JP6459343B2 - プリプレグ、金属張積層板及びプリント配線板 - Google Patents

プリプレグ、金属張積層板及びプリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、プリプレグ、前記プリプレグを用いて形成された金属張積層板、前記金属張積層板を用いて形成されたプリント配線板に関するものである。
電子機器の小型化及び薄型化に伴い、電子機器に備えられる電子部品として、表面実装型パッケージのものが用いられることが多くなってきている。このようなパッケージ(PKG)としては、具体的には、BOC(Chip On Board)等の、半導体チップを基板上に実装するパッケージ等が挙げられる。
さらに、電子機器を多機能化するためには、搭載される電子部品の数を増加する必要がある。この要求を満たすために、複数のサブパッケージを積層して基板上に実装して、さらにパッケージ化するパッケージ・オン・パッケージ(Package on Package:PoP)というパッケージの形態が採用されている。例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ等の携帯端末装置等に、このPoPが多く採用されている。
これらのパッケージに用いられるプリント配線板は、プリント配線板材料であるプリプレグをプレス成形して得られる。
一般にプリプレグは、そのプレス成形の際に、配線基板等における導体間の隙間に樹脂を充填させるために、樹脂流れを高く保つ必要があるとされている。しかし、プリプレグの樹脂流れが高くなると、そのプリプレグから得られる金属張積層板の板厚は、樹脂が流れてしまうため、基板中央部が厚くなり、外周部が薄くなる。このような面内の板厚のばらつきは、高多層にするほど大きくなり、基板の加工精度のばらつきや、品質のばらつき、歩留まりにつながる。このようなばらつきが起こると、面内の板厚の違いで場所によって性能が異なるおそれが出てくる。また、基板への電子部品実装にも悪影響を与える。
近年、回路の信頼性及びその寸法精度への要求がいっそう厳しくなっており、板厚精度に起因する信号速度の精度やインピーダンスへの影響も大きくなることが懸念される。
一方で、プリプレグにおける樹脂流れを小さくすると、面内の板厚精度は改善されるが、樹脂の回路充填性が悪くなり、導体間に空隙(ボイド)が残り易くなるという問題がある。
このような問題に対し、プリプレグの流動率を規制しつつ金型を用いてコントロールする方法(特許文献1)、積層治具を用いて樹脂の流れを防ぐ方法(特許文献2)、または、プリプレグの外側と中央でBステージの硬化度合いを変化させて中央の樹脂流れを高くして回路充填性を確保しつつ、外側の樹脂流れを低くして、面内の板厚をそろえる方法(特許文献3)が報告されている。
特開2003−298241号公報 特開2011−14597号公報 特開平06−152131号公報
しかし、上記特許文献1〜3に記載されているような技術では以下のような問題がある。
まず、特許文献1記載の技術においては、特許文献1の図1に示される複雑な成形用治具が必要とされ、さらに熱盤の間にプレートと成形する際の銅箔とプリプレグだけでなく、複雑な3のような揺動板や、横への樹脂流れを制御する加熱部材7も設ける必要があり、煩雑かつコストもかかる。また、特許文献2記載の技術においても複雑な治具が必須となっている。
さらに、特許文献3記載の技術においては、プリプレグの製造のために予備的な熱処理などの工程が必要であり、さらに該文献記載の方法で均一な硬化の程度を有するプリプレグを得るのは非常に困難である。
そして、上記特許文献1〜3に記載の技術のように、樹脂流れの制御だけでは、板厚精度と回路充填性を両方達成することはできないと考えられる。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、得られる積層板において板厚精度が高く、かつ回路成形性に優れたプリプレグ、それを用いた金属張積層板及びプリント配線板を提供することを目的とするものである。
本発明の一態様に係るプリプレグは、樹脂組成物を織布基材に含浸させ、加熱乾燥して形成されるプリプレグであって、前記プリプレグが以下(ア)及び(イ)を満たすことを特徴とする:
(ア)JIS C6521に準じて、温度170℃及び圧力30kgf/cmで測定されるプリプレグの樹脂流れが0〜5%であること、並びに
(イ)プリプレグから回収した前記樹脂組成物の、動的粘弾性試験における溶融粘度挙動が、測定範囲30〜200℃、昇温速度3℃/分、周波数0.5Hzの測定において、
回収した前記樹脂組成物の最低溶融粘度をVaとし、かつVaとなる時の温度Taとした場合、Ta+20℃となる温度Tb(=Ta+20)における溶融粘度Vbが、前記Vaの1倍以上かつ15倍以下となること
さらに、前記プリプレグにおいて、JIS C6521に準じて測定される、プリプレグから回収した前記樹脂組成物のゲルタイムが200℃において90〜360秒であることが好ましい。
また、前記プリプレグにおいて、前記樹脂組成物が、
(A)Tgが100℃以下で、重量平均分子量が1万以上100万以下の高分子量体、
(B)フェノール性水酸基当量が400〜1000g/eqのエポキシ樹脂硬化剤、
