JP6460776B2 - 鉄骨工事における鉄骨柱の自動建て入れ工法と鉄骨構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄骨工事における鉄骨柱の自動建て入れ工法と、その工法による鉄骨構造物に関するものである。
建設業における技能労働者の高齢化と減少化が進み、建設作業の省力化と効率化とが不可欠となっている。鉄骨工事においては、従来例1として、鉄骨部材の揚重はタワークレーンのオペレーターが行い、鉄骨部材の誘導、介錯ロープを用いて所定の向きに鉄骨部材を回転などさせての取付け、および調整は鳶工が行い、鉄骨部材の出来方精度計測は計測工が行って、所定の精度になるまで鳶工が鉄骨部材を微調整する。このようにそれぞれ連携して鉄骨工事を進めている。
従来例2として、鉄骨工事の自動化の例は特許文献1に記載されているように、鉄骨柱の建入において、移動作業床を設けて、該作業床に鉄骨柱を仮支持する縦横方向の微移動調整器に縦・横デジタル水準器を取付け、クレーン等で搬入された鉄骨柱を前記微移動調整器に支持させ、デジタル操作により垂直芯に対する偏差量を電気的に変換して、縦・横送り用のモータで自動的に修正する施工方法が知られている。
特開平06−264620号公報
しかし、上記の従来例1では、鉄骨部材の取り扱い作業を分業して、連携を取りながら鉄骨工事を行うので、例えば、鉄骨柱建て方作業に鳶工2名、鍛冶工1名、建て入れ計測に墨だし工が2名、鉄骨梁の建て方仮ボルト入れに鳶工が2名などで、合わせて5名〜7名と多くの労働者が必要となり、手間が掛かるものであって、更なる自動化・省力化が必要である。
また、上記の従来例2では、作業床を構築してその上に移動調整器を装備するので、設備の設置に手間が掛かるものであり、構築した設備の転用などに制約がありコストが嵩むことになる。本発明に係る鉄骨工事の自動化施工方法と構造物は、このような課題を解決するために提案されたものである。
本発明に係る鉄骨工事における鉄骨柱の自動建て入れ工法と鉄骨構造物の上記課題を解決して目的を達成するための要旨は、支柱に設けられたX軸−Y軸の2方向回動軸に吊り下げられた荷台でトータルステーションを常に鉛直状態に吊持させることができるTS固定治具を、前記支柱を介して鉄骨柱の上端部側に、着脱自在に取着し、前記トータルステーションが設けられた鉄骨柱は揚重装置で吊り上げて構築しようとする建物の所定の位置に搬送し、前記トータルステーションで2点以上の既知点を視準して該トータルステーションの位置を計算により求めて鉄骨柱の位置を計測して設置すべき位置に設置させると共に、該鉄骨柱の下端部側と前節柱の上端部側とに設けられたエレクションピース間にZ軸の上下方向を微調整するネジ手段と、該ネジ手段を回転駆動させるモーターとからなる建て起こしセットが装着され、前記トータルステーションにより、前記建て起こしセットで建て入れ調整することで基準内に収まるように鉛直状態に建て入れして基準位置の鉄骨柱とし、該建て入れしたトータルステーションを設けた鉄骨柱を最初の基準位置の柱として、その後に搬入される他の鉄骨柱の位置を前記トータルステーションで測定して当該他の鉄骨柱の建て入れ調整を順次・繰り返して建て入れを行うようにしたことである。
前記基準位置の柱となるトータルステーション付きの鉄骨柱に建て起こしセットを装着し、前記トータルステーションで2点以上の既知点を視準して該トータルステーションの位置を計算により求めて、当該トータルステーション付きの鉄骨柱の位置を計測しながら、前記建て起こしセットで建て入れ調整することで、トータルステーション付き鉄骨柱を基準内に収めることである。
また、前記トータルステーションは、TS固定治具により柱頭よりも高い位置に設置されることである。
