JP6462491B2 - 放射性廃液の処理装置及びその処理方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、放射性廃液に含まれる放射性のセシウム及びストロンチウムを吸着除去する放射性廃液の処理技術に関する。
地震や津波等により原子力プラントで苛酷事故が発生した場合、大量の汚染水(放射性廃液)が発生するおそれがある。この放射性廃液は、放射性のセシウム及びストロンチウム、さらにその他の多くの放射性核種が含まれており、海洋あるいは地下水への流出による環境汚染のリスクを有している。このため、放射性廃液から放射性核種の迅速な除去が必要となり、その中でも放射能濃度の高いセシウム及びストロンチウムの除去は重要となる。
従来、液体中から放射性核種を除去する処理方法として、無機イオン交換体やイオン交換樹脂等を用い、これらに液体を通水させて除去する吸着除去方法が広く知られている。
特に、セシウムとストロンチウムは、化学的性質が異なるため、それぞれに吸着性を有する異なる吸着材が用いられている。
セシウム吸着材としては、モルデナイト等のSi/Al比の小さなゼオライトやフェロシアン化物が、ストロンチウム吸着材としてはA型ゼオライト等のSi/Al比の大きなゼオライトやチタン酸塩が例として挙げられる。
近年、セシウム及びストロンチウムの両方を吸着できる吸着材の開発が進んでいる(例えば、特許文献1、2)。この中で結晶性ケイチタン酸塩(CST)は、セシウムとストロンチウムの両方に対して高い選択性を有しており、高塩濃度溶液中における吸着性能は、従来材料の吸着性能を超えることが分かっている。
CSTは、1種類の吸着材で除去可能なことから除去装置の簡素化等が期待できることから、その積極的な使用が検討されている(例えば、特許文献3)。
特開2014−122806号公報 特開2014−16311号公報 特開2014−29269号公報
上述のCSTを吸着塔に充填して放射性廃液の吸着除去処理を行った場合、その高すぎるセシウム選択性のために吸着塔内のセシウム濃度に局所的な偏りが生じるという課題があった。
この吸着塔内のセシウム濃度の局所的な偏りを分散させる方法として、吸着塔への通水量の増加や吸着塔の通水方向を軸とした径を細くすること等による線流速の増加が考えられる。
しかし、線流速を大きくする方法ではストロンチウムの吸着分布も同時に吸着塔の出口側へ広がってしまい、早く吸着塔出口液からストロンチウムが検出される。つまり、線流速を増加させる方法では、セシウム濃度の局所的な偏りは分散できるものの、吸着塔のストロンチウム吸着性能を低下させてしまうという課題があった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、吸着材のストロンチウムに対する吸着性能を低下させること無く、吸着塔内のセシウム濃度を分散させることができる放射性廃液の処理技術を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る放射性廃液の処理装置において、放射性のセシウム及びストロンチウムの両方を吸着する吸着材が充填された吸着塔と、前記セシウム及び前記ストロンチウムを含む放射性廃液を前記吸着塔に供給する放射性廃液供給部と、前記吸着塔を通水した後の前記放射性廃液を収容する処理水タンクと、前記吸着塔の側面に設けられるとともに前記吸着材から放出されるガンマ線を検出するガンマ線検出器を有し、前記吸着塔の通水方向に沿って前記ガンマ線を検出して、前記吸着塔の通水入口側から出口側までの各位置におけるガンマ線スペクトルを計測する計測ユニットと、前記各位置で計測された前記ガンマ線スペクトルから前記セシウムの放射線計数率をそれぞれ求めて、前記吸着塔の通水入口側から出口側までの前記セシウムの濃度分布を導出する濃度分布導出部と、導出された前記濃度分布が所定の濃度範囲内に有るか否かを判定する第1判定部と、前記所定の濃度範囲を超えていると判定された場合に、前記放射性廃液の供給を停止させて、アルカリ性の薬液を前記吸着塔に供給させる薬液供給制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明の実施形態に係る放射性廃液の処理方法において、放射性のセシウム及びストロンチウムの両方を吸着する吸着材が充填された吸着塔を用いて、前記セシウム及び前記ストロンチウムを含む放射性廃液を前記吸着塔に供給するステップと、前記吸着塔を通水した後の前記放射性廃液を収容するステップと、前記吸着塔の側面に設けられるとともに前記吸着材から放出されるガンマ線を検出するガンマ線検出器を有する計測ユニットを用いて、前記吸着塔の通水方向に沿って前記ガンマ線を検出