JP2001033703A - リヤーフォーカス式のズームレンズ - Google Patents
リヤーフォーカス式のズームレンズInfo
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Abstract
群の屈折力、変倍に伴う移動条件等を適切に設定し、全
変倍範囲にわたり高い光学性能を有したリヤーフォーカ
ス式のズームレンズを得ること。 【解決手段】 物体側より順に正の屈折力の第1群、負
の屈折力の第2群、正の屈折力の第3群、負の屈折力の
第4群、そして正の屈折力の第5群の5つのレンズ群を
有し、該第2群を像面側へ移動させて広角端から望遠端
への変倍を行い、変倍に伴う像面変動を該第4群を移動
させて補正すると共に該第4群を光軸上移動させてフォ
ーカスを行い、第1群のレンズ構成を適切に設定したこ
と。
Description
のズームレンズに関し、特に写真用カメラやビデオカメ
ラ、そして放送用カメラ等に用いられる大口径比で高変
倍比でしかも広画角のリヤーフォーカス式のズームレン
ズに関するものである。
化に伴い、撮像用のズームレンズの小型化にもめざまし
い進歩が見られ、特にレンズ全長の短縮化や前玉径の小
型化、構成の簡略化に力が注がれている。
て、物体側の第1群以外のレンズ群を移動させてフォー
カスを行う、所謂リヤーフォーカス式(若しくはインナ
ーフォーカス式)のズームレンズが知られている。
は第1群を移動させてフォーカスを行うズームレンズに
比べて第1群の有効径が小さくなり、レンズ系全体の小
型化が容易になり、又、近接撮影、特に極近接撮影が容
易となり、更に比較的小型軽量のレンズ群を移動させて
行っているので、レンズ群の駆動力が小さくてすみ迅速
な焦点合わせができる等の特長がある。
ンズとして、例えば特開昭62-215225 号公報や、特開昭
62-206516 号公報,特開昭62-24213号公報,特開昭63-2
47316 号公報、そして特開平4-43311 号公報では、物体
側より順に正の屈折力の第1群、負の屈折力の第2群、
正の屈折力の第3群、そして正の屈折力の第4群の4つ
のレンズ群を有し、第2群を移動させて変倍を行い、第
4群を移動させて変倍に伴う像面変動とフォーカスを行
っている。
号公報において、物体側より順に正の屈折力の第1群、
負の屈折力の第2群、正の屈折力の第3群、負の屈折力
の第4群、そして正の屈折力の第5群の5つのレンズ群
を有し、該第2群を像面側へ移動させて広角端から望遠
端への変倍を行い、変倍に伴う像面変動を該第4群を移
動させて補正すると共に、該第4群を光軸上移動させて
フォーカスを行ったリヤーフォーカス式のズームレンズ
を提案している。
順に変倍中固定の正の屈折力の第1群、変倍用の負の屈
折力の第2群、正の屈折力の第3群、負の屈折力の第4
群、そして変倍に伴う像面変動を補正するための正の屈
折力の第5群の5つのレンズ群より成り、変倍に際して
第3群と第4群の少なくとも1つを移動させると共に、
フォーカスの際に第5群を移動させたリヤーフォーカス
式のズームレンズが提案されている。
おいてリヤーフォーカス方式を採用するとレンズ系全体
が小型化され、又、迅速なるフォーカスが可能となり、
更に近接撮影が容易となる等の特長が得られる。
変動が大きくなり、無限遠物体から近距離物体に至る物
体距離全般にわたりレンズ系全体の小型化を図りつつ高
い光学性能を得るのが大変難しくなるという問題点が生
じてくる。
で変倍比50程度と高変倍のズームレンズでは全変倍範
囲にわたり、又、物体距離全般にわたり高い光学性能を
得るのが大変難しくなるという問題点が生じてくる。
案したリヤーフォーカス方式のズームレンズを改良し、
変倍比50程度の高変倍化を図り、広角端から望遠端に
至る全変倍範囲にわたり、又、無限遠物体から近距離物
体に至る物体距離全般にわたり、良好なる光学性能を有
したリヤーフォーカス式のズームレンズの提供を目的と
する。
