レンズ群G24は、物体側から順に、正レンズL241と、負レンズL242と、が配置されて構成される。正レンズL241と負レンズL242とは、接合されている。
第5レンズ群G25は、物体側から順に、正レンズL251と、負レンズL252と、が配置されて構成される。
このズームレンズでは、第1レンズ群G21、第3レンズ群G23、および第5レンズ群G25を像面IMGに対して固定したまま、第1レンズ群G21と第2レンズ群G22との間隔が広がり第2レンズ群G22と第3レンズ群G23との間隔が狭まるように第2レンズ群G22を光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動させ、第3レンズ群G23と第4レンズ群G24との間隔および第4レンズ群G24と第5レンズ群G25との間隔が変化するように第4レンズ群G24を光軸に沿って像面IMG側に凸形状の軌跡を描くように移動させて、広角端から望遠端への変倍を行う。
また、このズームレンズでは、第4レンズ群G24を光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動させることにより、無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態までのフォーカシングを行う。
さらに、このズームレンズでは、第3レンズ群G23中の正レンズL232に防振補正光学系VC2としての機能を担わせ、防振補正光学系VC2を光軸に対して垂直な方向へ移動
させることによって、光学系の振動時に生じる像ぶれの補正を行う。
以下、実施例2にかかるズームレンズに関する各種数値データを示す。
(面データ)
1=89.618
1=2.500 nd1=1.8052 νd1=25.46
2=61.924
2=9.476 nd2=1.4970 νd2=81.61
3=-301.377
3=0.300
4=55.234
4=5.273 nd3=1.4970 νd3=81.61
5=128.634
5=D(5)(可変)
6=158.157
6=1.500 nd4=1.5407 νd4=47.20
7=19.691
7=7.901
8=-36.314
8=1.500 nd5=1.5168 νd5=64.20
9=23.129
9=0.654
10=24.928
10=4.368 nd6=1.9537 νd6=32.32
11=312.591
11=1.969
12=-54.513
12=1.200 nd7=1.4970 νd7=81.61
13=64.308
13=D(13)(可変)
14=∞(開口絞り)
14=4.627
15=32.440(非球面)
15=4.463 nd8=1.5920 νd8=67.02
16=486.178(非球面)
16=4.359
17=28.056(非球面)
17=6.884 nd9=1.5920 νd9=67.02
18=-39.017(非球面)
18=1.000
19=-437.035
19=3.083 nd10=1.4970 νd10=81.61
20=-35.582
20=0.200
21=-39.693
21=1.500 nd11=1.8061 νd11=33.27
22=28.534
22=4.800 nd12=1.4970 νd12=81.61
23=-36.463
23=D(23)(可変)
24=-195.077
24=1.883 nd13=1.9537 νd13=32.32
25=-35.186
25=0.800 nd14=1.6477 νd14=33.84
26=15.132
26=D(26)(可変)
27=20.129
27=4.216 nd15=1.8061 νd15=33.27
28=-37.305
28=2.311
29=-26.300
29=0.728 nd16=1.8467 νd16=23.78
30=-250.000
30=4.000
31=∞
31=2.864 nd17=1.5168 νd17=64.20
32=∞
32=1.000
33=∞(像面)
円錐係数(k)および非球面係数(A4,A6,A8,A10
(第15面)
k=0,
4=4.2986×10-6,A6=6.5825×10-8
8=-1.7987×10-10,A10=5.4173×10-13
(第16面)
k=0,
4=1.2610×10-5,A6=1.2433×10-7
8=-4.2854×10-10,A10=1.1039×10-12
(第17面)
k=0,
4=-1.1688×10-5,A6=4.9073×10-8
8=-3.2783×10-10,A10=7.3295×10-13
(第18面)
k=0,
4=1.1745×10-5,A6=-5.7498×10-10
8=-5.0850×10-11,A10=2.1344×10-13
(各種データ)
変倍比:6.019
像高:5.500
広角端 中間焦点位置 望遠端
焦点距離 13.065 32.013 78.636
Fナンバー 1.236 1.648 1.854
半画角(ω) 23.904 9.594 3.887
光学系全長 144.697 142.697 142.697
バックフォーカス(空気換算長) 6.888 6.888 6.888
D(5) 2.934 29.373 47.675
D(13) 47.647 21.208 2.907
D(23) 2.003 5.230 2.854
D(26) 6.752 3.524 5.901
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 レンズ移動量
1 1 92.766 17.549 0.000
2 6 -21.382 19.092 -44.741
3 15 23.723 26.289 0.000
4 24 -25.593 2.683 -0.851
5 27 26.705 7.255 0.000
(ズームレンズ群倍率)
群 始面 広角端 中間焦点位置 望遠端
1 1 0.000 0.000 0.000
2 6 -0.393 -0.763 -2.201
3 15 -0.322 -0.430 -0.351
4 24 2.240 2.117 2.208
5 27 0.497 0.496 0.497
(条件式(1)に関する数値)
Dt(光学系の望遠端での入射瞳径)=42.414
(Dt/f3)/(ft/|f2|)=0.486
(条件式(2)に関する数値)
b2ft(第2レンズ群G22の無限遠合焦状態における望遠端での横倍率)=-2.201
b2bt(第2レンズ群G22よりも像面側に位置するレンズ群全体の無限遠合焦状態における望遠端での横倍率)=-0.385
|(1−b2ft)×b2bt|=1.233
(条件式(3)に関する数値)
b2fw(第2レンズ群G22の広角端での横倍率)=-0.393
b2bw(第2レンズ群G22よりも像面側に位置するレンズ群全体の広角端での合成横倍率)=-0.358
|(1−(b2fw)2)×(b2bw)2|=0.109
(条件式(4)に関する数値)
f2/f4=0.835
(条件式(5)に関する数値)
|f2|/f5=0.801
(条件式(6)に関する数値)
Figure 0006463261
(条件式(7)に関する数値)
fv(防振補正光学系VC2の焦点距離)=28.662
Figure 0006463261
図5は、実施例2にかかるズームレンズの縦収差図である。球面収差図において、縦軸はFナンバー(図中、FNOで示す)を表し、実線はd線(λ=587.56nm)、短破線はg線(λ=435.84nm)、長破線はC線(λ=656.28nm)に相当する波長の特性を示している。非点収差図において、縦軸は半画角(図中、ωで示す)を表し、実線はサジタル平面(図中、Sで示す)、破線はメリディオナル平面(図中、Mで示す)の特性を示している。歪曲収差図において、縦軸は半画角(図中、ωで示す)を表している。