して、前記吸着塔の通水入口側から出口側までの各位置におけるガンマ線スペクトルを計測するステップと、前記各位置で計測された前記ガンマ線スペクトルから前記セシウムの放射線計数率をそれぞれ求めて、前記吸着塔の通水入口側から出口側までの前記セシウムの濃度分布を導出するステップと、導出された前記濃度分布が所定の濃度範囲内に有るか否かを判定するステップと、前記所定の濃度範囲を超えていると判定された場合に、前記放射性廃液の供給を停止させて、アルカリ性の薬液を前記吸着塔に供給させるステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の実施形態により、吸着材のストロンチウムに対する吸着性能を低下させること無く、吸着塔内のセシウム濃度を分散させることができる放射性廃液の処理技術を提供する。
第1実施形態に係る放射性廃液の処理装置の構成図。 2種の吸着材を混合した場合の吸着塔内の充填状態を示す概略断面図。 (A)は、本実施形態に適用される吸着塔とその側面に設置される計測用ユニットの構成を示す断面図であり、(B)は、図3(A)のI−I断面図。 (A)、(B)は、本実施形態に適用される計測ユニットの構成例を示す図。 CSTを充填した吸着塔における通水入口側から出口側までのセシウム及びストロンチウムの吸着濃度分布の解析例を示す図。 CSTのセシウム及びストロンチウム分配係数とpHとの相関関係を示すグラフ。 本実施形態に係る放射性廃液の処理手順の一例を示すフローチャート。 第2実施形態に係る放射性廃液の処理装置の構成図。 第3実施形態に係る放射性廃液の処理装置の構成図。 図10は、第4実施形態に係る放射性廃液の処理装置の構成図。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係る放射性廃液の処理装置10(以下、“処理装置10”と省略する)は、放射性廃液供給部11、薬液供給部12、リンス液供給部13、吸着塔14、計測ユニット15、切替部16、処理水タンク17、廃薬液タンク18、制御装置50、を備えている。
本実施形態では、原子力プラントにおけるプラント運転あるいは地震、津波などを起因とする苛酷事故等により生じる、放射性のセシウム及びストロンチウム、その他の放射性核種を含む放射性廃液を処理対象とする。
放射性廃液供給部11は、放射性廃液を保持しており、廃液供給ライン19介して吸着塔14に放射性廃液を供給する。廃液供給ライン19は、放射性廃液供給部11と吸着塔14とを接続する配管であり、放射性廃液供給部11から供給された放射性廃液を吸着塔14に導く。
薬液供給部12は、pHが吸着塔14に供給される放射性廃液よりも高い、アルカリ性の薬液を保持しており、薬液供給ライン20、廃液供給ライン19を介して吸着塔14に薬液を供給する。薬液供給ライン20は、一端は薬液供給部12に接続され、他端は廃液供給ライン19には接続された配管である。薬液供給時、薬液は薬液供給ライン20及び廃液供給ライン19を流動して吸着塔14に導かれる。
薬液は、アルカリ性の溶液であれば良く、例えば水酸化カリウム溶液及び水酸化ナトリウム溶液が挙げられる。また、アルカリ溶液の混合液を用いても良い。さらに、カリウムイオンを含む、硝酸カリウムまたは塩化カリウムのアルカリ溶液のいずれか1種またはこれらの混合液を用いても良い。
リンス液供給部13は、中性またはpHが吸着塔14に供給される放射性廃液と同程度(およそpH6〜8)のリンス液(例えば、水道水など)を保持しており、リンス液供給ライン21、廃液供給ライン19を介して吸着塔14にリンス液を供給する。リンス液供給ライン21は、一端はリンス液供給部13に接続され、他端は廃液供給ライン19に接続された配管である。リンス液供給時、リンス液はリンス液供給ライン21及び廃液供給ライン19を流動して吸着塔14に導かれる。
放射性廃液、薬液、及びリンス液それぞれの供給開始、停止、及び供給量の調整は制御装置50により制御される。なお、各液の具体的な供給手順は後述する。
吸着塔14は、細長い円筒型の形状を有しており、内部に吸着材22が注入、充填されている。吸着塔14の前端及び後端には、吸着材22の充填層への固形物の流入や吸着材22の吸着塔14外への流出を防止するためのフィルタ23が設けられている。また、吸着塔14の外表面には、ガンマ線の外部への漏洩を低減させるための、例えば鉄、鉛などの遮蔽体24が設けられている。
吸着塔14に充填される吸着材22には、セシウム及びストロンチウムの両方を同時に吸着可能な粒子状の吸着材料を使用する。吸着材22として、結晶性ケイチタン酸塩(CST)、アモルファスのケイチタン酸塩、チタン酸、チタン酸塩が例示される。
