JP6459996B2 - 画像処理装置、画像読取装置、異物画像領域検出方法 - Google Patents

画像処理装置、画像読取装置、異物画像領域検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像処理装置、画像読取装置および異物画像領域検出方法に関する。
一般に、ADF(Automatic Document Feeder)と発光部とイメージセンサーとを備える画像読取装置が知られている。前記ADFは、原稿を予め定められた原稿搬送路に沿って搬送する。前記発光部は前記原稿搬送路を移動中の前記原稿に光を照射する。前記イメージセンサーは、前記原稿搬送路を移動中の前記原稿からの主走査方向1ライン分ずつの反射光の光量を検出し、前記主走査方向1ライン分のアナログの画像データを順次出力する。前記主走査方向1ライン分のアナログの画像データは、一次元画像のデジタルデータへ変換される。以下、その一次元画像のデジタルデータのことをライン画像データと称する。
また、前記画像読取装置において、前記発光部と前記イメージセンサーとが一体化された構造を有するCIS(Contact Image Sensor)モジュールが採用されることが知られている。カラー画像を読み取り可能な前記CISモジュールは、それぞれ発光色が異なる3つの前記発光部を備える。この場合、順次異なる色の光が移動中の前記原稿に照射されるごとに、色ごとの前記ライン画像データが順次得られる。
前記発光部の色ごとの前記ライン画像データは、前記主走査方向に直交する副走査方向に沿って配列され、これにより、各色の2次元単色画像の画像データが得られる。さらに、各色の2次元単色画像が重ね合わされることにより、2次元カラー画像が得られる。
紙片などの異物が前記原稿搬送経路における画像の読取位置に存在すると、前記イメージセンサーを通じて得られる画像データの2次元画像において、ノイズ画像である前記異物の画像が前記副走査方向に沿う線状に形成される。この線状の異物画像はゴミ筋などと称される。複数の前記ライン画像データから線状の異物画像の領域を正確に検出することができれば、画像データの補正などの適切な対応が可能である。
例えば、前記ライン画像データ各々において、自画素から所定範囲内の画素群よりも低濃度側へ所定以上乖離した画素値を有し、かつ、前記主走査方向において連続する所定数以下の画素が、前記異物を表す異常画素として検出されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。さらに、前記異常画素が複数の走査ラインに亘って同一位置から検出された場合に、前記異常画素の画素値を補正することも知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−158782号公報
ところで、連続して得られる複数の前記ライン画像データにおいて、両隣の領域と比べて前記画素値が突出した領域が前記主走査方向の同じ位置で検出されることを条件として、前記異物画像の領域が検出されることが考えられる。これにより、前記副走査方向に沿う線状ではない領域が、前記異物画像の領域として誤検出されることを回避できる。
一方、例えば、RGB光源を順次点灯してカラー画像を読み取り可能な前記CISモジュールによれば、同一の原稿画像が読み取られた場合でも、色ごとの前記ライン画像データ間における画素値が大きく異なる。そのため、前記CISモジュールを通じて連続して得られる前記ライン画像データにおいて、前記異物に隣接する領域から前記異物の位置に亘る領域における前記画素値の変化の傾きが、前記原稿に照射される色ごとに異なる。
従って、前記異物の領域が、上記のように、前記ライン画像データ各々において両隣の領域の前記画素値との差が大きいことを条件として検出される場合、色の異なる前記ライン画像データ相互間において、検出される前記異物の領域の幅および位置にばらつきが生じる。そのため、前記異物画像の領域として検出されるべき領域の検出漏れが生じ得る。
本発明の目的は、イメージセンサーを通じて順次得られる複数のライン画像データから線状の異物画像の領域を検出する際の誤検出および検出漏れを防止し、異物画像の検出精度を向上することにある。
本発明の一の局面に係る画像処理装置は、異物幅領域検出部と、異物画像領域判定部とを備える。前記異物幅領域検出部は、イメージセンサーを通じて順次得られる主走査方向1ライン分のライン画像データ各々から、前記主走査方向の幅が予め定められた上限幅の範囲内の領域であるとともに両隣の領域と比べて画素値が突出して低いもしくは高い領域である異物幅領域を検出する。前記イメージセンサーは、移動中の原稿からの反射光の光量を検出するセンサーである。前記異物画像領域判定部は、複数の前記ライン画像データから検出される複数の前記異物幅領域が異物条件を満たすか否かを判定することにより、複数の前記異物幅領域が成す領域が異物画像の領域であるか否かを判定する。前記異物条件は、複数の前記異物幅領域が前記主走査方向に直交する副走査方向に沿って連続して並び、かつ、それぞれの前記主走査方向における位置および幅の違いが予め定められた許容範囲内に収まっているという条件である。
本発明の他の局面に係る画像読取装置は、移動中の原稿における主走査方向1ラインの部分からの反射光の光量を検出するイメージセンサーと、本発明の一の局面に係る画像処理装置とを備える。
本発明の他の局面に係る異物画像領域検出方法は、以下に示される各工程を含む。第1工程は、前記ライン画像データ各々から、前記主走査方向の幅が予め定められた上限幅の範囲内の領域であるとともに両隣の領域と比べて画素値が突出して低いもしくは高い領域である異物幅領域を検出する工程である。第2工程は、複数の前記ライン画像データから検出される複数の前記異物幅領域が前記異物条件を満たすか否かを判定することにより、複数の前記異物幅領域が成す領域が異物画像の領域であるか否かを判定する工程である。
本発明によれば、イメージセンサーを通じて順次得られる複数のライン画像データから線状の異物画像の領域を検出する際の誤検出および検出漏れを防止し、異物画像の検出精度を向上することが可能になる。
図1は、第1実施形態に係る画像読取装置を含む画像形成装置の構成図である。 図2は、第1実施形態に係る画像読取装置におけるイメージセンサーモジュールおよびその周辺の部分の構成図である。 図3は、第1実施形態に係る画像読取装置を含む画像形成装置における制御関連機器のブロック図である。 図4は、第1実施形態に係る画像読取装置を含む画像形成装置における画像処理部のブロック図である。 図5は、第1実施形態に係る画像読取装置が実行する異物幅領域検出処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図6は、第1実施形態に係る画像読取装置が実行する異物画像領域判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図7は、異物が存在する画像読取位置を通過中の原稿およびその原稿から得られるライン画像データにおける主走査方向の画素値分布の一例を表す図である。 図8は、異物が存在する画像読取位置を通過した原稿から読み取られた画像の一例を表す図である。 図9は、異物が存在する画像読取位置を通過した原稿から得られた連続する複数のライン画像データにおける副走査方向の画素値分布の一例を表す図である。 図10は、連続して得られた3色のライン画像データ各々における異物の領域およびそれに隣接する領域の画素値分布の一例を表す図である。 図11は、異物が存在する画像読取位置を通過した原稿から得られた連続する複数のライン画像データにおける副走査方向の画素値比率の分布の一例を表す図である。 図12は、第2実施形態に係る画像読取装置が実行する異物幅領域検出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
[第1実施形態:装置の構成]
まず、図1〜3を参照しつつ、第1実施形態に係る画像読取装置1およびそれを含む画像形成装置10の構成について説明する。
画像形成装置10は、本体部2および画像読取装置1を備える。また、画像形成装置10は、操作表示部80および本体部2の各機器および画像読取装置1を制御する制御部8も備える。