図6は、実施例2にかかるズームレンズの望遠端での横収差図である。これらの図において、(a)は望遠端における防振補正を行っていない基本状態を示し、(b)は望遠端において防振補正光学系VC2を光軸に対して垂直な方向に0.254mm移動させた防振補正状態を示している。撮影距離が∞で望遠端においてズームレンズが0.2°だけ傾いた場合の像偏心量は、防振補正光学系VC2が光軸と垂直な方向に0.254mmだけ
平行移動するときの像偏心量に等しい。
図6(a)、図6(b)において、それぞれ、上段は最大像高の70%の像点における横収差、中段は軸上像点における横収差、下段は最大像高の−70%の像点における横収差を示している。なお、各横収差図において、横軸は瞳面上での主光線からの距離を表し、実線はd線(λ=587.56nm)、短破線はg線(λ=435.84nm)、長破線はC線(λ=656.28nm)に相当する波長の特性を示している。
各横収差図から明らかなように、軸上像点における横収差の対称性は良好であることがわかる。また、+70%像点における横収差と−70%像点における横収差とを基本状態で比較すると、いずれも湾曲度が小さく、収差曲線の傾斜がほぼ等しいことから、偏心コマ収差、偏心非点収差が小さいことがわかる。このことは、防振補正状態であっても充分な結像性能が得られていることを意味している。
また、ズームレンズの防振補正角が同じ場合には、ズームレンズ全系の焦点距離が短くなるにつれて、防振補正に必要な平行移動量が減少する。したがって、いずれのズーム位置であっても、0.2°までの防振補正角に対して、結像特性を低下させることなく充分な防振補正を行うことが可能である。また、望遠端における防振補正光学系VC2の平行移動量を広角端および中間焦点位置状態に適用することで防振補正角度を0.2°よりもさらに大きくとることも可能である。
図7は、実施例3にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このズームレンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G31と、負の屈折力を有する第2レンズ群G32と、正の屈折力を有する第3レンズ群G33と、負の屈折力を有する第4レンズ群G34と、正の屈折力を有する第5レンズ群G35と、が配置されて構成される。第2レンズ群G32と第3レンズ群G33との間には、所定の口径を規定する開口絞りSTPが配置されている。第5レンズ群G35と像面IMGとの間には、カバーガラスCGが配置されている。
第1レンズ群G31は、物体側から順に、負レンズL311と、正レンズL312と、正レンズL313と、が配置されて構成される。負レンズL311と正レンズL312とは、接合されている。
第2レンズ群G32は、物体側から順に、負レンズL321と、負レンズL322と、正レンズL323と、負レンズL324と、が配置されて構成される。負レンズL321の両面には、非球面が形成されている。
第3レンズ群G33は、物体側から順に、正レンズL331と、正レンズL332と、負レンズL333と、正レンズL334と、が配置されて構成される。正レンズL331および正レンズL332のそれぞれ両面には、非球面が形成されている。負レンズL333と正レンズL334とは、接合されている。
第4レンズ群G34は、物体側から順に、正レンズL341と、負レンズL342と、が配置されて構成される。正レンズL341と負レンズL342とは、接合されている。
第5レンズ群G35は、物体側から順に、正レンズL351と、負レンズL352と、が配置されて構成される。正レンズL351の両面には、非球面が形成されている。
このズームレンズでは、第1レンズ群G31、第3レンズ群G33、および第5レンズ群G35を像面IMGに対して固定したまま、第1レンズ群G31と第2レンズ群G32との間隔が広がり第2レンズ群G32と第3レンズ群G33との間隔が狭まるように第2レンズ群G32を光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動させ、第3レンズ群G33と第4レンズ群G34との間隔および第4レンズ群G34と第5レンズ群G35との間隔が変化するように第4レンズ群G34を光軸に沿って像面IMG側に凸形状の軌跡を描くように移動させて、広角端から望遠端への変倍を行う。
また、このズームレンズでは、第4レンズ群G34を光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動させることにより、無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態までのフォーカシングを行う。
さらに、このズームレンズでは、第3レンズ群G33中の正レンズL332に防振補正光学系VC3としての機能を担わせ、防振補正光学系VC3を光軸に対して垂直な方向へ移動させることによって、光学系の振動時に生じる像ぶれの補正を行う。
以下、実施例3にかかるズームレンズに関する各種数値データを示す。
(面データ)
1=108.017
1=2.500 nd1=1.7283 νd1=28.32
2=70.986
2=11.053 nd2=1.4970 νd2=81.61
3=-602.081
3=0.300
4=71.087
4=6.393 nd3=1.4970 νd3=81.61
5=249.804
5=D(5)(可変)
6=-107.333(非球面)
6=1.500 nd4=1.5163 νd4=64.07
7=24.451(非球面)
7=10.863
8=-21.473
8=1.500 nd5=1.6200 νd5=36.30
9=103.413
9=1.290
10=137.694
10=5.459 nd6=1.9537 νd6=32.32
11=-29.020
11=0.730
12=-26.265
12=1.200 nd7=1.5182 νd7=58.96
13=-121.648
13=D(13)(可変)
14=∞(開口絞り)
14=1.000
15=29.348(非球面)
15=3.631 nd8=1.8513 νd8=40.10
16=64.238(非球面)
16=5.000
17=27.539(非球面)
17=7.000 nd9=1.6188 νd9=63.86
18=-40.405(非球面)
18=1.000
19=-123.112
19=1.500 nd10=1.7283 νd10=28.32
20=18.537
20=6.322 nd11=1.4970 νd11=81.61
21=-44.373
21=D(21)(可変)
22=-1725.681
22=2.114 nd12=1.9537 νd12=32.32
23=-38.042
23=0.800 nd13=1.6889 νd13=31.16
24=13.888
24=D(24)(可変)
25=18.812(非球面)
25=4.445 nd14=1.9515 νd14=29.83
26=-41.391(非球面)
26=1.096
27=-26.996
27=0.798 nd15=1.9229 νd15=20.88
28=-250.000
28=4.000
29=∞
29=2.864 nd16=1.5168 νd16=64.20
30=∞
30=1.000
31=∞(像面)
円錐係数(k)および非球面係数(A4,A6,A8,A10
(第6面)
k=0,