また、2種類以上の吸着材料を混合させた混合物を吸着塔14に充填しても良く、例えば、セシウムの吸着性が小さく、かつアルカリ性でストロンチウムの吸着性能が低下しないチタン酸やチタン酸塩などの吸着材とCSTとの2種類以上を混合充填してもよい。
2種類以上の吸着材22を吸着塔14内に充填する場合、これらの材料が均一となるように混合させて吸着塔14に充填しても良いが、吸着材22のそれぞれが吸着塔14内で偏在するように充填しても良い。
図2は、CSTとその他の吸着材22(例えば、チタン酸)を吸着塔14内に偏在させて充填させた場合の充填例を示している。符号22aはCSTを示しており、符号22bはその他の吸着材を示している。ここでは、吸着塔14の通水入口側から出口側に向かってCSTの充填量が漸次増加するように充填されている。
通水入口側においてセシウムの吸着効率が高いCSTの割合が減少させることで、入口側で集中的にセシウムが吸着されることを防止でき、吸着塔14内のセシウムの吸着分布の偏りを緩和することができる。また、吸着分布の偏りの緩和に伴い、薬液供給が必要な頻度も低減するため、薬液の使用量を減少させることもできる。
図1に戻って説明を続ける。
吸着塔14に供給された放射性廃液は、吸着塔14内を流動することで、廃液内に含まれるセシウム及びストロンチウムが吸着材22に吸着され除去される。そして、通水された後の放射性廃液の処理水は、吸着塔14の出口に接続して設けられた出口ライン25、切替部16、及び処理水ライン26を介して処理水タンク17に収容される。
切替部16は、吸着塔14から排出される排出液の収容先を変更するために、排出液が移送される配管(ライン)を切り替えるものである。
吸着塔14に放射性廃液が供給される際には、出口ライン25と処理水ライン26とを導通させて、吸着塔14から排出された放射性廃液の処理水を処理水タンク17に流入させる。また、薬液の供給前にリンス液を供給する場合には、出口ライン25と処理水ライン26とを導通させたままで、吸着塔14から排出されたリンス液を処理水タンク17に流入させる。
一方、吸着塔14に薬液が供給される際には、ラインの接続を廃薬液ライン27に切り替えて、吸着塔14から排出された薬液を廃薬液タンク18に流入させる。また、薬液の供給後にリンス液を供給する場合には、ラインの接続を廃薬液ライン27に切り替えたままで、吸着塔14から排出されたリンス液を廃薬液タンク18に流入させる。
セシウムとストロンチウムが吸着除去された放射性廃液は、処理水タンク17に収容された後に、さらに後段の放射性核種除去装置に送られる。切替部16を設けることで、放射性廃液と薬液とを分離して収容することができ、後段の放射性核種除去装置における処理対象を低減できる。
図3(A)は、本実施形態に適用される吸着塔14とその側面に設置される計測ユニット15の構成を示す断面図であり、図3(B)は、図3(A)のI−I断面図である。
計測ユニット15は、吸着塔14の側面に軸方向に沿って配置されており、吸着材22から放出されるガンマ線を検出するガンマ線検出器28と、このガンマ線検出器28を吸着塔14の軸方向に沿って移動させる駆動機構29と、を備えている。ガンマ線検出器28としては、半導体放射線検出器やNaI型検出器などを使用することができる。
駆動機構29は、計測ユニット15の内表面に設けられており、ガンマ線検出器28を一定の間隔で停止、移動を繰り返しながら、吸着塔14の通水入口側から出口側まで軸方向に沿って移動させる。駆動機構29は、ガンマ線検出器28が出口端まで到達したら、入口端まで戻し再度通水入口側から出口側まで移動させる。
ガンマ線検出器28は、停止時に、吸着材22から放出されるガンマ線を検出し、その停止位置でのガンマ線スペクトルを計測する。放射性廃液の処理動作中、駆動機構29によるガンマ線検出器28の移動は継続され、ガンマ線スペクトルの計測は常時行われる。
計測ユニット15は、吸着塔14の通水入口側から出口側までの各位置で計測されたガンマ線スペクトルのデータを制御装置50(図1)に送信する。このとき、ガンマ線スペクトルの計測時間、計測位置の計測情報も合わせて送信する。ガンマ線検出器28を停止させる間隔は、吸着塔14の通水方向に沿ったガンマ線スペクトルデータを細かく取得する観点から、短い方が好ましい。
また、ガンマ線スペクトルを計測する方法として、吸着塔14の軸方向に沿って複数のガンマ線検出器28を配置して、それぞれのガンマ線検出器28でガンマ線スペクトルを同時に計測して良い。これにより、吸着塔14の通水入口側から出口側までのガンマ線スペクトルのデータを迅速に取得できる。
図4(A)及び(B)は、計測ユニット15の他の構成例を示している。
