[第一実施形態]
以下、本発明に係る画像読取装置の実施形態について図面を参照して説明する。尚、以下の実施形態では、画像読取装置の一例として、コピー、スキャナ、ファクシミリ、プリンタ等の機能を備えた複合機に集約した形態を例に説明する。
<画像読取装置>
以下では、例えば、コピー機能を利用する場合の複合機100の動作に基づいて、複合機100の概略構成を説明する。図1に示すように、ユーザが原稿のコピーを行う場合、原稿をコンタクトガラス103或いは載置台105に配置し、載置台105付近に備えられた操作パネル等に対してコピー機能の開始指示を入力する。当該指示が入力されると、以下に示す各駆動部の動作が開始され、原稿のコピーが開始される。
複合機100は、本体101と、本体101の上方に取り付けられたプラテンカバー102を備える。本体101の上面にはコンタクトガラス103が設けられており、コンタクトガラス103は、プラテンカバー102によって開閉される。プラテンカバー102には、自動原稿給紙装置104と載置台105と排紙台109が設けられている。
自動原稿給紙装置104は、プラテンカバー102の内部に形成された原稿搬送路108と、プラテンカバー102の内部に備えられたピックアップローラ106や搬送ローラ107等で構成される。原稿搬送路108は、載置台105から、本体101に設けられた読取部110にて読み取りが行なわれる読取位置Xを経由して、排紙台109に通じる原稿の搬送路である。
自動原稿給紙装置104は、載置台105に載置された原稿1枚ずつをピックアップローラ106で搬送路内108に引き出し、搬送ローラ107等によって引き出した原稿を、読取位置Pを通過させて排紙台109に排紙する。読取位置Pを通過する時に原稿は読取部110にて読み取られる。
読取部110は、コンタクトガラス103の下方に設けられている。図2に示すように、読取部110は、コンタクトガラス103を照射する光源111と、原稿台からの光を選択的に通過させるスリット116と、原稿台からの光を導くミラー112とを備える第一キャリッジ117を備えている。
また、読取部110は、第一キャリッジ117からの反射光を再度反射するミラー113A、113Bを備える第二キャリッジ118と、ミラー112、113A、113Bで導かれた光を光学的に補正するレンズ群119と、を備えている。更に、レンズ群119によって補正された反射光を受光するCCD(ChargeCoupled Device)ラインセンサ115、CCDラインセンサ115によって出力された、受光された光の強度を示す電気信号を必要に応じて補正する画像データ生成部114を備えている。
自動原稿給紙装置104で搬送される原稿の画像を読み取る場合には、光源111は、自動原稿給紙装置専用のコンタクトガラス上の読取位置Xを照射可能な位置に移動して発光する。光源111から照射された光は、コンタクトガラス103を透過して読取位置Xを通過する原稿で反射し、スリット116、ミラー112、113A、113B、レンズ群119によってCCDラインセンサ115に導かれる。
CCDラインセンサ115は、受光した反射光の強度を、「R」(レッド)、「G」(グリーン)、「B」(ブルー)のアナログ電気信号に変換して画像データ生成部114に送信する。
画像データ生成部114は、CCDラインセンサ115から入力されたアナログ電気信号をアナログ−デジタル変換し、当該変換したデジタル信号を必要に応じて補正することで、後述の印刷部120によって印刷される対象の画像データを生成する。
また、読取部110は、自動原稿給紙装置104で搬送される原稿に限らず、コンタクトガラス103に載置された原稿の画像を読み取ることも可能である。コンタクトガラス103に載置された原稿の画像を読み取る場合には、第一キャリッジ117は、光源111を発光させながら副走査方向に移動し、第二移動キャリッジ118は、光源111からCCDラインセンサ115までの光路長を一定にするために、例えば第一移動キャリッジ117の1/2の速度で、副走査方向にCCDラインセンサ115に向けて移動する。
CCDラインセンサ115は、自動原稿給紙装置104で搬送される原稿の画像を読み取る場合と同様に、ミラー112、113A、113Bによって導かれた、コンタクトガラス103に載置された原稿からの反射光を電気信号に変換する。画像データ生成部114は、当該電気信号をデジタル信号に変換し、当該デジタル信号を必要に応じて補正することによって画像データを生成する。
本体101における読取部110の下方には、画像データを印刷する印刷部120が設けられている。印刷部120によって印刷される対象の画像データは、上記のように画像データ生成部114によって生成された画像データや、当該複合機100が接続されているLAN等のネットワーク202に接続されたパソコン等の外部装置から、ネットワークインターフェイス201を介して受信した画像データ等である。
印刷部120が行う印刷方式には、電子写真方式が用いられている。具体的には、感光体ドラム121を帯電器122で一様に帯電させた後、レーザ123で感光体ドラム121を照射して感光体ドラム121に静電潜像を形成し、現像器124で当該静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し、転写ローラ125Bにて当該トナー像を用紙に転写する方式である。
例えば、上記現像器124(ロータリー現像器)は、図1の紙面表裏方向に延びる回転軸を中心に回転させられ、対応する色のトナーが格納された現像ユニットが感光体ドラム121の対向位置に配置されている。この状態で、感光体ドラム121上の潜像が、現像器124が格納するトナーにより現像され、中間転写ベルト(中間転写体)125Aに転写される。
尚、現像器124は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各トナーをそれぞれ格納する4つの現像ユニット124(Y)、(C)、(M)、(K)を有している。そして、中間転写ベルト125Aへの転写を色毎に繰り返すことにより、当該中間転写ベルト125A上にフルカラー画像が形成される。
レーザ123からレーザの照射が行われる、つまり、感光体ドラム121への露光のタイミングは、中間転写ベルト125Aに備えられた基準マークと、当該基準マークを光学的に検知する検知部とに基づいて調整される。
トナー像が転写される用紙、つまり、印刷部120によって印刷される印刷媒体は、手差しトレイ131、給紙カセット132、133、134などの給紙トレイに載置される。
印刷部120による印刷が行われる際には、何れかの給紙トレイから用紙がピックアップローラ135によって引き出され、引き出された用紙が搬送ローラ137(手差しトレイ131を利用する場合には搬送ローラ136)やレジストローラ138によって、中間転写ベルト125Aと転写ローラ125Bの間に送り込まれる。
印刷部120は、中間転写ベルト125Aと転写ローラ125Bとの間に送り込まれた用紙に、中間転写ベルト125A上のトナー像を転写した後、当該トナー像を定着させるために、搬送ベルト126で定着装置127に用紙を送る。
定着装置127は、ヒータが内蔵された加熱ローラ128と、所定の圧力で加熱ローラ128に押し当てられた加圧ローラ129とで構成されている。加熱ローラ128と加圧ローラ129の間を用紙が通過すると、熱と用紙への押圧力によってトナー像が示す可視像が用紙に定着する。印刷部120は、定着装置127を通過した用紙を排紙トレイ130に排紙する。
<複合機の電気的な構成>