例えば、画像形成装置10は、複写機、複写機の機能を有するプリンターもしくはファクシミリ、または画像読取機能を含む複数の画像処理機能を備える複合機などである。
<画像読取装置1>
図1が示すように、画像読取装置1は、原稿走査ユニット11および原稿台カバー12を備える。原稿台カバー12は、原稿走査ユニット11に対して回動可能に支持されている。原稿走査ユニット11は透明の原稿台16を含み、原稿台カバー12は、原稿台16上を覆う。
原稿台16は、画像の読み取り対象物である原稿90が載置される部分である。一般に、原稿台16はプラテンガラスと称される。
原稿走査ユニット11は、さらにCISモジュール13および走査機構110などを備える。CISモジュール13はイメージセンサーモジュールの一例である。以下の説明において、原稿90に沿う一の方向およびそれに直交する方向のことを、それぞれ主走査方向D1および副走査方向D2と称する。
CISモジュール13は、原稿90における主走査方向D1に沿う1ライン分の画像を読み取るとともに読み取り画像に対応する画像データを出力する。走査機構110は、CISモジュール13を原稿台16に近接する位置で副走査方向D2に沿って往復移動させる機構である。
CISモジュール13は、副走査方向D2に沿って移動することにより、原稿台16に載置された原稿90の下面の画像を読み取るとともに読み取り画像の画像データを出力する。
原稿台カバー12には、ADF120が組み込まれている。ADF120は、原稿供給トレイ121、原稿送出機構122、原稿搬送機構123および原稿排出トレイ124を備える。
原稿送出機構122は、原稿供給トレイ121にセットされた原稿90を1枚ずつ原稿搬送路R0へ送り出す。原稿搬送機構123は、原稿送出機構122から送り出された原稿90を原稿搬送路R0に沿って搬送し、さらに原稿排出トレイ124へ排出する。
原稿搬送路R0は、透明なコンタクト部160に沿う固定読取位置P0を通る予め定められた経路に沿って形成されている。例えば、コンタクト部160は原稿台16の一部である。
なお、原稿搬送路R0を移動中の原稿90における副走査方向D2および主走査方向D1は、それぞれ原稿90の移動方向およびその移動方向に直交する方向である。
走査機構110は、CISモジュール13を固定読取位置P0に対向する位置に保持することができる。ADF120は、原稿台カバー12が閉じられ、CISモジュール13が固定読取位置P0に対向する状態で動作する。
CISモジュール13は、固定読取位置P0において移動中の原稿90の画像を読み取るとともに読み取り画像に対応する画像データを出力する。
図2が示すように、本実施形態におけるCISモジュール13は、カラー画像を読み取り可能なイメージセンサーモジュールである。この場合、CISモジュール13は、複数の発光部131とレンズ132とイメージセンサー133とを備える。複数の発光部131、レンズ132およびイメージセンサー133は、主走査方向D1に沿って延びて形成されている。
発光部131は、光源の一例であり、赤発光部131R、緑発光部131Gおよび青発光部131Bを含む。赤発光部131R、緑発光部131Gおよび青発光部131Bは、それぞれ発光色が異なり、また、それぞれ個別に発光可能である。
発光部131各々は、原稿90における主走査方向D1に沿う帯状の領域に光を照射する。
例えば、発光部131が、主走査方向D1に沿って配列された複数の発光ダイオードを含むLEDアレイであることが考えられる。レンズ132は、原稿90からの反射光をイメージセンサー133の受光部へ集光する。
CISモジュール13が固定読取位置P0に対向する状態において、発光部131は、移動中の原稿90の表面に対し、コンタクト部160を通じて光を照射する。さらに、イメージセンサー133は、移動中の原稿90における主走査方向D1の1ラインの部分からの反射光の光量を順次検出し、1ライン分の画像を表すアナログ画像データIaを順次出力する(図3参照)。
原稿搬送路R0の固定読取位置P0の両側にコンタクト部160と色基準部14とが対向して配置されている。色基準部14における固定読取位置P0に対向する面は、光の反射率の高い一様な基準色の面である。一般に、前記基準色は白色である。前記基準色が薄い黄色系の色などであることも考えられる。
<画像形成装置10の本体部>
画像形成装置10の本体部2は、画像読取装置1から出力される画像データに応じた画像をシート材9に形成する機器を含む。シート材9は、紙、コート紙、ハガキ、封筒、およびOHPシートなどのシート状の画像形成媒体である。
画像形成装置10の本体部2は、シート供給部30、シート搬送部3、画像形成部4、光走査部5および定着部6などを備える。図1が示す画像形成装置10は、電子写真方式の画像形成装置である。なお、画像形成装置10がインクジェット方式などの他の方式の画像形成装置であることも考えられる。
シート供給部30は、複数のシート材9が重ねて載置される部分である。シート搬送部3は、シート送出機構31およびシート搬送機構32を備える。
シート送出機構31は、シート材9をシート供給部30からシート搬送路300へ向けて送り出す。シート搬送機構32は、シート材9をシート搬送路300に沿って搬送する。これにより、シート材9は、画像形成部4および定着部6を通過した後にシート搬送路300の排出口からシート排出トレイ101上へ排出される。
画像形成部4は、ドラム状の感光体41、帯電装置42、現像装置43、転写装置45およびクリーニング装置47などを備える。感光体41は、現像剤の像を担持する像担持体の一例である。
感光体41が回転し、帯電装置42が感光体41の表面を一様に帯電させる。さらに、光走査部5がレーザー光を走査することにより帯電した感光体41の表面に静電潜像を書き込む。さらに、現像装置43が感光体41に前記現像剤を供給することにより、前記静電潜像を前記現像剤の像へ現像する。
さらに、転写装置45が、感光体41と転写装置45との間を移動中のシート材9に感光体41表面の前記現像剤の像を転写する。また、クリーニング装置47が感光体41表面に残存する前記現像剤を除去する。
定着部6は、ヒーターを内包する加熱ローラー61と加圧ローラー62との間に画像が形成されたシート材9を挟み込みつつ後工程へ送り出す。これにより、定着部6は、シート材9上の前記現像剤を加熱し、シート材9上に画像を定着させる。
操作表示部80は、例えばタッチパネルおよび操作ボタンなどを含む操作入力部であるとともに、液晶表示パネルおよび通知ランプなどを含む表示部でもある。
制御部8は、操作表示部80を通じて入力される入力情報および各種センサーの検出結果に基づいて、画像形成装置10が備える各種の電気機器を制御する。さらに、制御部8は、CISモジュール13から出力されるアナログ画像データIaに対する各種のデータ処理も実行する。
例えば、図3が示すように、制御部8は、MPU(Micro Processor Unit)81、記憶部82、機構制御部83、CIS制御部84、画像処理部85およびAFE(Analog Front End)87などを備える。さらに、制御部8は、本体部2側の制御機能を実現するレーザー制御部86なども備える。
機構制御部83、CIS制御部84、画像処理部85、レーザー制御部86およびAFE87の各々は、例えばDSP(Digital Signal Processor)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などによって構成される。
MPU81は、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。記憶部82は、MPU81に各種の処理を実行させるためのプログラムおよびその他の情報が予め記憶される不揮発性の情報記憶媒体である。記憶部82は、MPU81による各種情報の読み書きが可能な情報記憶媒体でもある。
制御部8は、MPU81が記憶部82に予め記憶された各種のプログラムを実行することにより画像形成装置10を統括的に制御する。
例えば、機構制御部83は、ADF120の利用による画像読取処理の開始条件が成立すると、原稿送出機構122および原稿搬送機構123を動作させる。これにより、原稿90が原稿搬送路R0に沿って搬送される。また、機構制御部83は、原稿台16の利用による画像読取処理の開始条件が成立すると、走査機構110を動作させる。これにより、CISモジュール13が副走査方向D2に沿って移動する。