駆動機構29は、図4(A)に示すように、吸着塔14の軸方向と直交する軸上にガンマ線検出器28を駆動させる構成をさらに有している。ガンマ線検出器28と吸着塔14表面との間の距離を調整可能にすることで、検出器に入るガンマ線の量を調整できる。
また、可変式遮蔽機構30は、図4(B)に示すように、ガンマ線検出器28と吸着塔14の表面との間に任意の枚数の遮蔽板31(例えば、鉄、鉛などの板)を挿入可能な機構である。遮蔽板31を挿入可能にすることで、検出器に入るガンマ線の量を調整できる。
処理対象となる放射性廃液のセシウム濃度が高く、ガンマ線検出器28の測定可能範囲を超える場合に正しい計測ができなくなるおそれがある。ガンマ線検出器28に入るガンマ線の量を低減可能な構成を備えることで、測定可能な放射能濃度領域を広げることができる。
図1に戻って説明を続ける。
制御装置50は、放射性廃液の供給停止/開始を制御する廃液供給制御部51、薬液の供給停止/開始を制御する薬液供給制御部52、リンス液の供給停止/開始を制御するリンス液供給制御部53、計測情報の表示や作業員が手動操作を行うための表示操作部54、信号受付部55、濃度分布導出部56、第1判定部57、を備えている。
信号受付部55は、計測ユニット15から送信される、吸着塔14の通水入口側から出口側までの各位置におけるガンマ線スペクトルのデータを受信する。また、ガンマ線スペクトルのデータに対応する計測時間、計測位置の情報も合わせて受信する。
濃度分布導出部56は、各位置で計測されたガンマ線スペクトルから放射性セシウム(例えば、Cs−137やCs−134)の放射線計数率をそれぞれ求める。そして、求めた放射線計数率及び計測時間、計測位置の情報に基づいて吸着塔14における通水入口側から出口側までのセシウムの濃度分布を導出する。
なお、濃度分布導出部56は、計測ユニット15からガンマ線スペクトルのデータが送信され、吸着塔14の通水入口側から出口側までのデータが収集されるごとにセシウムの濃度分布を導出する。
第1判定部57は、濃度分布導出部56で導出されたセシウムの濃度分布が所定の濃度範囲内に有るか否かを判定する。濃度範囲は、使用後(セシウム吸着処理後)の吸着材22を処分する取扱い上の観点から適宜設定される。第1判定部57は、判定結果を薬液供給制御部52に送信する。
薬液供給制御部52は、セシウムの濃度分布が所定の濃度範囲内に無いと判定された場合、廃液供給制御部51に指令して、放射性廃液の供給を停止させる。なお、リンス液供給制御部53は、放射性廃液の供給を停止後、薬液供給制御部52により薬液が吸着塔14に供給される前に、リンス液供給部13からリンス液を吸着塔14に供給しても良い。これにより、吸着塔14内に残存している放射性廃液がリンス液により置換される。リンス液の供給は、吸着塔体積の1本分以上を通水することが望ましい。
薬液供給制御部52は、放射性廃液の供給を停止後、吸着塔14への薬液供給を開始する。このとき、切替部16は、出口ライン25との接続を処理水ライン26から廃薬液ライン27に切り替える。
ここで、吸着塔14内にアルカリ性の薬液を供給する効果について具体的に説明する。
セシウムの吸着性能が高い吸着材22(例えば、CST)を用いた場合、放射性廃液の処理が進んでいくと、吸着塔14入口付近のセシウム濃度が高くなりセシウム濃度分布に極端な偏りが生じる。
図5は、吸着材22としてCSTを充填した吸着塔14を用いて、吸着塔14の通水入口側から出口側までのセシウム及びストロンチウムの濃度分布の解析例を示したものである。なお、吸着材22に供給する放射性廃液のpHは、中性であるとして解析している。
この解析例から、CSTは、中性においてセシウム吸着性能がストロンチウム吸着性能に比べて高いため、ストロンチウムに比べてセシウムの吸着分布が吸着塔入口付近に集中することが分かる。
図6は、試験より得られた各pHに対するセシウムおよびストロンチウムの分配係数をpH7におけるストロンチウム分配係数で規格化したグラフを示している。
ここでは、純水にセシウムおよびストロンチウムを各50mg/Lとなるように添加して試験液を作成し、準備した試験液30mlにCST:0.15gを浸漬した。そして、数日間浸漬した後に溶液のpHを測定して、目標pHと異なる場合はHClもしくはNaOHを添加し、さらに数日間浸漬する作業を繰り返すことで溶液のpHを調整した。
その後、浸漬液の一部を分取し、溶液中のセシウムとストロンチウムの元素濃度を測定した。浸漬前後の元素濃度を下記式(1)に代入して、吸着性能の指標である分配係数を求めた。
分配係数(ml/g)=(浸漬前の元素濃度−浸漬後の元素濃度)÷(浸漬後の元素濃度)×試験液体積÷吸着材重量 ・・・式(1)