たり色収差の発生の少ないリヤーフォーカス式のズーム
レンズの提供を目的とする。
フォーカス式のズームレンズは、物体側より順に正の屈
折力の第1群、負の屈折力の第2群、正の屈折力の第3
群、負の屈折力の第4群、そして正の屈折力の第5群の
5つのレンズ群を有し、該第2群を像面側へ移動させて
広角端から望遠端への変倍を行い、変倍に伴う像面変動
を該第4群を像面側に凸状の軌跡を有しつつ移動させて
補正すると共に該第4群を光軸上移動させてフォーカス
を行い、該第1群は負レンズと正レンズとを含む4つの
レンズを有し、該第1群中の正レンズのうちの1つの正
レンズの材質のアッベ数をν1Pとするとき、 65<ν1P…(1) を満足することを特徴としている。
て、前記第1群中に正レンズが1つのときは該正レンズ
の材質のアッベ数又は該第1群中の正レンズが複数ある
ときは、それらの材質のアッベ数の平均値をν1Paと
するとき、 70<ν1Pa を満足することを特徴としている。
ームレンズは、物体側より順に正の屈折力の第1群、負
の屈折力の第2群、正の屈折力の第3群、負の屈折力の
第4群、そして正の屈折力の第5群の5つのレンズ群を
有し、該第2群を像面側へ移動させて広角端から望遠端
への変倍を行い、変倍に伴う像面変動を該第4群を像面
側に凸状の軌跡を有しつつ移動させて補正すると共に該
第4群を光軸上移動させてフォーカスを行い、該第1群
と第2群の合計のレンズ枚数は8以上であることを特徴
としている。
明において、前記第2群は複数の負レンズを有し、該複
数の負レンズの材質の屈折率のうち最も小さい屈折率を
N2nとしたとき、 1.69<N2n を満足することを特徴としている。
か1項の発明において、前記第i群の焦点距離をFi、
全系の広角端と望遠端の焦点距離を各々Fw,Ftとし
たとき、 10<F1/Fw<25
か1項の発明において、前記第i群の焦点距離をFiと
したとき、 7.5<|F1/F2|<10 を満足することを特徴としている。
か1項の発明において、全変倍範囲において前記第1群
と第2群の主点間隔をH12、全系の広角端の焦点距離
をFwとしたとき、 1.5<H12/Fw<3.5 を満足していることを特徴としている。
か1項の発明において、広角端において物体側の第1レ
ンズ面から最終レンズ面までの長さ(光学フィルター,
色分解プリズム等を除く)をTD,望遠端での全系の焦
点距離をFtとしたとき、 0.6<TD/Ft<0.9 を満足することを特徴としている。
か1項の発明において、広角端から望遠端への変倍に伴
う第2群の移動量をM2(像面側へ移動するときを正の
符号とする)、全系の広角端と望遠端での焦点距離を各
々Fw,Ftとしたとき、
る。
れか1項の発明において、広角端から望遠端への変倍に
伴う第2群の移動量をM2(像面側へ移動するときを正
の符号とする)、第i群の焦点距離をFiとしたとき、 5<|M2/F2|<10 を満足することを特徴としている。
図11,図13,図15,図17,図19は本発明の後
述する数値実施例1〜10のレンズ断面図、図2,図
4,図6,図8,図10,図12,図14,図16,図
18,図20は本発明の後述する数値実施例1〜10の
諸収差図である。収差図において(A)は広角端、
(B)は望遠端を示している。図21(A),(B)は
本発明のリヤーフォーカス式のズームレンズと従来のリ
ヤーフォーカス式のズームレンズの近軸屈折力配置を示
す概略図である。
ンズ群)、L2は負の屈折力の第2群(第2レンズ
群)、L3は正の屈折力の第3群(第3レンズ群)、L
4は負の屈折力の第4群(第4レンズ群)、L5は正の
屈折力の第5群(第5レンズ群)である。SPは開口絞
りであり、第3群L3の前方に配置している。IPは像
面である。Gはフェースプレート,フィルター等のガラ
スブロックである。
ように第2群を像面側へ移動させると共に、変倍に伴う
像面変動を第4群を像面側に凸状の軌跡を有しつつ移動
させて補正している。又、第4群を光軸上移動させてフ
