JP6459045B2 - エンジン - Google Patents

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Description

本開示は、ダイレクトインジェクタに燃料を供給する高圧デリバリパイプとポートインジェクタに燃料を供給する低圧デリバリパイプとを備えるエンジンに関する。
特許文献1には、ダイレクトインジェクタに燃料を供給する高圧デリバリパイプとポートインジェクタに燃料を供給する低圧デリバリパイプとを備えるエンジンが開示されている。かかるエンジンは、複数のシリンダ(気筒)を有するシリンダブロックと、シリンダブロックの上に取り付けられたシリンダヘッドと、を備えている。シリンダヘッドは、気筒ごとに燃焼室からシリンダの軸線に対して斜め上方に伸びる吸気ポートを有し、該吸気ポートのシリンダ径方向外側に燃焼室内に燃料を直接噴射するダイレクトインジェクタを備えている。そして、気筒ごとに備えられたダイレクトインジェクタは、高圧デリバリパイプに接続され、高圧燃料ポンプから供給された燃料は、高圧デリバリパイプを通り、気筒ごとに備えられたダイレクトインジェクタに供給される。また、シリンダヘッドには、吸気ポートに連通する吸気通路が枝状に分岐して形成されたインテークマニホールドが接続され、気筒ごとに、ダイレクトインジェクタと吸気ポートを挟んで反対側となるインテークマニホールドのシリンダ径方向内側に吸気ポート内に燃料を噴射するポートインジェクタを備えている。そして、気筒ごとに備えられたポートインジェクタは、低圧デリバリパイプに接続され、低圧燃料ポンプから供給された燃料は、低圧デリバリパイプを通り、気筒ごとに備えられたポートインジェクタに供給される。
特許第4495211号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたエンジンは、吸気ポートのシリンダ径方向外側に高圧デリバリパイプを備え、インテークマニホールドのシリンダ径方向内側に低圧デリバリパイプを備えるために、高圧デリバリパイプと低圧デリバリパイプとを近づけて配置することができない。これにより、高圧デリバリパイプと低圧デリバリパイプの配管作業を集約することができず、効率的な配管作業の妨げとなる。
本発明は、上記実情を鑑みて、高圧デリバリパイプと低圧デリバリパイプとを近づけて配置し、高圧デリバリパイプと低圧デリバリパイプの効率的な配管作業を可能にするエンジンを提供することを課題とする。
本発明は、複数のシリンダを有するシリンダブロックと、前記シリンダブロックの上に取り付けられ、前記シリンダごとに燃焼室からシリンダの軸線に対して斜め上方に延びる吸気ポートを有するシリンダヘッドと、前記吸気ポートのシリンダ径方向外側となる位置に配置され、前記燃焼室に燃料を直接噴射するダイレクトインジェクタと、前記吸気ポートのシリンダ径方向外側となる位置に配置され、前記シリンダごとに配置されたダイレクトインジェクタを相互に接続する高圧デリバリパイプと、前記吸気ポートに対して前記ダイレクトインジェクタと同一側となる位置に配置され、前記吸気ポート内に燃料を噴射するポートインジェクタと、前記吸気ポートのシリンダ径方向外側となる位置に配置され、前記シリンダごとに配置されたポートインジェクタを相互に接続する低圧デリバリパイプと、を備え、前記低圧デリバリパイプは、平面視において前記高圧デリバリパイプと重なることを特徴とする。
本発明によれば、低圧デリバリパイプは、平面視において高圧デリバリパイプと重なるので、低圧デリバリパイプが高圧デリバリパイプよりも外側に大きく張り出すことがない。これにより、高圧デリバリパイプと低圧デリバリパイプとが近くに配置され、高圧デリバリパイプと低圧デリバリパイプの効率的な配管作業が可能になる。
本発明の一態様では、前記シリンダブロックは、V型に配置されたバンクに前記複数のシリンダが左右交互に配置され、前記高圧デリバリパイプと前記低圧デリバリパイプとが前記シリンダブロックのバンク内側に配置される。
このようにすれば、高圧デリバリパイプと低圧デリバリパイプとがシリンダブロックのバンク内側に集約して配置される。これにより、高圧デリバリパイプと低圧デリバリパイプの効率的な配管作業が可能になる。
本発明の一態様では、前記バンクは、クランク軸の回転方向と同一方向にオフセットされ、該オフセットによって一方のバンクが他方のバンクよりクランク軸方向視において高く位置される高バンクを備え、前記高バンク側の前記高圧デリバリパイプと前記低圧デリバリパイプとは、他方の低バンク側の前記高圧デリバリパイプと前記低圧デリバリパイプとよりそれぞれ高い位置に配置される。
このようにすれば、クランク軸方向視において、各バンクにおける高圧デリバリパイプと低圧デリバリパイプとは、それぞれ上下方向にずれて互い違いに配置されるため、Vバンク間内に配設が可能となる。
本発明の一態様では、前記高バンクは、クランク軸方向に低バンクと位置がずれて配置され、前記高バンクのほうが前記低バンクよりも前記クランク軸の一端部側にずれて配置され、前記高バンク側の前記高圧デリバリパイプと前記低圧デリバリパイプとは、他方の低バンク側の前記高圧デリバリパイプと前記低圧デリバリパイプとよりそれぞれ前記クランク軸の一端部側にずれて配置される。
このようにすれば、平面視において、高バンクと低バンクとはクランク軸方向にずれて配置され、各バンクにおける高圧デリバリパイプと低圧デリバリパイプとは、さらに、それぞれ前後方向にずれて互い違いに配置されるため、さらに、Vバンク間内への配設が容易となる。
本発明の一態様では、前記高圧デリバリパイプ及び前記低圧デリバリパイプは、それぞれシリンダの配列方向に延びて配設され、高圧デリバリパイプへの燃料供給入口側と前記低圧デリバリパイプへの燃料供給入口側とは、前記シリンダの配列方向で互いに反対側に位置される。
このようにすれば、高圧デリバリパイプへの入口側と低圧デリバリパイプへの入口側とが、シリンダの配列方向で互いに反対側に位置されるので、高圧デリバリパイプと低圧デリバリパイプへの燃料供給入口側において、互いの干渉を避けるために配管の配設が複雑化することを回避することができる。
本発明の一態様では、シリンダヘッドに接続され、枝状に分岐して形成された吸気通路が前記吸気ポートに連通するインテークマニホールドを備え、前記低圧デリバリパイプは、前記インテークマニホールドに固定される。
このようにすれば、低圧デリバリパイプがインテークマニホールドに固定された状態でインテークマニホールドをシリンダヘッドに固定することができる。
以上説明したように、本発明によれば、高圧デリバリパイプと低圧デリバリパイプとが近くに配置され、高圧デリバリパイプと低圧デリバリパイプの効率的な配管作業が可能になる。
本実施形態であるV型エンジンの全体構成を示すクランク軸方向前面から見た正面図であって、一部を断面で表した図である。 図1に示したV型エンジンの全体構成を示す平面図である。 図1に示したシリンダヘッドに設けられた燃焼室を示す断面図である。 図3に示した燃焼室をIV−IV方向から見た概念図である。 図1に示したシリンダヘッドに設けられた吸気ポートを示す断面図である。 図5に示した吸気ポートをVI−VI方向から見た概念図である。 図1及び図2に示した吸気系を示す正面図である。 図1及び図2に示した吸気系を示す側面図であって、一部を断面で表した図である。 図1に示した燃料供給系を示す拡大正面図である。 図9に示したコネクタ装着部に電気コネクタを装着した状態を示す平面図である。 図9に示したダイレクトインジェクタ及びポートインジェクタを示す正面図である。 図9に示したダイレクトインジェクタ及びポートインジェクタを示す平面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るエンジンに好適な実施形態を詳細に説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また、例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