CIS制御部84は、CISモジュール13の動作タイミングを制御する。CIS制御部84は、発光制御部841およびセンサー制御部842を含む。
発光制御部841は、必要なタイミングでCISモジュール13の赤発光部131R、緑発光部131Gおよび青発光部131B各々に対して発光信号を出力する。センサー制御部842は、イメージセンサー133による受光およびアナログ画像データIaの出力のタイミングを制御する。
AFE87は、CISモジュール13から出力されるアナログ画像データIaに対して予め定められたデータ処理を施す回路である。AFE87による前記データ処理は、アナログ画像データIaのオフセットレベルを調節するレベルシフト処理と、アナログ画像データIaを増幅する増幅処理と、アナログ画像データIaをデジタルのライン画像データIdへ変換するA/D変換処理とを含む。
画像処理部85は、AFE87を通じて得られるライン画像データIdを入力データとして各種の画像処理を実行する。例えば、画像処理部85は、シェーディング補正処理、光量相当データから濃度相当データへの変換処理およびガンマ補正などの周知の画像処理を実行する。これにより、画像処理が施された後の出力用画像データIdyが得られる。
なお、本実施形態における画像読取装置1の画像処理部85は、実施形態に係る画像処理装置の一例である。
レーザー制御部86は、出力用画像データIdyにおける各画素の濃度情報に従って光走査部5のレーザー光の強度を制御する。これにより、出力用画像データIdyに対応した静電潜像が感光体41の表面に形成される。
画像読取モードがカラーモードである場合、赤発光部131R、緑発光部131Gおよび青発光部131Bの各々が、赤色光、緑色光および青色光を順番に原稿90に照射する。これにより、イメージセンサー133は、原稿90における赤色画像、緑色画像および青色画像の各々を表す3色のアナログ画像データIaを順次出力する。
即ち、原稿90が順次異なる色の光で照明されるごとに、その原稿90からの反射光の光量を検出するイメージセンサー133およびAFE87を通じて、複数の色ごとの主走査方向D1の1ライン分のライン画像データIdが順次得られる。
一方、画像読取モードがモノクロモードである場合、赤発光部131R、緑発光部131Gおよび青発光部131Bが同時に点灯し、白色光が原稿90に照射される。この場合、イメージセンサー133は、単色のアナログ画像データIaを順次出力する。
従って、イメージセンサー133は、白色光が照射された原稿90からの反射光の光量を検出し、これにより、AFE87を通じて主走査方向1ライン分のモノクロのライン画像データIdが順次得られる。このようにして、原稿90の画像をモノクロ画像として読み取ることも可能である。なお、3色の画像から前記モノクロ画像が合成されることも考えられる。
[異物の画像について]
図7は、異物Nxが存在する固定読取位置P0を通過中の原稿90およびその原稿90から得られるライン画像データIdにおける主走査方向D1の画素値Vpの分布の一例を表す図である。また、図8は、異物Nxが存在する固定読取位置P0を通過した原稿90から読み取られた画像の一例を表す。
図7において、原稿90には原稿画像g1,g2,g3が形成されている。また、図7Aは、原稿画像g1,g3における副走査方向D2の先端部が固定読取位置P0を通過する第1状態を示す。また、図7Bは、原稿画像g1,g3における副走査方向D2の中央寄りの部分が固定読取位置P0を通過する第2状態を示す。
図7が示すように、画像読取装置1において、紙片などの異物Nxが画像の読取位置である固定読取位置P0に存在する場合がある。この場合、図8が示すように、イメージセンサー133を通じて得られる複数のライン画像データIdが表す2次元画像において、異物Nxの画像である異物画像Nyが副走査方向D2に沿う線状に形成される。異物画像Nyは、異物Nxが固定読取位置P0に滞留することよって生じるノイズ画像である。複数のライン画像データIdから線状の異物画像Nyの領域を正確に検出することができれば、画像データの補正などの適切な対応が可能である。
図7が示すように、ライン画像データId各々における異物Nxの領域は、主走査方向D1において、比較的狭い幅で両隣の領域と比べて画素値Vpが突出する領域である。図7は、ライン画像データIdにおける異物Nxの領域が、主走査方向D1の両隣の領域と比べて画素値Vpが突出して低い領域である場合を示す。これは、異物Nxの画像が暗い陰の画像として現れる場合である。なお、ライン画像データIdにおける異物Nxの領域が、両隣の領域と比べて画素値Vpが突出して高い領域である場合も考えられる。
ところで、連続して得られる複数のライン画像データIdにおいて、両隣の領域と比べて画素値Vpが突出した各ラインの領域が主走査方向D1の同じ位置で検出されることを条件として、異物画像Nyの領域が検出されることが考えられる。これにより、原稿が読み取られて得られる画像において副走査方向D2に沿う線状ではない領域が、異物画像Nyの領域として誤検出されることを回避でき得る。
図9は、異物Nxが存在する固定読取位置P0を通過した原稿90から得られた連続する複数のライン画像データIdにおける副走査方向D2の画素値Vpの分布の一例を表す図である。図9において、Vpnは異物Nxの領域の画素値を表し、Vpbは主走査方向D1において異物Nxに隣接する隣接領域の画素値を表す。さらに、図9において、R,G,Bは、それぞれ赤色、緑色および青色のライン画像データIdの画素値Vpであることを示す。
また、図10は、連続して得られた3色のライン画像データId各々における異物Nxの領域およびその領域に主走査方向D1において隣接する領域の画素値Vp分布の一例を表す図である。図10A、図10Bおよび図10Cは、それぞれ赤色、緑色および青色のライン画像データIdにおける画素値Vp分布の一例を表す。
図9が示すように、カラー画像を読み取り可能なCISモジュール13によれば、同一の原稿画像が読み取られた場合でも、色ごとのライン画像データId間における画素値Vpが大きく異なる。そのため、図10が示すように、CISモジュール13を通じて連続して得られるライン画像データIdにおいては、異物Nxに隣接する領域から異物Nxの位置に亘る領域における画素値Vpの変化の傾きが、原稿90に照射される色ごとに異なる。
従って、本実施形態のように赤発光部131R、緑発光部131Gおよび青発光部131Bを順次点灯させる場合、異物Nxの領域が、ライン画像データId各々において隣り合う領域(画素群)の画素値Vpの差が大きいことを条件として検出される場合、色の異なるライン画像データId間において、検出される異物Nxの領域の幅および位置にばらつきが生じる。これにより、前記異物画像の領域として検出されるべき領域の検出漏れが生じ得る。なお、図10において、Xs,Xeは、それぞれ異物Nxの領域の始点位置および終点位置を表し、Wnは異物Nxの領域の幅を表す。
以上に示したように、カラー画像読取用のCISモジュール13が採用される場合のように、イメージセンサー133を通じて順次得られるライン画像データId各々において、異物Nxの周辺の位置から異物Nxの位置に亘る領域における画素値Vpの変化の傾きがばらつく。そのような場合であっても、画像読取装置1が採用されれば、複数のライン画像データIdから線状の異物画像Nyの領域を検出する際の誤検出および検出漏れを防止できる。以下、その詳細について説明する。
[画像処理部85]
図4が示すように、画像処理部85は、異物幅領域検出部851、異物画像領域判定部852、異物データ置換部853およびその他データ処理部854を含む。
異物幅領域検出部851は、異物幅領域検出処理を実行する。前記異物幅領域検出処理は、イメージセンサー133を通じて順次得られる主走査方向1ライン分のライン画像データId各々から、予め定められた異物幅条件を満たす領域である異物幅領域Anwを検出する処理である。
