JP6460941B2 - 伝送線路変換器 - Google Patents
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Description
このような伝送線路変換器では、信号の反射が少なく、効率よく信号を伝送することが求められる。また、用途によっては、基板上の線路と同軸線路の接続にはんだ付け等を用いず、繰り返し脱着が可能であることが求められる。
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、基板が金属筐体から離れた場合でも低反射特性を実現する伝送線路変換器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願発明に係る伝送線路変換器は、板状の誘電体、前記誘電体の一面に設けられた地導体、前記誘電体の前記地導体と反対の面に設けられた信号導体、前記地導体の第1の開口部内に前記地導体と同一面に設けられスルーホールを介して前記信号導体と電気的に接続する電極端子、前記地導体に設けられた第2の開口部、を有する基板と、前記電極端子と接続する伸縮可能な導体構造と、前記基板の地導体の面と隣接し、前記導体構造が貫通する孔が設けられた筐体とを有し、前記第2の開口部は、前記基板と前記筐体が離れた場合に前記導体構造が伸縮することによるインピーダンスの不整合を減少させ前記筐体を、表面に導体が形成された誘電体としたことを特徴とする。
第1の開口部21は、ランド17に対向する地導体13の一部を取り去った開口であり、第2の開口部22は、信号導体12と対向する地導体13の一部を取り去った開口である。
信号導体12は、ランド17と接続されており、さらに、スルーホール16によって電極端子14と電気的に接続されている。ここでは、ランド17の形状を円形としているが、ランド17はスルーホール16の径をもとに製造上の観点から決定される最少寸法を満たす形状であれば、いかなる形状でもよい。
第2の開口部22は、後述する設計指針に則り設計される。
また、基板1のそりや組立時のばらつきなどにより基板1が金属筐体4から離れた場合の移動距離は0.5mmとなる場合について説明する。
本実施の形態に係る変換器のインピーダンス整合の原理について説明する。ここでは、基板1と金属筐体4が接触している場合の地点Aから見た入力インピーダンスZin1は50Ωに設計されており、かつ、信号導体12はその特性インピーダンスが50Ωとなるようその線路幅が設計されているものとする。
基板1が金属筐体4から離れた場合、導体構造2は反発力より電極端子14と接続を維持したまま伸長する。この際、導体構造2が伸長した分だけ回路内に誘導性の伝送線路が追加されるため、入力インピーダンスは誘導性に変化する。そのため、基板が浮いた際の地点Aでの入力インピーダンスZin1’は図5に示されるように誘導性となる。
次に、地点Bから見た入力インピーダンスZin2は、特性インピーダンスが50Ωのマイクロストリップ線路により、図5に示されるように地点Aから見た入力インピーダンスZin1’と大きさは変わらず、位相のみが変化する。
また、第2の開口部22と対向する箇所の信号導体12は基板1が金属筐体4から離れるに伴い、電界が疎になるため、高インピーダンスな伝送線路となる。したがって、基板1が金属筐体4から離れた場合において、第2の開口部22の幅を調整することで、50Ω以上であれば任意の特性インピーダンスの伝送線路を設計することができる。また、その電気長は第2の開口部22の長さ(点B−C間の距離)によって決定される。
以上に述べたように、第2の開口部22を設計することで、基板1が金属筐体4から離れた際にもインピーダンス整合ができ、反射特性の劣化を抑制することができる。
なお、第2の開口部22は、複数あっても良く、例えばスリット状の開口で構成しても良い。
なお、本実施の形態では、電源の内部抵抗および負荷インピーダンスを50Ωとしたが、50Ω以外であってもよい。また、基板が金属筐体から離れた場合の移動距離も0.5mm以外であってもよい。
実施の形態1では、金属筐体4を用いた伝送線路変換器100について説明した。本実施の形態では、金属筐体4よりも軽量でコストがかからない誘電体筐体5を用いることによって装置の重量を軽減するとともに、コストを削減した場合について説明する。
たとえば、孔51が設けられた誘電体52に対してめっき処理を施すことで、表面に導体面53が形成され、誘電体筐体5が得られる。孔51は実施の形態1の孔41と構造は同一である。
表面に導体面52を有する誘電体筐体5が実施の形態1における金属筐体4の役割を果たすため、金属筐体4を使用せずとも、基板1が誘電体筐体5から離れた際にもインピーダンス整合ができ、反射特性の劣化を抑制することができる。
Claims (3)
- 板状の誘電体、前記誘電体の一面に設けられた地導体、前記誘電体の前記地導体と反対の面に設けられた信号導体、前記地導体の第1の開口部内に前記地導体と同一面に設けられスルーホールを介して前記信号導体と電気的に接続する電極端子、前記地導体に設けられた第2の開口部、を有する基板と、
前記電極端子と接続する伸縮可能な導体構造と、
前記基板の地導体の面と隣接し、前記導体構造が貫通する孔が設けられた筐体とを有し、
前記第2の開口部は、前記基板と前記筐体が離れた場合に前記導体構造が伸縮することによるインピーダンスの不整合を減少させ、
前記筐体を、金属とした
ことを特徴とする伝送線路変換器。 - 板状の誘電体、前記誘電体の一面に設けられた地導体、前記誘電体の前記地導体と反対の面に設けられた信号導体、前記地導体の第1の開口部内に前記地導体と同一面に設けられスルーホールを介して前記信号導体と電気的に接続する電極端子、前記地導体に設けられた第2の開口部、を有する基板と、
前記電極端子と接続する伸縮可能な導体構造と、
前記基板の地導体の面と隣接し、前記導体構造が貫通する孔が設けられた筐体とを有し、
前記第2の開口部は、前記基板と前記筐体が離れた場合に前記導体構造が伸縮することによるインピーダンスの不整合を減少させ
前記筐体を、表面に導体が形成された誘電体とした
ことを特徴とする伝送線路変換器。 - 前記第2の開口部は、前記地導体の前記信号導体に対向する位置に設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の伝送線路変換器。
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