JP6458463B2 - 発光素子 - Google Patents

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Description

本開示は、発光素子に関し、特に発光素子の電極配置に関する。
従来から発光素子は、均一な発光を可能とするために様々な開発が行なわれている。例えば、四角形の外形を有する発光素子の電極構造としては、第2電極および第1電極の一方が発光素子上面の中心に配置され、一方の電極の周囲を囲む形態で他方の電極が配置されている発光素子が提案されている(特許文献1〜3)。
特開2011−61077号公報 特開2012−89695号公報 特開2011−139037号公報
これらの種々の電極構造は、それぞれ、発光素子の全面に渡って均一な光が出射されるように、電流密度の均一な分布を図るために提案されたものである。しかし、これらの電極構造では、依然として、第2電極と第1電極との間で電流密度の分布に偏りが生じ、均一な発光を得るのには未だ不十分であると懸念される。
本開示はかかる事情に鑑みてなされたものであり、電極間における電流密度分布の偏りを低減することを目的とする。
本開示の発光素子は、
第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層上にそれぞれ第1電極及び第2電極を有し、前記第1電極及び前記第2電極が、前記第1導電型半導体層及び前記第2導電型半導体層の同一面側に配置されてなる発光素子であって、
平面視において、
前記第1電極及び前記第2電極は、第1接続部及び第2接続部をそれぞれ有し、
(1)前記第1電極は、前記第1接続部から前記第2接続部に向かって直線状に延びる第1延伸部と、前記第1延伸部を挟みかつ前記第1延伸部に対して平行に延びる2つの第2延伸部とを備え、
前記第2電極は、前記第1延伸部と前記2つの第2延伸部との間のそれぞれに、前記第1延伸部に対して平行に延びる2つの第3延伸部を備え、
前記第1延伸部に対して垂直な方向において、隣接する前記第2延伸部と前記第3延伸部とのそれぞれの距離は、前記第1延伸部と前記2つの第3延伸部との距離よりも短いか、
(2)前記第1電極は、前記第1接続部から前記第2接続部に向かって直線状に延びる第1延伸部と、前記第1延伸部を挟んで延びる2つの第2延伸部とを備え、
前記第2電極は、2つの第3延伸部と、該2つの第3延伸部それぞれの外側に延びる2つの第4延伸部とを備え、
前記第1延伸部、前記第2延伸部、前記第3延伸部及び前記第4延伸部は互いに平行な部位を有し、前記第1延伸部に直交する方向において交互に配置され、
前記第4延伸部の先端部は、前記第1接続部に近づく方向へ曲がっている
ことを特徴とする。
本開示の発光素子によれば、電流密度分布の偏りを低減させることができる。
本開示の実施例1の発光素子を示す平面図である。 本開示の実施例1の変形例の発光素子を示す平面図である。 本開示の実施例1の発光素子を示す概略断面図である。 本開示の実施例1の別の変形例の発光素子を示す平面図である。 本開示の実施例2の発光素子を示す平面図である。 本開示の実施例2の変形例の発光素子を示す平面図である。 本開示の実施例3の発光素子を示す平面図である。 本開示の実施例4の発光素子を示す平面図である。 本開示の実施例5の発光素子を示す平面図である。 本開示の実施例6の発光素子を示す平面図である。 本開示の実施例7の発光素子を示す平面図である。 本開示の実施例8の発光素子を示す平面図である。 本開示の実施例9の発光素子を示す平面図である。 本開示の参考例における発光素子を示す平面図である。 本開示の実施例1、5、8の発光素子と参考例の発光素子との電流密度分布のシミュレーションを示す平面図である。
以下、本開示に係る発光素子を実施するための形態として、図面を参照しながら説明する。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については、原則として同一、同質又は同機能の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本開示を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する様態としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。一部の実施例及び実施形態において説明された内容は、他の実施例及び実施形態等に利用可能なものもある。
本開示の発光素子は、第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層と、第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層上にそれぞれ配置された第1電極及び第2電極とを備える。これら第1電極及び第2電極は、第1導電型半導体層及び/又は第2導電型半導体層の同一面側に配置されている。
ここで、第1導電型半導体層と第2導電型半導体層は、異なる導電型を有する。第1導電型半導体層は、n型又はp型のいずれでもよい。第2導電型半導体層は、第1導電型半導体層がn型の場合はp型、p型の場合はn型を意味する。
(第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層)
第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層は、発光素子における発光部となる部材であり、通常、積層されて半導体積層体を構成している。第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層は、それぞれ単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。積層構造の場合は、第1導電型半導体層又は第2導電型半導体層を構成する全ての層が第1導電型又は第2導電型を示すものでなくてもよい。通常、これら半導体層の間には活性層(発光層)が挟まれている。活性層は、量子効果が生ずる薄膜に形成された単一量子井戸構造及び多重量子井戸構造のいずれでもよい。なかでも、第1導電型半導体層と、活性層と、第2導電型半導体層とがこの順に積層されたものが好ましい。言い換えると、n型半導体層/活性層/p型半導体層が積層されたものが好ましい。このとき、p型半導体層側が第1電極及び第2電極配置側になる。
半導体層の種類及び材料は特に限定されるものではなく、例えば、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物半導体材料が好適に用いられる。