(C)1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂、及び
(D)無機充填剤
を含むことが好ましい。
さらに、前記(A)高分子量体が、下記構造式(I)(II)で表記される繰り返し単位を有し、かつ、エポキシ基を有する高分子量体であることが好ましい。
(上記式(I)及び上記式(II)中、
xとyとの比、x:y=0:1〜0.35:0.65であり、
R1は、H又はCHであり、
R2は、H又はアルキル基である。)
さらには、前記プリプレグにおいて、前記(B)エポキシ樹脂硬化剤が、数平均分子量が500〜2000のポリフェニレンエーテル共重合体であることが好ましい。
さらに、前記(B)エポキシ樹脂硬化剤が、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリフェニレンエーテル共重合体であることが好ましい。
また、前記(B)エポキシ樹脂硬化剤が、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなることが好ましい。
また、本発明の他の一態様に係る金属張積層板は、前記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成型して得られることを特徴とする。
また、本発明の他の一態様に係るプリント配線板は、上述の金属張積層板の表面の金属箔を部分的に除去することにより回路形成して得られる。
本発明によれば、得られる積層板において板厚精度が高く、かつ回路成形性に優れたプリプレグ、それを用いた金属張積層板及びプリント配線板を提供することができる。
図1は、本実施形態のプリプレグと従来のプリプレグとの、溶融粘度挙動の比較を説明するためのグラフである。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本実施形態のプリプレグは、樹脂組成物を織布基材に含浸させて、それを半硬化状態(いわゆるBステージ状態)となるまで加熱乾燥することによって形成されている。そして、本実施形態のプリプレグは、以下(ア)及び(イ)を満たすことを特徴とする:
(ア)JIS C6521に準じて、温度170℃及び圧力30kgf/cmで測定されるプリプレグの樹脂流れが0〜5%であること、並びに
(イ)プリプレグから回収した前記樹脂組成物の、動的粘弾性試験における溶融粘度挙動が、測定範囲30〜200℃、昇温速度3℃/分、周波数0.5Hzの測定において、
回収した前記樹脂組成物の最低溶融粘度をVaとし、かつVaとなる時の温度Taとした場合、Ta+20℃となる温度Tb(=Ta+20)における溶融粘度Vbが、前記Vaの1倍以上かつ15倍以下となること。
まず、前記(ア)のプリプレグの樹脂流れが上記条件を満たすことによって、面内の板厚精度が良好になる。上述した樹脂流れが5%を超えると、樹脂組成物の流動性が大きく、樹脂のはみ出しが大きくなるため、基板面内、特に基板の中央部と外周部の厚みばらつきが大きくなるおそれがあるが、本実施形態のように樹脂流れを低くすることで、樹脂のはみ出しを抑制し、面内の板厚ばらつきを小さくすることが可能となる。しかし、この条件だけでは、回路充填を容易に行うことができない。
そこで、前記(イ)で規定する溶融粘度挙動を満たすことが重要となる。本実施形態において規定する溶融粘度挙動とは、プリプレグから回収した樹脂組成物の溶融粘度挙動である。
プリプレグから前記樹脂組成物を回収する方法については、特に限定はされないが、例えば、JIS C6521に記載の樹脂組成物のゲルタイムを測定する際と同様に、プリプレグから樹脂組成物をもみ落とし、プリプレグから基材(ガラスクロス等)を取り除いて樹脂組成物の半硬化物を回収することができる。それを圧縮し、(例えば、直径10mm、高さ3mmの体積を有する)樹脂タブレットを作製する。そのタブレットを用いて、動的粘弾性試験を行うことによって、樹脂組成物の溶融粘度を測定することができる。
図1に従来の一般的なプリプレグから回収した樹脂組成物と、本実施形態のプリプレグから回収した樹脂組成物の溶融粘度挙動を模式的に表すグラフを示す。本実施形態のものは実線で、従来のプリプレグのものは破線で示す。Vaが最低溶融粘度、Vbが、Vaとなる時の温度Taとした場合、Ta+20℃となる温度Tb(=Ta+20)における溶融粘度を示す。
従来は図1の破線に示されるように最低溶融粘度Vaを低く設定して、回路充填性を高めていた。本実施形態では、従来のプリプレグと比べて最低溶融粘度Vaをやや高めにしつつ、図1の実線に示されるように底を比較的幅広く取ることで、樹脂が横(基材平行方向)に流れ出ることを防ぎつつ、回路充填するための樹脂の流動性は確保することができると考えられる。
つまり、本実施形態の樹脂組成物の特性としてはまず硬化が緩やかであることにより樹脂組成物が基材の平衡方向に流れ出ないことが挙げられる。一方で、樹脂の硬化までの時間が長く、流動性を長い間確保できるので、回路の樹脂充填も可能となる。
前記Vb/Vaが15倍より大きいと硬化が速くなり、樹脂流れが(ア)を満たしたとき、つまり樹脂流れが小さいときに、回路充填性が悪くなるおそれがある。また、前記Vb/Vaが1倍より小さいと、硬化が不十分となるおそれがある。