4=1.3201×10-5,A6=-8.9713×10-9
8=-2.3616×10-12,A10=6.3009×10-14
(第7面)
k=0,
4=3.4267×10-6,A6=9.6002×10-9
8=-6.8637×10-11,A10=2.7716×10-13
(第15面)
k=0,
4=4.7444×10-6,A6=9.1678×10-8
8=-1.8405×10-10,A10=3.7389×10-13
(第16面)
k=0,
4=1.0129×10-5,A6=1.6254×10-7
8=-4.7918×10-10,A10=8.5890×10-13
(第17面)
k=0,
4=-1.2390×10-5,A6=7.2541×10-8
8=-4.2278×10-10,A10=2.1695×10-13
(第18面)
k=0,
4=1.3775×10-5,A6=-1.0531×10-8
8=-1.0515×10-10,A10=-1.3524×10-15
(第25面)
k=0,
4=1.7112×10-5,A6=-2.6992×10-8
8=1.8017×10-10,A10=4.4652×10-12
(第26面)
k=0,
4=1.0570×10-5,A6=-2.7018×10-7
8=2.7446×10-9,A10=-9.8617×10-12
(各種データ)
変倍比:5.512
像高:5.500
広角端 中間焦点位置 望遠端
焦点距離 12.729 30.012 70.165
Fナンバー 1.150 1.150 1.150
半画角(ω) 24.467 10.224 4.384
光学系全長 155.000 155.000 155.000
バックフォーカス(空気換算長) 6.888 6.888 6.888
D(5) 3.143 35.712 58.416
D(13) 57.273 24.705 2.000
D(21) 3.155 4.820 1.998
D(24) 6.070 4.405 7.227
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 レンズ移動量
1 1 108.429 20.247 0.000
2 6 -30.047 22.542 -55.273
3 15 24.810 24.453 0.000
4 22 -23.217 2.914 1.157
5 25 21.625 6.339 0.000
(ズームレンズ群倍率)
群 始面 広角端 中間焦点位置 望遠端
1 1 0.000 0.000 0.000
2 6 -0.458 -0.911 -2.924
3 15 -0.240 -0.295 -0.203
4 22 2.263 2.195 2.317
5 25 0.471 0.470 0.470
(条件式(1)に関する数値)
Dt(光学系の望遠端での入射瞳径)=61.013
(Dt/f3)/(ft/|f2|)=1.053
(条件式(2)に関する数値)
b2ft(第2レンズ群G32の無限遠合焦状態における望遠端での横倍率)=-2.924
b2bt(第2レンズ群G32よりも像面側に位置するレンズ群全体の無限遠合焦状態における望遠端での横倍率)=-0.221
|(1−b2ft)×b2bt|=0.867
(条件式(3)に関する数値)
b2fw(第2レンズ群G32の広角端での横倍率)=-0.458
b2bw(第2レンズ群G32よりも像面側に位置するレンズ群全体の広角端での合成横倍率)=-0.256
|(1−(b2fw)2)×(b2bw)2|=0.052
(条件式(4)に関する数値)
f2/f4=1.294
(条件式(5)に関する数値)
|f2|/f5=1.389
(条件式(6)に関する数値)
Figure 0006463261
(条件式(7)に関する数値)
fv(防振補正光学系VC3の焦点距離)=27.550
Figure 0006463261
図8は、実施例3にかかるズームレンズの縦収差図である。球面収差図において、縦軸はFナンバー(図中、FNOで示す)を表し、実線はd線(λ=587.56nm)、短破線はg線(λ=435.84nm)、長破線はC線(λ=656.28nm)に相当する波長の特性を示している。非点収差図において、縦軸は半画角(図中、ωで示す)を表し、実線はサジタル平面(図中、Sで示す)、破線はメリディオナル平面(図中、Mで示す)の特性を示している。歪曲収差図において、縦軸は半画角(図中、ωで示す)を表している。
図9は、実施例3にかかるズームレンズの望遠端での横収差図である。これらの図において、(a)は望遠端における防振補正を行っていない基本状態を示し、(b)は望遠端において防振補正光学系VC3を光軸に対して垂直な方向に0.242mm移動させた防振補正状態を示している。撮影距離が∞で望遠端においてズームレンズが0.2°だけ傾いた場合の像偏心量は、防振補正光学系VC3が光軸と垂直な方向に0.242mmだけ平行移動するときの像偏心量に等しい。
図9(a)、図9(b)において、それぞれ、上段は最大像高の70%の像点における横収差、中段は軸上像点における横収差、下段は最大像高の−70%の像点における横収差を示している。なお、各横収差図において、横軸は瞳面上での主光線からの距離を表し、実線はd線(λ=587.56nm)、短破線はg線(λ=435.84nm)、長破線はC線(λ=656.28nm)に相当する波長の特性を示している。
各横収差図から明らかなように、軸上像点における横収差の対称性は良好であることがわかる。また、+70%像点における横収差と−70%像点における横収差とを基本状態で比較すると、いずれも湾曲度が小さく、収差曲線の傾斜がほぼ等しいことから、偏心コマ収差、偏心非点収差が小さいことがわかる。このことは、防振補正状態であっても充分な結像性能が得られていることを意味している。
また、ズームレンズの防振補正角が同じ場合には、ズームレンズ全系の焦点距離が短くなるにつれて、防振補正に必要な平行移動量が減少する。したがって、いずれのズーム位置であっても、0.2°までの防振補正角に対して、結像特性を低下させることなく充分な防振補正を行うことが可能である。また、望遠端における防振補正光学系VC3の平行移動量を広角端および中間焦点位置状態に適用することで防振補正角度を0.2°よりもさらに大きくとることも可能である。
図10は、実施例4にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このズームレンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G41と、負の屈折力を有する第2レンズ群G42と、正の屈折力を有する第3レンズ群G43と、負の屈折力を有する第4レンズ群G44と、正の屈折力を有する第5レンズ群G45と、が配置されて構成される。第2レンズ群G42と第3レンズ群G43との間には、所定の口径を規定する開口絞りSTPが配置されている。第5レンズ群G45と像面IMGとの間には、カバーガラスCGが配置されている。
第1レンズ群G41は、物体側から順に、負レンズL411と、正レンズL412と、正レンズL413と、が配置されて構成される。負レンズL411と正レンズL412とは、接合されている。
第2レンズ群G42は、物体側から順に、負レンズL421と、負レンズL422と、正レンズL423と、負レンズL424と、が配置されて構成される。
第3レンズ群G43は、物体側から順に、正レンズL431と、正レンズL432と、負レンズL433と、正レンズL434と、が配置されて構成される。正レンズL431および正レンズL432のそれぞれ両面には、非球面が形成されている。負レンズL433と正レンズL434とは、接合されている。