また、本実施形態において説明するエンジンの方向は、車体前部にエンジンを搭載した自動車の運転席を基準とする。したがって、クランク軸方向前面を基準とする図において左右が逆転し、図において左側を右側と称し、右側を左側と称する。
図1は、本実施形態であるV型エンジン1の全体構成を示すクランク軸方向前面から見た正面図であって、一部を断面で表した図であり、図2は、図1に示したV型エンジン1の全体構成を示す平面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態であるV型エンジン1は、エンジン本体10のほか、吸気系3、及び燃料供給系7の各装置を備えて構成されている。
[エンジン本体]
本実施形態に係るエンジン本体10は、4サイクルのV型六気筒のSOHC(Single Over Head Camshaft)のガソリンエンジンであって、バンク角(バンク狭角)が60度のものである。
図1に示すように、エンジン本体10は、気筒列(バンク)12A,12BがV型に形成されたシリンダブロック11と、左右の各バンク12A,12Bの上に接合されるシリンダヘッド2A,2Bと、シリンダブロック11の下に接合されるクランクケース13と、を備えて構成されている。
図2に示すように、V型に形成されたシリンダブロック11は、左右の各バンク12A,12Bが前後方向(クランク軸方向)にオフセットされ、右側(図2において左側)のバンク12Aが前側に位置し、左側(図2において右側)のバンク12Bが後側に位置している。また、図1に示すように、左右の各バンク12A,12Bには、それぞれ三つの気筒(シリンダ)14A,14Bが並設され(図12参照)、これらの下方域に共通する一つのクランク軸15がクランクケース13に回転可能に支持されている。そして、左右の各バンク12A,12Bに並設された三つのシリンダ14A,14Bは、右側のバンク12Aにおいて一番手前のシリンダ14Aが一番気筒#1となり、以下、シリンダブロック11の後側に向けて左右交互に二番気筒#2、三番気筒#3、四番気筒#4、五番気筒#5、六番気筒#6となり(図12参照)、後述する点火プラグ22(図3参照)がこの順番に点火される。
図1に示すように、シリンダ14A,14Bは、円筒形に形成され、シリンダ14A、14Bの内部には軸線L3,L4方向に往復運動するピストン16が収容されている。ピストン16は、頭部が閉塞された円筒形状に形成され、その胴部には径方向に貫通するピン穴が設けられている。また、ピストン16の胴部にはコネクティングロッド17の一端(スモールエンド(図示せず))が収容され、ピン穴に挿通するピストンピン162によりコネクティングロッド17のスモールエンドがピストン16に連結されている。
クランク軸15は、コネクティングロッド17とともに、ピストン16の往復運動(下降運動)を回転運動に変換するものであり、クランク軸15の回転中心を通る軸線に対して平行にクランクピン(図示せず)を有している。そして、クランクピンには、コネクティングロッド17の他端(ラージエンド(図示せず))が連結されている。これにより、ピストン16の往復運動は、クランク軸15の回転運動に変換される。
図3は、図1に示したシリンダヘッドに設けられた燃焼室を示す断面図であり、図4は、図3に示した燃焼室をIV−IV方向から見た概念図である。また、図5は、図1に示したシリンダヘッドに設けられた吸気ポートを示す断面図であり、図6は、図5に示した吸気ポートをVI−VI方向から見た概念図である。
図3及び図5に示すように、各シリンダヘッド2A,2Bには、シリンダブロック11に形成されたシリンダ14A,14Bと対応する位置に燃焼室21が設けられ、図3に示すように、各燃焼室21には点火プラグ22が装着されている。点火プラグ22は、燃焼室21に供給された混合気、及び燃焼室21又は気筒(シリンダ14A,14B)内で混合された混合気を着火燃焼せしめるもので、本実施形態に係る各シリンダヘッド2A,2Bは、左右の各バンク12A,12Bの内側となる位置に配置されている。
また、図5に示すように、各燃焼室21には二つの吸気口23と二つの排気口24とが設けられている。各燃焼室21に設けられた二つの吸気口23は、各バンク12A,12Bの内側においてシリンダ14A,14Bの配列方向に沿って一列に整列し、各燃焼室21に開口する。同様に、各燃焼室21に設けられた二つの排気口24は、左右の各バンク12A,12Bの外側においてシリンダ14A,14Bの配列方向に沿って一列に整列し、各燃焼室21に開口する。
各燃焼室21に設けられた二つの吸気口23には、それぞれバルブシート(着座面)231が設けられ、吸気口23ごとに設けられた吸気弁25により開閉される。同様に、各燃焼室21に設けられた二つの排気口24には、それぞれバルブシート(着座面)241が設けられ、排気口24ごとに設けられた排気弁26により開閉される。
また、シリンダヘッド2A,2Bには、燃焼室21ごとに吸気ポート27と排気ポート28とが設けられている。
吸気ポート27は、シリンダ14A,14Bの軸線L3,L4を通り、シリンダ14A,14Bの配列方向と直交する方向(以下、「吸排気方向」という)に沿って設けられ、燃焼室21に開口する二つの吸気口23に連通している。吸気ポート27は、上流側ポート271と下流側ポート272とを有している。
図6に示すように、上流側ポート271は、各燃焼室21に設けられた二つの吸気口23に対して一つ設けられる流路であり、吸気ポート27の上流側に設けられ、その断面中心を通る軸線Nは、シリンダ14A,14Bの軸線L3,L4を通る平面に配置される。そして、上流側ポート271は、シリンダヘッド2A,2Bの内側の水平面に開口する(図5参照)。シリンダヘッド2A,2Bの上流側ポート開口273は、前後方向に長い長円形であって、その周りに平坦な接合面274を有するフランジ(ポートインジェクタ用取付座)275が設けられている(図5参照)。
図6に示すように、下流側ポート272は、一つの吸気口23に対して一つ設けられる流路であり、上流側ポート271の下流側で上流側ポート271から分岐するように設けられている。したがって、二つの下流側ポート272の入口が上流側ポート271の出口に設けられ、下流側ポート272の出口が吸気口23に設けられたバルブシート231の入口に設けられている。
また、図5に示すように、吸気ポート27は、バルブシート231の上流となる吸気ポート27の中央域で下方に凸となる弧状部276を有している。弧状部276は、吸気ポート27の断面中心を通る軸線Nを湾曲させるためのものであり、これにより、吸気通路が長くなり、後述するポートインジェクタ91から噴射された燃料が吸気ポート27を流れる空気に良好に混合される。
排気ポート28は、吸気ポート27と燃焼室21を境に反対側で、吸排気方向に沿って設けられ、燃焼室21に開口する二つの排気口24に連通している。排気ポート28は、上流側ポート281と下流側ポート(図示せず)とを有している。上流側ポート281は、各燃焼室21に設けられた二つの排気口24に対してそれぞれ一つ設けられる流路であり、排気ポート28の上流側に設けられている。下流側ポートは、各燃焼室21に設けられた二つの排気口24に対して一つ設けられる流路であり、二つの上流側ポート281の下流側に二つの上流側ポート281が合流するように設けられ、その中心を通る軸線は、シリンダ14A,14Bの軸線を通る平面に配置される。したって、二つの上流側ポート281の入口が排気口24に設けられたバルブシート241の出口に設けられ、二つの上流側ポート281の出口が下流側ポートの入口に設けられている。
ところで、本実施形態に係るエンジン本体10は、図1に示すように、オフセットクランク構造を採用している。
一般的なV型エンジン(左右の各バンクがクランク軸の回転方向と同一方向にオフセットしていないエンジン)は、左右の各バンク12A,12Bにおけるシリンダ14A,14Bの軸線L1,L2がクランク軸15の中心Pを通る位置にあり、左右の各バンクは図1において二点鎖線で示す位置にある。