次に、複合機100の電気的な構成を説明する。図3に示すように、複合機100は、CPU(CentralProcessing Unit)301、RAM(Random AccessMemory)302、ROM(Read Only Memory)303、HDD(HardDisk Drive)304及び上記の印刷処理における各駆動部に対応するドライバ305が、内部バス306を介して接続されている。
CPU301は、例えばRAM302を作業領域として利用しつつ、ROM303やHDD304等に記憶されているプログラムを実行する。CPU301は、当該実行結果に基づいてドライバ305とデータや命令を授受することによって、各駆動部307の動作を制御する。尚、CPU301に代えて、複合機100は、各駆動部307の動作を制御する専用回路を構成しても構わない。
<CCDラインセンサとコンタクトガラス上の読取位置との関係>
次に、図4を用いて、CCDラインセンサ115とコンタクトガラス上の読取位置Xとの対応関係について説明する。ここで図4(A)は、本発明の複合機に用いられるCCDラインセンサ115の一例を示す概略図である。
読取部110によって、自動原稿給紙装置104で搬送される原稿の画像を読み取る場合には、コンタクトガラスの読取位置Xを介して原稿の画像から反射された反射光が、レンズ群119により縮小されて、CCDラインセンサ115を構成する複数の受光素子115a上に結像される。CCDラインセンサ115は、結像された反射光の強度を色成分毎の画像データに変換する。
図4(A)に示すように、CCDラインセンサ115は、本発明に係る画像読取部の一例を構成するものであり、主走査方向(図4(A)の左右方向)に延びる長尺の形状を有し、例えばフォトダイオード等の画素に対応する受光素子115aが主走査方向に一次元に複数配列されて構成される3個の光電変換素子列(ラインセンサ)115bによって構成されている。
3個のラインセンサ115bは、互いに分光感度が異なる光学フィルタを備えており、コンタクトガラス上の読取位置Xから導かれた反射光を、当該光学フィルタを介して受光する。3個のラインセンサ115bは、三原色の各色成分である「R」(赤)、「G」(緑)、「B」(青)の各波長の光を透過する光学フィルタをそれぞれ備えている。
「R」の光学フィルタを有するラインセンサ(「R」ラインセンサ)115bRは、当該「R」ラインセンサを構成する複数の受光素子115aによって、反射光のうち赤色の光の強度(濃度値)を示す電気信号を出力する。そして、当該出力された電気信号が、デジタル変換されることによって、当該複数の受光素子115aに対応する複数の画素の赤色の濃度値からなる「R」の色成分の画像データ(「R」画像データ)が生成される。
これと同様に、「G」の光学フィルタを有するラインセンサ(「G」ラインセンサ)115bGは、当該「G」ラインセンサを構成する複数の受光素子115aによって、反射光のうち緑色の光の強度(濃度値)を示す電気信号を示す電気信号を出力する。そして、当該出力された電気信号が、デジタル変換されることによって、当該複数の受光素子115aに対応する複数の画素の緑色の濃度値からなる「G」の色成分の画像データ(「G」画像データ)が生成される。
また、「B」の光学フィルタを有するラインセンサ(「B」ラインセンサ)115bBは、当該「B」ラインセンサを構成する複数の受光素子115aによって、反射光のうち青色の光の強度(濃度値)を示す電気信号を出力する。そして、当該出力された電気信号が、デジタル変換されることによって、当該複数の受光素子115aに対応する複数の画素の緑色の濃度値からなる「B」の色成分の画像データ(「B」画像データ)が生成される。
3個のラインセンサ115bは、下方向(副走査方向)に、相互に第一間隔115cをあけて、予め設定された順番で並列して配置されている。図中に示すように、3個のラインセンサは、例えば、相互に3画素(3受光素子)に相当する間隔である第一間隔115cをあけて、「R」ラインセンサ115bR、「G」ラインセンサ115bG、「B」ラインセンサ115bBの順番に配置される。
この配置形態によって、3個のラインセンサ115bは、同一の反射光を受光しても、原稿の異なる位置の反射光を受光することになる。具体的には、原稿の画像の所定の位置で反射した反射光は、最初に「R」ラインセンサ115bRで受光され、次に「G」ラインセンサ115bGで受光され、最後に「B」ラインセンサ115bBで受光される。この受光のタイミングの遅れが、コンタクトガラス103上における、色成分毎のラインセンサ115bに対応する読取位置Xの違いに反映される。
図4(B)は、コンタクトガラス103上の読取位置Xの一例を示す概略図である。尚、図4(A)と同様に、図4(B)の左右方向が主走査方向に対応する。
コンタクトガラス103上では、図4(B)に示すように、3個のラインセンサの並列配置に応じて、色成分毎のラインセンサに導かれる反射光の反射位置、つまり、読取位置115xが決定される。読取位置115xは、図中に示すように、コンタクトガラス103上において、原稿の搬送方向(副走査方向)に、例えば、相互に8ライン分の読み取り幅に相当する間隔である第二間隔115yをあけて、「R」ラインセンサ115bRの「R」読取位置115xR、「G」ラインセンサ115bGの「G」読取位置115xG、「B」ラインセンサ115bBの「B」読取位置115xBの順番に配置されている。
原稿が、図4(B)に示すコンタクトガラス103上の読取位置Xに搬送されると、搬送された原稿の画像の一部が、まず、原稿の搬送方向(副走査方向)の前方に位置する「R」ラインセンサ115bRの「R」読取位置115xRで読み取られる。この時点では、「G」ラインセンサ115bGの「G」読取位置115xGと、「B」ラインセンサ115bBの「B」読取位置115xBとでは、「R」ラインセンサ115bRの「R」読取位置115xRで読み取られた原稿の画像の一部と異なる画像が読み取られることになる。
次に、原稿が第二間隔115yだけ搬送されると、「R」ラインセンサ115bRの「R」読取位置115xRで読み取られた原稿の画像の一部(以下、当該原稿の画像の一部と示す)が「G」ラインセンサ115bGの「G」読取位置115xGで読み取られる。同様にして、原稿が更に第二間隔115yだけ搬送されると、当該原稿の画像の一部が、「B」ラインセンサ115bBの「B」読取位置115xBで読み取られる。
このように、原稿の同一位置の画像が、3個のラインセンサ115bの配置に対応したそれぞれの読取位置115xR,115xG,115xBで読み取られる。このため、コンタクトガラス103に付着する異物の影響を受け易くなる。
ここで異物とは、コンタクトガラス103に付着する付着物だけでなく、コンタクトガラス103上に一時的に付着される固定不着ゴミや浮遊ゴミも含み、文字等の画像でなければ、当該異物に含まれる。
このようにして得られる3個のラインセンサ115bが出力する電気信号をデジタル変換した画像データには、読取タイミングのずれが生じることになる。そのため、通常は、色成分毎の画像データが原稿の同一位置の画像となるように、3個のラインセンサが出力する画像データの読取タイミングを合わせるライン間補正を実行する。
例えば、図4(B)に示すように、コンタクトガラス上の3個の読取位置115xが、副走査方向に8ライン分の読み取り幅に相当する間隔である第二間隔115yをあけて、並列に配置されている場合、「B」ラインの読取を基準とすると、「G」ラインの読取を8ライン分遅延させ、「R」ラインの読取を16ライン分遅延させることによって、3個のラインセンサが出力する画像データの読取タイミングを合わせることができる。
<異物検出手順>
次に図5及び図6を用いて、複合機100が、色成分数のラインセンサのうち、所定のラインセンサの読取位置に付着した異物を検出する手順について説明する。