前記TS固定治具には、鉄骨柱を鉛直方向に起立させた場合に、当該鉄骨柱側に固定したTS固定治具の支柱に対して、該支柱に吊持されトータルステーションを載置する荷台が動かないように位置固定する磁性吸着手段が設けられていることである。
前記トータルステーション付きの鉄骨柱が建て入れされた後に設置される他の鉄骨柱には、当該他の鉄骨柱の頭部の上に前記トータルステーション付きの鉄骨柱に向き合うように設定した反射プリズムが着脱自在に取着されていることである。
前記建て入れ調整する対象の他の鉄骨柱を設置した後に、該他の鉄骨柱における反射プリズムの位置をトータルステーション付きの鉄骨柱におけるトータルステーションで計測し、前記他の鉄骨柱に設けた建て起こしセットで、当該他の鉄骨柱の建て入れ調整をすることである。
前記建て入れ調整する前に、建て起こしセットにおけるモーターは制御装置により、ネジ手段にトルクを伝達する際の遊びを除去するために、トルクが一定値になりそこで回転停止するように回転駆動されることを含むものである。
本発明に係る構造物の要旨は、上記本発明に係る鉄骨工事の自動化施工方法によって鉄骨柱が構築され、その後、前記鉄骨柱に鉄骨梁が架設され床が構築されて、各階層が構築されてなることである。
本発明の鉄骨工事における鉄骨柱の自動建て入れ工法と鉄骨構造物によれば、鉄骨柱の建て方作業の技能労働者が、鍛冶工一人で済むようになり、且つ、建て入れ計測における墨だし工が不要となり、大幅な省力化が可能となるとともに、鉄骨柱の建て入れ作業の効率化が達成できる。





























また、トータルステーションをTS固定治具で鉄骨柱の頭部上に設置して、トータルステーションにより2点以上の既知点を視準して該トータルステーションの位置を計算により求めて、トータルステーションの位置を測定できるようになり、低コストでの測量が可能となる。更に、前記トータルステーションにより、反射プリズムを備えた他の鉄骨柱の建て入れ調整が容易になり、鉄骨柱の準備の手間が掛からず工期も短縮される。
TS固定治具は、トータルステーションを常に鉛直状態に保持するだけで無く、鉄骨柱が鉛直状態になると磁性吸着手段により自動的に支柱に荷台が固定されるので、トータルステーションにより2点以上の既知点を視準して該トータルステーションの位置を計算により求めることで位置測定が可能となる。このような磁性吸着手段もパイプジョイントなどの装着手段を用いて、低コストで装備できる。
建て起こしセットにより、X軸−Y軸の2方向において、ネジ手段によるZ軸の上下方向の移動を制御装置を介してモーターで必要な回転数を制御する。従って、従来の調整方法におけるトラワイヤー若しくは歪み直しワイヤーを使用しないで調整できて、微調整に掛かる時間が短時間で済み、自動化により高所作業が無くなり安全性が向上し、工期短縮となるとともに調整作業が効率化される。
他の鉄骨柱の建入れには、反射プリブムで位置決めできるようにしたので、建て入れ調整設備のコストを軽減できるとともに、建て入れ調整作業も効率化されるものである。
以上の様な鉄骨工事の自動化施工方法によって、構造物が効率的に構築されるものであると言う優れた効果を奏するものである。
本発明に係る鉄骨工事の自動化施工方法による鉄骨柱の建て入れ調整を説明する説明用斜視図である。 同本発明の鉄骨工事の自動化施工方法における、TS固定治具の取付けと、その使用状態を説明する説明図である。 同TS固定治具の正面図(A)と、側面図(B)とである。 同鉄骨工事の自動化施工方法における、建て起こしセットの使用状態の側面図である。 同建て起こしセットの装着手順を示す説明用斜視図(A)〜(D)である。 同建て起こしセットによる調整手順を示すフローチャート図である。 同建て起こしセットによる建て入れの様子を、モニター画面で示す説明図である。 同鉄骨工事の自動化施工方法により、他の鉄骨柱を当て入れ調整する様子を説明する説明用斜視図である。