一方、オフセットクランク構造を採用した本実施形態に係るエンジン本体10(V型エンジン1)は、クランク軸15の中心Pからシリンダヘッド2A,2Bの上面までの距離を保ったまま、左右の各バンク12A,12Bにおけるシリンダ14A,14Bの軸線L1,L2をクランク軸15の中心Pに対してクランク軸15の回転方向(矢印E方向)と同一方向に平行移動したものである。これにより、左右の各バンク12A,12Bは、バンク角を維持したまま、シリンダ14A,14Bの軸線L1,L2がL3,L4にオフセットされ、シリンダ14A,14Bの軸線L1,L2はδ(オフセット量)だけ移動する。
したがって、右側のバンク(図1において左側のバンク)2Aの高さが左側のバンク(図1において右側のバンク)2Bよりも高い位置に配置され、その高さに差を生じ、右側のバンク12Aと左側のバンク12Bとにおいて吸気ポート27の入口開口にも同じ高さの差(H2−H1)を生じる。
これにより、本実施形態に係るエンジン本体10は、右側のバンク12Aが左側のバンク12Bよりも前で、かつ、右側のバンク12Aが左側のバンク12Bよりも高い、関係に配置される。
また、各シリンダヘッド2A,2Bの上方域には、カムシャフト(図示せず)、ロッカーアーム(図示せず)等の動弁機構が配置され、これらを覆うように、ロッカーカバー29が取り付けられている。そして、上述した吸気弁25及び排気弁26は、カムシャフト及びロッカーアームを介して所定のタイミングでそれぞれ開閉される。
[吸気系]
図7は、図1及び図2に示した吸気系3を示す正面図である。図8は、図1及び図2に示した吸気系3を示す側面図であって、一部を断面で表した図である。
本実施形態に係る吸気系3は、左右の各バンク12A,12Bのシリンダヘッド2A,2Bに燃焼室21ごとに設けられた吸気ポート27に空気を過給するものである。
図7に示すように、吸気系3は、左右の各バンク12A,12Bのシリンダヘッド2A,2Bに接合されるインテークマニホールド4A,4Bと、左右の各インテークマニホールド4A,4Bの上に接合されるインタークーラ5A,5Bと、左右の各インタークーラ5A,5Bに掛け渡されたアウトレットハウジング31と、アウトレットハウジング31に吊り下げられたスーパーチャージャ6と、を備えて構成されている。
スーパーチャージャ6は、クランク軸15(図1参照)から伝達された動力により駆動され、空気(吸気)を送り出すものであり、左右の各バンク12A,12Bの間であって、かつ、左右の各ロッカーカバー29より上方に取り付けられている。これにより、スーパーチャージャ6は、クランク軸15の上方に位置し、ロッカーカバー29の上面よりも上方にスーパーチャージャ6の下面が位置づけられている。
スーパーチャージャ6は、供給された空気(吸気)を下流に押し出して吐出することにより、エンジン本体10に供給する空気圧(吸気圧)を高めるものであり、本実施形態に係るスーパーチャージャ6は、四つ葉のルーツ式のスーパーチャージャで構成される。
スーパーチャージャ6は、ハウジング61と、ハウジング61に回転可能に支持され、ハウジング61の前方に突出する入力回転軸62(図8参照)と、ハウジング61に収容され、入力回転軸62の回転により互いに反対方向に回転する一対のロータ63A,63Bと、を備えて構成されている。
図8に示すように、ハウジング61は、ハウジング本体61Aと、ハウジング本体61Aの後面に接合されるインレットハウジング61Bと、ハウジング本体61Aの前面に接合される軸受ハウジング61Cと、を備えて構成されている。
図7に示すように、ハウジング本体61Aは、一対のロータ63A,63Bが相互に噛み合わされた状態で収容される収容空間を有している。収容空間は、ハウジング本体61Aの後面と上面前方域に開口し、後面開口から吸入された空気は、収容空間に収容された一対のロータ63A,63Bの間を通り、上面前方域開口61A1(図8参照)から吐出される。また、ハウジング本体61Aは、その上面に上面前方域開口61A1が形成される凹部が設けられている。凹部は、左右方向を短手方向とし前後方向を長手方向とする矩形形状に形成され、その周りに平坦な接合面を有している。
図8に示すように、インレットハウジング61Bは、ハウジング本体61Aに吸入される空気が通る吸気通路を有している。吸気通路は、インレットハウジング61Bの左側面と前面とに開口し、側面開口から吸入された空気は吸気通路を通り、前面開口からハウジング本体61Aに吸入される。
また、図2に示すように、インレットハウジング61Bの右側面(図2において左側面)には、スロットルボディ64が設けられている。スロットルボディ64は、その側面に筒状に形成された吸入口64Aを有するとともに、その内部にスロットルバルブ(図示せず)が設けられている。これにより、スロットルバルブを介して空気の吸入量が調整され、吸入口64Aから空気(吸入空気)が導入される。
図2に示すように、軸受ハウジング61Cは、ハウジング本体61Aの前面右側(図2において左側)に筒状の軸受部を有し、入力回転軸62は回転可能に支持されている。これにより、入力回転軸62は、右側のバンク12A側に配置されている。
入力回転軸62は、クランク軸15から動力が伝達され、回転する入力軸であり、図1に示すように、その前端部に設けられたプーリ67と、クランク軸15の前端部に設けられたプーリ(図示せず)との間には、ベルト68が巻回されている。これにより、クランク軸15の回転がクランク軸15からベルト68を介して入力回転軸62に伝達され、クランク軸15から入力回転軸62に動力が伝達される。尚、クランク軸15から入力回転軸62への動力の伝達はプーリ67とベルト68を組み合わせた動力伝達手段に限られるものではなく、例えば、スプロケットとチェーンを組み合わせた動力伝達手段を採用してもよい。
図7に示すように、一対のロータ63A,63Bは、ハウジング本体61Aに収容され、ハウジング本体61Aの内部で相互に噛み合わされている。一対のロータ63A,63Bの一方のロータ63A(以下、「駆動ロータ63A」という)の回転軸は、入力回転軸62で構成され、入力回転軸62が回転すると駆動ロータ63Aが入力回転軸62の回転方向と同一方向に回転する。そして、駆動ロータ63Aに噛み合わせた他方のロータ63B(以下、「従動ロータ63B」という)は、駆動ロータ63Aに従動し、駆動ロータ63Aの回転方向と反対方向に回転する。これにより、駆動ロータ63Aと従動ロータ63B、及びハウジング本体61Aで閉ざされた空間の空気が押し出され、ハウジング本体61Aの上面前方域開口61A1から吐出される。
アウトレットハウジング31は、スーパーチャージャ6から吐出された空気を左右の各バンク12A,12Bに分配するものであり、アルミニウム等の軽金属又はFRPやプリプレグ等の合成樹脂により形成されている。これにより、アウトレットハウジング31の軽量化が可能となり、さらに、アウトレットハウジング31を軽金属で鋳造又は合成樹脂で一体成形することにより、製造を容易にすることができる。
また、アウトレットハウジング31は、左右の各バンク12A,12Bの前後方向中央において左右の各バンク12A,12Bに跨がるように設けられている。アウトレットハウジング31は、左右方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とする平面視矩形で高さ方向を低くした直方体形状に形成され、その上面は後方から前方に向けて徐々に低くなるように傾斜している(図8参照)。
また、アウトレットハウジング31は、スーパーチャージャ6から吐出された空気を左右の各バンク12A,12Bに分配する分配通路32を有している。分配通路32は、アウトレットハウジング31の外形に沿って形成され、その天井面32Aはアウトレットハウジング31の上面と同様に、後方から前方に向けて徐々に低くなるように傾斜している。これにより、スーパーチャージャ6から吐出された空気(吸気)が分配通路32の天井面32Aに対して斜めに衝突するので、天井面32Aに吸気が当たる面積が大きくなり、天井面32Aに対して直角に衝突する場合よりも衝突音を低減することができる。すなわち、スーパーチャージャ6からの吐出圧による放射音を低減することができる。