ユーザが、カラーコピーサービスを複合機100に実行させるために、原稿を自動原稿給紙装置104上に載置し、操作パネルのスタートキーを押下すると、画像データ読取部10が、自動原稿給紙装置104上の原稿の色成分毎の画像データを取得する(S101)。
画像データ読取部10が、自動原稿給紙装置104上の原稿のカラー画像データを取得する場合、自動原稿給紙装置104のコンタクトガラス103の読取位置Xの下方に第一の移動キャリッジ117を移動させて、読取位置Xに搬送されてきた原稿に光を照射し、読取位置Xで反射された光の強度を、スリット116、ミラー112、113A、113B、レンズ群119、CCDラインセンサ115を介して色成分毎の画像データに変換し取得する。
次に、画像データ読取部10が、変換された色成分毎の画像データに所定の補正(ガンマ補正、シェーディング補正、ライン間補正)を実行する。
尚、本発明の実施形態に係る色成分毎の濃度値の画像データは、8ビットで表される「256」の数を基準とする。濃度値は、例えば、「0」で最も濃く(暗く)、「255」で最も薄い(明るい)ことを示している。
画像データ読取部10が画像データを取得すると、仮異物領域検出部11は、色成分毎の画像データのうち、一の色成分の画像データを選択する(以下では、「B」の色成分の画像データ(「B」画像データ)を選択したものとして説明する)。
そして、仮異物領域検出部11は、当該選択した「B」画像データを構成する画素のうち、一の画素(例えば、図4(A)において最も左側の受光素子115aに対応する画素)を選択する。次に、仮異物領域検出部11は、当該選択した画素から主走査方向に連続する画素を主走査方向に順次1つずつ注目画素として特定していき、当該特定した注目画素に隣接する画素の濃度値の差の絶対値(注目画素に対応する隣接濃度変化量)をそれぞれ算出する(S102)。
注目画素に対応する隣接濃度変化量(a)は、例えば、主走査方向に沿って注目画素の左側に隣接する画素の濃度値(b)と、当該注目画素の右側に隣接する画素の濃度値(c)とを用いて、以下に示す算出式(1)により算出される。
a=|c−b| (1)
仮異物領域検出部11が、「B」画像データにおいて、注目画素に対応する隣接濃度変化量(「B」隣接濃度変化量)を算出すると、「B」画像データに対して設定された第一基準値(「B」基準値、例えば「16」)をROM303やHDD304等から取得して、「B」隣接濃度変化量と「B」基準値とを比較する(S103)。尚、第一基準値は、色成分毎に異物に対する光の反射率が異なるため、色成分毎に異なる値が実験値等に基づいて予め設定されている。
ステップS103の比較結果、「B」隣接濃度変化量が「B」基準値を超過している場合には(S103;YES)、仮異物領域検出部11は、超過した「B」隣接濃度変化量を算出する際の注目画素を仮異物領域の先頭画素として特定する(S104)。
図7(A)は、「B」画像データ700Bの濃度値が高い場合に、「B」読取位置115xBに異物が付着したときの各色成分の画像データの一例を示すグラフである。尚、グラフを見易くするために、「B」画像データ700B、「R」の色成分の画像データ(「R」画像データ)700R及び「G」の色成分の画像データ(「G」画像データ)700G間で、相互に所定の濃度値だけグラフの位置をずらして示している。
「B」読取位置115xBに異物が付着した場合、「B」画像データ700Bにおける異物に対応する仮異物領域701Bの濃度値は、他の領域702B(異物の存在しない領域)の濃度値に比して小さい値を示す。このように、「B」画像データ700Bが、異物を読み取ることによって非連続的な曲線になることが理解される。尚、異物に対応する仮異物領域701Bの画素数は、原稿の文字、画像等に対応する網点領域の画素数と比較して小さい数を示す。
そこで、注目画素を画素704(濃度値「203」)とした場合、仮異物領域検出部11は、当該注目画素704の左側に隣接する画素703の濃度値が「221」であり、当該注目画素704の右側に隣接する画素705の濃度値が「178」であるため、「B」隣接濃度変化量として、「43」(=|「178」−「221」|)を算出する。そして、仮異物領域検出部11は、当該算出した「B」隣接濃度変化量「43」が「B」基準値「16」を超過しているため、当該注目画素704を仮異物領域701Bの先頭画素として特定する(S104)。
一方、ステップS103の比較結果、「B」基準値を超過する「B」隣接濃度変化量が存在しなかった場合(S103;NO)、仮異物領域検出部11は、「B」画像データ700Bに仮異物領域701Bが存在しないと判定する。そして、仮異物領域検出部11は、ステップS102で選択した一の色成分の画像データにおける異物検知処理を終了し、未だ仮異物領域を検出していない、「B」画像データ700Bとは異なる他の色成分の画像データ(「R」画像データ700R、「G」画像データ700G)に仮異物領域が存在するか否かを検出する(S114;NO)。
さて、仮異物領域検出部11は、仮異物領域701Bの先頭画素704を特定すると(S104)、次に、当該先頭画素704に対応する仮異物領域701Bの終了画素706を特定する(S105)。
具体的には、仮異物領域検出部11は、仮異物領域701Bの先頭画素704の濃度値「203」を取得し、「B」画像データ700Bの濃度値が、当該先頭画素704から主走査方向に向かって最初に表れる画素であって、当該先頭画素704の濃度値「203」以上となる画素706(図7(A)では、当該画素706の濃度値「210」)を、仮異物領域701Bの終了画素として特定する。
このようにして、仮異物領域検出部11が仮異物領域701Bの先頭画素704と終了画素706とを特定すると、第一条件判定部12は、仮異物領域701Bを構成する画素数と第二基準値とを比較する(S106)。尚、第二基準値は、試験運転等による実験値に基づいて、主として検出対象とする異物の大きさ、異物の種類に応じて予め設定されている。
ステップS106の比較結果、仮異物領域701Bを構成する画素数が第二基準値未満の場合(S106;YES)、第一条件判定部12は、「B」画像データ700Bの仮異物領域701Bが異物に対応することを示す第一条件を満たすと判定する。
具体的には、第一条件判定部12は、「B」画像データに対して設定された第二基準値(以下、「B」画素数基準値と示し、例えば「6」とする)をROM303やHDD304等から取得して、仮異物領域701Bの画素数「5」と「B」画素数基準値「6」とを比較する(S106)。当該ステップS106の比較結果、仮異物領域701Bの画素数「5」は「B」画素数基準値「6」未満であるため(S106;YES)、第一条件判定部12は、仮異物領域701Bが異物に対応することを示す第一条件を満たすと判定する。
これによって、微小な異物に対応させた第二基準値未満の画素数で構成される仮異物領域のみを、異物の存在を判定する対象の異物領域とするように制限することができ、微小な異物のみを対象とした異物検出を実現することができる。
一方、仮異物領域701Bの画素数が「B」画素数基準値以上である場合(S106;NO)、第一条件判定部12は、当該仮異物領域701Bは異物に対応するものではなく、画像、文字等に対応するものと判定し、つまり、「B」画像データ700Bに仮異物領域が存在しないものと判定する。そして、仮異物領域検出部11は、ステップS102で選択した一の色成分の画像データである、「B」画像データ700Bにおける異物の検知処理を終了し、未だ仮異物領域を検出していない、「B」画像データ700Bとは異なる他の色成分の画像データ(「R」画像データ700R、「G」画像データ700G)に仮異物領域が存在するか否かを検出する(S114;NO)。