第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層は、通常、基板上に積層されている。基板の材料としては、サファイア(Al23)やスピネル(MgA124)のような絶縁性基板;炭化ケイ素(SiC)、ZnS、ZnO、Si、GaAs、ダイヤモンド;及び窒化物半導体と格子整合するニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジウム等の酸化物基板が挙げられる。ただし、発光素子では、必ずしもこのような基板が存在しなくてもよい。
第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層は、後述する第1電極及び第2電極をこれら第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層の同一面側に配置させるために、例えば、第1導電型半導体層の一部が露出するように、第2導電型半導体層が、第1導電型半導体層の上に積層されているか、第2導電型半導体層の一部が露出するように、第1導電型半導体層が、第2導電型半導体層の上に積層されている。
一実施形態では、n型半導体層の上に活性層を介してp型半導体層が積層されて半導体積層体を構成しており、p型半導体層及び活性層が、それらの下のn型半導体層の一部を露出させるために、一部領域において除去されているものが好ましい。
発光素子の発光部となる半導体積層体は、特に限定されず、平面形状が、対向する一対の辺を有する形状であることが好ましく、矩形であることがより好ましい。ただし、その隅部は角がとれて丸みを帯びていてもよい。矩形の場合、四隅の角に90±10度程度の角度の変動があることは許容される。正方形の場合は、一辺の長さが他辺の長さの±5%程度変動があることも許容される。
(第1電極及び第2電極)
第1電極及び第2電極は、第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層に、それぞれ電流を供給するために、第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層に直接又は間接的に電気的に接続されている。
第1導電型半導体層がn型の場合、第1電極はn側電極、第1導電型半導体層がp型の場合はp側電極を意味する。第2電極も同様である。
第1電極又は第2電極は、平面視において、発光素子の内側に配置されていることが好ましい。言い換えると、第1電極が第2導電型半導体層に囲まれているか、あるいは第2電極が第1導電型半導体層に囲まれていることが好ましい。これにより、第1電極又は第2電極の全周で電流を拡散させることができる。ただし、第1電極又は第2電極の一部は、第2導電型半導体層又は第1導電型半導体層に囲まれなくてもよい。
第1電極は、その一部又は全部が、第2電極に囲まれた形態であってもよいし、その逆でもよい。言い換えると、n側電極の一部又は全部がp側電極に囲まれた形態であってもよいし、p側電極の一部又は全部がn側電極に囲まれた形態であってもよい。なかでも、活性層の面積確保を考慮すると、前者が好ましい。
第1電極及び第2電極は、第1接続部及び第2接続部をそれぞれ有する。
第1接続部及び第2接続部は、発光素子に電流を供給するために外部電極又は外部端子等と接続するためのいわゆるパッド電極であり、例えば、導電性のワイヤ等がボンディングされる部位である。
第1接続部及び第2接続部は、半導体積層体の対向する一対の辺側にそれぞれ偏在している。特に、半導体積層体の平面形状が矩形の場合には、第1接続部及び第2接続部は、1つの中心線の上の一端側及び他端側に配置されていることが好ましい。中心線は、半導体積層体の一辺に平行な線であって、この一辺に直交する他辺の中点を通る線であることが好ましい。この中心線を第1中心線ということがある。ただし、本明細書では、中心線、中点等は、発光素子の加工精度等によって、数μmから十数μm程度の変動は許容される。
第1接続部及び第2接続部の平面形状は、発光素子の大きさ、電極の配置等によって適宜調整することができ、例えば、円形、正多角形などの形状とすることができる。なかでも、ワイヤボンディングのしやすさ等を考慮すると、円形状又はこれに近似する形状が好ましい。また、第1接続部及び第2接続部の大きさは、発光素子の大きさ、電極の配置等によって適宜調整することができる。例えば、直径70μm〜150μm程度の略円形とすることができる。第1接続部及び第2接続部の形状及び大きさは同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
第1電極は、第1延伸部と、第2延伸部とを備える。
第2電極は、第3延伸部と、任意に第4延伸部とを備える。
これら第1延伸部、第2延伸部、第3延伸部、任意の第4延伸部の形状及び数は、特に限定されず、任意の形状及び数とすることができる。
一実施形態では、第1電極は、第1接続部から第2接続部に向かって直線状に延びる第1延伸部と、第1延伸部を挟んで延びる2つの第2延伸部とを備えることが好ましい。第2延伸部は、第1延伸部を挟みかつ第1延伸部に対して平行に延びることが好ましい。
第2電極は、第1延伸部と2つの第2延伸部との間のそれぞれに、第1延伸部に対して平行に延びる2つの第3延伸部を備えることが好ましい。第4延伸部は、2つの第3延伸部の外側に延びることが好ましく、2つの第2延伸部の外側に第1延伸部に対して平行に延びることがより好ましい。
第1延伸部、第2延伸部、第3延伸部及び任意の第4延伸部は、第1接続部又は第2接続部と繋がっており、第1接続部及び第2接続部に供給された電流を、半導体層に均一に拡散させるための補助電極の役割を果たす。
第1延伸部及び第2延伸部は、第1接続部から延びていることが好ましい。これらの先端は、第1中心線と直交し且つ他辺の中点を通る線(第2中心線ということがある)よりも第2接続部側に位置していることが好ましい。
特に、第1接続部が、上述したように、第1中心線の上の一端側に配置されている場合、第1延伸部は、第1中心線上に延びていることが好ましい。
第2延伸部は、第1延伸部から遠ざかる方向に延び、方向を徐々に又は急激に変更して、第1延伸部に対して平行な方向に延びることが好ましい。第1延伸部から遠ざかる方向は、例えば、第1延伸部に平行な方向に直交する方向、又は2つの第2延伸部で、第2接続部方向に中心を有する円弧又は放物線を描く方向が挙げられる。
第3延伸部及び第4延伸部は、第2接続部から延びていることが好ましい。これらの先端は、第1中心線と直交し且つ他辺の中点を通る線(第2中心線ということがある)よりも第1接続部側に位置していることが好ましい。特に、第4延伸部は、第2接続部から離れる方向で且つ第1接続部よりも遠い位置まで延びていることが好ましい。