本発明に係る鉄骨工事の自動化施工方法は、図1に示すように、鉄骨柱1の上部にトータルステーション2を取付けて、該トータルステーションによる2点以上の既知点を視準して該トータルステーションの位置を計算により求めて、前記鉄骨柱1の位置を測定してそのデータを基に、制御装置(図中のモバイルPC10に内包されている)で建て起こしセットを駆動させることにより、基準値内に自動で建て入れする工法である。なお、吊持対象物であるトータルステーション(Total Station:TSと略記)2とは、測量器機の一つであって、距離を測る光波測距儀と角度を測るセオドライトを組み合わせ、角度と距離を同時に観測できるものである。また、マイコン機能と液晶画面を内蔵し、測量結果を自動的に記憶できる。
本発明に係る鉄骨工事の自動化施工方法の手順を説明すると、図1乃至図3に示すように、建て入れ対象物である鉄骨柱1の一端部である上部1aに、X軸−Y軸の2軸吊の荷台3aで常に吊持対象物を鉛直状態に保持するTS(トータルステーションの略記、以下同じ)固定治具3を着脱自在に取着する。
前記TS固定治具3は、図2に示すように、鉄骨端1の上部1a側の梁端部材1bに、3次元クランプ等(図示せず)のジョイント手段により、支柱3bが着脱自在に取付けられる。このTS固定治具3は、階層ごとの建て入れ工事が終了すれば、上階の基準となる鉄骨柱に転用されるからである。
TS固定治具3の構造は、図3に示すように、例えば、金属パイプ製の荷台3aと、該荷台3aを吊持する吊持部材3dと、該吊持部材3dを支持して前後・左右方向に対して回動するように支持される基台3eと、該基台3eを前後・左右に回動するように支持する継手部材3fと、該継手部材3fを支持する逆J字型の支柱3bとで構成されている。
また、前記TS固定治具3には、鉄骨柱1を鉛直方向に起立させた場合に、当該鉄骨柱1側に固定したTS固定治具3の支柱3bに対して、該支柱3bに吊持されトータルステーション2を載置する荷台3aが動かないように位置固定する磁性吸着手段である永久磁石3cが設けられている。該永久磁石3cは、パイプジョイント等を介して前記支柱3bに固定されている。
次に、図2に示すように、前記TS固定治具3の荷台3aにトータルステーション2を載置して、鉄骨柱1に吊持させる。そして、前記鉄骨柱1をタワークレーン等の揚重装置(図示せず)で吊り上げて、図1に示すように、構築中の建物の所定の位置に搬入する。前記トータルステーション2は、図2に示すように、TS固定治具3により、鉄骨柱1の柱頭よりも高い位置に設置される。後述のトータルステーションにより2点以上の既知点を視準して該トータルステーションの位置を計算により求める際に、視界を確保するためである。
次に、前記設置した鉄骨柱1に図4に示す建て起こしセット4を装着する。この建て起こしセット4は、図4乃至図5(A)に示すように、鉄骨柱1と前節の鉄骨柱1cとの上下接合箇所(4面に4箇所)に固着されているエレクションピース5a,5bがある。
図5(B)に示すように、前記エレクションピース5a,5bに、Z軸方向の調整ボルト6a、転倒防止ボルト6bおよび目違い調整用ボルト6c、微調カム6d、調整クサビ6eを有する調節治具である建て方治具6(一例として、建て方エース(商標)、市販の治具である)を装着させる。前記目違い調整用ボルト6cを締め付けて、エレクションピース5a,5bに前記建て方治具6を取付け固定する。
前記建て方治具6の上部に、図4および図5(C)に示すように、穴の空いた四角形状の底枠7aにその一端縁側に支持枠7bを取付けてなる駆動装置用荷台7を装着する。装着時の固定には、支持枠7bの側壁に備えたボルト8a・ナット8bで位置固定する。
この駆動装置用荷台7に、図4および図5(D)に示すように、前記調整ボルト6aを回転駆動させる駆動装置9、該駆動装置9はモーター9a,減速機9b,回転軸部9c,調整ボルト6aの頭部に嵌合するユニバーサルシャフト9dでなるもの、を載置する。この建て方治具6と駆動装置載置台7と駆動装置9と、を1組にして、鉄骨柱1,1cの4面の4箇所にそれぞれ取付ける。