さて、第一条件判定部12が、仮異物領域701Bが異物に対応することを示す第一条件を満たすと判定すると(S106;YES)、第二条件判定部13は、仮異物領域701Bの全画素の濃度値の平均値と第三基準値とを比較する(S107)。尚、第三基準値は、試験運転等による実験値に基づいて、主として、異物の存在を明確に識別することが可能な色成分毎の画像の明るさに応じて、色成分毎に異なる値が予め設定されている。
ステップS107の比較結果、仮異物領域701Bの全画素の濃度値の平均値が第三基準値以上の場合(S107;YES)、第二条件判定部13は、仮異物領域701Bが異物に対応することを示す第二条件を満たすと判定する。
具体的には、第二条件判定部13は、「B」画像データに対して設定された第三基準値(以下、「B」領域濃度基準値と示し、例えば「70」とする)をROM303やHDD304等から取得して、仮異物領域701Bの全画素の濃度値の平均値(例えば、「202」とする)と「B」領域濃度基準値「70」とを比較する(S107)。
この場合、仮異物領域701Bの全画素の濃度値の平均値「200」が「B」領域濃度基準値「70」以上であるため(S107;YES)、第二条件判定部13は、仮異物領域701Bが異物に対応することを示す第二条件を満たすと判定する。
図6に戻り、一方、仮異物領域701Bの全画素の濃度値の平均値が「B」領域濃度基準値未満である場合(S107;NO)、第二条件判定部13は、仮異物領域701Bは異物に対応するものではなく、画像、文字等に対応するものと判定する。そして、仮異物領域検出部11は、ステップS102で選択した一の色成分の画像データである、「B」画像データ700Bにおける異物の検知処理を終了し、未だ仮異物領域を検出していない、「B」画像データ700Bとは異なる他の色成分の画像データ(「R」画像データ700R、「G」画像データ700G)に仮異物領域が存在するか否かを検出する(S114;NO)。
図8(A)は、「B」画像データ700Bの濃度値が低い場合に、「B」読取位置115xBに異物が付着したときの画像データの一例を示すグラフである。尚、グラフを見易くするために、「B」画像データ700B、「R」画像データ700R及び「G」画像データ700G間で、相互に所定の濃度値だけグラフの位置をずらして示している。
この場合、注目画素を画素704(濃度値「70」)とした場合、仮異物領域検出部11は、当該注目画素704の左側に隣接する画素703の濃度値が「78」であり、当該注目画素704の右側に隣接する画素705の濃度値が「60」であるため、「B」隣接濃度変化量として、「18」(=|「60」−「78」|)を算出する。そして、仮異物領域検出部11は、当該算出した「B」隣接濃度変化量「18」が「B」基準値「16」を超過しているため、当該注目画素704を仮異物領域701Bの先頭画素として特定する(S104)。
そして、仮異物領域検出部11は、「B」画像データ700Bの濃度値が、当該先頭画素704から主走査方向に向かって最初に表れる画素であって、当該先頭画素704の濃度値「70」以上となる画素706(図8(A)では、当該画素706の濃度値「72」)を、仮異物領域701Bの終了画素として特定する(S105)。
ここで、仮異物領域701Bの画素数(例えば、「5」)が「B」画素数基準値(例えば、「6」)未満である場合(S106;YES)、第一条件判定部12は、「B」画像データ700Bの仮異物領域701Bが異物に対応することを示す第一条件を満たすものと判定する。そして、第二条件判定部13は、仮異物領域701Bの全画素の濃度値の平均値と「B」領域濃度基準値とを比較する(S107)。
ここで、仮異物領域701Bの全画素の濃度値の平均値(例えば、「68」とする)が「B」領域濃度基準値(例えば、「70」)未満である場合(S107;NO)、第二条件判定部13は、「B」画像データ700Bの仮異物領域701Bが異物に対応することを示す第二条件を満たさないと判定して、仮異物領域701Bは異物に対応するものではなく、画像、文字等に対応するものと判定する。
これによって、全画素の濃度値の平均値が第三基準値以上となる程度に明るい仮異物領域のみを、異物の存在を判定する対象の領域とするように制限することができる。つまり、領域内の全画素の濃度値の平均値が当該第三基準値以上に明るい領域のみを、異物の存在を判定する対象の領域にするように制限して、暗い領域内においては、異物に起因して濃度変化が生じているのか、画像の図柄によって濃度変化が生じているのかの判定を行うことを回避することができる。これによって、暗い領域内にある本来の画像を異物として誤って検出する虞を低減することができる。
図6に戻り、第二条件判定部13が、仮異物領域701Bが異物に対応することを示す第二条件を満たすと判定すると(S107;YES)、異物判定部14は、「B」画像データ700Bとは他の色成分の画像データ(「R」画像データ700R、「G」画像データ700G)のうち、何れか一の色成分の画像データにおいて、仮異物領域701Bの全画素に対応する画素の濃度値の平均値を算出する(S108)。
そして、異物判定部14は、仮異物領域701Bの先頭画素704に対応する画素の濃度値と、ステップS108で算出した、他の色成分の画像データにおける仮異物領域701Bに対応する全画素の濃度値の平均値との差(差分)である当該他の色成分の画像データの変化量を算出する(S109)。
次に、異物判定部14は、仮異物領域701Bの先頭画素に対応する画素の濃度値と、ステップS108で算出した、他の色成分の画像データにおける仮異物領域701Bに対応する全画素の濃度値の平均値との差(差分)である当該他の色成分の画像データの変化量を算出した後、当該算出した他の色成分の画像データの変化量と第四基準値とを比較する(S110)。尚、第四基準値は、色成分毎に画像に対する光の反射率が異なるため、色成分毎に異なる値が実験値等に基づいて予め設定されている。
そして、ステップS110の比較結果、ステップS109において算出した他の色成分の画像データの変化量が第四基準値未満である場合(S110;YES)、異物判定部14は、ステップS102で選択した一の色成分の画像データである、「B」画像データ700Bを変換したラインセンサ115bBに対応する読取位置115xBに異物が存在すると判定する(S111)。
図7(A)に示すように、異物判定部14は、ステップS108において、例えば「R」画像データ700Rを選択して、仮異物領域701Bの先頭画素704に対応する「R」画像データ700Rの先頭画素707と、仮異物領域701Bの終了画素706に対応する「R」画像データ700Rの終了画素708とを特定する。これによって、異物判定部14は、当該先頭画素707から当該終了画素708までの領域によって表される、仮異物領域701Bに対応する「R」画像データ700Rにおける仮異物領域701Rを特定する。そして、異物判定部14は、仮異物領域701Rにおける全画素の濃度値の平均値(例えば、「219」)を算出する。
次に、異物判定部14は、ステップS109において、仮異物領域701Bの先頭画素704に対応する「R」画像データ700Rの先頭画素707の濃度値と、ステップS108で算出した仮異物領域701Rにおける全画素の濃度値の平均値と、の差である「R」画像データ700Rの変化量(「R」変化量)を算出する。例えば、「R」画像データ700Rの仮異物領域701Rの先頭画素707の濃度値が「222」であり、仮異物領域701Rにおける全画素の濃度値の平均値が「219」であれば、「R」変化量は、「222」−「219」=「3」と算出される。