図6によると、セシウム吸着性能はアルカリ性で低下することが分かる。一方、ストロンチウム吸着性能は酸性で低下し、アルカリ性で向上することが分かる。
つまり、セシウムの吸着分布が通水入口側に偏った吸着塔14にアルカリ性の溶液を通水することで、一時的にセシウムの吸着性能のみが低下する。これにより、吸着材22に一度吸着されたセシウムが吸着と脱着を繰り返しながら徐々に出口側の吸着材22に移行する。
このため、吸着塔14内のセシウムの吸着分布を入口側から出口側に向かって分散させることができ、吸着塔14内におけるセシウム濃度分布の極端な偏りを解消することができる。
なお、薬液中のカリウムイオン濃度が大きいほど、効果的にセシウムの吸着性能を低下させることが出来るため、CSTの選択性がナトリウムイオンより大きいカリウムイオンを含む水酸化カリウム溶液を薬液として用いることがより好ましい。
薬液供給制御部52は、薬液供給により、セシウムの濃度分布が所定の濃度範囲内に入った場合、薬液の供給を停止する。
リンス液供給制御部53は、薬液供給の停止後、リンス液供給部13からリンス液を吸着塔14に供給させる。薬液供給後にリンス液を吸着塔14内に通水させることで、吸着塔内に残存、あるいは吸着材22に付着している薬液がリンス液により置換される。これにより、吸着塔14内が中性または放射性廃液と同程度のpH環境となり、薬液の供給により一時的にセシウムの吸着性能が低下していた吸着材22の吸着性能が回復する。
図7は、本実施形態に係る放射性廃液の処理手順の一例を説明するフローチャートである(適宜、図1参照)。
放射性廃液供給部11は、吸着塔14に放射性廃液を供給する(S10)。運転員の手動操作により放射性廃液の供給は開始される。なお、操作は、表示操作部54で行われる。
放射性廃液は、吸着塔14内を通水して、廃液に含まれる放射性のセシウムとストロンチウムが吸着材22に吸着除去される(S11)。
放射性廃液が供給された後、計測ユニット15の駆動機構29(図4(B)参照)は、ガンマ線検出器28を一定の間隔で停止、移動を繰り返しながら、吸着塔14の通水入口側から出口側まで軸方向に沿って移動させる。ガンマ線検出器28は、停止時に、吸着材22から放出されるガンマ線を検出して、その停止位置でのガンマ線スペクトルを計測する(S12)。計測された各ガンマ線スペクトルは、信号受付部55に送信される。
濃度分布導出部56は、各位置で計測されたガンマ線スペクトルから放射性セシウムの放射線計数率をそれぞれ求めて、吸着塔14における通水入口側から出口側までのセシウムの濃度分布を導出する(S13)。
第1判定部57は、濃度分布導出部56で導出されたセシウムの濃度分布が所定の濃度範囲内に有るか否かを判定する(S14)。所定の濃度範囲に有る場合、放射性廃液の供給を継続する(S14:YES)。
一方、セシウムの濃度分布が所定の濃度範囲内に無い場合、薬液供給制御部52は、廃液供給制御部51に指令して、放射性廃液の供給を停止させる(S14:NO、S15)。
そして、リンス液供給制御部53は、リンス液供給部13からリンス液を吸着塔14に供給する(S16)。
リンス液の供給後、切替部16は、出口ライン25との接続を処理水ライン26から廃薬液ライン27に切り替える(S17)。
薬液供給制御部52は、薬液供給部12から薬液を吸着塔14に供給する(S18)。セシウムの濃度分布が所定の濃度範囲内に入るまで薬液の供給を継続する(S19:NO)。一方、セシウムの濃度分布が所定の範囲内に入った場合には、薬液の供給を停止する(S19:YES)。
薬液の供給停止後、リンス液供給制御部53は、リンス液供給部13からリンス液を吸着塔14に供給する(S20)。そして、切替部16は、出口ライン25との接続を廃薬液ライン27から処理水ライン26に切り替える(S21)。
全ての放射性廃液の処理が終了するまで、S10〜S21を繰り返す(S22:NO)。一方、全ての放射性廃液の処理が終了した場合は、処理を終了する(S22:YES)。
このように、放射性廃液の処理中に、吸着塔14内のセシウム濃度分布に基づいてアルカリ性の薬液を供給することで、吸着塔14内のセシウムの吸着分布を分散させることができ、濃度分布の極端な偏りを解消できる。
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態に係る処理装置10の構成図を示している。なお、図8において図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
pH計32は、廃薬液ライン27に設けられており、薬液供給後にリンス液を供給する際に、廃薬液ライン27から廃薬液タンク18に流入するリンス液のpHを計測する。そして、計測したpHを制御装置50に送信する。