第4レンズ群G44は、物体側から順に、正レンズL441と、負レンズL442と、が配置されて構成される。正レンズL441と負レンズL442とは、接合されている。
第5レンズ群G45は、物体側から順に、正レンズL451と、負レンズL452と、が配置されて構成される。
このズームレンズでは、第1レンズ群G41、第3レンズ群G43、および第5レンズ群G45を像面IMGに対して固定したまま、第1レンズ群G41と第2レンズ群G42との間隔が広がり第2レンズ群G42と第3レンズ群G43との間隔が狭まるように第2レンズ群G42を光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動させ、第3レンズ群G43と第4レンズ群G44との間隔および第4レンズ群G44と第5レンズ群G45との間隔が変化するように第4レンズ群G44を光軸に沿って像面IMG側に凸形状の軌跡を描くように移動させて、広角端から望遠端への変倍を行う。
また、このズームレンズでは、第4レンズ群G44を光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動させることにより、無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態までのフォーカシングを行う。
さらに、このズームレンズでは、第3レンズ群G43中の正レンズL432に防振補正光学系VC4としての機能を担わせ、防振補正光学系VC4を光軸に対して垂直な方向へ移動させることによって、光学系の振動時に生じる像ぶれの補正を行う。
以下、実施例4にかかるズームレンズに関する各種数値データを示す。
(面データ)
1=130.070
1=2.500 nd1=2.0010 νd1=29.13
2=87.679
2=13.386 nd2=1.4970 νd2=81.61
3=-523.903
3=0.300
4=75.393
4=10.305 nd3=1.4970 νd3=81.61
5=378.415
5=D(5)(可変)
6=-884.670
6=2.000 nd4=1.6200 νd4=36.30
7=24.495
7=7.091
8=-46.817
8=1.500 nd5=1.4970 νd5=81.61
9=113.838
9=0.300
10=40.089
10=3.719 nd6=1.9229 νd6=20.88
11=366.161
11=2.070
12=-60.555
12=1.200 nd7=1.5182 νd7=58.96
13=62.648
13=D(13)(可変)
14=∞(開口絞り)
14=1.000
15=32.251(非球面)
15=4.076 nd8=1.6188 νd8=63.86
16=-800.846(非球面)
16=7.332
17=37.489(非球面)
17=4.057 nd9=1.4971 νd9=81.56
18=-98.920(非球面)
18=1.500
19=38.229
19=1.000 nd10=1.8467 νd10=23.78
20=18.346
20=5.259 nd11=1.4970 νd11=81.61
21=-72.779
21=D(21)(可変)
22=634.387
22=2.096 nd12=1.8467 νd12=23.78
23=-52.802
23=1.000 nd13=1.5814 νd13=40.89
24=15.116
24=D(24)(可変)
25=28.038
25=3.219 nd14=1.7234 νd14=37.99
26=-44.681
26=3.058
27=-31.360
27=0.800 nd15=1.8467 νd15=23.78
28=-302.000
28=4.000
29=∞
29=2.654 nd16=1.5168 νd16=64.20
30=∞
30=1.000
31=∞(像面)
円錐係数(k)および非球面係数(A4,A6,A8,A10
(第15面)
k=0.3240,
4=-5.7655×10-6,A6=2.4936×10-8
8=-1.6068×10-10,A10=5.1331×10-13
(第16面)
k=3.1986,
4=5.9528×10-6,A6=3.0135×10-8
8=-1.8406×10-10,A10=5.8265×10-13
(第17面)
k=-0.5804,
4=-8.8308×10-8,A6=3.6191×10-9
8=1.8991×10-11,A10=-1.5056×10-13
(第18面)
k=9.2363,
4=6.4993×10-6,A6=-4.6537×10-9
8=4.9714×10-11,A10=-2.1557×10-13
(各種データ)
変倍比:9.598
像高:5.500
広角端 中間焦点位置 望遠端
焦点距離 12.252 38.020 117.593
Fナンバー 1.440 1.440 1.440
半画角(ω) 25.854 8.107 2.598
光学系全長 175.000 175.000 175.000
バックフォーカス(空気換算長) 6.750 6.750 6.750
D(5) 2.955 46.163 72.786
D(13) 73.777 30.569 3.947
D(21) 2.221 6.926 3.482
D(24) 9.625 4.919 8.364
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 レンズ移動量
1 1 122.872 26.491 0.000
2 6 -24.480 17.880 -69.830
3 15 24.792 23.224 0.000
4 22 -31.345 3.096 -1.261
5 25 47.148 7.077 0.000
(ズームレンズ群倍率)
群 始面 広角端 中間焦点位置 望遠端
1 1 0.000 0.000 0.000
2 6 -0.310 -0.682 -2.645
3 15 -0.251 -0.384 -0.289
4 22 1.900 1.750 1.861
5 25 0.674 0.674 0.674
(条件式(1)に関する数値)
Dt(光学系の望遠端での入射瞳径)=81.662
(Dt/f3)/(ft/|f2|)=0.686
(条件式(2)に関する数値)
b2ft(第2レンズ群G42の無限遠合焦状態における望遠端での横倍率)=-2.645
b2bt(第2レンズ群G42よりも像面側に位置するレンズ群全体の無限遠合焦状態における望遠端での横倍率)=-0.362
|(1−b2ft)×b2bt|=1.321
(条件式(3)に関する数値)
b2fw(第2レンズ群G42の広角端での横倍率)=-0.310
b2bw(第2レンズ群G42よりも像面側に位置するレンズ群全体の広角端での合成横倍率)=-0.321
|(1−(b2fw)2)×(b2bw)2|=0.093
(条件式(4)に関する数値)
f2/f4=0.781
(条件式(5)に関する数値)
|f2|/f5=0.519
(条件式(6)に関する数値)
Figure 0006463261
(条件式(7)に関する数値)
fv(防振補正光学系VC4の焦点距離)=55.235
Figure 0006463261
図11は、実施例4にかかるズームレンズの縦収差図である。球面収差図において、縦軸はFナンバー(図中、FNOで示す)を表し、実線はd線(λ=587.56nm)、短破線はg線(λ=435.84nm)、長破線はC線(λ=656.28nm)に相当する波長の特性を示している。非点収差図において、縦軸は半画角(図中、ωで示す)を表し、実線はサジタル平面(図中、Sで示す)、破線はメリディオナル平面(図中、Mで示す)の特性を示している。歪曲収差図において、縦軸は半画角(図中、ωで示す)を表している。