ォーカスを行うリヤーフォーカス式を採用している。
の曲線4bは各々無限遠物体と近距離物体にフォーカス
しているときの広角端から望遠端への変倍に伴う際の像
面変動を補正するための移動軌跡を示している。第1
群,第3群,第5群は変倍及びフォーカスの際固定であ
る。
変倍に伴う像面変動の補正を行うと共に第4群を移動さ
せてフォーカスを行うようにしている。特に同図の曲線
4a,4bに示すように広角端から望遠端への変倍に際
して像面側へ凸状の軌跡を有するように移動させてい
る。これにより第4群と第5群との空気の有効利用を図
りレンズ全長の短縮化を効果的に達成している。
無限遠物体から近距離物体へフォーカスを行う場合は、
同図の直線4cに示すように第4群を後方(像面側)へ
繰り込むことにより行っている。
む4つのレンズより構成し、第1群中に正レンズが1つ
のときは該正レンズの材質のアッベ数をν1P、又は複
数存在するときはそのうち1つの正レンズの材質のアッ
ベ数をν1Pとしたとき、条件式(1)を満足するよう
にしている。
体側のレンズ群において、該レンズ群における色収差の
発生を小さくし、高変倍(30倍以上)化を図るときの
望遠端での軸上色収差を小さくする為のものである。即
ち、第1レンズ群で発生する色収差を小さく抑えて、主
変倍群である第2レンズ群がズーミングに際して可動し
たときのズーム全域での色収差を小さく抑えている。
群を構成するとレンズ枚数が多くなり大型化する。ある
いは望遠端での軸上色収差が大きくなって適当でない。
離合せを行う、所謂前玉フォーカス方式が知られている
が、この方式は広角側で至近距離撮影時に周辺画面に光
束を確保するために前玉径が大きくなりがちとなる。こ
のため、このフォーカス方式では、本発明の目的の1つ
である小型化は難しくなる。この際、構成上最も径の大
きい第1レンズ群はズーミング中固定になっている方
が、機構上の簡略化のためにも良い。
ズ群、特に第4レンズ群でフォーカシングを行うものが
小型化を目的とする際には好ましい。又、絞りユニット
を有する第3レンズ群も固定であるほうが機構上の簡略
化には好ましい。
での変倍領域にかけて像面側に移動するのが好ましい。
更に高変倍のズームレンズを構成するには第4レンズ群
は広角端より望遠端にかけて像面側に凸の軌跡で移動
し、又、特に略完全往復していればスペース効率が良
く、小型の高変倍ズームレンズが可能となる。このと
き、特に第2レンズ群のズーミング中の横倍率は等倍
(−1)を挟んで変化している構成にするのが良い。
満たすようにして、30倍以上の高変倍で望遠端でのF
NOが明るく、なおかつ前玉径を小さく全系を小型にし
たバランスの良い良好な性能のズームレンズを得てい
る。
術的意味を説明する。
寄りの中間ズーム位置において第1レンズ群への軸外光
束の入射高が高くなり、この結果、第1レンズ群のレン
ズ有効径が増大してくる。この前玉径の増大を防止する
には上記中間ズーム位置で物体側より瞳(絞り)へ入射
する軸外光束の入射角度θを浅めに(小さめに)設定す
るように構成するのが良い。そのためには上述したよう
に第4レンズ群は広角端より中間ズーム域にかけて像面
側に移動するのが好ましい。
決定する焦点距離での入射瞳位置はかなり物体側に寄
り、径の小型化が可能になる。このとき、特に全ズーム
域でレンズの射出瞳位置は像面よりプラス側(像面より
反物体側)にあるのが有効である。
る。図21(A)は広角端から少し望遠側に寄った中間
ズームの位置で、第1レンズの有効径を決定する焦点距
離の位置である。同時に、図21(B)に参考のために
特開昭62-24213号公報で開示されているズームレンズの
近軸屈折力配置を示す。図21(B)に示すように、像
面側から物体側へ軸外光束の光線を逆追跡すると、第4
レンズ群に強い負のパワーがあるために像面側からでる
軸外光束は射出瞳がややプラス側に寄っている。これに
対して、図21(A)ではこの光束が第5レンズ群で絞