リンス液供給制御部53は、計測されたpHを受信して、計測pHが中性または供給させる放射性廃液と同程度の予め定められた目標pH(約pH6〜8)になるまで、リンス液を吸着塔14に供給する。
このように、吸着塔14から排出されるリンス液のpHを計測して、pHが中性(または放射性廃液と同程度のpH)になるまでにリンス液を供給することで、吸着塔内が中性環境になったことが確認された後に、放射性廃液の供給を再開することができる。
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態に係る処理装置10の構成図を示している。なお、図9において第2実施形態(図8)と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
放射線検出部33は、廃薬液タンク18の近傍に設けられており、廃薬液タンク18から放出される放射線(ベータ線及びガンマ線)を検出するものである。放射線検出部33は、ガンマ線検出器及びベータ線検出器から構成される。各検出器は、廃薬液タンク18から放出されるガンマ線及びベータ線を検出して、ガンマ線スペクトル及びベータ線スペクトルを計測する。
液位センサ34は、廃薬液タンク18の近傍に設けられて、廃薬液タンク18の液位を検出するセンサである。液位センサ34として、タンクの液面にレーザを照射して、基準位置(センサ設置位置)から液面までの距離を測定するレーザセンサなどを使用することができる。
再供給ユニット35は、廃薬液タンク18と連通して設けられて、廃薬液タンク18に収容されている廃液を、再供給ライン36を介して吸着塔14に再供給するものである。再供給ライン36は、一端は再供給ユニット35に接続され、他端は廃液供給ライン19には接続された配管である。再供給時、廃薬液タンク18内の廃液は再供給ライン36及び廃液供給ライン19を流動して吸着塔14に導かれる。
再供給ユニット35は、放射線検出部33で計測されたガンマ線スペクトル及びベータ線スペクトルから、放射性セシウム(例えば、Cs−137やCs−134等)または放射性ストロンチウム(Sr−90)が検出された場合、廃薬液タンク18内の廃液を再供給ライン36を介して吸着塔14に再供給する。
また、再供給ユニット35は、液位センサ34で計測されたタンクの液位を入力して、廃薬液タンク18の液位が所定の設定値(例えば、タンクが溢れるおそれのある水位)を超えた場合に、廃薬液タンク18内の廃液を吸着塔14に再供給しても良い。
なお、廃液の再供給は、吸着塔14への放射性廃液供給を再開した際に、放射性廃液と同時、もしくは別々に供給する。
さらに、再供給ユニット35は、廃薬液タンク18に収容された廃液のpHを計測して、pH6〜8程度もしくは放射性廃液と同程度のpHに中和する中和装置を備えても良い。
制御装置50の表示操作部54は、液位センサ34から廃薬液タンク18の液位及び放射線検出部33で計測されたスペクトルデータを入力する。そして、タンクの液位が所定の設定値を超えた場合やセシウムまたはストロンチウムがタンクの廃液から検出された場合に、警告情報を表示して、あるいは警報音を発する。作業員は、表示される警告情報を確認して、廃薬液タンク18に収容された廃薬液の処理を手動で行うこともできる。
このように、再供給ユニット35を設けることで、廃薬液タンク18で放射線セシウムまたはストロンチウムが検出された場合やタンク内の液位が所定の液位を超えた場合に、廃薬液タンク18内の廃液を再処理することが可能となる。
(第4実施形態)
図10は、第4実施形態に係る処理装置10の構成図を示している。なお、図10において第3実施形態(図9)と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
吸着材充填部37(37,37)は、吸着材22を保持している。そして、吸着材注入ライン38を介して吸着塔14内に、充填液(水道水などの中性液)とともに吸着材22を注入、充填する。
吸着材注入ライン38は、吸着材充填部37と吸着塔14の内部とを接続する配管であり、一端は吸着塔14内に挿入される。なお、図10では、2種類の吸着材22を混合充填する構成を示しているが、吸着材充填部37の設置数を変えることで1種類あるいは3種類以上に構成しても良い。
吸着塔14に充填する際に、充填される吸着材22の割合は、吸着材充填部37の注入流量を調整することで制御できる。吸着材注入ライン38を介して複数の吸着材22を同時に充填することで、吸着塔14内に複数種の吸着材22を均一に充填することができる。
なお、吸着材充填部37は事前に充填する吸着材22を洗浄する洗浄設備を備えており、吸着材22充填前に充填液を用いた逆洗とバブリングにより吸着材22の微粉末や不純物が取り除かれる。