図12は、実施例4にかかるズームレンズの望遠端での横収差図である。これらの図において、(a)は望遠端における防振補正を行っていない基本状態を示し、(b)は望遠端において防振補正光学系VC4を光軸に対して垂直な方向に0.684mm移動させた防振補正状態を示している。撮影距離が∞で望遠端においてズームレンズが0.2°だけ傾いた場合の像偏心量は、防振補正光学系VC4が光軸と垂直な方向に0.684mmだけ平行移動するときの像偏心量に等しい。
図12(a)、図12(b)において、それぞれ、上段は最大像高の70%の像点における横収差、中段は軸上像点における横収差、下段は最大像高の−70%の像点における横収差を示している。なお、各横収差図において、横軸は瞳面上での主光線からの距離を表し、実線はd線(λ=587.56nm)、短破線はg線(λ=435.84nm)、長破線はC線(λ=656.28nm)に相当する波長の特性を示している。
各横収差図から明らかなように、軸上像点における横収差の対称性は良好であることがわかる。また、+70%像点における横収差と−70%像点における横収差とを基本状態で比較すると、いずれも湾曲度が小さく、収差曲線の傾斜がほぼ等しいことから、偏心コマ収差、偏心非点収差が小さいことがわかる。このことは、防振補正状態であっても充分な結像性能が得られていることを意味している。
また、ズームレンズの防振補正角が同じ場合には、ズームレンズ全系の焦点距離が短くなるにつれて、防振補正に必要な平行移動量が減少する。したがって、いずれのズーム位置であっても、0.2°までの防振補正角に対して、結像特性を低下させることなく充分な防振補正を行うことが可能である。また、望遠端における防振補正光学系VC4の平行移動量を広角端および中間焦点位置状態に適用することで防振補正角度を0.2°よりもさらに大きくとることも可能である。
図13は、実施例5にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このズームレンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G51と、負の屈折力を有する第2レンズ群G52と、正の屈折力を有する第3レンズ群G53と、負の屈折力を有する第4レンズ群G54と、正の屈折力を有する第5レンズ群G55と、が配置されて構成される。第2レンズ群G52と第3レンズ群G53との間には、所定の口径を規定する開口絞りSTPが配置されている。第5レンズ群G55と像面IMGとの間には、カバーガラスCGが配置されている。
第1レンズ群G51は、物体側から順に、負レンズL511と、正レンズL512と、正レンズL513と、が配置されて構成される。負レンズL511と正レンズL512とは、接合されている。
第2レンズ群G52は、物体側から順に、負レンズL521と、負レンズL522と、正レンズL523と、負レンズL524と、が配置されて構成される。
第3レンズ群G53は、物体側から順に、正レンズL531と、正レンズL532と、正レンズL533と、負レンズL534と、正レンズL535と、が配置されて構成される。正レンズL531および正レンズL532のそれぞれ両面には、非球面が形成されている。負レンズL534と正レンズL535とは、接合されている。
第4レンズ群G54は、物体側から順に、正レンズL541と、負レンズL542と、が配置されて構成される。正レンズL541と負レンズL542とは、接合されている。
第5レンズ群G55は、物体側から順に、正レンズL551と、負レンズL552と、が配置されて構成される。
このズームレンズでは、第1レンズ群G51、第3レンズ群G53、および第5レンズ群G55を像面IMGに対して固定したまま、第1レンズ群G51と第2レンズ群G52との間隔が広がり第2レンズ群G52と第3レンズ群G53との間隔が狭まるように第2レンズ群G52を光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動させ、第3レンズ群G53と第4レンズ群G54との間隔および第4レンズ群G54と第5レンズ群G55との間隔が変化するように第4レンズ群G54を光軸に沿って像面IMG側に凸形状の軌跡を描くように移動させて、広角端から望遠端への変倍を行う。
また、このズームレンズでは、第4レンズ群G54を光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動させることにより、無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態までのフォーカシングを行う。
さらに、このズームレンズでは、第3レンズ群G53中の正レンズL532に防振補正光学系VC5としての機能を担わせ、防振補正光学系VC5を光軸に対して垂直な方向へ移動
させることによって、光学系の振動時に生じる像ぶれの補正を行う。
以下、実施例5にかかるズームレンズに関する各種数値データを示す。
(面データ)
1=74.887
1=2.000 nd1=1.7408 νd1=27.76
2=50.819
2=6.873 nd2=1.4970 νd2=81.61
3=-285.810
3=0.300
4=49.638
4=3.445 nd3=1.4970 νd3=81.61
5=92.285
5=D(5)(可変)
6=-512.137
6=1.500 nd4=1.7234 νd4=37.99
7=19.280
7=4.718
8=-46.094
8=1.500 nd5=1.4875 νd5=70.44
9=22.060
9=0.515
10=23.335
10=3.902 nd6=1.9537 νd6=32.32
11=-241.633
11=1.230
12=-47.811
12=1.200 nd7=1.4970 νd7=81.61
13=69.493
13=D(13)(可変)
14=∞(開口絞り)
14=1.000
15=37.016(非球面)
15=2.946 nd8=1.5920 νd8=67.02
16=-474.476(非球面)
16=1.643
17=27.543(非球面)
17=6.195 nd9=1.4971 νd9=81.56
18=-31.177(非球面)
18=1.188
19=3849.446
19=2.889 nd10=1.4970 νd10=81.61
20=-35.816
20=0.200
21=-64.387
21=1.500 nd11=1.8061 νd11=33.27
22=22.657
22=4.795 nd12=1.4970 νd12=81.61
23=-28.633
23=D(23)(可変)
24=-93.018
24=1.857 nd13=1.8467 νd13=23.78
25=-24.471
25=0.800 nd14=1.5814 νd14=40.89
26=12.976
26=D(26)(可変)
27=21.055
27=3.438 nd15=1.7015 νd15=41.15
28=-26.738
28=2.029
29=-21.874
29=0.700 nd16=1.8467 νd16=23.78
30=-250.000
30=4.000
31=∞
31=2.864 nd17=1.5168 νd17=64.20
32=∞
32=1.000
33=∞(像面)
円錐係数(k)および非球面係数(A4,A6,A8,A10
(第15面)
k=0,
4=5.5729×10-7,A6=5.3777×10-8
8=-2.1328×10-10,A10=4.4636×10-13