2つの第3延伸部は、1つのU字を形成する形状となるように延びることが好ましい。直線を繋げるようにして曲げる場合に比べて距離が短くなり、延伸部の長さを短くすることができ、延伸部による遮光や光吸収を低減することができるからである。
2つの第4延伸部は、第3延伸部から遠ざかる方向に延び、方向を徐々に又は急激に変更して、第1延伸部に対して平行な方向に延びることが好ましい。第3延伸部から遠ざかる方向は、例えば、第1延伸部に平行な方向に直交する方向、又は2つの第4延伸部で、第1接続部方向に中心を有する円弧又は放物線を描く方向が挙げられる。
第2延伸部、第3延伸部及び第4延伸部は、いずれも、その先端部が曲がっていてもよい。先端部が曲がるとは、延伸部が屈曲するものと、湾曲するものとを含む。第2延伸部、第3延伸部及び第4延伸部の先端部は、第1接続部及び/又は第2接続部に近づく方向に曲がっていてもよく、あるいは、半導体積層体の第1中心線及び/又は半導体積層体の内側に向かって曲がっていてもよい。
第1延伸部、第2延伸部、第3延伸部及び第4延伸部の太さ(幅)は特に限定されるものではなく、例えば、第1接続部及び第2接続部の直径又は最長長さの5〜30%程度の太さ、5〜20%程度の太さ、5〜15%程度の太さとすることが好ましい。これら延伸部の太さは互いに異なっていても、同一でもよい。例えば、第1延伸部及び第2延伸部は太さが同じであることが好ましく、第3延伸部と第4延伸部は太さが同じであることが好ましい。第1延伸部及び第2延伸部と、第3延伸部及び第4延伸部とは、互いに太さが異なることが好ましい。また、第1延伸部、第2延伸部、第3延伸部及び第4延伸部は、それぞれ、部分的に太さが異なっていてもよいし、一定でもよい。
半導体積層体が正方形の場合、その平面形状の大きさは特に限定されないが、一辺を600μm〜1200μmとすることができる。第1接続部、第2接続部、第1延伸部、第2延伸部、第3延伸部、第4延伸部は、半導体積層体の平面形状の大きさに合わせて、大きさ、長さ、太さ及び/又は離間距離を適宜調整することができる。
例えば、平面視において、半導体積層体の一辺が800μmの正方形で、第1接続部と第2接続部とが直径100μm程度の略円形を有している場合、第1接続部と第2接続部とは420μm〜660μm離間させることができる。また、第1延伸部の全長は190μm〜370μm、第2延伸部の全長は750μm〜1500μm、第3延伸部の全長は600μm〜1100μm、第4延伸部の全長は1300μm〜2200μmの範囲で適宜調整することができる。さらにまた、第3延伸部の先端と第3延伸部を第1延伸部に対して平行に延長した方向における第2延伸部との距離(f、m)は120μm〜190μm、第2延伸部の先端と第2延伸部を第1延伸部に対して平行に延長した方向における第4延伸部との距離(g、j)は90μm〜190μm、第1延伸部と第2接続部との距離(h、k)は120μm〜170μmの範囲で適宜調整することができる。第1延伸部、第2延伸部、第3延伸部、第4延伸部の太さは、2〜15μmとすることができる。
半導体積層体の平面形状が矩形である場合、第1延伸部は、半導体積層体の一辺と平行であることが好ましい。同様に、第2延伸部、第3延伸部及び第4延伸部は、半導体積層体の一辺と平行である部位を有することが好ましい。これらの延伸部の配置によって、第1接続部及び第2接続部から供給される電流を半導体積層体の全面に渡って均一に拡散させることができる。
図1Aと図2Aに示すように、第2延伸部と第3延伸部との距離(b、b')は、第1延伸部と第3延伸部との距離(a、a')よりも短いことが好ましい。すなわち、第1延伸部に対して垂直な方向において、2つの第2延伸部とそれらにそれぞれ隣接する2つの第3延伸部とのそれぞれの距離のいずれも、第1延伸部とそれに隣接する2つの第3延伸部とのそれぞれの距離よりも短いことが好ましい。
第1延伸部と2つの第2延伸部とのそれぞれの距離(a+b、a'+b')は、等しいことが好ましい。
第1延伸部と2つの第3延伸部とのそれぞれの距離(a、a')は、等しいことが好ましい。
図1Aに示すように、発光素子が第4延伸部を有する場合、第4延伸部と第2延伸部との平行に延びる部位間の距離(c、c')は、第2延伸部と第3延伸部との距離(b、b')よりも短いことが好ましい。また、第4延伸部と第2延伸部との平行に延びる部位間の距離(c、c')は、第1延伸部と第3延伸部(a、a')との距離よりも短いことが好ましい。
第1接続部と第2接続部との間では、これらを結ぶ直線部分で電流集中が起きやすい(電気が流れやすい)。そのため、第1接続部及び第2接続部を結ぶ直線部分に近い第1延伸部と2つの第3延伸部とに電流が拡散しやすい。従って、第1延伸部と第3延伸部との間隔を広くすることで、電流の集中を抑えることができる。一方、第1接続部及び第2接続部から離れるほど、すなわち半導体積層体の周辺に近いほど電流が拡散しにくくなる。従って、半導体積層体の周辺に配置される延伸部では、隣接する延伸部同士の間隔を狭くする方が電流拡散を促進させることができる。つまり、距離の大きいものから順に、第1延伸部と第3延伸部との距離(a、a')、第2延伸部と第3延伸部との距離(b、b')、第4延伸部と第2延伸部との距離(c、c')となることが好ましい。このように延伸部を配置することで、半導体積層体の電流密度分布の偏りを低減することができる。
第1延伸部と2つの第3延伸部との距離であるaとa'とは、長さが異なっていてもよい。また、第1延伸部に対して垂直な方向において、隣接する第2延伸部と第3延伸部とのそれぞれの距離であるbとb'とは、長さが異なっていてもよい。さらにまた、第1延伸部に対して垂直な方向において、隣接する第4延伸部と第2延伸部との距離であるcとc'とは、長さが異なっていてもよい。
図1Aに示すように、第4延伸部の先端部が曲がっている場合には、第1延伸部の延伸方向における第4延伸部の先端部と第2延伸部との距離(e、e')は、第1延伸部に対して垂直な方向における第4延伸部と第2延伸部との平行に延びる部位間の距離(c、c')よりも長いことが好ましい。
これにより、第4延伸部の先端部と第1接続部との間で電流が集中する傾向を緩和させることができ、半導体積層体の全面に均一に電流を拡散させることができる。
第1延伸部の延伸方向における第4延伸部の先端部と第2延伸部との距離であるeとe'とは、長さが異なっていてもよい。
図2Aに示すように、第2延伸部の先端部が曲がっている場合には、第1延伸部の延伸方向における第2延伸部の先端部と第3延伸部との距離(d、d')は、第1延伸部に対して垂直な方向における第2延伸部と第3延伸部との平行に延びる部位間の距離(b、b')よりも長いことが好ましい。