なお、本実施形態のプリプレグから回収した樹脂組成物において、Vaの範囲は、1x10〜1x10poise程度であることが好ましい。このような範囲であれば、適度な流動性を確保しながら積層体表面を平滑にできるという利点がある。
さらに、本実施形態のプリプレグから回収した樹脂組成物において、JIS C6521に準じて測定されるゲルタイムが200℃において90〜360秒であることが好ましい。ここでいうプリプレグから回収した樹脂組成物は上述した通りである。
このようにゲルタイムを比較的長くすることによって、プリプレグをプレスして行う加熱圧縮成形において、樹脂の硬化までの時間が長くなり、回路充填性がより向上すると考えられる。
上記ゲルタイムが90秒未満となると、回路充填性が悪くなるおそれがあり、一方で、360秒を超えると、硬化が不十分となるおそれが出てくる。
本実施形態のプリプレグにおいて、織布基材に含浸させる樹脂組成物は、
(A)Tgが100℃以下で、重量平均分子量が1万以上100万以下の高分子量体、
(B)フェノール性水酸基当量が400〜1000g/eqのエポキシ樹脂硬化剤、
(C)1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂、及び
(D)無機充填剤
を含有する樹脂組成物であることが好ましい。
このような樹脂組成物を使用することによって、上述したような効果をより確実に得ることができると考えられる。
以下、それぞれの成分について具体的に説明する。
〔(A)成分:高分子量体〕
本実施形態の(A)成分、高分子量体は、樹脂流れ(樹脂のハミダシ)を抑制するために有用な成分である。樹脂組成物のゲルタイムが長いと一般に樹脂流れが大きくなるが、高分子量体を含有することで、樹脂流れ(樹脂のハミダシ)が抑制される。
本実施形態の高分子量体は、Tgが100℃以下で、重量平均分子量が1万以上100万以下の高分子量体であれば特に限定はされないが、例えば、アクリルゴムであることが好ましい。
高分子量体のTgが100℃以下であることによって、加熱圧縮成形時、高分子量体の分子の流動性が増加し、樹脂の溶融前の粘度が下がるため、樹脂組成物の溶融粘度の幅が広くなる傾向にある。そのため、成形しやすくなる傾向にある。また、Tgについて特に下限は限定されない。尚、ここでいうTgは樹脂単体を示差走査熱量測定(DSC)によって測定された値のことをさす。
また、高分子量体の重量平均分子量が1万未満となると、樹脂の流動性が高くなり樹脂流れを抑制しにくく、面内板厚ばらつきが大きくなる可能性があり、100万を超えると、ワニスの粘度の増加によりプリプレグ作製時の基材へのワニスの含浸性の低下のおそれがある。
好適例としては、下記構造式(I)(II)で表される繰り返し単位を有し、かつ、エポキシ基を有する高分子量体が挙げられる。
すなわち、前記高分子量体は、主鎖は式(I)(II)で表される構造からなり、主鎖にはエポキシ基が結合している高分子量体である。
X:Y=0:1〜0.35:0.65であるから、(A)成分の主鎖が式(II)で表される構造のみからなる場合もあるが、これ以外の場合、式(I)(II)で表される構造の配列順序は特に限定されない。
また(A)成分は、炭素原子間に二重結合や三重結合のような不飽和結合を有しないことが好ましい。つまり、(A)成分の炭素原子同士は飽和結合(単結合)により結合されている。炭素原子間に不飽和結合を有すると、経時的に酸化されることで弾性を失って脆くなる。
〔(B)成分:エポキシ樹脂硬化剤〕
本実施形態の樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂硬化剤は、フェノール性水酸基当量が400〜1000g/eqであるものであれば特に限定はない。このように水酸基当量の大きな硬化剤を使用することによって、硬化反応が緩やかに起こる。
具体的には、例えば、数平均分子量(Mn)が500〜2000であるポリフェニレンエーテル共重合体を用いることが好ましく、前記数平均分子量(Mn)は650〜1500であることがより好ましい。前記分子量が500以上であれば、硬化物の耐熱性として充分なものが得られ、また、分子量が2000以下であれば、後述の(C)成分であるエポキシ樹脂のエポキシ基との反応性を十分に得ることができるという利点がある。
なお、本実施形態における、前記(B)ポリフェニレンエーテル共重合体の数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー等を用いて測定することができる。
また、前記(B)成分は、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリフェニレンエーテル共重合体であることが好ましい。さらには、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.8〜2.4個有することがより好ましい。前記末端水酸基数が平均1.5〜3個であれば、後述の(C)成分であるエポキシ樹脂のエポキシ基との反応性を十分に得ることができ、硬化物の耐熱性により優れ、誘電率及び誘電正接も低く抑えることができると考えられる。