(第16面)
k=0,
4=1.8631×10-5,A6=1.2808×10-7
8=-4.4242×10-10,A10=1.1478×10-12
(第17面)
k=0,
4=-1.5115×10-5,A6=5.6006×10-8
8=-3.6012×10-10,A10=9.1221×10-13
(第18面)
k=0,
4=1.7071×10-5,A6=-1.9479×10-8
8=-3.1338×10-11,A10=2.1695×10-13
(各種データ)
変倍比:5.908
像高:5.500
広角端 中間焦点位置 望遠端
焦点距離 13.266 32.010 78.377
Fナンバー 1.442 2.266 2.884
半画角(ω) 23.581 9.565 3.885
光学系全長 125.000 125.000 125.000
バックフォーカス(空気換算長) 6.888 6.888 6.888
D(5) 3.156 28.921 47.536
D(13) 46.957 21.192 2.577
D(23) 2.251 4.642 2.172
D(26) 6.410 4.020 6.489
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 レンズ移動量
1 1 87.054 12.618 0.000
2 6 -22.028 14.565 -44.380
3 15 20.782 21.356 0.000
4 24 -23.071 2.657 0.079
5 27 34.535 6.167 0.000
(ズームレンズ群倍率)
群 始面 広角端 中間焦点位置 望遠端
1 1 0.000 0.000 0.000
2 6 -0.413 -0.799 -2.460
3 15 -0.286 -0.374 -0.283
4 24 2.132 2.030 2.136
5 27 0.606 0.606 0.606
(条件式(1)に関する数値)
Dt(光学系の望遠端での入射瞳径)=27.177
(Dt/f3)/(ft/|f2|)=0.368
(条件式(2)に関する数値)
b2ft(第2レンズ群G52の無限遠合焦状態における望遠端での横倍率)=-2.460
b2bt(第2レンズ群G52よりも像面側に位置するレンズ群全体の無限遠合焦状態における望遠端での横倍率)=-0.366
|(1−b2ft)×b2bt|=1.267
(条件式(3)に関する数値)
b2fw(第2レンズ群G52の広角端での横倍率)=-0.413
b2bw(第2レンズ群G52よりも像面側に位置するレンズ群全体の広角端での合成横倍率)=-0.370
|(1−(b2fw)2)×(b2bw)2|=0.113
(条件式(4)に関する数値)
f2/f4=0.955
(条件式(5)に関する数値)
|f2|/f5=0.638
(条件式(6)に関する数値)
Figure 0006463261
(条件式(7)に関する数値)
fv(防振補正光学系VC5の焦点距離)=30.486
Figure 0006463261
図14は、実施例5にかかるズームレンズの縦収差図である。球面収差図において、縦軸はFナンバー(図中、FNOで示す)を表し、実線はd線(λ=587.56nm)、短破線はg線(λ=435.84nm)、長破線はC線(λ=656.28nm)に相当する波長の特性を示している。非点収差図において、縦軸は半画角(図中、ωで示す)を表し、実線はサジタル平面(図中、Sで示す)、破線はメリディオナル平面(図中、Mで示す)の特性を示している。歪曲収差図において、縦軸は半画角(図中、ωで示す)を表している。
図15は、実施例5にかかるズームレンズの望遠端での横収差図である。これらの図において、(a)は望遠端における防振補正を行っていない基本状態を示し、(b)は望遠端において防振補正光学系VC5を光軸に対して垂直な方向に0.266mm移動させた防振補正状態を示している。撮影距離が∞で望遠端においてズームレンズが0.2°だけ傾いた場合の像偏心量は、防振補正光学系VC5が光軸と垂直な方向に0.266mmだけ平行移動するときの像偏心量に等しい。
図15(a)、図15(b)において、それぞれ、上段は最大像高の70%の像点における横収差、中段は軸上像点における横収差、下段は最大像高の−70%の像点における横収差を示している。なお、各横収差図において、横軸は瞳面上での主光線からの距離を表し、実線はd線(λ=587.56nm)、短破線はg線(λ=435.84nm)、長破線はC線(λ=656.28nm)に相当する波長の特性を示している。
各横収差図から明らかなように、軸上像点における横収差の対称性は良好であることがわかる。また、+70%像点における横収差と−70%像点における横収差とを基本状態で比較すると、いずれも湾曲度が小さく、収差曲線の傾斜がほぼ等しいことから、偏心コマ収差、偏心非点収差が小さいことがわかる。このことは、防振補正状態であっても充分な結像性能が得られていることを意味している。
また、ズームレンズの防振補正角が同じ場合には、ズームレンズ全系の焦点距離が短くなるにつれて、防振補正に必要な平行移動量が減少する。したがって、いずれのズーム位置であっても、0.2°までの防振補正角に対して、結像特性を低下させることなく充分な防振補正を行うことが可能である。また、望遠端における防振補正光学系VC5の平行移動量を広角端および中間焦点位置状態に適用することで防振補正角度を0.2°よりもさらに大きくとることも可能である。
なお、上記各実施例中の数値データにおいて、r1,r2,・・・・はレンズ、開口絞り面などの曲率半径、d1,d2,・・・・はレンズ、開口絞りなどの肉厚またはそれらの面間隔、nd1,nd2,・・・・はレンズなどのd線(λ=587.56nm)に対する屈折率、νd1,νd2,・・・・はレンズなどのd線(λ=587.56nm)に対するアッベ数を示している。そして、長さの単位はすべて「mm」、角度の単位はすべて「°」である。
また、上記各非球面形状は、非球面の深さをZ、曲率をc(1/r)、光軸からの高さをh、円錐係数をk、4次,6次,8次,10次の非球面係数をそれぞれA4,A6,A8,A10とし、光の進行方向を正とするとき、以下に示す式により表される。
Figure 0006463261
以上説明したように、上記各実施例のズームレンズは、上記各条件式を満足することにより、小型かつ簡素な構成で、全変倍領域においてFナンバーが小さく高い結像性能を備えることができる。また、簡素な構成であるため、光学系の組立および製造誤差の発生を抑制できるとともに、製造コストを低減することができる。変倍時の駆動群が2つであるため、変倍機構の簡略化が可能になる。さらに、小型、軽量の防振補正光学系を備えて、良好な防振補正を行うことが可能になる。また、光学系の小径化を図ることもできる。また、適宜非球面が形成されたレンズや接合レンズを配置したことにより、収差補正能力を向上させることができる。
<適用例>
以下、本発明の実施例1〜5に示したズームレンズを撮像装置に適用した例を示す。図16は、本発明にかかるズームレンズを備えた撮像装置の一適用例を示す図である。図16には、ズームレンズ100を収容したレンズ鏡筒110が撮像装置200に取付けられている状態を示している。
ズームレンズ100は、実施例1〜5に示したものである。レンズ鏡筒110はマウント部111を介して撮像装置200に対して着脱可能になっている。マウント部111としては、スクリュータイプやバヨネットタイプ等のマウントが用いられる。この例では、バヨネットタイプのマウントを使用している。