これにより、第2延伸部の先端部と第2接続部との間で電流が集中する傾向を緩和させることができ、半導体積層体の全面に均一に電流を拡散させることができる。
なお、第1延伸部の延伸方向における第2延伸部の先端部と第3延伸部との距離であるdとd'とは、長さが異なっていてもよい。
第1電極及び第2電極は、半導体積層体との間に、後述するように、この第1導電型半導体層又は第2導電型半導体層の略全面を被覆する透光性の導電層がさらに配置されていることが好ましい。透光性の導電層は、第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層上の両方に設けられていてもよい。ここで、略全面とは、第2導電型半導体層の全面積の90%又は95%程度以上の面積を意味する。なお、このような透光性の導電層が形成されている場合、また、第1電極又は第2電極の下であって、透光性の導電層と第1導電型半導体層又は第2導電型半導体層との間の少なくとも一部において絶縁膜が形成されていてもよい。この絶縁膜により、第1電極と第2電極に光が当たって吸収されることを抑制することができる。
第1電極及び第2電極は、通常、第1電極又は第2電極の外縁を囲んだ矩形の面積が、後述する透光性の導電層又は半導体積層体の面積の60〜90%であることが好ましく、70〜90%がさらに好ましい。これによって、半導体積層体の全面に均一に電流を供給することができる。これに加えて、半導体積層体上に占める電極(第1電極及び第2電極)の面積を低減させることができるため、これら電極による光の吸収等を低減させ、半導体積層体からの光取り出し効率の低下を回避することができる。
特に、第1電極又は第2電極の外縁を囲んだ矩形は、発光素子の重心に向かって縮尺した、発光素子の平面視における外形又は第2導電型半導体層の平面視における外形と相似又は略相似の形状とすることが好ましい。このような形状によって、より均一な電流の供給を実現することができる。
ここでの第1電極又は第2電極の外縁を囲んだ矩形とは、第1電極又は第2電極の最も外側に配置する端部に接し、かつ発光素子又は第2導電型半導体層の平面形状の外形に平行な線をそれぞれ描いて囲まれる矩形を意味する。また、略相似とは、±10%程度の部分的な縮尺率の変動が許容される意味である。
第1電極及び第2電極は、例えば、Ni、Rh、Cr、Au、W、Pt、Ti、Al等の金属又は合金による単層膜又は多層膜を用いることができ、その中でも、Ti/Pt/AuやTi/Rh/Au等の順番に積層した多層膜を用いることが好ましい。
一実施形態では、第1電極は、1つの中心線上の一端側に偏在した第1接続部と、第1接続部から、この1つの中心線に平行に延伸する部位をそれぞれ備える複数の延伸部(つまり、第1延伸部及び第2延伸部)とを有している。第2電極は、第1接続部の在る1つの中心線上の他端側に偏在した第2接続部と、第2接続部から、この1つの中心線に平行に延伸する部位をそれぞれ備える複数の延伸部(第3延伸部及び任意に第4延伸部)とを有している。第1延伸部、第2延伸部、第3延伸部及び任意に第4延伸部は、1つの中心線に直交する別の中心線方向において交互に配置されている。さらに、互いに隣接する第1延伸部、第2延伸部、第3延伸部及び任意に第4延伸部の距離が、半導体積層体の外周に近い側に向かって小さくなる。
(導電層)
第1電極又は第2電極と半導体積層体との間に配置する導電層は、第1電極又は第2電極から供給される電流を、第1導電型半導体層又は第2導電型半導体層の面内全体に均一に流すための部材である。導電層として金属薄膜を用いることもできるが、発光素子の光取り出し面側に配置されるため、透明性を有する導電層、具体的には、導電性酸化物層が好ましい。このような導電性酸化物としては、Zn、In、Sn、Mgから選択される少なくとも1種を含む酸化物、具体的にはZnO、In23、SnO2、ITO(Indium Tin Oxide;ITO)、IZO(Indium Zinc Oxide)、GZO(Gallium-doped Zinc Oxide)等が挙げられる。導電性酸化物(特にITO)は可視光(可視領域)において高い光透過性を有し(例えば、60%以上、70%以上、75%以上又は80%以上)、また導電率の比較的高い材料であることから好適に用いることができる。
(パッケージング)
本開示の発光素子は、基体に実装し、封止部材で封止して発光装置を構成してもよい。この場合、発光素子はフェイスアップ又はフェイスダウンのいずれによって実装されていてもよい。
基体は、通常、配線と、絶縁性材料とによって形成されている。配線は、発光素子の電極に電力を供給するために用いられるものである。そのために、この機能を果たすことができる導電材であれば、限定されることなくいかなる材料でも用いることができる。このような材料としては、上述した第1電極等に使用されるもののなかから適宜選択することができる。絶縁性材料としては、セラミック、樹脂、誘電体、パルプ、ガラス又はこれらの複合材料、あるいはこれら材料と導電材料(例えば、金属、カーボン等)との複合材料等が挙げられる。
なお、配線及び絶縁性材料は、一体として、直方体又は立方体等であってもよいし、発光素子を実装するいずれかの部位に凹部が形成されていてもよい。
封止部材は、発光素子及びワイヤ等の接続部材等を外部から保護するために使用され、発光素子から光を効率的に取り出すことができる材料であれば、いかなる材料でも用いることができる。例えば、透光性樹脂が挙げられる。透光性樹脂は、蛍光体、光拡散材、無機フィラー等を含有していてもよい。
透光性樹脂は、活性層から出射される光の60%以上を透過するもの、さらに、70%、80%又は90%以上を透過するものが好ましい。このような樹脂は、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
蛍光体は、当該分野で公知のものを使用することができる。例えば、発光素子として青色発光する窒化ガリウム系発光素子を用いる場合、青色光を吸収して黄色〜緑色系発光するYAG系、LAG系、緑色発光するSiAlON系(βサイアロン)、赤色発光するSCASN、CASN系の蛍光体の単独又は組み合わせが挙げられる。また、青色域に励起帯を有し、発光ピークの半値幅の狭い赤色発光蛍光体として、例えば、K2SiF6:Mn4+、K2TiF6:Mn4+、K2SnF6:Mn4+、Na2TiF6:Mn4+、Na2ZrF6:Mn4+、K2Si0.5Ge0.56:Mn4+等の組成を有するフッ化物蛍光体を用いてもよい。
以下に、本開示の発光素子の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