そして、異物判定部14は、ステップS109において「R」変化量「3」を算出すると、ステップS110において、「R」画像データ700Rに対して設定された第四基準値(以下、「R」変化量基準値と示し、例えば、「10」とする)をROM303やHDD304等から取得して、当該算出した「R」変化量と「R」変化量基準値とを比較する。
この場合、「R」変化量「3」が「R」変化量基準値「10」未満であるため(S110;YES)、異物判定部14は、「B」画像データ700Bを変換したラインセンサ115bBに対応する読取位置115xBに異物が存在すると判定する(S111)。
このように、異物判定部14は、仮異物領域701Bに対応する、「R」画像データ700Rの仮異物領域701Rの濃度変化が小さいと判定することによって、仮異物領域701Bが異物に対応する領域であると判定し、つまり、図7(B)に示すように、「R」画像データ700Rに対応する「R」読取位置115xRには異物709が付着していないが、「B」画像データ700Bに対応する「B」読取位置115xBには異物709が付着していると判定する。
このように、ステップS108からステップS110による判定処理を実行することによって、各色成分の画像データの副走査方向に対応する連続性を検出することが可能となり、当該検出結果から、所定の色成分の画像データに対応する読取位置に異物が存在することを検知することが可能となるのである。
図6に戻り、一方、ステップS110の比較結果、ステップS109において算出した他の色成分の画像データの変化量が第四基準値以上である場合(S110;NO)、異物判定部14は、ステップS108からステップS110による判定処理が終了していない、「B」画像データ700Bとは異なる他の色成分の画像データ(「R」画像データ700R、「G」画像データ700G)が存在するか否かを判定する(S113)。
ステップS113における判定結果、ステップS108からステップS110による判定処理が終了していない他の色成分の画像データが存在するときは(S113;NO)、異物判定部14は、当該判定処理が終了していない他の色成分の画像データに対して、ステップS108からステップS110の判定処理を実行する。
上記具体例とは異なって、ステップS110の比較結果、「R」変化量が「R」変化量基準値以上であるとすると(S110;NO)、「R」画像データ700Rの仮異物領域701Rは、例えば、風景画の網点、単に黒色の点画像等の画像であって、当該画像の濃度値の変化に起因して、「R」変化量が高くなっている可能性がある。
そこで、異物判定部14は、更に、ステップS108からステップS110による判定処理が終了していない、「G」画像データ700Gに対しても、ステップS108からステップS110の処理を実行する。そして、ステップS109で算出した「G」変化量が「G」画像データ700Gに対応する第四基準値(「G」変化量基準値)未満であるときは(S110;YES)、異物判定部14は、「B」画像データを読取ったラインセンサ115bBに対応する読取位置115xBに異物が存在すると判定する(S111)。
つまり、異物判定部14は、仮異物領域701B及び仮異物領域701Bに対応する「R」画像データ700Rの仮異物領域701Rが画像を示す領域である可能性はあるが、「G」画像データ700Gにおいては、仮異物領域701Bに対応する領域の濃度変化が小さいため、仮異物領域701Bに対応する領域は画像を示す領域ではないものと判断する。これによって、異物判定部14は、仮異物領域701Bにおける濃度変化は、画像ではなく異物に起因するものであると判断し、つまり、「B」画像データ700Bに対応する「B」読取位置115xBには異物709が付着していると判定しているのである。
図6に戻り、ステップS113における判定結果、ステップS108からステップS110による判定処理が終了していない他の色成分の画像データが存在しないときは(S113;YES)、仮異物領域検出部11は、ステップS102で選択した一の色成分の画像データにおける異物検知処理を終了し、未だ仮異物領域を検出していない、「B」画像データ700Bとは異なる他の色成分の画像データ(「R」画像データ700R、「G」画像データ700G)に仮異物領域が存在するか否かを検出する(S114;NO)。
さて、異物判定部14が、一の色成分の画像データに対応する読取位置に異物が存在すると判定すると(S111)、補正部15は、当該一の色成分の画像データの仮異物領域の濃度値を、当該仮異物領域外において当該仮異物領域の先頭画素に隣接する画素の濃度値(補正用濃度値)に変更することによって、一の色成分の画像データを補正する(S112)。
これによって、一の色成分に存在する仮異物領域の濃度値が、当該仮異物領域外において当該仮異物領域の先頭画素に隣接する画素の濃度値に変更されるので、補正後の一の色成分における補正箇所が、仮異物領域以外の領域である他の領域と比較して著しく低い濃度値になることが回避される。
ステップS112によって一の色成分の画像データが補正されると、仮異物領域検出部11は、ステップS102で選択した一の色成分の画像データにおける異物検知処理を終了し、全ての色成分の画像データについて、仮異物領域の検出する処理を実行したか否かを判定する(S114)。
全ての色成分の画像データについて仮異物領域を検出する処理をしていない場合(S114;NO)、仮異物領域検出部11は、仮異物領域を検出していない他の色成分の画像データ(例えば、「G」画像データ、「R」画像データ)を選択して、仮異物領域を検出する処理を実行する(S102)。
一方、仮異物領域検出部11は、全ての色成分の画像データについての仮異物領域を検出する処理を終了すると(S114;YES)、画像データに色補正等の画像処理を実行して、各色成分の画像データを順次、画像データ記憶部16に記憶し、画像形成部17は、画像データ記憶部16から当該画像データを取得して、当該取得した画像データに基づいて、画像形成処理を実行する(S115)。
自動原稿給紙装置を用いて原稿のカラーコピーを実行する画像読取装置では、異物に起因する副走査方向の筋画像と、原稿の搬送方向に延びる縦線画像とを明確に区別することが困難であった。特に、濃度値が低い暗い画像を含む原稿を読取った場合には、異物に起因する濃度値の変化が小さくなるために、上記の区別が更に困難であった。
しかし、第一実施形態の構成によれば、第一条件によって検出対象の異物のサイズを制限し、更に、第二条件によって異物の存在の判定を行う対象の領域の濃度値を制限して、色成分毎のラインセンサ115bに対応する読取位置115xに付着した異物の検出を、ラインセンサ115bの色成分毎に実行することができる。このため、原稿画像に縦線画像が含まれる場合であっても、異物画像と縦線画像とを適切に区別し、色成分数のラインセンサのうち、所定のラインセンサの読み取り位置に付着した異物を適切に検出することができる。
[第二実施形態]
以下の第二実施形態の説明では、第一実施形態とは異なる部分についてのみ詳述し、第一実施形態と同じ部分については説明を省略する。
第二実施形態の構成では、図9に示すように、複合機100は、仮平均値算出部18と、異物制限判定部19と、を更に備えている。以下では、第二実施形態の構成において、複合機100が、色成分数のラインセンサのうち、所定のラインセンサの読取位置に付着した異物を検出する手順について説明する。
図10に示すように、第二条件判定部13が、ステップS102(図6)で選択された一の色成分の画像データの仮異物領域が異物に対応することを示す第二条件を満たすと判定すると(S107;YES(図6))、仮平均値算出部18は、ステップS102(図6)で選択された一の色成分の画像データの仮異物領域の先頭画素の濃度値を、仮異物領域外において当該先頭画素に隣接する画素の濃度値に変更することによって、当該一の色成分の仮異物領域を仮に補正する(S201)。