ズームレンズ100により撮像された像は撮像装置200に搭載された撮像素子201(CCDやCMOS等)の撮像面上に結像し、その像に関する撮像素子201からの出力信号が図示しない信号処理回路によって演算処理され、表示部202に像が表示される。
上記のように構成することで、小型、高性能なズームレンズを備えた、動画撮影にも好適な撮像装置を実現することができる。
図16では、本発明にかかるズームレンズをミラーレス一眼カメラに用いた例を示した。しかし、本発明にかかるズームレンズは、ミラーレス一眼カメラのみならず、その他のレンズ交換式カメラやデジタルスチルカメラ、監視用カメラ、ビデオカメラ等に用いることも可能である。
以上のように、本発明にかかるズームレンズは、ミラーレス一眼カメラや一眼レフレックスカメラ等のレンズ交換方式カメラ、監視用カメラ、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の小型撮像装置に有用であり、特に、暗い撮影環境下において撮影を行う撮像装置に好適である。
11,G21,G31,G41,G51 第1レンズ群
12,G22,G32,G42,G52 第2レンズ群
13,G23,G33,G43,G53 第3レンズ群
14,G24,G34,G44,G54 第4レンズ群
15,G25,G35,G45,G55 第5レンズ群
111,L121,L122,L124,L134,L142,L152,L211,L221,L222,L224,L234,L242,L252,L311,L321,L322,L324,L333,L342,L352,L411,L421,L422,L424,L433,L442,L452,L511,L521,L522,L524,L534,L542,L552 負レンズ
112,L113,L123,L131,L132,L133,L135,L141,L151,L212,L213,L223,L231,L232,L233,L235,L241,L251,L312,L313,L323,L331,L332,L334,L341,L351,L412,L413,L423,L431,L432,L434,L441,L451,L512,L513,L523,L531,L532,L533,L535,L541,L551 正レンズ
VC1,VC2,VC3,VC4,VC5 防振補正光学系
STP 開口絞り
CG カバーガラス
IMG 像面
100 ズームレンズ
110 レンズ鏡筒
111 マウント部
200 撮像装置
201 撮像素子
202 表示部

Claims (7)

  1. 物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群と、からなり、
    前記第1レンズ群、前記第3レンズ群、および前記第5レンズ群を像面に対して固定したまま、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が広がり前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が狭まるように前記第2レンズ群を光軸に沿って移動させ、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔および前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔が変化するように前記第4レンズ群を光軸に沿って移動させて、広角端から望遠端への変倍を行い、
    前記第4レンズ群を光軸に沿って像面側へ移動させることによって無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態までのフォーカシングを行い、
    以下に示す条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    (1) 0.310≦(Dt/f3)/(ft/|f2|)≦1.500
    Figure 0006463261
    ただし、Dtは光学系の望遠端での入射瞳径、f3は前記第3レンズ群の焦点距離、ftは光学系全系の望遠端での焦点距離、f2は前記第2レンズ群の焦点距離、fwは光学系全系の広角端での焦点距離を示す。
  2. 物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群と、からなり、
    前記第1レンズ群、前記第3レンズ群、および前記第5レンズ群を像面に対して固定したまま、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が広がり前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が狭まるように前記第2レンズ群を光軸に沿って移動させ、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔および前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔が変化するように前記第4レンズ群を光軸に沿って移動させて、広角端から望遠端への変倍を行い、
    前記第4レンズ群を光軸に沿って像面側へ移動させることによって無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態までのフォーカシングを行い、
    以下に示す条件式を満足することを特徴とするームレンズ。
    (1)’ 0.486≦(Dt/f3)/(ft/|f2|)≦1.500
    (2) 0.600≦|(1−b2ft)×b2bt|≦1.450
    ただし、Dtは光学系の望遠端での入射瞳径、f3は前記第3レンズ群の焦点距離、ftは光学系全系の望遠端での焦点距離、f2は前記第2レンズ群の焦点距離、b2ftは前記第2レンズ群の無限遠合焦状態における望遠端での横倍率、b2btは前記第2レンズ群よりも像面側に位置するレンズ群全体の無限遠合焦状態における望遠端での横倍率を示す。
  3. 以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。
    (3) 0.020≦|(1−(b2fw)2)×(b2bw)2|≦0.124
    ただし、b2fwは前記第2レンズ群の広角端での横倍率、b2bwは前記第2レンズ群よりも像面側に位置するレンズ群全体の広角端での合成横倍率を示す。
  4. 以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のズームレンズ。
    (4) 0.650≦f2/f4≦1.600
    ただし、f4は前記第4レンズ群の焦点距離を示す。
  5. 以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のズームレンズ。
    (5) 0.450≦|f2|/f5≦1.700
    ただし、f5は前記第5レンズ群の焦点距離を示す。
  6. 前記第3レンズ群は光軸に対して垂直な方向へ移動させることによって光学系の振動時に生じる像ぶれの補正を行う防振補正光学系を備え、
    以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のズームレンズ。
    Figure 0006463261
    ただし、fvは前記防振補正光学系の焦点距離を示す。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つに記載のズームレンズと、該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子と、を備えたことを特徴とする撮像装置。