<実施例1>
この実施例1の発光素子10Aは、図1Aと図1Cに示すように、基板2と、基板2上に設けられた第1導電型半導体層であるn型半導体層3、活性層33、第2導電型半導体層であるp型半導体層4を順に有する半導体積層体5と、n型半導体層3上に形成された第1電極6であるn側電極と、p型半導体層4上であって、n側電極を取り囲んで配置された第2電極7であるp側電極とを備える。
基板2及び半導体積層体5(特に、p型半導体層4)は、平面視で略正方形であり、半導体積層体5(又は基板2)の一辺の長さは、800μmである。
n側電極である第1電極6は、半導体積層体5のうち、p型半導体層4及び活性層33の一部が除去されて露出したn型半導体層3上に形成され、n型半導体層3と電気的に接続されている。n側電極である第1電極6は、これらp型半導体層4及び活性層33に取り囲まれている。
p側電極である第2電極7は、p型半導体層4の上に形成されている。p側電極である第2電極7とp型半導体層4との間には、p型半導体層4上の略全面に形成された透光性の導電層8が配置されている。p側電極である第2電極7は、導電層8を介して、p型半導体層4と電気的に接続されている。
これら半導体積層体5、n側電極及びp側電極は、後述する第1接続部6a及び第2接続部7aの一部以外は、保護膜9によって被覆されている。
n側電極である第1電極6及びp側電極である第2電極7は、外部回路と電気的に接続される第1接続部6a及び第2接続部7aをそれぞれ備える。第1接続部6a及び第2接続部7aは、半導体積層体5の第1中心線の上の一端側及び他端側にそれぞれ配置されている。この第1中心線は、半導体積層体5の一辺に平行な線であって、この一辺に直交する他辺の中点を通る線である。第1接続部6a及び第2接続部7aは、直径が100μm程度の大きさの略円形を有する。第1接続部6aと第2接続部7aとの(中点間)距離は、473μmである。
n側電極である第1電極6は、第1接続部6aから第2接続部7aに向かって直線状に延びる第1延伸部6bと、第1延伸部6bを挟みかつ第1延伸部6bに対して平行に、第1接続部6aから延びる2つの第2延伸部6cとを備える。第1延伸部6bは、半導体積層体5の一辺と平行であり、第1中心線上に延びている。
第1延伸部6b及び第2延伸部6cの太さは略同じであり、12μmである。第1延伸部6bの全長は、215μmである。第2延伸部6cの全長は1100μmであり、第1延伸部6bに対して平行な直線の部位は470μm程度である。
p側電極である第2電極7は、第1延伸部6bと2つの第2延伸部6cとの間のそれぞれに、第1延伸部6bに対して平行に延びる2つの第3延伸部7bを備える。また、第2接続部7aは、さらに、第2延伸部6cの外側に、第1延伸部6bに対して平行に延びる第4延伸部7cを有する。この第4延伸部7cの先端部7dは、第1接続部6aに近づく方向へ曲がっている。
第3延伸部7bの太さは、8μmである。第4延伸部7cの太さは、第2接続部から離れるにつれて細くなり、10μmの部位と6μmとの部位がある。第3延伸部7bの全長は、666μmであり、第1延伸部6bに対して平行な直線の部位は235μm程度である。第4延伸部7cの全長は1940μmであり、第1延伸部6bに対して平行な直線の部位は760μm程度である。
第1延伸部6bと2つの第3延伸部7bとの距離a、a'は、それぞれ同じであり、130μmである。第3延伸部7bの先端と、第3延伸部7bを第1延伸部6bに対して平行に延長した方向における第2延伸部6cとの距離fは、166μmである。
第3延伸部7bと第2延伸部6cとの距離b、b'は、それぞれ同じであり、102μmである。
第2延伸部6cと第4延伸部7cとの距離c、c'は、それぞれ同じであり、60μmである。
第2延伸部6cと第4延伸部7cの先端部7dとの距離e、e'は、それぞれ同じであり、91μmである。
また、第2延伸部6cの先端と、第2延伸部6cを第1延伸部6bに対して平行に延長した方向における第4延伸部7cとの距離gは、104μmである。
第1延伸部6bの先端と第2接続部7aとの距離hは、152μmである。
従って、第2延伸部6cと第3延伸部7bとの距離b、b'は、第1延伸部6bと第3延伸部7bとの距離a、a'よりも短い。
第4延伸部7cと第2延伸部6cとの平行に延びる部位間の距離c、c'は、第2延伸部6cと第3延伸部7bとの距離b、b'よりも短い。
第4延伸部7cと第2延伸部6cとの平行に延びる部位間の距離c、c'は、第1延伸部6bと第3延伸部7bとの距離a、a'よりも短い。
第4延伸部7cと第2延伸部6cとの平行に延びる部位間の距離c、c'は、第4延伸部7cの先端部7dと第2延伸部6cとの距離e、e'よりも短い。
この発光素子10Aでは、n側電極である第1電極6を取り囲むp側電極である第2電極7が、半導体積層体5の中心点を中心として、上述した導電層8の平面積の70%程度の縮尺領域内に配置されている。言い換えると、第2電極7の最も外側に配置する端部に接し、かつ半導体積層体5の辺に平行な線を4本描いた場合、その4本の線によって囲まれる平面積が、導電層8の平面積の70%の面積縮小率である(図1A中、点線で囲んだ領域参照)。
<実施例1の変形例1>
図1Bに示すように、この実施例1の変形例1の発光素子10Bは、p側電極とn側電極とが入れ替わった形態、つまり、第1電極16をp側電極とし、第2電極17をn側電極とした以外、実施例1の発光素子10Aと実質的に同様の構成を有する。
つまり、p側電極として第1電極16を備え、第1接続部16a、第1延伸部16b、第2延伸部16cが配置されている。また、n側電極として第2電極17を備え、第2接続部17a、第3延伸部17b、第4延伸部17cが配置されている。第4延伸部17cの先端部17dは、第1接続部16aに近づく方向へ曲がっている。
第1延伸部16bの太さは、12μmである。
第2延伸部16cの太さは、12μmである。
第3延伸部17bの太さは、8μmである。
第4延伸部17cの太さは、第2接続部17aに近いところで10μm、先端部側で6μmである。
<実施例1の変形例2>
図1Dに示すように、この実施例1の変形例2の発光素子10Cは、発光素子10Aと同様に、第2電極7において、第2接続部7a、第3延伸部7b、第4延伸部7cが配置されているが、第4延伸部7cの先端が曲がっておらず、第1接続部6aの最も外側の端部を越えて、発光素子10Cの端部まで直線状に延長している以外、実施例1の発光素子10Aと同様の構成を有する。
ここで、第4延伸部7cの発光素子端部近傍における先端と、第4延伸部7cを第1延伸部6bに対して平行に延長した方向における半導体積層体5の端部との距離は、62μmである。