なお、本実施形態において前記(B)成分の水酸基数は、使用する前記ポリフェニレンエーテルの製品の規格値からわかる。前記末端水酸基数としては、具体的には、例えば、前記(B)成分1モル中に存在する全てのポリフェニレンエーテル共重合体の1分子あたりの水酸基の平均値を表した数値等が挙げられる。
さらには、前記(B)成分の25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであることが好ましく、0.06〜0.095dl/gであればより好ましい。前記固有粘度の範囲であれば、硬化物の耐熱性を向上させ、(C)成分と十分に反応できると考えられる。
なお、ここでの前記固有粘度も、使用する前記ポリフェニレンエーテル共重合体の製品の規格値からわかる。また、ここでの固有粘度は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度であり、より具体的には、例えば、0.18g/45mlの塩化メチレン溶液(液温25℃)を、粘度計で測定した値等である。前記粘度計としては、例えば、Schott社製のAVS500 Visco System等が挙げられる。
前記(B)成分のポリフェニレンエーテル共重合体としては、具体的には、例えば、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノールまたは3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなるポリフェニレンエーテル共重合体や、ポリ(2,6−ジメチル−1,4フェニレンオキサイド)等のポリフェニレンエーテルを主成分とするもの等が挙げられる。また、前記2官能フェノールとしては、例えば、テトラメチルビスフェノールA等が挙げられる。
より具体的な前記(B)成分であるポリフェニレンエーテル共重合体としては、例えば、下記一般式(1)に示す構造を有するポリフェニレンエーテル共重合体等が挙げられる。
上記式(1)中、m,nは、前記溶融粘度の範囲内になるような重合度であればよい。具体的には、mとnとの合計値が1〜30であることが好ましい。また、mが0〜20であることが好ましく、nが0〜20であることが好ましい。このような構成のポリフェニレンエーテル共重合体を用いることにより、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が確実に得られる。
前記ポリフェニレンエーテル共重合体は、例えば、国際公開2007/067669号パンフレット記載の方法などによって製造することができる。また、前記ポリフェニレンエーテル共重合体として、市販のものを用いることも可能であり、例えば、SABICイノベーティブプラスチックス社製の「SA−90」などを使用することができる。
〔(C)成分:エポキシ樹脂〕
本実施形態の樹脂組成物において、(C)成分のエポキシ樹脂は、前記(B)硬化剤と硬化させる成分として含まれ、耐熱性やTgの調節等のために配合できる。
本実施形態の(C)成分として使用されるエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ樹脂であれば、特に限定されない。
なお、ここでのエポキシ基数は、使用する前記エポキシ樹脂の製品の規格値からわかる。前記エポキシ樹脂のエポキシ基数としては、具体的には、例えば、前記エポキシ樹脂1モル中に存在する全ての前記エポキシ樹脂の1分子あたりのエポキシ基の平均値を表した数値等が挙げられる。
具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ブロム含有エポキシ樹脂、これらの水素添加型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
好ましくは、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂を用いる。このようなエポキシ樹脂を用いることによって、高Tgおよび高耐熱性をより確実に得ることがでる。
それぞれの配合量については、(B)と(C)成分の合計を100質量部とした場合、前期(A)の成分は、5〜40質量部であることが好ましい。この範囲によって、積層板の耐熱性を悪化させずに、面内の板厚精度と回路充填性を向上させることができる。
また、耐熱性の観点から(B)成分と(C)成分の質量比は、B成分の水酸基当量に対する、C成分のエポキシ当量の比((C)成分のエポキシ当量/(B)成分の水酸基当量)が1.0〜4.0となるようになれば好ましい。
〔(D)成分:無機充填剤〕
本実施形態の好適な樹脂組成物において、(D)無機充填剤を含有させると樹脂が流れにくくなって、面内の板厚精度が良好になると考えられる。
本実施形態で使用できる無機充填材としては、特に限定されるものではない。無機充填材は、例えば、球状シリカ、硫酸バリウム、酸化ケイ素粉、破砕シリカ、焼成タルク、チタン酸バリウム、酸化チタン、クレー、アルミナ、マイカ、ベーマイト、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、その他の金属酸化物や金属水和物等が挙げられる。このような無機充填材が樹脂組成物に含有されていると、積層板の寸法安定性を高めることができるものである。