前記異物幅条件は、主走査方向D1の幅が予め定められた上限幅Xwmaxの範囲内の領域(複数の画素から成る画素群)であり、かつ、主走査方向D1の両隣の領域と比べて画素値Vpが突出して低いもしくは高い領域である、という条件である。前記異物画像領域判定処理の具体例については後述する。
異物画像領域判定部852は、異物画像領域判定処理を実行する。前記異物画像領域判定処理は、複数のライン画像データIdから検出される複数の異物幅領域Anwが、予め定められた異物条件を満たすか否かを判定することにより、複数のライン画像データIdから検出される複数の異物幅領域Anwが成す領域が異物画像Nyの領域であるか否かを判定する処理である。
前記異物条件は、前記主走査方向に直交する副走査方向に沿って連続して並び、かつ、それぞれの前記主走査方向における位置および幅の違いが予め定められた許容範囲内に収まっているという条件である。前記異物画像領域判定処理の具体例については後述する。
異物データ置換部853は、データ置換処理を実行する。前記データ置換処理は、複数のライン画像データIdにおける異物画像Nyの領域の画素値Vpを異物画像Nyの領域の周辺領域の画素値Vpまたはその周辺領域の画素値Vpの代表値に置換する処理である。
より具体的には、前記データ置換処理は、ライン画像データId各々における異物画像Nyの領域の一部を成す異物幅領域Anwの画素値Vpを、当該異物幅領域Anwの隣の領域の画素値Vpまたはその隣接領域の画素値Vpの代表値に置換する処理である。
例えば、前記データ置換処理において、ライン画像データIdにおける異物幅領域Anwの画素値Vpが、異物幅領域Anwの隣の2〜3画素分程度の複数の画素値Vpの平均値に置換される。また、異物幅領域Anwの画素値Vpが、異物幅領域Anwの隣の画素の画素値Vpに置換されることも考えられる。
その他データ処理部854は、前記データ置換処理が施された後のライン画像データId各々について、シェーディング補正処理、光量相当データから濃度相当データへの変換処理およびガンマ補正処理などの画像処理を実行する。
ライン画像データIdに対してその他データ処理部854の処理が施された後のデータが出力用画像データIdyである。画像形成部4は、画像読取装置1により得られる出力用画像データIdyに対応する画像をシート材9に形成する。
[前記異物幅領域検出処理<第1実施形態>]
次に、図5が示すフローチャートを参照しつつ、第1実施形態における前記異物幅領域検出処理の手順の一例について説明する。異物幅領域検出部851は、イメージセンサー133からAFE87を通じてライン画像データIdが得られるごとに前記異物幅領域検出処理を実行する。
以下の説明において、S101,S102,・・・は、画像処理部85の異物幅領域検出部851が実行する工程の識別号である。なお、以下に示される工程S101〜S109は、異物幅領域を検出する工程の一例である。
<工程S101>
まず、異物幅領域検出部851は、主走査方向D1における注目位置iを初期化する。注目位置iは、主走査方向D1に並ぶ複数の画素の番号である。例えば、注目位置iの初期値が、主走査方向D1の始端の画素から2〜3画素程度の予め定められた画素数分の間隔を空けた位置であることが考えられる。
なお、本実施形態において、主走査方向D1におけるある位置を基準にしたときの隣の位置および隣の領域とは、主走査方向D1の一端である前記始端側の隣の位置および領域を意味する。
<工程S102>
次に、異物幅領域検出部851は、注目位置iの隣接領域の画素値Vpの代表値である隣接領域レベルを算出する。前記隣接領域は、注目位置iの隣の予め定められた画素数分の領域である。例えば、前記隣接領域レベルが、前記隣接領域の画素値Vpの平均値であることが考えられる。
なお、注目位置iの隣の画素の画素値Vpが、前記隣接領域レベルとして設定されることも考えられる。
<工程S103>
さらに、異物幅領域検出部851は、前記隣接領域レベルに対する注目位置iの画素値Vpの変化量が予め設定された基準変化量ΔLsより大きいか否かを判定する。
<工程S104>
注目位置iの画素値Vpの変化量が基準変化量ΔLsよりも大きい場合、異物幅領域検出部851は、そのときの注目位置iを異物幅領域Anwの始点位置Xsとして設定する。
即ち、工程S104における異物幅領域検出部851は、ライン画像データId各々から、主走査方向D1における画素値Vpの変化量が予め設定されたしきい変化量を超える位置を始点位置Xsとして検出する。工程S104の処理を実行する異物幅領域検出部851は、始点位置検出部の一例である。また、基準変化量ΔLsが前記しきい変化量の一例である。
<工程S105>
次に、異物幅領域検出部851は、始点位置Xsを基点とする主走査方向D1の幅が予め定められた上限幅Xwmaxの範囲内の領域において終点位置Xeを検出する。終点位置Xeは、画素値Vpが前記隣接領域レベルと同じレベルに戻る位置に対して1画素分手前の位置である。なお、前記手前の位置は、前記始端側の隣の位置を意味する。工程S105の処理を実行する異物幅領域検出部851は終点位置検出部の一例である。
例えば、注目位置iの画素値Vpが前記隣接領域レベルに対してマイナス側へ変化している場合が考えられる。この場合、異物幅領域検出部851は、始点位置Xsを基点とする上限幅Xwmaxの範囲内の領域において、始点位置Xs側からの各位置の画素値Vpを前記隣接領域レベルと比較し、画素値Vpが最初に前記隣接領域レベル以上となる位置の手前の位置を終点位置Xeとして設定する。
また、注目位置iの画素値Vpが前記隣接領域レベルに対してプラス側へ変化している場合も考えられる。この場合、異物幅領域検出部851は、始点位置Xsを基点とする上限幅Xwmaxの範囲内の領域において、始点位置Xs側からの各位置の画素値Vpを前記隣接領域レベルと比較し、画素値Vpが最初に前記隣接領域レベル以下となる位置の手前の位置を終点位置Xeとして設定する。
<工程S106>
終点位置Xeが上限幅Xwmaxの範囲内の領域において検出された場合、異物幅領域検出部851は、始点位置Xsと終点位置Xeとの間の領域における画素値Vpが予め定められた中間値条件を満たすか否かを判定する。
例えば、前記中間値条件は、始点位置Xsと終点位置Xeとの間の領域における画素値Vpの代表値が予め定められた中間値範囲内であるという条件である。この場合、前記代表値が平均値またはピーク値であることが考えられる。
なお、注目位置iの画素値Vpが前記隣接領域レベルに対してマイナス側へ変化している場合、前記ピーク値は最低値である。一方、注目位置iの画素値Vpが前記隣接領域レベルに対してプラス側へ変化している場合、前記ピーク値は最大値である。
例えば 、画素値を8ビットで表す場合、画素値Vpの取り得る下限値が0で、上限値が255である。そして、例えば前記中間値範囲が180〜200であり、注目位置iの画素値Vpが前記隣接領域レベルに対してマイナス側へ変化している場合、始点位置Xsと終点位置Xeとの間の領域における画素値Vpの最低値(ピーク値)が180〜200の範囲内であれば、その最低値は前記中間値条件を満たす。一方、画素値Vpの最低値(ピーク値)が180よりも小さければ、その最低値は前記中間値条件を満たさない。
<工程S107>
始点位置Xsと終点位置Xeとの間の領域における画素値Vpが前記中間値条件を満たす場合、異物幅領域検出部851は、当該ライン画像データIdについての異物幅領域Anwの情報を不図示のRAMまたはフラッシュメモリーなどの記憶部に記憶させる。
異物幅領域Anwの情報は、始点位置Xsと終点位置Xeとそれらが検出されたライン画像データIdを識別するライン識別情報Lnとを含む。
即ち、工程S106,S107において、異物幅領域検出部851は、前記中間値条件の成立をもって始点位置Xsから終点位置Xeまでの領域を異物幅領域Anwと判定する。工程S106,S107の処理を実行する異物幅領域検出部851は中間値判定部の一例である。
<工程S108>
また、以下の4つの場合に、異物幅領域検出部851は、主走査方向D1における注目位置iを更新する。第1の場合は、工程S103において前記隣接領域レベルに対する注目位置iの画素値Vpの変化量が基準変化量ΔLs以下であると判定された場合である。第2の場合は、工程S105において終点位置Xeが検出されなかった場合である。第3の場合は、工程S106において前記中間値条件が成立しなかった場合である。第4の場合は、工程S107において異物幅領域Anwの情報が記憶された場合である。