また、分配通路32は、アウトレットハウジング31の下面で左右方向中央に開口している。アウトレットハウジング31の中央開口33は、ハウジング本体61Aに設けられた凹部と同一(左右方向を短手方向とし前後方向を長手方向とする矩形形状)に形成され、その周りに平坦な接合面を有している。そして、この接合面にハウジング本体61Aの接合面が接合され、六本のボルトでアウトレットハウジング31にスーパーチャージャ6が取り付けられている。これにより、アウトレットハウジング31の左右方向中央にスーパーチャージャ6が吊り下げられている。
また、分配通路32は、アウトレットハウジング31の下面で左右方向両側に開口している。アウトレットハウジング31の左右の各開口34A,34Bは、中央開口33よりも小さな矩形形状に形成され、その周りに平坦な接合面を有するフランジが設けられている。
また、分配通路32は、左右方向中央となる天井面に下方に向けて突出する稜32A1を有している。稜32A1は、前後方向に沿って設けられ、分配通路32を左右二つに分けている。したがって、中央開口33から導入された空気は稜32A1で右の通路と左の通路に分配され、右に分配された空気は右開口34Aから吐出され、左に分配された空気は、左開口34Bから吐出される。これにより、スーパーチャージャ6から吐出された空気(吸気)の左右の各バンク12A,12Bへの分配性が向上し、左右の各バンク12A,12Bに均等に吸気が供給されるようになる。
分配通路32は、アウトレットハウジング31の後面で左右方向中央に開口している。図8に示すように、アウトレットハウジング31の後面開口は、後述するバイパス通路691に連通する開口であり、円形形状に形成され、その周りに平坦な接合面を有している。そして、この接合面にバイパスハウジング69が接合され、二本のボルトでアウトレットハウジング31にバイパスハウジング69が取り付けられている。
バイパスハウジング69は、スーパーチャージャ6から吐出された空気をインレットハウジング61Bにバイパスするバイパス通路691を有している。バイパス通路691は、バイパスハウジング69の前面と下面とに開口している。バイパスハウジング69の前面開口は、アウトレットハウジング31の後面開口と略同一に形成され、上述したように、アウトレットハウジング31の後面開口に連通している。
バイパスハウジング69の下面にはバイパスバルブ66が設けられている。バイパスバルブ66は、その下面がインレットハウジング61Bに接続され、バイパス通路691と吸気通路はバイパスバルブ66を介して連通している。これにより、スーパーチャージャ6からアウトレットハウジング31に吐出された空気(吸気)の一部はバイパス通路691を介して吸気通路に戻され、吐出空気圧(吐出吸気圧)が調整される。尚、戻り空気圧(戻り吸気圧)は、バイパスバルブ66により調整される。
図7に示すように、左右の各インタークーラ5A,5Bは、スーパーチャージャ6から吐出され、左右に分配された空気をそれぞれ冷却するものであり、スーパーチャージャ6の左右両側であって、かつ、左右の各ロッカーカバー29より上方に、左右の各バンク12A,12Bごとに別々に設けられている。
左右の各インタークーラ5A,5Bは、左右で同様の構造であり、ケース51と、ケース51に収容されたインタークーラコア52と、ケース51の周りに配置される複数のカラー55と、を備えて構成されている。
ケース51は、インタークーラコア52を収容するものであり、FRPやプリプレグ等の合成樹脂又はアルミニウム等の軽金属により形成されている。これにより、ケース51の軽量化が可能となり、さらに、ケース51を合成樹脂で一体成形又は軽金属で鋳造することにより、製造を容易にすることができる。
ケース51は、左右方向を短手方向とし前後方向を長手方向とする平面視矩形の直方体形状を有し、その内部にアウトレットハウジング31からインテークマニホールド4A,4Bに供給される空気が通る吸気通路を有している。吸気通路は、ケース51の上面と下面とに開口している。
ケース51の上面開口は、アウトレットハウジング31の左右の各開口34A,34Bと同一(左右方向を短手方向とし前後方向を長手方向とする矩形形状)に形成され、その周りに平坦な接合面を有している。そして、この接合面にアウトレットハウジング31に設けられたフランジの接合面が接合されている。また、ケース51の下面開口は、上面開口と同一(左右方向を短手方向とし前後方向を長手方向とする矩形形状)に形成され、その周りに平坦な接合面を有するフランジが設けられている。
インタークーラコア52は、吸気通路を流れる空気を冷却するためのものであり、ケース51の外部から供給され、かつ、ケース51の外部に排出される冷却水が通る管が貫通するように設けられている。そして、管の入口側54A(図1参照)がケース51の前面において上側に配置され、出口側54B(図1参照)がケース51の前面において下側に配置されている。これにより、冷却水に含まれる気泡が上方に向けて排出される。
複数のカラー55は、アウトレットハウジング31からインテークマニホールド4A,4Bに荷重を伝達し、ケース51を保護するためのものであり、本実施形態に係る複数のカラー55は、六本で構成され、ケース51のフランジとアウトレットハウジング31との間に略同一の間隔で配置されている。
六本の各カラー55は、ボルトが挿通する円筒状の筒体であって、その両側に円板状のフランジを有している。カラー55の高さは、ケース51のフランジの上面からアウトレットハウジング31の下面までの高さと同一又はガスケット(図示せず)の分だけ高く設定されている。
そして、六本の各ボルトは、アウトレットハウジング31のフランジ、カラー55、及びケース51のフランジを貫通し、インテークマニホールド4A,4Bの後述するフランジに設けられた雌ネジに螺合し、アウトレットハウジング31、インタークーラ5A,5B、及びインテークマニホールド4A,4Bが一体化されている。これにより、アウトレットハウジング31からインテークマニホールド4A,4Bに荷重が伝達され、ケース51が保護されている。
左右の各インテークマニホールド4A,4Bは、左右の各バンク12A,12Bに設けられた複数の気筒(三つのシリンダ14A,14B)に空気(吸気)を分配するためのものであり、アルミニウム等の軽金属又はFRPやプリプレグ等の合成樹脂により形成されている。これにより、左右の各インテークマニホールド4A,4Bの軽量化が可能となり、さらに、左右の各インテークマニホールド4A,4Bを軽金属で鋳造又は合成樹脂で一体成形することにより、製造を容易にすることができる。
本実施形態に係る左右の各インテークマニホールド4A,4Bは、さらに、スーパーチャージャ6、アウトレットハウジング31、及び左右の各インタークーラ5A,5Bを支持するためのものであり、左右の各インテークマニホールド4A,4Bが一体に形成され、それぞれ、インタークーラ5A,5Bの下面とシリンダヘッド2A,2Bの接合面との間に設けられている。
ところで、上述したように、本実施形態に係るエンジン本体10は、オフセットクランク構造が採用され、右側のバンク12A(図2において左側のバンク)の高さが左側のバンク12B(図2において右側のバンク)よりも高い位置に配置され、その高さに差を生じ、右側のバンク12Aと左側のバンク12Bとにおいて吸気ポート27の入口開口にも同じ高さの差が生じている。
したがって、本実施形態に係る左右の各インテークマニホールド4A,4Bでも、右側のバンク12Aと左側のバンク12Bとにおいて取付高さ(吸気ポート27の入口開口)にも同じ高さの差(H2−H2)が生じている。
これにより、本実施形態に係る左右の各インテークマニホールド4A,4Bでは、右側のバンク12A(図7において左側のバンク)側のインテークマニホールド4A(以下、「右側インテークマニホールド4A」という)が左側のバンク12B(図7において右側のバンク)側のインテークマニホールド4B(以下「左側インテークマニホールド4B」という)よりも短く設定され、アウトレットハウジング31及びアウトレットハウジング31に吊り下げられたスーパーチャージャ6が水平姿勢をとる。この結果、右側インテークマニホールド4Aの支持剛性が左側インテークマニホールド4Bの支持剛性よりも高くなる。