さらに、シリカを用いることが、積層板の誘電正接(Df)を下げることができるという利点もあるため好ましい。
樹脂組成物が(D)成分を含有する場合、前記(A)、(B)および(C)成分の合計を100質量部として、前記(D)成分が0〜250質量部の範囲で含有されていることが好ましい。無機充填材が300質量部を超えると、プリプレグ作製時の基材への樹脂組成物のワニスの含浸性の低下や、銅箔密着強度の低下の恐れがある。
〔その他の成分〕
また、本実施形態の樹脂組成物は、上記以外の成分を含有していてもよい。例えば、硬化促進剤(触媒)を含有してもよい。
この硬化促進剤の種類及び配合量によっても、樹脂組成物のゲルタイムを調節できる場合があるため、適宜選択して使用することができる。
このような硬化促進剤としては、特に限定されるものではない。例えば、イミダゾール類及びその誘導体、有機リン系化合物、オクタン酸亜鉛等の金属石鹸類、第二級アミン類、第三級アミン類、第四級アンモニウム塩等を用いることができる。
また、樹脂組成物には、さらに上記以外にも、光安定剤、粘度調整剤、及び難燃剤等を含有させてもよい。
〔プリプレグの調製〕
例えば、上記の(A)〜(D)成分を含有する樹脂組成物を用いる場合、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分、あるいは、そこへ必要に応じて硬化促進剤を配合することによって樹脂組成物を調製することができ、さらにこれを溶剤で希釈することによって樹脂組成物のワニスを調製することができる。
具体的には、例えば、まず、前記樹脂組成物のうちの、有機溶媒に溶解できる各成分を、有機溶媒に投入して溶解させる。この際、必要に応じて、加熱してもよい。その後、必要に応じて用いられ、有機溶媒に溶解しない成分、例えば、無機充填材等を添加して、ボールミル、ビーズミル、プラネタリーミキサー、ロールミル等を用いて、所定の分散状態になるまで分散させることにより、ワニス状の樹脂組成物が調製される。ここで用いられる有機溶媒としては、特に限定されない。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン系溶剤、トルエン及びキシレン等の芳香族系溶剤、ジメチルホルムアミド等の窒素含有溶剤等が挙げられる。
得られた樹脂ワニスを用いてプリプレグを製造する方法としては、例えば、得られた樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させた後、乾燥する方法が挙げられる。すなわち、本実施形態に係るプリプレグは、前記樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させて得られたものである。このようなプリプレグであれば、板厚精度の高いプリント配線板等の成形体を製造できる。
プリプレグを製造する際に用いられる織布基材としては、具体的には、例えば、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織布、パルプ紙、及びリンター紙等が挙げられる。なお、ガラスクロスを用いると、機械強度が優れた積層板が得られ、特に偏平処理加工したガラスクロスが好ましい。偏平処理加工としては、具体的には、例えば、ガラスクロスを適宜の圧力でプレスロールにて連続的に加圧してヤーンを偏平に圧縮することにより行うことができる。なお、織布基材の厚みとしては、例えば、10〜200μmのものを使用できる。
樹脂ワニスの織布基材への含浸は、浸漬及び塗布等によって行われる。この含浸は、必要に応じて複数回繰り返すことも可能である。また、この際、組成や濃度の異なる複数の樹脂ワニスを用いて含浸を繰り返し、最終的に希望とする組成及び樹脂量に調整することも可能である。
樹脂ワニスが含浸された織布基材は、所望の加熱乾燥条件、例えば、110〜190℃で3〜15分間加熱されることにより半硬化状態(Bステージ)のプリプレグが得られる。
〔金属張積層板およびプリント配線板〕
本実施形態に係る金属張積層板は、前記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成型して得られたものである。このような金属張積層板であれば、面内板厚精度に優れ、品質にばらつきがなく、かつ優れた回路充填性を兼ね備えたプリント配線板を製造できる。
本実施形態のプリプレグを用いて金属張積層板を作製する具体的な方法としては、例えば、プリプレグを一枚または複数枚重ね、さらにその上下の両面又は片面に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧成形して積層一体化することによって、両面金属箔張り又は片面金属箔張りの積層体を作製する方法などが挙げられる。
そして、作製された積層体の表面の金属箔をエッチング加工等して部分的に除去し、回路形成をすることによって、積層体の表面に回路として導体パターンを設けたプリント配線板を得ることができる。本実施形態のプリント配線板であれば、半導体チップを接合したパッケージの形態にしても、実装しやすい上に品質にばらつきがなく、信号速度やインピーダンスにも優れている。