具体的には、図11(A)に示すように、仮異物領域検出部11が、例えば「B」画像データ700Bの仮異物領域701Bを検出した後(S101〜S105(図6))、第一条件判定部12が仮異物領域701Bが異物に対応することを示す第一条件を満たすと判定し(S106;YES(図6))、第二条件判定部13が仮異物領域701Bが異物に対応することを示す第二条件を満たすと判定したものとする(S107;YES(図6))。
この場合、仮平均値算出部18は、仮異物領域701Bの先頭画素704の濃度値「110」を、仮異物領域701B外において当該先頭画素704に隣接する画素703の濃度値「118」に変更することによって、仮異物領域701Bを仮に補正する(S201)。
これによって、仮異物領域の先頭画素の濃度値が、仮異物領域外において当該先頭画素に隣接する画素の濃度値に変更されるので、補正後の一の色成分における仮異物領域の先頭画素が、仮異物領域以外の領域である他の領域と比較して著しく低い濃度値になることが回避される。
図10に戻り、仮平均値算出部18は、ステップS201で仮に補正された仮異物領域の全画素の濃度値の平均値を算出するとともに、ステップS102で選択された一の色成分とは他の色成分の画像データ毎に、仮異物領域の全画素に対応する画素の濃度値の平均値をそれぞれ算出する(S202)。
具体的には、仮平均値算出部18は、ステップS202において、ステップS201で仮に補正された仮異物領域701Bの全画素の濃度値の平均値(例えば、「112」)を算出する。
更に、仮平均値算出部18は、「R」画像データ700Rにおいて、仮異物領域701Bの先頭画素704に対応する「R」画像データ700Rの先頭画素707と、仮異物領域701Bの終了画素706に対応する「R」画像データ700Rの終了画素708と、を特定し、「R」画像データ700Rにおける先頭画素707から終了画素708までの全画素の濃度値の平均値を算出する(例えば、「120」)。
これと同様にして、仮平均値算出部18は、「G」画像データ700Gにおいても、仮異物領域701Bの先頭画素704及び終了画素706に対応する画素を特定し、「G」画像データ700Gにおける当該特定された画素間の全画素の濃度値の平均値を算出する(例えば、「125」)。
図10に戻り、次に、異物制限判定部19は、ステップS202で算出された、全ての色成分に対応する平均値のそれぞれと、第五基準値とをそれぞれ比較する(S203)。尚、第五基準値は、試験運転等による実験値に基づいて、主として、異物の存在を明確に識別することが可能な色成分毎の画像の明るさに応じて、色成分毎に異なる値が予め設定されている。
ステップS203の比較結果、ステップS202で算出された平均値の全てが第五基準値以上の場合(S203;YES)、異物制限判定部19は、異物判定部14によってステップS108からステップS111の処理及びステップS113の処理(異物判定処理)を行わせる。
一方、ステップS203の比較結果、ステップS202で算出された平均値の何れかが第五基準値未満である場合(S203;NO)、異物制限判定部19は、ステップS102で選択された一の色成分とは他の全ての色成分の画像データについて、それぞれ、当該一の色成分の画像データにおける仮異物領域の先頭画素に対応する画素の濃度値と、ステップS202で算出された、各他の色成分の画像データにおける当該仮異物領域に対応する全画素の濃度値の平均値との差(差分)である、当該各他の色成分の画像データの変化量を算出する(S205)。
具体的には、例えば「R」の色成分に対応する第五基準値が「125」であるとすると、ステップS203の比較結果、ステップS202で算出された全ての平均値のうち、「R」画像データ700Rに対応する平均値「120」が、「R」の色成分に対応する第五基準値である「125」未満であるため(S203;NO)、異物制限判定部19は、ステップS205を実行する。
異物制限判定部19は、ステップS205において、「R」画像データ700Rにおいて、仮異物領域701Bの先頭画素704に対応する「R」画像データ700Rの先頭画素707の濃度値と、ステップS202で算出された「R」画像データ700Rにおける先頭画素707から終了画素708までの全画素の濃度値の平均値「120」との差(差分)である、「R」画像データ700Rの変化量(「R」変化量)を算出する。例えば、「R」画像データ700Rの仮異物領域701Rの先頭画素707の濃度値が「132」であれば、「R」変化量は、「132」−「120」=「12」と算出される。
これと同様にして、異物制限判定部19は、「G」画像データ700Gにおいても、仮異物領域701Bの先頭画素704に対応する「G」画像データ700Gの先頭画素の濃度値と、ステップS202で算出された「G」画像データ700Gにおける仮異物領域701Bに対応する先頭画素から終了画素までの全画素の濃度値の平均値「125」との差(差分)である、「G」画像データ700Gの変化量(「G」変化量)を算出する。例えば、「G」画像データ700Gにおける仮異物領域701Bの先頭画素704に対応する先頭画素の濃度値が「131」であれば、「G」変化量は、「131」−「125」=「6」と算出される。
図10に戻り、異物制限判定部19は、ステップS205において、ステップS102で選択された一の色成分とは他の全ての色成分の画像データについての変化量を算出した後、当該算出した他の全ての色成分の画像データについての変化量の全てと、第四基準値とを比較する(S206)。尚、ここで第四基準値は、ステップS110(図6)で用いた第四基準値と同一のものを示す。
ステップS206の比較結果、ステップS205で算出した他の全ての色成分の画像データについての変化量の全てが第四基準値未満の場合(S206;YES)、異物制限判定部19は、ステップS102で選択された一の色成分の画像データを生成したラインセンサ115bに対応する読取位置115xに異物が存在すると判定する(S207)。
一方、ステップS206の比較結果、ステップS205で算出した他の全ての色成分の画像データについての変化量の何れかが第四基準値以上の場合(S206;NO)、仮異物領域検出部11は、ステップS102で選択された一の色成分の画像データから検出された仮異物領域は異物に対応する領域ではないと判定する。つまり、ステップS205からステップS207の処理によって、本発明に係る異物制限判定処理の一例が構成されている。
具体的には、「R」の色成分に対応する第四基準値が、例えば「10」であるとすると、ステップS206の比較結果、ステップS205で算出した「R」変化量「12」が、「R」の色成分に対応する第四基準値「10」以上であるため(S206;NO)、仮異物領域検出部11は、仮異物領域701Bが異物に対応する領域ではないと判定する。
仮異物領域に対応する全画素の濃度値の平均値が第五基準値未満となる他の色成分の画像データにおいて、当該画像データにおける仮異物領域の先頭画素に対応する画素の濃度値と仮異物領域の全画素に対応する画素の濃度値の平均値との差が第四基準値未満であるときは、当該他の色成分の画像データにおける仮異物領域に対応する領域が、濃度値が第五基準値未満となる程度に暗い画像であるために、当該差が当該仮異物領域に対応する領域に異物が付着したことに起因して生じたのか、画像の濃度変化に起因して生じたのかを明確に区別することができない。
第二実施形態の構成によれば、上記のように濃度変化が生じた原因を明確に区別することができない、仮異物領域に対応する領域が暗い領域である他の色成分の画像データが存在するときには、全ての他の色成分の画像データにおいて、仮異物領域の先頭画素に対応する画素の濃度値と、仮異物領域の全画素に対応する画素の濃度値の平均値との差が第四基準値未満となる程度にまで濃度変化が小さいときに限って、選択した一の色成分の画像データを読取ったラインセンサ115bに対応する読取位置115xに異物が存在すると判定される。