前記4箇所の駆動装置9には、各モーター9aに制御装置が電気的に接続される。この制御装置は、パーソナルコンピュータ(図示せず)若しくは図1に示すモバイルPC10および画像表示用のモニタ(図示せず)等で構成される。前記モバイルPC10等には、計測データを入力し、その計測データと基準値との相違を少なくする方向にモーター9aを必要数回転させる制御信号を出力させるプログラムが組み込まれている。
このようにして構成される前記建て起こしセット4は、鉄骨柱1,1cのエレクションピース5a,5bに装着した前記建て方治具6の、Z軸の上下方向を微調整するネジ手段である調整ボルト6aをユニバーシャルシャフト9dを介して必要数回転させて、鉄骨柱1を基準値内に建て入れ調整するものである。
以上のように、鉄骨柱の建て入れに必要な各装置について説明したので、次に、それによる鉄骨柱1の建て入れ調整方法について説明する。図1と、図6乃至図7に示すように、最初に作業現場にて、建て入れする鉄骨柱1にTS固定治具3でトータルステーション2を取付ける。このトータルステーション2付きの鉄骨柱1をクレーンで、構築する階層における所定位置にある前節の鉄骨柱1cに接続する。
前記鉄骨柱1の4面に建て起こしセット4を配設する。建て方治具6の目違い調整用ボルト6cで、比較的大きなズレを目違い調整する。その後、4箇所の建て起こしセット4の中継電源をONにして、モーターボックスにおける電池を設置してセット完了とする。図7に示すように、モニターの画面に、鉄骨柱の建て入れ調整に必要な測定項目、計測結果の位置を示す画像部分等が表示されている。
次に、図6中のステップ(STと略記する)1、ST2に示すように、前記各モーター9aに通電して、肌合わせを行う。これは、建て入れ調整する前に、モーター9aからネジ手段である調整ボルト6aにトルクを伝達する際の、歯車や嵌合部などの遊びを除去するために行うものである。モバイルPC10の制御装置でモーター9aを回転駆動させて、そのモーター9aのトルクが一定値になり、そこでモーター9aが回転停止するように回転制御される。
前記肌合わせが4箇所のモーター9aのトルク管理で「良」となると、モバイルPC10側で準備完了と判定され、ST3で調整の準備完了となる。そして、ST4で、モバイルPC10から無線で指令して、トータルステーション2により、既知点a,bによって、前記鉄骨柱1の位置を計測する。
前記モバイルPC10のプログラムで、図7に示すモニター画面に表示された基準値と計測した位置データとの相違によって、鉄骨柱1における4箇所のモーター9aのNo.1〜No.4号機のうち、X軸−Y軸において、どの2箇所の号機のモーター9aを駆動させるかを決定する。そして、ST5で、決定した号機に対して指定信号を伝達する。ST6で、指定された2箇所のモーター9aの号機において、パイロットランプ(PL)が点灯する。
前記指定された2箇所の号機から受信完了の信号がモバイルPC10側に伝達されると、ST7でモバイルPC10において、Z軸方向に移動すべき移動量に対応するモーター9aのピッチから必要回転数が計算される。更に、その必要回転数だけ回転駆動するように、前記2箇所の号機におけるモーター9aにそれぞれ前記モバイルPC10から指令される。
ST8で、指令された前記2箇所のモーター9aが制御された回転数分だけ回転駆動するとともに、そのトルクに異常が無いか、調整ボルト6aが移動した分のピッチ量がセンサー等で監視される。図7に示すモニター画面の中央で、鉄骨柱1の最初の計測した位置を示す枠が、調整により基準値の枠に近づいて移動する様子が確認できる。