また、入力回転軸62(図2参照)は右側のバンク12A側に配置されるので、支持剛性が高い側(右側インテークマニホールド4A側)で、エンジン本体10において前側に位置する側(右側のバンク12A)に配置されることになり、スーパーチャージャ6の振動を抑制することができる。
また、左右の各インテークマニホールド4A,4Bは、左右の各インタークーラ5A,5Bから左右の各バンク12A,12Bに向けてロッカーカバー29の外形に沿って湾曲し、スーパーチャージャ6、アウトレットハウジング31、及び左右の各インタークーラ5A,5Bを支持している。また、左右の各インテークマニホールド4A,4Bは、インタークーラ5A,5Bの接合面に臨むサージ部を有するとともに、サージ部から左右の各シリンダヘッド2Bに設けられた各吸気ポートに向けて分岐される分岐通路を有している。
サージ部はインタークーラ5A,5Bの接合面に開口するとともに、各分岐通路は各吸気ポート27に接合される各接合面に開口する。左右の各インテークマニホールド4A,4Bのサージ部開口は、ケース51の下面開口と同一(左右方向を短手方向とし前後方向を長手方向とする矩形形状)に形成され、その周りに平坦な接合面を有するフランジが設けられている。
そして、この接合面にインタークーラ5A,5Bに設けられたフランジの接合面が接合され、上述したように、六本の各ボルトが、アウトレットハウジング31のフランジ、カラー55、及びケース51のフランジを貫通し、インテークマニホールド4A,4Bのフランジに設けられた雌ネジに螺合し、アウトレットハウジング31、インタークーラ5A,5B、及びインテークマニホールド4A,4Bが一体化されている。
左右の各インテークマニホールド4A,4Bの各吸気ポート接合面開口は、シリンダヘッド2A,2Bの上流側ポート開口と同一(前後方向に長い長円形)に形成され、その周りに平坦な接合面を有するフランジが設けられている。そして、この接合面がシリンダヘッド2A,2Bに設けられた接合面に接合され、左右のバンク12A,12Bごとに、四本の各ボルトが、インテークマニホールド4A,4Bのフランジを貫通し、シリンダヘッド2A,2Bのフランジ275に設けられた雌ネジに螺合し、アウトレットハウジング31、インタークーラ5A,5Bが一体化された左右の各インテークマニホールド4A,4Bがシリンダヘッド2A,2Bに取り付けられている。
また、左右の各インテークマニホールド4A,4Bは、隣り合う分岐通路との間に連結壁を有している。連結壁は、隣り合う分岐通路を相互に連結し、隣り合う分岐通路との間を閉鎖し、左右のバンク12A,12B間にトンネル状の空間を形成している。また、連結壁の壁面には補強用のリブが形成されている。これにより、左右の各インテークマニホールド4A,4Bの内側が左右の各インテークマニホールド4A,4Bの連結壁により保護され、インテークマニホールド4A,4Bの内側に配置される燃料噴射装置8,9の配管(高圧デリバリパイプ82A,82B、低圧デリバリパイプ92A,92B等)及び部品(ダイレクトインジェクタ81、ポートインジェクタ91等)の安全性が確保される。さらに、連結壁は、左右のバンク12A,12B間にトンネル状の空間を形成するので、連結壁の両側壁面がトンネル状の空間を流れる空気をガイドする機能も有しており、これにより、左右の各インテークマニホールド4A,4Bの内側に配置される燃料噴射装置8,9の配管及び部品の冷却効果も期待することができる。
また、左右の各インテークマニホールド4A,4Bは、下端部に左右連結部を有している。左右連結部は、左右の各インテークマニホールド4A,4Bの下端部を相互に橋渡すように連結している。左右連結部は、前後方向両側に又は前後方向に間隔を設けて複数箇所に設けても良いし、さらに、底壁を構成するように前面的に設けてもよい。これにより、左右の各インテークマニホールド4A,4Bの剛性をさらに高めることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る吸気系3は、クランク軸15方向前面視において、スーパーチャージャ6が、アウトレットハウジング31、左右の各インタークーラ5A,5B、及び左右の各インテークマニホールド4A,4Bにより囲われる閉断面構造の内側に配置される。これにより、スーパーチャージャ6の吊り下げ支持構造の剛性が一層向上するので安定的な支持が可能になる。
また、アウトレットハウジング31、左右の各インタークーラ5A,5B、及び左右の各インテークマニホールド4A,4Bを別体構造として、ボルトで締結して組み立てることができるため、左右のバンク間の内側に燃料噴射装置8,9の配管や部品を収納する構造であっても簡単に組み立てることができる。
また、アウトレットハウジング31、左右の各インタークーラ5A,5B、及び左右の各インテークマニホールド4A,4Bを別体構造とするので、右側のバンク(高バンク)12A側と左側のバンク(低バンク)12B側の高さの差異への対応については、左右の各インテークマニホールド4A,4Bの高さを変更するのみで簡単に対応可能であり、左右の各インタークーラ5A,5Bを左右のバンク12A,12Bにおいて共用することができる。
また、アウトレットハウジング31及び左右の各インタークーラ5A,5Bのケース51が剛性樹脂や軽金属により形成されているので、軽量化が可能となり、左右の各インテークマニホールド4A,4Bに対する重量負荷が軽減される。これにより、左右の各インテークマニホールド4A,4Bの耐久性が向上する。さらに、吸気系3が軽量化されることにより、V型エンジン1の重心が下がるので、車両の運動性能の向上(アンダステアの防止)に寄与する。
尚、閉断面構造を構成する構成部品(アウトレットハウジング31、左右の各インタークーラ5A,5B、及び左右の各インテークマニホールド4A,4B)とスーパーチャージャ6との間に吸音材を配置してもよい。このようにすれば、スーパーチャージャ6からの放射音が低減され、衝突時の燃料系部品へのスーパーチャージャ6のアタックによる負荷を低減することができる。
また、以上説明した吸気系においては、スーパーチャージャ6を左右のバンク方向に延びる扁平の直方体形状からなるアウトレットハウジング31に吊り下げる構造として説明したが、必ずしも、吊り下げる構造としなくてもよい。例えば、左右の各インタークーラ5A,5Bに載せて固定するようにしてもよい。
[燃料供給系]
図9は、図1に示した筒内噴射装置及びポート噴射装置を示す正面図であり、図10は、図9に示したコネクタ装着部に電気コネクタを装着した状態を示す平面図である。図11は、図9に示したダイレクトインジェクタ及びポートインジェクタを示す正面図である。図12は、図9に示したダイレクトインジェクタ及びポートインジェクタを示す平面図である。
本実施形態に係る燃料供給系は、シリンダ14A,14Bごとに設けられた燃焼室21内に燃料を直接噴射する筒内噴射系と燃焼室21ごとに設けられた吸気ポート27に燃料を噴射するポート噴射系の二系統の燃料噴射装置8,9を備えている。
図9に示すように、筒内噴射系の燃料噴射装置8(以下、「筒内噴射装置8」という)は、左右の各バンク12A,12Bにおいてシリンダ14A,14Bごとに設けられたダイレクトインジェクタ81と、左右の各バンク12A,12Bにおいて複数のダイレクトインジェクタ81に共通して設けられた高圧デリバリパイプ82A,82Bと、高圧デリバリパイプ82A,82Bに燃料を供給する高圧燃料ポンプ(図示せず)と、を備えて構成されている。
ダイレクトインジェクタ81は、シリンダ14A,14Bごとに設けられた燃焼室21内に燃料を直接噴射するためのものであり、図3に示すように、吸気ポート27のシリンダ径方向外側となる位置に吸排気方向に沿って配置されている。具体的には、吸気ポート27が二つに分岐した下流側ポート272の下方域において、ダイレクトインジェクタ81の中心軸がシリンダ14A(14B)の軸線L3(L4)を通る平面に位置するように配置される。これにより、ダイレクトインジェクタ81は、シリンダ14A(14B)の配列方向と直交して配置され、左右の各バンク12A,12B間の内側で平面視において互い違いとなるように配置される。