本明細書は、上述したように、様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
本発明の一態様に係るプリプレグは、樹脂組成物を織布基材に含浸させ、加熱乾燥して形成されるプリプレグであって、前記樹脂組成物が以下(ア)及び(イ)を満たすことを特徴とする:
(ア)JIS C6521に準じて、温度170℃及び圧力30kgf/cmで測定されるプリプレグの樹脂流れが0〜5%であること、並びに
(イ)プリプレグから回収した前記樹脂組成物の、動的粘弾性試験における溶融粘度挙動が、測定範囲30〜200℃、昇温速度3℃/分、周波数0.5Hzの測定において、回収した前記樹脂組成物の最低溶融粘度をVaとし、かつVaとなる時の温度Taとした場合、Ta+20℃となる温度Tb(=Ta+20)における溶融粘度Vbが、前記Vaの1倍以上かつ15倍以下となること。
このような構成によって、得られる金属張積層板の面内板厚精度に優れ、かつ回路充填性に優れたプリプレグを得ることができる。
さらに、前記プリプレグにおいて、JIS C6521に準じて測定される、プリプレグから回収した前記樹脂組成物のゲルタイムが200℃において90〜360秒であることが好ましい。
それにより、回路充填性がより確実に達成されると考えられる。
また、前記プリプレグにおいて、前記樹脂組成物が、
(A)Tgが100℃以下で、重量平均分子量が1万以上100万以下の高分子量体、
(B)フェノール性水酸基当量が400〜1000g/eqのエポキシ樹脂硬化剤、
(C)1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂、及び
(D)無機充填剤
を含むことが好ましい。
それにより、上述した効果をより確実に得ることができる。
さらに、前記(A)高分子量体が、下記構造式(I)(II)で表記される繰り返し単位を有し、かつ、エポキシ基を有する高分子量体であることが好ましい。
(上記式(I)及び上記式(II)中、
xとyとの比、x:y=0:1〜0.35:0.65であり、
R1は、H又はCHであり、
R2は、H又はアルキル基である。)
それにより、上述した効果に加えて、硬化物の耐熱性により優れると考えられる。
また、上述のプリプレグにおいて、前記(B)成分が、数平均分子量が500〜2000のポリフェニレンエーテル共重合体であることが好ましい。それにより、上記効果に加えて、優れた誘電率及び誘電正接を得ることができる。
さらに、上述のプリプレグにおいて、前記(B)成分が、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリフェニレンエーテル共重合体であることが好ましい。それにより、上記効果をより確実に得ることができる。
また、上述のプリプレグにおいて、前記(B)成分が、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなることが好ましい。それにより、上述した効果をより確実に得られると考えられる。
また、本発明の他の一態様に係る金属張積層板は、前記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成型して得られることを特徴とする。そして、本発明の他の一態様に係るプリント配線板は、上述の金属張積層板の表面の金属箔を部分的に除去することにより回路形成して得られる。
このような構成によれば、プリプレグは回路充填性に優れるため、プリント配線板作製にあたって、複雑な回路でもボイドなしで容易に成形できる。また、半導体チップを接合したパッケージの形態にしても、面内板厚精度に優れるため、実装しやすい上に品質にばらつきがなく、信号速度やインピーダンスにも優れた金属張積層板ひいてはプリント配線板を提供することができる。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
まず、本実施例において、樹脂組成物を調製する際に用いた各成分について説明する。
(A成分・高分子量体)
・高分子量体1:エポキシ変性アクリル樹脂、ナガセケムテックス株式会社製「SG−P3改225」(前記構造式(I)(II)で表される繰り返し単位を有し、式(II)中、R1は水素原子又はメチル基、R2としてメチル基、エチル基を有する。Mw65万、Tg10℃)
・高分子量体2:エポキシ変性アクリル樹脂、ナガセケムテックス株式会社製「SG−P3−Mw1」(前記構造式(I)(II)で表される繰り返し単位を有し、式(II)中、R1は水素原子、R2としてブチル基とエチル基を有する。Mw26万、Tg12℃)
・高分子量体3:ポリスチレン、三洋化成工業株式会社製「ST−120」(Mw1万、Tg42℃)
・高分子量体4:ポリスチレン、三洋化成工業株式会社製「ST−95」(Mw0.4万、Tg42℃)
(B成分・硬化剤)
・エポキシ樹脂硬化剤1:SABICイノベーティブプラスチックス社製の「SA90」(数平均分子量1500、水酸基:1.9個、水酸基当量790g/eq)
・エポキシ樹脂硬化剤2:リン含有フェノール樹脂、ダウケミカル社製「XZ92741」(水酸基当量550g/eq)
・エポキシ樹脂硬化剤3:フェノールノボラック樹脂、DIC株式会社製「TD2090」(水酸基当量105g/eq)