<実施例2>
この実施例2の発光素子20Aは、図2Aに示すように、基板2と、基板2上に設けられた第1導電型半導体層であるn型半導体層3、活性層33、第2導電型半導体層であるp型半導体層4を順に有する半導体積層体5と、n型半導体層3上に形成された第2電極27であるn側電極と、p型半導体層4上であって、第2電極27であるn側電極を取り囲んで配置された第1電極26であるp側電極とを備える。
基板2及び半導体積層体5(特に、p型半導体層4)は、平面視で略正方形であり、半導体積層体5(又は基板2)の一辺の長さは、800μmである。
n側電極である第2電極27は、半導体積層体5のうち、p型半導体層4及び活性層33の一部が除去されて露出したn型半導体層3上に形成され、n型半導体層3と電気的に接続されている。n側電極である第2電極27は、これらp型半導体層4及び活性層33に取り囲まれている。
p側電極である第1電極26は、p型半導体層4の上に形成されている。p側電極である第1電極26とp型半導体層4との間には、p型半導体層4上の略全面に形成された透光性の導電層28が配置されている。p側電極である第1電極26は、導電層28を介して、p型半導体層4と電気的に接続されている。
これら半導体積層体5、n側電極及びp側電極は、後述する第1接続部26a及び第2接続部27aの一部以外は、保護膜9によって被覆されている。
p側電極である第1電極26は第1接続部26aを備え、n側電極である第2電極27は第2接続部27aを備える。第1接続部26a及び第2接続部27aは、半導体積層体5の第1中心線の上の一端側及び他端側にそれぞれ配置されている。
p側電極である第1電極26は、第1接続部26aから第2接続部27aに向かって直線状に延びる第1延伸部26bと、第1接続部26aから第1延伸部26bを挟みかつ第1延伸部26bに対して平行に延びる2つの第2延伸部26cとを備える。第1延伸部26bは、半導体積層体5の一辺と平行であり、上述した第1中心線上に延びている。第1延伸部26bの太さは、12μmである。第2延伸部26cの太さは、第1接続部26aから離れるにつれて細くなり、10μmの部位と6μmとの部位がある。第1延伸部26bの全長は、248μmである。第2延伸部26cの全長は1760μmであり、第1延伸部26bに対して平行な直線の部位を880μm程度有する。
第2延伸部26cは、第2接続部27aに近づく方向へ曲がった先端部26dを有する。
n側電極である第2電極27は、第1延伸部26bと2つの第2延伸部26cとの間のそれぞれに、第1延伸部26bに対して平行に延びる2つの第3延伸部27bを備える。この第3延伸部27bは、第1接続部26aに近づく方向へ曲がった先端部27cを有する。
第3延伸部27bの太さは、8μmである。第3延伸部27bの全長は、666μmであり、第1延伸部26bに対して平行な直線の部位を324μm程度有する。
第1延伸部26bと2つの第3延伸部27bとの距離a、a'は、それぞれ同じであり、130μmである。
第3延伸部27bと第2延伸部26cとの距離b、b'は、それぞれ同じであり、61.5μmである。
第3延伸部27bと第2延伸部26cの先端部26dとの距離d、d'は、それぞれ同じであり、112μmである。
この発光素子20Aでは、第2電極27であるn側電極を取り囲む第1電極26であるp側電極が、半導体積層体5の中心点を中心として、上述した導電層28の平面積の70%程度の縮尺領域内に配置されている。
上述した以外は、実質的に実施例1と同様の構造を有する。
<実施例2の変形例>
図2Bに示すように、この実施例2の変形例の発光素子20Bは、p側電極とn側電極とが入れ替わった形態、つまり、第2電極227をp側電極とし、第1電極226をn側電極とした以外、実施例2の発光素子20Aと実質的に同様の構成を有する。
つまり、n側電極として第1電極226を備え、第1接続部226a、第1延伸部226b、第2延伸部226cが配置されている。第2延伸部226cの先端部226dは、第2接続部227aに近づく方向へ曲がっている。また、p側電極として第2電極227を備え、第2接続部227a、第3延伸部227bが配置されている。第3延伸部227bの先端部227cは、第1接続部226aに近づく方向へ曲がっている。
第1延伸部226bの太さは、10μmである。
第2延伸部226cの太さは、第1接続部226aから離れるにつれて細くなり、10μmの部位と6μmとの部位がある。
第3延伸部227bの太さは、8μmである。
<実施例3>
この実施例3の発光素子30は、図3に示したように、発光素子10Aに比較して、第1電極であるn側電極の第1接続部36aが、第2電極であるp側電極の第2接続部37a方向に移動し、それに伴って、第1延伸部36b及び第2延伸部36cの第1接続部36aからの延長状態が若干変化した以外、実施例1の発光素子10Aと同様の構成を有する。
<実施例4>
この実施例4の発光素子40は、図4に示したように、発光素子10Aに比較して、n側電極の第1接続部46aが、p側電極の第2接続部47aと反対側の方向に移動し、それに伴って、第1延伸部46b及び第2延伸部46cの第1接続部46aからの延長状態が若干変化した以外、実施例1の発光素子10Aと同様の構成を有する。
<実施例5>
この実施例5の発光素子50は、図5に示したように、n側電極の第1接続部56aを半導体積層体5の最も近い一辺に接触するように移動させた。これにより、第1接続部56aと第2接続部57aとの距離を、実施例1の473μmから593μmに延長した。
また、第1延伸部56bの先端と第2接続部57aとの距離と、第2延伸部56cの先端と、第2延伸部56cを第1延伸部56bに対して平行に延長した方向における第4延伸部57cとの距離とを、発光素子10Aにおけるそれらの距離と同一とするために、第1延伸部56b及び第2延伸部56cの長さを長くした。詳細には、第1延伸部56bの全長を335μmとし、第2延伸部56cの全長を1300μmとした。
また、第3延伸部57b及び第4延伸部57cを、第1接続部56aが接触する半導体積層体5の一辺側に伸ばした。詳細には、第3延伸部57bの全長を978μmとし、第4延伸部57cの全長を1612μmとした。また、第3延伸部57bの先端と半導体積層体5の一辺に接する第2延伸部56cとの距離は174μmであり、第4延伸部57cの先端と半導体積層体5の一辺との距離は62μmである。
<実施例6>
この実施例6の発光素子60は、図6に示したように、n側電極の第1接続部66aを半導体積層体5の最も近い一辺に接触するように移動させた。これにより、第1接続部66aと第2接続部67aとの距離を、実施例1の473μmから593μmに延長した。