したがって、何れかの他の色成分の画像データにおいて、仮異物領域の先頭画素に対応する画素の濃度値と、仮異物領域の全画素に対応する画素の濃度値の平均値との差が第四基準値未満となる程度にまで濃度変化が小さいときに、選択した一の色成分の画像データを読取ったラインセンサ115bに対応する読取位置115xに異物が存在すると判定する場合に比して、仮異物領域の先頭画素に対応する画素の濃度値と仮異物領域の全画素に対応する画素の濃度値の平均値との差が第四基準値未満であると判定する機会を多くして、異物の存在を誤判定する虞を低減することができる。
[第三実施形態]
以下の第三実施形態の説明では、第一実施形態とは異なる部分についてのみ詳述し、第一実施形態と同じ部分については説明を省略する。
第三実施形態の構成では、複合機100は、図5に示すように、画像データ読取部10と、仮異物領域検出部11と、第一条件判定部12と、第二条件判定部13と、異物判定部14と、補正部15と、画像データ記憶部16と、画像形成部17とを備えている。以下では、第三実施形態の構成において、複合機100が、色成分数のラインセンサのうち、所定のラインセンサの読取位置に付着した異物を検出する手順について説明する。
図12に示すように、第二条件判定部13が、ステップS102(図6)で選択された一の色成分の画像データの仮異物領域が異物に対応することを示す第二条件を満たすと判定すると(S107;YES(図6))、異物判定部14は、ステップS102(図6)で選択された一の色成分の画像データとは他の色成分の画像データのうち、何れか一の色成分の画像データにおいて、仮異物領域の全画素に対応する画素の濃度値の平均値を算出する(S108(図6))。
そして、異物判定部14は、ステップS108で算出した、他の色成分の画像データにおける仮異物領域に対応する全画素の濃度値の平均値と、第六基準値とを比較する(S301)。尚、第六基準値は、試験運転等による実験値に基づいて、主として、異物の存在を明確に識別することが可能な色成分毎の画像の明るさに応じて、色成分毎に異なる値が予め設定されている。
ステップS301の比較結果、ステップS108で算出した、他の色成分の画像データにおける仮異物領域に対応する全画素の濃度値の平均値が第六基準値以上の場合(S301;YES)、異物判定部14は、ステップS109以降の処理を実行する。一方、ステップS301の比較結果、ステップS108で算出した、他の色成分の画像データにおける仮異物領域に対応する全画素の濃度値の平均値が第六基準値未満の場合(S301;NO)、異物判定部14は、ステップS113以降の処理を実行する。
尚、ステップS301の処理は、ステップS108とステップS109との間で実行することに代えて、ステップS110の比較結果、ステップS109において算出した他の色成分の画像データの変化量が第四基準値未満である(S110;YES)と判断した直後に実行するように構成し、ステップS301の比較結果、ステップS108で算出した、他の色成分の画像データにおける仮異物領域に対応する全画素の濃度値の平均値が第六基準値以上の場合(S301;YES)に、選択された一の色成分の画像データを読取ったラインセンサ115bに対応する読取位置115xに異物が存在すると判定する(S111)ように構成してもよい。
第三実施形態の構成によれば、何れかの他の色成分の画像データにおける仮異物領域に対応する領域が第六基準値で示される明るさよりも明るい画像であって(S203;YES)、且つ、当該他の色成分の画像データにおける濃度変化が小さい場合に(S110;YES)、選択された一の色成分の画像データを読取ったラインセンサ115bに対応する読取位置115xに異物が存在すると判定される(S111)。
つまり、何れかの他の色成分の画像データにおける仮異物領域に対応する領域が明るい領域であるときには、当該仮異物領域に対応する領域の小さな濃度変化は、画像に起因して生じたものではなく、異物に起因して生じたものとして、異物の存在を的確に判定することができる。
[第四実施形態]
以下の第四実施形態の説明では、第三実施形態とは異なる部分についてのみ詳述し、第三実施形態と同じ部分については説明を省略する。
第四実施形態の構成では、図13に示すように、複合機100は、制限条件判定部20を更に備えている。以下では、第四実施形態の構成において、複合機100が、色成分数のラインセンサのうち、所定のラインセンサの読取位置に付着した異物を検出する手順について説明する。
図14に示すように、第二条件判定部13が、ステップS102(図6)で選択された一の色成分の画像データの仮異物領域が異物に対応することを示す第二条件を満たすと判定すると(S107;YES(図6))、制限条件判定部20は、ステップS102(図6)で選択された一の色成分の画像データを読取ったラインセンサに隣接しないラインセンサである離間ラインセンサが存在するか否かを判定する(S401)。
制限条件判定部20は、ステップS401において、離間ラインセンサが存在しないと判定した場合(S401;NO)、第三実施形態の異物判定処理(S108,S301,S109,S110,S111,S113)を異物判定部14に行わせる。
一方、制限条件判定部20は、ステップS401において、離間ラインセンサが存在すると判定した場合(S401;YES)、異物判定部14によるステップS108と同様に、当該離間ラインセンサに対応する色成分の画像データにおいて、仮異物領域の全画素に対応する画素の濃度値の平均値を算出する(S402)。
そして、制限条件判定部20は、異物判定部14によるステップS109と同様に、当該離間ラインセンサに対応する色成分の画像データにおいて、仮異物領域の先頭画素に対応する画素の濃度値と、ステップS402で算出した、当該離間ラインセンサに対応する色成分の画像データにおける仮異物領域に対応する全画素の濃度値の平均値との差である、当該離間ラインセンサに対応する色成分の画像データの変化量を算出する(S403)。
次に、制限条件判定部20は、異物判定部14によるステップS110と同様に、ステップS403で算出した、当該離間ラインセンサに対応する色成分の画像データの変化量と第四基準値とを比較する(S404)。
ステップS404の比較結果、ステップS402で算出した、当該離間ラインセンサに対応する色成分の画像データの変化量が第四基準値未満である場合(S404;YES)、制限条件判定部20は、第三実施形態の異物判定処理(S108,S301,S109,S110,S111,S113)を異物判定部14に行わせる。
一方、ステップS404の比較結果、当該離間ラインセンサに対応する色成分の画像データの変化量が第四基準値以上である場合(S404;NO)、制限条件判定部20は、第三実施形態の異物判定処理を異物判定部14に行わせることなく、ステップS102で選択した一の色成分の画像データにおける異物検知処理を終了し、ステップS114以降の処理を行わせる。つまり、ステップS401からステップS404の処理によって、本発明に係る制限条件判定処理の一例が構成されている。
具体的には、ステップS102で選択された一の色成分の画像データが、例えば「B」画像データであるとすると、制限条件判定部20は、ステップS401において、「B」画像データを読取ったラインセンサ115bB(図4(A))に隣接しないラインセンサ115bR(図4(A))が存在すると判定し(S401;YES)、当該ラインセンサ115bRを離間ラインセンサとして、ステップS402以降の処理を実行する。