図11に示すように、ダイレクトインジェクタ81は、小径のノズル部81aと、ノズル部81aよりも大径の胴部81bと、ノズル部81aよりも大径で胴部81bよりも小径のデリバリパイプ連結部(図示せず)と、胴部81bの径外方向に設けられたコネクタ装着部81d(第1のコネクタ装着部)と、を有している。ノズル部81aの先端には、高圧燃料ポンプから供給された燃料を円錐状に広がるように噴射する噴射孔(図示せず)が設けられている。胴部81bには、燃料の噴射量や噴射タイミングを制御する制御機器(図示せず)が収容され、デリバリパイプ連結部には高圧デリバリパイプ82A,82Bが連結され、高圧燃料ポンプから高圧デリバリパイプ82A,82Bを通り燃料が供給される。
また、コネクタ装着部81dには、電気コネクタ83(第1の電気コネクタ)が装着される。コネクタ装着部81dは、電気コネクタ83の装着方向がダイレクトインジェクタ81(胴部81b)の径方向であり、コネクタ装着部81dに径方向外側から電気コネクタ83が装着され、コネクタ装着部81dから径方向外側に電気コネクタ83が着脱される。
図10に示すように、ダイレクトインジェクタ81は、コネクタ装着部81dが左右のバンク12A,12B間で平面視において互い違いに斜め平行となるように配置されている。これにより、右側のバンク12A(図10において左側のバンク)においてコネクタ装着部81dが斜め後方を向き、右側のバンク12Aに対して後方にオフセットされた左側のバンク12B(図10において右側のバンク)においてコネクタ装着部81dが斜め前方を向く。そして、ダイレクトインジェクタ81の中心軸は、左右の各バンク12A,12B間の空間を斜め上方に向かうように傾斜させて、ダイレクトインジェクタ81から噴射された燃料(噴射軸線S)が気筒内に指向するように取り付けられている。
図11に示すように、高圧デリバリパイプ82A,82Bは、ダイレクトインジェクタ81に燃料を供給するためのものであり、上述したように、ダイレクトインジェクタ81がシリンダ14A(14B)の配列方向と直交して配置されるので、高圧デリバリパイプ82A(82B)はシリンダ14A(14B)の配列方向に沿って配置される。これにより、高圧デリバリパイプ82A,82Bは、左右の各バンク12A,12Bの内側に配置され、ダイレクトインジェクタ81のデリバリパイプ連結部が連結される(図9参照)。
そして、高圧デリバリパイプ82A,82Bに供給された燃料は、高圧デリバリパイプ82A,82Bからダイレクトインジェクタ81に供給される。そして、コネクタ装着部81dに装着された電気コネクタ83から供給された電気信号により胴部81bに収容された制御機器が制御され、任意の燃料噴射量が任意の噴射タイミングでノズル部81aに供給される。これにより、ノズル部81aに供給された燃料は、ノズル孔から気筒(シリンダ14A,14B)内に円錐状に広がるように噴射される。
また、図12に示すように、左右の各バンク12A,12Bに設けられた高圧デリバリパイプ82A,82Bは、後端部側が入口となり、右側のバンク12Aに設けられた高圧デリバリパイプ82A(以下「右側の高圧デリバリパイプ82A」という)の後端部82A1は燃料配管84aにより高圧燃料ポンプに接続され、右側の高圧デリバリパイプ82Aの後端部82A1と左側のバンク12Bに設けられた高圧デリバリパイプ82B(以下「左側の高圧デリバリパイプ82B」という)の後端部82B1とは、燃料配管84bにより接続されている。これにより、高圧燃料ポンプから右側の高圧デリバリパイプ82Aに供給された燃料は、左側の高圧デリバリパイプ82Bに分配される。そして、右側の高圧デリバリパイプ82Aに供給された燃料は、右側のバンク12Aに設けられたダイレクトインジェクタ81に供給され、左側の高圧デリバリパイプ82Bに供給された燃料は、左側のバンク12Bに設けられたダイレクトインジェクタ81に供給される。
ところで、上述したように、本実施形態に係るエンジン本体10は、オフセットクランク構造が採用され、図9に示すように、右側のバンク12A(図9において左側のバンク)の高さが左側のバンク12B(図9において右側のバンク)よりも高い位置に配置され、その高さに差を生じ、右側のバンク12Aと左側のバンク12Bとにおいて吸気ポート27の入口開口にも同じ高さの差が生じている。
したがって、本実施形態に係るダイレクトインジェクタ81でも、右側のバンク12Aと左側のバンク12Bとにおいて取付高さにも同じ高さの差が生じ、コネクタ装着部81dにも同じ高さの差が生じている。
同様に、本実施形態に係る高圧デリバリパイプ82A,82Bでも、右側のバンク12Aと左側のバンク12Bとにおいて取付高さに同じ高さの差が生じている。
図9に示すように、ポート噴射系の燃料噴射装置9(以下、「ポート噴射装置9」という)は、左右の各バンク12A,12Bにおいて、燃焼室21ごとに設けられた吸気ポート27に設けられたポートインジェクタ91と、左右の各バンク12A,12Bにおいて複数のポートインジェクタ91に共通して設けられた低圧デリバリパイプ92A,92Bと、低圧デリバリパイプ92A,92Bに燃料を供給する低圧燃料ポンプ(図示せず)と、を備えて構成されている。
ポートインジェクタ91は、燃焼室21ごとに設けられた吸気ポート27に燃料を噴射するためのものであり、図5に示すように、吸気ポート27に対してダイレクトインジェクタ81と同一側となる位置に吸排気方向に沿って配置されている。具体的には、吸気ポート27がシリンダブロック11のバンク内側に最も張り出した位置において、ポートインジェクタ91の中心軸がシリンダ14A(14B)の軸線L3(L4)を通る平面に位置するように配置される。したがって、ポートインジェクタ91の中心軸は、ダイレクトインジェクタ81の中心軸と同一平面に配置され、ポートインジェクタ91は、シリンダ14A(14B)の配列方向と直交して配置される。これにより、ポートインジェクタ91は、左右の各バンク12A,12Bの内側で平面視において互い違いとなるように配置される。そして、ポートインジェクタ91から噴射された燃料(噴射軸線T)は、吸気ポート27の下流側で二つに分岐した下流側ポート272に分配され、シリンダ14A(14B)の軸線L3(L4)及びダイレクトインジェクタ81の中心軸を通る平面の両側に均等に分配される。
また、図5に示すように、ポートインジェクタ91の噴射方向を示す噴射軸線Tは、ポートインジェクタから噴射された燃料が弧状部276の下方域を通過する方向を指向する。したがって、ポートインジェクタ91の噴射方向を示す噴射軸線Tがシリンダヘッド2A(2B)の下面に対して成す角度は、ポートインジェクタ91の噴射位置を通り弧状部276の最下面に接する直線がシリンダヘッド2A(2B)の下面に対して成す角度よりも大である。
また、ポートインジェクタ91の噴射軸線Sとダイレクトインジェクタ81の噴射軸線Tとが平行又は燃料噴射方向前方で交差する(図3参照)。この場合に、ポートインジェクタ91の噴射軸線Sがシリンダヘッド2A(2B)の下面に対して成す角度がダイレクトインジェクタ81の噴射軸線Tがシリンダヘッド2A(2B)の下面に対して成す角度以上である。これにより、ダイレクトインジェクタ81から噴射された燃料がシリンダ14A(14B)に生成されるタンブル流に逆らって拡散される。
図11に示すように、ポートインジェクタ91は、小径のノズル部91aと、ノズル部91aよりも大径の胴部91bと、胴部91bと略同一径のデリバリパイプ連結部(図示せず)と、胴部91bの径外方向に設けられたコネクタ装着部91d(第2のコネクタ装着部)と、を有している。ノズル部91aの先端には、低圧燃料ポンプから供給された燃料を二つの下流側ポートに向けて円錐状に広がるように噴射する噴射孔(図示せず)が設けられている。胴部91bには、燃料の噴射量や噴射タイミングを制御する制御機器(図示せず)が収容され、デリバリパイプ連結部には低圧デリバリパイプ92A,92Bが連結され、低圧燃料ポンプから低圧デリバリパイプ92A,92Bを通り燃料が供給される。