また、第1延伸部66bの先端と第2接続部67aとの距離と、第2延伸部66cの先端と、第2延伸部66cを第1延伸部66bに対して平行に延長した方向における第4延伸部67cとの距離とを、発光素子10Aにおけるそれらの距離と同一とするために、第1延伸部66b及び第2延伸部66cの長さを長くした。詳細には、第1延伸部66bの全長を335μmとし、第2延伸部66cの全長を1300μmとした。
また、第3延伸部67b及び第4延伸部67cを、第1接続部66aが接触する半導体積層体5の一辺側に伸ばした。詳細には、第3延伸部67bの全長を978μmとし、第4延伸部67cの全長を1486μmとした。また、第3延伸部67bの先端と半導体積層体5の一辺に接する第2延伸部66cとの距離は174μmであり、第4延伸部67cの先端と半導体積層体5の一辺との距離は125μmである。
<実施例7>
この実施例7の発光素子70は、図7に示したように、第2延伸部76cの全長が短くなり(全長:832μm)、第2延伸部76cの先端と第2延伸部76cを第1延伸部76bに対して平行に延長した方向における第4延伸部77cとの距離が長くなった(距離j:172μm)点、第1延伸部76bが長くなり、第1延伸部76bと第2接続部77aとの距離が短くなった(距離k:136μm)点以外、実施例1の発光素子10Aと同様の構成を有する。
<実施例8>
この実施例8の発光素子80は、図8に示したように、第3延伸部87bの全長が長くなり(全長:760μm)、第3延伸部87bの先端と第3延伸部87bを第1延伸部86bに対して平行に延長した方向における第2延伸部86cとの距離が短くなった(距離m:130μm)点以外、実施例1の発光素子10Aと同様の構成を有する。
<実施例9>
この実施例9の発光素子90は、図9に示したように、第2延伸部96cの全長が短くなり(全長:832μm)、第2延伸部96cの先端と第2延伸部96cを第1延伸部96bに対して平行に延長した方向における第4延伸部97cとの距離が長くなった(距離j:172μm)点、第1延伸部96bが長くなり、第1延伸部96bと第2接続部97aとの距離が短くなった(距離k:136μm)点、第3延伸部97bの全長が長くなり(全長:760μm)、第3延伸部97bの先端と第3延伸部97bを第1延伸部96bに対して平行に延長した方向における第2延伸部96cとの距離が短くなった(距離m:130μm)点以外、実施例1の発光素子10Aと同様の構成を有する。
<参考例>
この参考例における発光素子100は、図10に示したように、第2延伸部106cと第3延伸部107bとの距離Xが、第1延伸部106bと第3延伸部107bとの距離Y及び第2延伸部106cと第4延伸部107cとの距離Zと等しい以外、実施例1と実質的に同様の構成を有する。なお、X=Y=Z=99μmとした。
<発光素子の評価>
実施例1、5、8の発光素子10A、50、80及び参考例の発光素子100について、電流密度の分布を、有限要素法を用いたシミュレーションソフトにより解析した。その結果を図11にそれぞれ示す。図11において、濃淡が濃い程に電流密度が高いことを示す。
発光素子100では、第1延伸部と第3延伸部との距離が短いため、第1接続部及び第2接続部の間で電流が集中し、中心に電流が集まりやすい。
これに対して、第1延伸部と第3延伸部との距離を長くした発光素子10A、50及び80では、中心部分の電流の集中が緩和された。また、第1延伸部に対して垂直な方向における第2延伸部と第3延伸部との距離、第2延伸部と第4延伸部との距離を、第1接続部及び第2接続部から離れるにつれて(すなわち、半導体積層体周辺に近づくにつれて)短くしたことにより、半導体積層体の周辺にまで電流が拡散していた。
発光素子80は、発光素子10Aに対して第3延伸部が長く、第3延伸部の先端が第1接続部に近くなったため、発光素子80の中心部分の電流がより拡散された。
発光素子50では、第1接続部が半導体積層体の周辺(一辺側)に配置され、第4延伸部の先端が半導体積層体の隅部付近まで伸びていることにより、半導体積層体の隅部においても電流が広がっていることが分かる。
その他の実施例の発光素子20A、30、40、60、70、90も電流密度分布において同様の効果を有した。
上述した実施例1、3、4、5、6、8の発光素子(発光素子10A、30、40、50、60、80)をそれぞれ3個ずつ準備し、参考例の発光素子100も同様に準備した。これらの発光素子を、以下のように評価した。
発光素子10A、30、40、50、60について、第1電極であるn側電極の第1接続部と第2電極であるp側電極の第2接続部との距離による影響を確認した。各発光素子に電流350mAを印加し、Po、Vf、初期電力効率を比較したところ、発光素子10A、30、40が発光素子50、60よりも良好であった。これにより、Po、Vf、初期電力効率の観点では、第1接続部と第2接続部とをある程度近づけることが好ましく、また、n側電極の第1接続部は、半導体積層体の最も近い一辺に接触させるよりも、p型半導体層に囲まれている方が好ましいことが分かる。
次に、発光素子10A、80及び参考例の発光素子100について、電流350mAを発光素子に印加して光出力(Po)と順方向電圧(Vf)を測定した。光出力の単位はmWである。
また、初期電力効率を、{光出力/(電流×電圧)}×100[%]の式により求めた。電流の単位はmA、電圧の単位はVである。
初期電力効率に関して、発光素子80は、発光素子10Aと発光素子100よりも良好であった。Vfは、発光素子80が、発光素子10Aよりも良好であり、発光素子10Aが、発光素子100よりも良好であった。
これらの結果により、光出力を向上させるには第1接続部と第2接続部とをある程度近づけること効果的であり、電流集中緩和やVf低減には距離x、yを距離zよりも長くすることと、距離mをある程度短くすることが効果的であると考えられる。初期電力効率の観点からは、これらの点でバランスの取れている発光素子80が最も良好であった。
<発光装置の評価>
凹部を有するセラミック製パッケージ(縦×横×高さ=3mm×3mm×0.52mm)に、実施例8の発光素子80と参考例の発光素子100とをそれぞれ実装し、YAGを含むシリコーン樹脂で発光素子を封止して、白色発光装置を作製した。これら白色発光装置について、Vf、光束(lm)、及び発光効率(lm/W)を測定し比較した。
その結果、発光素子80を実装した白色発光装置は、発光素子100を実装した白色発光装置よりも、Vfが0.59%低く、光束が0.39%向上し、発光効率が0.93%向上した。