ST9で、前記2箇所のモーター9aの動作が完了し、その状態を維持するためにモーター9aの駆動歯車系にブレーキが作動する。更に、前記動作が完了した旨の信号がモバイルPC10に伝達される。ST10で、モバイルPC10からの指令で、前記トータルステーション2により2点以上の既知点を視準して該トータルステーションの位置を計算により求めて再計測が行われる。
鉄骨柱1の位置が建て入れの基準値範囲内(例えば、±1mm以内)であれば、ST11で建て起こしセット4側で完了パイロットランプが点灯する。前記基準値の範囲以内に収まっていない場合には、ST4の計測開始から建て入れ調整が繰り返される。
鉄骨柱1の建て入れ調整が完了すると、図4に示す隙間αを有して取着されている建て方治具6の転倒防止ボルト6bを、手動で4箇所にて規定のトルクに締め込んで、建て入れ調整した鉄骨柱1を固定する。ST12で、ブレーキ強制解除許可の指令が前記2箇所のモーター9aに伝達される。
これにより、モーター9aの駆動歯車系におけるブレーキが解除され、トルク伝達経路が弛緩される。それにより図4に示すユニバーサルシャフト9dの下端部と、調整ボルト6aの頭部との嵌合部が緩んで、その嵌合部からユニバーサルシャフロ9dを外しやすくなる。その後、駆動装置9と駆動装置用荷台7とを、建て方治具6から外して撤去する。この駆動装置9と駆動装置用荷台7とは、他の鉄骨柱に転用される。
なお、建て入れ調整中に建て起こしセット4において、ST13で、常に、何らかの異常をセンサーが検知すれば、異常検知信号がモバイルPC10に伝達されて、当該異常状態を解消させる。そして、初期状態で異常の無いことを前記センサーを介して確認するものである。
以上のようにして、前記トータルステーションで2点以上の既知点(a,b)を視準して該トータルステーションの位置を計算により求めることで、当該鉄骨柱1の位置を計測し、前記建て起こしセット4で建て入れ調整することで、前記鉄骨柱1を基準値の範囲内に収める。
前記トータルステーション付きの鉄骨柱1を最初の基準位置の柱として、その後に設置される他の鉄骨柱1dの位置を、図8に示すように、前記トータルステーション2で測定して当該他の鉄骨柱1dの建て入れ調整を順次・繰り返して行う。
前記他の鉄骨柱1dに係る建て入れ調整の具体的工法は、トータルステーション付きの鉄骨柱1が建て入れされた後に、設置される他の鉄骨柱1dには、設置される前に予め、若しくは設置後に、当該他の鉄骨柱1dの頭部の上に、前記トータルステーション付きの鉄骨柱1にそれぞれの位置に置いて向き合うように方向を設定した、反射プリズム11が着脱自在に取着される。
前記トータルステーション付きの鉄骨柱1におけるトータルステーション2の位置を基準点として、建て入れ調整する対象の他の鉄骨柱1dにおける反射プリズム11の位置を前記トータルステーション2で計測する。
そして、基準値との誤差が所定の範囲内に収まるように、他の鉄骨柱1dに設けた建て起こしセット4で、それぞれ他の鉄骨柱1dを建て入れ調整するものである。この建て入れ調整は前記鉄骨柱1で行った調整方法と同じであり、重複した説明を省略する。
その後、図8に示すように、ある階層の鉄骨柱1,1dの全部の建て入れ調整が終了した後に、前節の鉄骨柱1cと鉄骨柱1,1dとの溶接工事を行う。その後、建て方治具6を撤去して他に転用し、各鉄骨柱のエレクションピース5a,5bを切断して撤去する。
以上のように、本発明に係る鉄骨工事の自動化施工方法によって、各階層の鉄骨柱1,1dが構築され、その後、前記鉄骨柱1,1dに鉄骨梁が架設され、更に床,内外壁などが構築され、各階層が構築されて、自動化、省力化された新設の構造物が構築される。
本発明に係る鉄骨工事の自動化施工方法とその構造物によれば、鉄骨造の構造物に広く適用して、自動化及び省力化がなされるものである。
1 鉄骨柱、 1a 上部、
1b 梁端部材、 1c 前節の鉄骨柱、
1d 他の鉄骨柱、
2 トータルステーション、