りSP側に曲げられ、更に第4レンズ群で絞りSPを有
する第3レンズ群に緩やかな角度で入っていく。この絞
りSPを通過する角度θが従来のズームレンズよりも緩
くできるため、結果的に第1レンズの径を小さくできる
のである。
からプラス側(反物体側)にあるのが好ましい。少なく
とも前玉径の決定に寄与する広角端ではプラス側になっ
ていることが好ましい。
ズームレンズは、以上の諸条件を満足させることにより
達成することができるが、更にレンズ系全体の小型化を
図りつつ、高変倍化を図る際の変倍に伴う収差変動を少
なくし、全変倍範囲にわたり高い光学性能を得るには目
的に応じて次の諸条件のうち少なくとも1つを満足させ
るのが良い。
きは該正レンズの材質のアッベ数又は該第1群中の正レ
ンズが複数あるときは、それらの材質のアッベ数の平均
値をν1Paとするとき、 70<ν1Pa…(2) を満足することである。但し、ν1Paは第1群中に正
レンズが1つのときは該正レンズの材質のアッベ数をい
う。
により、充分高倍にしたときの色収差を良好に補正して
いる。
体側に凸面を有するメニスカス状の負レンズ、物体側に
凸面を有する正レンズ、そして少なくとも2枚の正レン
ズを有しているのがよい。第1レンズ群の像面側には2
枚の物体側に凸面を有する正メニス状のレンズブロック
が有るのが好ましい。このレンズブロックは正単レンズ
でも良いし、貼合せのメニスカス形状のブロックでも良
い。
の中で主変倍群である第2レンズ群は、少なくとも1枚
の正レンズを有し、全体として4枚以上で構成している
のが良い。
ンズと、両レンズ面が凹面の負レンズとさらに少なくと
も2枚のレンズで構成されていることが好ましい。これ
は高変倍の構成にするとき、主変倍群である第2レンズ
群の移動により発生する色収差の変動が大きくなりがち
である。これを除去するためには第2レンズ群内で充分
に色収差の発生を抑えておく必要がある。そのためにこ
のように構成しているのが好ましい。
し、該複数の負レンズの材質の屈折率のうち最も小さい
屈折率をN2nとしたとき、 1.69<N2n…(3) を満足することである。
得るために第2レンズ群のパワー(屈折力)をきつくす
る必要があり、特にペッツバール和が負の値に大きくな
りがちとなり、像面が補正過剰になり適当でない。
更に以下の範囲に有ることが好ましい。
良好に補正し、像面のズーム変動を小さくすることがで
きる。
するレンズは、合計8枚以上のレンズで構成することで
ある。これにより変倍群である第1レンズ群と第2レン
ズ群において発生する色収差の多くのレンズで分担する
ことにより、変動を小さくすることにより変倍比30〜
50の高変倍化を達成している。
が、前玉有効径や、可動群である第2レンズ群の重さを
考えると、10枚以下であることが好ましい。
の広角端と望遠端の焦点距離を各々Fw,Ftとしたと
き、 10<F1/Fw<25…(4)
い更に高変倍(30倍以上)で前玉径を小型にするのに
最適な第1レンズ群のパワーを提供するものである。
点、即ち倍率に係わる式である。全系を小さく設定する
には、第2レンズ群がズーミングに際して等倍を挟んで
いるのが好ましい。等倍を挟むと第4レンズ群のズーミ
ングの軌跡は略往復になり、最も効果的なスペース効率
で高変倍が可能となる。
と、第2レンズ群に対する物点が遠くなり、第2レンズ
群の結像倍率が低くなり、効果的な小型化が難しくな
る。更に、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が大きく
なり小型化の達成が難しくなる。また下限値を越える
と、第2レンズ群の倍率が大きくなり、高倍化の達成が
難しくなる。
とき、 7.5<|F1/F2|<10…(6) を満足することである。
と第2レンズ群を最適に設定し、ズーミングによる収差
変動を小さくしつつ高変倍(30倍以上)を行う為のも
のである。
果的に行うための条件である。下限を越えると30倍以
上の高倍化のために第2レンズ群の移動量を大きく取る