(C成分・エポキシ樹脂)
・エポキシ樹脂1:ナフタレン型エポキシ樹脂、DIC株式会社製「HP6000」(エポキシ当量 250g/eq)
(D成分・無機充填材)
・球状シリカ1:エポキシシランにより表面処理された球状シリカである株式会社アドマテック製「SC2500−SEJ」
(硬化促進剤)
・2E4MZ:2−エチル−4−イミダゾール(四国化成工業株式会社製)
・オクタン酸亜鉛:DIC株式会社製「Zn−OCTOATE」
[実施例1]
(プリプレグ)
まず、ポリフェニレンエーテル共重合体(PPE)とトルエンとを混合させて、その混合液を80℃になるまで加熱することによって、ポリフェニレンエーテル共重合体をトルエンに溶解させて、ポリフェニレンエーテル共重合体の50質量%トルエン溶液を得た。その後、そのポリフェニレンエーテル共重合体のトルエン溶液に、表1に記載の配合割合になるように、エポキシ樹脂および高分子量体を添加した後、30分間攪拌することによって、完全に溶解させた。そして、さらに、硬化促進剤や無機充填材を添加して、ボールミルで分散させることによって、ワニス状の樹脂組成物(樹脂ワニス)が得られた。
上記ワニスを用いてプリプレグを作成し、後の評価に用いた。
プリプレグには、織布基材として、日東紡績株式会社製の♯2116タイプ、WEA116Eのガラスクロスを用いた。そして、上記の樹脂ワニスを織布基材に硬化後の厚みが125μmとなるように含浸させると共に、これを半硬化状態となるまで130℃で3分間加熱乾燥することによってプリプレグを得た。
(金属張積層板)
上記のプリプレグを6枚重ね、その両側に厚さ35μmの銅箔(古河電気工業株式会社製GT−MP)を配置して被圧体とし、真空条件下、温度220℃、圧力40kgf/cmの条件で120分加熱・加圧して両面に銅箔が接着された、厚み0.75mmの銅張積層板を得た。
[実施例2〜10および比較例1〜5]
樹脂組成物の配合を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび銅張積層板を得た。
上記のようにして得られたそれぞれのプリプレグおよび銅張積層板を評価用サンプルとして用いて、以下に示す方法により各評価試験を行った。
〔評価〕
(樹脂流れ)
各プリプレグの樹脂流れ性は、JIS C 6521に準拠して測定した。成形の条件は、温度170℃、圧力30kgf/cmとし、プリプレグを15分間熱板プレスした。測定に使用するプリプレグの枚数は、前述のように作製したプリプレグを8枚用いた。
(ゲルタイム)
プリプレグから回収した樹脂組成物のゲルタイムは、JIS C 6521に準拠して測定した。プリプレグからガラス繊維が混じらないようにプリプレグから樹脂組成物をもみ落とし、Bステージの樹脂組成物を得た。これを、200℃に設定した熱盤上に置き、ゲルタイムを測定した。
(VaおよびVb)
プリプレグから回収した樹脂組成物の溶融粘度は、動的粘弾性試験によって測定した。まず、樹脂組成物のゲルタイムを測定する際と同様に、プリプレグから樹脂組成物を回収した。それを圧縮して、直径10mm、高さ3mmのタブレットを作製した。動的粘弾性測定装置(UBM社製の型式Rheosol−G3000)を用い、前述のタブレットを測定サンプルとし、直径18mmのパラレルプレートを使用し、下記条件で樹脂組成物の溶融粘度を測定した。
・測定温度:30〜200℃
・昇温速度:3℃/min
・周波数:0.5Hz
得られた溶融粘度チャートにおいて、最低の粘度値(η*)をVaとし、そのときの温度をTa、またTb(=Ta+20℃)のときの粘度値をVbとした。
そして、得られたVaおよびVbを用いて、Vb/Vaを算出した。
(面内板厚)
上述のプリプレグをサイズ340×510mmにて準備し、上述どおりに銅張積層板を作製した。得られた積層板から銅箔をエッチング除去した。この積層板を、対角に切断し、切断面から5mm内側のところをマイクロメータ(株式会社ミツトヨ製 MDC−25SX)で厚み測定した。厚み測定の位置は、積層板の中央部をまず測定し、そこから20mm間隔で左右にそれぞれ14箇所、合計29箇所測定した。そして、29箇所の厚みの最大値と最小値の差が小さい積層板を、面内板厚精度の高い積層板であると評価した。尚、積層板の中央部は、目視で確認することができる。ガラスクロスの端部が積層体の端部であり、積層体の中央部はその真ん中である。
(回路充填性)
前述の銅張積層板の両面の銅箔に対して、それぞれ残銅率が50%となるように、格子状のパターンを形成して、回路を形成した。この回路が形成された基板の両面に、プリプレグを1枚ずつ積層し、銅張積層板を製造したときと同じ条件で、加熱加圧を行った。この形成された積層体(評価用積層体)において、回路間に、プリプレグ由来の樹脂等が充分に入り込み、ボイドが形成されていなければ、「○」と評価した。すなわち、回路間に、ボイドが確認できなければ、「○」と評価した。また、回路間に、プリプレグ由来の樹脂等が充分に入り込んでおらず、ボイドの形成が確認されれば、「×」と評価した。ボイドは目視で確認できる。
(誘電特性(誘電率(Dk)及び誘電正接(Df))