具体的には、前記第1の場合および前記第2の場合には、その時点の注目位置iの次の画素の位置が新たな注目位置iとして設定される。換言すれば、iに1を加算する。また、前記第3の場合および前記第4の場合には、終点位置Xeから2〜3画素程度の予め定められた画素数分の間隔を空けた位置が、新たな注目位置iとして設定される。
<工程S109>
注目位置iが更新されると、異物幅領域検出部851は、更新後の注目位置iが予め設定された検出範囲から外れる位置に達したか否かを判定する。
更新後の注目位置iが前記検出範囲外であれば、今回得られたライン画像データIdについての前記異物幅検出処理が終了する。その後、異物幅領域検出部851は、新たなライン画像データIdが得られたときに工程S101からの処理を実行する。
一方、更新後の注目位置iが前記検出範囲内であれば、異物幅領域検出部851は、新たな注目位置iについて工程S102からの処理を実行する。
本実施形態において、前記画像読取モードが前記カラーモードである場合、異物幅領域検出部851は、原稿90が順次異なる色の光で照明されるごとに得られる複数の色ごとのライン画像データId各々について異物幅領域Anwを検出する。
一方、前記画像読取モードが前記モノクロモードである場合、異物幅領域検出部851は、原稿90が白色光で照明される状態で得られる複数の単色のライン画像データId各々について異物幅領域Anwを検出する。
前記異物幅領域検出処理によって検出される異物幅領域Anwは、1組のライン画像データIdのみに基づいて判定した場合に異物Nxが存在する可能性があると考えられる領域である。異物幅領域Anwが固定読取位置P0の異物Nxに起因する線状の異物画像Nyの一部であるか否かの判定は、前記異物画像領域判定処理によって判定される。
[前記異物画像領域判定処理]
次に、図6のフローチャートを参照しつつ、前記異物画像領域判定処理の手順の一例について説明する。異物画像領域判定部852は、異物幅領域Anwが検出されるごとに前記異物画像領域判定処理を実行する。
以下の説明において、S201,S202,・・・は、画像処理部85の異物画像領域判定部852が実行する工程の識別号である。なお、以下に示される工程S201〜S210は、複数の異物幅領域Anwが成す領域が異物画像Nyの領域であるか否かを判定する工程の一例である。
まず、不図示の初期工程として、連続カウンタが0にクリアされた後に、処理が工程S201に進む。前記連続カウンタは、1ラインの主走査方向の画素数分設けられている。
<工程S201>
次に、異物画像領域判定部852は、検出された異物幅領域Anwの情報を異物幅領域検出部851から取得する。
<工程S202>
さらに、異物画像領域判定部852は、前回および今回に検出された異物幅領域Anwの情報を比較することにより、前回および今回の異物幅領域Anwが副走査方向D2に沿って連続しているか否かを判定する。
即ち、異物画像領域判定部852は、前回および今回に検出された異物幅領域Anwのライン識別情報Lnが示すラインが副走査方向D2において隣り合うラインであり、かつ、前回および今回に検出された異物幅領域Anwの始点位置Xsから終点位置Xeまでの範囲の少なくとも一部が重複している場合に、前回および今回の異物幅領域Anwが副走査方向D2に沿って連続していると判定し、その他の場合に、異物画像領域判定部852は、前回および今回の異物幅領域Anwが副走査方向D2に沿って連続していないと判定し、処理は工程S206に進む。
<工程S203>
前回および今回の異物幅領域Anwが副走査方向D2に沿って連続していると判定された場合、異物画像領域判定部852は工程S203の処理を実行する。
工程S203において、異物画像領域判定部852は、今回の異物幅領域Anwを含め副走査方向D2に沿って連続する全ての異物幅領域Anwについて、それらの主走査方向D1の位置ずれが予め定められた許容位置ずれ範囲内に収まっているか否かを判定する。主走査方向D1の位置ずれが予め定められた前記許容位置ずれ範囲内に収まっている場合には、処理は工程S204に進む。一方、主走査方向D1の位置ずれが前記許容位置ずれ範囲内に収まっていない場合には、処理は工程S206に進む。前記許容位置ずれ範囲は、少なくとも1画素分以上の範囲である。
例えば、前記位置ずれの判定処理が、異物幅領域Anw各々の中心位置のずれが前記許容位置ずれ範囲内に収まっているか否かを判定する処理であることが考えられる。また、前記位置ずれの判定処理が、異物幅領域Anw各々の始点位置Xsのずれが前記許容位置ずれ範囲内に収まっているか否かを判定する処理であることなども考えられる。
<工程S204>
前回および今回の異物幅領域Anwの主走査方向D1の位置ずれが前記許容位置ずれ範囲内に収まっていると判定された場合、異物画像領域判定部852は、さらに工程S204の処理も実行する。
工程S204において、異物画像領域判定部852は、今回の異物幅領域Anwを含め副走査方向D2に沿って連続する全ての異物幅領域Anwについて、それらの主走査方向D1の幅の変動が予め定められた許容幅変動範囲内に収まっているか否かを判定する。連続する全ての異物幅領域Anwの主走査方向D1の幅の変動が前記許容幅変動範囲内に収まっている場合、処理は工程S205に進む。一方、連続する全ての異物幅領域Anwの主走査方向D1の幅の変動が前記許容幅変動範囲内に収まっていない場合には、処理は工程S206に進む。前記許容幅変動範囲は、少なくとも1画素分以上の範囲である。
例えば、前記幅の変動の判定処理が、連続する全ての異物幅領域Anwにおける最大幅に対する最小幅の比率が第1の許容幅変動範囲内に収まっているか否かを判定する処理であることが考えられる。また、前記幅の変動の判定処理が、副走査方向D2において隣り合うラインの2つの異物幅領域Anwの幅の変化率が第2の許容幅変動範囲内に収まっているか否かを判定する処理をさらに含むことなども考えられる。
また、前記幅の変動の判定処理が、連続する全ての異物幅領域Anwにおける最大幅と最小幅との差が第3の許容幅変動範囲内に収まっているか否かを判定する処理であることが考えられる。また、前記幅の変動の判定処理が、副走査方向D2において隣り合うラインの2つの異物幅領域Anwの幅の差が第4の許容幅変動範囲内に収まっているか否かを判定する処理をさらに含むことなども考えられる。
<工程S205>
前回および今回の異物幅領域Anwが副走査方向D2に沿って連続していると判定され、かつ、前記位置ずれが前記許容位置ずれ範囲内に収まっていると判定され、かつ、主走査方向D1における前記幅の変動が前記許容幅変動範囲内に収まっていると判定された場合、異物画像領域判定部852は、異物幅領域Anwの画素に対応する連続カウンタに1を加算し、処理が工程S205に進む。
工程S205において、異物画像領域判定部852は、今回の異物幅領域Anwを含め副走査方向D2に沿って連続する全ての異物幅領域Anwの集合を、暫定の異物画像領域の情報として不図示のRAMまたはフラッシュメモリーなどの記憶部に記憶させる。前記異物画像領域は、異物Nxに起因する線状の異物画像Nyの領域である。
なお、暫定の前記異物画像領域の情報が既に記憶されている場合、その情報は、今回の異物幅領域Anwが追加された情報に更新される。
<工程S206>
暫定の前記異物画像領域の情報が得られた後、異物画像領域判定部852は、新たな異物幅領域Anwが検出されるまでに原稿90の1ページ分の画像の読み取りが終了するか否かを判定する。異物画像領域判定部852が原稿90の1ページ分の画像の読み取りを終了したと判定した場合には、処理は工程S207に移行し、異物画像領域判定部852が原稿90の1ページ分の画像の読み取りを終了していないと判定した場合には、処理は工程S201に戻る。
<工程S207>
工程S207において、異物画像領域判定部852は、暫定の前記異物画像領域が予め定められた副走査方向D2の長さの条件を満たすか否かを判定する。即ち、異物画像領域判定部852は、工程S202〜S204で判定された条件を満たす複数の異物幅領域Anwが検出されたラインの数が予め定められた2以上の下限ライン数以上であるか否かを判定する。具体的には、異物画像領域判定部852は、予め定められた値以上の前記連続カウンタが存在する否かを判定する。