また、コネクタ装着部91dには、電気コネクタ93(第2の電気コネクタ)が装着される。コネクタ装着部91dは、電気コネクタ93装着方向がポートインジェクタ91(胴部91b)の斜め上方向であり、コネクタ装着部91dに斜め上方向から電気コネクタ93が装着され、コネクタ装着部91dから斜め上方向に電気コネクタ93が着脱される。
ポートインジェクタ91は、コネクタ装着部91dがバンク外側に向けて配置されている。具体的には、ポートインジェクタ91のノズル部81aがシリンダヘッド2Aとインテークマニホールド4A,4Bの接合面よりも吸気ポート27(シリンダヘッド2A)側に突出するように配置されている。ポートインジェクタ91のノズル部91aの先端は、吸気ポート27内に位置し、ポートインジェクタ91の中心軸は、左右の各バンク12A,12B間の空間内を斜め上方に向かうように傾斜させ、ポートインジェクタ91から噴射した燃料(噴射軸線T)が吸気弁25の傘中心を指向するように取り付けられている。
図11及び図12に示すように、低圧デリバリパイプ92A,92Bは、ポートインジェクタ91に燃料を供給するためのものであり、左右の各バンク12A,12Bの内側に設けられ、図12に示すように、高圧デリバリパイプ82A,82Bと重なるように配置されている。そして、これらの低圧デリバリパイプ92A,92Bには、ポートインジェクタ91のデリバリパイプ連結部が連結されている。これにより、低圧燃料ポンプから低圧デリバリパイプ92A,92Bに供給された燃料は、低圧デリバリパイプ92Aからポートインジェクタ91に供給される。そして、コネクタ装着部91dに装着された電気コネクタ93から供給された電気信号により胴部91bに収容された制御機器が制御され、任意の燃料噴射量が任意の噴射タイミングでノズル部91aに供給される。これにより、ノズル部91aに供給された燃料は、ノズル孔から二つの下流側ポートに向けて円錐状に広がるように噴射される。
また、図12に示すように、左右の各バンク12A,12Bに設けられた低圧デリバリパイプ92A,92Bは、前端部側が入口となり、右側のバンク12Aに設けられた低圧デリバリパイプ92A(以下、「右側の低圧デリバリパイプ92A」という)の前端部92A1は、燃料配管(主管)94aから分岐した燃料配管(枝管)94bに接続され、左側のバンク12Bに設けられた低圧デリバリパイプ92B(以下、「右側の低圧デリバリパイプ92B」という)の前端部94B1は、燃料配管(主管)94aに接続されている。これにより、低圧燃料ポンプから吐出された燃料は、燃料配管94a,94bを通り右側の低圧デリバリパイプ92Aと左側の低圧デリバリパイプとに供給される。そして、右側の低圧デリバリパイプ92Aに供給された燃料は、右側のバンク12Aに設けられたポートインジェクタ91に供給され、左側の低圧デリバリパイプ92Bに供給された燃料は、左側のバンク12Bに設けられたポートインジェクタ91に供給される。
ところで、上述したように、本実施形態に係るエンジン本体10は、オフセットクランク構造が採用され、右側のバンク12A(図9において左側のバンク)の高さが左側のバンク12B(図9において右側のバンク)よりも高い位置に配置され、その高さに差を生じ、右側のバンク12Aと左側のバンク12Bとにおいて吸気ポート27の入口開口にも同じ高さの差が生じている。
したがって、本実施形態に係るポートインジェクタ91でも、右側のバンク12Aと左側のバンク12Bとにおいて取付高さにも同じ高さの差が生じ、コネクタ装着部91dにも同じ高さの差が生じている。
同様に、本実施形態に係る低圧デリバリパイプ92Aでも、右側のバンク12Aと左側のバンク12Bとにおいて取付高さに同じ高さの差が生じている。
以上説明したように、本発明の実施形態であるV型エンジン1は、燃焼室21に開口する吸気口23にバルブシート231を有するとともに、バルブシート231の上流側となる吸気ポート27の中央域で下方に凸となる弧状部276を有する一方、ポートインジェクタ91の噴射方向を示す噴射軸線Tは、ポートインジェクタ91から燃料が弧状部276の下方域を通過する方向を指向するので、ダイレクトインジェクタ81とポートインジェクタ91を効率的に配置することができ、しかも、ポートインジェクタ91から噴射された燃料が吸気ポート27を流れる空気に良好に混合される。
また、二つに分岐した下流側ポート272の下方域にダイレクトインジェクタ81を配置することができるので、ダイレクトインジェクタ81を効率的に配置することができる。
また、ダイレクトインジェクタ81から噴射された燃料がシリンダ14A,14B内に生成されるタンブル流に逆らって拡散される。これにより、シリンダ14A,14B内で燃料と空気の混合が促進される。
また、ダイレクトインジェクタ81とポートインジェクタ91とがシリンダ14A,14Bの配列方向と直交するので、ダイレクトインジェクタ81に燃料を供給する高圧デリバリパイプ82A,82Bをシリンダ14A,14Bの配列方向に配管することができ、ポートインジェクタ91に燃料を供給する低圧デリバリパイプ92A,92Bをシリンダ14A,14Bの配列方向に配管することができる。
また、ポートインジェクタ91がインテークマニホールド4A,4Bに固定された状態でインテークマニホールド4A,4Bをシリンダヘッド2A,2Bに固定することができる。また、ポートインジェクタ91のノズル部91aが接合面274よりもインテークマニホールド4A,4B側に位置する場合に比べてポートインジェクタ用取付座の厚みを薄く形成することができる。
また、ポートインジェクタ91から噴射された燃料(噴射軸線T)が吸気弁25の傘中心に向かって流れ、吸気ポート27の内壁面への燃料の付着を抑制することができる。
また、ダイレクトインジェクタ81とポートインジェクタ91とをシリンダブロック11のバンク内側に集約して配置することができる。
また、複数のダイレクトインジェクタ81が、その胴部81bから径方向外側に突出し、電気コネクタ83が装着されるコネクタ装着部81dがバンク間で高さが異なるように配置されるので、バンク間の限られた空間で、一方のバンク12A(12B)のダイレクトインジェクタ81と他方のバンク12B(12A)のダイレクトインジェクタ81との間で電気コネクタ83の干渉が回避され、ダイレクトインジェクタ81に電気コネクタ83を装着することができる。
また、電気コネクタ83をダイレクトインジェクタ81の径方向外側からコネクタ装着部81dに装着することができる。また、電気コネクタ83をコネクタ装着部81dからダイレクトインジェクタ81の径方向外側に脱着することができる。
また、左側のバンク12Bに配置されたダイレクトインジェクタ81は、右側のバンク12Aに配置されたダイレクトインジェクタ81よりも低い位置に配置されるので、バンク間の限られた空間で、右側のバンク12Aに配置されたダイレクトインジェクタ81と左側のバンクに配置されたダイレクトインジェクタ81との間で電気コネクタ83の干渉が回避され、ダイレクトインジェクタ81に電気コネクタ83を装着することができる。
また、右側のバンク12Aにおいてコネクタ装着部81dが斜め後方を向き、右側のバンク12Aよりも低い左側のバンク12Bにおいてコネクタ装着部81dが斜め前方を向くので、右側のバンク12Aに配置されたダイレクトインジェクタ81と左側のバンク12Bに配置されたダイレクトインジェクタ81との間で電気コネクタ83の干渉を回避して、右側のバンク12Aに配置されたダイレクトインジェクタ81のコネクタ装着部81dに電気コネクタ83を装着することができ、左側のバンク12Bに配置されたダイレクトインジェクタ81のコネクタ装着部81dに電気コネクタ83を装着することができる。
また、複数のポートインジェクタ91が、その胴部91bから径方向外側に突出し、電気コネクタ93が装着されるコネクタ装着部91dがバンク外側に向けて配置されるので、一方のバンク12A(12B)のポートインジェクタ91と他方のバンク12B(12A)のポートインジェクタ91との間で電気コネクタ93の干渉が回避され、ポートインジェクタに電気コネクタ93を装着することができる。