また、ステップS102で選択された一の色成分の画像データが、例えば「G」画像データであるとすると、制限条件判定部20は、ステップS401において、「G」画像データを読取ったラインセンサ115bG(図4(A))に隣接しないラインセンサが存在しないと判定し(S401;NO)、第三実施形態の異物判定処理(S108,S301,S109,S110,S111,S113)を異物判定部14に行わせる。
また、ステップS102で選択された一の色成分の画像データが、例えば「R」画像データであるとすると、制限条件判定部20は、ステップS401において、「R」画像データを読取ったラインセンサ115bR(図4(A))に隣接しないラインセンサ115bB(図4(A))が存在すると判定し(S401;YES)、当該ラインセンサ115bBを離間ラインセンサとして、ステップS402以降の処理を実行する。
第四実施形態の構成によれば、離間ラインセンサに対応する色成分の画像データの変化量が第四基準値以上である場合(S404;NO)、第三実施形態の異物判定処理(S108,S301,S109,S110,S111,S113)が行われることなく、選択した一の色成分の画像データにおける異物検知処理が終了し、ステップS114以降の処理が行われる。
つまり、離間ラインセンサに対応する色成分の画像データにおける濃度変化が大きいときには、当該濃度変化は、選択された一の色成分の画像データを読取ったラインセンサ115bに存在する異物が離間ラインセンサにまで及ぶ程の大きさであることに起因して生じたものではなく、画像の濃度変化に起因して生じたものとして、第三実施形態における構成に比して、選択された一の色成分の画像データを読取ったラインセンサ115bにおける異物の存在をより精度良く判定することができる。
尚、第一乃至第四実施形態の構成では、仮異物領域検出部11は、ステップS105において、仮異物領域の先頭画素の濃度値以上となる最初の画素を仮異物領域の終了画素として特定するように構成していたが、これに代えて、仮異物領域の先頭画素に隣接する2つの画素の濃度値の平均値以上となる最初の画素を、仮異物領域の終了画素として特定するように構成してもよい。
具体的には、図7(A)に示すように、仮異物領域検出部11は、仮異物領域701Bの先頭画素704の左側に隣接する画素703の濃度値「221」と先頭画素704の右側に隣接する画素705の濃度値「178」との濃度値の平均値「199.5」以上となる最初の画素706a(例えば、当該画素706aの濃度値「200」)を、仮異物領域701Bの終了画素として特定するように構成してもよい。
この場合、濃度値が、仮異物領域の先頭画素に隣接する2つの画素の濃度値の平均値以上であって、先頭画素の濃度値以下である画素を仮異物領域に対応する画素として含めることによって、仮異物領域内の画素数が増大し、異物の判定に係る時間が増大する虞を回避することができる。
また、第一乃至第四実施形態の構成では、異物判定部14は、ステップS109において、仮異物領域の先頭画素に対応する画素の濃度値と、ステップS108で算出した他の色成分の画像データにおける仮異物領域に対応する全画素の濃度値の平均値との差を、当該他の色成分の画像データの変化量として算出するように構成していた。
しかし、これに代えて、異物判定部14は、ステップS109において、仮異物領域外において仮異物領域の先頭画素に隣接する画素(例えば、図7(A)において、仮異物領域701B外において先頭画素704に隣接する画素703)に対応する他の色成分の画像データの画素(例えば、図7(A)において、「R」画像データ700Rにおける画素707の左側に隣接する画素)の濃度値と、ステップS108で算出した他の色成分の画像データにおける仮異物領域に対応する全画素の濃度値の平均値との差を、当該他の色成分の画像データの変化量として算出するように構成してもよい。
また、これと同様にして、異物制限判定部19は、第二実施形態のステップS205において、異物制限判定部19は、ステップS102で選択された一の色成分とは他の全ての色成分の画像データについて、それぞれ、当該一の色成分の画像データにおける仮異物領域の先頭画素に対応する画素の濃度値と、ステップS202で算出された、各他の色成分の画像データにおける当該仮異物領域に対応する全画素の濃度値の平均値との差を、当該各他の色成分の画像データの変化量として算出するように構成していた。
しかし、これに代えて、異物制限判定部19は、第二実施形態のステップS205において、他の全ての色成分の画像データについて、それぞれ、仮異物領域外において仮異物領域の先頭画素に隣接する画素に対応する画素の濃度値と、ステップS202で算出された、各他の色成分の画像データにおける当該仮異物領域に対応する全画素の濃度値の平均値との差を、当該各他の色成分の画像データの変化量として算出するように構成してもよい。
また、これと同様にして、制限条件判定部20は、第四実施形態のステップS403において、仮異物領域の先頭画素に対応する画素の濃度値と、ステップS402で算出した離間ラインセンサに対応する色成分の画像データにおける仮異物領域に対応する全画素の濃度値の平均値との差を、当該離間ラインセンサに対応する色成分の画像データの変化量として算出するように構成していた。
しかし、これに代えて、制限条件判定部20は、ステップS403において、離間ラインセンサに対応する色成分の画像データについて、仮異物領域外において仮異物領域の先頭画素に隣接する画素に対応する画素の濃度値と、ステップS402で算出した離間ラインセンサに対応する色成分の画像データにおける仮異物領域に対応する全画素の濃度値の平均値との差を、当該離間ラインセンサに対応する色成分の画像データの変化量として算出するように構成してもよい。
これらの変更した異物判定部14、異物制限判定部19、及び制限条件判定部20の構成によれば、異物が存在する虞のある先頭画素に対応する画素の濃度値を利用することを回避して、仮異物領域外の画素に対応する画素の濃度値と、仮異物領域に対応する領域の濃度値の平均値と、を比較して、仮異物領域に対応する領域の濃度値の変化を的確に判断することができる。これによって、異物の存在の判定精度を向上することができる。
また、第一乃至第四実施形態において、仮異物領域検出部11は、ステップS102において、注目画素に対応する隣接濃度変化量を算出する際に、主走査方向に沿って注目画素の左側に隣接する画素の濃度値から当該注目画素の右側に隣接する画素の濃度値を減算した絶対値(算出式(1)に対応する)を当該注目画素に対応する隣接濃度変化量としたが、他の構成であってもよい。
例えば、主走査方向に沿って注目画素の右側に隣接する画素の濃度値から当該注目画素の濃度値を減算した値の絶対値を当該注目画素に対応する隣接濃度変化量としてもよい。つまり、注目画素に対応する隣接濃度変化量が、当該注目画素の何れか一方に隣接する画素と当該注目画素との間における濃度値の変化量を表すように構成してもよい。
また、第一乃至第四実施形態では、コピーの処理に関して説明したが、例えば、ファクシミリ送受信処理、プリント処理等においても、同様にして異物の判定を行うことができる。また、第一乃至第四実施形態では、本発明に係る画像読取装置の一例として複合機を例に説明したが、これに限定する趣旨ではなく、本発明に係る画像読取装置は、例えば、プリンタ、コピー機、スキャナ、又はFAX等であってもよい。
また、本発明は、第一乃至第四実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。図1乃至図14に示した構成及び処理は、本発明に係る実施形態の例示に過ぎず、本発明を上記実施形態に限定する趣旨ではない。