上述で得られた銅張積層板から銅箔を除去した硬化物を評価サンプルとし、10GHzにおける誘電率及び誘電正接を、空洞共振器摂動法で測定した。具体的には、ネットワーク・アナライザ(アジレント・テクノロジー株式会社製のN5230A)を用い、10GHzにおける評価基板の誘電率及び誘電正接を測定した。
(銅箔密着強度)
銅箔張積層板において、絶縁層からの銅箔の引き剥がし強さをJIS C 6481に準拠して測定した。幅10mm、長さ100mmのパターンを形成し、引っ張り試験機により50mm/分の速度で引き剥がし、その時の引き剥がし強さ(ピール強度)を測定し、得られたピール強度を、銅箔密着強度とした。測定単位はkN/mである。
以上の結果を、下記表1にまとめる。なお、表中の各成分の数値は質量部を示す。
以上のことから、本発明により、得られる金属張積層板の面内板厚精度に優れ、かつ回路充填性に優れたプリプレグを得ることができることが示された。
特に実施例1〜4の比較から、樹脂組成物に含まれる高分子量体が低分子化するほど、樹脂流れが大きくなることがわかった。そうなると、Vaが小さくなり、ひいてはVb/Vaが大きくなる。一方、実施例5の結果から、高分子量体の配合量が増えると樹脂流れは小さくなり、Vaが大きくなるため、Vb/Vaは小さくなった。
なお、硬化剤としてポリフェニレンエーテル共重合体を使用した実施例1〜5では、それ以外のフェノール硬化剤を使用した実施例6と比べて、誘電特性に優れていた。
さらに、実施例7〜9の結果から、無機充填材を多めに配合すると、上述の(ア)は小さくなり、板厚精度も向上するが、密着性がやや低下することがわかった。
一方、上述の(ア)における樹脂流れが5%を超える比較例1や5では、面内の板厚精度に劣る結果となった。特に樹脂流れが20%と高い比較例5では、面内板厚のバラツキが大きかった。また、上述の(イ)におけるVb/Vaが15倍を超える比較例2では、ゲルタイムが速く、回路充填性に劣っていた。
また、比較例3および4のように、ゲルタイムを長くするために硬化促進剤の配合を減らすだけでは、所望の溶融粘度挙動や樹脂流れ度が得られず、回路充填性や板厚精度に劣る結果となった。

Claims (8)

  1. 樹脂組成物を織布基材に含浸させ、加熱乾燥して形成されるプリプレグであって、前記樹脂組成物が
    (A)Tgが100℃以下で、重量平均分子量が1万以上100万以下の高分子量体、
    (B)フェノール性水酸基当量が400〜1000g/eqのエポキシ樹脂硬化剤、
    (C)1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂、及び
    (D)無機充填剤
    を含み、かつ、
    以下(ア)及び(イ)を満たす、プリプレグ。
    (ア)JIS C6521に準じて、温度170℃及び圧力30kgf/cmで測定されるプリプレグの樹脂流れが0〜5%であること、並びに
    (イ)プリプレグから回収した前記樹脂組成物の、動的粘弾性試験における溶融粘度挙動が、測定範囲30〜200℃、昇温速度3℃/分、周波数0.5Hzの測定において、回収した前記樹脂組成物の最低溶融粘度をVaとし、かつVaとなる時の温度Taとした場合、Ta+20℃となる温度Tb(=Ta+20)における溶融粘度Vbが、前記Vaの1倍以上かつ15倍以下となること。
  2. JIS C6521に準じて測定される、プリプレグから回収した前記樹脂組成物のゲルタイムが200℃において90〜360秒である、請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 前記(A)高分子量体が、下記構造式(I)(II)で表記される繰り返し単位を有し、かつ、エポキシ基を有する高分子量体である、請求項1又は2に記載のプリプレグ。
    (上記式(I)及び上記式(II)中、
    xとyとの比、x:y=0:1〜0.35:0.65であり、
    R1は、H又はCHであり、
    R2は、H又はアルキル基である。)
  4. 前記(B)エポキシ樹脂硬化剤が、数平均分子量が500〜2000のポリフェニレンエーテル共重合体である、請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグ。
  5. 前記(B)エポキシ樹脂硬化剤が、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリフェニレンエーテル共重合体である、請求項1〜4のいずれかに記載のプリプレグ。
  6. 前記(B)エポキシ樹脂硬化剤が、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなる、請求項1〜のいずれかに記載のプリプレグ。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のプリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られることを特徴とする金属張積層板。
  8. 請求項記載の金属張積層板の表面の金属箔を部分的に除去することにより回路形成して得られるプリント配線板。
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