必要があり大型化及び前玉径が大きくなる。また、上限
値を越えると所望のズーム比を得るために第2レンズ群
のパワーがきつくなり像面のズーム変動が大きくなり適
当でない。特にペッツバール和が負の値に大きくなりが
ちとなり、像面が補正過剰になり適当でない。
2群の主点間隔をH12、全系の広角端の焦点距離をF
wとしたとき、 1.5<H12/Fw<3.5…(7) を満足することである。
群の主点間隔H12を広角端でいかに小さくできるかは
重要な点のひとつである。また、第2レンズ群において
は、H12を広角端で短くする為に、第2レンズ群の物
体側主点を物体側に設定するような構成にすることが、
広角化には望ましい。
群の主点間隔について特定したものである。
群と第2レンズ群の実際の間隔を取りにくくなり、各レ
ンズ群の収差が劣化する。また上限を越えると全長、前
玉径の増大を引き起こし適当でない。
面から最終レンズ面までの長さ(光学フィルター,色分
解プリズム等を除く)をTD,望遠端での全系の焦点距
離をFtとしたとき、 0.6<TD/Ft<0.9…(8) を満足することである。
っても望遠端でのFNOが明るく、なおかつ前玉径を小
さく全系を小型にするためのものである。
倍率で30倍以上50倍程度のズーム比を確保しつつ、
充分小型で、良好な性能を維持するためには、主変倍系
である第2レンズ群の屈折力を強くして、第2レンズ群
のズーミングに伴う移動量を少なくすればよい。しかし
ながら第2レンズ群の屈折力を強くするとペッツバール
和が大きくなり像面が補正過剰(オーバー)になるだけ
でなく、望遠端のレンズの明るさを決める第1レンズ群
の前玉が小さくなりすぎて、望遠端の暗いズームレンズ
となってしまう。
望遠端でのFNOが明るく、なおかつ前玉径を小さく全
系を小型にするため、また所望のズーム比を得るための
最適でむだのないレンズの配置、パワー配置を設定する
ために必要な条件である。
ナンバーは明るくなるが全長、前玉が大型化してしま
う。また、下限値を越えると所望のズーム比を得るため
に各群のパワー配置がきつくなり像面のズーム変動や距
離による収差変動が大きくなり適当でない。特に上述し
たようにペッツバール和が負の値に大きくなりがちとな
り、像面が補正過剰になる。
2群の移動量をM2(像面側へ移動するときを正の符号
とする)、全系の広角端と望遠端での焦点距離を各々F
w,Ftとしたとき、
を持つ第2レンズ群に対して、広角端から望遠端へのズ
ーム比を考慮して、小型化と最も最適な性能を持たせる
ために必要な関係である。
バーは明るくなり球面収差の補正が難しくなるばかりで
なく全長、前玉が大型化してしまう。また、下限値を越
えると所望のズーム比を得るために第2レンズ群のパワ
ーがきつくなり像面のズーム変動が大きくなり適当でな
い。特にペッツバール和が負の値に大きくなりがちとな
り、像面が補正過剰になり適当でない。
2群の移動量をM2(像面側へ移動するときを正の符号
とする)、第i群の焦点距離をFiとしたとき、 5<|M2/F2|<10…(10) を満足することである。
ンズ群が所望のズーム比を得るために必要な移動量とそ
の時のパワーの関係を示したものである。F2が一定の
時はM2が大きいと高変倍になり、M2が一定の時は|
F2|が小さい方が高変倍になる。この関係をバランス
良く設定しているのがこの式である。この式の上限を越
えると移動量が大きくなって大型化するか、F2のパワ
ーがきつくなって収差変動が大きくなる。この式の下限
値を超えると所望の変倍比が得られなくなる。
は、望遠端において第3レンズ群の近傍に配置するのが
よい。特に第3レンズ群近傍にズーミング中固定である
方が機構構成上は好ましい。特に前玉径の小型化には第
3レンズ群の比較的物体側、好ましくは最も物体側に配
置させるのがよい。
レンズを有しているのが好ましい。これは全系の中で第
3レンズ群のパワーは比較的強く、高変倍をするには少