また、電気コネクタ93をポートインジェクタ91の斜め上方向からコネクタ装着部91dに装着することができる。また、電気コネクタ93をコネクタ装着部91dからポートインジェクタ91の斜め上方向に脱着することができる。
また、低圧デリバリパイプ92A,92Bは、平面視において高圧デリバリパイプ82A,82Bと重なるので、低圧デリバリパイプ92A,92Bが高圧デリバリパイプ82A,82Bよりも外側に大きく張り出すことがない。これにより、高圧デリバリパイプ82A,82Bと低圧デリバリパイプ92A,92Bとが近くに配置され、高圧デリバリパイプ82A,82Bと低圧デリバリパイプ92A,92Bの効率的な配管作業が可能になる。
また、高圧デリバリパイプ82A,82Bと低圧デリバリパイプ92A,92Bとがシリンダブロック11のバンク内側に集約して配置される。これにより、高圧デリバリパイプ82A,82Bと低圧デリバリパイプ92A,92Bの効率的な配管作業が可能になる。
また、クランク軸15方向視において、左右の各バンク12A,12Bにおける高圧デリバリパイプ82A,82Bと低圧デリバリパイプ92A,92Bとは、それぞれ上下方向にずれて互い違いに配置されるため、Vバンク間内に配設が可能となる。
また、平面視において、高バンク(右側のバンク12A)と低バンク(左側のバンク12B)とはクランク軸15の方向にずれて配置されるため、左右の各バンク12A,12Bにおける高圧デリバリパイプ82A,82Bと低圧デリバリパイプ92A,92Bとは、さらに、それぞれ前後方向にずれて互い違いに配置されるため、さらに、Vバンク間内への配設が容易となる。
また、高圧デリバリパイプ82A,82Bへの入口側と低圧デリバリパイプ92A,92Bへの入口側とが、シリンダ14A,14Bの配列方向で互いに反対側に位置されるので、高圧デリバリパイプ82A、82Bと低圧デリバリパイプ92A,92Bへの燃料供給入口側において、互いの干渉を避けるために配管の配設が複雑化することを回避することができる。
また、低圧デリバリパイプ92A,92Bがインテークマニホールド4A,4Bに固定された状態でインテークマニホールド4A,4Bをシリンダヘッド2A,2Bに固定することができる。
また、クランク軸方向前面視において、ダイレクトインジェクタ81とポートインジェクタ91とこれらインジェクタへの燃料供給配管は、アウトレットハウジング31、スーパーチャージャ6と、さらに、左右の各バンク12A,12Bとによって周囲が囲われるように配置されるため、車両衝突時の安全性、さらに、囲われた内部空間が車両走行による空気の流れをガイドする作用も得られることで、冷却効果も期待することができる。
以上説明したように、本発明は、高圧デリバリパイプと低圧デリバリパイプとを近づけて配置し、高圧デリバリパイプと低圧デリバリパイプの効率的な配管作業が可能になるので、特に、バンク角が狭いV型エンジンに好適である。
1 V型エンジン
10 エンジン本体
11 シリンダブロック
12A,12B バンク
13 クランクケース
14A,14B シリンダ(気筒)
15 クランク軸
16 ピストン
162 ピストンピン
17 コネクティングロッド
2A,2B シリンダヘッド
21 燃焼室
22 点火プラグ
23 吸気口
231 バルブシート(着座面)
24 排気口
241 バルブシート
25 吸気弁
26 排気弁
27 吸気ポート
271 上流側ポート
272 下流側ポート
273 上流側ポート開口
274 接合面
275 フランジ(ポートインジェクタ用取付座)
276 弧状部
28 排気ポート
281 上流側ポート
29 ロッカーカバー
3 吸気系
31 アウトレットハウジング
32 分配通路
32A 天井面
32A1 稜
33 中央開口
34A 開口(右開口)
34B 開口(左開口)
4A,4B インテークマニホールド
5A,5B インタークーラ
51 ケース
52 インタークーラコア
53 カラー
54A 入口側(管)
54B 出口側(管)
55 カラー
6 スーパーチャージャ
61 ハウジング
61A ハウジング本体
61A1 上面前方域開口
61B インレットハウジング
61C 軸受ハウジング
62 入力回転軸
63A 駆動ロータ(ロータ)
63B 従動ロータ(ロータ)
64 スロットルボディ
64A 吸入口
66 バイパスバルブ
67 プーリ
68 ベルト
69 バイパスハウジング
691 バイパス通路
7 燃料供給系
8 筒内噴射装置
81 ダイレクトインジェクタ
81a ノズル部
81b 胴部
81d コネクタ装着部
82A,82B 高圧デリバリパイプ
82A1,82B1 後端部
83 電気コネクタ
84a,84b 燃料配管
9 ポート噴射装置
91 ポートインジェクタ
91a ノズル部
91b 胴部
91d コネクタ装着部
92A1,94B1 前端部
92A,92B 低圧デリバリパイプ
93 電気コネクタ
94a,94b 燃料配管

Claims (6)

  1. 複数のシリンダを有するシリンダブロックと、
    前記シリンダブロックの上に取り付けられ、前記シリンダごとに燃焼室からシリンダの軸線に対して斜め上方に延びる吸気ポートを有するシリンダヘッドと、
    前記吸気ポートのシリンダ径方向外側となる位置に配置され、前記燃焼室に燃料を直接噴射するダイレクトインジェクタと、
    前記吸気ポートのシリンダ径方向外側となる位置に配置され、前記シリンダごとに配置されたダイレクトインジェクタを相互に接続する高圧デリバリパイプと、
    前記吸気ポートに対して前記ダイレクトインジェクタと同一側となる位置に配置され、前記吸気ポート内に燃料を噴射するポートインジェクタと、
    前記吸気ポートのシリンダ径方向外側となる位置に配置され、前記シリンダごとに配置されたポートインジェクタを相互に接続する低圧デリバリパイプと、
    を備え、
    前記低圧デリバリパイプは、平面視において前記高圧デリバリパイプと重なることを特徴とするエンジン。
  2. 前記シリンダブロックは、V型に配置されたバンクに前記複数のシリンダが左右交互に配置され、
    前記高圧デリバリパイプと前記低圧デリバリパイプとが前記シリンダブロックのバンク内側に配置されることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記バンクは、クランク軸の回転方向と同一方向にオフセットされ、該オフセットによって一方のバンクが他方のバンクよりクランク軸方向視において高く位置される高バンクを備え、
    前記高バンク側の前記高圧デリバリパイプと前記低圧デリバリパイプとは、他方の低バンク側の前記高圧デリバリパイプと前記低圧デリバリパイプとよりそれぞれ高い位置に配置されることを特徴とする請求項2に記載のエンジン。
  4. 前記高バンクは、クランク軸方向に低バンクと位置がずれて配置され、
    前記高バンクのほうが前記低バンクよりも前記クランク軸の一端部側にずれて配置され、
    前記高バンク側の前記高圧デリバリパイプと前記低圧デリバリパイプとは、他方の低バンク側の前記高圧デリバリパイプと前記低圧デリバリパイプとよりそれぞれ前記クランク軸の一端部側にずれて配置されることを特徴とする請求項3に記載のエンジン。
  5. 前記高圧デリバリパイプ及び前記低圧デリバリパイプは、それぞれシリンダの配列方向に延びて配設され、
    高圧デリバリパイプへの燃料供給入口側と前記低圧デリバリパイプへの燃料供給入口側とは、前記シリンダの配列方向で互いに反対側に位置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のエンジン。
  6. シリンダヘッドに接続され、枝状に分岐して形成された吸気通路が前記吸気ポートに連通するインテークマニホールドを備え、前記低圧デリバリパイプは、前記インテークマニホールドに固定されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のエンジン。
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