<工程S208>
暫定の前記異物画像領域が副走査方向D2の長さの条件を満たす場合、異物画像領域判定部852は、その暫定の情報を前記異物画像領域の確定情報として出力する。異物画像領域判定部852から出力された前記異物画像領域の確定情報は、異物データ置換部853へ伝送される。
なお、異物データ置換部853は、異物画像領域判定部852から取得した前記異物画像領域の確定情報から異物画像Nyの領域を特定する。さらに、異物データ置換部853は、特定した異物画像Nyの領域の画素値Vpをその領域の周辺領域の画素値Vpまたはその周辺領域の画素値Vpの代表値に置換する。異物画像Nyの領域の周辺領域は、例えば異物画像Nyの領域の隣の2〜3画素であり得る。そうして、異物画像領域判定処理が終了する。
以上に示したように、異物画像領域判定部852は、複数のライン画像データIdから検出される複数の異物幅領域Anwが予め定められた異物条件を満たすか否かを判定することにより、複数の異物幅領域Anwが成す領域が異物画像Nyの領域であるか否かを判定する(S202〜S208)。
本実施形態における前記異物条件は、以下の3の条件を含む。前記異物条件の第1条件は、複数のライン画像データIdから検出される複数の異物幅領域Anwが副走査方向D2に沿って連続して並ぶという条件である。前記第1条件は、工程S202,S207において判定される。
前記異物条件の第2条件は、検出される複数の異物幅領域Anwの主走査方向D1における位置の違いが前記許容位置ずれ範囲内に収まっているという条件である。前記第2条件は、工程S203において判定される。
前記異物条件の第3条件は、検出される複数の異物幅領域Anwの幅の違いが前記許容幅変動範囲内に収まっているという条件である。前記第3条件は、工程S204において判定される。
本実施形態によれば、副走査方向D2に沿う線状ではない領域が、異物画像Nyの領域として誤検出されることを回避できる。さらに、本実施形態によれば、移動する異物Nxが、原稿90の1ページ分の画像読取処理の途中で固定読取位置P0に出現したり、固定読取位置P0から外れたりするような場合でも、異物画像Nyの領域を検出することができる。
また、連続する主走査方向D1のラインにおいて複数の異物幅領域Anwが検出された場合に、それら異物幅領域Anwの位置および幅の違いが予め定められた許容範囲内に収まっていれば、それら異物幅領域Anwが成す領域が異物画像Nyの領域と判定される。
従って、複数の異なる色の光源を順次点灯させるカラー画像読取用のCISモジュール13が採用される場合のように、イメージセンサー133を通じて順次得られるライン画像データId各々において、異物Nxの周辺の位置から異物Nxの位置に亘る領域における画素値Vpの変化の傾きがばらつく場合であっても、異物画像Nyの領域の検出漏れを防止することができる。
また、図5が示す前記異物幅領域検出処理の工程S106,S107において、異物幅領域検出部851は前記中間値条件が成立する場合の始点位置Xsから終点位置Xeまでの領域を異物幅領域Anwと判定する。即ち、工程S106,S107において、ライン画像データId各々について、始点位置Xsと終点位置Xeとの間の領域における画素値Vpの代表値または全てが前記中間値範囲内である場合に、始点位置Xsから終点位置Xeまでの領域が異物幅領域Anwと判定される。
図7においてRmで示す範囲が前記中間値範囲の一例である。図7A,図7Bが示すように、異物Nxが占める小さな領域からの反射光の光量は、その周囲からの反射光が写り込むことにより、比較的狭い中間値範囲Rm内に収まることが多い。
また、図7Aが示すように、原稿画像g1,g3の領域の端部が固定読取位置P0を通過するときには、一時的に、原稿画像g1,g3からの反射光量と異物Nxからの反射光量との識別が難しい状況が生じ得る。しかしながら、図7Bが示すように、原稿画像g1,g2,g3が副走査方向D2に沿って走査される過程において、原稿画像g1,g2,g3の領域からの反射光の光量は、異物Nxの領域からの反射光の光量と識別できる程度により低い光量になる。
従って、始点位置Xsと終点位置Xeとの間の画素値Vpについての中間値範囲Rmの条件が異物幅領域Anwの検出条件として採用され、異物幅領域Anwの副走査方向の連続性が判定されることにより、原稿画像g1,g2,g3が異物Nxの画像として誤検出されることが防止される。
また、異物画像の領域の一部を成す異物幅領域Anwの画素値Vpが、異物幅領域Anwの隣の領域の画素値Vpまたは代表値に置換されることにより、異物Nxに起因するノイズ画像が修正された画像データを得ることができる。
[異物対応通知処理]
本実施形態において、制御部8のMPU81は前記異物対応通知処理を実行する。前記異物対応通知処理は、複数の異物幅領域Anwが成す領域が異物画像Nyの領域であるとの判定結果が得られた場合に、予め定められた通知を出力する処理である。この通知は、固定読取位置P0の清掃を促す通知である。
前記異物対応通知処理は、MPU81が記憶部812に予め記憶された異物対応通知プログラムPr1を実行することによって実現される。なお、異物対応通知プログラムPr1を実行するときのMPU81が通知部の一例である。
例えば、MPU81が、異物画像Nyの領域の検出履歴を記憶部812に記録し、異物画像Nyの領域が予め定められた頻度を超えて検出された場合に、操作表示部80を通じて固定読取位置P0の清掃を促す通知を出力する。
前記異物対応通知処理が行われることにより、ユーザーによる異物Nxを除去する対応が促され、異物Nxに起因する画質への悪影響が早期に解消される。
[第2実施形態]
次に、図11,12を参照しつつ、第2実施形態に係る画像読取装置における前記異物幅領域検出処理について説明する。
第2実施形態に係る画像読取装置も、第1実施形態に係る画像読取装置1と同様の構成を備える。但し、第2実施形態に係る画像読取装置において、画像幅領域検出部851は、第1実施形態における画像幅領域検出部851の処理と若干異なる前記異物幅領域検出処理を実行する。なお、第1実施形態および第2実施形態において、異物画像領域判定部852が実行する前記異物画像領域判定は同じである。
図9が示すように、カラー画像を読み取り可能なCISモジュール13によれば、同じ原稿画像について色ごとのライン画像データId相互間における画素値Vpが大きく異なる。
一方、本実施形態においては、異物Nxに隣接する隣接領域の画素値Vpbを基準にした各画素値Vpの比率である画素値比率Vrが、画素値Vpのレベルの指標値として用いられる。
図11は、異物Nxが存在する固定読取位置P0を通過した原稿90から得られた連続する複数のライン画像データIdにおける副走査方向D2の画素値比率Vrの分布の一例を表す図である。図11において、Vrnは異物Nxの領域の画素値比率Vrを表し、Vrbは異物Nxに隣接する前記隣接領域の画素値比率Vrを表す。さらに、図11において、R,G,Bは、それぞれ赤色、緑色および青色のライン画像データIdの画素値比率Vrであることを示す。
図11が示すように、画素値比率Vrが、画素値Vpのレベルの指標値として用いられれば、色ごとのライン画像データId相互間における画素値Vpの違いの影響を小さくした状態で、異物Nxの領域および前記隣接領域の反射光量の状態を比較することができる。
[前記異物幅領域検出処理<第2実施形態>]
以下、図12が示すフローチャートを参照しつつ、第2実施形態における第1実施形態と異なる部分である前記異物幅領域検出処理について説明する。図12は、第2実施形態における前記異物幅領域検出処理の手順の一例を示す。異物幅領域検出部851は、イメージセンサー133からAFE87を通じてライン画像データIdが得られるごとに前記異物幅領域検出処理を実行する。
以下の説明において、S301,S302,・・・は、画像処理部85の異物幅領域検出部851が実行する工程の識別号である。
<工程S301>
まず、異物幅領域検出部851は、図5の工程S101と同様に、主走査方向D1における注目位置iを初期化する。
<工程S302>
次に、異物幅領域検出部851は、図5の工程S101と同様に、注目位置iの隣の前記隣接領域の画素値Vpの代表値である隣接領域レベルを算出する。