固液分離装置39は、放射性廃液の吸着除去処理後、吸着材排出ライン40を介して吸着塔14に吸着材22を流入させて、固形分(廃吸着材)と吸着材に付着している液体分とに分離する。吸着材排出ライン40は、固液分離装置39と吸着塔14の内部とを接続する配管であり、一端は吸着塔14内に挿入される。
分離された固形分は、固形分ライン41を介して廃吸着タンク42に収容される。一方、液体分は液体分ライン43を介して廃薬液タンク18に収容される。
吸着材22を吸着塔14内に充填、排出可能な構成とすることで、使用済みの吸着材22を吸着塔14と一緒に交換する必要は無く、ランニングコストを低減することができる。
以上述べた各実施形態の放射性廃液の処理装置によれば、吸着塔の通水入口側から出口側までのセシウム濃度分布が所定の範囲に無い場合、アルカリ性の薬液を供給することにより、吸着塔に充填された吸着材のストロンチウムに対する吸着性能を低下させること無く、吸着塔内のセシウム濃度を分散することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…放射性廃液の処理装置、11…放射性廃液供給部、12…薬液供給部、13…リンス液供給部、14…吸着塔、15…計測ユニット、16…切替部、17…処理水タンク、18…廃薬液タンク、19…廃液供給ライン、20…薬液供給ライン、21…リンス液供給ライン、22…吸着材、23…フィルタ、24…遮蔽体、25…出口ライン、26…処理水ライン、27…廃薬液ライン、28…ガンマ線検出器、29…駆動機構、30…可変式遮蔽機構、31…遮蔽板、32…pH計、33…放射性検出部、34…液位センサ、35…再供給ユニット、36…再供給ライン、37…吸着材充填部、38…吸着材注入ライン、39…固液分離装置、40…吸着材排出ライン、41…固形分ライン、42…廃吸着材タンク、43…液体分ライン、50…制御装置、51…廃液供給制御部、52…薬液供給制御部、53…リンス液供給制御部、54…表示制御部、55…信号受付部、56…濃度分布導出部、57…第1判定部。

Claims (15)

  1. 放射性のセシウム及びストロンチウムの両方を吸着する吸着材が充填された吸着塔と、
    前記セシウム及び前記ストロンチウムを含む放射性廃液を前記吸着塔に供給する放射性廃液供給部と、
    前記吸着塔を通水した後の前記放射性廃液を収容する処理水タンクと、
    前記吸着塔の側面に設けられるとともに前記吸着材から放出されるガンマ線を検出するガンマ線検出器を有し、前記吸着塔の通水方向に沿って前記ガンマ線を検出して、前記吸着塔の通水入口側から出口側までの各位置におけるガンマ線スペクトルを計測する計測ユニットと、
    前記各位置で計測された前記ガンマ線スペクトルから前記セシウムの放射線計数率をそれぞれ求めて、前記吸着塔の通水入口側から出口側までの前記セシウムの濃度分布を導出する濃度分布導出部と、
    導出された前記濃度分布が所定の濃度範囲内に有るか否かを判定する第1判定部と、
    前記所定の濃度範囲を超えていると判定された場合に、前記放射性廃液の供給を停止させて、アルカリ性の薬液を前記吸着塔に供給させる薬液供給制御部と、を備えることを特徴とする放射性廃液の処理装置。
  2. 前記吸着塔に前記薬液を供給した後に、中性または前記放射性廃液と同程度のpHを有するリンス液を前記吸着塔に供給するリンス液供給制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の放射性廃液の処理装置。
  3. 前記吸着塔に前記リンス液を供給するときに、前記吸着塔から排出される前記リンス液のpHを計測するpH計をさらに備えて、
    前記リンス液供給制御部は、計測されたpHが中性または前記放射性廃液と同程度の予め定められた目標pHになるまで前記リンス液を前記吸着塔に供給することを特徴とする請求項2に記載の放射性廃液の処理装置。
  4. 前記吸着塔を通水した後の前記薬液を収容する廃薬液タンクと、
    前記吸着塔を通水した後の前記放射性廃液を前記処理水タンクに流入させる処理水ラインと、
    前記吸着塔を通水した後の前記薬液を前記廃薬液タンクに流入させる廃薬液ラインと、
    前記薬液を前記吸着塔に供給する際に、前記処理水ラインから前記廃薬液ラインに切り替える切替部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放射性廃液の処理装置。