JP2015250706A 2015-12-22 2015-12-22 ズームレンズおよび撮像装置 Active JP6463261B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015250706A JP6463261B2 (ja) 2015-12-22 2015-12-22 ズームレンズおよび撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015250706A JP6463261B2 (ja) 2015-12-22 2015-12-22 ズームレンズおよび撮像装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017116678A JP2017116678A (ja) 2017-06-29
JP6463261B2 true JP6463261B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=59234883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015250706A Active JP6463261B2 (ja) 2015-12-22 2015-12-22 ズームレンズおよび撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6463261B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6751506B2 (ja) * 2016-02-29 2020-09-09 株式会社ニコン 変倍光学系及び光学機器
JP6732505B2 (ja) * 2016-04-11 2020-07-29 キヤノン株式会社 ズームレンズおよびこれを用いた撮像装置
WO2018079520A1 (ja) * 2016-10-26 2018-05-03 株式会社ニコン 変倍光学系、光学機器、撮像機器、変倍光学系の製造方法
US11269163B2 (en) 2016-11-21 2022-03-08 Nikon Corporation Zoom optical system, optical apparatus and imaging apparatus using the zoom optical system, and method for manufacturing the zoom optical system
CN114895444A (zh) 2017-11-17 2022-08-12 株式会社尼康 变倍光学系统、光学装置、变倍光学系统的制造方法
JP7163126B2 (ja) 2018-10-09 2022-10-31 キヤノン株式会社 光学系及び撮像装置
JPWO2021070285A1 (ja) * 2019-10-09 2021-04-15
JP7118221B1 (ja) 2021-06-29 2022-08-15 Omデジタルソリューションズ株式会社 ズームレンズ及びこのズームレンズを備えた撮像装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3453007B2 (ja) * 1995-06-19 2003-10-06 富士写真光機株式会社 ズームレンズ
JP2000180722A (ja) * 1998-12-14 2000-06-30 Canon Inc リアフォ―カス式のズ―ムレンズ
JP2005352183A (ja) * 2004-06-10 2005-12-22 Sony Corp 可変焦点距離レンズ系及び撮像装置
JP2010266577A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Canon Inc 光学系及びそれを有する光学機器
JP5424745B2 (ja) * 2009-07-02 2014-02-26 キヤノン株式会社 光学系及びそれを有する光学機器
JP5549462B2 (ja) * 2009-08-04 2014-07-16 コニカミノルタ株式会社 光学系及びそれを備えた画像投影装置及び撮像装置
JP5560636B2 (ja) * 2009-09-25 2014-07-30 カシオ計算機株式会社 ズームレンズ及びそれを用いた投射型表示装置
JP6150592B2 (ja) * 2013-04-09 2017-06-21 キヤノン株式会社 ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
JP6438294B2 (ja) * 2014-12-24 2018-12-12 キヤノン株式会社 ズームレンズ及びそれを有する撮像装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017116678A (ja) 2017-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6463261B2 (ja) ズームレンズおよび撮像装置
JP6177549B2 (ja) 超広角ズームレンズ
JP5455665B2 (ja) ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
JP6076764B2 (ja) ズームレンズ
JP5764510B2 (ja) ズームレンズ
JP2017116679A (ja) ズームレンズおよび撮像装置
JP4356040B2 (ja) 防振機能を備えたバックフォーカスの長いズームレンズ
JP6660757B2 (ja) ズームレンズおよび撮像装置
CN109143557B (zh) 变焦透镜和图像拾取装置
JP4289958B2 (ja) ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
JP2016090746A (ja) ズームレンズおよび撮像装置
JP2001033703A (ja) リヤーフォーカス式のズームレンズ
JP2016126086A (ja) インナーフォーカス式レンズ
JP4374853B2 (ja) 防振ズームレンズ
JP6553984B2 (ja) ズームレンズ及び撮像装置
JP2004334185A (ja) ズームレンズ
JPH11258504A (ja) 防振ズームレンズ
JP5433958B2 (ja) ズームレンズ及びこれを備えた光学機器
JP2000231050A (ja) リヤーフォーカス式のズームレンズ
JP6367707B2 (ja) ズームレンズ
JP2003295053A (ja) ズームレンズ及びそれを有する光学機器
JP2002365549A (ja) ズームレンズ及びそれを有する光学機器
JPH11352402A (ja) ズームレンズ
JP6587052B2 (ja) インナーフォーカス式レンズ
JP5143532B2 (ja) ズームレンズおよび撮像装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180911

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180912

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6463261

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250