<工程S303>
次に、異物幅領域検出部851は、前記隣接領域レベルを基準にした注目位置iの画素値Vpの変化率を算出し、その変化率が予め定められた基準変化率ΔRsより大きいか否かを判定する。例えば、前記隣接領域レベルを基準にした注目位置iの画素値Vpの比率が70%である場合、前記変化率は30%である。
本実施形態における工程S304〜S309の処理は、図5の工程S104〜S109の処理と同様である。以下、工程S304〜S309の処理についてごく簡単に説明する。
<工程S304>
前記隣接領域レベルを基準にした注目位置iの画素値Vpの変化率が基準変化率ΔRsよりも大きい場合、異物幅領域検出部851は、図5の工程S104と同様に、そのときの注目位置iを異物幅領域Anwの始点位置Xsとして設定する。
即ち、工程S304における異物幅領域検出部851は、ライン画像データId各々から、主走査方向D1における前記隣接領域の画素値Vpを基準にした注目位置iの画素値Vpの変化率が予め定められたしきい変化率を超えるときの注目位置iを異物幅領域Anwの始点位置Xsとして検出する。工程S304の処理を実行する異物幅領域検出部851は、始点位置検出部の一例である。また、基準変化率ΔRsが前記しきい変化率の一例である。
<工程S305>
次に、異物幅領域検出部851は、図5の工程S105と同様に、始点位置Xsを基点とする上限幅Xwmaxの範囲内の領域において終点位置Xeを検出する。
<工程S306>
終点位置Xeが上限幅Xwmaxの範囲内の領域において検出された場合、異物幅領域検出部851は、図5の工程S106と同様に、始点位置Xsと終点位置Xeとの間の領域における画素値Vpが前記中間値条件を満たすか否かを判定する。
<工程S307>
前記中間値条件が成立する場合、異物幅領域検出部851は、図5の工程S107と同様に、当該ライン画像データIdについての異物幅領域Anwの情報を不図示の記憶部に記憶させる。
即ち、工程S306,S307において、異物幅領域検出部851は、前記中間値条件の成立をもって始点位置Xsから終点位置Xeまでの領域を異物幅領域Anwと判定する。工程S306,S307の処理を実行する異物幅領域検出部851は中間値判定部の一例である。
<工程S308>
以下の4つの場合に、異物幅領域検出部851は、図5の工程S108と同様に、主走査方向D1における注目位置iを更新する。第1の場合は、工程S303において前記変化率が基準変化率ΔRs以下であると判定された場合である。第2の場合は、工程S305において終点位置Xeが検出されなかった場合である。第3の場合は、工程S306において前記中間値条件が成立しなかった場合である。第4の場合は、工程S307において異物幅領域Anwの情報が記憶された場合である。
<工程S309>
注目位置iが更新されると、異物幅領域検出部851は、図5の工程S109と同様に、更新後の注目位置iが予め設定された検出範囲から外れる位置に達したか否かを判定する。
更新後の注目位置iが前記検出範囲外であれば、今回得られたライン画像データIdについての前記異物幅検出処理が終了する。その後、異物幅領域検出部851は、新たなライン画像データIdが得られたときに工程S301からの処理を実行する。
一方、更新後の注目位置iが前記検出範囲内であれば、異物幅領域検出部851は、新たの注目位置iについて工程S302からの処理を実行する。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。さらに、本実施形態においては、異物幅領域Anwの境界位置が、前記隣接領域レベルを基準にした注目位置iの画素値Vpの変化率に基づいて検出される。そのため、図11が示すように、色ごとのライン画像データId相互間における画素値Vpの違いの影響を小さくした状態で、異物Nxの領域および前記隣接領域の反射光量の状態を比較することができる。
従って、本実施形態によれば、連続して得られる色ごとのライン画像データId各々御について検出される異物幅領域Anwの位置および幅のばらつきが抑制される。この場合、前記異物画像領域判定処理における前記許容位置ずれ範囲および前記許容幅変動範囲が比較的狭い範囲に設定されても、異物画像Nyの領域の検出漏れが生じにくい。その結果、異物画像Nyの領域の検出処理において、誤検出の防止および検出漏れの防止をより確実に両立させることが可能となる。
なお、本実施形態において、前記異物条件の前記第2条件および前記第3条件として、検出される複数の異物幅領域Anwの主走査方向D1における位置および幅が一致するという条件が採用されることも考えられる。即ち、前記異物条件が前記許容位置ずれ範囲および前記許容幅変動範囲の条件を含まないことも考えられる。また、前記異物条件が前記許容位置ずれ範囲および前記許容幅変動範囲のうちの一方の条件を含まないことも考えられる。
[応用例]
前記画像読取モードが前記カラーモードである場合、前述した各実施形態における異物幅領域検出部851は、原稿90が順次異なる色の光で照明されるごとに得られる複数の色ごとのライン画像データId各々について異物幅領域Anwを検出する。
そして、複数のライン画像データIdから検出される複数の異物幅領域Anwが、全ての色のライン画像データIdにおける相互に対応する位置において前記異物条件を満たす場合に、異物画像領域判定部852が、複数の異物幅領域Anwが成す領域が異物画像Nyの領域であると判定することが考えられる。
上記の場合、異物画像領域判定部852が、同一色の複数のライン画像データIdから検出された複数の異物幅領域Anwごとに前記異物条件の判定を行うことが考えられる。
例えば、Nが0以上の整数であるとしたときに、異物画像領域判定部852は、(3N+1)番目および{3(N+1)+1}番目に得られる2つの赤色のライン画像データIdが副走査方向D2に連続するデータであるとして前記異物条件を判定する。同様に、異物画像領域判定部852は、(3N+2)番目および{3(N+1)+2}番目に得られる2つの緑色のライン画像データIdが副走査方向D2に連続するデータであるとして前記異物条件を判定する。同様に、異物画像領域判定部852は、(3N+3)番目および{3(N+1)+3}番目に得られる2つの青色のライン画像データIdが副走査方向D2に連続するデータであるとして前記異物条件を判定する。
さらに、異物画像領域判定部852は、3色全てについて異物画像Nyの領域が検出された場合に、それら3色の異物画像Nyの領域が一致する、または、それら3色の異物画像Nyの領域の位置ずれが予め定められた許容範囲内に収まる場合にのみ、異物画像Nyの領域の判定結果を有効にし、そうでない場合に無効にする。
また、3色全てについて検出された異物画像Nyの領域が一致する、または、それら3色の異物画像Nyの領域の位置ずれが予め定められた許容範囲内に収まる場合にのみ、異物データ置換部853が前記データ置換処理を実行することも考えられる。
以上に示した応用例は、ライン画像データIdが色ごとに分類された後に、各色のライン画像データIdについて前記異物幅領域検出処理および前記異物画像領域判定処理が行われる場合に適している。
また、図6の工程S201と工程202との間に、以下の処理が追加されてもよい。すなわち、同一ラインに複数の異物幅領域Anwが存在する場合、異物画像領域判定部852が、異物幅領域Anwから両隣の所定画素の範囲内に終点位置Xe或いは始点位置Xsが2つ以上あるか否かを判定し、2つ以上の場合、処理が工程S206に進み、1つだけの場合には、処理が工程S202に進む。この判定は、網点画像を異物と誤検知することを防止するのに有効である。
また、第2実施形態の工程S306において、前記中間値条件の判定処理が、前記隣接領域の画素値Vpを基準にした始点位置Xsと終点位置Xeとの間の領域の各画素値Vpの比率が予め定められた前記中間値条件を満たすか否かを判定する処理であることも考えられる。
ところで、固定読取位置P0に留まる異物Nxの数は少ない場合が多い。多くの異物画像Nyの領域が検出される状況は、原稿90の画像が異物画像Nyとして誤検出されている可能性が高い。