ないレンズ枚数では球面収差の補正ができないからであ
る。特にこの群の中に非球面を用いてこの収差補正を分
担させても良い。1枚の負レンズを第3レンズ群に有し
ておくと更に色収差の補正にも有効である。
位置を一定にするコンペンセーター(補正群)であり、
フォーカスを担当する群でもある。それぞれの収変変
動、特に色収差変動を少なくするために少なくとも1枚
の正レンズを有するのが好ましい。
せは第4レンズ群で行い、この際、第4レンズ群は近距
離に距離合わせ(フォーカシング)するときは像面側に
繰り込むように構成している。
距離合わせを行うと、正レンズ群で行うリヤーフォーカ
ス方式に比べて、近軸的な変倍比に対して近距離側で変
倍比が小さくなることがなく、高変倍化しても近距離側
で所望の変倍比が得られる。
を小さくするためには、第4レンズ群内に非球面を有す
るのがよい。特に球面収差の中間ズーム域での球面収差
の変動補正には第5レンズ群内に非球面を有するのが好
ましい。
つ、固体撮像素子に対する射出瞳位置を変動を小さく設
定するためには、第4レンズ群の倍率β4がズーミング
に伴い常に同一符号であることが好ましい。β4がズー
ミング中符号を変えて変化すると、最終結像レンズ群で
ある固定の第5レンズ群への入射角度の変化が大きく、
ズーミングに伴い、特に周辺光束の固体撮像素子(CC
D等)へ入射角度の変動が大きく、テレセントリックな
結像からのズレが大きくなりシェーディング発生の原因
になり適当でない。
端、テレ端でのシェーディングを小さくし、適当なバッ
クフォーカスを保持するには、第4レンズ群の横倍率を
β4とするとき、β4は常に正の値であり以下の条件を
満たしているのが好ましい。
フォーカシングができず、有限距離側で変倍比が小さく
なり、高変倍化しても近距離側で所望の変倍比が得られ
ないことにもなり適当でない。
に設定するには、第4レンズ群は略完全往復もしくは像
面側に凸の軌跡にしておけば良い。そのためには、第3
レンズ群の結像倍率は負の値で、広角端から望遠端にか
けて絶対値が大きくなり更に小さくなるのが好ましい。
ここで広角端及び望遠端の第3レンズ群の近軸横倍率を
それぞれβ3W,β3Tとすると、 β3W≒β3T…(12) であると最もスペース効率が良い(尚、「≒」は±10
%以内のことをいう)。特に広角端から望遠端への第3
レンズ群の近軸横倍率の絶対値の最大値をβ3MAXと
すると |β3MAX|>0.8…(13) 特に高倍化させるには |β3MAX|>0.9…(13a) になっているのが良く、更に−1を越えている方が高倍
化に好適である。
角端と望遠端の焦点距離を各々Fw,Ftとしたとき、
群のパワーに関する式である。それぞれの範囲はズーム
レンズの射出瞳位置を短くなりすぎないように設定し、
更に物体側からの斜光束が瞳に浅い角度で入射させ、入
射瞳を短く、前玉径の小型化に寄与させるための条件で
ある。
設定できずに、前玉径の増大を招き、また下限値を越え
ると射出瞳がプラス側に短くなりすぎ、固体撮像素子に
対してテレセントリックな光束を確保できず、またズー
ム、フォーカスに対して収差変動が大きくなり適当では
ない。この範囲に入っていれば距離合わせ(フォーカシ
ング)に対しても大きな移動にならないように小型化を
達成するものである。このように範囲を逸脱すると前玉
径が大型化し全系も大型化して、更に撮像素子に対して
適当な射出角度を設定できなくなる。
角端と望遠端の焦点距離を各々Fw,Ftとしたとき、
て、最後の結像レンズである第5レンズ群を良好な収差
にして、またバックフォーカスを適当に確保するための
ものである。
フォーカスが長くなり大型化するため適当でない。ま
た、下限値を越えると第5レンズ群の屈折力が強くなり
特に球面収差やコマ収差が特に中間ズーム域で発生し適
当でない。またテレセントリックな関係が崩れ、射出瞳
が短くなり適当でない。
角端の焦点距離をFwとしたとき、 4.0<F3/Fw<6…(17) 4.0<|F4/Fw|<6.5…(18) 4.0<F5/Fw<6…(19) を満足することである。