これにより、白色発光装置では、発光素子80の電流密度分布、すなわち発光分布が参考例の発光素子100より改善されたため、光束と発光効率が向上したと考えられる。
本開示の発光素子は、各種発光装置、特に、照明用光源、LEDディスプレイ、液晶表示装置などのバックライト光源、信号機、照明式スイッチ、各種センサ及び各種インジケータ、動画照明補助光源、その他の一般的な民生品用光源等に好適に利用することができる。
2 基板
3 n型半導体層(第1導電型半導体層)
33 活性層(発光層)
4 p型半導体層(第2導電型半導体層)
5 半導体積層体
6、16、26、46、116 第1電極
6a、16a、26a、226a、36a、46a、56a、66a、76a、86a
、96a、106a 第1接続部
6b、16b、26b、226b、36b、46b、56b、76b、86b、96b
、106b 第1延伸部
6c、16c、26c、226c、36c、46c、56c、76c、86c、96c
、106c 第2延伸部
7、17、27、227 第2電極
7a、17a、27a、227a、37a、47a、57a、67a、77a、87a
、97a、107a 第2接続部
7b、17b、27b、227、37b、47b、57b、67b、77b、87b、
97b、107b 第3延伸部
7c、17c、37c、47c、57c、67c、77c、87c、97c、107c
第4延伸部
7d、17d、26d、27c、226d、227c 先端部
8、18、28、228 導電層
9 保護膜
10A、10B、10C、20A、20B、30、40、50、60、70、80、9
0、100、110 発光素子
16c、17d 先端部
a、a’ 第1延伸部と第3延伸部との距離
b、b’ 第2延伸部と第3延伸部との距離
c、c’ 第4延伸部と第2延伸部との平行に延びる部位間の距離
d、d’ 第2延伸部の先端部と第3延伸部との距離
e、e’ 第4延伸部の先端部と第2延伸部との距離
f、m 第3延伸部の先端と第3延伸部を第1延伸部に対して平行に延長した方向にお
ける第2延伸部との距離
g、j 第2延伸部の先端と第2延伸部を第1延伸部に対して平行に延長した方向にお
ける第4延伸部との距離
h、k 第1延伸部と第2接続部との距離

Claims (11)

  1. 第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層上にそれぞれ第1電極及び第2電極を有し、前記第1電極及び前記第2電極が、前記第1導電型半導体層及び前記第2導電型半導体層の同一面側に配置されてなる発光素子であって、
    平面視において、
    前記第1電極及び前記第2電極は、ワイヤボンディングされる領域である第1接続部及び第2接続部をそれぞれ有し、
    前記第1電極は、前記第1接続部から前記第2接続部に向かって直線状に延びる第1延伸部と、前記第1延伸部を挟んでそれぞれ離間して前記第1接続部から延びる2つの第2延伸部とを備え、
    前記第2電極は、それぞれ離間して前記第2接続部から延びる2つの第3延伸部と、該2つの第3延伸部それぞれの外側において、それぞれ離間して前記第2接続部から延びる2つの第4延伸部とを備え、
    前記第1延伸部、前記第2延伸部、前記第3延伸部及び前記第4延伸部は互いに平行な部位を有し、前記第1延伸部に直交する方向において交互に配置され、
    前記第4延伸部の先端部は、前記第1接続部に近づく方向へ曲がっていることを特徴とする発光素子。
  2. 第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層上にそれぞれ第1電極及び第2電極を有し、前記第1電極及び前記第2電極が、前記第1導電型半導体層及び前記第2導電型半導体層の同一面側に配置されてなる発光素子であって、
    平面視において、
    前記第1電極及び前記第2電極は、第1接続部及び第2接続部をそれぞれ有し、
    前記第1電極は、前記第1接続部から前記第2接続部に向かって直線状に延びる第1延伸部と、前記第1延伸部を挟んで延びる2つの第2延伸部とを備え、
    前記第2電極は、2つの第3延伸部と、該2つの第3延伸部それぞれの外側に延びる2つの第4延伸部とを備え、
    前記第1延伸部、前記第2延伸部、前記第3延伸部及び前記第4延伸部は互いに平行な部位を有し、前記第1延伸部に直交する方向において交互に配置され、
    前記第4延伸部の先端部は、前記第1接続部に近づく方向へ曲がっており、
    前記第1延伸部の延伸方向における前記第4延伸部の先端部と前記第2延伸部とのそれぞれの距離は、前記第1延伸部に対して垂直な方向における前記第4延伸部と前記第2延伸部との平行に延びる部位間の距離よりも長いことを特徴とする発光素子。
  3. 前記第1延伸部に対して垂直な方向において、隣接する前記第2延伸部と前記第3延伸部とのそれぞれの距離は、前記第1延伸部と前記2つの第3延伸部との距離よりも短い請求項1又は2に記載の発光素子。
  4. 前記第1延伸部と前記2つの第2延伸部とのそれぞれの距離が等しく、前記第1延伸部と前記2つの第3延伸部とのそれぞれの距離が等しい請求項1から3のいずれか一項に記載の発光素子。
  5. 前記第3延伸部の先端部が、前記第1接続部に近づく方向へ曲がっている請求項1から4のいずれか一項に記載の発光素子。
  6. 前記2つの第3延伸部が1つのU字を形成する形状となっている請求項1から5のいずれか一項に記載の発光素子。
  7. 前記第1導電型半導体層及び前記第2導電型半導体層を含む半導体積層体を有し、前記半導体積層体が矩形であり、前記第1延伸部と前記半導体積層体の一辺が平行である請求項1から6のいずれか一項に記載の発光素子。
  8. 前記第2延伸部は前記第1接続部から延び、前記第3延伸部は前記第2接続部から延びる請求項2又は請求項2を引用する請求項3から7のいずれか一項に記載の発光素子。
  9. 前記第1延伸部の延伸方向における前記第4延伸部の先端部と前記第2延伸部とのそれぞれの距離は、前記第1延伸部に対して垂直な方向における前記第4延伸部と前記第2延伸部との平行に延びる部位間の距離よりも長い請求項1又は請求項1を引用する請求項3から7のいずれか一項に記載の発光素子。
  10. 前記第4延伸部は前記第2接続部から延長している請求項2又は請求項2を引用する請求項3から8のいずれか一項に記載の発光素子。
  11. 前記第1電極及び第2電極は、前記第1電極又は第2電極の外縁を囲んだ面積が、前記半導体積層体の面積の60〜90%である請求項7及び請求項7を引用する請求項8から10のいずれか一項に記載の発光素子。
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