従って、前述の各実施形態において、異物データ置換部853が、1ページ分のライン画像データIdから検出された異物画像Nyの領域の数が予め設定された上限数を超えない場合にのみ、前記データ置換処理を実行することも考えられる。
また、同一ラインに複数の異物幅領域Anwが存在する場合、各異物幅領域Anw間の画素数、即ち、終点位置Xeと始点位置Xsとの間の画素数が、予め定められた画素数よりも小さい場合も誤検知である可能が高い。この場合、異物データ置換部853が、前記データ置換処理を実行しないことが考えられる。
なお、本発明に係る画像処理装置、画像読取装置および異物画像領域検出方法は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された実施形態及び応用例を自由に組み合わせること、或いは実施形態及び応用例を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
1 :画像読取装置
2 :本体部
3 :シート搬送部
4 :画像形成部
5 :光走査部
6 :定着部
8 :制御部
9 :シート材
10 :画像形成装置
11 :原稿走査ユニット
12 :原稿台カバー
13 :CISモジュール(イメージセンサーモジュール)
14 :色基準部
16 :原稿台
30 :シート供給部
31 :シート送出機構
32 :シート搬送機構
41 :感光体
42 :帯電装置
43 :現像装置
45 :転写装置
47 :クリーニング装置
61 :加熱ローラー
62 :加圧ローラー
80 :操作表示部
81 :MPU
82 :記憶部
83 :機構制御部
84 :CIS制御部
85 :画像処理部
86 :レーザー制御部
90 :原稿
101 :シート排出トレイ
110 :走査機構
121 :原稿供給トレイ
122 :原稿送出機構
123 :原稿搬送機構
124 :原稿排出トレイ
131 :発光部
131B :青発光部
131G :緑発光部
131R :赤発光部
132 :レンズ
133 :イメージセンサー
160 :コンタクト部
300 :シート搬送路
812 :記憶部
841 :発光制御部
842 :センサー制御部
851 :異物幅領域検出部
852 :異物画像領域判定部
853 :異物データ置換部
854 :その他データ処理部
D1 :主走査方向
D2 :副走査方向
Ia :アナログ画像データ
Id :ライン画像データ
Idy :出力用画像データ
Ln :ライン識別情報
Nx :異物
Ny :異物画像
P0 :固定読取位置
Pr1 :異物対応通知プログラム
R0 :原稿搬送路
Rm :中間値範囲

Claims (7)

  1. 移動中の原稿からの反射光の光量を検出するイメージセンサーを通じて順次得られる主走査方向1ライン分のライン画像データ各々から、前記主走査方向の幅が予め定められた上限幅の範囲内の領域であるとともに両隣の領域と比べて画素値の差が予め定められた値を越えている領域である異物幅領域を検出する異物幅領域検出部と、
    複数の前記ライン画像データから検出される複数の前記異物幅領域が、前記主走査方向に直交する副走査方向に沿って連続して並び、かつ、それぞれの前記主走査方向における位置および幅の違いが予め定められた許容範囲内に収まっているという異物条件を満たすか否かを判定することにより、複数の前記異物幅領域が成す領域が異物画像の領域であるか否かを判定する異物画像領域判定部と、
    前記ライン画像データ各々における前記異物画像の領域の一部を成す前記異物幅領域の前記画素値を、当該異物幅領域の隣の領域の前記画素値または前記隣の領域の前記画素値の代表値に置換する異物データ置換部と、を備え
    同一ラインに複数の前記異物幅領域が存在し、かつ、同一ラインの前記異物幅領域各々の間の画素数が予め定められた画素数よりも小さい場合に、前記異物データ置換部は、同一ラインに存在する複数の前記異物幅領域内の前記画素値の置換処理を実行しない、画像処理装置。
  2. 前記異物幅領域検出部が、
    前記ライン画像データ各々から、前記主走査方向における前記画素値の変化量が予め設定されたしきい変化量を超える位置を始点位置として検出する始点位置検出部と、
    前記ライン画像データ各々から、前記主走査方向における前記始点位置からの前記上限幅の範囲内において前記画素値が前記始点位置の隣の領域における前記画素値またはその画素値の代表値である隣接領域レベル同じレベルに戻る位置の手前の位置を終点位置として検出する終点位置検出部と、
    前記ライン画像データ各々について、前記始点位置と前記終点位置との間の領域における前記画素値の代表値または全てが前記画素値の取り得る下限値および上限値を含まない予め定められた中間値範囲内である場合に、前記始点位置から前記終点位置までの領域を前記異物幅領域と判定する中間値判定部と、を含み、
    前記画素値が前記隣接領域レベルに対してマイナス側へ変化している場合、前記同じレベルに戻る位置は、前記始点位置からの前記上限幅の範囲内の領域において、前記始点位置側からの各位置の前記画素値を前記隣接領域レベルと比較したときに、前記画素値が最初に前記隣接領域レベル以上となる位置であり、
    前記画素値が前記隣接領域レベルに対してプラス側へ変化している場合、前記同じレベルに戻る位置は、前記始点位置からの前記上限幅の範囲内の領域において、前記始点位置側からの各位置の前記画素値を前記隣接領域レベルと比較したときに、前記画素値が最初に前記隣接領域レベル以下となる位置である、請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記異物データ置換部は、前記異物画像の領域の数が予め設定された上限数を超えない場合にのみ、前記異物幅領域内の前記画素値の置換処理を実行する、請求項または請求項に記載の画像処理装置。
  4. 複数の前記異物幅領域が成す領域が前記異物画像の領域であるとの判定結果が得られた場合に予め定められた通知を出力する通知部を備える、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記異物幅領域検出部が、前記原稿が順次異なる色の光で照明されるごとに得られる複数の色ごとの前記ライン画像データ各々について前記異物幅領域を検出し、
    前記異物画像領域判定部が、複数の前記ライン画像データから検出される複数の前記異物幅領域が、全ての色の前記ライン画像データにおける相互に対応する位置において前記異物条件を満たす場合に、複数の前記異物幅領域が成す領域が前記異物画像の領域であると判定する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 移動中の原稿における主走査方向1ラインの部分からの反射光の光量を検出するイメージセンサーと、
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像処理装置と、を備える画像読取装置。
  7. 移動中の原稿からの反射光の光量を検出するイメージセンサーを通じて順次得られる主走査方向1ライン分のライン画像データ各々から、前記主走査方向の幅が予め定められた上限幅の範囲内の領域であるとともに両隣の領域と比べて画素値の差が予め定められた値を越えている領域である異物幅領域を検出する工程と、
    複数の前記ライン画像データから検出される複数の前記異物幅領域が、前記主走査方向に直交する副走査方向に沿って連続して並び、かつ、それぞれの前記主走査方向における位置および幅の違いが予め定められた許容範囲内に収まっているという異物条件を満たすか否かを判定することにより、複数の前記異物幅領域が成す領域が異物画像の領域であるか否かを判定する工程と、
    前記ライン画像データ各々における前記異物画像の領域の一部を成す前記異物幅領域の前記画素値を、当該異物幅領域の隣の領域の前記画素値または前記隣の領域の前記画素値の代表値に置換する工程と、を含み、
    同一ラインに複数の前記異物幅領域が存在し、かつ、同一ラインの前記異物幅領域各々の間の画素数が予め定められた画素数よりも小さい場合は、同一ラインに存在する複数の前記異物幅領域内の前記画素値を置換する処理は実行されない、異物画像領域検出方法。
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