  5. 前記廃薬液タンクと連通して設けられて、前記廃薬液タンクに収容されている廃液を前記吸着塔に再供給する再供給ユニットと、をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の放射性廃液の処理装置。
  6. 前記廃薬液タンクの近傍に設けられて、前記廃薬液タンクから放出される放射線を検出し、ガンマ線スペクトル及びベータ線スペクトルを計測する放射線検出部をさらに備えて、
    前記再供給ユニットは、計測されたガンマ線スペクトル及びベータ線スペクトルに基づいて前記セシウムまたは前記ストロンチウムが検出されたときに、前記廃薬液タンクに収容されている廃液を前記吸着塔に再供給することを特徴とする請求項5に記載の放射性廃液の処理装置。
  7. 前記廃薬液タンクの近傍に設けられて、前記廃薬液タンクの液位を検出する液位センサをさらに備えて、
    前記再供給ユニットは、前記廃薬液タンクの液位が所定の液位を超えたときに前記廃薬液タンクに収容されている廃液を前記吸着塔に再供給することを特徴とする請求項5に記載の放射性廃液の処理装置。
  8. 前記吸着塔内に挿入された吸着材注入ラインを介して前記吸着材を前記吸着塔に注入する吸着材充填部と、
    前記吸着塔内に挿入された吸着材排出ラインを介して排出させた前記吸着材を流入させて、この吸着材を固形分と液体分とに分離する固液分離装置と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の放射性廃液の処理装置。
  9. 前記計測ユニットは、前記吸着塔の通水方向と直交する方向に前記ガンマ線検出器を移動させて、前記ガンマ線検出器と前記吸着塔の表面との間の距離を調整する駆動機構を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の放射性廃液の処理装置。
  10. 前記計測ユニットは、前記ガンマ線検出器と前記吸着塔の表面との間に前記吸着塔から放出される前記ガンマ線を低減させる遮蔽板を挿入可能な可変式遮蔽機構をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の放射性廃液の処理装置。
  11. 前記薬液は、pHが前記吸着塔に供給される前記放射性廃液よりも高い、水酸化カリウム溶液及び水酸化ナトリウム溶液のいずれか1種またはこれらの混合液であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の放射性廃液の処理装置。
  12. 前記薬液は、pHが前記吸着塔に供給される前記放射性廃液よりも高い、カリウムイオンを含む、硝酸カリウムまたは塩化カリウムのアルカリ溶液のいずれか1種またはこれらの混合液であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の放射性廃液の処理装置。
  13. 前記吸着材は、結晶性ケイチタン酸塩、チタン酸、及びチタン酸塩のいずれか1種またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の放射性廃液の処理装置。
  14. 結晶性ケイチタン酸塩を含む2種類以上の前記吸着材を混合させて前記吸着塔に充填して、
    前記結晶性ケイチタン酸塩の割合が前記吸着塔の通水入口側から出口側に向かって漸次増加するように充填されることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の放射性廃液の処理装置。
  15. 放射性のセシウム及びストロンチウムの両方を吸着する吸着材が充填された吸着塔を用いて、
    前記セシウム及び前記ストロンチウムを含む放射性廃液を前記吸着塔に供給するステップと、
    前記吸着塔を通水した後の前記放射性廃液を収容するステップと、
    前記吸着塔の側面に設けられるとともに前記吸着材から放出されるガンマ線を検出するガンマ線検出器を有する計測ユニットを用いて、前記吸着塔の通水方向に沿って前記ガンマ線を検出して、前記吸着塔の通水入口側から出口側までの各位置におけるガンマ線スペクトルを計測するステップと、
    前記各位置で計測された前記ガンマ線スペクトルから前記セシウムの放射線計数率をそれぞれ求めて、前記吸着塔の通水入口側から出口側までの前記セシウムの濃度分布を導出するステップと、
    導出された前記濃度分布が所定の濃度範囲内に有るか否かを判定するステップと、
    前記所定の濃度範囲を超えていると判定された場合に、前記放射性廃液の供給を停止させて、アルカリ性の薬液を前記吸着塔に供給させるステップと、を含むことを特徴とする放射性廃液の処理方法。
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