から像面側に配したレンズ群のパワーを特定している。
それぞれの範囲はズームレンズの射出瞳位置を短くなり
すぎないように設定し、更に上述した様に物体側からの
斜光束が瞳に浅い角度で入射させ、前玉径の小型化に寄
与させるための条件である。
度に設定できずに、前玉径の増大を招き、また下限値を
越えると射出瞳がプラス側に短くなりすぎ、固体撮像素
子に対してテレセントリックな光束を確保できず、また
ズーム、フォーカスに対して収差変動が大きくなり適当
ではない。この範囲に入っていれば距離合わせ(フォー
カシング)に対しても大きな移動にならないように小型
化を達成するものである。このように範囲を逸脱すると
前玉径が大型化し全系も大型化して、更に撮像素子に対
して適当な射出角度を設定するのが難しくなる。
き、 −1.5<F4/F5<−0.9…(20) を満足することである。この式の上限を越えると第4レ
ンズ群の屈折力が強くなりフォーカシングの距離変動が
大きくなり適当でない。また下限値を越えるとフォーカ
シングの移動量が大きくなり大型化して適当でないばか
りでなく固定の結像レンズである第5レンズ群の屈折力
が強くなり射出瞳が短くなり適当でない。
レンズの場合、どうしても望遠端の近距離のフォーカス
レンズ移動量が大きくなる。特にズームの倍率が大きく
なればなるほど、第4レンズ群の像面位置補正の移動量
・フォーカスの為の移動量が共に大きくなる。この場合
以下の条件を満足させると良い。
離無限遠での第2レンズ群と第3レンズ群および第4レ
ンズ群,第5レンズ群の間隔である。D2Wは特に主変
倍レンズ群である第2レンズ群の移動可能範囲に寄与す
る量である。またD4Wは第4レンズ群の像面位置補正
の移動量・フォーカスの為の移動量に係わる量である。
この中に入っていると適正なズーム倍率と適正な至近距
離を提供できる。上限値を逸脱すると第4レンズ群の特
にフォーカスの為の移動量を確保できない。また下限値
を越えると所望のズーム比を確保するための第2レンズ
群の移動量が確保できず適当でない。この場合のD2W
は第2レンズ群の最も像面側の面と第3レンズ群の最も
物体側の面との間隔である。
量・フォーカスの為の移動量を適正に確保するためには
以下の式を満たしているのが好ましい。
と第5群の間隔、F4は第4群の焦点距離である。
所望の移動量が確保できず至近距離が遠くになってしま
う。
つ、レンズのバックフォーカスを適正に確保するために
は第5群の結像倍率をβ5とするとき、以下の条件を満
たしているのが好ましい。
ンズ系が大きくなるばかりでなく射出瞳が短くなり適当
でない。
条件を満たすのが好ましい。
端での、物体距離無限遠時のバックフォーカス(ガラス
ブロック、フィルター等実施例中の“G“を除く)であ
る。この式は、全系を効果的に小型化するのに必要な式
であり、下限値を越えると、フィルター等のブロックを
入れるのが無理になるばかりでなく、射出瞳が短めとな
り、撮像素子への結像がテレセントリック系からズレる
ことになり不適当である。また上限値を越えると大型化
してくるので良くない。
例においてRiは物体側より順に第i番目のレンズ面の
曲率半径、Diは物体側より第i番目のレンズ厚及び空
気間隔、Niとνiは各々物体側より順に第i番目のレ
ンズのガラスの屈折率とアッベ数である。又、前述の各
条件式と数値実施例における諸数値との関係を表−1に
示す。
方向にH軸、光の進行方向を正としRを近軸曲率半径、
A,B,C,D,Eを各々非球面係数としたとき、
ンズ面はローパスフィルター、フェースプレート等の光
学ブロックを示している。「e−X」は「10-X」を意
味している。
倍化を図り、広角端から望遠端に至る全変倍範囲にわた
り、又、無限遠物体から近距離物体に至る物体距離全般
にわたり、良好なる光学性能を有したリヤーフォーカス
式のズームレンズを達成することができる。