3 TS固定治具、 3a 荷台、
3b 支柱、 3c 永久磁石、
3d 吊持部材、 3e 基台、
3f 継手部材、
4 建て起こしセット、
5a,5b エレクションピース、
6 建て方治具、 6a 調整ボルト、
6b 転倒防止ボルト、 6c 目違い調整用ボルト、
7 駆動装置用荷台、 7a 底枠、
7b 支持枠、
8a ボルト、 8b ナット、
9 駆動装置、 9a モーター、
9b 減速機、 9c 回転軸部、
9d ユニバーサルシャフト、
10 モバイルPC、
11 反射プリズム。

Claims (6)

  1. 支柱に設けられたX軸−Y軸の2方向回動軸に吊り下げられた荷台でトータルステーションを常に鉛直状態に吊持させることができるTS固定治具を、前記支柱を介して鉄骨柱の上端部側に、着脱自在に取着し、
    前記トータルステーションが設けられた鉄骨柱は揚重装置で吊り上げて構築しようとする建物の所定の位置に搬送し、前記トータルステーションで2点以上の既知点を視準して該トータルステーションの位置を計算により求めて鉄骨柱の位置を計測して設置すべき位置に設置させると共に、該鉄骨柱の下端部側と前節柱の上端部側とに設けられたエレクションピース間にZ軸の上下方向を微調整するネジ手段と、該ネジ手段を回転駆動させるモーターとからなる建て起こしセットを装着し、
    前記トータルステーションにより、前記建て起こしセットで建て入れ調整することで基準内に収まるように鉛直状態に建て入れして基準位置の鉄骨柱とし、
    該建て入れしたトータルステーションを設けた鉄骨柱を最初の基準位置の柱として、その後に搬入される他の鉄骨柱の位置を前記トータルステーションで測定して当該他の鉄骨柱の建て入れ調整を順次・繰り返して建て入れを行うようにしたこと
    を特徴とする鉄骨工事における鉄骨柱の自動建て入れ工法
  2. 前記TS固定治具には、鉄骨柱を鉛直方向に起立させた場合に、当該鉄骨柱側に固定したTS固定治具の支柱に対して、該支柱に吊持されトータルステーションを載置する荷台が動かないように位置固定する磁性吸着手段が設けられていること
    を特徴とする請求項1に記載の鉄骨工事における鉄骨柱の自動建て入れ工法
  3. 前記トータルステーション付きの鉄骨柱が建て入れされた後に設置される他の鉄骨柱には、当該他の鉄骨柱の頭部の上に前記トータルステーション付きの鉄骨柱に向き合うように設定した反射プリズムが着脱自在に取着されていること
    を特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の鉄骨工事における鉄骨柱の自動建て入れ工法
  4. 前記建て入れ調整する対象の他の鉄骨柱を設置した後に、該他の鉄骨柱における反射プリズムの位置をトータルステーション付きの鉄骨柱におけるトータルステーションで計測し、前記他の鉄骨柱に設けた建て起こしセットで、当該他の鉄骨柱の建て入れ調整をすること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鉄骨工事における鉄骨柱の自動建て入れ工法
  5. 前記建て入れ調整する前に建て起こしセットにおけるモーターは制御装置により、ネジ手段にトルクを伝達する際の遊びを除去するために、トルクが一定値になりそこで回転停止するように回転駆動されること、
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の鉄骨工事における鉄骨柱の自動建て入れ工法
  6. 上記請求項1〜5のいずれか1項による鉄骨工事における鉄骨柱の自動建て入れ工法によって鉄骨柱が構築され、その後、前記鉄骨柱間に鉄骨梁が架設され床が構築されて、各階層が構築されてなること
    を特徴とする鉄骨構造物。
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