色収差の発生の少ないリヤーフォーカス式のズームレン
ズを達成することができる。
変倍化を図り、広角端から望遠端に至る全変倍範囲にわ
たり、又、無限遠物体から近距離物体に至る物体距離全
般にわたり、良好なる光学性能を有したリヤーフォーカ
ス式のズームレンズを達成することができる。
置の説明図
Claims (10)
- 【請求項1】 物体側より順に正の屈折力の第1群、負
の屈折力の第2群、正の屈折力の第3群、負の屈折力の
第4群、そして正の屈折力の第5群の5つのレンズ群を
有し、該第2群を像面側へ移動させて広角端から望遠端
への変倍を行い、変倍に伴う像面変動を該第4群を像面
側に凸状の軌跡を有しつつ移動させて補正すると共に該
第4群を光軸上移動させてフォーカスを行い、該第1群
は負レンズと正レンズとを含む4つのレンズを有し、該
第1群中の正レンズのうちの1つの正レンズの材質のア
ッベ数をν1Pとするとき、 65<ν1P を満足することを特徴とするリヤーフォーカス式のズー
ムレンズ。 - 【請求項2】 前記第1群中に正レンズが1つのときは
該正レンズの材質のアッベ数又は該第1群中の正レンズ
が複数あるときは、それらの材質のアッベ数の平均値を
ν1Paとするとき、 70<ν1Pa を満足することを特徴とする請求項1のリヤーフォーカ
ス式のズームレンズ。 - 【請求項3】 物体側より順に正の屈折力の第1群、負
の屈折力の第2群、正の屈折力の第3群、負の屈折力の
第4群、そして正の屈折力の第5群の5つのレンズ群を
有し、該第2群を像面側へ移動させて広角端から望遠端
への変倍を行い、変倍に伴う像面変動を該第4群を像面
側に凸状の軌跡を有しつつ移動させて補正すると共に該
第4群を光軸上移動させてフォーカスを行い、該第1群
と第2群の合計のレンズ枚数は8以上であることを特徴
とするリヤーフォーカス式のズームレンズ。 - 【請求項4】 前記第2群は複数の負レンズを有し、該
複数の負レンズの材質の屈折率のうち最も小さい屈折率
をN2nとしたとき、 1.69<N2n を満足することを特徴とする請求項1,2又は3のリヤ
ーフォーカス式のズームレンズ。 - 【請求項5】 前記第i群の焦点距離をFi、全系の広
角端と望遠端の焦点距離を各々Fw,Ftとしたとき、 10<F1/Fw<25 【数1】 を満足することを特徴とする請求項1から4のいずれか
1項のリヤーフォーカス式のズームレンズ。 - 【請求項6】 前記第i群の焦点距離をFiとしたと
き、 7.5<|F1/F2|<10 を満足することを特徴とする請求項1から5のいずれか
1項のリヤーフォーカス式のズームレンズ。 - 【請求項7】 全変倍範囲において前記第1群と第2群
の主点間隔をH12、全系の広角端の焦点距離をFwと
したとき、 1.5<H12/Fw<3.5 を満足していることを特徴とする請求項1から6のいず
れか1項のリヤーフォーカス式のズームレンズ。 - 【請求項8】 広角端において物体側の第1レンズ面か
ら最終レンズ面までの長さ(光学フィルター,色分解プ
リズム等を除く)をTD,望遠端での全系の焦点距離を
Ftとしたとき、 0.6<TD/Ft<0.9 を満足することを特徴とする請求項1から7のいずれか
1項のリヤーフォーカス式のズームレンズ。 - 【請求項9】 広角端から望遠端への変倍に伴う第2群
の移動量をM2(像面側へ移動するときを正の符号とす
る)、全系の広角端と望遠端での焦点距離を各々Fw,
Ftとしたとき、 【数2】 なる条件を満足することを特徴とする請求項1から8の
いずれか1項のリヤーフォーカス式のズームレンズ。 - 【請求項10】 広角端から望遠端への変倍に伴う第2
群の移動量をM2(像面側へ移動するときを正の符号と
する)、第i群の焦点距離をFiとしたとき、 5<|M2/F2|<10 を満足することを特徴とする請求項1から9のいずれか
1項のリヤーフォーカス式のズームレンズ。
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